幕之内一歩「僕の両腕が幻想殺しって…どういうことですか?」 (95)

一歩「あ、美琴さん!」

美琴「アンタ!また私と勝負しにきたってわけ!?上等よ!!」

一歩「勝負って…いつも美琴さんがふっかけてきて…」

美琴「問答無用ーー!!私より年上のくせに敬語使ってんじゃないわよーー!!」

バチッビリッ

一歩「うわぁあああああ!!!ごめんなさぁぁぁぁい!!!」



美琴「また逃げたわね…私の電撃をしっかり防いでおいて…あーもうムカつく!!」

一歩「はぁ…美琴さん、ひどいなぁもう…間柴さんより怖いかもしれないぞ、あの人……」

御坂妹「……」

一歩「ってうわぁあああああ!!!ごめんなさいごめんなさい!!!」


御坂妹「なぜ謝るのですか?ミサカは首を傾げます」

一歩「え?あ、あれ?美琴さん、怒ってないんですか?」

御坂妹「私が怒る原因となる要素を記憶の限り検索していますが、それは見当たりません。とミサカは訝しげに貴方の顔を覗きます」

一歩「そ、そうなんだ…怒ってないならよかったですよ」

美琴「待ちなさいよぉお!!」タッタッタ

一歩「うわぁあああああ!!!またぁぁ!?…て、あれ?」

美琴「……アンタ……どうしてここにいんのよ……」

御坂妹「……」

一歩「ごめんなさい!すぐ消えます!!すみません!!」

美琴「あんたじゃないわよ!」

御坂妹「…ミサカのオリジナル……お姉様と、認識しました」

美琴「どうして!?なんで!?」

御坂妹「……」

一歩「な、なんだかこみいった話だな。僕はいないほうがいいのかも……双子さんかな…と、とりあえずロードワークに……」

一歩「へぇー、まさか美琴さんに双子の妹さんがいたなんてなぁー」タッタッタ

一歩「でも、なんだか喧嘩してたみたいだけど、大丈夫かなぁ」タッタッタ

一歩「はやく久美ちゃんに会いたいなぁ、なんで僕だけ学園都市に合宿なんだろう。会長はここに僕の拳を完治させる技術があるっていってたけど……」タッタッタ


一歩「あっ!美琴さ……の妹さん!」


御坂妹「………あ…」

一歩「さっき、お姉さんと喧嘩してたみたいだけど……」

御坂妹「いいえ。心配には及びません、とミサカは素人のシャドーボクシングで健全さをアピールします」

一歩「そうですか。シャドーボクシングはこうやるんだよ、まず右ストレートからね。左足をしっかり踏み込んで、それから…」

一歩(懐かしいなあ。僕も最初こうして鷹村さんに教えてもらったっけ。いつのまにか僕も教えられるようになったんだなぁ。それも女の子に)


御坂妹「何にやついてるんですか?とミサカは心内で邪推を重ねてみます」


一歩「あっ!いや!!その!な、なんでもないです!!」

一歩(な、何を舞い上がっているんだ!僕には久美ちゃんがいるじゃないか!あれ?このいいかたなんだかまるで彼女みたいに……)

御坂妹「さっきよりニヤケが酷くなってますよ、とミサカはたしまなめます」

一歩「あれ?その猫は……」

御坂妹「黒猫です……名前はまだ決まってません」

一歩「ワンポ、元気にしてるかなぁ」

御坂妹「ワンポ?この猫はワンポというのですか?とミサカは名前のギャップに驚きます」


一歩「はは、違うよ。いつも、僕と一緒にいる犬なんだ」

一歩「あっ!いけない!こうしちゃいられないぞ!会長から渡されたメニューがまだいっぱいあるんだ!!」

御坂妹「そうですか。ミサカもこれから用があります。とミサカも歩を進め始めます」


一歩「じゃあ、また明日ね!」

御坂妹「……さようなら」

翌日
一歩「あれ?君は昨日の……」
ネコ「ニャォ」タッタッタ
一歩「ちょ、ちょっとどこいくのさ!!!」

……路地裏
御坂妹「」
一歩「な、なんだこれ……」
一歩「う、うわ、うわ、わ、わ、…」
一歩「うわぁああああああああああああああ!!!!!!」

……

アンチスキル「君、本当に見たのかい?」

一歩「は、はい!…たぶん……」

アンチスキル「多分?しかし、君が言った場所には痕跡一つないぞ?」

一歩「で、でも!」

アンチスキル「これから、こういう悪戯はやめるようにね」

一歩「…すみません…」
一歩(…確かにあったのに…また鷹村さんの悪戯なのかな……)

妹達「……貴方が、幕之内一歩ですね。とミサカは確認をとります」

一歩「え?あ!よかった!無事で………」
一歩「………え?」

御坂妹「ミサカ達は実験動物、つまりモルモットなのです」

御坂妹「先日貴方が話していたと思われる、ミサカ10031号の遺体は、この中です」

一歩「ど、どうして?君たちは一体……」

御坂妹「ミサカ達は、レベル6計画の実験の協力者です。単価にして18万。ここにいるミサカ達は皆、オリジナル御坂美琴のクローンです」

一歩「う、…嘘だ……嘘だ……」

………


大橋

美琴「……ワタシが一方通行に勝てば、この実験は…最悪、死んだっていい…」


一歩「……美琴……さん……」

美琴「アンタ……なんでここがわかったの?……」

一歩「ダメ、ですよ……美琴さん…」

美琴「何よ……こうするしかないじゃないの……!!何もしらないくせに、無責任にとめないでよ……!!」

一歩「美琴さんは強いですよ……でも、やっぱり危険なんですよ!!相手とは階級が同じでも、2位しかランクが違わなくても!」

美琴「…こうなったのは、私のせいなんだから…私に責任とらせてよ!!!!」

一歩「…そこで、考えたんです。そして、気づいたんです」

一歩「会長が合宿中僕に渡したメニュー、これはきっとこの時のためのものなんです。僕が戦わなきゃいけなくなったときに……」

一歩「とても、とても怖い。怖いけど……勝ってみせます!!美琴さん!!」

一方通行「ほらほらァ!!抵抗しねェとさっさと終わっちまうぞォ?ギャハハ!!」

御坂妹「く……ぅ………」

一方通行「……おい……この場合実験ってのはどうなっちまうンだァ……?」

一歩「……貴方が、一方通行さんですね……」

一方通行「見られちまったからには生かしておけねェっつーおきまりの展開かァ?ヒヒヒッ」

一歩「僕は…貴方に勝ちます!!」

『さぁ!!両雄ついに合間見える!!勝つのはどちらか!!?』

『赤コーナー!!学園都市最強にして最凶!!一方ーーー通行ーーー!!!』

『対して青コーナー!!フェザー級国内チャンピオン!幕の内ーー!!!一歩ーー!!』

一方通行「オマエ…面白ェな……」
一方通行「さっさと挽き肉にしてやるよォ!!」ダッ

『あーーっと!!チャンピオンいきなり前へ出たーー!!これには挑戦者も面を食らっているー!!』

一歩(速い!!そんな、僕が始めに前に出るって決めていたのに!あっという間に先手をとられた!!)

『挑戦者あわてて距離をとるーー!!しかしチャンピオン追わない!!追いません!!!』

一方通行「なかなかいい動きすンじゃねェか。ちったァ楽しませてくれよなァ!!!」ガンッ!

『あーっと!!チャンピオン鉄骨を飛ばすーー!!!挑戦者避けられるかーー!!?』

一歩「くっ」ヒュッ
一歩(見える!ちゃんと見えるぞ!!でも当たったらまずい!!)

『挑戦者!!避ける避けるーーー!!!』

一方通行「ギャハハハハ!!!そォらこいつはどォだァ!!!」ガンガンガンッ!!!

『チャンピオン!!さらに鉄骨を増やしたーー!!!』

一歩(そんな……多すぎるよ……!!避けられない!!)

『挑戦者の体に激しい衝撃が襲いかかるーー!!!』

『まだまだラウンドは時間があります!挑戦者凌ぎきれるかーー!!?』

一歩「ぐっ……うっ……」

『あーーっと!!挑戦者ダウンだーー!!ダウンです!!流石チャンピオンは強かったーー!!カウントが積み重ねられるーー!!』

一方通行「中身は小麦粉でしたってかァ?……なァオマエ、粉塵爆発って言葉くらい聞いたことあるよなァ?」

一歩「……!!!」

『挑戦者慌てて起き上がり距離をとるーーー!!!逃げきれるかーーー!!!?』

一方通行「ギャハハハハ!!!」

ズドォンッ!!!

一歩「……そんな……強すぎるよ……」

一方通行「オーオー、よく逃げたもンだァ……」

『あーーっと!!挑戦者!!足が震えているーー!!先程の攻撃が聞いてきたかぁーーー!?』

美琴「イカン、小僧のやつめ、怯えておるわ!!」

御坂妹「以前の千堂君と戦ったときのようにですか!?」

美琴「いや、それよりもタチが悪いかも知れん……!!」
美琴(ファイターは一度怯えると、それがイップスとなり攻撃から目を背けてしまうようになる……これが選手生命そのものに響きかねん……堪えるんじゃ小僧!!)

『チャンピオン!!ゆっくりと迫りよるーー!!挑戦者!なおも動けません!!!』

一歩(駄目だ!動けない!!怖い!怖い!!怖い!!)

一方通行「…いい加減楽になりやがれ……なァ三下ァ!!!」

『チャンピオンの血流操作だーー!!挑戦者、避けられるかーーー!!!』

バキッ…

『チャンピオンの顎があがったーーーー!!!挑戦者のカウンターだーー!!!』

一歩「………え……」

一方通行「………な…………!?」

一歩(なんだ……今の……僕の拳が勝手に……)

美琴「そうか!!小僧のやつめ!!」
御坂妹「何かわかったんですか!?」

美琴「小僧は今まで何千、何万回とバッグを叩いてきた。普段はファイター向きではないが、リングにあがれば小僧は並々ならぬ闘志を放ち、強敵に打ち勝ってきた」
美琴「意識がないまま戦ったこともあるじゃろう。それがなしえたのは、他ならぬ日々の鍛練じゃ」


一方通行「なンだこいつ……急に目の色が変わりやがった!!」

美琴「日々の努力が拳に宿っておるのじゃ……!!」

一歩(当たる!!僕の拳だって当たるぞ!!)

一方通行「オマエ……最高に面白ェぞぉ!!!!」

『チャンピオン距離をつめるーーー!!!』

バキッ!!

『挑戦者のカウンター決まったーーー!!!挑戦者の脇腹に突き刺さるーー!!!』

一歩(今だ!!一気に攻めるんだ!!!)


『挑戦者のリバーーーーー!!!チャンピオンの顎が下がるーー!!』

一歩(ここだ!!)

『さらにアッパーーーー!!!』

一方通行「ぐっは………!!」

『そして右ストレートーーーー!!』

一方通行「ガァァァア!!!!」

『チャンピオン!ダウンだーーー!!!チャンピオン、立てるかーーーー!!!?』

一方通行「ハァ……ハァ……なンだよこれ……クソッ……なめんじゃねェぞォ!」

『チャンピオン、起き上がり激しい突風を繰り出したーーー!これには挑戦者もたまらず吹き飛ばされる!!』

一歩「う、うわぁああああああああああああああ!」

一方通行「空気を圧縮、空気を圧縮ゥ…………圧縮?………おいおい、最ッ高に愉快なこと思いついちまったぜェ…!!!」

『こ、これは!?チャンピオン!!プラズマを作ろうとしているーーーー!!!!国技館は大荒れです!!』

一歩「う、うわ……うわぁ……!!」

美琴「小僧!!」
御坂妹(会長がタオルを握りしめている……会長も耐えているんだ……!でもあれを食らうと一歩君の選手生命が……!!)

一歩(よく見るんだ!必ず勝機はある!かわす方法を、かわす方法…………駄目だ!見つからない!!)

一方通行「くたばりなァ!!!三下ァァ!!!!」


一歩「……ぁ…ぁぁ……!」
一歩(見えた!!そうだ避けることばかり考えていたから見つからなかったんだ!!!いける!!いけるぞ!!!!)


『挑戦者!!!なんとチャンピオンに突っ込んだーー!!!』

美琴「小僧!!?」
御坂妹「無茶だ一歩君!!!」


一方通行「ガッハ………!?」

『なんと!!!両腕をあげたチャンピオンのがら空きのボディに挑戦者の拳が突き刺さったーーー!!!』

一方通行「な………ォ……ぐっ……」

ドスッ!!ドスッ!!

『ダブル!!トリプル!!!執拗なリバーにチャンピオンのプラズマが消滅ーー!!チャンピオンの体が折れ曲がる!!』

一歩「うわぁあ!!」

ズガンッ!!

『さらにガゼルパンチだーー!!!チャンピオンの顔面が宙を向くーー!!!』

伊達「よけられないなら出させなければいい……幕之内らしい戦法だぜ」

千堂「そうやーーー!!!それでこそ幕之内やーーーー!!!」

一方通行「ぐっ………!!」

『チャンピオン!!たたらを踏んでいるーー!!あっと!?
挑戦者のこの動きは!?この動きはまさかーーー!!!?』

一方通行(なンだよこりゃ…………その無限の記号みてェな動きは……)


青木「いけーーーー!!一歩ーーー!!!」
木村「これで決めちまえーーーー!!!」
鷹村「デンプシーやる気だな。やるじゃねぇか」

『デンプシーロールだーーーーー!!!!挑戦者、幕之内一歩の伝家の宝刀が今抜かれるーーー!!!』

まっくのーうち!まっくのーうち!まっくのーうち!!

美琴「いけーーーーー!!小僧ォーーーーー!!!」


猫田「やるダニーーーーーー!!!!」

板垣「先輩!!」


一歩「ぅぉぉぉおおおおおお!!!!!」


ズガンッ!!!
一方通行「ガッ………ァ…………」

ズガンッ!!!ズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッズガンッ!!!

『デンプシーロール始動だーーーーーー!!!!左右からの殴打!!チャンピオンの頭がピンポン玉のようにバウンドしているーーー!!!!』


一歩「ぅぉぉぉおおおおおお!!!!!」

一方通行「……っ………ッ…………」
一方通行「………………」

『レフェリーが止めたーーーーーー!!!!!KOだーーーーーーーー!!!!!』

………

美琴「私、アンタが戦ってる時の記憶がないの」


一歩「え?そうなんですか?あはは、てっきりあの場所に会長がいるものお勘違いしてたんですよ」

美琴「……その…あの……こ、これ」

一歩「え?」

美琴「ク、ク、クッキーよ!……一応あの、その、お礼、だから……」

一歩「いいんですか!?」
一歩(女の子のクッキーだなんて……久美ちゃんじゃなくても嬉しいなぁ~~)

鷹村「おい一歩、なんだよそりゃ」
青木「俺たちだって応援してたのによぉ!!」

一歩「ゲッ……鷹村さん……」

鷹村「何がゲッだ!!よし、俺様が毒味してやろう!うん、お前に女がもの寄越すなんて毒があるかもしれねぇしな!!」ガツガツ

一歩「あーー!!!!!」

終わり

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