とある都のとある城郭。うら若き乙女たちは栄耀栄華を求め此処に集う――。
夢の為、富の為、友の為。柔肌を剥き出しにして彼女たちは己を示す――。
それ故、たおやかな彼女たちの平穏は常に脅かされていた――。
藍子「きゃー!」
愛海「うひひ~!あのね、大きさじゃないんだよ?」ワキワキ
今日も今日とて毒牙が一人の少女の柔肌に突き立てられる――。が、その時。
??「めぇんっ!!」
愛海「あだっ!?」スパンッ
清良「悪い子にはお注射しましょうね~」プスッ
愛海「あひぃっ――」バタン
――閃くは一筋の正義の光。刹那に欲望を斬り裂き、少女を救った。
??「危ないところでしたね……お怪我はありませんか?」
藍子「あ、ありがとう、珠ちゃ――」
??「礼には及びません!え?わたしの名前??はっはっはっ!この珠美、名乗るほどの者ではありません!
えっ?どうしても??参ったなぁ……仕方ありません!わたし、脇山珠美と申すもので――ご、ござる!」カァァ
己の信じた正義を刃に託し柄を握る。
その者。姓を脇山。名を珠美と申した。
珠美「ではわたしはこれにて失礼をば……」チラチラ
藍子「……?」ポカーン
珠美「失礼をば!!」
藍子「えっ、えっ?痛っ!? あっ、あやめちゃ――そ、それを読めば良いの?」
藍子「『お待ちください、お侍様!』」
珠美「……。お嬢さん。先立つ不幸をお許し下さい……珠美はこの世に蔓延る悪の芽を全て刈り取ると決めたのです」
藍子「先立つ不孝ってそう意味じゃ……え?また?えーと……『せめて、お名前だけでも!』……さっき聞いたよね?」
珠美「……ふっ。名乗るほどの者ではございません……しかし、どうしてもと言うのなら致し方ありませんね。
不肖このわたし、脇山珠美と申します。まだまだ修行の身の上ですが、剣士を志す流浪人……ふっ。少し長く話し過ぎましたね。
では、これにて失礼をば……」スタスタ
藍子「……」ポカーン
――この物語は一人のちびっ娘剣士が、人の心に巣食う魑魅魍魎を伏せる一振りの快刀と成るまでを追った、戦いの記録である……。
珠美「ちびっこちゃうし!」
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強引な宣伝だよってミサカは(略
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珠美「Cu四天王?」
あやめ「はい。水本ゆかり、五十嵐響子、緒方智絵里、佐久間まゆ――今この≪しんでれらぷろだくしょん≫を牛耳っているのは
この四人かと。先の賊も彼女たちの傘下の者のようです。他にも多数の力なき者たちが、彼女たちに脅かされているとか」
珠美「なるほど……。それは由々しき事態ですね。この珠美、看過出来ません!
しかし素性の碌に知れない相手と正面からぶつかりあうのは愚の骨頂というもの、まずは聞き込みから始めましょう!」
あやめ「そう言うと思いまして既に協力者を用意しています」
珠美「流石はあやめ殿!忍の鑑!」
あやみ「いやぁ!それほどでもございませんよぉ!」テレテレ
凛「あの……割って入るようで申し訳ないんだけど、良いかな?それとも、この茶番もう少し付き合った方が良い?」
珠美「茶番などではありません!例え凛殿であろうともそのような狼藉は許しませんよ!」
凛「はいはい。ごめんねごめんね」ナデナデ
珠美「どうして頭を撫でるのですか!?やめてください!」
あやめ「こほんっ……では凛殿。お話をよろしくお願いします」
凛「あっ、うん。実はね、まゆなんだけどさ」ナデナデ
珠美「珠美の頭から手を降ろしてください!同年代から頭を撫でられる屈辱は凛殿には到底解からないのでしょうね!」
凛「なんだかうちのハナコを撫でているようでさ、もうちょっとこのままでも良いかな?」
あやめ「どうぞ」
珠美「勝手に決めるのは止めて頂きたい!あと凛殿、珠美は貴女の子飼いのワンコではありません!」
凛「ふふっ。ワンコだって」ナデナデ
あやめ「可愛いですね~」ナデナデ
珠美「あやめ殿まで……!た、珠美を、う、裏切るのですか……!?」
あやめ「聞いてください。珠美殿。これも策なのです」
珠美「策……!?」
あやめ「えぇ。こうして凛殿の気を緩め、彼女の持つ情報を根こそぎ譲ってもらうためには珠美殿のお力添えが必要不可欠なのですよ」
珠美「珠美の……力が……必要!」
あやめ「ですからどうか暫しの間、武士の心意気で、堪忍して下さい」ニッコリ
珠美「……!ふっ。ならば致し方あるまい……凛殿!存分に珠美の頭を撫でると良いでしょう!しかしならば相応の報いが在って然るべき!
知っていることを洗いざらい話していただきましょう!」
凛「うん。良いよ」ナデナデ
珠美「いえーい!」
あやめ「ふふっ……強くなりましたね、珠美殿……!」ナデナデ
凛「で、話を戻すよ。Cu四天王って言っても、私から苦情があるのはまゆなんだけどさ」
あやめ「これはいきなり強敵ですね……」
珠美「強敵、とは……!?」
あやめ「佐久間まゆ殿……彼女は実質的にCu四天王の頭領と言っても過言ではないでしょう。
何せ実力が他の追随を許しませんから……ですよね、凛殿?」
凛「うん、まぁ、確かに強敵、かな?とにかく厄介な子だからね」
珠美「なるほど……!」ゴクリ
あやめ「Cu四天王の構造上、一人を倒せばなし崩しという訳にはいかない……ですが此処でまゆ殿への
秘策を練れるのは絶好の機会です。凛殿。何卒詳しくお願いします」
凛「あれ?弱点とかって話した方が良いの?というかそんなの知ってたら自分でどうにかするよ」
珠美「それでは凛殿の身を危険に晒す事になってしまいます!貴女に傷を付けては武士の名折れ……
直接はどうか珠美にお任せください!」
凛「……ありがとう」ナデナデ
あやめ「ふふふ……」ナデナデ
珠美「(何故でしょう……そんなに悪い気がしてこなくなってきました……)」
凛「話を戻すけどさ。まぁとにかくまゆのプロデューサーへの執念が凄いんだよね。
プロデューサーもどうにかしたいみたいなんだけど、言っても聞かないみたいで、
私もさ、あんまり過度な事は止めた方が良いって言ってるんだけど……」
あやめ「暖簾に腕押しというわけですか」
凛「うん。そうなんだよね。だからなんとかしてあげられないかなって」
珠美「凛殿は健気なのですね」
凛「えっ、あっ、そ、そうかな///」
あやめ「話を総括するに、現状まゆ殿への効果的な手段を誰も持ち合わせていないと」
凛「まぁ、そういうことかな……ごめんね、力になれなくて」
珠美「なんの!困っている民に手を差し伸べることこそが珠美の本懐……!凛殿の熱い想い、確かに受け取りました!
必ずや期待に応えて見せましょう!」
凛「そっか。そう言って貰えると、嬉しいかな」ナデナデ
珠美「えへへ♪」
あやめ「(珠美殿……精進ですよ!)」ナデナデ
深夜テンションで建ててしまった。後悔はしていない
とりあえずHTML化は寝て起きた時に悶絶するかしないかに委ねます
これにて失敬
凛「それじゃぁ私はこれからレッスンがあるから」
珠美「あやめ殿。珠美は浅はかでした。よもや、これほどまでに事態が深刻化していたとは……」
あやめ「無理もございません。それこそが四天王たる所以……。して、如何なさいましょうか?
まゆ殿に果し合いを申込むのですか?情報収集を続けますか?」
珠美「いずれは刃を交える間柄!闘志燃ゆる内に決着を付けるのが定石!
佐久間まゆ殿、いざ尋常に勝負なり!!」
まゆ「まゆがどうしたんですかぁ?」
珠美「」
あやめ「あっ……ま、まゆ殿……」
まゆ「あやめちゃん、珠美ちゃんおはようございます」
あやめ「お、おはようございます!」
珠美「おっ、おはっ、おはははは」ガタガタガタ
まゆ「……うふ。今ですねぇ、まゆの聞き間違いだったら良いんですけどぉ、
珠美ちゃんから『尋常に勝負』って……申し込まれたような気がするんですがぁ?
……詳しく話してもらえますかぁ?」ニッコリ
あやめ「(なっ、なんという威圧感!全く隙がありません!!珠美殿も蛇に睨まれた蛙の有様、
尋常ならざる躍動を奮うアホ毛が彼女が今とても戦闘出来る状態ではいない事を如実に示しています!
ひとまず体勢を立て直すのが得策!!)」
あやめ「忍法口寄せ――『おはようございます!プロデューサー殿!』」
あやめ「撤退!!」ガシッ
珠美「寿限無寿限無後光の水魚……」ブツブツブツ
あやめ「珠美殿……!お気を確かに……!」タッタッタッタッ
珠美「カルフォルニアマキアリマスカー?……」ピョコピョコ
まゆ「……嵐のような人たちですねぇ。結局なんだったんでしょうかぁ?
まぁ良いわぁ。本当にプロデューサーさんが来る前に書類の整理とお茶の準備でもしていましょう」パタパタ
珠美「――はっ、此処は!?た、珠美は――まっ、ままままま、まゆ殿は!?」
あやめ「……ようやく目を覚ましたのですね……」ハァハァ
珠美「――あやめ殿!どうしたのですか!?酷く疲れているご様子ですが……」
あやめ「わたくしも……修業が足りませんな……ちびっこ一人運んだ程度でこの様とは……」
珠美「なんでさりげなく珠美の事を侮辱したのか申し開きをしていただいてよろしいですか?」
あやめ「ふふふ……珠美殿……貴女の剣に惚れこみ、お供をさせて頂いたこの刹那……幸せでございました……
たとえこの身が朽ちようとも、永劫忘れ去れることはないでしょう……」ゴホッ
珠美「あやめ殿!お気を確かに!!」
あやめ「出来ればこの目と耳で迎えたかった……いつの日か貴女の名が天上天下に遍く渡る時を……
この浜口あやめ……楽しみに……して……おり、ます……――」ガクッ
珠美「――あやめ殿おおおおおおお!!」
珠美「なんてことだ……すべては珠美の身から出た錆……!その犠牲に、あやめ殿は……!」
珠美「あやめ殿……!この珠美、貴女の期待に見事答えて見せましょう!そして天下に知らしめるのです!
私の友こそが、唯一無二の快刀だったのだと!!」
あやめ「zzz」グー
珠美「冷たい床ですが……暫しの間我慢してください……必ずやCu四天王を討ち取り、此処に戻ってきます故……」
珠美「では、行って参ります」
ガチャッ
智絵里「あっ……」
珠美「」
珠美「(よもや立て続けに……!しかし僥倖……!探す手間が省けたというもの!!
正直智絵里殿には負ける気がしません!珠美より弱そうです!!)」
智絵里「あっ、あのっ、おっ、おはようございま――」
珠美「――此処で会ったが百年目!緒方智絵里殿!!珠美と尋常に勝負してください!!」
智絵里「えっ? しょ、しょう、ぶ?」ワタワタ
珠美「(目に見えて狼狽なさっている……しかし、これはおそらく珠美を油断させるための罠!
あやめ殿の脳天を刺した凶刃を珠美は忘れてはおりません!!)」
珠美「さぁ……構えてください」スッ
智絵里「えっ!?し、竹刀?あ、危ないです……し、しまって……!」キョロキョロ
珠美「なんと!武士の魂たる刀を捨てろと!?なんたる豪胆な……だが良いでしょう!
徒手空拳でも、珠美は負けはしません!!」カランッ
智絵里「あっ……ろ、廊下でも、物を投げちゃ……メッ。チョップです、えいっ」ブンッ
珠美「あっ――」トンッ
レナ「一本」
智絵里「ちゃんと、拾いましょう、ね?」
珠美「そんな……珠美は、負けたのですか……!」ガクッ
智絵里「えっ?あっ、竹刀拾って……うぅ」パタパタパタ
智絵里「は、はい……珠美ちゃん」
珠美「……情けは無用です。自分の志だけでなく、珠美は亡き友の想いに一抹たりとも応えられなかった……煮るなり焼くなり好きにしてください」
智絵里「えっ?あっ、そ、そんなこと、しません……」
珠美「智絵里殿は珠美に生き恥を晒せというのですか!? こ、これが四天王の所業……!――ならばこの珠美!
腹を切り自害致します!!止めないでください!!これ以上友の名を汚すことは珠美が許せないのです……!」
智絵里「し、竹刀でお腹は切れないんじゃ……え、えーと……」
珠美「では珠美はどうすれば……!どうやってあやめ殿に託された想いに応えれば良いのですか……!」
智絵里「えっ、あ、えーと……えーと……」ウーン
智絵里「!!」パンッ
珠美「うわぁっ!?び、びっくりした……」
智絵里「あ、ご、ごめんなさい……」
珠美「き、気を付けてくださいね……!」バクバク
智絵里「うぅ……た、珠美ちゃん……時間、ありますか?」
珠美「智絵里殿には珠美が暇そうに見えるのですか?まぁ、暇ですが」
智絵里「じゃ、じゃぁ……四葉のクローバー、探そう?」
珠美「……四葉のクローバー?」
智絵里「は、はい……」コクコク
珠美「(四葉のクローバー探しと言えば宝探しの初歩にして最終試練。これを修めた者こそが真の天下取りなのだと
司馬先生も仰っていた……。――そういえば聞いたことがある。智絵里殿の趣味はクローバー採集だとか……。
智絵里殿、見た目にそぐわず野心の強いお方なのですね……)」
珠美「……良いでしょう。最早珠美に選択肢などありません。その勝負、受けて立ちます!」
智絵里「うん……え?勝負?……あっ。どっちが、先に見つけられるの、か?」
珠美「えぇ!武では後れを取りましたが、この珠美!四葉のクローバーは今までに六回見つけたことがあります!
決して負けはしましません!」
智絵里「ろ、六回……?それってすごいのかな……――す、すごーい」パチパチ
珠美「いやぁ!それほどでも!!」テレテレ
智絵里「ふふっ……。それじゃぁ、行こう?」
珠美「えぇ!いざ、決戦の地へ!!」
次回 Cu四天王編 緒方智絵里章 ≪終幕≫
珠美「やった見つけたああああああああああ!!」
智絵里「ふふっ。すごいすごーい……」パチパチ
珠美「いえーいっ!!」ピース
――そして現れる新たなる四天王【水本ゆかり】
ゆかり「zzz」
珠美「えっ、いやっ、ちょっと!?は、離してくださいぃっ!?」
ゆかり「ふふっ……プロデューサーさん……暴れないでください……♪」
珠美「珠美はプロデューサー殿ではありません!ゆかり殿寝ぼけてないで起きて!やっ、ちょっとぉ、痛い痛い!誰か助けてぇ!」
――窮地に立たされた珠美。彼女のピンチを救ったのは……!
???「危ない所でしたね、珠美殿!」
珠美「あ、貴女は!」
???「ニンニンッ☆」
次回 Cu四天王編 水本ゆかり章 ≪開幕≫
なんとなく連続で書いてみました
此処まで来たら最後まで書いてみます。折角建てたんだしね
正直頭に浮かんだことをスパスパ出しているんで構成については俺自身もよく解かっていませんので
理解しようと思わない方が良いでしょう
あと>>2なんですが
× あやみ「いやぁ!それほどでもございませんよぉ!」テレテレ
〇 あやめ「いやぁ!それほどでもございませんよぉ!」テレテレ
訂正です。失礼しました
あやみって誰や年
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