マリ「わんこ君…」(326)

アスカ「あんたほんとにバカね!バカシンジ!」

シンジ「アスカの自業自得じゃないか!アスカが起きるのが遅いのが悪いんだろ!?」

アスカ「なんですってぇ!?」
ギャースカギャスカ

マリ(姫はいいにゃぁ…わんこ君といちゃいちゃできて…)

シンジ「真希波もそう思うだろ!?アスカに言ってやってよ!」

マリ「にゃっ!?」

マリ「え、えと、そうだにゃー、姫もわんこ君が大好きだからってはしゃぎ過ぎだにゃー」アセアセ

マリ(いきなり声をかけられたからびっくりしたよ、もう…)

アスカ「は!?なななな///、なにいってんのよ!コネメガネ!」

シンジ「はぁ…アスカも少しくらい真希波に可愛らしさをわけてもらったらどうなのさ…」

マリ「!!!!!」

アスカ「はあぁぁ!???」

マリ(今わんこ君があたしのことかわいいって、かわいいって…!!)

アスカ「あんた、コネメガネに惚れてるわけぇ?あーあーお熱いことで!ふんっ!!」スタスタ

シンジ「僕なんかじゃ真希波に釣り合うわけないだろ。ごめんね、真希波。巻き込んじゃって…」

マリ「そんなことないにゃー。それよりわんこ君。姫が怒っていっちゃったよー。追いかけてあげてよ。」

シンジ「うん。ごめんね、またシンクロテストでね」タタッ

マリ「あ…」

マリ(いっちゃったにゃ…)

マリ(でもわんこ君にかわいいっていってもらえたにゃ)

マリ(今日はめちゃくちゃいい日だにゃ///)

………

……

シンクロテスト――――――

ゴポゴポ…

マリ「姫~、ご機嫌は直ったかにゃ?」

アスカ「ふんっ別に機嫌悪くなんてしてないわよ。」

レイ「二号機の人、機嫌が悪いの?」

アスカ「エコヒイキは黙ってなさいよ!」

レイ「…」

シンジ「もう…」

ミサト「アスカー、シンクロ率落ちてるわよー。余計なことは考えずに集中しなさい。」

アスカ「うるさいわね!してるわよ!」

リツコ「対照的にマリはシンクロ率が上昇してるわね。」

マヤ「最近のマリは調子がいいですね。シンクログラフも良好です。」

リツコ「お疲れ様。シンクロテスト終了よ。」

ミサト「あがっていいわよー。」

………

……

シンクロテスト終了後、帰宅中――――――

マリ(シンクロテストは毎度毎度面倒だにゃー)

マリ(今日は早く帰って寝よ)

プシュッ

シンジ「あ、真希波。お疲れ様」ニコッ

マリ「!!!!」

マリ「おーわんこ君、奇遇だにゃ」

マリ(わんこ君だわんこ君だわんこ君だ///)

シンジ「真希波は今帰り?せっかくだし出口まで一緒に行こっか」

マリ(にゃーーーー!!)

マリ「了解っ!!といいたところだけど、今日は姫の機嫌も損ねちゃったことだし、追いかけてってフォローしたほうがいいんじゃない?姫もさっき出てったばっかりだし」

シンジ「いいよ、アスカなんて。少しほっといて反省させればいいんだ」プイ

マリ(拗ねたわんこ君もかわいい//)

マリ「そういえば、さっきはどうして喧嘩してたの?」

シンジ「ああ、今日のお弁当は何故かアスカが作るって言われてたんだけど、アスカが寝坊しちゃってさ。」

マリ「ああ~それで姫が逆切れしたと…ご愁傷様にゃ…」

シンジ「はは…。そういえば真希波はいつもお昼時間中教室にいないけど、どうしてるの?」

マリ「購買でパン買って屋上で食べてるにゃ」

シンジ「そうなの?栄養偏るんじゃないかなぁ…。そうだ!僕今度真希波にもお弁当作ってくるよ!」

マリ「ほんとにゃ!?料理ができる男はもてるぞ~?…でも遠慮しておくにゃ」

シンジ「え、どうして?」

マリ「姫がまたご機嫌ななめになっちゃうからね。レイちゃんに作ってあげてるのも良く思ってないと思うよん」

マリ「姫もわがままで意地っ張りだからねぇ。でも今も絶対出口のあたりでわんこ君が来るの待ってるよ」ニヤニヤ

シンジ「あー…確かに」

マリ「ちょっと扱いが大変なお姫様だけど。頼んだよ、わんこの王子様っ」

シンジ「あははっなんだよ、それっ」クスクス

シンジ「それじゃ先に行くよ!またね!」タタッ

マリ(あ、いっちゃったにゃ…。ううん、これでいいにゃ)

………

……

夜・マリ宅――――――

「うぃーっぷ…」

「わんこくんがなんだー!ひめがなんだー!かってにいちゃいちゃしろってんだい…」

(わんこ君…今頃姫と何やってるんだろ…)

カランッ

「あ、もうビールがないにゃ…」

(買い置きはっと…もうないか…)

「ねよう…」モゾモゾ

(今日は早めに寝るつもりだったのにな…)パチッ

(今日はわんこ君の夢が見れるといいにゃ…)Zzz

………

……

学校・昼休み――――――

マリ(さて…今日も一人寂しく屋上としゃれこみますかな)

シンジ「あ、真希波!」

マリ(わんこ君?)

シンジ「真希波、今日僕お弁当作ってきたんだ。良かったら食べてよ」

アスカ「!」

マリ「え、お弁当?あたしに?いいの?」

シンジ「昨日話してたじゃない」ニコッ

アスカ「はあ!?あんたコネメガネにまで弁当作ってきたっての!?エコヒイキだけじゃなくて?」

シンジ「う、うん。」

アスカ「なんでアンタがそこまでしなくちゃなんないのよ!」

ヒカリ「あ、アスカ?」

シンジ「同じパイロットの仲なんだから心配して当たり前だろ?それにアスカにも作ってるんだから同じじゃないか」

アスカ「このアタシがコネメガネやエコヒイキと同じってぇの…!?」

アスカ「もうこんなのいらない!」ベントウ バシャッ

マリ(!!!!)

パシンッ

アスカ「ッ!」

アスカ「コネメガネ…!殴ったわね!」

マリ「姫、わんこ君に謝ってよ。せっかく早起きして姫のために作ってくれたわんこ君に失礼だよ!」

パシンッ

マリ(…!)ヒリヒリ

アスカ「うるさい!うるさいうるさい!」ダッ

ヒカリ「あ…アスカ!」タタッ

シンジ「真希波…大丈夫…?」

マリ「…あはは、だいじょぶだいじょぶ。あ~姫のお弁当、床に散らばっちゃってるにゃ!もったいないにゃー」ヨセテアツメテ

マリ「ごめんねー!アタシにお弁当作ってきたばっかりにこんなことになっちゃって。もうアタシには構わなくていいから姫のとこにいってあげてよ」

シンジ「真希波

マリ「行って欲しいにゃ」

シンジ「でも真希

マリ「行くにゃ」

シンジ「…わかった」

シンジ(でももうアスカに付き合いきれないよ…)スタスタ

ケンスケ「真希波、大丈夫か?」

トウジ「ほんっと、けったいな女やで!信じられへん!」

マリ「大丈夫だにゃ~。ささ、みんな席に戻った戻った!」

マリ(わんこ君に悪いことしちゃったにゃ…)

マリ(姫…。わんこ君にはなるべく近寄らないようにしなきゃいけないにゃー…)

マリ(わんこ君…)

マリ(あ…お弁当おいしい…)

………

……

学校屋上・昼休み――――――

バタン

ヒカリ「アスカ…!」

アスカ「…ヒカリ?」

アスカ「あーあ。どうしちゃったんだろアタシ。」

アスカ「バカシンジがコネメガネとかエコヒイキに何かしてあげてるのみたら、むしょうに腹が立ってきちゃった。」

アスカ「アイツがどこで何しようとアタシには関係ないはずなのにね。」

ヒカリ「わかる。」

アスカ「?」

ヒカリ「わかるよ。私も、トウジが他の女の子と話してるの見るとむしょうに嫌な気分になるもの」

アスカ「ふふっ」

ヒカリ「?」

アスカ「ヒカリ、それは違うわ。ヒカリはあの関西バカが好きだからでしょ?」

アスカ「バカシンジがアタシを好きなのは当然だけど?アタシはバカシンジなんか歯牙にもかけてないもの。」

ヒカリ(アスカ…それはあなたが意識してないだけで…)

アスカ「あーあ、コネメガネのせいでお昼ご飯食べ損ねちゃったわ。教室、戻りましょ?」

ヒカリ「うん…」

………

……

学校廊下・昼休み――――――

シンジ(真希波は行けっていったけど、アスカになんて言ったらいいんだ…)

アスカ「あら、バカシンジじゃない」

シンジ「!…あ、アスカ…お弁当のことなら」

アスカ「コネメガネのせいで食べ損ねたわ。ほんといい迷惑よ。」

アスカ「バカシンジ、今夜はハンバーグで埋め合わせしなさいよね。」

ヒカリ「アスカ…」

シンジ「…うん」

シンジ(悪びれてさえいないんだ…)

………

……

夜・マリ宅――――――

グビグビ

カランッ

マリ(わんこ君…)

マリ「おべんとう、おいしかったにゃー…ヒック」

マリ(おつまみも作れるのかにゃ。葛城三佐がうらやましいにゃ…)

マリ(なんでこんなに恋しくなっちゃったんだろ…)

マリ「わんこくーん…ヒック」

ゴロゴロゴロ…

マリ(あいたいにゃー…)

マリ(でも、姫の邪魔をするわけにはいかないにゃ…)

マリ「わんこくんのにおい、かぎたいよぉ」

マリ「わんこくん…」グスグス

マリ()Zzz

………

……



チュンチュン…

ムクッ

マリ「…」ボー…

マリ(部屋の中、酒臭いな…)

マリ(学校、いかなきゃ)

マリ「メガネ、メガネっと…」

マリ「うぇ~、髪まで酒臭いや。シャワー浴びなきゃ」

シャワァアアア

マリ(きもっちいい!)

マリ「…」

マリ「やっぱり姫に幸せになって欲しいや。」

マリ「なるべくわんこ君には近づかないようにしよう」

キュッ

マリ(洗濯してない下着溜まってきたな…)

準備中…

マリ「いってきま~す」

…パタン

朝・学校――――――

ケンスケ「あれ、おはよう。真希波。今日はずいぶんと遅いんだな。」

マリ「おっはよー。」ヒラヒラ

シンジ「あ、おはよう、真希波」ニコッ

マリ(うう~今日もわんこ君はかっこいいにゃ//)

マリ「はいはい、おはよ」ヒラヒラ

シンジ(あれ、なんだかそっけないや…機嫌でも悪いのかな)シュン

マリ(う~わんこ君がしゅんとしてる。ごめんにゃ…)

マリ「…」チラッ

マリ(今日は姫は普通みたいだ。わんこ君とは仲直りしたのかな?)


………

……

昼休み・学校――――――

トウジ「さ~あ、昼や昼やで~。学校最大の楽しみの時間や~!」

シンジ「綾波、はい。お弁当」

レイ「碇君…ありがとう」

アスカ「…」

シンジ「はい、真希波の分」ニコッ

マリ(!!!わんこ君~!!幸せすぎるにゃ//)

マリ(でも…ごめんにゃ…)

マリ「…なにこれ」

シンジ「え…」

マリ「昨日も思ってたけど、わんこ君。これ、余計なお世話だよ。」

マリ「最初に声かけられた時点で断ったの、忘れたのかにゃ?」

シンジ「あ…ごめん」

マリ「わかったら、あんまりアタシにかかわりすぎないで欲しいな」

シンジ「真希波、僕はそんなつもりじゃ」

マリ「じゃ。あたしは屋上いくから」フイッ

マリ(姫とはどうやって仲直りしよう…)

………

……

学校屋上・昼休みーーーーーー

マリ「はぁ~、結局またパンかー」

マリ(わんこ君のお弁当食べたかったなー)

マリ(………)

マリ(いやいやいや、まず姫と仲直りする方法かんがえないと)ビリビリ

マリ(私が直接話しに行っても怒らすだけだからなー)モシャモシャ

マリ(やっぱわんこ君を姫にけしかけるのが最善かにゃ?)モシャモシャ

マリ(うん!そうしよ!そうと決まれば善は急げ!)モシャモシャモシャゴックン

ガチャ

マリ「ん?」

ヒカリ「ちょっとゴメンね真希波さん、どうしても様子が気になっちゃって…」

マリ「お!良いところに来たね委員長さん♪ちょっと手伝って欲しいんだけどいいかにゃ?」

………

……

学校教室・昼休みーーーーーー

ガチャ

マリ「ね!姫!わんこ君!今週末一緒に遊びに行かない?」

アスカ「なんで私がコネメガネと一緒に出掛けなきゃいけないのよ?一人で行ってきなさいよ」

マリ「良いじゃん、行こうよ姫?委員長も行くって言ってくれたし。ね?」

ヒカリ「うん!なんか最近近くに猫カフェができたんだって。行ってみよアスカ?碇君も行くでしょ?」

シンジ「え?まぁ週末なら今のところ予定は無いけど…

ヒカリ「ほら!碇君も行くって!」

シンジ「え?まだ行くなんて…

マリ「じゃあ決定にゃ!」

ヒカリ「猫って可愛いよね、アスカ♪」

アスカ「もう…、しょうがないわね。バカ二人がお店に迷惑かけないように引率してやるわよ」

トウジ「なんやセンセ?週末仕事無いんならワイらと…

ヒカリ「あ!ちょっとトウジ!!手伝ってほしいことあるからこっち来てくれる!?」ガシッズリズリズリ

トウジ「痛っ!ぃだだだ!!なんやん委員長!どこ引っ張んてんねん!!」ズリズリズリ

ガチャ!バタン!!

シンジ・アスカ・マリ「」

マリ「まあ、じゃあそゆことでヨロシクにゃ♪」

………

……

週末・待ち合わせ場所ーーーーー

アスカ「なにぐずぐずしてんのよバカシンジ!はやく来なさいよちょっと遅れてんだから!」

シンジ「待ってよアスカ!そもそもアスカがギリギリまで寝てるのが悪いんじゃないか!」

アスカ「だったらもっと早く起こしなさいよ!ったくもう…!走ってきたらのど乾いちゃったからアンタなんか炭酸買ってきてよ」

アスカ「てかまだ二人も居ないじゃないの。なにやってんのよ」

シンジ「あれ?ホントだ。真希波はともかく、委員長が遅刻するのは珍しいね」

フラーィミートゥザムン♪ブルルルブルルル

アスカ「ん?メール?ヒカリからじゃない」

ヒカリ[ゴメン連絡遅れて!今日ちょっと家の都合で行けなくなっちゃった!あと真希波さんも私に連絡きたんだけど、なんか体調悪いから今日は無理そうなんだって]

アスカ「なによコレェ!二人とも来れないなんて!」

シンジ「え?二人とも来れないの?」

アスカ「なんかヒカリは都合悪くなって、コネメガネは体調悪いんだって!せっかくの休みなのにもうサイアク!」

シンジ(なんだよそれ。真希波に呼ばれたから出てきたのに…。ていうか体調悪いって大丈夫なのかな…?)

アスカ「そもそも提案したのコネメガネとヒカリなのになんで揃いも揃って…」ハッ!

アスカ(まさかあいつら…、ハメたわね…)

アスカ「はぁもう、しょうがないわね。せっかく出てきたんだから買い物付き合いなさいよバカシンジ」

シンジ「なんだよそれ!聞いてないよ!」

アスカ「いいから行くわよ!」スタスタ

アスカ「あっ!あそこ自販機あるじゃない!バカシンジ炭酸!」スタスタ

シンジ「…はぁもう、しょうがないなぁ」

………

……

週末・マリ宅ーーーーーー

ゴロゴロゴロ...

マリ「はぁぁ~」

マリ(姫とわんこ君、ちゃんとデートしてるかなー)ゴロゴロ

マリ(姫機嫌なおしてくれるかな~?)

マリ(…)

マリ(あいたかったにゃ~わんこ君…)

マリ(お日さまみたいなにおいで、あったかくてほんのりLCLのにおいも混じってて…)ゴロゴロ

マリ(わんこ君の人柄の良さがにじみ出てるんだよねー、あのにおい…)ゴロゴロピタッ

マリ(なんか無性にかぎたくなるんだよ…)

マリ「わんこ君…」

マリ「…」

マリ「…」

マリ「…はあ」

マリ(またお酒でも買ってこよっかな…)

………

……

週末・セレクトショップーーーーーー

アスカ「ねぇシンジ!さっきのと今着てるの、どっちが良い?」

シンジ「うーん、こっちのカットソーのがアスカっぽくない?さっき買ったストールとも合いそうだし」

アスカ「ふーん、まぁ悪くないわね。じゃあこっちにしよ」

シンジ「ていうかまだ買うの?もうそろそろ腕つらいんだけど…」ニモツドッサリ

アスカ「あんたバカァ?せっかく荷物持ちがいるのに買わないで帰るわけないじゃない」

シンジ「」

アスカ「ったく、しょうがないわね。じゃあちょっと休みましょ。言っとくけど文句言ったアンタのオゴリよ!」

シンジ「分かったよ!」

シンジ(なんだよ、二人で居ても文句ばっかり…)

………

……

週末・カフェーーーーーー

チリンチリーン

シンジ「ふぅ。やっと座れた…」ドサッ

アスカ「なによそれおやじくさい。」

シンジ「なんだよそれ、アスカの荷物を持ってあげてたんじゃないか」

アスカ「こんな美少女と買い物してるんだもの、感謝してほしいぐらいだわ」メニューヒラク

アスカ「あ、私このミルクレープ食べたい」

シンジ「はあ、好きにしなよ。でも夕食は帰ってから作るんだから食べ過ぎないでよ」

アスカ「分かってるわよ!シンジは決まったの?」

シンジ「僕はアイスコーヒーでいいよ」

アスカ「すいませーん!」

シンジ(なんでアスカはこんな突っかかってくるんだろう…。真希波ならもっとコロコロ笑ったりするのに…)

オマタセシマシター ゴチュウモンオウカガイシマス

シンジ(…真希波大丈夫かなあ?)

コノミルクレープノドリンクセットデー...

シンジ(一人暮らしだしな…、ご飯とかちゃんと食べてるかな…?)

アイスティート、ア、アトアイスコーヒーネ...

シンジ(いや、多分食べてないだろうな…。心配だな…)

イジョウデヨロシイデショウカ? カシコマリマシタ。

シンジ「ねえアスカ。このあと早めに切り上げて帰ってもいい?ミサトさんも早めに今日終わるみたいだし、夕食の準備しないと」

アスカ「そうねえ…、ま!けっこう荷物も増えてきたし。あと2、3軒まわったら帰ってもいいわよ」

シンジ「ありがとうアスカ」ニコッ

アスカ「それぐらい配慮してたわよ!」///テレッ

………

……

週末・帰り道ーーーーーー

アスカ「ちょっと!歩くの遅いってーの!」

シンジ「

誤投ミス!

週末・帰り道ーーーーーー

アスカ「ちょっと!歩くの遅いってーの!」

シンジ「アスカの荷物が重いからしょうがないだろ!文句言うなら手伝ってよ!」

アスカ「それぐらい持ちなさいよ!それに女性に歩幅合わせるくらいは最低限のマナーよ!キビキビ歩きなさい!」

シンジ「じゃあもっと女性らしくするべきじゃないか…」ボソッ

アスカ「なにか言った!?」

シンジ「言ってないって!」

週末・帰り道から少し離れた場所ーーーーーー

レイ「」スタスタ

チョット!アルクノオソイッテーノ!...

レイ「」?

レイ「碇君と、2号機の人…」

イイカライクワヨ!アンタハワタシノイウコト、キイトケバイインダカラ!

マッテッテ!アスカ!...

レイ「…」

レイ「…」

レイ「…」

レイ「………碇君」

週末夜・ミサト宅ーーーーーー

ミサト「ぷっはーーっ!キクーーーッ!」

シンジ「ちょっとミサトさん、オヤジくさいですよ」

ミサト「いいじゃないちょっとぐらい?私はねえ、この冷えたビールとシンちゃんのつまみのために生きているといっても過言じゃないわ…!」ケラケラ

シンジ「もう…、飲み過ぎないでくださいよ」

ミサト「明日も久々に休みだし、今日は呑むわよ~!」

シンジ「聞けよ」

アスカ「もうできあがってんじゃない。聞かないわよ」

アスカ「それより私部屋にいるから風呂入れるようになったら教えなさい」

シンジ「あ、ごめん」

シンジ「あとお湯張るだけだから自分でやってくれる?」

アスカ「はっ!?イヤよ、なんで私が!アンタ何すんのよ?!」

シンジ「僕はちょっと、洗剤買うの忘れてたから時間もあるし、買い物行ってくるよ!」

ミサト「えっ、シンちゃんもうつまみ作ってくれないの~?」ブーブー

シンジ「さっき夕食と一緒にいくつか作って冷蔵庫入れときましたから」

ミサト「さっっすがシンちゃん!完璧ね!」

アスカ「なにやってんのよもう…、じゃあ私ハーゲンダッツのマカダミアのやつね」

シンジ「え」

ミサト「じゃあ私は抹茶ねシンちゃん!」

シンジ「え」

ミサト「いってらー♪」

シンジ「」

シンジ「なんだよそれ!」

………

……

週末夜・マリ宅ーーーーーー

マリ「ぷっはぁー」カラン

マリ「なくなっちゃった…」

マリ(あと何本買ってあったっけ?)

マリ「…はあ」

マリ「なにやってんだろ、私…」

マリ(結局また洗濯もやってないし…)

マリ(換気もしなきゃだし。明日はやろう…)

マリ(…)

マリ(わんこくーん)

ピンポーン

マリ「おっ!速かったにゃドカタピザ!」

マリ「はーい!」

ガチャ

シンジ「真希な…

バタン!!

マリ「」

マリ「」

マリ「」

マリ「…はい?」

マリ(あれ?わんこ君ピザ屋のバイト始めたの…?)

マリ(ん?見間違い…?)

マリ(あれ?)

マリ(???)

シンジ「なんで閉めるんだよ真希波!」

マリ「!?」ビクッ!

マリ「わ、わんこ君!?何してんの!!?」アセッ

シンジ「真希波が体調悪いって聞いたから心配で来たんだけど…、迷惑だったかな?」

マリ(それは嬉しいけども!)///

マリ(くそう!嘘が裏目に出たよ!?)

マリ「あ、ちょっと待っ…」アタフタ

マリ(あー、どーしよ!部屋くちゃくちゃだし洗濯してないないし…)アタフタ

シンジ「…ゴメン、先に連絡しとけば良かったよね。急に来られても困るよね」

シンジ「じゃああんまり玄関に立たせるのも悪いし、元気な声だけでも聞けたしもう帰るよ」

マリ(…え?)ハッ

マリ「ダメッ!わんこ君!!」ガチャ!!

マリ「帰っちゃ…、やだ?」///カアァ

マリ(何してんのワタシ!?)///

シンジ「真希な、…み!?」

シンジ「…」

シンジ「…」

シンジ「くさい」

マリ「え?」

シンジ「なんでこんな…!息酒臭いんだよ!体調悪いって二日酔い!?」

マリ「え、あ、まあ、そうとも言う?」アハッ

マリ(なんかごまかせたけど、やだなコレ)

シンジ「…はぁ~、もう!心配して損したよ!…てか部屋もなんかスゴい臭うんだけど」

マリ「や、部屋はそんな汚くないから大丈夫だよ」アセアセ

マリ(やっばい、こんな惨状わんこ君には見せられない!)

シンジ「いやでも、もうここからビールの空き缶やら、ゴミ袋っぽいのが廊下に散乱してるの見えてるんだけど?」

マリ「まー、あれはその、わんこ君の気にすることじゃないよ」

シンジ「いや気になるよ!体調悪いなら換気もしなきゃだし…、」

シンジ(部屋もキレイにしなきゃ身体に障るだろうし、なによりこんな真希波ほっとけないよ)

シンジ「…よし。部屋の掃除とか手伝うよ」

マリ「え!?い、いいよ!そんなの!わんこ君に悪いにゃ!」

シンジ「いいってそんなの。…普段は必要無いかもしれないけど、体調悪い時ぐらい、お願いだからもっと頼ってよ」

マリ「え、…う、うん」///

シンジ「じゃあ早速だけど上がらせて。あ、あとこれ一応水分補給にと思ってスポーツ飲料持ってきたから飲めるとき飲んで」

マリ「あ、ありがとう。」

マリ(あちゃー、うっかり頷いちゃった…)

マリ「ホントはホントに部屋汚ないからね!」

シンジ「いいって、ミサトさんで慣れてるし」

シンジ「じゃあお邪魔します」クツヌギッ

マリ「どうぞー。なんかもう色々ビックリし過ぎて酔いも覚めちゃった」

シンジ「この部屋のアルコール臭は僕が酔っ払いそうだよ…」

マリ「なはは」

シンジ「まずは換気しなきゃだね。窓はどこかな?」

マリ「あ、じゃあ私ベランダの窓開けてくるからわんこ君、そこの換気扇回してくれる?」

シンジ「ん、えっーと、ああ、これだね」パチッ

マリ(今のうちに洗濯物はさすがに恥ずかしいから隠しとこ)ガラッーコソコソ

シンジ「あとはこの散乱してるゴミやら空き缶を集めてこうか。それだけでもだいぶマシになるでしょ」

マリ「了解にゃ」ビシッ

シンジ「…真希波そんな動いてて大丈夫なの?もし辛かったら僕やるから座ってなよ」

マリ「大丈夫だってわんこ隊長♪」

マリ(やっぱわんこ君は優しいにゃ~)///

シンジ「隊長って…、何の隊長なんだよ?」アハハ ゴミヒロイツツ

マリ「そりゃー、…お掃除特攻隊長?それか最年少主夫隊長!」アキカンヒロイツツ

シンジ「どこの軍にそんな隊があるんだよ」クス

マリ「実は自衛隊にも極秘裏に…」

マリ(なんか良いなぁ、こういうの。今まで戦う事しか楽しいことなんてなかったけど…、わんこ君がいるだけでなんか楽しい…)ドキドキ

………

……

シンジ「ふぅ~、こんなもんかな」ガチャ

マリ「あ、わんこ君ゴミ捨てありがとっ」

シンジ「いいよ、でもまさか大きいゴミ袋2ついっぱいになるとは思わなかったよ」クツヌギッ

マリ「ねー」

シンジ「ねーって、誰のゴミなんだよ。あ、もう窓閉めよう。じゅうぶん換気できてるよ」

マリ「ん?了解にゃ!」

シンジ「あれ?何このピザ?」ツクエノウエ

マリ「ああそれさっき届いたの。わんこ君来る前に注文してて」

シンジ「その横にビール用意してあるんだけど…?」

マリ「いやー、せっかくのピザだし、一仕事した後に呑むのが美味しいんじゃん!」

シンジ「……なんで2本出てるのかも聞いた方がいいかな?」

真希波「あ、バレた?一緒に呑むのが美味しいんじゃん!」ナハハ

シンジ「………はあぁ~」

シンジ「ホントにもう体調は大丈夫なんだよね?」

マリ「念押すなぁ~、大丈夫だよ」

シンジ「じゃあまぁ頑張ってくれたし、一本だけ付き合うよ」

マリ「え?いいの!?半分冗談なんだけど。それに頑張るもなにも元々私の家の掃除じゃん!」

シンジ「まぁそうなんだけど。いつも家で家事してるけど、ミサトさんやアスカが手伝ってくれたことなんて無いから。真希波と掃除してて嬉しかったっていうか、楽しかったんだ」

マリ(わんこ君も楽しかったの?)ドキッ

マリ「…私も。楽しかったよ」///ニコッ

シンジ「いや、うん、だからまあ、ビール1本くらいね」///ドキッ

マリ「そっ、か。あ、じゃあ冷める前に食べよっか?」///

シンジ「う、うん。そうだね」///ギクシャク

………

……

シンジ(………ていうか!)

シンジ(僕が一本呑む間に何本呑む気なんだよ真希波…!)

シンジ「真希波呑み過ぎじゃない?」

マリ「そんっっなことないってぇ!わんこ君が目の前に居るだけでつまみになるんだからぁ~。ソレニノミハジメハナンカキンチョウシテ…」ブツブツ

シンジ「え?なに?」

マリ「ってかわんこ君もなんかみょうに呑み慣れてない?」ウー

シンジ「そう?まぁたまにミサトさんにムリヤリ呑まされる時あるからかな?」ゴクッ

マリ「うー、やるなぁ~葛城三佐。あ、つまみと言えばわんこ君。わんこ君の作ったおつまみ食べてみたい!」カオアツーイ

シンジ「ピザこんだけ食べて、まだ食べるの!?」

マリ「あ~、や、今日はもうムリ。食べれないにゃ~、残念無念、また来週」ヒラヒラ

シンジ「…また来週もするの?」クス

マリ「いや、なんか、ノリで言ってみただけー。でもわんこ君のおつまみ食べたーい」ミミタブモアツイニャー

マリ「あ、そうだ。この前はお弁当ゴメンにゃさい」ペコリ

シンジ「え?ぁあいいよ、気にしないで」

マリ「やーでも、せっかく作ってきてくれたのにそれ断るってどーなのワタシ?その前に作ってきてくれたのはホントに美味しかったし、ホントはまた食べたかったんだよ?」ヴー

マリ「でも姫も好きだし、怒らせたくないし、ワタシが購買のパンを食べ続けるのがイチバンイインダッテ…ンニャ」メヲコスリコスリ

シンジ「…真希波?」

マリ「…ンニャ」

マリ「…」

マリ「…」

マリ「」zzZZ

シンジ「寝ちゃったか…」クス

シンジ「ほら。寝るならベッド行くよ」

マリ「ンー」zzZZ

シンジ(しょうがない、連れてくか)ガラッ

シンジ(…よいしょっ、と)オヒメサマダッコ

シンジ(見た目より軽いな。それに…)スタスタ

シンジ(スゴいなんか良いにおいがする。なんか匂い匂い言ってる真希波の気持ち解る気がする)///スタスタ

マリ「…ワンコクン」ボソッzz

シンジ(え!?うわ!?何?寝言!?耳元で言うなよ…!)///アセッ

シンジ「降ろすよー」フサッ

マリ「」zzZZ

シンジ(布団かけて、と)バサッ

シンジ(あ、眼鏡取っといた方がいいかな?)

シンジ「ちょっとゴメンね」カチャ

シンジ(…まつげ長いな)

シンジ(真希波…、なんか、綺麗だな…)

シンジ「…」

シンジ「…じゃあ帰るよ、真希波」

マリ「…マ、リ」zz

シンジ「真希波?」

シンジ「…」

シンジ「…」

シンジ「…」

シンジ「…………マリ」ボソッ

マリ「ンー?」ニコッ

シンジ「」///ドキッ!

シンジ「じゃ、じゃあ帰る!また明日!」///

マリ「」zzZZ

………

……

翌日 日曜 朝・マリ宅ーーーーーー

マリ「」zzZZ

マリ「」zz

マリ「ヴー…、」

マリ「ぁっっったま、いったあぁーーー…」ズキズキ

マリ(ヤバい最近呑み過ぎだなぁ。ちょっと控えないと…)

マリ「…」

マリ「うー」

マリ「…」

マリ(シャワー浴びよ)ムニャ

………

……

日曜 朝・マリ宅 浴室ーーーーーー

ザァーーーー

マリ(あー、きもちー、でも頭いてー、)ア゙ー

マリ(頭が頭痛で痛い、…って間違ってんだっけ?)ア゙ー

マリ(…)

マリ(あれ?昨日わんこ君来たよね?来てー、そんで、掃除?した、ような?)

マリ(あ、うわー。自己最高汚部屋記録見られてんじゃん、はっずかしー)

マリ(あー、なんか芋づる的に思い出してきた…)

マリ(あれ?でもピザ食べて、その後どうしたっけ?私ベッドで寝てたよね?わんこ君帰ったとこは見てないし…)

マリ「」

マリ「」

マリ「」///カアァ

マリ(いやいやいや、無いナイ!わんこ君相手でそんな貞操のピンチなぞ陥るはずもない!)///

マリ(大丈夫だ、よね?)

マリ(…)

マリ(…うん、別に痛みとか、違和感とか無いし、…大丈夫!わんこ君優しいもん!)ウンウン

マリ(よし!スッキリしてきたし出るか!)

マリ(気分もリフレッシュしたし、今日こそは洗濯しよ!)

………

……

日曜 朝・ミサト宅ーーーーーー

ジューーーッ ガチャガチャ

シンジ(野菜OKっと。お湯ちょっと入れて、あ、牛乳も入れよ)グツグツ

シンジ(さっき炒めた挽き肉も投入)ボチャボチャ

シンジ(火を止めて、ルウも投入)

シンジ(…)グツグツ

シンジ(これでよし、っと)カチッ

シンジ(昼までならこのままコンロに置いとけばいっか)

ガラッー

ミサト「おふぁよ~、シンちゃん…」ウトウト

シンジ「おはようございます。あれ?ミサトさん今日休みですよね?起きるの速くないですか?とりあえずコーヒーいれますね」

ミサト「ありがと~、なんか良い匂いするから起きちゃった~。それなーに?」ボリボリ

シンジ「これキーマカレー作ったんで、お昼に食べてください。あと冷蔵庫にサラダとナンもあるんで、こっちも温めて食べてください」

ミサト「このスパイシーな香りの正体はそれか。そのナンも作ったの?」

シンジ「はい、普通に発酵させるパンなんかは難しいんですけど、ナンは無発酵なんで調べるとけっこう簡単な作り方とか出てくるんですよ」

ミサト「ぉお!さっっすが我が家を代表する主夫ね!シンちゃんなら何処に出しても恥ずかしくないわ!」エッヘン

シンジ「ははっ、何処に出させられるっていうんですか。コーヒー置いときますね」コトッ

ミサト「ん。ありがと♪昨日そういえば結局シンちゃん帰ったの覚えてないんだけど帰り遅かったの?」ズズー

シンジ「いや、そんな遅くはなかったと思いますけど…、てかミサトさん僕が帰った頃にはもう寝てましたよ」

ミサト「え?ホント?あれえ、私そんな速くに寝てたっけ?思い出せん…」

ミサト「…それで、今日もシンちゃんはお出かけ?もしかしてデート?」グフフ

シンジ「ち!違いますよ!今日は、その、トウジ達と出かけてくるんですよ」

ミサト「なぁんだ~、残念。たまには浮いた話のひとつやふたつ、持って帰ってきてもいいのよお?酒の肴になるしね~♪」ケラケラ

シンジ「もう…、からかわないでくださいよ。じゃあもう行く準備しますんで。夜までには帰りますからあとお願いしますね」

ミサト「はーい」

………

……

日曜 朝・ミサト宅 アスカの部屋ーーーーーー

オハヨ…、…アレ?…ヤスミ…、

…ナンカイイニオイガ…

アスカ「…」

…ォオ!サッッスガ…、

…キノウ、ソウイエバ……、オソカッタノ?…

イヤ、ソンナオソクハ………、…

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ「………嘘つき」ボソッ

………

……

マリ「マリのアニャルをわんこ君のエントリープラグ(ご立派)でズボズボしてほしいのにゃん♪」ぷりん☆

シンジ「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだァ!」はぁ…はぁ…

日曜 朝・外ーーーーーー

シンジ(今日は良い天気だし、すごしやすいな)スタスタ

シンジ(…)スタスタ

シンジ(先に連絡した方がよかったかな?…)スタスタ

シンジ(いや、多分なんだかんだ理由つけて断られる気がする…)スタスタ

シンジ(昨日の様子を見ると嫌われてはいないはず…、この前のお弁当食べなかったのも何か色々気にしてただけみたいだし…)スタスタ

シンジ(うん、大丈夫。…なはず)スタスタ

?「あ、碇君」

シンジ「ん?あ。綾波!どうしたのこんなところで?」

レイ「今、ネルフに行くところ」

シンジ「そっか、綾波も大変だね」

レイ「ううん、そんなことないわ」フルフル

レイ「…今は、2号機の人は居ないの?」

シンジ「アスカ?うん、今日は一緒じゃないよ。多分まだ家で寝てるんじゃないかな?」

レイ「…そう」

レイ「私は…、碇君と居ると、ポカポカするの」

シンジ「」???

レイ「でも、もっとポカポカするのは、碇君が笑っていること」

シンジ「…」

シンジ「そっか」

レイ「…」コクッ

シンジ「なんか、ありがとう。…一応聞くけどポカポカってイヤなことじゃないんだよね?」

レイ「…」コクッ

シンジ「僕も、綾波がポカポカするなら嬉しいよ」ニコッ

レイ「」///カアァ

レイ「じゃ、じゃあ私は、もう行くわ」///ポカポカ

シンジ「うん。じゃあ、がんばって」

………

……

日曜 朝・マリ宅ーーーーーー

バサッバサッ カチャ

マリ「…よしっと。終わったにゃーっ」

マリ(洗濯はメンドいけど、今日は洗濯日和で気分が良いなあ)

マリ(ちょっと日向ぼっこでもするかにゃあ~♪)ウーン

マリ「…」シットダウン

マリ「ふぁ~ぁ」

マリ「…」ムニャムニャ

マリ「…」ウトウト

ピンポーン

マリ「んにゃ!?」ビクッ

マリ「…」アー

マリ「…」

マリ「…?」

ガチャ

シンジ「おはよう真希波」ニコッ

マリ(あ、なんかコレすっごいデジャヴ)///ドキッ

マリ「おっはよう、わんこ君」///

マリ(また来てくれたのは嬉しい、けど…)///

マリ「それで、今日は何のようかな?」

シンジ「昨日約束しただろ?今日遊びに行くって」

シンジ(ホントは寝てる時に言い逃げしただけだけど)

マリ「え、ウソ!?」

マリ(そりゃ行きたい!…けど、)

マリ「昨日は、そのー、酔っ払ってたからにゃー」

シンジ「ホントはイヤだったってこと?」

マリ「イヤってわけじゃないけど…」

シンジ「なら…、ダメかな?」

マリ「ほら!また姫が拗ねちゃったら、かわいそうじゃん!だから…」

シンジ「そんな…」

シンジ(いや…!逃げちゃダメだ!)

シンジ「今アスカは関係無いよ。僕は…、真希波と一緒に居たいんだ…!」

マリ「や、でも、」///ドキッ

マリ(ダメ、行けない…)

マリ「い、」

マリ(断らなきゃ…)

マリ「…」

マリ(行かないって言うだけ…)

シンジ「…真希波」

マリ「……わかったよ」///コクッ

マリ(ぁあもう!)///

マリ(ずるいよわんこ君!)///

マリ(そんな真剣な顔されたら断れないじゃん…!)///

シンジ「良かった…!」ホッ

マリ(…ぁあもう!カッコいいなあわんこ君)///

………

……

マリ「じゃあ準備してくるからわんこ君は待ってて!あ、荷物あるし一度家あがる?着替えてるとこ見ててもいいし♪」

シンジ「なっ!?ぼ、僕はここで待ってるから早く準備してきなよ!」///

マリ「にゃははー、べっつにいいのに~♪」ケラケラ

ガチャ

シンジ「…はぁ、もう」クス

シンジ(…)

シンジ(…)

シンジ(あ、今のうちに連絡しとこう)

ピッポッパッ

プルルル、プルルル、プルルル、プル ガチャ

加持「はい、なんだいシンジ君」

シンジ「あ、すみません加持さん。今電話大丈夫ですか?」

加持「ああ、いいよ。シンジ君からの電話なんて珍しいしな。それで、なんだい今日は?」

シンジ「あの、ちょっとお願いがあって…」





加持「ああ、いいよ。そういうことなら。こちらから連絡しておこう」

シンジ「ホントですか!ありがとうございます!」

加持「それにしてもまさかシンジ君とマリがデートか…。若いってのは羨ましいな」ハハッ

シンジ「な、茶化さないでくださいよ!」///

………

……

約30分後

マリ「おっっまったせーーっ!ゴメンにゃーながいこと」

シンジ「大丈夫だよ。連絡もせずに急に来たのはこっちなんだから」ニコッ

マリ「もう!やっさしーなあ、わんこ君は」///

マリ(…今日1日ぐらい、良いよね…)

マリ「それで今からどこ行こっか?」

シンジ「今日は真希波を連れて行きたいところがあるんだ」

マリ「ホント?じゃあエスコートしてもらおうじゃん♪」

シンジ「うん、じゃあ行こっか」

マリ「ふふっ、なんか…、わっくわくするなーっ♪」

………

……

日曜・日本海洋生態系保存研究機構ーーーーーー

マリ「うっわーーーーっ!!青っ!!」トキメキ

マリ「なにコレ!?なんかいっぱい泳いでる!!」

マリ「すっごいにゃ~…、これが昔の、本来の海かあー」

シンジ「ふふっ、楽しんでるね」

マリ「うん!だってこんなとこ連れてきてもらえるなんて、全然思ってなかったからね♪」

マリ「さっきまでは殺菌やら滅菌やら、何度もされて何処に連れて行かれるかとガクブルだったけどにゃ~」ガクガクブルブル

シンジ「ははっ」

シンジ「前に学校のみんなと来たんだけど、マリにも見せてあげたいってずっと思ってたんだ」

マリ「そっかぁ。ありがとっ、わんこ君」

シンジ「ううん、僕はただ加持さんから許可もらっただけだから、礼なら加持さんに言うといいよ」

マリ「違うって。ここに私を連れてきてあげようって考えてくれたのは、わんこ君だろ?だからまずわんこ君に言うんだ」

マリ「ありがとう。わんこ君」

シンジ「う、うん。どういたしまして」///ドキッ

マリ「うん!」

マリ「あ!ねえ、あいつなんか背負ってる!」ユビサシ

シンジ「トウジと同じこと言ってる」ハハッ

シンジ「あれはカメっていう生き物で、あれは体とつながってるらしいよ。それにあの殼に手足頭が全部収まるらしいよ」

マリ「ホント!?すっごい!カッコいいにゃ~…」カンシン

シンジ「……カッコいい、かな?」

マリ「おっ、なんだこの平たい魚!あ、あっちの海底のやつニョロっとうねうねしてるー♪」ワクワク

………

……

マリ「ふぅ~っ、けっこう歩き回ったにゃー」

シンジ「真希波歩くの速いんだもん。僕ついてくとき水槽の間を走ってたからね」フゥー

マリ「良いじゃん、水槽間シャトルラン♪楽しみながらダイエットできるとか一石二鳥だにゃー」ニャハハ

マリ「でもなんかお腹空いたね~。ここってどっか食堂とかあるのかな?」

シンジ「じゃあ前に来た時に食べたとこに移動しようか」

………

……

マリ「ここは?」

シンジ「室内テラスみたいになっててキレイじゃない?」

マリ「いや、うん、植物もあって良い匂いもするしキレイなんだけど…、
食べる物無くない?」

シンジ「ぁあ。ちょっと待ってね♪」ガサガサ

バーッ! (レジャーシート設置)

ガチャ パカッ パカッ (弁当開封)

キュパッ トクットクットクッ ホワッ(味噌汁二人分)

シンジ「はい、どうぞ。座って」スチャ

マリ「うっわ!!美味しそう!!」

マリ「なんの荷物かなー?とは思ってたけど、こんなの隠してるなんてやるなぁわんこ君…!」スワリツツ

マリ「これ全部わんこ君が作ったの!?」

シンジ「うん、学校ではお弁当をなんか我慢させちゃったみたいだったから、今日は真希波に食べてもらいたくて作ってきちゃった」ニコッ

マリ「…あ、ありがとう。べつにいいのに気にしなくて…」///カアァ

マリ(ヤバい…、なんて健気なわんこ君)///

マリ(なんか、顔見れないじゃん…!)///

マリ「じゃ、じゃあお言葉に甘えていただこっかな」///

シンジ「うん。どうぞ」

マリ「いただきまーす」///カチャ

マリ「」ヒョイ パクッ

マリ「」モグモグ

マリ「」モグモグ

マリ「」チラッ

シンジ「」ジー

マリ(すっっごい、こっち見てる…!)///カアァ

シンジ(真希波の口に合うかな?)

マリ(食べるの待ってんのかな…?)

マリ「」///モグモグゴクッ

マリ「美味しいよわんこ君!」

シンジ「ホント!?良かったぁ」パアァ

マリ(なにこのカワイイ生き物…!!)///ドキッ

シンジ「じゃあ僕も食べようかな」

マリ「どーぞ♪」

シンジ「なんで真希波が言うんだよ」ハハッ

シンジ「いただきます」

………

……

日曜 昼過ぎ・街中ーーーーーー

マリ「よぉっし!次はあっちだわんこ君!」ナハハ

シンジ「速いよ真希波!」ハハッ

マリ「今度はわんこ君の服をコーディネートしようよ!」

シンジ「僕の!?」

マリ「そうだよ♪せっかくカッコいいんだもん、服も色々着てみた方が良いって」

シンジ「そんなことないって…」///ゴニョゴニョ

マリ「頭からつま先まで買い揃えるよ!そのあとで私の服も見てもらうからにゃ♪」

シンジ「真希波こそなんかボーイッシュな服装ばっかじゃない?もっとカワイイ服も似合うと思うのにもったいないよ」

マリ「わ、私は動きやすさ重視だからね~!」///

マリ「でもそういうなら私の服も選んでもらうからお願いねわんこ君♪」

………

……

日曜 昼過ぎ・セレクトショップーーーーーー

マリ「わ!このパンツ、ハデだな!」

マリ「あ、でも品切れだって。わんこ君履いたら面白そうだったのに…。残念」

シンジ「履かないよ!そんなの!」

マリ「え!?わんこ君パンツ履かないの!?風邪ひくよ!」

シンジ「普通のパンツは履くよ!」///

シンジ「こんなサイケデリックな柄のパンツは履かないってことだよ!」

マリ「な~んだぁ、じゃあ普段どんなパンツ履いてるの?」

シンジ「ふ、普通のだよ!ていうか外で女の子がパンツパンツ言わないでよ!」///

マリ「え~っ、私のパンツとブラもあとでわんこ君に選んでもらおうと思ったのに~」

シンジ「なっ!?できないよそんなこと!!」///カアァ

マリ「ははっ、冗談だにゃ~」

マリ(半分本気だったけどね~)

………

……

マリ「ねー、サルエルって足短く見えない?」

シンジ「うーん、好きで履くならべつにいいけど、もともと背の高い人向きのパンツじゃないかな」

マリ「だよねえ」

マリ「あ!あと男の子のレギンスも個人的にはどうかな~って思うんだよなー」

シンジ「ああ、確かにオシャレ度高すぎて、一般人には解りづらいアイテムだよね」

シンジ「真希波は似合いそうだけどね」フフッ

マリ「なになに?わんこ君そういうのが好きなの?」ニヤニヤ

シンジ「いや、真希波ってパンツっぽいのよく履いてるしスタイルも良いから、脚出ててもカワイイかなって思って」ニコッ

マリ「そんな言うなら今度わんこ君のために履いてあげるよ」///

シンジ「あとで真希波の服も見るんだろ?なんか色々探してみよう!」

マリ「うん!」

シンジ(…)

マリ「あ…、わんこ君これとか良いんじゃない?」ヒョイ

シンジ「ん?ジャケット?…あ、良いかもコレ」

マリ「でしょ?」フフン

シンジ(なんだろう…)

マリ「これも後でまとめて試着だね!」

シンジ「そうだね」

シンジ(なんか女の子と買い物するって大変なイメージしか無かったけど…)

マリ「ちょっとあっちの帽子もかぶってみようよ!」

シンジ「わかったわかった」ハハッ

シンジ(そっか…、この前もそうだけど、アスカとは違って真希波は一緒に楽しんでくれるからだ…)

マリ「見てわんこ君!この帽子、チャップリンみたい!」

シンジ「ホントだ」クスッ

シンジ「付けヒゲもセットで売ってたら良いのにね」

マリ「だよねえ」ナハハ

シンジ(僕も楽しんでいいんだ…。真希波と一緒なら…)

………

……

日曜 夕方・帰り道ーーーーーー

マリ「ねー、ホントに良いの?」

シンジ「いいよこれぐらい。アスカやミサトさんとある時は荷物はいつも僕が持ってるしね」

マリ「でも君、家まで寄ってくれるんでしょ?」

シンジ「だってもうけっこう暗くなってきたでしょ。ほっとけないよ」

マリ(なんで中学生でこんな紳士なのさ)///

マリ「じゃあ…、半分持つよ。半分は私の服だしね」

シンジ「ホントにいいの?今日は1日遊んだし疲れてない?」

マリ「それはわんこ君もいっしょ!大丈夫だって♪ね?」

シンジ「…うん、分かったよ。じゃあ軽めの袋だけ半分お願い」サッ

マリ「OK、了解にゃ~」

シンジ(なんか荷物持ってもらえるなんて新鮮だな)フフッ

マリ「ん?どうした少年?」???

シンジ「なんでもないよ」

シンジ(真希波といっしょだと…)

マリ「ちょっと!気になるじゃん!何!?」

シンジ「なんでもないって」ハハッ

シンジ(なんか…、居心地が良いな…)

マリ「もーう!そんな態度だとお姉さん先帰っちゃうよー」タッタッタッ

シンジ「ちょっ!速いって!こっち重いんだから!」アセッ

マリ「君、自分で持ったんだろ~、頑張れ~♪」アハハ

シンジ「クソッ…」ダッダッ

シンジ「はぁ、はぁ…」ダッタッ

シンジ「…」タッタッ

シンジ「…」タッタッ

シンジ「…」タン

マリ「んー?へばったー?」クルッ

シンジ「…」ドキッ

シンジ(夕陽がバックになって、真希波…、)

マリ「リードも買って来た方が良かったかなー?わんこ君!」ナハハ

シンジ(…綺麗だ)

シンジ「…」

シンジ(そうか…、解った…)

マリ「どうしたそんなマジな顔になってー。…ゴメンもしかして怒っちゃった?」

シンジ「いや…」

シンジ(そうだったんだ…)

シンジ「…」

マリ「ど、どうしたー?」

マリ(ヤバっ…、怒らせちゃった…?

シンジ「ねえ、真希波…」

マリ「ん、何かな?」アセアセ

シンジ(僕は…、真希波のことが…、)

シンジ「僕は…、真希波のことが…」

マリ「え?」ドキッ

シンジ「す…



ドシャァ!!!

シンジ「?、…ぇ」フリムキ

アスカ「…」

Thaクソワロタwww
ココア肺に入っただろうがwww
仕事中に笑わせんなwww

シンジ「ア、アスカ!?」

マリ「姫…」アセッ

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ「やっぱり…」ボソッ

アスカ「…」ギリ

マリ「!?」ビクッ

シンジ「ど、どうしたんだよアスカ、こんなところで…」

アスカ「行くわよ」ボソッ

シンジ「え?」

アスカ「帰るっつってんの!!」ガシッ

シンジ「痛っ」

マリ「な…!そんな引っ張ること…

アスカ「黙れ泥棒猫」ギロ

マリ「…っ!」


シンジ「なんだよそれ…」

シンジ「なんなんだよそれ!」

シンジ「いきなり出てきていきなりキレて…!」

シンジ「僕はともかく…、真希波にまで何言うんだよ!」

アスカ「っ!」

アスカ「うるさい!うるさい!うるさい!」

アスカ「あんたは黙って私の言うことだけ聞いてればいいのよ!!」

シンジ「なんだよそれっ!!なんだよ…!」

マリ「だめ…!」

マリ(わんこ君!…)

シンジ「僕はっ!」


シンジ「アスカのモノなんかじゃない!!」

アスカ「っ!!」

アスカ「何よ…!」

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ「…嫌い」ボソッ

アスカ「嫌い!」キッ

アスカ「みんな嫌いっ!」

アスカ「大っキライッ!!」ダッ

マリ「姫ッ!!」

シンジ「…っ」

マリ「…」

シンジ「クソッ…」

マリ「…」

シンジ「…」

シンジ「ゴメン…、なんか…」

マリ「わんこ君」

マリ「私はもう、家も近いから、荷物も大丈夫だから…、だから帰ってあげて…」

シンジ「真希波…?」

マリ「ほら、ね?…行って」

シンジ「だって、アスカが勝手に怒りだして…

マリ「わんこ君!!」

マリ「…お願い」

シンジ「…」

シンジ「分かったよ…」

マリ「うん。女の子には優しくしなきゃダメだぞわんこ君」

マリ「じゃあ…、行くね」

シンジ「…うん」

マリ「今日は楽しかったよ」

マリ「じゃあ…、」

マリ「…さよなら」サッ

シンジ「…」

シンジ「…」

シンジ「…」

シンジ「…別れ際に…、」

シンジ「さよならなんて言うなよ…」

シンジ「…真希波」

………

……

日曜 夕方・一人の帰り道ーーーーーー

マリ「ぁーあ…、私…、」

マリ「嫌われちゃったかな~…」

マリ(姫…、)

マリ(悪気は無かったんだよ…)

マリ(…)

マリ(…)

マリ(わんこ君とも学校だけじゃなく、休みも会わない方が良いだろうなあ)

マリ(…)

マリ(…)

マリ(…)

マリ(お弁当美味しかったなあ…)

マリ(…)

マリ(…)

マリ(…)

マリ(今日買った服着てまたわんこ君と遊びたかったけど、)

マリ(ダメだな)

マリ(止めとこ)

マリ(…)

マリ(…)

マリ(…)

マリ「上を向~いてぇ♪」

マリ「あーーるこおおよー…♪」

マリ「涙がぁ…、こぼ…、ぅぅ…ヒクッ…」ポロッ

マリ「こぼれえー…ズズッ、ない…、グスッ」ボロッ

マリ(ダメだ、ちくしょう我慢しろよ…!)

マリ「うぅ゙…」ボロボロッ

マリ(わんこ君………!!)

マリ「うぅ゙わあぁぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」ボロボロッ!!

………

……

夜・ミサト宅 廊下ーーーーーー

トントン

シンジ「アスカ?」

「…」

シンジ「…」

シンジ「まだ出てこないの?」

「…」

シンジ「…」

シンジ「ミサトさん、心配してたよ」

「…」

シンジ「…」

シンジ「夕食…、」

シンジ「リビングの机に置いてあるから、お腹空いたら食べて」

「…」

シンジ「あと…、落として行った荷物もリビングにあるから」

「…」

シンジ「…」

シンジ「…なんで…、」

シンジ「あんなことするんだよ…」ボソッ

「…」

シンジ「…っ」

シンジ「…」

シンジ「…じゃあ」

シンジ「おやすみ」

………

……

同刻・ミサト宅 アスカの部屋ーーーーーー

..ナンデ...

......アンナコト...

...ジャ......

....オヤスミ........

アスカ「…」

アスカ「...テヤル、」

アスカ「殺してやる…、」

アスカ「殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる…」

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ「…でも………、」

アスカ「独りはイヤ………」

アスカ「イヤなの…、」

アスカ「…、」

アスカ「…私を見てよ、」

アスカ「………シンジ……」

………

……

朝・ミサト宅ーーーーーー

シンジ「…」

シンジ「…」

シンジ(夕食は結局手付かずか…)

シンジ(昨日の荷物もあるしまだ部屋から出てないのかな…?)

シンジ「…」

シンジ「アスカー!学校はどうするのー?」

「…」

シンジ「…」

シンジ(もう…、どうしてほしいんだよ…)

シンジ「…じゃあ僕、行ってくるからね」

「…」

………

……

朝・学校ーーーーーー

ガラッ

ケンスケ「おー、碇おはよう」

トウジ「おはようさん」

シンジ「おはよう」

トウジ「なんや今日は遅いやないか?夫婦別々でどないしたんや?」ニヤニヤ

シンジ「あ、うん、アスカはちょっと…、体調悪いみたいで…」

トウジ「なんやー?そんな素振りなかったけどな。なーケンスケ?」

シンジ(え?)

ケンスケ「ああ、いつも通りだったと思うけど…、あ。ちょうど来た」

ガラッ

アスカ「っでさー、ホンッットあったまきて…」

シンジ「アスカ!来てたん…

アスカ「あ、ヒカリ、私ちょっとトイレ行ってくる」サッ

ヒカリ「え、あ、うん…」

ヒカリ(アスカ……?)

シンジ「…っ」

トウジ「…」

ケンスケ「…」

ケンスケ「なんか、イヤーんな、感じ?」

………

……

昼休み・学校ーーーーーー

キーン コーン カーン コーン

トウジ「よっしゃ!メシや!メシ!」

シンジ「…ア、アスカ?お弁当もっ…

アスカ「ヒカリ。購買一緒に行かない?」

ヒカリ「えっ?でも…いいの?」

アスカ「いいから!行くわよ」スタスタ

ヒカリ(ゴメン!碇君…)

ガラッ

シンジ「…っ」

トウジ「なんやセンセ?喧嘩中か?式波が弁当要らんのやったらワイが…」

ヒカリ「あ!トウジ!先生がなんかこの前のテストで空気読解力が低かったから職員室来なさいって!行くよホラ!!」ガシッズリズリズリ

トウジ「痛っ!ぃだだだ!!またかい委員長!行くから!引っ張らんといてって!!」ズリズリズリ

ガチャ!バタン!!

シンジ「…」

シンジ「…」

シンジ「…」

レイ「…」

シンジ「…」

レイ「…」

シンジ「…」

レイ「…」

シンジ「…?」フリムキ

シンジ「…あ、ゴメン。ボーッとしちゃって。はいこれ綾波の分のお弁当」サッ

レイ「…ありがとう」

レイ「碇君…、どうかしたの?」

シンジ「いや…、なんでもないよ大丈夫」ハハッ

レイ「………そう」

シンジ「じゃあ僕も食べてくるね」サッ

レイ「…」

レイ「…」

レイ「…」

レイ(……碇君が笑って話しかけてくれたのに………)

レイ(ポカポカしない………)

レイ(…)

………

……

放課後・帰り道ーーーーーー

シンジ(結局アスカとはまともに話せなかったし、)テクテク

シンジ(真希波も休みだったな…)テクテク

「碇君!」

シンジ「?」フリムキ

シンジ「委員長。どうしたの?」

ヒカリ「ちょっと碇君と話がしたくて…、いいかな?」

シンジ「うん。いいけど…」?

………

……

カフェ・帰り道ーーーーーー

オマタセシマシター

ヒカリ「それで…、聞きたいことってのがね、」

シンジ「アスカのこと?」

ヒカリ「そう」

ヒカリ「今日のアスカの様子は、ちょっと、普段の喧嘩とは違う気がして…」

シンジ「やっぱりそう思うよね」

ヒカリ「それで何があったか聞きたかったんだけど…。いいかな?」

シンジ「僕もいまいちどうしてアスカが怒ったのか解らないんだけどね、」

シンジ「昨日……、」





ヒカリ「………そっか」

シンジ「うん」

シンジ(真希波に言おうとしてたことまでは話せないけど…)

ヒカリ「真希波さんも今日は休んでたし心配だね」

シンジ「…うん」

ヒカリ「…」

ヒカリ(でも…、ただ真希波さんとデートしてただけであそこまで怒るかな…?)

ヒカリ(……なんかそれだけじゃない気がする…)

ヒカリ(でも…、多分二人のことだし、そこまでは私が踏み込む問題じゃないよね…)

ヒカリ「碇君は…、やっぱり何故アスカが怒ったのかは解らないんだよね?」

シンジ「…うん、こっちが教えて欲しいくらいだよ」

ヒカリ「…じゃあ碇君、ひとつだけ教えて?」

シンジ「…何?」

ヒカリ「碇君は…、アスカのことをどう思ってるの?」

シンジ「……僕は………、」

………

……

翌日 朝・ミサト宅ーーーーーー

トントン

シンジ「アスカ」

「…」

シンジ「…」

シンジ(今日も一人で先に学校行ったのかな…?)

シンジクルッ...

ガラッ!!

シンジ「!?」ビクッ

アスカ「…」スタスタ

シンジ「ア、アスカ…。朝ごは…」

アスカ「…」スタスタ

ガチャ

バタン!!

シンジ「ん…」

シンジ(行っちゃった………)

シンジ(…)

ミサト「シンちゃーーん!」

シンジ「はーい!なんですかー?」

ミサト「なんかパンじゃなくてお粥みたいなのほしーぃー!消化しやすそーなのー!」ヴー

シンジ「もう!だから昨日飲み過ぎないでくださいって言ったじゃないですかー!」

シンジ「…」

シンジ「…」

シンジ(今日はアスカにちゃんと話しかけてみよう)

………

……

朝・学校ーーーーーー

シンジ「…」

シンジ「…」

シンジ(今日も真希波は休みか…)

シンジ(心配だな…、どうしちゃったんだろ……)

シンジ(いや…、)

シンジ(でもまずはアスカと仲直りしてからじゃないと、真希波とは話せないな)

………

……

昼休み・学校ーーーーーー

キーンコーンカーンコーン

シンジ「アスカッ」

アスカ「購買行こヒカリ」

シンジ(…ダメだっ!)

シンジ「アスカ!待ってよ!」ガシッ

アスカ「…っ!ちょっと!触んないでよ変態ッ!離して!!」キッ

シンジ「じゃあなんで怒ってるのか教えてよ」

アスカ「怒ってないからさっさと離しなさいよ!」

シンジ「怒ってるだろ。この前の休みから。僕が何かしたのなら教えてよ」

シンジ「気に障ることをしたなら謝るから…」

アスカ「うっっるさい!!うるさい!!うるさい!!」

アスカ「私の言うこときかないくせに!」

アスカ「アンタなんてコネメガネとイチャイチャしてればいいでしょ!!いいから離してッ!!」ガッ!!

ガシャァン!!!

シンジ「…ッッ!」

ヒカリ「アス…!


パァンッ!!!


アスカ「なっ…!?」

アスカ「…っにすんのよ!!」

アスカ「クソ人形っ!!!」

レイ「碇君、大丈夫?」

シンジ「あ、ああ、ありがとう綾波」

レイ「…」

レイ「私は人形じゃないわ」

レイ「そして…、」

レイ「碇君も、あなたの人形じゃない」

アスカ「あんたまでそんな生意気なこと言うの!?人形のくせにッ!!」

レイ「あなたなら解ってるはずよ」

レイ「心を開かなければ、ヒトは応じないわ、」

アスカ「うるさい!うるさい!!うるさい!!人形のあんたに言われたかないわよッ!!」

レイ「いくら碇君の中に、自分を求めてもね」

アスカ「うるさいッッ!!!!!」

アスカ「…」ハァ...ハァ...

アスカ「…」ハァ...ハァ...

アスカ「…」ハァ...ハァ...

シンジ「………アスカ……」

アスカ「…っ」ダッ!!

シンジ「アスカッ!!」

ガラッ!!

タッタッタッ...

シンジ「…」

シンジ「…アスカ………」

………

……

昼・マリ宅ーーーーーー

マリ「…」zzZ

マリ「…」zzZ

マリ「…」

マリ「…」

マリ「……ん…ムニャ」

マリ(ぁー、昼じゃんもう)ゴロ

マリ(今日も余裕で学校自主休学コースじゃん…)ゴロゴロ

マリ「…」

マリ「…はああぁ~」

マリ(何やってんだろ私……)

マリ「…」

マリ(ワンコ君はお姫様の機嫌とれたかな…)

マリ(姫はなんだかんだ怒ってもワンコ君がフォローしてあげれば大丈夫なはず…)

マリ「…」

マリ(ワンコくーん)ウルッ

マリ「…」

マリ(ダメだ、やっぱり今日も休みだな)

………

……

回想・アスカーーーーーー

ガチャ

シンジ「タダイマー・・・」(小声)

シンジ(もう二人共寝ちゃったかな?)

シンジ(僕もマリと大掃除して疲れたし、しまうものだけしまって寝よう)

シンジ(洗い物は明日の朝だな)ガサゴソ

ガチャ(冷蔵庫)

シンジ「…」ガサゴソ

シンジ「…」ガサゴソ

シンジ「…」ガサゴソ

?「バカシンジッ!!!」

シンジ「」ビクッ

シンジ「ア、アスカ!まだ起きてたの?」

アスカ「帰りが遅いなら連絡ぐらいよこしなさいよ!何やってたのよ!」

シンジ「あ、ああ、えっーと、近くのとこじゃなくて、ちょっと遠いけど最近できた大型スーパーに行ってたんだ」アタフタ

シンジ「品数も豊富みたいだし、夜はタイムセールですごい安くなるって聞いてたから行ってみたくて…」シドロモドロ

アスカ(ん?)

アスカ(……酒の臭い?バカシンジ?…いや、この部屋がまだ臭うのか…?)

アスカ「……ふーーーん?」ジロジロ

シンジ「…」アセアセ

シンジ「なんか、心配かけてゴメンね、アスカ」

アスカ「しッ!心配なんてしてないわよッ!!」///

アスカ「私はただハーゲンダッツが食べたかっただけなんだから!」///

シンジ「あ、そうか。ちょっと待って、今しまったとこだから」ガサゴソ

シンジ「えーっと、……はいこれ、マカダミアの方だったよね」スッ

アスカ「もう!さっさとだしなさいよ。風呂上がりには食べたかったのに」ガシッ

シンジ「ゴメンって。……じゃあ買ったもの片付け終わったし、僕もお風呂入って寝るよ」

シンジ「おやすみ」サッ

アスカ(ッ!?)

アスカ(この臭い…)

パタン

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ(………やっぱり酒と…、)

アスカ(………コネメガネ……)ギリッ

………

……

回想?・アスカーーーーーー

?「ホントに?」

アスカ「え?」フリムキ

幼アスカ「ホントにアイスが食べたかっただけなの?」

アスカ「………そうよ」

幼アスカ「ホントは帰りが遅い彼を心配していたんじゃないの?」

アスカ「そんなわけないじゃないッ!!」

幼アスカ「じゃあ、なぜ怒ったの?」

アスカ「はあぁ?私が?」

幼アスカ「彼があの女と居ただけでなぜ怒ったの?」

アスカ「あれは…、夕食も作らずに遊んでたのがムカついて、それで…、

幼アスカ「あなたもウソツキなのね」

アスカ「…ッ」

幼アスカ「大人は信用できないわ」

アスカ「あんたに私の何が解るのよっ!?」

幼アスカ「わかるわ」

アスカ「何が…、

幼アスカ「彼が他の女を見ていたのがイヤだったんじゃないの?」

幼アスカ「彼が私を見てくれないのがイヤだったんじゃないの?」

アスカ「そんなこと…」

幼アスカ「ないって言える?」

アスカ「…」

幼アスカ「彼は私に優しくしてくれる、」

幼アスカ「気遣ってくれる、」

幼アスカ「…そしてなにより私を見てくれている」

アスカ「…」

幼アスカ「そんな彼が、」

幼アス「私は………、」

アスカ「……私は…、」

「アスカッ!!」

………

……

昼休み・学校 屋上ーーーーーー

ヒカリ「もうっ!探したんだから!」

アスカ「………ヒカリ」

ヒカリ「…何?碇君だと思った?」フフッ

アスカ「……そんなわけないじゃない」

アスカ「私はアイツを怒鳴り散らして出てきたんだもの」

アスカ「…来るわけないわ」

ヒカリ「そう?少しがっかりしてたように見えたけど?」

アスカ「そんなこと………」

ヒカリ「…」

ヒカリ(反応が随分違うわね)

ヒカリ「…」

ヒカリ「…ねえアスカ」

アスカ「……………何?」

ヒカリ「ちょっと前にここで話したこと覚えてる?」

アスカ「…関西バカがヒカリLOVE、って話?」

ヒカリ「そッ!の時の話だけどそこじゃないッ!!」///

ヒカリ「…」フゥ

ヒカリ「アスカは碇君のこと、なんとも想ってないって話」

アスカ「……あぁ、そっちね」

ヒカリ「…怒らずに聞いてね、」

ヒカリ「私はアスカが碇君と何があったのかは知らないけれど、」

ヒカリ「さっきの教室でのアスカを見てたら私はそうは思わなかった」

アスカ「……前にも言ったでしょ?私はシンジのことなんてこれっぽっちも好きじゃ…

ヒカリ「好きじゃないってアスカが言うならそれでもいい」

ヒカリ「ただ、好きじゃなくても、他の男子よりは、アスカは碇君を意識していると思うの」

アスカ「それは…」

ヒカリ「それが好きじゃなくて別の感情だとしてもね」

アスカ「…っ」グッ

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ「…でも…、シンジはきっともう、私のことなんて嫌ってるし…」

ヒカリ「なんでそう決めつけるのッ!碇君はそんなこと思ってないってッ!」

アスカ「だって分からないじゃない!私にだって分かんないのに!なんでヒカリがアイツのことを分かるのよッ!!」

ヒカリ「分かるよ!…だって昨日直接碇君に聞いたもの」

アスカ「え………?」

ヒカリ「………ゴメン。勝手なことしたくなかったけど……」

ヒカリ「でも碇君ね。こう言ってたの」

………

……

回想・ヒカリーーーーーー

「碇君は…、アスカのことをどう思っているの?」

シンジ「……僕は……、」

シンジ「…」

シンジ「僕は、初めはアスカ、すごい激しい第一印象だったからね。今までにいなかったタイプの子だったから」

シンジ「しかもその子と一緒に暮らすって話になるし、大丈夫かな?って。そりゃ思ったよ」

シンジ「ここに来る前は親戚ではないんだけど、世話をしてくれた人がいて」

シンジ「でもやっぱり気を使っちゃうていうか。遠慮しちゃう部分はやっぱりあってね、」

シンジ「でも、それでこっちに来たらあの二人でしょ?」

シンジ「ミサトさんには家事全般任されるわ、アスカには使い回されるわ文句言われるわで毎日大変だよ」フフッ

シンジ「でも、それが慣れちゃったらなんか、今まで父さんとはずっとここに来るまでは離れていたし母さんもいなかったから、」

シンジ「あぁ、家族ってこんな感じなのかな、って」

シンジ「悪くないなって」

シンジ「思えるようになってね」

シンジ「…」

シンジ「だから、」

シンジ「アスカをどう思ってるかって言われると、」

シンジ「家族としてとても大事な人だよ、って答えるかな」

………

……

昼休み・学校 屋上ーーーーーー

アスカ「…」

アスカ「…家族、か……」

ヒカリ「でもアスカのこと大事だって言ってたんだよ」

アスカ「…」

ヒカリ「それに、男子ってまだ恋愛事とか考えられるほど、大人じゃないから、」アセッ

アスカ「…」

ヒカリ「ほら!それでも好かれてるなら、全然良いんじゃないかな~って思うけど…」アセアセ

ヒカリ「ね?」

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ「…ウッ」ツー

アスカ「…グスッ……」ポロッ

ヒカリ(え、ウソ!!?)

ヒカリ「いや、そうだよね!そこで『家族として』とか!デリカシー無さすぎだよねー碇君!!」キョドッ

ヒカリ(もうちょっとぼかして言えば良かった!?)ワタワタ

アスカ「…ヒック…」

アスカ「…」スゥー ハァー

アスカ「…いや、ゴメン。大丈夫よ私は……」

ヒカリ「…アスカ」

アスカ「……シンジがそう思ってたなんて、全然思ってなかったから…」

アスカ「ほら?私ってイラっとするとすぐ人にあたるでしょ?」

アスカ「それでシンジとはすぐ喧嘩になるし、もっとムカついて、もっと酷いことも言っちゃうし」

アスカ「それより酷いことも…、考えちゃうし…」

アスカ「それでも、」

アスカ「シンジが私を大事に思ってくれてるなんて…、その、なんか嬉しくて……」ニコッ

ヒカリ「……そっか」

アスカ「…」

アスカ「…」///

アスカ「まぁバカシンジがまだガキってのは同意だけどね!」///フフッ

ヒカリ「…っもう!」

ヒカリ「…」フフッ

ヒカリ「ねえアスカ?」

アスカ「ん?」

ヒカリ「夫婦もひとつの『家族』じゃない?」

アスカ「なっ!!」///カアァ

アスカ「このッエロヒカリッ!!」///

ヒカリ「アハハッ」

アスカ「…ヒカリ」

アスカ「……私、アイツに謝った方が良いよね?」

ヒカリ「…碇君なら怒ってないと思うよ」

アスカ「そう?」パアァ

ヒカリ「でも、謝るべきだけ思うけどね」

アスカ「そう…」シュン

ヒカリ「真希波さんにも謝る必要あるんじゃない?」

アスカ「……そうね」ズーン

ヒカリ「アスカがちゃんと謝ろうと思ってるなら私も協力するから!」

アスカ「ヒカリ…、ありがとう…」

ヒカリ「いいって!」

ヒカリ「…」

ヒカリ「ねぇ、私二人と仲直りするのに良いこと思い付いちゃった♪」

アスカ「?」

………

……

夕方・ミサト宅ーーーーーー

ガチャ

シンジ「…ただいまー」

シンジ(結局午後はアスカ見なかったけど居るかな?)

シンジ「…」!?

シンジ(……なんだよこの異臭は…!?)クンクン

アスカ「なっ!?バカシンジ速いわよ帰ってくんのッ!玄関で待ってなさい!!」

シンジ(…リビングか?)

シンジ(機嫌はもう良いのかな?)

シンジ(ていうか何してんだろ……?)

シンジ(…)

シンジ(…)


ガッッシャーーーン!!!!


シンジ「!?」ビクッ

シンジ「な!?アスカ!!?何!?大丈夫!!?」ダッ!!

ガラッ!!

シンジ「アスカッ…!!」

モワァァッン!!
(焦げた臭いやら魚醤やら八角やらのなんらかの混沌とした薫り)

シンジ「な…

ビチャァァァッ!!
(床を浸食する元醤油やらマヨネーズやらなんらかが描くマーブル模様)

シンジ「…んなんだよ、これ……」

アスカ「あっ!ちょっと待ってろって言ったじゃない!!」

シンジ「…どうしたの?これ」

アスカ「これは…!その!アンタに…、」

アスカ「アヤマリタクテ...」///ボソボソ

シンジ「え?何?」

アスカ「~ッ!!」///

アスカ「最近のことアンタに謝るために夕食の準備してやろうとしてたんじゃないのッ!!なんか文句あんのッ!!」///

シンジ「…」

シンジ(絆創膏だらけの手に、)

シンジ(頬のは油飛びの火傷か?)

シンジ(………そっか…)

シンジ「…」クスッ

アスカ「!?」///

シンジ「くっ…、」

アスカ「?」

シンジ「…はははははっ!」

アスカ「ちょっと!何が可笑しいのよッ!」///

シンジ「いや…プッ…ぁー、だって…、ハァ…フゥ…、どうしたらこんな部屋になるんだよ…」

アスカ「だってさっき火事になりかけたのよ!いくらこの私だってフライパンから火柱立ちゃ焦るっつーのッ!!」///

シンジ「ちょ!ブッ…はははははっ!…クックックッ、お腹苦しい…、ハァ…そんな…ヒィ…フゥ…僕を…攻めないでよ……!」

アスカ「笑うなッッ!!!」///カアァ


ガンッッ!!!!(決まり手:前蹴り)


………

……

シンジ「アスカー、ゴメンって」

アスカ「…」ムスッ

シンジ「ほら、傷の手当しないと」

アスカ「…」フイッ

シンジ「顔のやけど小さいけど放っとくと痕残るよー」

アスカ「…」ピクッ

シンジ「やってあげるからこっち来なって」

アスカ「…」

アスカ「…」

アスカ「…」テクテクテク

アスカ「…」ペタン

アスカ「んッ」

シンジ「いいの?」

アスカ「やらせてやるって言ってんだからさっさとやる」///

シンジ「クスッ、分かったよ」

アスカ「バカシンジ…」///

シンジ「…」ヌリヌリ

アスカ「…」ンー

シンジ「……アスカ、」ペタペタ

アスカ「ん?」ンー

シンジ「さっきは笑ってゴメンね」ヌリヌリ

アスカ「…いいわよもう」プイッ

シンジ「こっち向いてくれなきゃ薬塗れないって」グイッ

アスカ「…」ムーッ///

シンジ「…アスカがさ、」ヌリヌリ

アスカ「…」

シンジ「がんばって謝ろうとしてくれたのは、」

シンジ「充分伝わったから」

シンジ「…ありがとう」

アスカ「…ん」///

シンジ「僕もゴメン。これからはもう少しアスカがイヤだと思うことはしないようにするから…」

アスカ「………そうね。アンタはホントにニブいんだから、もっと気をつけて私を見ときなさい」///カアァ

シンジ「分かったよ」

アスカ「ん」///

シンジ「…よし、じゃあちょうど薬塗り終わったし、部屋片付けて夕食の準備しようか。まだ途中でしょ?」

アスカ「…アンタがもう少し玄関で待ってれば、料理の神が舞い降りたわよ」

シンジ「じゃあその人が来るまで手伝うから。一緒にやろう」ニコッ

アスカ「しょうがないわね。じゃあ作りたいのもう1つあるから手伝いなさい」///

………

……

夜・マリ宅 玄関ーーーーーー

ピンポーン

マリ「…」

マリ「…」

マリ「…」

ピンポーン

マリ「…」

マリ「…ハァ」

ガチャ

シンジ「あっ、真希波。夜分にゴメンね」

マリ「やっぱりね。ワンコ君だと思ったよ。三度目も正直、ってね」

シンジ「そう?今日はちょっと渡したいものがあって来たんだ」ゴソッ

マリ「…何?」

シンジ「はいこれ」サッ

マリ「…だから何これ?」

シンジ「お弁当だよ。真希波最近またちょっと休んでたから、栄養有るもの食べてって…、

マリ「…ッ」

マリ「…要らないしお腹も空いてないから帰って」

バタン

マリ「それとやっぱりこういうお節介もやっぱり要らないからもうしないで…!」

マリ(ゴメン…!ワンコ君ゴメン!!)ウルッ

シンジ「ゴメン僕何かした!?」

マリ「いいから帰って………!!」

マリ(ワンコ君は好きだよ…!大好きだよ!でも、姫が悲しむのもイヤなの…!!)

扉の向こう「…」

扉の向こう「…」

扉の向こう「…」


ガンッッ!!!!


マリ「…」ビクッ!!

シンジ「ちょ!ダメだよアスカ!人の家の玄関に前蹴りは!?」

マリ「………ヒメ?」

アスカ「コネメガネッ!!この私が作った弁当が食べれないって言うのッ!?」

マリ「………え?」

アスカ「とりあえず開けなさい!意地でも食わしてやるんだからッ!」

マリ(………なんで…!?)

ガチャ

アスカ「ぃよしッ!やっと開けたわね。じゃあちょっと上がらせてもらうわよ」ヒョイ

マリ「えっ!?ちょ、姫!?」

アスカ「いーい?バカシンジはそこで待っときなさいよ!今度こそ入って来たら蹴りじゃ済まないわよ!!」

シンジ「……分かったよ」クスッ

アスカ「じゃあこっち来なさいコネメガネ」スタスタ

マリ「ちょ!待って!ここ私の家だって姫!」

マリ「ワンコ君は玄関の外でホントにいいの?」

シンジ「いいよ、気にしないで。アスカは二人っきりが良いみたいだし。それよりアスカの話をしっかり聞いてあげて」

マリ「……分かった。じゃあちょっと待ってて。ゴメンねワンコ君」

ガチャ

………

……

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