ヒロシ「あ～も～、十時まわってるじゃねえか」

みさえ「あなた、明日も今日と同じ時間？」

ヒロシ「おう、この頃早ぇんだよな～」

みさえ「一応起こすけど、一回で起きなかったら放っとくからね」

ヒロシ「へいへい～」

みさえ「ほらしんのすけ、ちゃんと布団かぶって」

しんのすけ「ほ～い」

ヒロシ「ひまはもう寝たのか？」

みさえ「とっくの昔に寝てるわよ」

ヒロシ「じゃ、俺たちも寝るか」

みさえ「おやすみ～～」

ーーーﾊﾟﾁｯ

ーーー
ーーーー
ーーーーー

ヒロシ「………ん？なんだここ？」

ヒロシ「夢か？」

ヒロシ「てか何だこの格好……」

ヒロシ「えらく短いジャケットだな～、ベルトもいたるところにあるし……」

ヒロシ「それよりも、何なんだよこのバカ重いのは……」

ヒロシ「剣と繋がってるみたいだけど………」

ヒロシ「マジでなんだこれ？」

ヒロシ「ん～、俺の格好も変だがそれより………」

ヒロシ「なんだあのでかい建物は？」

ヒロシ「ビル……って言うより壁？」

ヒロシ「近くにこんな場所あったかな～？」

ヒロシ「ってなんだ！？あそこから煙上がってるぞ！！」

ヒロシ「火事か！？」

ヒロシ「おーーい！！無事か！！」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

ちょっと切れます

再開

ーーー
ーーーー

ヒロシ「………人がいない………」

ヒロシ「恐ろしく静かだな…………」

ヒロシ「火事はあったけど人がいなかった……」

ヒロシ「……よく見りゃ家の形も全然違うな……」

ヒロシ「てかこれ俺の夢の中なのか？」

ヒロシ「だったらしんのすけぐらい出てきそうなんだが……」

ヒロシ「……ん？なんだあれ？」

巨人「………」ｽﾞｼｨｨｨﾝｽﾞｼｨｨｨﾝ

ヒロシ「人……？」

ヒロシ「じゃねぇよなさすがに」

巨人「………」ｷﾞﾛｯ

ヒロシ「な、何なんだ………」ﾋﾞｸｯ

巨人「………」ｽﾞｼｨｨﾝｽﾞｼｨｨﾝ

ヒロシ「お、おい……お前何か知ってるか？」

巨人「………」ｽﾞｼｨｨﾝｽﾞｼｨｨﾝ

ヒロシ「と、とりあえず止まれって」

巨人「………」ｽﾞｼｨｨﾝｽﾞｼｨｨﾝ

ヒロシ(これ結構ヤベェ気がする……)

ヒロシ(これは……逃げるべきだよな…)

巨人「だぁぁ」ﾌﾞﾝｯ

ヒロシ 「うぉぉ！？」ﾄﾞﾝｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｰﾝ

ヒロシ「いって～～」

ヒロシ(ヤベェ……マジヤベェ……)

ヒロシ(こいつ俺を殺す気か！？)

ヒロシ(てかこれ言葉通じてねぇよな……)

ヒロシ(ヤベェな……しかもこんなクソ重い物もあるしな……)

ヒロシ(さっさと逃げねぇと……)ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

※ヒロシは立体起動装置の使い方を知らないので走りです

ヒロシ「クソ、何なんだよ！」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

ヒロシ「しかも瓦礫でメチャメチャ走りにくいじゃねぇか！！」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

ヒロシ「これ映画とかだったら、瓦礫につまづいてコケるよな」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

ヒロシ「しかもコケた奴はたいてい死んでるか死にかけてる」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

ヒロシ「だが俺はそんな間抜けじゃねぇぜ！……うお！？」ﾀﾞｯﾀﾞｯ…ｶﾞｯ

ヒロシ「ぐえ！！」ｽﾞｯﾃｰﾝ

ーーーーー
ーーーー
ーーー

ーーー
ーーーー
ｱﾅﾀ！ｱｻﾖ！

みさえ「起きてって！」

ヒロシ「ん～何だよ………はっ！！」ｶﾞﾊﾞｯ

ヒロシ「俺は生きてるのか！？あのでかい奴は！？」

みさえ「はぁ！？何言ってんのもう七時まわってるわよ！」

ヒロシ「え？あ、そっかあれ夢か……」

ヒロシ「しかし恐ろしく真実味のある夢だったな……」

ヒロシ「……ア"ーーー！！！」

ヒロシ「ヤベっ、もう七時まわってるじゃねぇか！！」

みさえ「だから言ってるじゃない！早くしたくして！」

みさえ「ほらあんたも起きなさい！！」

しんのすけ「んーもうちょっと……」

みさえ「バス乗り遅れたらまた幼稚園まで送らなきゃいけないじゃない！」

しんのすけ「いいじゃないですか、お腹まわりのお肉が落ちると思えば……」

みさえ「それもそうね……」

しんのすけ「でしょでしょ！あなた私を送ること以外ほとんど運動してないでしょ！！」

しんのすけ「送る事を辞めてしまったらさらにお肉つくわよ！？」

みさえ「それは嫌だ！これ以上太ると昔から置いといたズボン着れないじゃない！」

しんのすけ「そうよそうよ！」

ヒロシ「おい、どうでもいいけど俺もう行くぞ？」

みさえ「え？朝ごはんは？」

ヒロシ「お前がしんのすけに説得させられてる間に食っちまったよ」

みさえ「あらほんと、もう七時半じゃない」

ヒロシ「言って来まーーす」

みんな「「いってらっしゃーい(たやいややいや)」」

みさえ「こらあんた起きなさい！！」

しんのすけ「いいの？かーちゃんまた太るぞ？」

みさえ「余計なお世話じゃ！！」ﾊﾞｷｯ

しんのすけ「ほーい」ﾀﾝｺﾌﾞｼﾞﾝｼﾞﾝ

ーー会社ーー

ヒロシ(しっかしあの夢何だったんだ？)

ヒロシ(確か俺は瓦礫でつまづいたんだったな)

ヒロシ(しかしあのデカイ奴、何なんだ？)

ヒロシ(そういえば全然中身は違うけど似たような物見たことあったな…)

ヒロシ(確かそん時はみさえ達も見てたんだよな～)

※戦国大合戦の事です

ヒロシ(帰ったら聞いてみるか……)

上司「……原くん、野原くん！」

ヒロシ「え？あ、はい！」

上司「大丈夫か？」

ヒロシ「え？何がですか？」

上司「何がって……何回も読んでるのに反応無かったじゃないか」

ヒロシ「す、すいません」

上司「しっかりしてくれよ～」

ヒロシ「それで、どんなご用件で？」

上司「いや、顔色良くなかったから読んだだけだよ」

ヒロシ「そうですか……」

上司「ま、とにかく身体に気をつけろよ」

ヒロシ「はい」

今日はここまで

再開

ーー夜ーー

ヒロシ「ただいま～」

みさえ「おかえりなさーい」

しんのすけ「父ちゃん父ちゃん、早く風呂入って」

ヒロシ「え？なんで？」

しんのすけ「父ちゃん…臭うもん……」

ヒロシ「あのなぁ……」

ヒロシ「いいかしんのすけ！働くおじさん達にとってこの匂いは勲章みたいなもんだ」

ヒロシ「確かに臭いかもしねぇけど、おじさんたちにとっては一日の戦果なんだ！」

しんのすけ「もう分かったから早く……」

ヒロシ「へいへい……」ｼｮﾎﾞｰﾝ

ヒロシ「そうだ、しんのすけ一緒に入るか？」

しんのすけ「オラもう夕方くらいに入ったゾ？」

ヒロシ(あぁ……こいつは一人で入れるようになったんだなぁ……)

ヒロシ(こうして我が子が育って行くのは嬉しいけど、少し寂しい感じもするなぁ…)

ヒロシ「じゃあヒマは？」

みさえ「私がもう入れたわよ」

ヒロシ(あぁ……これも父としての宿命か……)

ヒロシ(家事などは妻が全部やるから、必然的に子供たちのお世話もすることになる……)

ヒロシ(するともう、父親が子供の世話をする事がなくなっていく……)

ヒロシ(あいつらも、大きくなれば何かと休日潰されるだろうし……一緒に遊ぶ機会も減って行くんだろな……)

ヒロシ(あゝ、悲しかな……)

ヒロシ(しかしこれは、我が子が育って行く上で起こる事だ)

ヒロシ(そう、我が子がすくすく育っていくのは親にとってそれはもう例えようの無い幸せだ)

ヒロシ(それを思えば、触れ合いが少し減るくらい……)

みさえ「何ボーッとしてるの！早く風呂に入って来て！」

ヒロシ「へ～い」ｼｮﾎﾞｰﾝ

ーー風呂ーー

ヒロシ「はぁ～」ｻﾞﾊﾞｧ……

ヒロシ「………」

ヒロシ「……そぼ降る～～♪あめに濡れ～ている♪」

ヒロシ「お前の～背中は♪さ～びしげで♪」

ヒロシ「思わず～♪抱いてしま～ったよ♪」

ヒロシ「あゝ～♪きたさい～～た～ま♪」

ヒロシ「ブル～～ス～～よ～♪♪」

みさえ「あなた！歌ってないで早く上がって来ないとご飯冷めちゃんさうわよ」

ヒロシ「へいへい……」

×みさえ「あなた！歌ってないで早く上がって来ないとご飯冷めちゃんさうわよ」



○みさえ「あなた！歌ってないで早く上がって来ないとご飯冷めちゃうわよ」


ちゃんさって何だちゃんさって……orz

ーーリビングーー

みさえ「はいあなた」

ヒロシ「いや～やっぱ風呂上がりはビールに限る！」

みさえ「一瓶だけだからね」

ヒロシ「へいへい」

みさえ「あなたも缶に変えたら？」

ヒロシ「えぇ～、あんなもん一口分しか無いだろ～」

みさえ「そろそろお酒も控えないと……」

ヒロシ「って言ってもなぁ………」

みさえ「あなたがお酒で体壊したら、病院だの何だのでお金かかるでしょ」

ヒロシ「心配はそっちかよ……」

ヒロシ「まぁ、何とかなるだろ」

みさえ「んもう……」

ヒロシ「あ、そうだ」

ヒロシ「お前ら、今日見た夢って覚えてるか？」

みさえ「夢？」

しんのすけ「夢って、あの食べたら"酸っぱいー！！"ってなるあの赤い？」

ヒロシ「それは"うめ"だ！」

ヒロシ「じゃなくて、夢だよ夢！！」

しんのすけ「ほうほう」

みさえ「えーでもあんまり私覚えてないけど……」

しんのすけ「やれやれ、やはり加齢と共に物忘れも激しく…」

みさえ「違うわよ！夢は誰でも忘れちゃう物なの！」

しんのすけ「え～、でもオラちゃんと今日の夢覚えてるもん」

ヒロシ「どんな夢だった！？」

しんのすけ「美人なお姉さんに囲まれてる夢！」

ヒロシ「いいなぁそれ………フヘヘ//」

しんのすけ「いや～もう天国でしたよ……アハハ//」

しんのすけ「しかも水着で、胸を押し当てて来たんだよねぇ～//」

ヒロシ「俺もそんな夢見てぇな～……///」

ヒロシ「あ…」

みさえ「そう、あなた明日からビール一缶でいいのね」ｽｸｯ

ヒロシ「わーー！悪かった悪かった！」

しんのすけ「……自業自得ですな」

ヒマ「たいややいや！！」

ヒロシ「いって………それでみさえはどんな夢見たんだ？」ﾀﾝｺﾌﾞﾋﾘﾋﾘ

みさえ「え～そんな覚えてな……あっ！」

ヒロシ「思い出したか！？」

みさえ「明日洋服のバーゲンじゃない！」

ヒロシ「ぬわてて」ｽﾞｯｺｹ

ヒロシ「あのなぁ……なんで夢の話でんな事思い出すんだよ」ｵﾃﾞｺﾋﾘﾋﾘ

みさえ「夢ねぇ…………あっ！」

ヒロシ「今度はちゃんと夢何だろうな……」

みさえ「…………」

ヒロシ「違げぇのかよ！！」

みさえ「そんな事言ったってそんな簡単には……あっ！」

みさえ「食べても食べても太らない夢見たわ！！」

ヒロシ「あ、そうか…(てことは、あの夢見たのは俺だけ……か)」

みさえ「でもなんでいきなり？」

ヒロシ「ん？あ、いや何となく……」

ちょっと休憩

ヒロシ「さて、ごっそーさん」

みさえ「ふう…やっと寝れる」

ヒロシ「え？あ、俺待ちだった？」

みさえ「そうよ、机どけないと布団敷けないもん」

ヒロシ「ハハッ、わりーわりー」

しんのすけ「さて、恒例のゴロゴロタイムといきますか」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

みさえ「どきなさい！ったく毎日毎日ー」

しんのすけ「えーゴロゴロしたい年頃なのに～」

ヒロシ「どういう年頃だよ……」

みさえ「それとしんのすけ、あんた明日シロの散歩当番だから、早く起きてね」

しんのすけ「え～オラ明日はよく寝ようと……」

みさえ「いつもよく寝てるでしょ！とにかく早めに起こすからね！」

しんのすけ「ほーい」

ヒロシ「あ、俺明日はちょっと遅めだから」

みさえ「はーい、家出るのが八時くらい？」

ヒロシ「そんな感じ」

みさえ「じゃ今日より少し遅めに起こすわ」

ヒロシ「へーい」

みさえ「じゃ、おやすみ～」

みんな「おやすみ～」


ーーﾊﾞﾁｯ

ーーー
ーーーー
ーーーーー

……ｲﾁｮｳ！ﾌﾞﾀｲﾁｮｳ！

ヒロシ「……ん～何だようるさいな……」

女兵士「良かった、一応生きてますね」

兵士「そうか……」

ヒロシ「……え？はっ！！」ｶﾞﾊﾞｯ

ヒロシ「やべ！もしかして七時まわったか！？」

女兵士「？？何言ってるんです部隊長」

ヒロシ「へ？」

兵士「今巨人の掃討が終わったところです」

ヒロシ「は？何言って……あ"ー！！」

ヒロシ「もしかしてこれ夢の続きか！！」

女兵士「なに寝ぼけてるんです！？現実ですよ現実！！」

ヒロシ「そっか現実か……」

ヒロシ「…………え？」

兵士「なにか？」

ヒロシ(………ここが現実？)

ヒロシ(じゃあしんのすけがいる世界は……なんだ？)

ヒロシ(いや、そりゃしんのすけたちがいる世界も現実だろ～)

ヒロシ(でも現実が二つもあるなんて聞いたことねえしな……)

女兵士「………部隊長？」

ヒロシ(いや、でも待てよ……)

ヒロシ(冷静に考えてみれば、ここが夢じゃねえか)

ヒロシ(そもそも夢は見てる間は現実みたいなもんだろ……)

ヒロシ(逆に、夢って分かりながら夢見てるのを何とかって言うぐらいだしな～)

ヒロシ(ということはこの二人も俺の夢の中の架空人……)

ヒロシ(……！！てことはこの世界が夢なら何やってもいいんじゃねえか！？)

女兵士「部隊長？大丈夫です？」

ヒロシ「お嬢さん、失礼ですがお名前は……？」

女兵士「へ！？」

兵士「え！？」

ヒロシ「え？」






ーーｼｰﾝ……

ヒロシ「……今の無し」

兵士「お、俺は何も見てません聞いてません！」

女兵士「わ、私も知りません！」

ヒロシ(クッソー、うまいこといかねぇ……)

ヒロシ(てことはこの世界も…………現実！？)

ヒロシ(いや待て考えろ、考えるんだ野原ひろし！)

ヒロシ(もちろん現実はひとつしか無いと仮定して……)



ヒロシ(もしこの世界が現実ならどうなる……？)

ヒロシ(もちろん、あの世界は夢になる)

ヒロシ(……そんなバカな事があるか！)

ヒロシ(俺の35年の人生は何だったんだ！？)

ヒロシ(大学中退して、みさえにプロポーズして、会社に入って、しんのすけが生まれて……)

ヒロシ(家を建てて、35年ローンをくんで、ヒマが生まれて、まだ2年しか住んで無いのに家爆発して……)

ヒロシ(一応建て替えて今の家があるけど、まだ32年もローン残ってて……)

ヒロシ(そこに建て替えた時のお金も加わってかなりまずい家計で……)

ヒロシ(そのために毎日毎日会社行って、それでも家計苦しくて……)

ヒロシ「……こんな現実味のある世界が夢なわけあるか！！」

兵士・女兵士「ふぇ！？」ﾋﾞｸｯ

ヒロシ「あ……」

ヒロシ「アハハ……別に気にしなくていいから…アハハ……アハアハハ」

女兵士「本当大丈夫ですか部隊長？」

ヒロシ「！！」

ヒロシ(そういえばこの二人はさっきから俺の事を"部隊長"って呼んでるな……)

ヒロシ(……ん？

ーーー
ーーーー

女兵士「ぶたいちょーー//ぶたいちょうー//」ｷﾗｷﾗ

ヒロシ「ハハッ、どうしたんだい？」ｷﾘｯ

女兵士「実はあたし……部隊長の事を……//」

ーーーー
ーーー

ヒロシ「ウヘヘヘヘ……悪くないな……」ﾆﾔﾆﾔ

女兵士「なんか今日のハンネスさん、変わってない？」

兵士「俺もそう思う」

ヒロシ(……って、違う違う)

ヒロシ(この二人が俺の事を部隊長と呼ぶのと、敬語なのをみると恐らく……)

ヒロシ(この二人は俺の部下だな……)

ヒロシ(……ってことはこの二人にこの世界の事を聞けば……！)

ヒロシ(俺の限られた頭で考えるよりよっぽど効率が良い！)

ヒロシ(あれ？俺は敬語で話せば良いのか？)

ヒロシ(いや、でも部下だからな～)

ヒロシ(でももし違ったら……)

ヒロシ(…………)

ヒロシ(いや、ここでビシッと決めとかねえと上司としての威厳が無くなっちまう！)

ヒロシ「あ～、それで今の状況は？」

女兵士「はい、トロスト区奪還作戦が終了したところです」

兵士「巨人の残党は我々と調査兵団によって掃討されました」

兵士「恐らく、すぐにトロスト区は前の状態に戻るでしょう」

ヒロシ「お、おうそうか……(何だなんだ！？サッパリわかんねぇ……)」

ヒロシ(ヤッベェ……マジヤベェ……)

ヒロシ(この世界での単語と意味片っ端から覚えなきゃなんねぇんじゃね？)

ヒロシ(幸い、言葉が通じるだけありがたいか……)

ヒロシ(だが……)

ヒロシ(巨人って何だ？調査兵団てなんだ？トロスト区ってどこだぁぁ！)

ヒロシ(ヤッベェ……マジヤベェ)

ヒロシ(単語の意味分からなくなったなんて……)

ヒロシ(周りにばれたら社会的に俺は死んじまう」

ヒロシ(ここは知った振りしといて、あとで調べるしか……)

休憩

最近忙しくて更新があまり出来てませんでした(ほぼ寝落ち)

てことで再開

女兵士「部隊長？」

ヒロシ「え？あーごめんごめん」

兵士「ほんと大丈夫ですか？何か考え事でも？」

ヒロシ「いや、まぁ別に……アハ、アハハハ」

女兵士(笑ってごまかしたな……)

ヒロシ(ヤベェ…まじで何とかしないと)

ヒロシ(とにかく何か調べねぇとな……)

ヒロシ(……でもどうやって？)

ヒロシ(聞くのか？人に？)

ヒロシ(……いや、それは他人からすれば常識のような事を聞くことになる)

ヒロシ(常識知らずと言われ、俺は社会的に死ぬだろうな……)

ヒロシ(あーーもーーー！！！)

ヒロシ(このままじゃどう転んでも社会的に死ぬじゃねぇか！！)

ヒロシ(……そうだ！！本か何かは！？)

ヒロシ(これだけ文明が発達していればあるかも……)

ヒロシ(とすると、図書館かそれらしき所だな……)

ヒロシ(………ん？でも俺って確か部隊長だよな……)

ヒロシ(この後会議とかあったらどうする！？)

ーーー
ーーーー

部長「野原くん！！我が社の重大会議に遅れてくるとはいい度胸だね……！」

ヒロシ「す、すいません！すいません！」ﾍﾟｺﾍﾟｺ

ーーーー
ーーー

ヒロシ(………フッ、どこの世界も俺はたいして変わらねぇのかもな……)

ヒロシ(だが今後のためにも、その会議のためにも俺は知るべきなのだ！！)

ヒロシ(この世界は何なのかを！)

ヒロシ(この世界の常識を！)

ヒロシ(そのためには、例え会議であっても後回しにしなければならない！！)

ヒロシ(………………やっぱ念のため聞いとこ)

ヒロシ「あ～、あのさ俺ってこの後なんかあったっけ？」

兵士「え？無いんじゃないですか？」

女兵士「作戦のまとめは明日の予定ですし……」

ヒロシ「そ、そうか……(ラッキー！！俺こういうのはツいてるんだよね～)」

ヒロシ(そうと決まればすぐに図書館にでも……)

ヒロシ「あのさ、もう一ついいかな？」

女兵士「はい？」

ヒロシ「図書館てどこ？」

兵士「図書館？」

ヒロシ「え！？あ、いや～その～」

ヒロシ「あの…あれだ！！ほら資料館とか図書室とか資料室みたいな場所！」

兵士「あーそれなら壁降りてすぐにありますよ」

ヒロシ(壁………あぁ、前に見た馬鹿でかいビルのことか……)

ヒロシ(やっぱりあれ……壁だったんだな……)

ヒロシ(てかここ壁の上かよ！！)

ヒロシ(あっぶねぇな……柵も無いじゃんか)

ヒロシ(……それよりとにかく資料館に……)

ヒロシ「よし、分かったサンキュー！！」ﾀｯﾀｯﾀｯ

女兵士「あっ！部隊長！！」

女兵士「………あ～あ、立体機動装置忘れて行ってる……」

兵士「じゃあ部隊長はどうやって降りるつもりなんだ？」

女兵士「一応はしごはあるけど………」

兵士「けど？」

女兵士「ここ数年使ってなかったから、かなり弱ってるかもね」

ーーー
ーーーー

ヒロシ(勢いよく飛びたして来たが………)

ヒロシ(どうやって降りるんだこれ………)

ヒロシ(……無理だろ！！こんなの！！50mはあるぞ！！)

ヒロシ(死ぬぞ！こんなの！)

ヒロシ(…………お？梯子あるじゃん)

ヒロシ(やっぱ俺ってツいてる～)ｶﾂﾝ…ｶﾂﾝ…

ヒロシ(…………にしても高いな～)ｶﾂﾝ…ｶﾂﾝ…

ヒロシ(夕焼けが綺麗だな………)ｶﾂﾝ…ｶﾂﾝ…

ヒロシ(しんのすけ達も連れて来たいな……)ｶﾂﾝ…ｶﾂﾝ…


はしご「……ｶﾞｸﾝｯ！」

ヒロシ「え？わ！！わあ！！うわぁぁぁぁぁ！！！！」ﾋｭｩｩｩ