吸血鬼「吸血鬼と路地裏の演奏者」 (33)
短編ストーリーです。100もいかないと思います。いや、100くらいいきたいな。
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吸血鬼(今日はどこで寝ようか)
吸血鬼「昨日は河原だった。一昨日は公園。たまにはホテルで寝たいな」
〜♪〜♪
吸血鬼(ん?歌?)
演奏者「〜♪〜♪」
吸血鬼(…静かだが疾走感のある曲だな。歌声も雫のようで心地がいい…だが)
演奏者「〜♪」
吸血鬼(彼女ひとりだけなんだな)
演奏者「〜♪…あれ?」
吸血鬼「…なんだ?もう終わりか」
演奏者「…うわー!?いつから聞いてたんですか!?」
吸血鬼「途中からだ。それよりさっきの曲はなんという曲だ?」
演奏者「ていうか、あなたは誰なんですかぁ!!」
吸血鬼「…私はしがない旅人さ。たまたま通りかかったら君の歌が聞こえたんだ」
演奏者「そ、そうだったんですか」
吸血鬼「次は私の質問に答えてもらおうか。さっきの曲はなんという曲だ?」
演奏者「えっと、さっきのは私のオリジナルです。たまに夜寝つけないときにここにきて歌うんです」
吸血鬼「…わざわざこんな路地裏に来てか?」
演奏者「…はい。私は、子供の時から恥ずかしがり屋でちゃんと自分を表に出すことができないのです。だけど、夜の間なら私は少しだけ勇気を出してこのギターを弾きながら歌うことができるんです」
吸血鬼「夜の間だけ行動する。まるで吸血鬼だな。夜にしか行動できない哀れな生き物のようだ」
演奏者「はは、それは本当にいる吸血鬼さんたちに対して失礼ですよ。…不思議ですね。あなたとは初対面なのにこんなに話せるなんて」
吸血鬼「…夜も深い。今日は帰るほうがいいぞ。物騒な世の中だからな」
演奏者「…そう、ですね。わかりました」
吸血鬼「ではな、さらばだ」
演奏者「はい。おやすみなさい」
次の日
吸血鬼(…ん。朝か。)
吸血鬼「昨日は結局、この路地裏で寝てしまったのか」
吸血鬼(不思議と居心地がいいものだな)
演奏者「…あれ?昨日の人だ」
吸血鬼「君は…昨日の娘か」
演奏者「朝から奇遇ですね。おはようございます」
吸血鬼「あぁ、おはよう。いまから学校かい?」
演奏者「はい、いってきます」
吸血鬼「…今夜もここで歌うのかい?」
演奏者「そうですね。今日は放課後から夜までずっと歌うつもりです」
吸血鬼「そうか。今日も聞きに来ていいかな」
演奏者「え?」
吸血鬼「いや、少し気に入ってね。今日も聞いてみたいんだ」
演奏者「…嬉しいです。放課後楽しみにしてますね!」
吸血鬼(楽しみなのは私だよ)
ーーーー…
放課後
吸血鬼「…zzz」
演奏者「いたたた…今日もいじめひどかったなぁ…」
演奏者「あ…この人もういたんだ…」
演奏者(見つからないうちに傷を隠せるような服に着替えよう…)
吸血鬼「…」
演奏者「これでよし。よし、寝てる彼女には悪いけど今日も始めようかな。スー…〜♪〜♪」
演奏者「…ふぅ…ちょっと休憩。」
吸血鬼「相変わらずいい歌だな。心が洗われる。」
演奏者「わ…起きましたか」
吸血鬼「まぁな。寝てても聞き取れる声だからな」
演奏者「お褒めいただきありがとうございます。」
吸血鬼「…ところでさっきから少し血の匂いがするんだが君からか?」
演奏者「え!?」
吸血鬼「冗談だ。すまない。実はさっき君の体にある傷を見てしまったんだ。」
演奏者「…あはは、ばれちゃいましたか」
吸血鬼「君はいじめをうけているのか」
演奏者「…始まりは二年くらいまえです」
その日はいつもと同じ日だった。
昨日までの楽しい時間がその日も続くと信じていた
一番最初、教室に入ったとき私を待っていたのはなにもない私の席だった
そのあとに上から水が後ろから蹴りが。そして周りからは冷ややかな目線が。
なにが起きたのかわからなかった
ただ、そのあとに続く私に対する悪口で「あぁ…私はいじめをうけているのか」とわかった
それからだ。今日まで地獄のような毎日が始まったんだ。
吸血鬼「…」
演奏者「本当は…歌も最初は1人じゃなかったんです。ちゃんとドラムやベース、キーボードをやってくれる仲間がいたんですけど…」
吸血鬼「離れて行ったのか…」
演奏者「…」
吸血鬼「辛かったろう。苦しかったろう。だが、心配するな。素敵な歌を聞かせてくれた礼だ。選べ」
演奏者「…え?」
吸血鬼「闇に生き闇を愛し光を憎み人の光を糧とする。私は吸血鬼だ」
演奏者「吸血鬼…?」
吸血鬼「さぁ。選びたまえ」
1.自分をいじめた者たちに復讐したい!
2.この歌をかつての仲間に聞いてほしい
3.殺してほしい
4.その他(自由安価)
安価下5までで一番多かったもの。4の場合、一番最後に安価を踏んだものが決める。
なしです
ながらく放置してましたが、いまから更新を再開します
安価により4番の自分も吸血鬼になるルートでストーリーが続いていきます
演奏者「本当に…なんでもかなえてくれるんですか?」
吸血鬼「もちろん。さぁ、君は何を望むんだ?」
演奏者「私は…」
いじめっ子A「あん?あれ?演奏者じゃんwwwwwwこんなとこでなにしてんのアンタ」
演奏者「え?…あ」
いじめっこA「『あ』じゃねーよwwwwwwあんた、今日教室の掃除やっとけっていったよね?」
演奏者「…」
いじめっこA「アンタが逃げたせいでさぁー…ウチが掃除したんだよ?なんでしなかったのよアンタ」
吸血鬼「おい、元はといえば貴様の仕事だったのだろう。なぜその子に押し付けて悪にしているんだ」
いじめっ子A「あ?おばさん、誰?こいつの姉かなんか?そうじゃないなら黙ってて。部外者には関係ないでしょ?」
吸血鬼「…チッ」
演奏者「あ、あの…」
いじめっこA「あ?なに?謝る気にでもなったの?」
演奏者「…前から、不思議だったんです。なんで私を、いじめるんですか?なんで、そんなことするんですか」
いじめっこA「…」
演奏者「何か、わたしがあなたたちにしましたか?私のなにが気に食わないんですか?」
いじめっこA「…ぷ」
演奏者「え…?」
いじめっこA「ぷ、あはははははははははははははは!!!ばっかじゃないの!?理由なんてないわよ!!ただあんたが気に食わなかっただけ!!少し頭がよくてかわいくて歌がうまいってだけでみんなの人気者になるアンタが!!私や、他のみんなは気に食わなかった!!だから、私考えたの。あなたがいじめられたらどうなるか」
いじめっこA「簡単なことよ。少し悪い噂を流したらいいだけだもの。アンタがいじめられてる姿は滑稽だったわ。ざまぁないわn…ガッ!?」
吸血鬼「…少し黙ろうか。外道」
演奏者「…」
吸血鬼「こんな外道のせいで青春時代を破壊されるとは…気の毒な話だ」
演奏者「…願いきめましたよ」
吸血鬼「ん?そうか、てっきりこんなくずのせいでそんなことを考えている余裕がなんてないと思っていたのだがな」
吸血鬼「じゃあ、聞こうか。君の願いはなんだ?」
演奏者「私の、願いは…」
ーーーーーーーーー…
今日の更新はここまで。続きは明日になります。
男じゃなくてごめんなさいです。いまから更新していきます
ーーーーー…
数ヵ月後
吸血鬼「…またこの事件か」
『怪奇!?平和な町でおきた吸血事件!!』
吸血鬼「被害者はこれで38人か。とんだ殺人鬼に化けたもんだな」
吸血鬼「これも私の罪なのか…」
数ヶ月前、私はこの町を訪れ一人の少女と出会った。
私はひょんなことから彼女の願いを叶えることにした。
だが、よかれと思いやったその行為は間違いだった。
彼女の願ったこと。それはーーーーーー
演奏者「あれ?もしかしてお姉さんじゃないですか?」
吸血鬼「…演奏者」
演奏者「またこの町にくるとは思いませんでしたよ、どうですこれから飲みにいくんですが一緒に行きますか?」
吸血鬼「悪いが、それはできない。今日は他の用事があってここに来たんだ」
演奏者「他の用事?」
吸血鬼「…あぁ、殺人鬼を狩りにきたんだ」
演奏者「殺人鬼!?そ、そんな危ない人がこの町にいるんですか!?」
吸血鬼「あぁ、人を殺めることになんの疑問も感じなくなってしまった哀れな吸血鬼がな、ただの殺人鬼になったんだよ」
演奏者「…」
吸血鬼「お前だよ、演奏者。いや、殺人鬼」
彼女の願いは、『自分も吸血鬼になること』だった。
殺人鬼「人を殺してなにがいけないんですか?私たち吸血鬼は人の血を飲まないと死んでしまう。だから、私は生きるために殺してるんでよ?人間だって動物を喰らい自らの血肉に変え生きているじゃないですか。それとなにが違うんです?」
吸血鬼「…私たち吸血鬼は確かに人間の血を必要とする。だが、一度に必要な量は一滴でいい。一滴を数ヶ月に一度飲めばいいだけだ。」
殺人鬼「ふーん…でも、まぁいいじゃないですか。おいしいんですよ、最後の一滴って。最初に飲んだときの感動は忘れられないなぁ…まるで殺した人のすべてが私にとけていくようで」
吸血鬼「わかった。もういい。もう…終わらせよう」
殺人鬼「できるんですか?あなたに、私を殺すことができますか?人間の血を大量に飲んで強くなった私に」
吸血鬼「できるさ…一言、私がしゃべればな」
殺人鬼「はい?」
吸血鬼「いってなかったな。吸血鬼が死ぬ方法は全部で3つあるんだ」
ひとつは寿命。といっても平均的な寿命は500前後だ
ふたつめは人を愛すること。
そしてみっつめ
吸血鬼「ごめんなさい…『シネ』」
自分の親である吸血鬼からの命令。
今日はここまでにします。次で最後になると思います
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