ユミル「コニー、」クリスタ「ナイフを貸して」(115)

※ネタバレ有り






ユミル「え?」

コニー「ん、ほら」スッ

クリスタ「ありがとう」ニコ

ユミル「え?」

コニー「何に使うんだ? それ…」

クリスタ「……それはね」

クリスタ「これで戦うんだよ」

ライナー「オイ?」

ユミル「クリスタ? 待て、何するつもりだ?」

クリスタ「さあ……自分でもよく分からない」

ユミル「ならそいつを渡せ」

クリスタ「それはダメ」

ユミル「クリスタ!」

クリスタ「ユミル」

クリスタ「あなたの生き方に口出しする権利は私には無い」スタスタ

クリスタ「だけど……」クルッ

クリスタ「イカした人生を送ってね!」

ユミル「え…」

クリスタ「」ニコッ

ユミル「クリスタ!? 待て!!」ダッ

ライナー「クリスタ!!」



バッ



ユミル「あ……!」

クリスタ「…………っ!!」ビッ



カッ!!





女神巨人「キャアアアアアアアアア!」

コニー「!?」

ベルトルト「な!?」

ライナー「…………!!」

ユミル「クリスタ……ウソだろ…」ヨロッ




女神巨人「キャアアアアアアアアア!」バサッバサッ

コニー「す、すげえ! 羽根が生えてるぞ! あれが…クリスタなのか?」

ベルトルト「でもそんなに高くは飛べないみたいだ」

ライナー「…………」

ユミル「クソッ…こいつは一体何の冗談だ?」ズキズキ



女神巨人「キャアアアアアアアアア!」ガルダイン

コニー「おおっ! 風を起こして巨人どもを吹っ飛ばしたぞ!」

ベルトルト「でもうなじを削がないと倒す事はできないよ!」

ライナー「…………」

ユミル「まさかあいつが……そんな…」ブツブツ




女神巨人「キャアアアアアアアアア!」ゲシッゲシッ

コニー「まずいぞ! 足を掴まれた!」

ベルトルト「ものすごい勢いで蹴ってる!」

ライナー「なんというご褒美」

ユミル「お前も落ちていいぞ」


ベルトルト(しかし予想外だ……まさかクリスタが巨人になれたなんて)チラッ

ライナー(しかも神々しい)コクッ

ベルトルト(確か彼女は壁教の重要人物……)

ライナー(さらに可愛い)

ベルトルト(もし『はずれ』だったとしても攫うメリットは十分にある)

ライナー(誘拐しよ)


ユミル「……」

ユミル(3年間…あいつといながら、どうして気付かなかったんだ)

ユミル(一体いつから……いや、今はそんな事は…)



巨人「アーアー」グイグイ

女神巨人「キャアアアアアアアアア!」ズズズ…

ユミル「クリスタ!!」

女神巨人「………!」ズズズ…

女神「」パッ

ユミル「な…!?」

コニー「ああっ! 引きずり下ろされた!!」

ベルトルト「どうして手を離したんだ…?」

ユミル「塔の損傷を気にしてるのか、あいつ…!」

ライナー「クソッ!」



ユミル(こんな時に何ボーッと眺めてるんだ私は! あいつを守ると決めたじゃねえか!)

ユミル「待ってろ!」バッ

コニー「!? おい待てよ! 何のつもりだ!?」グッ

ユミル「離せ! このままクリスタが死んでもいいのか!?」グググ…

コニー「だからってお前に何が出来るんだよ!?」

ユミル「戦うんだよ! 私はあいつと同じだ!」

コニー「はあ!?」

ユミル「いいから離せ! 今巨人になればお前までぶっ飛んじまうぞ!」

コニー「どうしようライナー、ベルトルト! こいつおかしくなっちまった!」



ライナー「落ち着けユミル!」

ライナー「クリスタが何の為に巨人の群れに飛び込んで行ったのか、よく考えてみろ!」

ユミル「それが何だ? あいつは死にたがりのバカ野郎だ! 望みを叶えてやれとでも言うのか!?」

ライナー「違う! お前だって分かっているはずだろう?」

ユミル「……!」

ライナー「あいつは守りたいんだ。俺たちと……何よりお前を。命を賭して戦っているのはその為に他ならない」

ユミル「……いや、だからこそだな、私が巨人化して…」

ライナー「まだそんな冗談を言うのか!?」



ユミル「だから!」

コニー「ライナー、もういいよ。このバカ女を押さえててくれ」

ユミル「な、おいっ」ジタバタ

ライナー「コニー? 何をするつもりだ?」

コニー「俺がやる」

ライナー「何?」

コニー「おいユミル」

ユミル「あんだよ? おい離せクソゴリラ!」ジタバタ

コニー「これが最後になるかも知れねぇから……お前にひとつ言いたいんだ」

ユミル「は…?」ピタ

コニー「俺さ……お前の事さんざんブスとかクソ女とか言っちまったけど……」

ユミル「……」

コニー「本当は準ブスくらいだと思ってたぜ!」ダッ

ユミル「さっさと死んでこい!!!」





バッ



ライナー「コニーーー!!」



ガリッ



ベルトルト「……ま、まさかコニーまで!?」



カッ!!



ユミル「……!?」





巨人「アーアー」ガブガブ

女神巨人「キャアアアアアアアアア!」ボコスカ

ベルトルト「…………あれ?」

ライナー「コニーはどこに行った?」

ユミル「……あれじゃないか、あそこの」

超小型巨人「ピギエエエエエエエエエ!」バタバタ

3人「…………」

3人(ダメだろ……)

ユミル「オイオイ……下手すりゃあいつ、ママの腹ん中に逆戻りだぞ…」

ライナー「いや、多分ママはいない…」ボソ

ユミル「あ?」

ベルトルト「ラ、ライナー! ユミルも! ふざけあっている場合じゃないだろう?」アタフタ




女神巨人「キャアアアアアアアアア!」オーフクビンタ

超小型巨人「ピギエエエエエエエエエ!」ピョンピョン


ライナー「あぁ…このままじゃ2人とも食い尽くされちまう!」

ユミル(あのバカが! 結局私がやるしかねえじゃねえか!)

ユミル「ライナー離せ! もう時間がねえ!」ググッ

ライナー「…………」

ユミル「ライナー? 聞いてるのか!?」

ライナー「…………」

ユミル「おい! 奴らを見殺しにしたくなきゃ今すぐ離せ!!」ググッ…

ユミル「つーかクリスタはそろそろヤバいだろ!!」

ライナー「ベルトルト」

ベルトルト「何だい?」



ライナー「馬鹿な俺を許してくれ」

ベルトルト「ライナー……」

ベルトルト「やるんだな。今、ここで」

ライナー「ああ」

ユミル「あのぉぉぉ! お取り込み中すいませんガッ!?」トンッ

ユミル「」チーン

ライナー「……このまま動かなければ俺たちも確実に奴らの餌食になるだろう」

ライナー「選択肢は無い。なら、今だ」

ベルトルト「……一つだけ聞かせてくれ。君は今、どっちだ?」

ライナー「正直自分でもよく分からん。任務を放棄する気は全く無いんだ。ただ……」チラ


女神巨人「キャアアアアアアアアア!」ベシベシ

超小型巨人「ピギエエエエエエエエエ!」ガリガリクン



ライナー「あいつらを見殺しにはできない」

ベルトルト「……必要だからね」

ライナー「当然、それもある」

ベルトルト「それ以外もある?」

ライナー「ああ……都合のいい話だがな」

ベルトルト「…………」




ライナー「ベルトルト、ユミルを頼む」

ベルトルト「うん…頑張ってみる」

ユミル「ハッ!」パチッ

ライナー「ユミル、お前と話すのはこれで最後だろうから、一つだけ聞いてくれ」

ユミル「ライナー…? 何だよ改まって」

ライナー「クリスタは……」








ライナー「俺の嫁ッ!!!」ダッ

ユミル「」ブチン





バッ



ベルトルト「ユミル! 暴れないでくれ!」



ガリッ



ベルトルト「い、痛い痛い! やめてくれ痛い!!」



カッ!!



ユミル「ラァイナァァァァァァ!!!」ゲシッゲシッ

とりあえずここまで
また明日

鎧の巨人「オオォォオオオオオ!」バッ

ユミル「てめえこの野郎!! お前なんぞにクリスタは死んでも渡さねえぞ!!」ゲシゲシ

ベルトルト「ユ、ユミル、もっと他に言う事があるんじゃ痛いっ!」

ユミル「お前の嫁に出すくらいなら私が貰うわ!!!」ゲシゲシ

ベルトルト「鎧の巨人! 見ろよあれ鎧の巨人だぞ! 痛いっ!」


鎧の巨人「オオォォオオオオオ!」バキッドカッ


ユミル「はあ、はあ……」

ベルトルト「ぜぇ、ぜぇ……」ズキズキ

ユミル「離せよベルトルさん」

ベルトルト「駄目だ。今の君は何をするか分からない」

ベルトルト「皆に頼まれたんだ。僕が今するべき事は君の身の安全を守る事だ」

ユミル「はッ、よく言うぜ。すっかり兵士ごっこが板に付いちまったみたいだな?」

ユミル「超大型巨人さんよ」


ベルトルト「君は……」

ユミル「だから言ってるだろうが。私も同じだと」

ベルトルト「そうか。ライナーが鎧の巨人だと分かれば一緒にいる僕の正体にも行き着くか…」

ユミル「いやだから」

ベルトルト「参った…君は勘が良いな」ハァ

ユミル「お前らなんで人の話聞かないの?」

ベルトルト「同期にそう何人も巨人がいちゃたまらないよ」ハハ

ユミル「現にいるだろうが!!」


鎧の巨人「オオォォオオオオオ!」ガシガシ

ユミル「っておい、あいつ動きが鈍ってねえか?」

ベルトルト「クリスタとコニーを庇いながら戦っているんだ…」

ユミル「……」

ベルトルト「ライナー…なりふり構わなければ勝てる筈なのに…」

ユミル「あいつガチでクリスタに惚れてるのか?」

ベルトルト「…あそこにいるのが君でも、彼はきっと同じ事をしたと思う」

ユミル「救いようのねえ馬鹿だなあ」

ベルトルト(確かにクリスタ達は生かして連れて帰りたい。でもそれで君が死んだら意味が無いじゃないか)

ベルトルト(そうまでして2人を守りたいのか? 僕らは殺人鬼なんだぞ)

ベルトルト(ライナー、君は本当に馬鹿だよ)

ベルトルト(……僕もだ)


鎧の巨人「オオォォオオオオオ!」

巨人「アーアー」ガリガリ

巨人「ウーウー」ズンズン

巨人「キャハハハハハハハ」ノッシノッシ



ユミル「まずいぞ! 巨人ども、次々と鎧の巨人にのしかかっていく」

ベルトルト「ライナー…!」

ユミル「おいウスノロ! さっさとそこから出てきやがれ!!」

ユミル「お前が巨人共の餌になるのは構わないがな! クリスタとついでにコニーの命が掛かってるんだぞ!!」


ベルトルト(硬化能力がある限りそうそう食われる事は無いだろうけど……あれじゃ身動きが取れない。巨人の数が多すぎる)

ベルトルト(僕らの力は有限だ。このままだと……)

ユミル「ウォールマリアを崩壊させた鎧の巨人サマがその程度かよ! 情けなねえなオイ!!」



鎧の巨人「オオォォオオオオオ…!」ズズ…



ユミル「……クソッ」

ユミル「ベルトルさん、もう一度だけ言うぞ」

ユミル「離せ」


ベルトルト「……駄目だ」

ユミル「」ギロッ

ベルトルト「……」

ユミル「いい加減にしろ……私は皆に守られるヒロインなんかじゃねえぞ!」

ベルトルト「えっ、当たり前じゃないか…」

ユミル「フン!!」ゲシッ

ベルトルト「おうっふぅうう」

ユミル「ならどうする? 親友の命よりお仲間からの頼まれ事の方が大事なのか?」

ベルトルト「そんな訳…ないじゃないか…」プルプル




ユミル「お前、自分が巨人化して戦うつもりか?」

ベルトルト「そうだ…」プルプル

ベルトルト「ライナーに巨人が集っている今がチャンスなんだ」プルプル

ユミル「お前の巨体じゃ全員潰れちまうぞ」

ベルトルト「鎧の巨人なら僕の巨人の熱と質量にも耐えられる」プルプル

ユミル「クリスタ達はどうなる」

ベルトルト「ライナーが守っているから……死ぬ事は無い、とは思う」プルプル

ユミル「信用できねえな。もういっぺん蹴ってもいいか? 潰れたって再生するだろ?」

ベルトルト「やめてください」プルプル

ユミル「三つ数える間に離せ」


ユミル「ひとつ……」



「あーいたたたた……」

「ちくしょう痛え……なんだこれ」



ユミル「!?」バッ

ベルトルト「えっ?」バッ








リーネ「はあ…本当に死ぬかと思った。いたた」シュウウウウウ

ヘニング「くそ、まだ足が動かないな……」シュウウウウウ

ユミル「」

ベルトルト「」


リーネ「あっ、新兵たち! 大丈夫だった?」シュウウウウウ

ヘニング「悪いな、…いてて…さっさと気を失ってしまって…」シュウウウウウ


ユミル「なん…」

ベルトルト「だと…!?」


ユミル「あ、あの……亡くなったはずでは…」

ベルトルト「即死だったはずですが……というよりその蒸気は…」

リーネ「即死? ああ、ナナバあたりが気を使ってくれたのかな?」シュウウウウウ

ヘニング「結局バレてしまったようだがな」シュウウウウウ



ユミル(もしかして私はまだ悪夢を見ているのか?)

ベルトルト(やったねライナー、仲間が増えたよ)ハハッ


リーネ「ところで他の子達は? 姿が見えないけど…」

ユミル「!!」ハッ

ベルトルト「あ、あの! ユミルを預かっていてください!」

ヘニング「は?」

ユミル「なっ…」

ベルトルト「彼女は気が動転していて、放っておくと巨人の中に飛び込もうとするんです!」

リーネ「それはいけない」

ヘニング「俺たちはこの通りボロボロだが、2人がかりでなら押さえられるだろう」

ベルトルト「ありがとうございます」

ユミル「ベルトルト!」キッ

ベルトルト「大丈夫だ。うまくやる」

リーネ「こら、暴れるんじゃない。こっちはまだ回復してないんだから」


ベルトルト「そうだ。君にひとつ、言っておきたい事があったんだ」クルッ

ユミル「何だよ…」

ベルトルト「…………」

ユミル「おい」

ベルトルト「……その」

ユミル「あのさ、あいつらが流れ作ったからって無理に何か言い残さなくてもいいんだぞ?」

ベルトルト「ぼ、僕はっ…」



ベルトルト「この戦いが終わったらアニに想いを伝えようと思う!!」カァァァ

ユミル「何故それを言おうと思った!?」

ベルトルト「その時は君に背中を押して欲しいんだっ!」ダッ

ユミル「OK!ナイフで押すぜ!!」


リーネ「ふふ、若いねえ」ホノボノ

ヘニング「そういえばナナバさん達はどうした?」

ユミル「食われました」

リーネ「それは大変」

ヘニング「今頃巨人の腹の中で暴れてるんだろうな」

ユミル(これ夢落ちルートだろ)




バッ


ガリッ


カッ!!




ユミル「忘れてた」




ズオオオオォォォォォオオオォォ……



リーネ「あ、あれは……!?」

ヘニング「超大型巨人!!」

ユミル「…………の生首!!?」



超大型生首「フシュウウウウウウウウウ」

ユミル「さてはあいつ告白の事しか考えてなかったな…」



ズドーン!!


巨人「アアアアアアア」ジュウウウウウ


ヘニング「おお、何体かやったぞ!」

リーネ「でもあんな状態でどうやって戦うっていうの!?」

ユミル「他に言う事あるんじゃないですか?」


超大型生首「フシュウウウウウウウウウ……」

超大型生首「シュウウウウウウウウウ」ゴロンゴロン


ヘニング「転がっただと!?」

リーネ「見て! 巨人がどんどん潰れていく!」

ユミル「すげえよベルトルさん……すげえ気持ち悪い」



超大型生首「シュウウウウウウウウウ」ゴロンゴロン

巨人「アアアアアアア」ジュウウウウウ

鎧の巨人「オオオォォ……」ズルリ



ヘニング「まさか! あれは鎧の巨人か!?」

リーネ「あら、なかなかハンサムだね」

ユミル(もう誰にも突っ込まない)


ユミル「クリスタは!?」ハッ

女神巨人「…………」グググ…

女神巨人「」ニコッ

ユミル「クリスタっ……!」フルフル

超小型巨人「ピギイイイイ! ピギイイイイ!」ノソノソ

女神巨人「」ヨシヨシ

ユミル「おいそこのミジンコ野郎! どさくさに紛れて撫でてもらってんじゃねえ! 代われ!!」

リーネ「あら、あの子綺麗な羽根だね」

ヘニング(天使……)


超大型生首「シュウウウウウウウウウ」ゴロンゴロン

超大型生首「シュウウウウウウ………」ゴロンゴロン…

超大型生首「ウウウウ……」ゴロン…

ユミル「……?」

リーネ「動きが止まった? まだ巨人が残っているのに」

ヘニング「いや、よく見ろ……」


超大型生首「ウゥエエエエエエエエエエ……」グルグル


ヘニング「目を回している…」

リーネ「やだ、吐いたりしないと良いけど…」

ユミル「頭だけなので大丈夫かと」

リーネ「あはは、それもそうだね」

ユミル「……」



ユミル(ライナー達は消耗が激しい、私は取り押さえられていて、先輩方は修復中……)

ユミル「どいつもこいつも……!」ワナワナ

ユミル「ベルトルト!! 今戦えるのはお前だけなんだぞ! しゃきっとしろ!!」

超大型生首「ウゥエエエエエエエエエエ……」グルグル

ユミル「巨人どもを蹴散らしてアニに告白するんだろうが!! なあっ!!」

超大型生首「」ピタ

ユミル「……? おい…」

超大型生首「////」ブシュウウウウウウウウウウウ

ユミル「こんな事でオーバーヒートするんじゃねええ!!」



ユミル「ナイーブすぎるぞ!? そんな調子で告白なんか出来る訳ねえだろうが!」

超大型生首「」ウルウル

ユミル「泣くな!! 回れ! 潰せ!」

超大型生首「ウウウゥゥゥゥウウウウゥゥ……」ポロポロ



ユミル(いや……)

ユミル(今度こそ私の番じゃねえのか)

ユミル(あの数なら多分、やれる。手足の1、2本は覚悟しておくべきだろうが…)

巨人「アーアーウーウ」



ユミル「……先輩、手を離してください」ググ…

リーネ「何を言っているの」

ユミル「戦うんですよ」

ヘニング「駄目だ。耐えてくれ、丸腰のお前が行った所で無駄死にだ」

ユミル「どんな不利な状況でも戦うのが兵士の本分じゃないんですか?」

ヘニング「ただ無意味に命を投げ出すような真似は許さない! 上官命令だ!」

ユミル「上官が何だ! こちとらあんた方の親より前の時代を生きてきたんだよ!!」

リーネ「くっ、やっぱりこの子気が動転してる!」

ヘニング「無理も無い。仲間が皆巨人だったんだ、脳がパンク寸前なんだろう…」

リーネ「黙っててごめんね…」

ユミル「私も巨人!!!」キーッ

ここまで
また夜か明日にでも


巨人「アーアーウーウー」ガブガブ

超大型生首「フシュウウウウウ」イヤイヤ

鎧の巨人「オオオオオオッ…」ブンブン

女神巨人「キャアアアアアアアアア!」ドゲシッ

超小型巨人「ピギエエエエエエエエエ!」バタバタ

巨人「キャキャキャキャ」ガブガブ

女神巨人「………! ……!」グラッ



クリスタ(駄目…もう思うように身体を動かせない…!)

クリスタ(このまま食べられちゃうのかな)

クリスタ(……せめてコニーだけでも…)

女神巨人「……」ギュウ

超小型巨人「ギイイ…!?」

クリスタ(こうして覆い被さっておけば、もしかしたら助かるかもしれない)

巨人「アーアーウーウー」ガブガブ

クリスタ(食べられてる…)

クリスタ(不思議と痛みは感じない。そういうものなのかな)

クリスタ(もうすぐ終わるんだ。そういえば本当の名前、結局言えなかったなあ…)

クリスタ(ごめんね。約束守れなかった)

クリスタ(でも私、結構頑張ったんだよ?)

クリスタ(頑張ったんだから、あなたもちゃんとイカした人生を送ってね。こんな所で死んじゃ駄目よ?)

クリスタ(さよなら、ユミル)

クリスタ(………)


クリスタ「怖いよ……」



 リスタ――…

クリスタ――…



ユミル「クリスタ!!」

ヘニング「よせ落ちるぞ!」

ユミル「クリスタ! この馬鹿が! 他人の為に死ねて満足か!? お前はそれでいいかも知れないがなぁ…」ググ…

ユミル「ちょっとはこっちの身にもなってみろ!」

ユミル「目の前で集団自殺を見せつけられてどうイカした人生を送れってんだよ!!」

ユミル「だからこんな所で死ぬな!!」

ユミル「生き残って、いつかお前を追い出した連中を見返してやれよ!!」

女神巨人「………!」

ユミル「頼むよ、死なないでくれ!!」

女神巨人「!!」バサッ

リーネ「と、飛んだ!!」

ヘニング(新世界の女神…!?)


女神巨人「……ッ!!」ブン!

超小型巨人「ギョピッ!!?」ドゴッ

巨人「」チーン

リーネ「投げた!?」

ヘニング「いい肩だ」

ユミル「いいぞクリスタ! 結婚しよう!」

鎧の巨人「」ピク

ユミル「お?」

鎧の巨人「オオォォオオオオオ!」ガバッ

リーネ「鎧の巨人が…!」

鎧の巨人「オオォォオオオオオ!」オラオラオラオラ

巨人「」チーン

ユミル「対抗心燃やしてきやがった」


女神巨人「」ヒョイ

超小型巨人「ギィ?」

女神巨人「フッ!!」ブン!

超小型巨人「ギョピッ!!?」ドゴッ

巨人「」チーン

リーネ「拾ってまた投げた!?」

ユミル「ダハハハハ! その調子だ、いい子ちゃんのレッテルなんて捨てちまえ!」

ヘニング「捨ててるのは人間性じゃないか…?」

鎧の巨人「オオォォオオオオオッ!!」オラオラオラオラ

ユミル「おおいいぞライナー! お友達までなら許してやる!」

ユミル「あとはベルトルさんだな」

ユミル「おーいベルトルさーん!!」

ユミル「ここだけの話なんだが、憲兵団でアニにしつこく言い寄ってる男がいるんだよ」

超大型生首「!?」

ユミル「あんな腐りきった奴に惚れた女を奪われたら、死んでも死にきれないよなあ?」

ユミル「あとお前ら故郷とかどうするんだ?」

超大型生首「シュウウウウウウウウ!」シュバッ

ユミル「着火完了」

ヘニング「どういう事だ…首だけでトリプルアクセルだと…!?」

リーネ「いや、もう倒せるならなんでもいい!」




鎧の巨人「オオォォオオオオオッ!!」

超大型生首「シュウウウウウウウウ!」

女神巨人「………フッ!!」

超小型巨人「ギエピーーー!」

ユミル「おーいベルトルさーん!!」

ユミル「ここだけの話なんだが、憲兵団でアニにしつこく言い寄ってる男がいるんだよ」

超大型生首「!?」

ユミル「あんな腐りきった奴に惚れた女を奪われたら、死んでも死にきれないよなあ?」

ユミル「あとお前ら故郷とかどうするんだ?」

超大型生首「シュウウウウウウウウ!」シュバッ

ユミル「着火完了」

ヘニング「どういう事だ…首だけでトリプルアクセルだと…!?」

リーネ「いや、もう倒せるならなんでもいい!」




鎧の巨人「オオォォオオオオオッ!!」

超大型生首「シュウウウウウウウウ!」

女神巨人「………フッ!!」

超小型巨人「ギエピーーー!」


ユミル「お前も眠れよ。多分もう巨人は来ないからよ」

クリスタ「ユミル…泣いてる?」

ユミル「はあ?」

クリスタ「声が変だもの…」

ユミル「三年分くらい叫んだせいで喉が痛いんだ」

クリスタ「ふふ、そ…か…」

クリスタ「ありがとね」

ユミル「……」

クリスタ「……」スー…

ユミル「そりゃこっちの台詞だバカ」

ユミル「……おやすみ」




数分後、ウルガルト城に群がる巨人は駆逐された

巨人化した4人はいずれも重傷を負っていたが、治癒能力のおかげで命に別状は無い模様

更に巨人の残骸からナナバ、ゲルガーを発見。こちらは損傷が激しく、絶対安静が必要だった

しかしゲルガーは「酒を、酒を」などとやかましかった為、物理的に眠らせ、回復に専念させる







ユミル「……クリスタ」

クリスタ「あ…ユミ、ル。けが、してない?」

ユミル「うるさい黙れバカ」

ユミル「お前は、本当に、このっ…」

ユミル「……」ギュッ

クリスタ「いたた、ちょっと、苦し…よ」

ユミル「…悪い」パッ








「おはようございます」








ユミル「え…」

リーネ「……あ」

ヘニング「……!?」



獣の巨人「良い朝ですね」

ここまで
また明日以降に

ひどいギャグとシリアスのスクランブルエッグな上にアホすぎるミスをやらかしてしまったので、今から女神に投げられてきます

ユミル「……!」

リーネ「こ、こいつ、あの時の…」

ユミル(クソ…まだ壁内にいやがったのか!)

獣の巨人「いやなんかいつまでも騒がしいから来てみたらさ、すごい事になってんじゃん」スッ

ヒョイ ヒョイ

ライナー「」

ベルトルト「」

ヘニング「な、待て! 何のつもりだ!?」

獣の巨人「何って、回収だけど」ヒョイ ヒョイ

クリスタ「」

コニー「」

ユミル「クリスタ!!」


獣の巨人「壁内どうなってんの? こんなにいるなんて聞いてないけど」ヒョイ ヒョイ

獣の巨人「あ、そっちの二人もか」スッ

リーネ「ああっ!」

ヘニング「は、離せ!!」

獣の巨人「暴れるなよ。潰しちゃうから」

ヘニング「くそっ…おい、逃げろ!! どこでもいい、報告を…!」

ユミル「…っ!」

ユミル(もうやるしかねえ…)

ユミル(だが巨人化したところで勝ち目は……)

獣の巨人「大量大量」ヨッコラセ


ユミル「待て!!」

獣の巨人「ん? お前…」

ユミル「私が誰だか分かるか?」

獣の巨人「……」

獣の巨人「いえ、存じません」

ユミル「」

獣の巨人「それじゃこれで」

ユミル「ちょっ、おい、待てよおいっ…」

ユミル「」

ユミル「クソが!!」バッ!

「待てユミル!!」グイッ


ユミル「!? 今度は何だ!」バッ

エレン「落ち着けって! 危ないだろうが!」

ユミル「エレン!? お前どうして…」

アルミン「エレン、待ってってば!」パシュ

ミカサ「単独行動は危険」パシュ

ユミル「お、お前ら…三人だけでどうやって来たんだ」

ミカサ「走って」

ユミル「何て?」

アルミン「ユミル、もうすぐ調査兵団が到着するよ! それよりもあの巨人は何なんだ!?」

ユミル「あ…あいつ、クリスタ達を攫いやがった! 早く助けねえと」


エレン「お前は装備が無いだろ!? ここにいろって!」グイッ

ユミル「もうその流れは飽きたぞ!!」

ミカサ「ユミル、エレンの言う通り。私たちに任せればいい」

ユミル「よせ、あいつは危険だ。いくらお前でも…」

アルミン「ユミル、ミカサの言う通りにしよう」

エレン「俺も行」

アルミン「エレン」

エレン「…わかったよ。離れるぞ」

ユミル「ま、待てって!」

アルミン「ユミル! ミカサなら大丈夫だ」

ユミル「……」


ミカサ「…そうだ。ひとつ言っておきたい」

ユミル「は? 何だよ」

ミカサ「貴女じゃない。エレンに」

ユミル「……」

エレン「どうした?」

ミカサ「その…シャツのサイズが合わなくなってきたので、これが終わったら一緒に買」

ユミル「分かった行け!!」ドゴッ

アルミン「ミカサーーーッ!?」




ヒュウウウウウウ……



ガリッ


カッ!!




腹筋巨人20m over「ヴォオオオォォォォォ…」

ユミル「」

ユミル(あコレ勝てるわ楽勝だわ)

腹筋巨人「ヴォオオオォォォォォ」ドスドスドス




アルミン「あはは、ユミル…驚いたでしょ?」

ユミル「いや、あまり…」

アルミン「そうだよね、無理も無いよ」

エレン「ああ…俺も最初は驚いた。でもあいつの事、化け物だとか思わないでくれよ」

ユミル(安心しろ。お前の同期は化け物しかいない)

ユミル(あと人の話を聞け)



獣の巨人「」

獣の巨人「え」

腹筋巨人「ヴォオオオォォォォォ…」ドスドスドス

獣の巨人「なにこれ聞いてない」

腹筋巨人「ヴォオオオォォォォッ!」ブンッ

獣の巨人「わぁ」サッ

ドガシャアアアアァァン!!

ユミル「地面が割れたんだけど…」

アルミン「ミカサー! 壁を壊さないように気をつけるんだぞー!」

獣の巨人「いてててて破片いててやばいやばい」


エレン「くそっ、俺も駆逐したい…」

ユミル「そんなお前の為に巨人が沸いてきたぞ」

巨人「アーアー」

巨人「ウーウー」

エレン「よし!」ガリッ

アルミン「露払いは任せてくれ!」ガリッ


江蓮巨人「ウオオオオオォォォォ!!」ゴォォ

有民巨人「ヲォォォォウ…」


ユミル「……」

ユミル「……」

ユミル「……」スッ

ハンジ「ようやく追いついた!」パシュ

ユミル「! ハ、ハンジ分隊長…」


ハンジ「あれ、君104期の子だよね? どうしてこんな所に?」ハァハァ

ユミル「私たちは…」

ハンジ「いや! そんな事より巨人だ!」ハァハァ

ハンジ「前衛、中衛は二手に分かれて巨人を叩け! くれぐれも犠牲は出すな!」

ドドドドドド……

ハンジ「で!?」ハァハァ

ユミル「は?」

ハンジ「あそこで戦っている巨人は何!?」ハァハァハァ


獣の巨人「ちょ、ま、たんまたんま」

腹筋巨人「ヴォオオオォォォォ!」ドゥッ


ユミル「あの猿…いえ獣の巨人が他の巨人を引き連れてきたものと思われます」

ハンジ「あのすんげぇ方は!!?」ハァハァハァハァ

ユミル「ミカサです」

ハンジ「納得ッ!!」

ここまで
今週中には終わらせる予定


女神巨人 →クリスタ
超小型巨人→コニー
腹筋巨人 →ミカサ
江蓮巨人 →エレン
有民巨人 →アルミン


あと今週中に終わると言ったが嘘になるかもしれない
申し訳ない


ハンジ「モブリット!」

モブリット「はい!」

ハンジ「彼女の保護と後衛の統率を頼んだよ。私は前線の指揮を執る」

モブリット「分かりました、お気をつけて!」

ハンジ「あそうだ。君、名前なんていったっけ?」クルッ

ユミル「(把握しとけよ)…ユミルです」

ハンジ「ん?」

ユミル「ん?」

ハンジ「…良い名前だ」ニコ

ユミル「どうも…」


ハンジ「それじゃあユミル、モブリットの側から離れないようにね」

ユミル「努力します」


バッ


ハンジ(ミカサも気になるけどやっぱりあの獣の巨人だ! あんな巨人は見た事が無いよ調べつくしたいなぁ心ゆくまで。でもあそこの頭でっかちな子もキュートで良いね)


ガリッ


ハンジ「はんがあああぁぁぁ」ブシュー

モブリット「分隊長どこのボザドですか!!」

ユミル「あれは痛い」



ユミル(結局私は…このまま正体を晒さずに済むのか)

ユミル(それ以上の問題が山積みな訳だが)


腹筋巨人「オオォォッ!」ブン!

獣の巨人「あぶなっ」ヒョイ

獣の巨人「あーもういいよ。こいつら返して欲しいんだろ?」ポイー

腹筋巨人「!!!」バッ

ミカサ(危なかった…!)キャッチ

獣の巨人「こんなのがいたなんて予想外だった」ポリポリ

獣の巨人「撤退しよ」スタコラ




ハンジ「あの獣の巨人…壁を登れるのか!?」

ハンジ(まずい…)

ハンジ「ミカサ、ナナバ達をこっちへ! エレンもすぐに来てくれ!」

腹筋巨人「」コクリ

江蓮巨人「!」ドスドス


獣の巨人「ふう」ヨジヨジ

獣の巨人「あの腹筋野郎はやばいな。もう少しで頭吹っ飛ぶところだった」

鎧の巨人「まあここまで来れば安心だろ」




ハンジ「よし、やってくれ」

腹筋巨人「」コクリ

ミカサ(これは…ブーケトスの……練習!!)

腹筋巨人「ヴォオオオォォォォッ!」ブンッ




獣の巨人「どうしよっかなーこれから」ポリポリ

獣の巨人「あんなのが他にもいたら困るし……予定を早めるか」

ヒュウウウゥゥゥゥ…

獣の巨人「ん?」


江蓮巨人「ウオオオオオォォォォッ!」ゴォォォォ

獣の巨人「うおおおおおぉぉぉぉ!? 飛んできたぁ!?」

江蓮巨人「オオオッ!!」ガッ

獣の巨人「うおっ! お前ら本当になんなの?」ギリギリ

江蓮巨人「オオオオオオッ!」ギリギリ

獣の巨人(無理無理俺のが力強いし)ギリギリ

獣の巨人(もう面倒だから外側に落とそっかなこいつ)グググッ

江蓮巨人「…!」ググ…

モゾモゾ…

獣の巨人(何だ? あいつの髪の毛、今動いて…)

<コツコツ

獣の巨人「ん?」クルッ

ハンジ「はぁい」ニコ



ザシュッ!!!


【数日後・トロスト区】


ユミル「よう、調子はどうだ?」

クリスタ「ユミル…? 調査兵団はどうしたの?」

ユミル「そんな事より差し入れだ。パンと果物があるけど、どれがいい?」

クリスタ「まさか抜け出してきたの? 駄目だよ、こんな時に」

ユミル「いらないのか?」

クリスタ「……りんご」

ユミル「おう、待ってろ。確かナイフがあったよな」

クリスタ「そこの引き出しに」

コニー「おっ、俺は梨がいい!」ヒョコッ

ユミル「ん? 今妙な雑音が聞こえなかったか?」キョロキョロ

コニー「おい! 梨、梨! 剥いてくれるよな!?」

ユミル「こんな時だけ擦り寄ってくるんじゃねえドチビ」ペチ


ユミル(結局あの猿には逃げられた)

ユミル(ある程度の痛手は負わせたが、とどめを刺すには至らなかった)

ユミル(ミカサが全力で戦えりゃあよかったんだがなぁ…)

ユミル「まぁお前らの命には代えられねえよな」ポン

クリスタ「?」

コニー「おおっ! すげぇメロンがある!」

ユミル「時には鈍器にもなる便利な果物だ」

コニー「梨で」

ユミル(分隊長は割と奴の危険性を分かっているようだが…正直あの人にはもう関わりたくねえ…)

ユミル(あの猿が壁内に巨人を発生させていると仄めかしておいたし、もういいよな…)

ユミル「いてっ」サクッ

クリスタ「だ、大丈夫!?」

ユミル「ああ気にするな。舐めときゃ治る」

クリスタ「駄目だよ! ちゃんと見せて」

ユミル「へいへい…」

少ないけどここまで

次の投下で今度こそ終わらせます


ユミル「……」

クリスタ「……」

コニー「…なあ、ユミル」

ユミル「何だ」

コニー「ライナー達は今どこにいるんだ?」

ユミル「…あいつらは隔離中だ。それ以上は知らん」

ユミル(まあ地下室に軟禁中なんだが)

コニー「あの時…二人は俺たちを助けてくれたんだよな?」

ユミル「まあ、結果的にはそうなったな」

コニー「何だよその良い方…」

ユミル「分かる訳ないだろ。壁を破壊した連中の考えなんて」

コニー「……!」


クリスタ「ユミル…」

ユミル「事実だろうが」

クリスタ「…ライナー達は自分たちだけ逃げる事だって出来はずだよ」

クリスタ「でもそうしなかった」

ユミル「……」

クリスタ「覚えてるんだ…巨人から守ってもらったこと」

コニー「そ、そうだぜ! あいつらがいなかったら俺たち死んでたんだぞ!」

ユミル「私に言わずに上に掛け合えよ。無駄だとは思うがな」

コニー「お前っ…!」

ユミル「まあ貴重な情報源を速攻処刑なんて事は無いだろうさ。ほら剥けたぞ」スッ

クリスタ「…ありがとう」


ユミル「そんな事よりお前らだよ!」クワッ

クリスタ「えっ」

コニー「危ねえっ! ナイフ向けるなよクソ女!!」

ユミル「なんでお前らまで巨人になれるんだよ!?」

クリスタ「え? そ、それ聞いちゃうの…?」

ユミル「当たり前だ! 寿命が縮まる程びっくりしたんだぞこっちは!!」

コニー「ばあちゃんみたいなこと言うなよ…」

ユミル「な、だっ、ば、馬鹿野郎! どっからどう見ても17歳だろうが!!」

コニー「お、おう…?」


クリスタ「ユミル。あなたが言いたい事は分かるよ」

ユミル「は?」

クリスタ「巨人に囲まれて生活していたなんて確かにびっくりしちゃうよね…」

ユミル「んん? あぁ、まあ…」

クリスタ「でも心配しないで。誰もあなたを仲間はずれになんかしないから」ギュッ

ユミル「は?」

クリスタ「だからこの話は終わりにしよう?」ニコッ

ユミル「いやよくないだろ?」

クリスタ「」ニコニコ

ユミル「よくないだろ…」

クリスタ「」ニコニコ

ユミル「…分かったよ。誰にだって知られたくない事はあるよな」ハァ


ユミル「ま、悪いようにはされないだろ。こうやって手厚く保護されてる訳だし」

コニー「解剖されたりしないよな?」

クリスタ「さすがにそんな事は…」

ユミル「どうだろうな。エレンみたいに人類の役に立てばされないかも知れないが…」

ユミル「これだけ巨人が揃っていれば一人くらいは……と思うんじゃないかな、憲兵団なんて今でもエレンを解剖したがってるって聞いたぜ」

コニー「」

クリスタ「ちょっとユミル…」

ユミル「そうなった場合、どんな奴からバラされると思う?」ニタァ

コニー「お、俺だって役に立ったぞ! ちっこいの倒したりしたんだからな!?」

ユミル「……」


ユミル「そうか、お前も頑張ったっけな。よしご褒美にあーんしてやろう」

コニー「罰ゲームだろうが…」

ユミル「あーーん!」ズボッ

コニー「んごぉっ」モガモガ

ユミル「うまいだろ? よぉく味わえよぉぉ?」グイグイ ※パン

コニー「ンン¨ーーッ!?」モガモガ

クリスタ「ちょっとユミルやめて! コニーは大けがしてるのよ! 」

ユミル「主にお前のせいでな」


コンコン


ユミル「」ビクッ

クリスタ「どうぞ」


アルミン「失礼しまーす…」ガチャ

エレン「よう。二人とも具合どうだ?」

ミカサ「お邪魔します」

ジャン「おっす」

ユミル「お前らか…」

クリスタ「みんな! 来てくれたんだね」

コニー「んぐんぐ」モガモガ

エレン「ユミル! お前こんな所で何やってるんだよ!?」

ユミル「餌付け?」グイグイ

コニー「ンゴゴゴゴ…!」モガモガ

エレン「そうじゃなくて、ハンジさんが血眼になって探してたぞ?」

ユミル「遠い星に行ったと伝えてくれ」


クリスタ「そういえば、壁の穴は見つかったの?」

アルミン「いや、他の兵団にも協力してもらってウォール・ローゼを一周探したみたいだけど、結局見つからなかったんだ」

クリスタ「そうなんだ…。あれ以来巨人も入ってきていないし、穴は空いていなかったって事でいいのかな」

アルミン「多分ね。でもまだシーナは避難民で溢れ返ってるみたいだよ」

クリスタ「巨人はもういないのに?」

アルミン「調査兵団の強い意向で、特に連絡の届きにくい辺境の村の人たちは内地に留めているみたい」

コニー「んぐ! そ、そっか。じゃあ俺の村の奴らも…」

ユミル「ごちそうさまには早いぞコニー」ズボッ

コニー「ンゴォ!?」モガモガ

ミカサ「懐かしい。私もよくああやってエレンにパンを食べさせてあげていたっけ…」シミジミ

エレン「いやそんな思い出は無いぞ」


――ドンッ!



ミカサ「!!」

エレン「何だ!?」

アルミン「外……壁の方からか!?」

クリスタ「え…?」


ドンッ!


ジャン「様子を見てくる!」ダッ

アルミン「あっ、僕も!」ダッ


ドンッ! ドンッ!


クリスタ「な、なんなの……?」

ユミル「……」

ミカサ「…外が騒がしくなってきた」


ユミル「なあ、とてつもなく嫌な予感がしないか?」

ミカサ「する」


タタタタタ…


アルミン「みんな大変だ!! 巨人が、巨人が壁の中に!!」

ジャン「信じられねぇ、上から降ってきやがった!」

エレン「はぁ!?」

ジャン「まだ増えてる! とにかく戦える奴はすぐに出ろ!!」

ミカサ「! 分かった!」ダッ

ユミル(上から…?)

ユミル「アルミン、ちょっと残ってくれ」

アルミン「?」


ユミル「多分、これは獣の巨人の仕業だ」

アルミン「!? …まさか、あいつが外から巨人を投げ入れてるって事?」

ユミル「奴なら出来るよ。目的は嫌がらせ…いや宣戦布告かも知れないな」

アルミン「…壁の外から、壁を破壊せずに、いつでも壁内に巨人を入れられると」

ユミル「知らしめたいんだろうな。気をつけろよ、あいつはミカサを警戒してる」

アルミン「…分かった。ありがとう、ユミル」ダッ


ドンッ!


アルミン(この音…まだ巨人を入れ続けているのか。…一体いつまで?)

アルミン(もし今回を乗り切ったとしても、獣の巨人を止めない限り何度でも同じことが起こる)

アルミン(奴を倒すには壁の外に出なければならない。無数の巨人が待ち受けているであろう壁外へ…)

アルミン(……それでもやるしかない)


駐屯兵「慌てずに避難してください! 走らないで!」

駐屯兵「荷物は最小限に!」



クリスタ「あれだけ戦ったのに、また巨人が入ってくるなんて…」

ユミル「……」

ユミル(もう偵察どころじゃなくなったんだろうな…)

コニー「お、俺たちも行った方がいいんじゃないか?」

ユミル「お前らは負傷者だろうが。避難しろ避難。悪いが面倒は見れねえぞ」

クリスタ「ユミルはどうするの?」

ユミル「そうだな。ずらかりたい所だが、敵前逃亡は死罪だからなぁ」

クリスタ「そ、そうだけど、本部への連絡要員だって必要じゃない?」

ユミル「…なあ、クリスタ」ジッ


ユミル「お前さ、今でも死にたいって思ってるか?」

クリスタ「えっ?」

コニー「何言ってるんだよこんな時に」

ユミル「答えてくれ。どうなんだクリスタ」

クリスタ「…私は――」


クリスタ「……いやだ」

ユミル「…そうか。分かった」

ユミル「クリスタ、このナイフ借りてくぞ」

クリスタ「え? いいけど……そんなもの何に使うの?」

ユミル「まぁ…そりゃ」


ユミル「これで戦うんだよ」





獣の巨人のあたりはだいぶ都合良く捏造入れました
ライベルの扱いや馬面巨人を出せなかった事が心残りですが、これにて終了です

読んでくれた方、コメントくれた方、ありがとうございました

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