憧「ハレルヤーーー…チャンス!!」 (43)
私には愛しい人がいた
幼き頃から同じ時間を共に過ごしてきた人が
でもその人は今…
穏乃「そんなに引っ付いたら…」
淡「えー、私達これからずっと一緒なんだよ?」ギュー
穏乃「やっぱ恥ずかしいな…」
淡「照れてる穏乃可愛い」
穏乃「うぅ…///」
私の愛しい人は、私じゃない人のものになってしまった
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尭深「ではまず最初の写真…」
淡「あ、この写真って」
穏乃「確か…」
スライドショーに映された写真が目に入る
憧「この写真は…」
インターハイ終了後の写真だ
全員で集まってる所に大星淡が単身でシズに会いに来たときの写真
憧「これが全ての始まりだった、これのせいでシズは…」
その時式場が暗転し、まるで時間が止まったような感覚に陥る
???「なるほど、この時に高鴨穏乃を大星淡に会わせなければ…と後悔したんか」
憧「だ、誰?!」
セーラ「俺は妖精や」
憧「違いますよね!?人間ですよね!?」
セーラ「信じとらんな?ところで、昔に戻りたくないか?」
憧「は?」
セーラ「簡単な話や、過去をやり直して高鴨穏乃を自分のものにする」
憧「…!?」
セーラ「それでハッピーエンドや」
憧「それ、ホント!?」
セーラ「でも簡単やないで?やり直したとして結果が絶対に変わるとは言えん」
憧「あんた… 」
セーラ「このエビフライもらうわ…まぁ、いきなり変わらんとしても後々変わるきっかけにはなる」
憧「…」
セーラ「どや、やり直してみるか?」
憧「…やり直したい、やり直してシズと私はっ!」
セーラ「なら決まりや!」
憧「途中で遮らないでよ」
セーラ「ほなこのポーズで言ってみ“ハレルヤチャンス!”」
憧「やっぱ馬鹿にしてるでしょ」
セーラ「信じるものは救われるんや」
憧「シズ…」
スライドショーに移る写真の穏乃と、淡の隣に座る穏乃を見る
セーラ「求めよ、さらば与えられん」
憧「…ハレルヤーチャンス!!」ビシッ
ハーレルヤ、ハレルーヤ、ハレルーヤ、ハッレーールヤー
第一話「インターハイ決勝に行けたら結婚できる!?」
ぁぁぁぁああああああ!!
憧「はっ!?」ガバッ ガタッ
宥「!?」
玄「わっ!」
灼「憧?」
憧「あれ、ここどこ!?今は何が!?」
晴絵「何って…」
ふと視界に飛び込んできたのは
憧「準決勝大将戦…」
時計に目をやる
憧(もうそろそろ試合終わるじゃん!)
ここから憧の一世一代の大勝負が始まる
寝よう
書き溜めよう見直そう
憧(私の記憶が正しければ、ここで大星淡はシズに興味を持ち出す…)
大将戦を見ながら、過去に起きたことを振り替える憧
玄「穏乃ちゃん、大丈夫かなぁ」
宥「きっと大丈夫…」フルフル
憧(興味を逸らす方法…流石にシズに負けてもらうのは…)
灼「穏乃…」
晴絵「…」
憧(答えは1つ、千里山か新道寺に2位で決勝に付いてきてもらう!)グッ
晴絵「憧?」
憧「ひゃいっ!?」
灼「どうかした?」
憧「何でもない、何でもない…」
ここで改めて憧の作戦
千里山か新道寺と決勝に行こう作戦
千里山と共に決勝進出になる
大星淡は決勝のステージには上がらない。
決勝を通じてシズに興味を持つことはない=シズは守られる
新道寺と共に決勝進出になっても
決勝には上がらない、これもシズは守られる!
憧「行ける!絶対に!」グッ
玄「皆で、決勝に行くのです!」
晴絵「燃えてるねぇ」
宥「あったかーい」
憧(しかし、どうやって2校に勝機を与えれば…チャンスは前半戦終了の極僅かな時間…それが終われば試合が終わっちゃう!)
そうこう悩むうちに前半戦終了
憧「ちょっと行ってくる」
足早に控え室を後にする
憧「さて、ここからどうするか…っ!?」
前から清水谷竜華が歩いてくる
憧(あの時はこんなことは無かった…これはチャンスだ!)
竜華「…あ」
清水谷竜華が気づいた!
憧「あ、えっと…お疲れさま」
竜華「ご丁寧におおきに」
憧「あ、あの!」
竜華「ん?」
憧「私の勘違いかなーと思うんですけど、大星に意外な弱点があったりーなんて」
竜華「弱点?そんなんないで、あれ」
憧「で、ですよねー」
竜華「あっても、なくても絶対に負けへん」
憧「あの、一緒に決勝に行きましょう!」
竜華「他校の応援はNGやで?って、人の事言えんか…おおきに」
そう言うと清水谷竜華は控え室へ向かった
憧(ここは千里山に頑張ってもらおう…)
そしてシズの元へ
憧「なーに黄昏てんの」
穏乃「憧」
と、ここで過去のやり取りを思い出す
憧(そうだ、違う話をしないと…)
憧「ねぇシズ」
穏乃「んー」
憧「決勝に行けたら…」
穏乃「うん」
憧「えっと…」
穏乃「…」
憧「…絶対優勝するわよ!」
ちがぁぁぁぁぁぁぁう!あたしのバカァァァァ!!
穏乃「もちろん!」
憧「まぁ絶対行けるんだけど」
穏乃「え?」
憧「何でもない、しっかりしてよ大将なんだから」
穏乃「大丈夫」
憧「大丈夫…ね」
期待と不安が胸中で、ぐるぐると渦巻く
控え室に戻り
憧「」ズーン
玄「おーい」
宥「あったかくない?」
灼「まるで負けたみたいに」
晴絵「落ち込むには気が早いぞ」
未来から来た憧にとっては遅すぎるくらいである
憧(後は結果次第ね…色々考えて疲れたかも、少し寝よう)
玄「寝ちゃった…」
宥「毛布かけてあげる」
灼「それは暑いと思う…」
一時が流れて…
玄「起きて、憧ちゃん」
憧「ん…」
自分の名前を呼ぶ声に気が付き目を覚ます
憧「はっ!結果は!?」ガバッ
1 阿知賀女子
2 白糸台高校
3 新道寺
4 千里山女子
憧「え…何で?」
やり直す前の過去では千里山は3位で白糸台と僅差で破れていた
勿論それも踏まえて2位浮上の期待があった
が、何故か4位に落ちてしまっている
憧「おかしい、何で…こんな」
晴絵「憧?」
憧「っ!!」
控え室を飛び出した
憧「何で…何でなの!?」
憧は失敗したのだ…
憧「新道寺に託すべきだった…?」
憧は失敗の原因を考えた、だが答えはでなかった
新道寺に託しても失敗していたかもしれない、何をどうすべきだったのか…それはやり直しても分からなかった
それからは過去の通り、決勝でシズに大星淡が接近してきた、そして
淡「あ、いた!しーずのっ!」ダキッ
穏乃「大星さん!?」
スライドショーの写真通りの結果だ…ここで2人の距離が縮まるんだ
あたしは、止めれなかった
―――――――――
こうして憧はやり直しを終えて戻ってきた
憧「…」
セーラ「失敗したんか?」
憧「笑いたいなら笑いなさいよ!」
セーラ「…」
憧「内心馬鹿にしてるでしょ!」
セーラ「…」
憧「もうだめ…シズはあたしの所に来てくれないってのが分かった…変えようとしたら悪い結果になった…」
セーラ「一度失敗したからってもう絶望するんか?」
憧「…?」
ふっと、暗転した時間が終わる
尭深「続いての写真は…」
憧「あ…」
インハイの後しばらくして、大星淡が奈良に来たときの写真だ
と、また時間が止まりその場が暗転する
セーラ「さぁ、大星淡がやって来たで」
憧「分かってるわよ」
セーラ「せやったらあの写真が何か分かるな」
憧「シズが大星淡とお祭りで撮った写真 …」
セーラ「せや見てみ、端っこに二人を見とる背後霊が…」
憧「あたしよっ!」
セーラ「おーおー大星の奴、腕に抱きついとるで」
憧「…」ギリッ
セーラ「チャンスは残り3回や」
憧「少なくない?」
セーラ「そんなもんや、人生のチャンスなんて片手で数えれるくらいのもん」
憧「…」
セーラ「高鴨穏乃を、取り戻すんやろ?」
憧「…うん」
セーラ「ほなそんな顔すんな、高鴨穏乃の隣に座りたいんやろ?そんな泣き顔やったら向こうも悲しむで?」
憧「…もう一度、行く」
次回 第2話
「お祭り騒ぎで結婚できる!?」
ここまで
大体5話で纏める予定
セーラ「…覚悟出来たんやな」
憧「私は諦めない…!」
セーラ「ほな…求めよ、さらば与えられん」
憧「ハレルヤーー、チャンス!」
ぁぁぁぁぁぁあああああ!!
憧「はっ!?」ガバッ
先生「授業中に寝るとは何事だ…」
憧「え!?…はっ」
憧(過去の私、何してんのよー!?)
タイムスリップ早々、悲惨な目に遭う憧であった
憧「はぁー」
穏乃「珍しいね、憧が居眠りなんて」
憧「我ながら情けない…」
穏乃「まぁ、そんなときもあるよ」
穏乃「ねぇ、憧」
憧「ん?」
穏乃「今度の祭なんだけど…」
憧「!?」
そうだ、このイベントにアイツが来るんだ…
憧「一緒にいかない?せっかくの祭だし、今年も2人で…」
穏乃「ごめん憧、実は先約が…」
憧「え」
穏乃「大星さんが奈良に来るんだ、それで…」
憧「…」
まただ、また先を越されている…
憧「じゃあ、皆で奈良を案内するわよ」
穏乃「え?」
憧「ほ、ほらせっかく来てくれるんだし…」
穏乃「…そうだね!」
憧「そうよ!」
これで、大星淡の監視…いやいや様子見が出来る
憧(確かやり直す前は穏乃を2人っきりにさせてしまったんだっけ…)
穏乃「憧?」
憧「え!?」
穏乃「何か考え事?」
憧「べ、別に…」
穏乃「んー?」
憧「気にしなくていい!」
その日の部活
玄「白糸台の大星さんが来るんだ」
穏乃「はい、すごく楽しみです」
憧「…」
宥「松実館にお泊まりしてくれるかな…?」
灼「お客様ゲットのチャンス?」
穏乃「宥さんそれいいですね!」
憧「シズん家に泊まるんじゃなかった?」
穏乃「あれ、何で知ってるの?話したっけ?」
憧(しまった!)
灼「まさか…」
宥「超能力者?」
憧「違う違う、何となくそんな気がして…」
玄「…」
穏乃「やっぱり超能力!?」
憧「違うって言ってるでしょ」
玄「…」ジーッ
憧(危なかったー私が知ってることは皆まだ知るちょっと前なんだ…気を付けなきゃ)
玄「…」ジーッ
その日の部活が終わり…
新子家
憧「どうにかしてシズの家に泊まらせないようにしなきゃ…」
<カガヤイテーココイチバーン
憧「電話だ、もしもし」
玄「こんばんは憧ちゃん」
憧「玄?どうしたの」
玄「今テレビ見てる?見てないなら点けてほしいんだけど…」
憧「いいけど、スポーツやってる…」
玄「憧ちゃん、この競泳の南陸選手どうなると思う?」
憧「もちろんぶっちぎりで優勝よ、ちょーきもちいーって言うんだか…はっ!?」
しばらく沈黙が流れる
スポーツの中継が進み…
キャスター「今の気分はどうですか!?」
南陸「ちょーきもちいー!ちょーきもちいー!!」
憧「」
玄「何で南陸選手の優勝も、南陸選手が言う言葉も分かったの?」
憧「…」
玄「ねぇ、どうして?」
憧「えっと…」
玄「憧ちゃん…」
何故か2話で長丁場迎えてるので一旦ここまで
タイムスリップの事を知る人を灼か玄で悩んだが玄でよかった…かな
書き貯め入るか
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