サシャ「……」コニー「……」 (73)
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「……コニー?」
コニー「あー?」
サシャ「ここどこですかー?」
コニー「…自習室だなー」
サシャ「あー、そうでしたねー」
コニー「おー……」
サシャ「……」
コニー「……」
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原作9巻のネタバレがほんのちょっとあります
サシャ「…あれー?なんで私たちここにいるんですかー?」
コニー「なんでってお前……自習室にいるんだから自習してるんじゃねぇのー?」
サシャ「そーですかー……」
コニー「おー……」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「…あれー?でもなんで私たち自習してるんですかー?」
コニー「そりゃあお前……俺らが真面目だからじゃねぇのー?」
サシャ「あー偉いですね私たち……向上心の塊っていうんですかー?」
コニー「だよなー……あの……シツジツボウケンってやつ?マジで偉いよなー俺ら」
サシャ「……あれー?ゴウケンじゃありませんでしたっけー?」
コニー「えー?……ゴウケンってなに」
サシャ「さあ……」
コニー「はあ……」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「え、シツジツってなんですか」
コニー「さあ……」
サシャ「はあ……」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「……で、真面目な俺らはこうやって勉強してるワケだ」
サシャ「そうですねーかれこれ2時間くらいは二人寂しくがんばってますねー」
コニー「全然人いねえよなこの部屋」
サシャ「そうですねーこの部屋っていうか寮自体に人がほとんどいない感じですねー」
コニー「えー、他の奴らどこいったの」
サシャ「さー、冒険でもしてるんじゃないですかー」
コニー「マジかよー……困ったもんだなーオイ、104期訓練兵団?」
サシャ「まーせっかくの休日ですしー、町の方まで遊びに行ってんじゃないですかー?」
コニー「えー?今日休日だっけ?」
サシャ「違いますかね?」
コニー「違うんじゃね?」
サシャ「あーそうですね違いますねー。じゃあさっき言ったのナシで」
コニー「おー……」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「…コニー?」
コニー「あー?」
サシャ「問題どこまでいきましたー?」
コニー「んー、……1の(3)」
サシャ「えー、全然進んでないじゃないですかー」
コニー「そっちは?」
サシャ「えーっと、5の(1)くらいです」
コニー「くらいってなんだよ」
サシャ「めんどくさそうなの飛ばしましたから」
コニー「じゃ何問解いた?」
サシャ「んー、……3問くらいです」
コニー「んー…まあ、がんばってんじゃね」
サシャ「でしょー?」
コニー「おー………あー、答え合わせしようぜ答え合わせ」
サシャ「答え合わせー?」
コニー「そーそー。他人の考え方を知ることによってどうたらってメガネ教官も言ってたじゃん」
サシャ「言ってましたっけー?」
コニー「言ってたって、ほら試験の…2日前?くらいの講義で」
サシャ「あー言ってましたねそういえば。眼鏡クイッってやりながら」
コニー「あ、そういやお前寝てたわ」
サシャ「知ってますー?トロスト区って養豚数ローゼ内一なんですよー?」
コニー「3回に1回は寝てるもんなあお前。ノートも全然書いてないだろ?」
サシャ「あれー引っ張りますかこの話」
コニー「だから赤点なんか取るんだよ。俺くらい真面目にやってりゃお前…」
サシャ「どうしてコニーは赤点取ったんです?」
コニー「知ってるかー?氷爆石って加工するとめっちゃキレーなんだぜー?」
サシャ「あの……なんで跳ね返ってくるような話引っ張ったんですか?」
コニー「解けた3問ってどれ?」
サシャ「無視ですか……3の(1)、(2)と5の(1)です」
コニー「駄目じゃん。答え合わせになんねーじゃん」
サシャ「ねーカスりもしませんねー。実践だったら食われてますねこれ」
コニー「マジかよ……俺憲兵団行くわ」
サシャ「私も憲兵がいいですねー……ならもっと勉強しないと」
コニー「あー、そうなー。座学の点数もバカになんねえからなー」
サシャ「ですねー。立体機動得意だからって余裕こいてるとバカを見ますよねー」
コニー「よーし憲兵団目指して頑張るぞー」
サシャ「おー」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「なあ」
サシャ「はいー?」
コニー「さっき言ったとこ写させてくんね?」
サシャ「いいですよー、あ私の方もお願いしまーす」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「…あ」
サシャ「どーしましたー?」
コニー「あれあれ」
サシャ「どれどれ」
コニー「貼り紙貼り紙」
サシャ「んー?…訓練開始時刻厳守、兵士としての自覚を、夜間外出厳禁…」
コニー「上官への言葉遣いに注意、食事は食堂で慎みを持って、消灯時間11時…」
サシャ「ほほー、寮の規則ですねー」
コニー「前から貼ってあったっけ?」
サシャ「あったんじゃないですかー?」
コニー「マジかよ、全然気付かなかった」
サシャ「まーここ自体普段はなかなか来ませんけどねー私たち」
コニー「……ダイナミックな文字だよな、教官が書いたのか?」
サシャ「…メガネ教官ではないですねー。あの人はもっときれいな字です」
コニー「え、お前寝てんじゃん」
サシャ「失礼な。私だって2回に1回は真面目に受けてますよ」
コニー「見栄張んなって」
サシャ「ああ、ハンナって言えば」
コニー「は?そんな話したか?」
サシャ「しましたよ」
コニー「したか」
サシャ「ええ」
コニー「それで?」
サシャ「ミカサから聞いたんですけどー、このごろ頻繁に夜抜け出してるんですってー」
コニー「えー、脱走?」
サシャ「や、そうゆうんじゃなく」
コニー「…あー、そいやフランツもちょくちょく外出してるらしいぞ。エレンが不思議がってた」
サシャ「あー、そうですよねー。まあそうなりますよねー」
コニー「やべぇじゃん、見つかったら厳罰じゃん」
サシャ「心配ですねえ、飯抜きくらいで済めばいいんですけどねー」
コニー「ねー」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「何が言いたいんですか」
コニー「そっちこそ」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「……コニー、コニー」
コニー「どうした」
サシャ「あの張り紙なんですけど」
コニー「もうやめねえかこの話」
サシャ「規則の紙じゃなくて、あのちょっと右のやつです」
コニー「……あー、あー、あのちっさいのか」
サシャ「私からじゃ読めないんですけど、なんて書いてあります?」
コニー「……んー、俺もわかんね」
サシャ「…そうですか」
コニー「……鹿の絵とかワラワラ描いてあるのは分かるけどさ」
サシャ「……そうですか」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「…なあサシャー」
サシャ「何ですかコニー」
コニー「この課題いつまでだっけ」
サシャ「明日までですねー」
コニー「えー?来週とかじゃなかったっけ?」
サシャ「明日です」
コニー「あそう」
サシャ「はい」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「…すっぽかしたらどうなるかなあ?」
サシャ「さあ……罰則の罰則は受けたことないんで」
コニー「ヤベーなあ」
サシャ「ヤベーですねえ」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「……ウォールマリアが突破されたのって」
サシャ「……5年前ですね」
コニー「奪われた領土って」
サシャ「約3分の1です」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「……行きたかったなあ」
サシャ「……食べたかったですねえ」
コニー「……見たかったなあ」
サシャ「……回りたかったですねえ」
コニー「……なんで、今日なんだ」
サシャ「……よりによって」
コニー「5年ぶりの謝肉祭当日に!!」
サシャ「罰則なんか食らうんやああああ!!」
コニー「あーあーあー言っちまったよクソがッ!」
サシャ「ああああ行きたい行きたい行ーきーたーいー!」
コニー「せっかくの機会だったのによォ!マリア陥落以来初だったのによォ!」
サシャ「豚肉食べたい鹿肉食べたい熊肉食べたい何でもいいから肉食わせぇやあああ!」
コニー「超大型巨人さえ……ッ!あいつさえ現れなければ毎年やれたのに!」
サシャ「そや!全部アイツが悪い!あの胴長!」
コニー「ハゲ!」
サシャ「でくの坊!」
コニー「キモ面!」
サシャ「全裸!」
コニー「ハゲ!」
サシャ「ハゲ!」
コニー「キース!」
サシャ「教官!」
ちょっと中断します
気持ち的には半分行ったか行かないかです
全部書き溜まってませんが少しずつ投下します
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「…なあ」
サシャ「…はい。ちょっとスッキリしました」
コニー「大声ってスゲーな、日頃のストレスとか…えーと、ストレスまで吐き出せた気がするぜ」
サシャ「ですねー。鬱憤とかうさとか幾分発散されました」
コニー「でさー」
サシャ「はいー?」
コニー「胴長っつってたじゃん」
サシャ「何がです?」
コニー「いや超大型」
サシャ「ああ」
コニー「見たことないよな?」
サシャ「想像です」
コニー「じゃあ全裸ってのは?」
サシャ「想像です」
コニー「まあ巨人は大概全裸で短足だからなあ…」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「じゃあキモ面ってのは?」
コニー「エレンに聞いた」
サシャ「なるほど」
コニー「…途中からさ」
サシャ「はい」
コニー「ほとんど教官の悪口になったな」
サシャ「キモ面相手より感情入った感がありますね。……でもなんでそうなったんでしたっけ」
コニー「そりゃ想像で叩くのも限界があるし」
サシャ「あー、はい、じゃあそれで」
コニー「あのおっさんもひでーよな、明け方まで延々説教されて、やっと解放されたと思ったら」
サシャ「朝食が終わるまで走って来い!」
コニー「当然飯抜きでな。で、くたくたになって帰ってきたら」
サシャ「食器の後始末をしろ。貴様らだけでだ」
コニー「眠くて足腰痛くて腹の減る中、自分の食ってない食器をやっとの思いで片づけたら」
サシャ「自室に昼までこもっとれ!」
コニー「まあ、祭りの本番は昼からだしな?もうだーれもいない部屋で眠気とって、よし、もう昼だ行ってきまーすって時に」
サシャ「これで最後だ。自習室で……」
コニー「死ね!」
サシャ「嫌な予感はしましたけどねー。考える体力もありませんでしたしねえ」
コニー「俺将来ハゲてもあの人みたいな大人にはぜってーなんねえ」
サシャ「そうですね。それ本人の前で言わない方がいいですよ」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「…声マネ上手いな」
サシャ「慣れてますから」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「…思いっきり叫んでたけどさ」
サシャ「はい」
コニー「聞こえてねえよな?」
サシャ「誰にですか?」
コニー「いや…あの…」
サシャ「……そもそも今どこにいるんでしょうねあの人」
コニー「…案外近くで監視してたりしてな」
サシャ「えー、大変じゃないですかー。いよいよ殺されますよーわたしたちー」
コニー「冗談だってじょーだん。きょうかんともあろうものがそんなひまじんなわけないだろー?」
サシャ「そうですよねー、たちのわるいじょうだんですよねー」
コニー「はっはっは」
サシャ「あっはっは」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「ちょっとトイレ行ってくる」
サシャ「私は外の景色でも眺めてます。窓から」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「トロスト区の養豚数が云々って…」
サシャ「ああ、はい」
コニー「ここにそんなもんあったっけ?」
サシャ「すいません、ちょっと違いました」
コニー「?」
サシャ「ウォール・ローゼ内に土地を所有してる地主さんが、ここトロスト区に住んでるらしいんですよ」
コニー「はあ、また酔狂な」
サシャ「それで、その土地に作った大規模な家畜施設で、豚の品種改良に大成功したとか。今日のために大量出荷されるらしいですよー」
コニー「よく知ってんな」
サシャ「聞きましたから」
コニー「誰に」
サシャ「忘れました」
コニー「あそう」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「…氷爆石がどうとか」
コニー「ああ、天然物は見た目ただの氷なんだけどな?」
サシャ「それは講義で聞いた覚えがありますね。珍しく」
コニー「詳しくは忘れたけどさ、膨張しないように上手く加工すると、内部だけが気化してスゲー綺麗に感光するんだと」
サシャ「へー見てみたいですねそれ」
コニー「貴重な資源だから値は張るけど、穴通してアクセサリーとして出店で売り出されるって話だ。今日」
サシャ「誰に聞いたんですか?」
コニー「フランツ」
サシャ「やっぱり」
コニー「あとシーナから大道芸人が来てショーやるとかなんとか」
サシャ「あああ嫌や嫌ややめてくださいまた暗くなってきましたぁぁぁ」
コニー「仕方ねーだろー?みんな楽しみにしてたんだぜー?」
サシャ「あのジャンまで浮き足立ってましたしねー」
コニー「えー?ジャンはしょっちゅうソワソワしてんだろ?」
サシャ「そうですかー?」
コニー「んーたとえば……ミカサと立体機動で同じ班になったり」
サシャ「誰もついていけないから特に何もありませんけどね」
コニー「食堂でミカサが隣に座ったり」
サシャ「エレンも近くにいるからすぐナイーブになりますけどね」
コニー「ミカサと格闘訓練したり」
サシャ「とてもきれいな受け身でした」
コニー「なー?ムカつくことも多いけど割と面白いぜあいつって」
サシャ「かわいそうな子ですよねー」
コニー「あいつ告白とかはしねーのかなぁ」
サシャ「えー?通ると思います?」
コニー「無理だろ」
サシャ「ですよねえ。本人が一番よくわかってんじゃないですか?」
コニー「でもさぁ、ミカサも別に嫌ってはないよな?エレンと喧嘩しまくってる奴なのに」
サシャ「…確かに、反応薄い子ですけど嫌がってる感じは……うーん…」
コニー「?」
サシャ「まあ、口止めもされてませんし、ねえ?広めないでくださいよ?」
コニー「何を?」
サシャ「実は本人に聞いたことあるんですけど、ジャンに同意することもたまーにはあんですって」
コニー「…へー」
サシャ「やっぱりエレンが大事ですから、あの生き方に不安を覚えることも多いらしくて」
コニー「そういやこないだムチャして事故ってたな、エレン」
サシャ「エレンがそういうことをする度、ジャンが内心はどうあれ指摘してくれてますし」
コニー「それで喧嘩になるんだけどな」
サシャ「あとライバルとしてエレンを鍛えてくれるのは純粋にありがたいって」
コニー「成績近そーだよなーあいつら。知らねーけど」
サシャ「それと、喧嘩友達的な」
コニー「友達かー?」
サシャ「どんな形でも、エレンにかまってくれてありがとうって」
コニー「母ちゃんか」
サシャ「もしくはお姉さんですかねー」
コニー「…エレンがうっとうしがる気持ちが分かる気がする」
サシャ「で、その態度でジャンが更に腹を立てると」
コニー「それは……えっと、あー、あく、悪……」
サシャ「悪循環ですか?」
コニー「そう、それだ」
サシャ「……ちょっと意外なんですけど」
コニー「何が?」
サシャ「…今の説明、コニーの割にすんなり理解してましたね」
コニー「お前俺のことなんだと思ってんだ!?」
サシャ「……聞きます?」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「……実はさ」
サシャ「はい?」
コニー「同じこと…えっと先月?にもアルミンに説明してもらったんだよ…1時間くらいかけてみっちり」
サシャ「ええ!?じゃあ私何しに説明したんですか!」
コニー「いや、悪かったって。それにそん時はアルミンの推測だったから、合ってるかわかんなかったしよ?」
サシャ「はあ……じゃあその推測はどうでしたか?」
コニー「…おう、大体合ってたぞ」
サシャ「…どこが違ってました?」
コニー「…おう、全部あってたぞ」
サシャ「覚えてないんですね…」
コニー「…でも、結構評価高かったんだな、ジャンの奴。案外告ったら…」
サシャ「無理でしょう」
コニー「だよなあ」
サシャ「息子の友達とは付き合えませんよねえ」
コニー「……母ちゃん、元気かなぁ」
サシャ「あ、そーゆー流れになりますか」
コニー「いやー、ちょっと手のかかるガキだったからさぁ」
サシャ「…じゃあ、立派な人間になって安心させてあげないと」
コニー「だなー。憲兵団行こ」
サシャ「あれー?いつか見た光景ですねー」
コニー「ほんとだ、課題もさっきとおんなじ状態に見える」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「…そりゃあ、喋ってばっかりだから当然ですよね」
コニー「口じゃなくて手を動かせって母ちゃんに叱られたっけなー」
サシャ「コニーマザコンだったんですか?」
コニー「いやー、そん…なことは、…ないんじゃ、ね?」
サシャ「…私もお父さんによく怒られましたねー、食うのをやめんか!って」
コニー「口の動きの意味が違うけどな」
サシャ「確かに、ちゃんと手を使って反撃したので、コニーとは違いますね」
コニー「……お前の父ちゃんも苦労したんだなあ」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「…手、動かさないんですか?」
コニー「…もうちっと休んでから」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「…提案なんですが」
コニー「…どうぞ」
サシャ「なんか食べて気分転換とか如何でしょう」
コニー「…いいねえ、ついでに外の空気なんかも吸ってみたりして」
サシャ「ええ、ええ。座りっぱなしで体固くなってますし、かるーく散歩とかして」
コニー「ついでに町の方の安全確認とか。いや、憲兵志望としてな?」
サシャ「不純な動機とかありませんからね。ええ、兵士としてです」
コニー「そう、兵士として」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「立たないんですか?」
コニー「言いだしっぺだし、お前が先に立てよ」
サシャ「私はコニーが立ったら立ちます」
コニー「俺はサシャが立ったら立つ」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「…教官、怖いです」
コニー「…みんなそうだろ」
サシャ「昨日の教官は夢に出ました…」
コニー「…なあ」
サシャ「なんです?」
コニー「悪かったな…俺が下手こいたせいで」
サシャ「…あ、いや、そんなことは…だって誘ったのは私の方ですし…」
コニー「いや…そんなの関係ねえだろ、共犯だし?お前なんかまったく気取られてなかったもんなあ」
サシャ「当たり前じゃないですか、私が何年食糧庫への忍び込みやってると思ってんですか?」
コニー「うん、やっぱお前も悪いな」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「……潮時ですかね…」
コニー「……やるか、課題」
サシャ「…ですね……ハァ……ん?」
エレン「失礼しまーす。お、ホントにいたよ。ちぇっ」
コニー「エレン?」
アルミン「失礼します。うわ、人少ない…っていうかいないなあ…」
ミカサ「…失礼します」
サシャ「お二人も?あれ、謝肉祭に行ってたんじゃ……?」
エレン「行ってきたぞ?けどまあ、ショーには興味ないしなあ」
アルミン「食べたかったものは粗方頂いてきたしね」
ミカサ「そう。これから自主トレ」
コニー「へえ、三人で?」
エレン「いや、アルミンは別」
アルミン「……情けない話だけどさ。こういう日に疲れを落とさないと僕みたいなのはもたなくて」
ミカサ「別に気に病むことはない。休日は休むのが普通。私達がおかしいだけ」
エレン「いや、だからお前だって付き合うこたねぇって……」
サシャ「…ん?」
ミカサ「私だってやりたくてやってる。それに、一人にしておくと何をしでかすかわからない」
エレン「ガキ扱いすんなって言ってんだろいつも!」
ミカサ「先月装置と足首を故障させてなければ、私だって何も言わない」
エレン「クッソ……もうヘマしねえよ」
ミカサ「……出来れば無理をしないと言ってほしい」
エレン「……」
アルミン「…えっと」
サシャ「…ところで、皆さんは何しにここへ?」
コニー「…あー、そうか。勉強するわけじゃねえんだもんな?」
アルミン「そ、そうだよ!二人に用があるんだった!ね、二人とも」
エレン「…あ、ああ、忘れてた」
ミカサ「……」
コニー「用って…」
サシャ「…もしかして、エレンの持ってるその袋と関係があったりしませんか?」
エレン「おう。よくわかったな」
アルミン「…もしかして、気付いてるの?」
サシャ「ほのかに香りが」
ミカサ「犬……」
コニー「え?え?なんだよ、何言ってんだお前ら?」
エレン「お前ら、今日はずっと寮に監禁されてたんだろ?ほら、土産」
コニー「にッ……!」
サシャ「肉ぅううう!!ヒャッホウ!!」
コニー「マジかよ!?え、なんで知ってんだ?」
サシャ「あ、そういえば不思議ですね、朝お会いしてないのに。そして肉!」
アルミン「そろそろ帰ろうかって時にさ、教官に会ったんだ」
コニー「教官?え、どの」
ミカサ「キース教官」
サシャ「…ッ!」
コニー「……」
エレン「?…で、毎日顔合わせてる相手とはいえ、まあ挨拶くらいはするだろ?」
アルミン「それでこれから帰るところだって話したら、二人が自習室にいたらこれを渡してくれって」
サシャ「きょっ…」
コニー「教官……!」
エレン「いなかったらやるって言われたから、ちょっと残念だけどさ」
サシャ「……は、はは」
コニー「……セェーフ」
ミカサ「エレン。そういうこと言わない」
エレン「はいはい。……教官に聞いたんだけどさ、お前らなんで謝肉祭前日にこんな事したんだ?もったいない」
アルミン「まあいつでもやっちゃダメなんだけどね。普通は」
サシャ「……あー…、若気の至りです」
コニー「…ああ、うん。後先考えない行動が許されるのは若いやつの特権って、教官も言ってた。気がする」
アルミン「……そう」
エレン「にしても食い意地張りすぎだろ…。せっかく今日良い肉が食えるってのに、食糧庫忍び込むなんてよ」
サシャ「きょっ……!」
コニー「教官……!!」
アルミン「え?」
サシャ「いえ別に。あの、早くお肉を頂けると嬉しいのですけど」
エレン「…ったく、そんなたくさんねえんだし、大事に食えよ?ほら」
ミカサ「…あと、私たち自身からもある」
サシャ「ええ!?いいんですか!?」
ミカサ「かまわない。同室のよしみ。それに、二人にはいつもよくしてもらってるから」
サシャ「……ここにお母さんがいます」
エレン「俺らもそうだ。つーか、仲間じゃねえか。堅苦しいこと抜きにしてさ」
アルミン「エレン、顔赤いよ」
エレン「うっせ。照れてわりぃか」
コニー「エレン…ミカサ……アルミンも、ありがとな」
サシャ「私もです!ありがとうございます!ありがとうございます!」
エレン「大げさだっての……ところで、罰則の課題っていうのは?」
コニー「ああ、これ」
アルミン「…あれ、これって…赤点対象者の補修課題じゃない?」
サシャ「ええ、そうですよ」
アルミン「これ、来週提出のはずじゃ…」
コニー「だから、俺らだけ期限が短縮されて、明日になったんだよ」
アルミン「ああ…」
サシャ「アルミン、詳しいですね」
アルミン「…えっと、教えてくれって聞きに来る人が多いしさ……」
サシャ「ああ…」
エレン「……なあ、これ、全然進んでなくないか?」
サシャ「……」
コニー「……」
ミカサ「……お、おい」
アルミン「ミカサ、慣れないことしない……手伝おうか?」
コニー「……いや、いいよ。俺らだけで頑張るから」
サシャ「…ですね。お肉ももらいましたし!」
アルミン「でも…」
コニー「いいって、今日はもう休むんだろ?明日に響かせるわけにはいかねえしさ」
サシャ「そうですよ!仲間ですからね、私達もアルミンを助けますよ!」
アルミン「二人とも…」
エレン「じゃあ俺とミカサで手伝うか?」
サシャ・コニ「お願いします!」
アルミン「…なんでだろう、複雑だ」
ミカサ「……お、おい」
コニー「あれ、でもいいのか?自主トレは」
ミカサ「…私は、かまわない」
エレン「…やっぱりか、ったく……いや、大丈夫だよ。俺も復習したいし」
ミカサ「エレン…」
エレン「無理すんなってのは聞けねえけど……ジャンには座学でも負けたくねぇしな」
ミカサ「…!うん!」
サシャ「え?エレンって私たちと似たような成績ですよね?」
エレン「おい!いくらなんでも寝まくってるお前らよりは……マシ、……だよな?ミカサ」
ミカサ「アルミン」
アルミン「はやっ!……ごめん」
エレン「……」
ミカサ「……」
アルミン「……」
エレン「…勉強道具とって来る」
ミカサ「エレン、私も行く」
エレン「ハア……あれ?あんなとこに貼り紙なんて貼ってあったんだな」
コニー「だろー?気付かねぇもんだよなー」
アルミン「……規則っていうか、注意書きみたいな感じだね……うーん?」
コニー「どうした?」
アルミン「…いや、なんでもないよ。それじゃ、二人とも」
サシャ「はい、お休みなさーい」
ミカサ「じゃあ、私達も」
エレン「……ぜってえ負けねえ、あいつらにも、ジャンにも負けねえぞ」
コニー「おう、またすぐなー」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「…二人の気持ちもわかりますけどねえ」
コニー「…おう」
サシャ「…誰のことか分かってます?」
コニー「……エレンと……ミカサ」
サシャ「おお。この際間が空いたのは置いておきますか」
コニー「うるせえな。バカで悪いか」
サシャ「だーじょうぶですよ、私は全然気にしてませんから。………さて」
コニー「……おう」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ・コニ「いただきまーす!!」
コニー「うめえ…うめえよ…!」
サシャ「悪いのは私たちなのに……ングッ……気まで使ってもらえるなんて!……ハフッ」
コニー「俺女だったら教官に惚れてたかもしんねぇ、イケメン過ぎんだろあのおっさん!」
サシャ「…若干……フゥ、餌付けされてる感もありますけどね!」
コニー「俺この先どれだけハゲ上がろうとあの人についていくぜ!」
サシャ「そうですね!それ私といるときは言わないでくださいね!……はー、美味しかったー」
キース「オイ」
サシャ「ヒィッ!?」
コニー「きょ、教官!?」
キース「貴様ら…何をやってる?」
サシャ「言ったのはコ……スプリンガーです!私じゃありません!」
コニー「ちちち違います違います!自分は教官に心臓を捧げて———」
キース「貴様らが今しがた食っていた物は何だ?」
コニー「——え?」
サシャ「は?…えっと、肉…です?焼いて串に刺したものと薄く切ったもの…がありました」
コニー「あの…エ……イエーガー達からは、教官が施してくださったものと……伺いましたが?」
キース「まさしく…それらは私がイエーガーらを通して与えた物に違いないが…なぜだ…」
キース「なぜ今…肉を食べ出した?」
コニー「…?」
サシャ「…?」
コニー「…冷めてしまってますが…特別課題の疲れと小腹がすいていたので…今、食べるべきだと判断しました…?」
サシャ「…それとも、それは…「何故人は肉を食べるのか?」という話でしょうか?」
キース「イヤ…わからないな。……文字も読めんのか?…貴様らは」
サシャ「へ?」
コニー「文字…?」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ「……」
コニー「……」
サシャ・コニ「あ」
キース「なぜ今……ここで、肉を食べ出した?」
キース「……自習室は飲食禁止だ!このバカ者どもが!」
エレン「……」
ミカサ「……」
サシャ「……」
コニー「……」
ミカサ「…ごめんなさい。あそこで渡すべきじゃなかった」
コニー「…いや……いいよ、サシャは仕方ないとして、俺まで見境なくしちまったのが悪かったんだ…」
サシャ「…どういう意味ですかコニー……あ、お肉おいしかったですありがとうございます…」
コニー「アルミンにももっかいお礼言っとかねぇとな…」
エレン「……死ぬ寸前まで走れって?」
サシャ「いえ…夕食まで走ってろと……夕食は抜きですが」
コニー「その後は課題終わるまで寝るなってさ……」
エレン「……無理すんなよ」
ミカサ「……私たちも付き合うから、がんばろう」
おしまい
こんなネタで無駄に長くなりましたが、ありがとうございました
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