エレン（いてぇ………足が、千切れてる…）

エレン（腕も、か……）

エレン（俺どうなったんだっけ……）

エレン（超大型を追い払って、班の皆と巨人の撃退に行って、そして…）




エレン「………巨人に喰われたんだ」




エレン（クソッ！……まだだ。まだ、俺は生きてる。何とかして抜け出して巨人を、巨人を………）

エレン「駆逐してやるっ!!」

～鎮魂の廃寺～

エレン「…………ここは？」

エレン（寒い……見渡す限りの景色が白一色に覆われてる。しかも、この白いヤツがメチャクチャ冷たい）

エレン「あ、れ？腕が、ある……足も！」

エレン「どうなってんだ……確かに手足は喰い千切られてた筈………それに、俺は巨人に喰われたのに……」


ズンッ


エレン「……？」

ｺﾝｺﾞｳ「グルルルルル」

エレン「巨、人？……いや、違う、よな」

ｺﾝｺﾞｳ「グルァァ！！」

エレン「っ!?」ﾀﾞｯ

ｺﾝｺﾞｳ「ガァァァァァ!!」

エレン「クソッ!!何なんだよ!!」

エレン「ハァ、ハァ、ハァ……っ!!」ｻｯ

ｺﾝｺﾞｳ「グルルルルル……………？」


ドスッドｽｯﾄﾞｽｯ


エレン「行ったか………何なんだあの化け物………人間も巨人もいない代わりにあんな化け物が居るとか、冗談じゃないぜ」

エレン「…………あの化け物がまだ近くにいるかもしれないな……見つからないような場所を探さないと」

タッタッタッ…………

～鎮魂の廃寺・寺内部～

??「ほい。お終い、と」

ｺﾝｺﾞｳ「」ﾄﾞﾁｬｯ

??「この辺りは片付いたか」

ｺﾝｺﾞｳ「」ｸﾞﾁｬｸﾞﾁｬ

??「しっかし、ｺﾝｺﾞｳがたった２体だけじゃねーか。どこが緊急任務だよ………ん？アレは……」



エレン「………っ!!……っそ!!」



??「おいおい、ありゃあ人間じゃねーか。しかも……」


ｼﾕｳ「」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ


??「ｼﾕｳに追われてるのか。こりゃ、助けねーとなっ!!」

ｼﾕｳ「ヴァァァァ!!」ﾄﾞﾝｯ!!

エレン「クソッ!!今度は鳥の化け物かよ!!」

エレン（何処へ逃げても化け物だらけ、しかもブレードで切り裂けないなんて………どうやって倒すんだよ!!）

ｼﾕｳ「」ﾌﾞﾝｯ!!

エレン「おわ!?」
エレン（しかもこの化け物共は妙な光線だとか火の玉とかを出してくる。もしかしなくても巨人よりも厄介だ）

ｼﾕｳ「ヴァアァァ！」ﾌﾞﾝｯ!!

エレン「しまっ!?」ﾄﾞｯ!!

ドズンッ
エレン「ｶﾞﾊｯ!!!」ﾄﾞｻｯ

エレン（立体機動装置もさっきの化け物猿に砕かれた。ブレードももう一本しか残ってねぇ。オマケに体がピクリとも動かねぇ………）

ｼﾕｳ「」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

エレン（クソックソッ、クソッ!!………動け、動けよ!!こんなワケわかんない場所で死んでたまるか!!）

エレン「くち、く、して………や、る」

ｼﾕｳ「ヴァァァァ!!」ﾌﾞﾝｯ!!


ガキンッ!!


??「ハイハイ。そこまで。悪いけどこの少年は諦めてくれや」

エレン「……？」

??「生きてるか少年。って、お前その怪我でまだ意識があんのか………タフだねぇ」

ｼﾕｳ「キィアアアアア！」

??「ちょっと待っててくれ。直ぐに片づけるから」

エレン（何だ？あのデカい剣……それにこのオッサン、あの化け物と戦うつもりか!?）

エレン「に、げ…ろ……」

??「ハハッ。心配してくれんのか？」

??「大丈夫大丈夫。ｼﾕｳごときに、この『リンドウ』様が負けるわけ無いだろ？」

エレン（リンドウ……名前、なのか？変な響きだな）

エレン（そこからの展開は一方的で、俺は夢を見ているかと思ってしまった）

エレン（リンドウが一度剣を振ればブレードを弾いた化け物の硬い外皮が叩き割られ）

エレン（二度剣を振れば化け物の足が叩き折られ）

エレン（三度剣を振った時には俺を瀕死の重傷に追いやった化け物は息絶えていた）

リンドウ「捕食っと」

エレン「うっ」
エレン（リンドウが剣を死んだ化け物に向けると剣が大きな口に変形して、化け物を貪り食い始めた………気持ち悪）

リンドウ「よし。終わりっと」

エレン「あんた………何者なんだ？」

リンドウ「俺か？俺は、神機使い《ゴッドイーター》だ」

エレン「ゴッド、イーター？」

リンドウ「ああ…………少年。行くとこないなら一緒に来ないか？」

エレン「…………帰らないといけない場所がある」

リンドウ「そうか…………そこは直ぐに帰れる場所なのか？」

エレン「……………」
エレン（帰る？……いや、本当に俺はあの壁の中に帰れるのか？…どうやってここに来たのかも分からない。帰れる保証はドコにも、ない）

リンドウ「………まぁ、とりあえず《アナグラ》に来いよ。怪我の治療をしないとな。このままだと、お前死ぬぞ？」

エレン（アナグラ……これも聞いたことの無い単語だ………アルミンが居たらなぁ………何だか視界がぼやけてきた……ミカサ………アルミン……みんな……大丈夫、だよ、な……）

リンドウ「うーん。アバラが４本に右腕が複雑骨折、左足もヤバいくらい赤黒く腫れてるからヒビ入ってんな。っていうか神機使いでもないのによく死ななかったな………おーい。聞いてるか？」

～２ヶ月後～

エレン（廃寺でリンドウさんに拾われてから凡そ２ヶ月が過ぎた。怪我は全治半年の重傷だったけど、謎の治癒力でなんと二週間で完治）

エレン（そしてそれからはこっちの世界について調べたり、訓練を重ねる毎日。訓練兵団に居たときより大分頭が良くなったきがする）

エレン（分かったことを幾つか上げていく。まず、この世界は俺が居た世界……巨人が蔓延る世界ではない。歴史上この世界では巨人なんて存在しなかったようだしな）

エレン（二つ目。この世界は地球と呼ばれていて俺の想像を絶する科学力を有していた。アルミンが居たら目を輝かせて読みふけそうな本が大量にあったなぁ）

エレン（三つ目。ただ良い面だけじゃなくて、地球には巨人の代わりに《アラガミ》と呼ばれる化け物が蔓延っていること）

エレン（そして最後。俺はこれからそのアラガミを駆逐する存在………神機使い《ゴッドイーター》になるってことだ）

？「ようこそ、人類最後の砦《フェンリル》へ。エレン・イェーガー君」

エレン「えっと……はい」

ペイラー「やぁやぁエレン君しばらく振りだね」

エレン「はい。榊さんも元気そうですね」

ペイラー「ふふふ。まぁね……あ、コッチの人は……」

ヨハネス「ヨハネス・フォン・シックザール。フェンリル極東支部・支部長などをしている」

エレン「支部長!? エ、エレン・イェーガーです」ﾊﾞｯ

ヨハネス「楽にしてくれたまえ、イェーガー君………さて。最後にもう一度確認しておこう」

ヨハネス「ゴッドイーターになれば、普通に生きることは出来なくなる。命を失う可能性もある。それでも君は、ゴッドイーターになるかね？」

エレン「人類の為に心臓を捧げる覚悟は出来ています。自分は、ゴッドイーターに、なります！」

ヨハネス「………そうか。覚悟があるというのなら、何も言うまい」

ペイラー「じゃあエレン君その装置に右腕を置いてくれるかい？」

エレン「はい」
エレン（それに、ゴッドイーターの力は強大だ。この力があれば巨人なんか………）

ペイラー「さぁ。新たなゴッドイーターの誕生だ！」

エレン「………コレが、神機……」
エレン（思っていたよりも軽い……リンドウさんみたいなデカい剣じゃないからか？）

ペイラー「エレン君。君の神機は新型だからね～」

エレン「新型、ですか？」

ペイラー「そうそう。中々適合者が見つからなかったんだけど、いや～エレン君の適合率を見て驚いたよ」

ヨハネス「では、エレン・イェーガー君。君の活躍を期待しているよ」

エレン「はいっ!!」ﾊﾞｯ

～アナグラ・エントランス～

エレン（ふぅ。なんとかゴッドイーターになれたな………新型、か……どんな機能があるんだろ？）

リンドウ「よう。エレン。難しい顔してどうしたよ？」

エレン「リンドウさん！」

エレン（この人は雨宮リンドウさん。俺を廃寺で助けてくれた神機使いだ）

リンドウ「新人はまず教官の所に行かねーとだろ？」

エレン「あ、そうでした……」

リンドウ「おいおい。しっかりしてくれよ？……んじゃ、また後でな」

エレン「はい」
エレン（リンドウさんは凄く良い人だ。俺の妄想じみた話を笑うことなく聞いてくれたし……）

エレン（俺がこの世界の人間じゃない事を知ってるのはリンドウさんだけだ。妙な噂が立つのを防ぐために、ってことらしい）

エレン「お、ここかな？」

エレン「失礼します……」
エレン（教官はまだかな？）

??「よう。はじめまして。あんたが噂の新型さん？」

エレン「あ、あぁ」

??「俺は藤木コウタ。今日からあんたと同じゴッドイーターになったんだ。よろしくな？」

エレン「ああ。俺はエレン・イェーガーだ。よろしく」

コウタ「おう」ﾆｶｯ

？「揃ったみたいだな」

エレン・コウタ「!?」

？「私は雨宮ツバキ。お前達の教官を勤める者だ」

エレン（何か綺麗だけど怖いな………でも、キース教官よりはまし、かな？）

ツバキ「さて。新米のお前達にはまず、ある程度の訓練の後、任務に就いて貰うが…………エレン・イェーガー」

エレン「はい！」

ツバキ「お前はこれから直ぐにリンドウと共にオウガテイルの討伐だ」

エレン「はい！………え？」

コウタ「ちょ、いきなり実戦って………まさか俺も、ですか？」

ツバキ「いや。新米は先ずは訓練だ」

コウタ「なら、エレンだって…」

ツバキ「イェーガーは神機使いになる前の診断でベテラン並みの反射速度、危機管理能力、状況判断能力、そして『新型』としての力量を観るために訓練無しでの実戦参加が決定された」

コウタ「でも、危険すぎるんじゃ」

ツバキ「私としても納得はいかないが、支部長命令なのでな………心苦しい限りだが、イェーガー」

エレン「は！ 任務だと言うのであれば文句は有りません」

ツバキ「…………そうか。外でリンドウが待機している。何かあったらリンドウを頼れ」

エレン「は！ では、自分はこれで」ｽﾀｽﾀ

コウタ「大丈夫か、あいつ………」
コウタ（何か、軍人みたいなヤツだったな）

ツバキ「さて、藤木。お前はこれから私とマンツーマンの訓練だ。イェーガーに追い付けるよう厳しく行くぞ」

コウタ「」

エレン（早速実戦か……流石に緊張するな）

リンドウ「エレン、こっちだこっち」

エレン「リンドウさん！」

リンドウ「初っ端から実戦とは、お前も大変だな」

エレン「はい。リンドウさんの足を引っ張らないように頑張ります」

リンドウ「んー。堅っ苦しいな………最初にあった時はタメ口だったのに」

エレン「それは、その………命の恩人ですし……」

リンドウ「なら、その命の恩人からお願いだ。タメ口で頼むわ。堅苦しいの苦手なんでな」

エレン「………わかりまし……分かったよ。リンドウ」

リンドウ「おう。そっちの方がお前らしいぜ………んじゃ、そろそろ行きますかね」

～贖罪の街～

リンドウ「さて、これから任務開始だが、あの二足歩行のヤツ、見えるか？」

エレン「ああ」

リンドウ「あれはオウガテイルって言ってな、通常の神機使いはアイツを討伐できて初めて一人前として認められる」

エレン「強い、のか？」

リンドウ「一般人は手も足も出ないな。だが、神機使いなら油断しなきゃ問題ないレベルだ」

エレン「なるほど」

リンドウ「ま、適性検査であんな数値を叩き出したお前なら負けることはねぇさ」

エレン「……はい」

リンドウ「あー………先輩から３つアドバイスがある」

エレン「？」

「死ぬな」

「死にそうになったら逃げろ」

「そんで隠れろ」

「運が良ければ不意をついてぶっ殺せ」

リンドウ「あれ？ これじゃ４つだな…ま、危なくなったら助太刀するからな」

エレン「了解。…………行ってきます」

リンドウ「おう」

現在のエレンの装備

銃身 50型機関砲
刀身 クレイモア
装甲 支援シールド
制御ユニット 無し
強化パーツ 無し
トップス 訓練兵団制服 上
ボトムス 訓練兵団制服 下

エレンは目上の人には敬語を使うけど…
細かいこと言ってスマン

>>26リンドウはエレンを弟みたいに思ってる感じなので敬語を止めさせたかった、と思って下さい