ベルトルト「クリスタ=レンズか・・・」 (114)

始めに

ベルクリでもアルクリでもライクリでもありません。エレミカもエレクリもエレアニもありません


ただベルトルトがうっすら怖いSSです




ユミルはCVサイガーだと思ってました(震え声)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1372412055

ベルトルト(マルコやアルミンでも彼女の魅力について語らいあうこともある…)


ベルトルト(さらには女のユミルまで彼女にべったりだ。まあユミルはそんなんじゃないと思うけど)


ベルトルト(とにかくライナーのようなメンへラバカなんてひとたまりも無かった・・・確かに仕方の無いことだ)


ベルトルト(それほどまでに彼女は天使なんだ。彼女に興味が無い男子なんて)


ベルトルト(恋愛自体興味が無いコニーとエレン、そして誰にも興味が無い僕、ミカサ一筋のジャン、それにハンナ一筋のフランツぐらいだ)


ベルトルト(それとは別にエレンのせいでアニの気持ちも揺らぎ始めている)


ベルトルト(どうすればいいんだ?僕らは故郷に帰るんだ。クリスタとエレンを潰すのか?いや違うな)


ベルトルト(クリスタとエレンをくっつけるか・・・イヤ、出来るだけむごい形でアニとライナーを振ってもらおう)


ベルトルト(そうすればそれによる喪失感、怒り、悲しみ、エトセトラエトセトラを任務にぶつけるはずだ)


ベルトルト(我ながら名案だ・・・さてどうしようか・・・)


ベルトルト(まずはライナーとアニに気持ちを伝えさせる所からだ)


ベルトルト(ライナーはともかくアニの場合は成功する確率はある)


ベルトルト(夜、エレンとクリスタを倉庫裏に置き・・・アニはそれを目撃する)


ベルトルト(もちろん密会、もしくはそれ以上のことをしていると思うだろう)


ベルトルト(アニはエレンが取られたと思う。そしてもう一人目撃者を置いておく。ジャンだ)


ベルトルト(クリスタはアニと付き合いだしたエレンと一体何をしているんだ)


ベルトルト(ジャンは確実にそう思うはず)


ベルトルト(ジャンにとってはチャンスだ。確実に言いふらしてミカサがエレンを見損なうように仕向けるはず)


ベルトルト(それにアニならともかくクリスタならミカサも迂闊に手は出せない)


ベルトルト(・・・明日が楽しみになってきたな・・・zzz)

ベルトルト「おはようライナー!」


ライナー「おはよう。何だお前、今日はいつに無く元気だな」


ベルトルト「そうかな?それより早く朝食を食べに行こう」


ライナー「そうだな。行くか」


ベルトルト(ジャンが言いふらした件をライナーが耳にすれば……自分を振っておいてアニと付き合いだしたエレンと一体何をしてやがる)


ベルトルト(と、確実にこうなるね……ならないと困る)


ベルトルト(ライナーとクリスタの接触回数を増やすか・・・?どちらにせよ、僕はエレンユミルクリスタと仲良くしたほうがいいな)


ベルトルト「ライナー、クリスタたちと食べようよ」


ライナー「どうしたんだ?まあ、確かにクリスタとは一緒に食べたいがユミルとサシャが居るしな・・・」


ベルトルト「なら僕はユミルを抑えておこう。サシャはパン集めにいろいろなところを回ってて居ないと思う」


ライナー「ありがとな・・・お前も俺とクリスタのこと、応援してくれるんだな」ホロリ


ベルトルト(逆逆!そういうところだよライナー……僕はそういう君がいるからこんなことをしてしまうんだよ)


ベルトルト「もちろん!親友のためだからね!」


ライナー「よっしゃ!クリスタのところに行くぞ!」ダダダ


ベルトルト「お花見並に席とりに余念が無いよライナー」


ライナー「クリスタ!ここいいか!?」クワッ


ベルトルト「ユミル、ここいいかな?」ニコニコ


クリスタ「いいよ!二人だけだったし」


ユミル「チッ・・・暑苦しいのが二人も来やがった」


クリスタ「もう!そんな事言っちゃダメだよ!」


ユミル「分かったって・・・悪かったよ」


ライナー「サシャは居ないんだな」


クリスタ「サシャはミカサたちと食べてるね」


ユミル「良いんだよ・・・居たって飯を取られるだけだ」


ベルトルト(ライナーは柄にもなく緊張してるな・・・少し笑える)


ユミル「なあ・・・ベルトルさんもなんか喋ったらどうだ?」

すいません
連投するほど期待してくれてありがとうございます

ベルトル「えっ!?う、うん・・・じゃあ話すけど、クリスタはライナーのこと、どう思ってる?」


ライナー(剛速球をぶっこんで来たな)


ユミル(何を言い出すんだ急に・・・話を振った私が馬鹿だった。いやこいつが馬鹿だった)


クリスタ「守ってくれそうで近くに居るだけで安心するなあ・・・成績もすっごく優秀だし」


ベルトルト(なんということだ!?まさかの近くに居るだけで安心する発言・・・いや、ただエレン並の鈍感なだけかもしれない)


ライナー「そうか、俺もクリスタの近くに居ると安心するぞ」


ユミル「調子のんなよホモ野郎が!」ガタッ


クリスタ「ライナーはホモじゃないよ!ちゃんと女の子が好きなんだよ!」



ライナーホモジャナカッタノカ……ナンカザンネン…ザンネンッテナニ



ベルトルト(今度はライナーのホモ疑惑を、この訓練兵団全員に行き渡っているホモ疑惑を、完全に払拭した・・・!)


ベルトルト(女子に、しかもクリスタのような可愛い女子にかばわれるなんて、ライナーにとっては初めての経験のはず)チラッ


ライナー「ありがとなクリスタ・・・お前のお陰で助かった」


クリスタ「いいの。ライナーにはいつも助けてもらってるから」


ライナー(気付いてたー!もしかして俺の気持ちも気付いてんじゃねぇのか?)


ベルトルト(やっぱり。ムカつく顔しやがって・・・でもその顔もじき真っ青になるんだけど)


クリスタ「どうしたの?怖い顔してるよ・・・医務室に行く?」


ベルトルト「いや・・・クリスタに頼りたくなっちゃってね」


ライナー(!!???何を言い出すんだベルトルトォ!?)


ユミル(さっきから言動が唐突過ぎるぞ)


ベルトルト(これでクリスタが僕の名前を答えられればもう名前を間違われなくてすむ)


クリスタ「どうぞ!私に何でも言ってみて!」


ベルトルト「じゃあ僕の名前はなんだと思う?」


クリスタ「ベルトルト……のはずだよね?」


ベルトルト「クリスタ…・・・ありがとう……」



ベルトルト…アイツベルトルトッテイウンダゼ…メガミガイッテタンダカラマチガイネェ

ベルトルト(っておい!何で本気で感謝してるんだ僕は!)


クリスタ「それだけ?もっと頼ってくれも良かったのにな〜」


ベルトルト「それはライナーの役目だよ…そうだよね?」


ライナー「俺か!?…俺はむしろ頼られたいんだがな……」


クリスタ「じゃあ座学を教えてよ!ライナーって結構座学得意だったでしょ?アルミンはエレンに付きっ切りだし」


ライナー「あ、ああ!任せてくれ」


ベルトルト(たしかクリスタはかなりアホだったな……ユミルはサシャとクリスタのアホ'sに囲まれて苦労してるんだろうな)


ユミル「私も座学は得意なんだけどな〜!」


ベルトルト「あきらめようよ・・・」


ユミル「無視された・・・あきらめよ」


ベルトルト(あきらめ早!しかしクリスタは天然でこれなのか、本当にライナーに気があるのか……恐らくは前者だな)


ライナー「良かった良かった!早く座学の授業始まって欲しいぞ!こんな気持ちはじめてだ」


ベルトルト(ユミルとは仲良くなれなかったが…それほど重要ではないだろう。ライナーとクリスタはそれなりに打ち解けてる)


ベルトルト(番犬を懐柔する必要は無いだろう・・・問題はミカサだ)


ベルトルト(仲良くなるのはほぼ不可能といっていい。僕はエレンやアルミンと訓練初日から話しているし、十分仲が良い)


ベルトルト(ただ…あの歴代トップクラスの化け物が執着しているエレンをどうやってクリスタと夜に二人きりにするか……難しいな)


ベルトルト「次は対人格闘だね。僕はエレンと組むつもりだけど」


ライナー「俺はマルコとやるかな・・・クリスタと組んでもあれだし」


ベルトルト「あれだね・・・なんかすごい……アレだ」


ライナー「おっと、教官が来る前に相手を見つけないとな!おいマルコ!一緒にやろうぜ!」


マルコ「ライナーとなら怪我はしなくてすみそうだね。うん!いっしょにやろう!」


ベルトルト「エレン!一緒にやらないか?」


エレン「ベルトルトか・・・そういえば初めてだったな!格闘で組むのは」


ベルトルト(アニやミカサの気持ち、少しは分かるよ・・・エレンは可愛いよね。アルミンとかクリスタとは違う意味で)


ベルトルト「エレンは最近強くなってるよね。アニのお陰かな?」

エレン「ああ!あの足技、まだ完成はして無いけど随分良くなったってアニにも言われたんだ!」ニコッ


ベルトルト「エレンぐらいの体格ならすごい脅威だね・・・あの足技を極めたら勝てるのはミカサぐらいじゃないか?」


エレン「ミカサはなぁ・・・俺と訓練するときは手ぇ抜きやがるからなー」


ベルトルト「確かにミカサは強すぎるよね……手を抜かないと骨の一本や二本は簡単に折っちゃうかも」


エレン「そうなんだよ!何でも最初から出来て座学もできる女がいつも近くにいてみろ!ずっと「こんなのもできないの?」って言れてるみたいだぜ」


ベルトルト「それにアルミンはアルミンで座学のトップを独占してるし……エレンには同情するよ」


エレン「あいつらすごいよな……でもコンプレックスを感じたことはねえ。あいつらはあいつら、俺は俺だからな」


ベルトルト「エレンは強いよ。僕だったら……おっと、教官が近づいてきたよ。早くやろう」


エレン「そうだな!じゃあ俺が暴漢役だ!いくぜ」ダッ


ベルトルト「ちょっ!?いきなりすぎるよ!」ビシッ


エレン「と言いつつ手刀でナイフを落とされたのか……ベルトルトやるな!じゃあ次はベルトルトが暴漢役だ」ポイッ


ベルトルト「・・・じゃあいくよ!」ダッ


エレン「フンッ!」ビュオッ


ベルトルト「………」ヒュッ


エレン「うわっ!」ドサッ


ベルトルト「これで僕の勝ちだ。足技、使ってこなかったけど」


エレン「手加減したわけじゃねぇよ?」


エレン「でもすっげぇなベルトルト!」


エレン(多分今のも本気じゃねぇ……俺に気を使ってるのか?)


エレン「さっきのはリーチを活かした足払いか…俺が一番苦手なタイプだな。ベルトルト怖い」


ベルトルト「ハハ……相性の問題だよ。ライナーがエレンと同じ技術を持ってたら絶対勝てなかったよ」


エレン「さっきも言ったけど俺は俺だ。ライナーぐらいの体格があったらと思うことはあるけど俺はこの体しかねぇからな!」


ベルトルト(まっすぐだな…羨ましいよ)


ベルトルト「あっちにアニがいるね…ほら、ミーナと適当にやってるよ。エレンのときはいつも真剣なんだけど」


エレン「ベルトルトもそう思うよな!?アニって格闘のときだけは生き生きしてるって言うか、輝いてるって言うか、楽しそうだ」


ベルトルト(これは脈アリだよ、アニ)

ベルトルト「そうだね、ちょっとアニのところ行ってみたら?」


エレン「え?やだよ。蹴られるのやだし」


ベルトルト「遠慮なんかしなくて良いんじゃないか?」


エレン「そうだな…ちょっと行ってくる。ごめんなベルトルト!楽しかったぜ」ザッザッザ


ベルトルト(後はアニにアクションを起こさせるか…いや、アニも戦士だ。そんなことをする程兵士じゃない)


ベルトルト(かといってエレンが告白するなんて事があるだろうか?僕には分からない)


エレン「アニ!俺と組まないか!?ミーナと三人でもいいぞ」


アニ「じゃ、じゃあ三人でやろうか…?」


ミーナ「いーよ!アニとエレンでごゆっくり」


エレン「じゃあ二人でやるか!」


アニ(ミーナにはばれてたか……)


アニ「じゃあ最初はあんたが私を襲う番だね?」


エレン「ああ…いくぞ!」ダッ


バシッ!


エレン「」


アニ(やりすぎた…)


ミカサ「何をしているの?私には何が起こっているのか分からなかった。アニ、教えて?」


エレン「俺は何でもねぇよ……俺がアニより弱かった、それだけだ」


アニ「私がエレンを蹴ってこんな……(マタオッピロゲ)こんな状態にした」


アニ「でもこれは格闘術だよ?この程度で騒ぐんじゃないよ」


ミカサ「分かった。でも次は無いから」


アニ「はいはい」


エレン「じゃあ続き頼む」


アニ「まだやるの?足疲れたんだけど」


エレン「じゃあ揉んでやるからさ!また今度やろうぜ!」


アニ「うるさい!」ダッ


エレン「……何で怒ったんだ?」


座学の教室


ライナー「クリスタ、隣いいか?」


クリスタ「教えてくれるんだったよね?」


ライナー「そうだ、当てられて分からなかったらこっそり教えてやるからな」


ユミル(クリスタがまんざらじゃない表情を……してるわけ無いな、クリスタだし)


ベルトルト(僕はライナーの隣に座るか……座学は暇だな)


教官「ではレンズ君、答えられるかね?」


クリスタ「えっと…それはですね…」


ライナー「縦一メートル、横十cm(あとケツ)」


クリスタ「巨人の弱点は後頭部からうなじにかけて縦一メートル、横十cmです」


教官「よろしい。では次に…」


アルミン「はい!質問があります」


教官「なんだねアルレルト君」


アルミン「超大型巨人のうなじを削ぐのは非常に難しいのではないでしょうか」


教官「いい質問ですね〜!でもその前に皆さん超大型巨人って何か気になりますよね〜?こちらにフリップを用意したのでご覧ください」スッ


サシャ(教官スイッチ入っちゃいましたね・・・アルミンもそれはさすがに知ってるよって顔してます)


教官「3m級と15m級、超大型ではうなじの肉の厚さが違う。もちろん抉り取るべき肉の量も違ってくる」


教官「3m級ならば数センチほどの深さで討伐できるが超大型ともなるとそうも行かない」


教官「ブラウン君やアッカーマン君のような者で無いと討伐は困難だろう」


ミカサ「エレン、私なら倒せるって」<●> <●>ジィー


エレン「すげぇな!ミカサってそんなことまで出来るのかよ」


ミカサ「エレンもそのうちできるようになる(エレンに褒められた!)///」<●> <●> ポッ


アニ(アホくさ…)


ライナー「ベルトルト・・・すまん」


ベルトルト「いいからもう!」






その夜、男子寮の寝室



ベルトルト(今日は進展がいろいろとあった。なにも焦る必要は無い。一週間もあれば4人の内のいずれかに行動を起こさせられるはずだ)


ベルトルト(アニとライナー、単なる偶然か、アホで鈍感な二人を好きになってるな。なら僕はサシャか?……フッ)


ベルトルト(サシャのわがままに困惑しながらも従う自分が目に浮かぶよ……今はやめよう)


ベルトルト(クリスタとエレンの鈍感っぷりは不安だな……ライナーは気持ちを伝えれば解ってくれるかもしれないけれどエレンは……)


ベルトルト(まあいい。ただアニへのフォローが少し弱いかな。明日はアニの日にするか)


ベルトルト(……少し仕掛けてみるか……zzz)



眠たいので早朝あたりに再開するまで寝ます。投下速度遅くて申し訳ありません

乙や期待の言葉が励みです。最後に少しだけ投下します

朝の食堂

ベルトルト(今日もライナーにはクリスタのところに張り付いてもらうとして、アニはどうするべきか)


ベルトルト(アルミンに頼むか?…・・・いや、アルミンは保守派だ。ミカサが暴走しないことが何より大事なんだ)


ベルトルト(残念だけど食事は別で取ったほうがいいな……ミカサがすごい邪魔だ)


ベルトルト(ジャンにはもう少し汚れ役をやってもらおうかな)


ベルトルト「ジャン」ヒソ


ジャン「……名案だな。分かった、やってやるよ」


ジャン「おはようミカサ!ほら、エレンはアニと食べてるみたいだし、今日は俺と食べないか?」


ミカサ「……アルミンも一緒ならいいけれど」


アルミン「いいよ僕は!二人で食べたらいいんじゃない?」


ミカサ「……今日だけ特別」


ジャン(ちょっと嫌そうな顔してるな……悔しいがこれが今の俺にとっちゃ精一杯だ)


ベルトルト「アルミン、今日も相変わらず不憫だね」


アルミン「ベルトルト……エレンとミカサを見てもなお気持ちが変わらないジャンには尊敬の念もあるんだけど、早く諦めろよって思うんだよね……」


ベルトルト「この先何があるかは見え見えだね」


アルミン「気を使わされるこっちの身にもなって欲しいよ……ほら、エレンがアニと初めて格闘訓練した日のこと、覚えてる?」


ベルトルト「…あの時は…気の毒だと思ったよ」


アルミン「ジャン涙目だったし倒されるし教官は来るしで散々だったよ」


ベルトルト「確かそれからジャンに限らず、訓練兵全体が格闘を真面目にやるようになったんだ」


アルミン「それはいいことなんだけど……僕なんかよりジャンのほうがよっぽど不憫だよ」


ベルトルト「汚れ役は大体ジャンだったよね。でも今日は少し報われたかもしれない」チラッ


アルミン「ミカサと二人で食事なんて、僕は怖くて出来ないよ……ジャンの目にはどんなフィルターがかかってるんだろう」


ベルトルト「幼馴染なのに酷い言い様だね……事実だけど」

ベルトルト(アニはエレンと二人か……ミカサが合計300回位エレンのほうをチラ見している)


ベルトルト(ミーナはまた空気読んでどこかに行ったな。偉いぞミーナ)


ベルトルト(ライナーはクリスタと楽しそうだ。ユミルもなんだかんだで許している)


ベルトルト(アニとエレンはあまり会話が弾んでないな……二人とも口下手だからかな)


ベルトルト(ただアニの顔が怖くない。毒気が抜かれたみたいに。エレンはすごいな)


ベルトルト(……ジャンがいなければこの作戦は成功しないだろう。お礼を言わせてもらう)


ベルトルト(全体としてはいい傾向だ…まあ、僕が壊すんだけど)


ベルトルト(ここで少しアルミンに探りを入れるか)


ベルトルト「アルミン、今日は珍しく一人だっただろ?エレンは?」


アルミン「エレンはアニと食べてるんだ……誰と食べようと自由なんだけど、ミカサがほら、何百回もチラ見してるよ」


ベルトルト「本当だね…・・・アルミン、エレンとアニがくっついたらどう思う?」


アルミン「ミカサの出方次第としか言えないね……アニを殺そうとするなら止めるし、泣きじゃくるのであれば慰めるよ」


アルミン「どちらにしろミカサが傷つくのは分かってるから、出来ればくっついて欲しくは無いかな」


アルミン「でもなんでそんなことを?ベルトルトが珍しいね」


ベルトルト「単なる思い付きだったんだけど……アルミンが優しいことが分かって満足だよ」


アルミン「そっか…アニには悪いけど邪魔をしてくれないかな?」


ベルトルト「それは無理だ。いくらアルミンの言うことでも聞けない」


アルミン「そっか……次は技巧術だけど、整備はちゃんとした?」


ベルトルト「朝早くにしておいたよ。考え事しながらだったから完璧ではないかもしれないけど」


ベルトルト「アルミン、残念だけど僕は君の敵になっちゃったよ」


アルミン「敵だなんてそんな……別に僕はアニがエレンとくっついてもかまわないよ?出来ればやめて欲しいだけで」


ベルトルト「そう…じゃあまた」


アルミン「じゃあね!」


ベルトルト(アルミンも潰したいが……アニとエレンの水面下でライナーとクリスタの仲も着々と深まっているんだ)


ベルトルト(いずれライナーとともに絶望させてあげるよ)

ベルトルト「ライナー!クリスタ!ユミル!ここいい!?」


クリスタ「いいよ!こっちこっち!」


ライナー「お前はまたユミルの横か……もしかして」


ユミル「だまってろ!ニヤニヤしやがって腹立つ・・・」


クリスタ「?」


ベルトルト(アホだな)


ベルトルト「・・・じゃあクリスタの横に行こうかな」


ユミル「いやそのりくつはおかしい」


ライナー「俺だって遠慮してたのに…ベルトルトォ……!」


クリスタ「いいよ!おいでよベルトルト」」ポンポン


ベルトルト「ライナー、君にも踏み出す勇気を知ってもらいたいんだ」スチャ


ライナー「つまり?」


ベルトルト「この位積極的になってみろって事だよ!」


ライナー「ああ…俺が間違っていた…・・・俺はハンパなクソ野郎だった」


ユミル(地味に拒否された私の立場はどうなる)


クリスタ「二人とも!席なんてどこだって一緒でしょ?」


ライナー「一緒じゃねぇんだよ…!」


ベルトルト「クリスタの隣と前とでは重みが違うんだ」


クリスタ「つまり?」


ユミル(ライナーの真似か)


ベルトルト(早速ライナーの真似だ)


ライナー「俺のほうが隣に座りたいからベルトルトと変わりたいってことだ」


ベルトルト「いやそれは分からないけど…つまりそういうことなんだ」


クリスタ「だったら私もライナーの隣がいいよ!」トテトテ


ベルトルト(!!???あなたの隣がいいの発言!天然って怖いなあ…地味に僕も避けられたし)


ベルトルト「じゃあ……僕はユミルの隣に行こうかな。慰めてあげたいし」


ユミル「いらねぇよ腰巾着野郎!慰めて欲しくなんか……ねぇよぉ…」


ベルトルト「分かったから。そんな娘を悪い男に取られたみたいな態度はやめてよ」


ユミル「悪い男に取られそうだ」


ベルトルト「ライナーは僕の親友で訓練兵団のリーダー的存在だよ?すごくいいやつなんだ。……いいやつ過ぎるくらいだ」


ユミル「……そんな悲しそうな顔すんなよ。ベルトルさんって、友達想いなんだな」


ベルトルト「ハハ、これじゃどっちが慰められてるかわからないな」


ライナー「お前らもいい感じじゃねぇか!」


クリスタ「二人ともいい感じだよ!」


ベルミル(意味分からずに言ったなコイツ…)


ユミル「ライナー!クリスタに変なことしたらただじゃおかねぇからな!」


ライナー「もちろんだ。そのときは成敗してもらおう」


ベルトルト「成敗って……何を言っているんだライナー!」


クリスタ「今日はデザートがついてるよ!ほら、フルーツが盛り付けてある!」


ライベルミル(マイペース過ぎる…!)




座学の教室


教官「巨人の討伐が始めて確認されたのは780年頃である。また、固定砲と立体起動装置が発明されたのも同時期である。それはなぜか」


アルミン「ハイ!アンヘル・アールトネン氏がそれらを開発し、兵士に使用させたからです!」


けうくわん「そうだ。アールトネン氏には本当に足を向けて寝られない。あまりに偉大すぎるので創作の人物かと思ったほどだ」


アニ「今のたぶん重要だから書いといて」


エレン「アンヘルアールトネン、固定砲、立体起動装置を開発っと」


アニ「教官が行ったことを書きとめておく習慣は付けて置いたほうがいいよ」


エレン「そういえばアルミンもそんな事いってたな・・・忘れてたけど」


ベルトルト(アニはエレンとお勉強中だね……エレンは素直で馬鹿で努力家だから教えるのはすごく楽しいんだろうな)


ベルトルト(まあそうやって接触の機会があれば僕は嬉しいんだけど)


ベルトルト(ライナーは僕の隣でクリスタに教えている。そして僕は————)


ユミル「ベルトルさん、ボケッとすんな。大事なところだぞ」


ベルトルト「ああ、ごめんユミル……気をつけるよ」


ベルトルト(ユミルと一緒に勉強をしている。どうしてこうなった)



  回想

ベルトルト「ユミル、クリスタがライナーに取られちゃったけどどうする?」


ユミル「まだ傷は新しいんだ」


ベルトルト「ごめん…でもユミル、どうする?僕でよければ一緒にいたいな」


ユミル「ハァ……午前の座学は一緒にやるか」


ベルトルト「座学だけじゃなくてもいいんだけど?」


ユミル「ベルトルさんには座学以外では勝てねぇよ…・・・」


ベルトルト(ユミルからかうの楽しいな)


ベルトルト「別に勝負しようなんていってないじゃないか!一緒にいたいから一緒にやろうって言っただけで」


ユミル「ああもう!わかったよ!今日は一日中一緒にいてやるから!それでいいんだろ!?」


ベルトルト「うん……それでいい」


回想終了


ベルトルト(そういえばこんなことがあったんだった。忘れてた)



ベルトルト(そういえばこんなことがあったんだった。忘れてた)


教官「ではなぜ壁の東西南北にここトロスト区やシガンシナ区などの町があるのか、フーバー君、答えられるかね」


ベルトルト「巨人を一箇所に集め、壁を守る兵力を集中させるためです」


教官「そうだ。壁はもともとあったらしいのだが、なかなかどうして実用的なのだ」


教官「丁度いいところなのでイェーガー訓練兵の希望により巨人の特別講義を始めるとしよう」


教官「まずは超大型巨人だ。こちらは動きが鈍く討伐しやすいと思いがちだが違う」


教官「その体は高温であり、調査兵団によると蒸気を噴出して人間を追い払うことも出来るらしい」


ベルトルト「なるほど・・・」カキカキ


教官「そして前回も言ったようにうなじの肉が非常に厚い。3m級の実に20倍だ。並みの兵士では討伐するのも一苦労だ」


教官「それに奴は突然姿を消した。もしかすると討伐することは事実上不可能なのかもしれない」


トーマス「マジかよ……人類はどうすればいいんだ…」


ダズ「吐きそう……ヴェッ!ヴゥ!」


エレン「いや!俺は巨人を駆逐する!もちろんあいつも含めてだ!」


アニ「……」


ユミル「ハハ、どうしようもねぇってわけじゃねぇだろ。何か手はあるはずだ…・・・」


ベルトルト「たとえばどんな?」


ユミル「たとえばものすごい威力の砲弾を首の辺りからうなじを貫通するように撃つとか」


ベルトルト「そうだね……的はでかいから精度は気にしなくていいのかも」


教官(それ普通にありだよね?問題は装填速度だが)


教官「オホン、え〜次に鎧の巨人だ。ご存知の通りこの巨人はウォールマリアを破った巨人だ」


教官「この巨人は体長自体は15m級だがその表皮は鎧のような装甲で覆われている」


教官「調査兵団のハンジ氏によるとこれは硬化した皮膚であるらしい。まだ諸説あるが、巨人の再生能力を考えるともっとも有力な説だ」


教官「この巨人は超大型とは違った意味で討伐が難しい。リヴァイ兵士長やアッカーマン君のような者でなければ討伐はおろか接近すら難しいだろう」


ライナー「なるほど・・・」カキカキ



ミカサ「エレン、私なら倒せるって」<●> <●>ジィー


エレン「すげぇな!ミカサって鎧まで倒せるのかよ!」


ミカサ「エレンもそのうちできるようになる(エレンに褒められた!)///」<●> <●> ポッ


アニ(アホくさ…またかい)


ライナー「ベルトルト・・・すまん」


ベルトルト「いいからもう!」


教官「この巨人は砲弾すらものともしない。もしかしたら超大型よりも討伐は困難かもしれない」


教官「そしてこの2体がいつ現れるやも知れない。危機意識は常に持って置くように」


教官「ではこれで終了とする」


ベルトルト「終わった・・・疲れたね」


ユミル「エレンとアルミン以外は怖がってまともに聞いてられなかっただろうな」


ベルトルト「後は僕とライナーとユミルぐらいだね。落ち着いてられたのは」


ライナー「………」


クリスタ「怖かったねライナー…」ピトッ


ライナー「クリスタ…?」


クリスタ「いったでしょ?ライナーの近くにいると安心するって」


ライナー「ああ…俺もだ(結婚しよ)」


ユミル「……」


ベルトルト「ユミル、抑えて」

ライナーがクリスタの天然に勘違いしたところで終了します

ベルトルト「アレが素だって事ぐらい知ってるだろ?」


ベルトルト(ライナー……勘弁してくれよ)


ユミル「でもよ……あんなのにあんだけくっついて嫌じゃねぇのかって」


ベルトルト「嫌じゃないからくっついてるんだとおもうよ。ライナーと一緒だと安心するって言うのも本心じゃないかな」


ユミル「ハァ……正論だな」


ユミル「次は昼飯だ。どうせ一緒に食うんだろ?」


ベルトルト「もちろんそのつもりだけど」


ユミル「あいつらとはしばらく離れていたい。バカが移る」


ベルトルト「ハハ、ユミルは口が悪いなぁ」


ベルトルト「そういうところは直していかないとね?」


ユミル「うるさい。私は人に言われて喋り方を直すような人間じゃない」


ベルトルト「まあそれはそれでユミルらしいからいいよ。もう慣れたし」


ユミル「早く飯行こうぜ」


ベルトルト「そうしようか。早く行かないと」


ベルトルト(ユミルともだんだん仲良くなってきたな)


ライナー「おーい!置いていくなよ二人とも!」


クリスタ「お似合いだよ!」


ユミル「うるせぇ!」

   食堂


ベルトルト「ユミル、アルミンと食べてくるよ。今日も独りになりそうだから」クィッ


ジャン「ミ、ミカサ!昼も一緒にどうだ?」


ミカサ「あなたの話は存外に面白かった。また聞かせて」


ジャン「お、おう!」


アルミン(何でこうなるんだ……)


ユミル「なんだあれ!ジャンがミカサと食べてるじゃねぇか」


ベルトルト「しかも朝も一緒に食べてた。アルミンは幼馴染二人に置いていかれているんだ」


ユミル「行ってやるのか。お人よしだなベルトルさんは」


ベルトルト「そうでもないよ。アルミンにはいくつか話があるからね」


ユミル「一人にすんなよ……こいつらの話を聞きたくは無い」スッ


クリスタ「私のいいところ10個教えて?」


ライナー「可愛くてー、優しくてー、馬術がトップで」


ベルトルト(もうやだこのゴリラ)


ベルトルト「そうだね…じゃあ一緒に来るかい?別に聞かれたくない話でもないし」


ユミル「行こうぜ!一刻も早く」


アルミン「やあベルトルト…とユミルも」


ユミル「私はいらねぇか?」


ベルトルト「まあまあ…アルミン、今のところはアルミンの思い通りには行ってないけど」


アルミン「今回はベルトルトにただならない事情がありそうだったからね。僕は何もして無いよ」


ユミル「ほお」


ベルトルト「エレンとアニが最近仲良くてね。それで僕は応援してるんだけど、アルミンとミカサは複雑な気持ちみたいで」

エレン「なあアニ、昨日は悪かったな」


アニ「いいって。あんたが悪いわけじゃないから」


エレン「お詫びにさ、一緒に町に行かないか?欲しいもの買ってやるからさ!」


ベルトルト(進展しすぎだろ…・・・何があった)


ユミル「なるほどな……格闘で上がった心拍数を恋のドキドキと勘違いする。よくある事だな」


アルミン「よくあってたまるかよ!僕は無神経な幼馴染達にうんざりしているんだよ」


ベルトルト「アルミン、もうこっち側に来ないか?面白半分でもいいから応援してあげよう」


アルミン「応援はしないよ……僕はみてるだけだ」


ベルトルト「それでもいいよ……それで十分だ」


ベルトルト「ユミル、戻ろう。アルミンと交渉する必要はもうなくなったからね」


ユミル「もういいのか?私はここで食ってもいいんだが」


アルミン「そうしてくれると助かるよ。一人で昼食はなんだか食べた気がしないんだ」


ベルトルト「そうしようか。僕もあっちに戻りたいわけでもなかったし」


ベルトルト「アルミン……ジャンとミカサはどう思う?」


アルミン「ミカサに恋愛感情は微塵も無いだろうね。これから芽生える可能性も絶望的じゃないかな」


ベルトルト「なかなか切れ味がいいね」


ユミル「ジャンも分かってやってんだろうな……可哀想になってきた」


ベルトルト「そういうのはいつもライナーとジャンの役目だったじゃないか。この位、訳も無いだろう」


ユミル「あいつらならいいかって気になっちまうんだよなー」


アルミン「ジャンには憲兵団で幸せになってもらいたいね」


ベルトルト「いやどうかな……ミカサを追って調査兵団になる勢いだよアレは」


ユミル「全く……あんな筋肉バキバキ女のどこがいいんだか」


ベルトルト「ミカサは見た目だけなら訓練兵団でも割と上位に入ると思うよ。見た目だけなら」


アルミン「エレン一筋って言うのがマイナス過ぎるんだよ……ジャンはあの腹筋ですら可愛いって言ってるのに」


ユミル「アルミン、お前も昔はミカサに気が有ったんじゃないか?」ニヤニヤ

アルミン「最初に会ったときからあんな感じだったから無いね。町のガキ大将達を蹴散らしてる記憶しかないよ」


ベルトルト(ありありとイメージできるよ)


ユミル(すげぇありそうだな)


アルミン「でも本当に優しい良い子なんだ!エレンが好き過ぎるだけで皆のことも大好きなんだよ」


ユミル「確かにな…ちゃんとお礼は言うし謝罪もするし」


ベルトルト「エレンとアルミン意外には無関心だと思ってたけど違うんだね」


アルミン「誤解が解けたなら良かった。ミカサは誤解されたままでも良いと思ってるからね」


アルミン「じゃあもうそろそろ次の訓練に行こうよ」


ユミル「次は立体起動だぜ……面倒臭せぇ」


ベルトルト「僕は好きだけどね。楽しいし」


アルミン「ベルトルトはすごいよね……なんだかんだで三位とか四位だし」


ベルトルト「ミカサやライナーには勝てないからね。たまにアニにも負けるし」


ユミル「小柄で体重軽いほうが立体起動は有利なんだから仕方ねぇだろ?一番背が高いのに立体起動も得意なベルトルさんはすげぇよ」


ベルトルト「あまり褒めないでよ……慣れてないから照れるじゃないか」


アルミン「嬉しそうだね」


ユミル「ベルトルさんかわいい」


ベルトルト「からかわないでよ!」

今日はこれで終了します。
土日中には終わらせるつもりです

最初に書いたとおり悪いベルトルさんですよ

ベルトルト「悪いけど先に言っておいてくれるかな?僕はライナーに用事があるから」


ユミル「あくしろよ?ベルトルさんよ」


アルミン「先行ってるね!」


ベルトルト「ライナー」ヒソ


ライナー「どうしたベルトルト?」ヒソ


ベルトルト「明日休日だろ?町に誘えよ」ヒソ


ライナー「分かった…ダメで元々だ」ヒソ


ライナー「クリスタ…明日は休日だよな?」


クリスタ「そうだっけ?」


ライナー「それでな、明日一緒に出かけないか」


クリスタ「いいよ!私も馬用ブラシを買わないといけないの」


ライナー「兵士になったら私服はあまりいらないが、欲しかったら買うぞ」


クリスタ「やった!ありがとねライナー!」


ライナー「ああ。(結婚したい・・・)」


ベルトルト(って思ってそうだな)


ベルトルト(クリスタって本当にただの天然なのか?)


立体起動訓練の時間


教官「これより立体起動術の訓練を行う!今更説明するまでもないが気を抜くと死ぬぞ!常に緊張感を持って臨め!」


ベルトルト「負けないよアニ?」


アニ「チッ…そういっていつも勝ってるじゃないか」


ベルトルト「行こうか」バシュ


アニ「待て!」バシュ


ライナー「俺がついてるからな」


クリスタ「うん!頑張ろうね」


ベルトルト(ライナーはクリスタにつきっきりか……別に憲兵団志望でもないから点数は気にしなくて良いかもしれないけど)


ベルトルト(アニ相手には考え事してる余裕は無いな……見えた。巨人だ)


ベルトルト「……」ザシュッ


教官(ベルナドット・フーバー……全てにおいて優秀だが積極性に欠ける。だがそれも最近では改善されてきている。指揮官向きだな)カキカキ


アニ(涼しい顔してここまで深い斬撃が出来るとは…・・・)ザシュッ


教官(アニ・レオンハート……斬撃の進入角度に非の打ち所が無い。ぼっち気味だったが最近は明るくなってきた模様)カキカキ


ユミル(あいつら強えぇっ!上位5位以内は伊達じゃねぇな)ザシュッ


ユミル(チィ……まだまだ浅いな)


教官(ユミル……全体的に優秀で頭も回る方だが協調性に欠ける。さらにフルネームを誰も知らないなど謎多き人物)カキカキ


アルミン(この訓練はかなり点数が高い…・・・クールにやれ。斬撃の角度はこう!そして直前に加速して斬る!)ズパッ


アルミン(僕が生き残る最善策だ。頭を使え!)


教官(アルミン・アルレルト…ひ弱な体ながら小回りの効く立体起動から繰り出される斬撃の威力は訓練兵でもトップクラスである)


教官(本人が自分の方向性を見出せばあるいは…) カキカキ



その夜またまた寝室


ベルトルト(今日はかなり進展があった。まずアニとエレン、ライナーとクリスタが町に二人で出かける約束を取り付けた)


ベルトルト(あとは——)


ジャン「グンモーッムグンモーム」


マルコ「ジャンうるさい」


ベルトルト(ジャンも多少ミカサと進展したかもね)


ベルトルト(僕はどうするべきか?ついていくべきか)


ベルトルト(イヤ、ついていったところでフォローできる自信が無いな)


ベルトルト(ライナーとクリスタはあまり他意はなさそうだけどエレンとアニは……)


ベルトルト(まあいいや。……ジャンとミカサが出かけ・・・るわけないな。ないない)


ベルトルト(……やっぱ尾行しようかな)


ベルトルト(そうしよう……zzz)


ライナー(明日どうしよう……ブラシを買うだけで終わるのか?いや、そうじゃねぇだろ)


ライナー(服買ってやるって言ったしな。多少は引っ張れるはずだ……zzz)


ジャン(誘うの忘れちまったな……明日にするか……zzz)


エレン(明日どうしようかな……適当に町をブラブラするか)


エレン(アニには悪いことしたな……zzz)



一方女子寮では


クリスタ(ライナーに服買ってもらう約束しちゃった!何にしようかな…)ゴソゴソ


アニ(エレンとの約束、もはやデートじゃないか?)


アニ……(深く考えすぎるな。あいつにとってはお詫びのつもりなんだから)ゴソゴソ


ミカサ(ゴソゴソうるさい……)


サシャ(明日は貯まった給料で食べ歩きです…グヘヘヘヘ)ゴソゴソ



一同(眠れない…)



ここからネタバレ注意!

ではネタバレしない方向で

   翌日


ベルトルト「おはようライナー!今日はクリスタとお出かけか」


ライナー「ああ…あまり期待はしてないがな」


ベルトルト「期待はしすぎないのが一番だよ。頑張って」


ライナー「そうだな。クリスタ、ここいいか?」


クリスタ(ヽ´ω`)「いいよ!」


ライナー(クリスタがやつれてる…!)


ベルトルト「ク、クリスタ?昨日あまり眠れなかったのかな」


クリスタ「うん!今日が楽しみだったから!」


ベルトルト「ユミルは普通だね」


ユミル「私以外は大体眠れなかったらしい」


ベルトルト「それは違うんじゃないかな。多分、皆クリスタと一緒だと思うよ」


ライナー「お前らと同室の奴は?」


ユミル「ミカサとアニとサシャとミーナだ」


クリスタ「みんなずっとゴソゴソしてたよ!」


ライナー「そうか……」キョロキョロ


ミカサ(ヽ´ω`)「……モグモグ」


エレン「ミカサ、ジャンがさっきからお前のほう見てるぞ」


ジャン「……チラッ……チラッ」


ミカサ「ジャン、何か用?」


ジャン「その…今から町へ行かないか?」


ミカサ「悪いけど昨日は皆がうるさくて眠れなかったから私は今日は寝ておかなくてはならない」


ジャン「そうか……」トボトボ


ライナー(ミカサは特にこれといって事情があって寝不足になったわけではなさそうだな)


ライナー(アニは……)チラッ


アニ(ヽ´ω`)「………」ソワソワ


ライナー(エレンとの約束で眠れなかったって所だな)

冒頭でネタバレしてるようなものなんですけどね
ネタバレは必要でないならやめておくべきだと思いまして

ライナー(恐らくゴソゴソするアニが気になって眠れなかったのがミーナだな)


ライナー(気になるのはサシャだ……まさかコニーとかアルミンと!?)


サシャ「グヘヘヘヘヘ」ジョリジョリ


コニー「うわああ!笑いながら頭撫でるな!怖えぇよ!」


ライナー(町で食べ歩きしたいって言う考えが見え見えだな)


ベルトルト「クリスタはなにか今日の計画はあるの?」


クリスタ「それを考えてたら朝になっちゃったの」


ユミル「お前が考えなくてもライナーなら100通り位考えてるだろ」


ベルトルト「同感だね。ライナーはクリスタのこと大好きだし」


クリスタ「ええっ!?ライナーって私の事好きだったのっ!?」


ベルトルト(もうやだこの天使)


ライナー「そうだそうだ」


ベルトルト「ユミル、クリスタっていつもこうなの?」ヒソッ


ユミル「素でやってんのかはわからねぇが確かにいつもこんなだ」ヒソッ


クリスタ「じゃあライナー、外出届出しに行こうか」


ライナー「そうだな、行くかクリスタ」


教官「……イヤ、分からないな……男と女というものはわからんものだ」


教官「まさか貴様らが一緒に出かけるとはな……まあよい、書類は受け取った」


ライナー「失礼しました!」


クリスタ「失礼しました!」バタン


教官「……なんだったんだ」


エレン「失礼します!」


アニ「失礼します!」


教官「」


エレン「教官!どうされました!?」

教官「」


エレン「教官!どうされました!?」


教官「イヤ……外出届だな?」


エレン「ハイ!」


アニ「ハイ!」


教官「休日ぐらいは町に外出すると良い……では退出してよろしい」


エレン「失礼しました!」


アニ「失礼しました」


教官(グリシャ……お前の息子、二股かけてるぞ……イヤ、アルレルトを入れれば三又か)

ベルトルト「失礼します!」


教官「ホッ…貴様は一人か、フーバー」


ベルトルト「外出届を提出しに参りました!」


教官「よろしい。確かに受け取った」


ベルトルト「失礼します!」バタム


教官「やっと一息つk」


サシャ「失礼します!」


コニー「失礼します!」


ジャン「失礼します!」


教官「今度は三人か……どーせ外出届けなんでしょ?」


サシャ「はい!」


コニー「はい!」


ジャン「はい!」


教官「ブラウスとスプリンガーは分かるがキルシュタインは……まあ良い。下がってよい」


サシャ「失礼しました!」ギイ


コニー「失礼しました!」


ジャン「失礼しました!」バタム


教官「やっと終わった……」


アルミン「失礼します!」


ミカサ「失礼します」


教官「」


教官「まさかお前達が……イヤ、そうだ、外出届だな?」


アルミン「ハイ!」


ミカサ「ハイ」

教官「うむ。行ってよろしい」


アルミン「失礼しました!」ギイ


ミカサ「失礼しました」バタム


教官(グリシャ……シガンシナ区って、なんなの?)

教官(シガンシナ乱れすぎ)


教官(イヤ違う違う……ここで状況を整理してみるか)


教官(ブラウンとレンズ……こちらは恋人同士には見えなかったな)


教官(詳しくは分からんが、おそらく一緒に買い物に行くだろう)


教官(イェーガーとレオンハート……こちらには恐らくお互いの意識に食い違いがある)


教官(何でわかるかって?そりゃ、こんなことは良くあることだからな)


教官(こちらもただ二人で出かけるだけだろう)


教官(そしてあの三人組は……わからん。スプリンガーとブラウスなら百歩譲って分かるがキルシュタインとはな)


教官(………二人はブラウスの犠牲者ではないだろうか?)


教官(あのブラウスの満面の笑み……二人は財布係にさせられたのではないか?)


教官(そうであれば気の毒だ……私なら全力で断るが)


教官(アッカーマンとアルレルトは…最初は驚いて考える余裕などなかったが)


教官(よく考えてみればイェーガーの監視としか考えられんな……)


教官(アルレルトの悲壮感あふれる顔とアッカーマンの焦った表情、間違いない)


教官(これは暴走を招くな)

教官(レオンハート、アッカーマン、レンズ、ブラウス……なんでお前らそんなに寝不足なの?)


教官(楽しみで眠れないとかそんな……まあ子供だからな。私も小さい頃は……)


教官(いかんいかん、昔を懐かしんでいては日が暮れてしまう)


教官(フーバーがなんとかしてくれたら一番良いのだがな)


教官「ということでだフーバー、キルシュタインとスプリンガーを救出せよ」


ベルトルト「分かりました」


教官「で入ってこい!」


ベルトルト「ハイ!」


ベルトルト(とは言ったものの……どこにいるんだよ)


ベルトルト(ご飯屋さんかな……あ、いたかも…あそこにいるのは)


ベルトルト「サシャとコニーだ!!」


ベルトルト「あとジャン!」


ジャン(普通だ……これが現実ってもんだろうな……俺は夢か幻でも見ようとしてたのか?)


ジャン(俺は知ってたはずだ。現実ってヤツを)


ジャン(普通に考えれば簡単に分かる。こんなヤツと飯なんか食っちゃ行けねぇって事ぐらい…)


サシャ「ガツガツガツガツゴクゴクガツガツガツ」


コニー(今何のために何してんだ?…早く帰りたい)


サシャ「次行きましょうか!」


サシャ「たいしょー!おかんじょー!」


ジャン「……チャリン」


コニー「足りない分は皿洗いで勘弁してください…」


店員「イヤ足りてますけど」


ベルトルト「大丈夫か二人とも!」


ジャン「ベルトルト……!?なんでここに!?」


ベルトルト「助けに来たよ!」

× 教官「で入ってこい!」


○ 教官「では行ってこい!」

ベルトルト「さあ!二人とも早く逃げるんだ!」


コニー「すまねぇ!」ダッ


ジャン「悪いなベルトルト!」ダッ


サシャ「よくも私の金蔓どもを……許しませんよ」ゴゴゴ


ベルトルト「帰ったら教官が料理を用意してるって行ってたよ」


サシャ「ありがとうございましたベルトルト!」ピュー


ベルトルト(教官……)


ベルトルト「助かった……後はライナーとクリスタを探さないとな…」


ベルトルト「どこにいるんだろうか……サシャたちとは違ってヒントが無いからな…」キョロキョロ


ベルトルト(よく考えたらこの時点で効果抜群では……イヤ、もう少し待とう)


ライナー「ハハハ」


クリスタ「うふふ!」


ベルトルト(来た!しかも笑いあいながら!なんかすごいムカつくけどよく来たよ二人とも!)


ベルトルト(尾行を続けよう。アニとエレンは大丈夫だろう)


ベルトルト(なんでクリスタはそんなに笑えるんだ?ライナーの顔だけで笑ってるんじゃないのか)


ベルトルト(あ!店に入って行った……あれは!子供向けファンシーグッズショップ!)


ベルトルト(ライナーが入ると犯罪臭がハンパではないな……)


ベルトルト(うわ!何被ってんのライナー!?お店の天井に着いちゃったよ!)


ベルトルト(あ、次はクリスタが被ったな。今度は分相応な大きさだ)


ベルトルト(あんまり仲良くなりすぎるなよライナー?)

ベルトルト(うわ!買っちゃったよ……その変な棒どうする気だよ)


ベルトルト(クリスタもなんか変なぬいぐるみみたいなの買ってるし・・・)


ベルトルト(あ!でてきた)コソコソ


ベルトルト(持ってやろうか?ありがとねライナー)


ベルトルト(僕の私怨で計画……名づけてプロジェクトクレア(KREA)を進めてしまいそうだよ)


ベルトルト(クリスタもちょっとは遠慮するふりしろよ!完全に依存心見せちゃってるじゃないか!)


ベルトルト(今日だ!今日計画……名付けてプロジェクトクレアを実行してやる!)


ベルトルト(こいつらの状況は分かった……まずはアニとエレンを探そう)


アルミン「やあベルトルト!悪いけどエレンとアニを見なかった?」


ミカサ「早くしないとエレンが!」


ベルトルト「ごめん……知らない」


ベルトルト「でも僕も二人を探してるんだ。見つけたらすぐに言うよ」


アルミン「ありがとう。僕も見つけたら教えるよ」


ミカサ「ライナー!クリスタ!なんとなく状況は分かってる……その上で……私情を挟んで申し訳ないけど」


ベルトルト(ヤバイ!隠れろ!)ピュー


アルミン「ベルトルト!?」


ミカサ「エレンを見なかった?」


ライナー「悪いが見てないな……」


クリスタ「私も……」


ミカサ「なら探すだけ。見つけられなければ死ぬだけ。でも…見つければ生きる……」


ミカサ「探さなければ見つけられない……」


ベルトルト(見つけられなければ死ぬってどっち?たぶんどっちの意味でも言ってるよね!?)

ライナー(何を言ってるんだ……)


クリスタ「ミカサ!頑張ってね!」


ミカサ「ありがとう…できれば見つけたら私に報告して欲しい。叫ぶだけでもかまわないから」


ライナー「ああ……見つけたら教える」


クリスタ「じゃあねミカサ!」


ミカサ(エレン…あなたがいれば私は何でもできる)


ベルトルト「ハァ・・・ハァ…あ、アニだ」


ベルトルト「アニ、エレンは?」


アニ「ベルトルト!?なんでここに!?」


ベルトルト「エレンの、場所は?」


アニ「あそこで風船買ってる」


ベルトルト(エレン天然過ぎないか?)


ベルトルト(まずい!こっちに来る!)ピュー


エレン「おーい!アニ!猫みたいな形した風船にしてもらったぜ!」


アニ「すごい……かわいい」


ベルトルト(二人とも、自分達のやってることに自覚が無いのか!?)


ベルトルト(この二人も十分だろう……もう帰ろう)

最終章突入!なんで昼ごろにまた書きます

怒涛の最終章なのでそんなに待ってる人もいなさそうなので残り書いちゃいますね

ベルトルト「コニー!ジャン!大丈夫だった!?」


コニー「おう!さっきはありがとよ!ベルトルト!」


ジャン「お前がいなかったら昼飯まで付き合わされてたぜ……」


ベルトルト(教官、大丈夫かな……)




約1時間前



教官「休日は教官専用特別メニューが出るんだよ羨ましいだろ訓練兵ども!さて、そろそろ」


サシャ「教官殿……申し訳ありませんが少し眠っていただきますよ」


教官「いただきmムグッ!……」チーン


サシャ「フーッ、さて、頂きますか」


サシャ「ふむ、悪くありませんねぇ…」



ベルトルト(まあいいか)


ベルトルト「財布はどうかな?スッカラカン?」


ジャン「俺はまだ少しあるがコニーは全くねぇ」


コニー「俺は土下座&皿洗い係になってたみてぇだ」


ベルトルト「酷い話だね・・・」


ジャン「俺はミカサが居るって言うからついて行ったんだよ!確かにちょっとだけ見えたけど!」


コニー「俺はとにかく付いて来いって言われた。付いて行ったらこうなった」


ベルトルト(可能ならサシャのご飯床にぶちまけたいな)


ベルトルト「ジャン、話があるから少し来てくれ」


ジャン「コニーには聞いて欲しくないのか?」


コニー「そりゃひでぇなベルトルト」


ベルトルト「イヤ…コニーだけじゃなくてジャン以外には聞いて欲しくない話なんだ」


ジャン「そうか……事情があるみてぇだな。ついていってやるよ」


ベルトルト「助かる」スタスタ

ジャン「それで話って何だ?」


ベルトルト「僕は町を回ってクリスタとライナー、エレンとアニがそれぞれ二人で買い物しているのを見たんだ」


ベルトルト「僕は見つからないようにこっそり尾行してたんだけど……」


ジャン「なんで尾行するんだよ!」


ベルトルト「面白いからさ。……それで尾行していると面白い会話が聞こえてきたんだ」


ジャン「ほお」


ベルトルト「ふいにクリスタが時計を見たかと思うとクリスタが「その……ちょっと席を外したいの……」とモジモジしながら言い出した」


ジャン「ほおぉ」


ベルトルト「ライナーはトイレに行きたいんだと察した。行って来いよクリスタというとクリスタは駆け出した。だがそこはトイレなどではなかった」


ジャン「どういうことだ・・・?」


ベルトルト「そこはちょっとした物陰だった。そこにはなんとエレンが居たんだ!」


ジャン「まさか!」


ベルトルト「そのまさかだよ!エレンとクリスタは顔をあわせるなり1分ほどのキスをした後、荒い呼吸で「今日の消灯から1時間後、使われていない倉庫裏で会おう」と言った」


ジャン「なんてこった……女神はビッチだったのか」


ベルトルト「僕もショックだったよ……まさか二人があんなことをしていただなんて」


ベルトルト「そこでだ、ジャンにはそこに張り込んでもらいたい。もしそれが本当だったら教えて欲しいんだ」


ジャン「それは良いけどよ、俺にとってはエレンがアニと別れるのは不都合なんだよな……協力してやりたいんだけどな!」


ベルトルト「自分を捨ててアニに乗り換えたと思ったらクリスタと二股だなんて、99%ミカサは愛想を尽かすね」


ジャン「…そうだな!やるか!アニとライナーにも本当のことを教えてやらないとな」


ベルトルト「もし見たら、出来るだけ言いふらして欲しい。でも僕が見た話は伏せておいて。アレは君をここまで引き込むための嘘だから」


ジャン「……仮に全部嘘だったとしてもその時間に倉庫裏に行けば分かるわけだ。信用はしなくても良いよな?」


ベルトルト「信用なんていらないよ。さっき言った約束を守ってくれれば良いから」


ベルトルト「それに……親友が裏切られているのを黙って見ている事なんて出来ないからね」


ジャン「分かった。消灯一時間後、倉庫裏だな?」


ベルトルト「頼んだよジャン。君にしか任せられない」


ジャン「ああ!じゃあな!」


ベルトルト(これでいいんだこれで……でも何故だろう?僕はばれて問い詰められても良いと思えてくるんだ)

ベルトルト(親友を騙し幼馴染を騙しジャンを騙しエレンを騙しクリスタを騙しユミルを騙しミカサを騙しアルミンを騙しサシャにも嘘をついた)


ベルトルト(ジャンがこれを言いふらせば彼らを深く傷つけることになる……僕はただのクズだ)


ベルトルト(クリスタはどうなる?女神や天使と呼ばれて神格化された彼女は一転してビッチと呼ばれる)


ベルトルト(まっすぐで純粋な正直者として訓練兵団では有名なエレンはどうなる?)


ベルトルト(ミカサを振ってアニに乗り換えようとしていると思いきやあのクリスタとも関係を持った……クズ野郎の名はほしいままだ)


ベルトルト(僕はここに居る時点で既に卑怯者なのにさらに卑怯者になるのか?)


ベルトルト(ジャンに全てを話そう。謝るんだ)


ベルトルト(でも……任務のことだけは言えない。ただ存在するだけで卑怯者になるのなら、任務のことを伏せるぐらい訳ないじゃないか)


ベルトルト「ジャン!」


ジャン「ベルトルト……まだ話があるのか?」


ベルトルト「ああ!大事な話だ!」


ジャン「じゃあマルコ、行ってくる」ガタッ


マルコ「ベルトルト、すごい必死だね・・・」


ジャン「で?計画変更か?」


ベルトルト「ああ。今すぐ計画は中止だ。情報を漏らした相手が居たら教えてくれ」


ジャン「居ねぇよ……でもなんだって急に?なんか思い出したのか?」


ベルトルト「違う……思い直したんだ」ガバッ


ジャン「おいおいおい!何でいきなり土下座なんだよ!」


ベルトルト「実はさっきの話は嘘なんだ」


ジャン「どこからどこまでだ?」


ベルトルト「全部だよ!正確には、さっき嘘になった」


ジャン「は?意味がわからねぇのは俺がバカだからじゃないよな?」


ベルトルト「僕はこれからエレンとクリスタに倉庫裏に来るよう指示するはずだった。でもやめた」


ジャン「じゃあ、エレンとクリスタは何もない?」


ベルトルト「うん……ジャンが言いふらしたことをアニとライナーが聞いて深く傷つく、そういう計画だった」


ジャン「…お前がライナーやアニを傷つけるには何か理由があるはずだよな?俺はお前を信用してるから言ってるんだぞ」


ベルトルト「僕とライナーとアニは同郷で……生き残るために憲兵団になるつもりだった」


ベルトルト「だけど僕はアニがエレンに好意を抱いているのを知った。エレンは絶対に調査兵団に行くのに」


ジャン「それで二股の濡れ衣を着せようと」


ベルトルト「ライナーもそうだ。そもそも上手く行くはず無いと思ったし、クリスタだって憲兵団になれるかどうかすら怪しいのに」


ジャン「よく分かった。同郷の幼馴染達を思っての行動だったわけだ」


ベルトルト「騙したのは悪いと思ってるよ……殴りたいのなら好きにしてくれ。むしろその方が楽だ」


ジャン「フン……俺もお前みたいな友達がもう一人居ればよかったな」


ベルトルト「え……?」


ジャン「ベルトルト、俺と友達になろうぜ!」スッ


ベルトルト「殴らないの……?」


ジャン「殴るかよ!確かに許されねぇことをしたかもしれねぇけどよ、殴るのは俺の仕事じゃない」


ジャン「あの4人には謝っておこうぜ。殴られるかはあいつら次第だ」


ベルトルト「そうだね……まずは謝ろう」


ベルトルト「それじゃあうん……グスッ……友達だ」パシッ


ジャン「よろしくな!」


ベルトルト「グスッ……よろしく」


ジャン「いこうぜ、まだ昼飯の時間だ」


ベルトルト「行こうか。僕は外出したからお昼は出ないけど」


ジャン「でもそれにはまずその汚れを落さねぇとな?」


ベルトルト「そういえば外で土下座したんだった……」パフパフ


ベルトルト「じゃあいこうか」


ジャン「おう!」


ベルトルト「ライナー!アニ!クリスタ!エレン!来てくれ!」


ジャン「おい…もっとやり方はあるだろうが!」


ライナー「クリスタ、俺は行かなければならない気がする」


クリスタ「私も……」ガタッ


エレン「なんか俺たちの事呼んでんぞ?いこうぜアニ!」


アニ「仕方ないね……」ガタッ



ライナー「なんだ?急に呼びつけたりして」


エレン「なんでジャンが居るんだよ!」


ベルトルト「これには事情があるんだよ」


アニ「事情ねぇ……だったら説明してもらおうじゃないか」


ベルトルト「じゃあ今から説明するね。なぜ皆を呼んだかというと」


ベルトルト「僕が君たちをくっつけたといっても過言ではないからなんだ」


エレン「…は?意味わかんねぇよ!」


アニ「同感だね」


ライナー「俺たちは運命だろ?」


クリスタ「え?そうだったの!?すごーい!」


ジャン「ややこしくなるから黙って聞け!大事な話なんだよ!」


ベルトルト「……僕は三日前、ライナーがクリスタに、アニがエレンに好意を持ってることについにキレた」


ベルトルト「二人は任務を忘れて色恋沙汰かと憤慨した」


ベルトルト「どうせなら一度くっつけてから、いや、せめてかなり近づいてから、できるだけ惨い形で別れさせようと思った」


ライナー「……」


アニ「傷つくよ」

ベルトルト「それから僕はアニとエレンを格闘術で組ませたりミカサをジャンを使って排除したり」


ジャン「そういえばそんなこともあったな」


ベルトルト「クリスタと同じテーブルで食事させたり町に出かけようと誘えとライナーに言ったりした」


ベルトルト「そして今日、深夜にここにエレンとクリスタを待機させてジャンとアニとライナーに見せるつもりだった」


エレン「どういうことだ?」


クリスタ「どういうこと?」


ライナー「……」


アニ「……」


ジャン「バカは黙ってろ!」


ベルトルト「二人は分かるね?……そういうことだ。ジャンが言いふらして二人は汚名を着せられる、そういう手はずだった」


ベルトルト「でもそんなことまでして得られる成果は二人を任務に集中させること。しかもそれすら確証は無い。僕は出来るだけだれも傷つかないほうの道を選んだ」


ベルトルト「もう僕には何が正しいことなのか分からない……」


ベルトルト「ただ…僕がすべきことは、自分の行いや選択した結果に対し、戦士として、最後まで責任を果たすことだ…と思う」


ベルトルト「だから皆!本当にごめん!許してくれ…」ガバッ


ライナー「ベルトルトォ・・・!」ドバドバ


アニ「今までごめん…私たちのこと、そんなに心配してくれてたんだね…」


エレン「まあなんだ、お前が選択した結果は合ってたんじゃないか?」


クリスタ「良く分からないけど、ベルトルトは優しいってことだけ分かったよ!」


ベルトルト「皆ありがとう…!」


ジャン「あーあ、昼飯どうするよ皆?」


ライナー「俺がおごってやろう」ドヤ


アニ「みんなで割り勘で良いね?」


ジャン「そうしようぜ!」


エレン「そうしよう!(ワリカンってなんだったっけ)」


ベルトルト「何食べに行く?」


オレ、イイミセシテルゼ ホントカヨジャン!イコウゼソコ! オレノジッカノキンジョニアッテナ アホクサ… ソコニケッテイ!



だれですかジャンベルとか言う不届きものは!?









ちなみにこのSSではエレンとクリスタが天然過ぎて友達以上にならないという設定です

そこは急遽展開を変えたのでちゃんと作ってないんです

当初の計画通りのエンドもありますけど(小声)

これはIFエンドというヤツです
後味悪くなるよなー、ネタバレ不可避だよなーと思ってたら方向転換してました
では三十分位から始めます

時は>>65まで遡る・・・


ジャン「ああ!じゃあな!」


ベルトルト(……後はエレンとクリスタだ。あの二人相手だとアニとライナーは子守をしてるみたいだな)


ベルトルト(目撃者はジャンだけにしよう。僕からアニたちを誘ったら不自然だし)


ベルトルト(二人が帰ってくるまではゆっくり出来るな。続きはベッドで寝ながらだ)


アルミン「う〜〜〜ん…」


マルコ「……トスッ」


ベルトルト(アルミンとマルコはチェスをやってるな。さすがアルミン、マルコ相手にも優勢だ)


ベルトルト(寝室寝室っと……意外に遠く感じるな)


ベルトルト「ジャン?」


ジャン「ベルトルか」


ベルトルト「食堂の雰囲気はいやかい?」


ジャン「ここのほうが落ち着くってだけだ。考え事をするにはベッドが一番だぜ」


ベルトルト「さっきの件かい?それともミカサのこと?」


ジャン「さっきの件だ……俺は一体何をしでかすところだったのかって」


ジャン「確かにミカサがエレンに愛想を尽かすのならやりたいと思う。でもクリスタは関係ねぇだろ……」


ベルトルト「それが困ったところなんだよ。僕はエレンとクリスタのことは好きだから」


ジャン「すまねぇな……引き受けちまったのに俺が駄々こねて……」


ベルトルト「いいよもう。僕が直接見ればいいだけだし」


ベルトルト(だがやはり二人を僕が誘導するのは危険すぎるな……そうだ!)


ベルトルト「このことは言いふらさないでよ!」


ジャン「言いふらさねぇよ」


ジャン(死に急ぎ野郎……俺は卑怯な手は使わねぇぜ。正々堂々とミカサを奪ってやる!)


ベルトルト「じゃあ僕はここで休んでるよ」ボフッ


ベルトルト(…ジャンがダメなら手紙を使おう。ただアニに連絡を入れるだけでもいいんだ)


ベルトルト(手紙なら差出人にも僕の意図にも気付かれることも無い)


ベルトルト(そうと決まれば自習室だ。あそこなら誰にも邪魔されず手紙が書ける)

ベルトルト(便箋とペンは持った。そしてカモフラージュ用の教科書。完璧だ)


ベルトルト(僕がバカだったら怪しまれてたな……だがこの装備の僕はまさに文科系訓練兵にしか見えない!)


ベルトルト(自習室っていつも開いてるな……無用心だ)


ベルトルト(消灯後一時間後きっかり、倉庫裏で待ってる)


ベルトルト(出来るだけ筆圧を弱くしてみた……癖字も無いな)


ベルトルト(後はアニの荷物に紛れ込ませるだけ……どうやって?)


ベルトルト(サシャが居るじゃないか!これで完璧だな)


ベルトルト(後はターゲットと被害者達が帰ってくるのを待つのみ……寝よ)


ベルトルト(自習室から寝室ってやけに遠いな……)


ベルトルト(あ、サシャだ)


ベルトルト「サシャ!ちょっと頼みがある!」


サシャ「なんですか?私は今上機嫌ですから!この私に何でも言ってみんしゃい!」


ベルトルト「明日の朝パンあげるからアニの荷物の中にこれを紛れ込ませて欲しいんだ」


サシャ「了解です!今すぐですか?」


ベルトルト「お風呂の間に入れてくれれば一番いいけど」


サシャ「了解しました!」ピュー


ベルトルト(扱い易過ぎる・・・)


ベルトルト(これで夜までゆっくり出来るな)ツカツカ


ベルトルト「ジャン、起きてる?」ギイ


ジャン「グンモーッムグンモーム」


ベルトルト(うるさいな……でも寝てるな)


ベルトルト(僕も眠たいんだ……すごく眠たいよ……zzz)



ベルトルト「ハッ!?今何時だ!?」


ライナー「やっと起きたか。晩飯前だぞ?昼寝すると夜眠れなくなるぞ」


ベルトルト「もうそんな時間か……」ノソノソ


ベルトルト(あまり時間は無いな……)


ベルトルト「食堂に行くよ……」


ライナー「そうだな。今日は町で旨い物食ったから味が気になっちまうかもな」


ベルトルト「へぇ……何食べたの?」


ライナー「今日はジャガイモと腸詰ばかり食べたが、量も味もここの飯とは全然違う」


ベルトルト「お腹へって来たよ」


ライナー「晩飯前に飯の話はダメだな!」


ベルトルト「サシャ、どうだい?」


サシャ「ばっちりです……早めにお風呂でて素早くアニの荷物に紛れ込ませますよ!」


ベルトルト「頼んだよ?」


サシャ「任せてください!」


ベルトルト(……こう見ると誰も隙が無いな……約束を取り付けるのは結構難しいかな)




ベルトルトと同じくハンパない睡魔が襲ってきたので続きは深夜になります

ジャンのいびきwwwwww

>>85それはアザゼルさんネタです
気付いてくださってありがとうございます
では再開します

ベルトルト(まあサシャを使えばいいよね)


ベルトルト「サシャ、パンあげる」スッ


サシャ「いいんですか!?」


ベルトルトルト「ちょっと手紙見てみて」


サシャ「はい……」ペリッ


手紙「今日の消灯から一時間後、倉庫裏に一人で来てください面白いものが見られるかもしれません」


サシャ「……すごくシンプルな内容ですがこれが何か?」


ベルトルト「倉庫裏に一人で来てくださいまでをクリスタに伝えてきて欲しいんだ」


サシャ「分かりました。もちろん一人の時ですよね?」


ベルトルト「物分りが良くて助かるよ。じゃあパン置いておくから」ポム


サシャ「それじゃ!ベルトルト」


ベルトルト「うん、じゃあねサシャ」


ベルトルト(若干不安が残るけど、考えても仕方ない。残るはエレンだけだ)


ベルトルト(エレンにはコニーに伝えてもらおう)


ベルトルト「コニー」


コニー「なんだベルトルト?あ、今朝はありがとな!」


ベルトルト「いいよ……じゃあさ、ちょっとした恩返ししてもらおうかな?」


コニー「何をすればいいんだ?」


ベルトルト「今日の消灯時間一時間後に、倉庫裏に来て欲しいってエレンに伝えて欲しいんだ」ヒソッ


コニー「まあいいけどよ……何企んでんだ?」


ベルトルト「何もたくらんで無いよ……」


ベルトルト「ま、たのんだよ?」


コニー「やればいいんだろ?納得はしてねーけどな!」


ベルトルト(これで完璧)

ベルトルト(かといって(モグモグ)……アニが来るだろうか?もしかして)


ベルトルト(エレン「倉庫裏にうんぬん」 アニ「行けばいいんでしょ行けば(絶対行く)」 )


ベルトルト(この方が良かったような……それで、エレンとクリスタにはもう少し前に来てもらう)


ベルトルト(そうすれば早めに来たアニに見つかるって言う路線があったんだけど)


ベルトルト(既に計画は動き出しているんだ……ただ計画を成功させることだけ考えろ)


ベルトルト(とはいってもな……余計なことせずに待ってればいいんだもんな)


ベルトルト(食事が終わったら風呂に入って寝る。いつもと変わらないけどこれが、今僕がすべきことだ)


ベルトルト「……」ワシワシ


ベルトルト「ズズズ……」


ベルトルト「ゴリゴリゴリ……」


ベルトルト(すぐ完食しちゃったな……まあ少ないからだけど)


ベルトルト(本当はいつももう少し雑談があるからね……)チラッ


ライナー「ハハハ!」


クリスタ「ふふ!」


ユミル「ダハハハハハ!」


ベルトルト(ユミル、ツボに入ったのかな?笑いすぎ)


ベルトルト(でもちょっとだけ羨ましいな。僕の差し金とはいえライナーがあの二人にあんなに溶け込んでる)


ベルトルト(アニもエレンと楽しそうだ。アニエレンアルミンミカサジャンの5人であんなに楽しそうに)


ベルトルト(!!!???…ジャンなんでそんな溶け込んでるの!?持ち前のトーク力が評価されたと言うのか!?)


ベルトルト(食堂は疲れるな。風呂に入ろうか) ガタッ

ベルトルト(風呂場のロッカーの鍵を足首に巻きつけるとゲイサインらしいな)ヌギヌギ


ベルトルト(なるほど、ライナーはそれでホモ扱いされてたわけだ)


ベルトルト(でもそれ噂の発信者がホモって事だよね?)


ベルトルト(怖い怖い!アルミンとか大丈夫だろうか)マッパダカーニバル


  カポーン


ベルトルト「いいお湯だった……」


エレン「ベルトルトのチンコデケェwwwwww」 ヒソ


アルミン「すごかったね!」 ヒソ


ベルトルト(こいつら潜在的ホモなんじゃないか?)


ベルトルト(まあいい。眠い……今日は神経をすり減らしてばかりだったからな)


ベルトルト(僕は安心して寝るだけだ。そうすれば……二人は戦士に戻る)


ベルトルト(食堂にはもう人は居ない。皆風呂に入ってる)


ベルトルト(あ!サシャがこっちみながら親指を立てた……ムカつくけど成功させてくれよ)


ベルトルト(寝よ……起きて食堂に着いた頃にはアニは死んだ魚のような目をしてるはずだ)


ベルトルト(戦士一歩手前の目だ。ライナーが死んだゴリラのような目をしていたらなお嬉しい)


消灯後一時間経過


エレン(コニーにとりあえず行けって言われたけど……なんだろう)


エレン(あ、クリスタが居るな。たぶんコニーにも言われたんだろうな)


エレン「クリスタ、お前も(コニーに来いって言われたの)か?」


クリスタ「エレン!?どうしてここに?」


エレン「今日この時間にここにこいとだけ言われたんだけど」


クリスタ「私も……でもちょっと早く来ちゃったね」


エレン「あ!クリスタ、髪にクモの巣がついてるぞ。取ってやるから動くな」


クリスタ「た、たしかにここ虫多いね……」プルプル


アニ(ちょっと早く来すぎたね……で何が面白いn——)


アニ(なにあれ……エレンとクリスタが……なにしてるの?)


アニ(え?長い長い!あいつら…)


アニ(……私は戦士になり損ねた……)


アニ(まさか、よりによってクリスタとはね……)


アニ(ミカサならまだ襲われたとか無理やりだったとか、いくらでも言い訳出来ただろうに)


アニ(あれ?何で泣いてるんだろう)


アニ(涙が止まらない……こんな所誰にも見せられない……帰ろう)


アニ(なんで?私……そんな……私は……巨人だから?)


アニ(私のような化け物は……)


アニ(もういい。明日ライナーに相談しよう)

ベルトルト(ちょっと気になるから見回りしてみよう…昼間寝ていたので目が冴えるし)


ベルトルト「アニ!?どうしたんだいそんなに泣いて!?(計画成功か)」


アニ「ベル…トルト」ダッ


ベルトルト「なにかあったの?僕でよかったら相談に」


アニ「ベル兄ちゃん……私、失恋しちゃった」ダキッ


ベルトルト「アニ……そういえばアニは僕以上に泣き虫だったよね……」ナデナデ


エレン「結構待ったけど誰もこねぇな。教官に見つかったらやだし帰ろうぜ」


クリスタ「そうだね。夜更かしは女の敵って言うし」


エレン「ア、アニ……何してんだよあれ……」


クリスタ「ベ、ベルトルトに抱きついて泣いてるの!?しかもベルトルト、頭ナデナデしてるし」


エレン「マジかよ…………」


クリスタ「は、早く寮に帰って寝よう!嫌なことは寝て忘れようよ!」アタフタ


エレン「そうだな……帰るか」


ここに新たな犠牲者が生まれた!



ベルトルトの計画は果たして無事に終わるのか!?
次回へ続く

翌朝 食堂


ベルトルト「おはようコニー。ちゃんと言っておいてくれたみたいだね」


コニー「それなんだけどよ、ベルトルト……エレンとアニのヤツずっと泣いてるんだが」クイッ


エレン「……」モグモグ


ミカサ「クリスタ、貴方なにかしたの?まさかエレンの貞操を……!」


クリスタ「違うよ!」


アルミン「違うよ!」


コニー「何かしたのか?」


アニ(………クリスタ………)ガジガジ


ミーナ「アニ?それスプーンだよ?」


ベルトルト「アニとは少しだけ話したけど昨日はエレンとは殆ど喋ってないんだけどな……」


コニー「あとライナーも元気ないな」


ライナー(まさかエレンの野郎、女を一気に3人囲い込むとはな……油断してたぜ)


ベルトルト(アニはライナーに相談したみたいだな……上手く行き過ぎて怖い)


ベルトルト「ちょっと行って来るよ」


コニー「ああ……」


ベルトルト「おはようライナー。ってあれ?元気ないね」


ライナー「そっとしてくれ……すまんな」


ベルトルト「なにか有ったの?僕でよければ相談してくれよ」


ライナー「………」


ベルトルト「アニが元気ないのとは関係あるのかい?」


ライナー「まあそんなとこだ」


ベルトルト「ちょっと行って来るよ」


アニ「ベルトルト……昨日はごめん……泣きついちゃったりして」


ミーナ「ええ!?ベルトルトに抱きついて胸を濡らしちゃったの!?」


ベルトルト「いや……大げさだよそれは」


アニ「余計なことは言わないで」

ミーナ「そう……なんか怖いしあっちで食べよ」ガタッ


ベルトルト(ミーナ、ナイスだよ!)


アニ「で……あれはね、その……エレンが」


エレン「ベルトルト、話があるんだが」


ベルトルト「……アニ、ちょっと行って来るよ」 ガタッ


エレン「ついてこい……」


クリスタ「エレン!怖すぎだよ!」


ベルトルト「ああ……」スタスタ


エレン「俺を騙したな?」


ベルトルト「一体だれが?なんのことだい?」


エレン「なぁ…?ベルトルト。お前だよ腰巾着野郎……」


エレン「どう思った?あの時……どう思ったんだ?」


ベルトルト「(まさかばれたのか!?)あの時は……気の毒だと思ったよ(アニが)」


エレン「てめぇふざけてんのか?」


クリスタ「ひどい……」


エレン「アニが目的か!?俺を利用したのか!?」


ベルトルト「アニだけじゃない。ライナーもだ」


クリスタ「!!???」


エレン「!!????」


クリスタ(え!?男の子同士って事?そんなの間違ってるよぉ……)


エレン(なんて野郎だ……)

ベルトルト「どこまで知ってるんだ?」


エレン「お前と!アニが抱き合ってるところだ!」


ベルトルト(あーこれは絶対ばれてないな。そもそもこのアホ'sが気付くわけないよね)


ベルトルト(もっともらしいことをまくし立てる作戦で行こう)


ベルトルト「アレは多分……アニが誤解したんだと思うよ」


エレン「…は?日本語しゃべれよ!?日本語喋れねぇんなら[ピーーー]よ!」


ベルトルト「昨日僕は眠れなくて散歩していた……すると涙目のアニが立っていた」


ベルトルト「声をかけたら走ってきて、そのまま抱きつかれたんだ」


ベルトルト「なんで泣いてるのか聞けなかったけど……エレン、君のせいだったんだね」


エレン「何言ってやがる!?一体何が俺のせいなんだよ!?」


クリスタ「どういうこと?」


ベルトルト「クリスタ、エレン、君たちは昨日、どこで何をやってたんだい?」


エレン「倉庫裏に呼び出されて……しばらく待ってんだ」


クリスタ「私も……」


ベルトルト「呼び出された人間は誰だい?そいつは来たのかい?」


エレン「俺はコニーに呼び出されたんだ」


クリスタ「……私はサシャに呼び出されたの。その後は誰もこなかったよ」


ベルトルト「嘘をつくな!」


ベルトルト「呼び出された真犯人は不明、そいつは来なかった、それを信じろと!?」


ベルトルト「お前達は多分倉庫裏に居たんだろう。アニがその近くに居たから分かる」


ベルトルト「多分アニは見てしまったんだよ!二人きりの君達を!」


ベルトルト「そこで何をしてたんだ!?いや、仮に何もしていなくてもだ!」


ベルトルト「消灯後に人気のない倉庫裏で二人っきりで居たらだれだって誤解するよ!」


ベルトルト「君はアニのことが大事なんだろ!?アニだって君の事が大事なんだよ!」


エレン「……」


クリスタ「……」


ベルトルト「そんなアニがクリスタと君が二人きりで居るところを見たんだぞ!?なんとも思わないのか!?」

エレン「……悪いがお前の話しは信用ならねぇ。だから直接アニに聞きに行ってやる」


ベルトルト「分かった。好きにしろ」


クリスタ(ベルトルトって興奮したら口調が荒くなるタイプなんだ……)


ベルトルト「災難だった……柄にもなく大声出して説教しちゃったな……」


サシャ「怖かったですよ今の……」ヒョコッ


ベルトルト「うわ!?サシャ!??」


サシャ「ベルトルトって案外いい所あるんですね」


ベルトルト(サシャに褒められても全然嬉しくない……)


ベルトルト(……コニーサシャジャンの誰かに聞かれたら僕終わりじゃないか?)


ベルトルト(怖すぎる……下手をすればミカサとアニの二人にやられそうだ)


ベルトルト「別に僕はそんなつもりじゃ・・・」


サシャ「ベルトルトって怒ると口調が変わるんですね。私とおなじです」


ベルトルト「サシャも変わっちゃうの?」


サシャ「私の故郷の言葉が出ちゃうんですよ……恥ずかしいです」


ベルトルト「ちょっと故郷の言葉で喋ってみてよ」


サシャ「嫌ですよ!絶対喋りませんから!」


ベルトルト「言葉って大事だよ?言葉を嫌うって言うのはその言葉を話す全ての人を嫌うって事だから」


ベルトルト「故郷の家族もその気持ち悪いぐらい丁寧な言葉で喋ってるわけじゃないだろ?」


サシャ「別に故郷の言葉が嫌いって訳じゃないですけど……」


ベルトルト「気持ちは分かるよ。僕も些細な習慣の違いで恥ずかしい思いをすることもあるし、言葉なら尚更だ」


サシャ「私もですね、靴を室内と外とで使い分けるのを知ったときはビックリしました」


ベルトルト「それは恥ずかしいね……入ってすぐに玄関で注意されたって事?」


サシャ「はい……」


ベルトルト「僕はね、ここに入ってきた頃に寝るときは全裸で寝てたんだ」。ライナーと同じベッドでね」


ベルトルト「しかもライナーも同郷だからもう勘違いされまくっちゃって!」


サシャ「あはははは!ライナーホモ説ってそれが始まりだったんですね!」


ベルトルト「三年たっても誤解が解けない人もいるんだ……ユミルとか」

エレン「おい…随分と楽しそうじゃねぇか」


クリスタ「ベルトルトは女の敵だー!」


サシャ「なんか分からないですけど退場しますねー」ピュー


ベルトルト(ナイスだサシャ!)


エレン「冗談だ。ごめんなベルトルト…まさか本当だとは思ってなくて」


クリスタ「ごめんね……ベルトルトを責めるのはお門違いだったよね」


ベルトルト(ホッ……コニーにはなにも聞いてないみたいだ……ジャンには聞くはずないか)


エレン「アニに聞いた。お前の言ってた事、全部あってたよ」


ベルトルト「誤解が解けたならいいよ。それでアニとライナーには謝った?」


エレン「ライナーも見たのか?」


クリスタ「そういえばライナーって私の事好きだったよね」


ベルトルト「いや……ライナーはアニに相談を受けたみたいで」


ベルトルト「クリスタがエレンに取られたって思ってるんじゃないかな」


エレン「行こうぜ!」


クリスタ「うん!」


クリスタ「でもベルトルト、随分とサシャと仲良さ気だったけど?」ニヤニヤ


ベルトルト「僕の鉄板ネタを話してただけだよ……」


エレン「あああれか!俺も最初はビックリしたぜ!お前らが居る部屋で寝るのが怖かった」


ベルトルト(ヒドいな…)


クリスタ「どんなの?聞かせてよ!」


ベルトルト「ライナーがホモ呼ばわりされてたのは知ってるだろ?主にユミルに」


ベルトルト(クリスタが完全に払拭しちゃったけど)


クリスタ「最近言わなくなってるけどね」


ベルトルト「その発端の事件なんだ」

ベルトルト「僕とライナーは同郷で、僕らの故郷には変な習慣があったんだ」


ベルトルト「それは全裸で寝ること。直したけどこれのせいで僕とライナーはホモ扱いされるようになったんだ」


ベルトルト「さあ寝ようかといってベッドの上で服を脱ぎだす二人の大男っていうのは自分でも酷い絵面だと思うよ」


クリスタ「私もやるけど……あとサシャもやってる」


ベルトルト(!!???……これはライナーに教えてやらないと)


エレン「あー俺もアルミンとおやすみのハグしたらビックリされたな」


ベルトルト「僕らが強烈過ぎてみんな忘れたけど二人もホモ扱いされてたよね」


エレン「しばらくは夜になるとジャンとマルコが震えてたよな」


ベルトルト「アレはちょっと可哀想だった」


エレン「その後ジャンのいびきがうるさいことが判明して寝室は地獄になったんだよな」


クリスタ「サシャもいびきうるさいよー。ミカサは寝言でエレンエレンって言ってるし」


エレン「俺もそれは最初変だと思ってたけどもう慣れた」


ベルトルト「クリスタ、面白そうだからサシャのこともう少し聞かせてくれ」


クリスタ「ええ〜?そんなに知りたいの?サシャのこと」


ベルトルト「ミーナとかユミルのことでもいいよ」


クリスタ「ミーナは寝る前に髪解くんだけど結構印象変わってかわいいよ」


エレン「それ興味あるな!」


ベルトルト「エレンもそういう感情あるんだ」


エレン「ふざけんな!あるっつーの!」

ベルトルト「はは……」


クリスタ「私、そろそろ行くね」


エレン「もうそろそろ飯の時間も終わるな」


ベルトルト「そうだね……僕ジャンに話があるから食堂に戻るよ」



エレン「ごめん!」


クリスタ「ごめんなさい!」


ベルトルト「ごめんねアニ……僕のせいで誤解されちゃって」


アニ「いいって……二人とも頭あげなよ」


エレン「許してくれるのか!?」


クリスタ「ほんと!?」


アニ「いや別になにかしてたわけじゃないんでしょ?だったら怒る理由はないよ」 


エレン「ありがとうアニぃぃ!」ギュ


クリスタ「ありがとぉぉぉぉ!」ダキッ


アニ「二人とも離れろ!恥ずかしい!」


ベルトルト「アニ、今から少し時間取れる?」ヒソ


アニ「わかった」ヒソ


アニ「二人とも離せ!」


エレン「うわ!」


クリスタ「きゃ!」


アニ「私はベルトルトにきついお仕置きをしておくからちょっと外に出る」


エレン「ベルトルト忙しいな!」


クリスタ「かわいそ〜」

アニ「話でもあるわけ?」


ベルトルト「あるけど……その前にライナーを呼んでこないといけないからここで待っててくれる?」


アニ「わかったよ……」


ベルトルト「じゃあね!すぐ戻るから!」


ライナー「なんだ?せっかく機嫌が良かったのに……任務の話か?」


ベルトルト「そうなんだ……まず、二人はもう戦士じゃなくなってるだろ?」



時は5分前に遡る


ベルトルト(ライナーがすごい勢いで謝罪されてるな。タジタジってやつだ)スタスタ


ベルトルト「ジャン!一人かい?」


ジャン「ああ……ミカサに一緒に食べようって言ったんだけどよ、エレンが気になるから無理って意味不明な理由で拒否された」


ジャン「マルコはミーナに取られちまうし……そんで俺一人って訳だ」


ベルトルト(割とどうでもいい)


ベルトルト「ジャン……君は僕の持ちかけた計画、どう思った?」


ジャン「断ったのはいいけどよ、俺以外の誰かが利用されるんじゃないかって、ずっと考えてた」


ベルトルト「コニーとサシャを利用したよ。残念ながら失敗に終わった」


ジャン「結構いけてると思ってたんだけどな。どうなったんだ?」


ベルトルト「段取りは完璧だったんだけど、泣いてるアニに抱きつかれてるところを見られちゃってね」


ジャン「そうか……で、二股とか言ってたがアレは嘘なんだな?」


ベルトルト「真っ赤な嘘。あの二人は5歳児並に純粋だよ」


ジャン「……それでどうなった?」


ベルトルト「そのあとそのことでエレンとクリスタに問い詰められて、事実をぶちまけてやった。事情はアニに聞きにいった」


ベルトルト「それで戻ってきた二人に謝罪されて、いまライナーに謝ってる」


ジャン「本当だ……確かに大失敗だな」


ベルトルト「謝られて誤解が解けたら絆深まっちゃうじゃないか!最悪だよ」


ジャン「お前のことだ。なにか考えがあってやったんだろうが……まさか私怨でやったなんて事はねぇよな?」


ベルトルト「さあね」


ジャン「まあいい。もう俺は関係ないからな」


ベルトルト「ありがたいね。そのほうが嬉しい」


ジャン「じゃあな。俺は計画なんて何もしらねぇからな!」


ベルトルト「ああ!」


ベルトルト(これでやっと決心がついたよ二人とも)

アニ「話でもあるわけ?」


ベルトルト「あるけど……その前にライナーを呼んでこないといけないからここで待っててくれる?」


アニ「わかったよ……」


ベルトルト「じゃあね!すぐ戻るから!」


ライナー「なんだ?せっかく機嫌が良かったのに……任務の話か?」


ベルトルト「そうなんだ……まず、二人はもう戦士じゃなくなってるだろ?」


ベルトルト「それで僕は君達を戦士に戻そうとした」


アニ「意味わかんないけど」


ライナー「なんのことだ?」


ベルトルト「昨日のことは僕がやったんだ」


アニ「昨日のこと?」 


ライナー「全く分からん」


ベルトルト「昨日アニを呼び出したのも!エレンとクリスタを呼び出したのも僕だってことだよ!」


ライナー「なんだって一体そんなことを・・・?」


アニ「ベルトルト……」


ベルトルト「君達にここの人間に恋をする空しさと無意味さを教えるために」


ライナー「いくらお前でも許せん……!」


アニ「……傷つくよ」


ベルトルト「だがそれは失敗に終わった……まさか二人に気付かれるとは思ってなかったよ」


ベルトルト「二人が気付かない間に君たちは傷つき、任務に集中する、そういう手はずだったんだけど」


アニ「私は……戦士になんてなりたくない」


ライナー「お前は壁を破ってないからそんな事が言えるんだ」


アニ「なっ!?」


ライナー「お前は先陣を切ったベルトルトの気持ちを考えたことがあるのか!?」


ライナー「あいつらが知ってる俺たちなんて最初から居ないんだよ!ここに居るだけで俺たちは重罪なんだよ!」


ライナー「俺はもう迷ったりしねぇぞ。壁を壊してあいつらを皆殺しにする」

ベルトルト(それだよライナー)


アニ「分かったよ……私は憲兵団に入る。でも訓練兵の間だけは好きにさせて」


ライナー「そうだな……お前も好きにしたらどうだ?どうせ後半年ほどだ」


ベルトルト「な、何を言ってるんだライナー!?話を聞いていたのか!?」


ライナー「一緒にいて解った。エレンはもちろんだがクリスタは憲兵団に入るような奴じゃない」


ライナー「お前の気持ちも解る。だがな、俺たちは戦士だが兵士でもあるんだ」


ライナー「俺は……次に変身する瞬間まであいつらと心からの仲間でいたいと思ってる」


ライナー「お前のことは尊敬する。そこまで自分を[ピーーー]なんて俺には耐えられない」


ベルトルト「君達の言い分はわかった。好きにしろよ。どうせ中心になるのは僕だし」


ライナー「無理はするなよ」


アニ「あんたもね」


ベルトルト「僕だけで全部の壁を破壊することだって出来るんだ。君たち無しでもやっていける」


ライナー「このツンデレめ」


アニ「男のツンデレなんて気持ち悪いだけだね」


ベルトルト「そんなつもりないんだけど」












なんか伏字になっちゃいました

○ ライナー「そこまで自分を抑えるなんて俺には耐えられない」

ベルトルト(訓練中ぐらい好きにさせてやるか……)スタスタ


サシャ「ベルトルト!お話しましょう!」


ベルトルト「うわ!!またか」


サシャ「ベルトルトの話、もっと聞かせてください!」


ベルトルト「う〜んそうだな……ライナーがホモ扱いされるのには他にもあるって言っただろ?」


サシャ「あるような、ないような?」


ベルトルト「……ライナーは知らず知らずのうちに自分がホモだというサインを出していたんだ」


サシャ「どんなですか?!」


ベルトルト「お風呂に入るとき、ロッカーの鍵を足首につけるんだ」


サシャ「私は頭の上においてますけどね」


ベルトルト「それがサインだったんだ。道理でライナーが触られるって相談してくるわけだよ」


サシャ「ライナーは不憫ですね」


ベルトルト「そうだね。じゃあサシャの話をしてよ」


サシャ「私ですか……そうですね、落とし穴を作ったんですけど、家の近く過ぎてお父さんが落ちちゃったことがあります」


ベルトルト「ブフゥゥw で、ど、どうなったの? 」


サシャ「幸い刃物は入れてなかったので大事には至りませんでしたが、ご飯抜きになっちゃいました……」


ベルトルト「サシャらしいな。叱られるよりご飯抜きのほうが辛いって解ってるんだね」


サシャ「ええ……まあ…」


ベルトルト「ハイこれ。ここに来すぎて食べられなかったけど、あげるよ」


サシャ「ありがとうございます!ベルトルト!」


ベルトルト「うん……(ドキッ)」


ライナー(ベルトルト、恋っていいぞ)



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