【FGO/SS】本当はあったFGOハロウィン2023 (229)

*注意事項


キャラ崩壊・キャラ違い、不遇化あり。

一部コラボキャラあり

気まぐれ投稿

これらが嫌な方はブラウザバックしてください。
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イベント:怪奇ハロウィン廻線~呪いと陰陽の聖杯戦線~


参加条件:2部1章クリア(奏章及びオーディール・コールのネタバレあり)

特異点名:呪霊廻廊戦界チェイテ・渋谷■■■ 

イベント内容:フリークエスト、ミッション、聖杯戦線

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1699194788


あらすじ
――――――――――――――――
とある特異点の解決が終了するその直後と呼べるタイミングで発生した新たな特異点。

その場所は正にハロウィンでとても賑わう渋谷のハロウィンの街並なのだがどこか様子がおかしい。


渋谷のハロウィンと聞き、前にハロウィンを楽しみにしていたエリちゃんを傷つけてしまった事を後悔しつつも、

マスターたちの前に今までのハロウィンとはかなり変わり果てたエリザベート・バートリーが現れ、彼女の襲撃を受けてしまう。

対処しようにも同行したサーヴァントは瞬時に消滅し、絶望と共にマスターの目の前が真っ暗となった・・・


マスターが気がついた時には一騎の見知らぬサーヴァントに助けられており、その彼はこう告げる。

「僕が来たからにはもう大丈夫。僕は君の呪術師さ。」


白天と黒夜の城の聖杯戦線の裏で黙殺されたハロウィンで巻き起こるカルデア最悪のスキャンダル!

マスターの犯した罪の贖罪と共に最強の呪術師の彼と共に、呪いが渦巻く裏の聖杯戦線が幕を開ける。

プロローグ
―――――――――――――――――
『呪い』―――それは霊の力を持って他者を霊的な手段で攻撃する摩訶不思議な力。

『呪い』は主に悪意と憎悪を元に行使され、他者に不幸をもたらす願いの心。その心は誰しも持っているモノである。

しかし『呪い』は時に人静かに誰かを助け、人々を邪悪の呪いから守る善意の心を持って邪悪の呪いを祓う者も存在している。


その呪いを祓う者を、誰かは『呪術師』と呼んでいる。
――――――――――――――――――
何処かの時代:何処かの土地にて・・・・


タッタッタッタッタッタッ・・・・・・

???「おやおや?こんな所で1人泣いているなんて、いったいどうしたんだい君は?」

泣いている女の子「■■■■■■――――――」

???「―――そうか・・・・それはとても悲しい事だ。君のような娘の願いをこのような形で裏切られるという結果をもたらしてしまうとは・・・」

???「でも君は絶対に悪くはない。君が何故、このような不幸を味わっている君の心を、その君を裏切った者にも知って欲しいと思うかね?」

泣いている女の子「・・・・・・・・・」


シュルッ、コトン・・・‥

???「さぁ受け取るがいい。君の願いはいま、この瞬間を持って叶えられる。君のその『想い』と内なる『呪い』によって・・・」

???「そして君のその『呪い』の力を持って、この私に協力してはくれないか?」

泣いている女の子「――――――――――」コクッ‥


カコンッ、シュッ・・・・ゴクッ、ゴクゴクッ・・・‥

ドクンッ!ジュゴォォォォーーーーーーー!!


■■■■■■「―――――――――――――――――!!」

???「・・・フッ。」
―――――――――――――――――――――――――――――――
遠くない過去、何処かの国の10月31日の夜 

人知れずの場所で泣く者の前に現れた1人の『呪い』の使い手はその泣く者の手を差し伸べ、使い手はその者の願いを聞き入れた。

そして泣いていた者は、その『呪い』の使い手によって手渡された黄金に輝く器と器に入った15本のあるモノを手に泣いていた『彼女』は、

その15本のモノを身体に取り込み、『彼女』は願いと共に『呪い』の力を扱う者となった。

そして『呪い』の使い手となった『彼女』は瞬く間にその土地の全てを統べる王となったのであった。――

次元境界穿孔艦ストーム・ボーダー:管制室


スタッタッタッタッタッタッタッ!ウィーン、ガチャンッ・・・・

ダ・ヴィンチちゃん「藤丸ちゃん、特異点から帰って来て時間は立ってないのだけど緊急事態だ!」

【いったいどうしたのいうの?】←

カドック「確かにそうだな。あの反聖杯の特異点から戻った直後で休んでいるにも関わらずに呼び出しをくらっているから、無理もないな。」

ダ・ヴィンチちゃん「うん。藤丸ちゃんがあの特異点での戦いで疲れているのはわかっているし、君には少しでも身体を休めて貰いたい気持ちは私たちにはあるのだけど・・・」


タッタッタッタッタッタッ・・・・

シオン(右腕負傷中)「それを理由に特異点攻略をお休みするには行かない理由もあって、仕方がなくあなたをここに呼んだ理由が私たちにはあるのですよ。」

【マシュ!シオン!】
【怪我の方はいま大丈夫?】←

マシュ「はい。怪我の方は軽い打撲で済んでいますし、体調面でも特異点の攻略に差し支えはないと言っていました。」

マシュ「私がこのような怪我程度で先輩に心配をかけてしまった事を真に申し訳なく思っています・・・」

【まあまあそう思い詰めなくても良いから・・・・】
【とにかくマシュが元気そうでよかった】←

シオン「まあそうですね。それに比べて私なんか全身打撲と右腕負傷で全治半月の重傷だというのに私にかける心配がナイナイというか・・・」

シオン「それはさておき、特異点を解決したばかりのあなたが休憩も惜しまずここに呼ばれた理由は他でもなく、貴方も既に存じてはいますが・・・」

【また特異点が発生したんだよね?】

ダ・ヴィンチちゃん「ええ。しかもこの特異点、起こるべくして起きたと言ってもイイぐらいに、我々にとても関係している事なんだよね~。」



ダ・ヴィンチちゃん「その問題となっている特異点の発生場所はここ。2010年代の日本・東京にある流行の最前線で有名な渋谷区の街全体で起こっている。」

ダ・ヴィンチちゃん「そしてその特異点を象徴している場所は渋谷の街の中心にあり、その場所というのが・・・」


カタカタカタカタッ、グォォン。

【!】
【うわぁぁ・・・やっぱり・・・】←
――――――――――――――――――――――――――
数時間前、あの白天と黒夜の城で繰り広げた聖杯戦線の特異点の解決し、マスターはストームボーダーに帰って一息ついて数時間もたたない時間帯。

その一時の休息を許さぬかのようにダ・ヴィンチたちの呼び出しを受けたマスターは事の話を聞くために彼女たちの前に姿を現し、ダ・ヴィンチちゃんの説明を聞きつつ、発生した特異点の重用点を映した映像から見えたモノは・・・

渋谷の中心部の街中全体にチェイテの特異点で見ているハロウィン仕様の飾りと共に、その特異点の象徴とも言える建物として・・・


和風テイストの神社とチェイテ城が融合した上に103と看板づけられた建物が映し出されていたのであった。

マシュ「はい。この不可思議かつ案の情に建っているこの建築物はどうみても、あのエリザベートさんのハロウィンですね。」

ダ・ヴィンチちゃん「うん、建物の構造はともかく・・・このチェイテ城と渋谷で有名なアパレルショップが融合した建物とこの街中で見られるカボチャの異常な数と配置からして、」

ダ・ヴィンチちゃん「ハロウィンの時期になると不思議と特異点化するチェイテの地と同じ現象がこの渋谷にも起こってしまっているって事なのさ。」

カドック「ああ。それはともかく、一体なぜその日本の渋谷の街がそのサーヴァントであるエリザベート・バートリーが好みとしているハロウィン仕様の特異点となっている事について・・・」

カドック「その特異点発生の元凶がこの、お前やダ・ヴィンチたちにあるって言う事を心当たりがあるんだよな?」

カドック「僕は用事があってシュミレーターに籠もっていて事のことはいま知ったのだが・・・この件、お前たちはいったい何をやらかしたらそうなったのか?」

マシュ、シオン、ダ・ヴィンチちゃん、ゴルドルフ、ムニエル「・・・・・・・・・‥」


【カドック・・・・】
【実はねぇ・・・・】
―――――――――――――――――――
そう、カルデアの中でカドックを除くマスターたちは事の発端が彼女たちにある事を知っている。

なぜチェイテとは関係ない日本の渋谷がサーヴァント:エリザベート・バートリーを中心としたハロウィンの特異点と化しているのかを、そしてその原因がマスターとダ・ヴィンチたちにあるのかを、

事の話は少し刻を遡る・・・・
―――――――――――――――――――
遡ること数日巡前(期間限定イベント:『聖杯戦線 ~白天の城、黒夜の城~』開催直後): ストームボーダー内廊下にて・・・


エリザベート・バートリー「ふふんふ~ん!青いワンジナから私のお城を取り返したし、ハロウィンの準備も順調だし。あとは子リスたちがあのチェイテ特異点にレイシフトしてくるだけ。」

エリザベート「アハハハッ、楽しみな事ね。今年のハロウィンはシンデレラや九紋竜のアタシとは格段に段違い!今年はより快奇で摩訶不思議で誰も見たこともないようなエンターテイメント!」

エリザベート「今年巡最高に楽しいハロウィンを子リスたちにとことん盛大かつ豪快に持てなして差し上げるわ!」

―――――――――――――――――――
ストーム・ボーダーの廊下で楽しそうに予備のハロウィン用のカボチャを運搬し、彼女がもっとも力を入れているとされる彼女主催のハロウィンの事を口にしながら廊下を歩いていた。

しかしそんなハロウィンの事を楽しみにしている彼女の『夢』は、とある者の一言によって『悪夢』へと変わるということを彼女は知らなかった。
―――――――――――――――――――

タッタッタッタッタッタッ・・・

光のコヤンスカヤ「おや?これはこれはエリザベート・バートリー様。今日も陽気にハロウィンのご準備をなされてるのですね?」

エリザベート「あら、貴方は確かあの自称良妻狐とそっくりの光の方のコヤンスカヤじゃない?あなたこそ陽気に子リスのことをたぶらかすのを考えているのかしらねぇ~?」

光のコヤンスカヤ「ツゥ・・・確かに私はあの狐とは外見が同じなのですが、あくまで私はあの狐とは別存在。あの者と私を一緒にするのはやめて頂けますでしょうか?」

エリザベート「そうかしら?悪いけど私はあなたとなれ合う時間はないわよ。この予備のカボチャを持ってチェイテへレイシフトしないといけないのよ。」

エリザベート「まあ心配しなくても、あなたにも私が主催するハロウィン・パーティーの招待状を送っておくわよ。微少とはいえど特異点は特異点だというのは変わりはない。」

エリザベート「そしてその特異点に入れば、私が用意したハロウィンのおもてなしが待っているのだから、マスターが私の事を・・・‥」


光のコヤンスカヤ「・・・・エリザベートさん。実のところ、貴方には大変お見苦しい話となるのですが―――」

光のコヤンスカヤ「―――たった今、その微少特異点を私が即座に処理させてもらいました。マスターとカルデアの方々のご命令で・・・。」

エリザベート「―――――はぁ?」

ストーム・ボーダー:管制室


ダ・ヴィンチちゃん「うん、つまりそのやり方でその戦線を切り抜けるって事だよね?わかった。」

ダ・ヴィンチちゃん「それでプトレマイオス。これからあなたは―――――」


ウィーン、ガチャン。タタタタタタァァ――!


エリザベート「ちょっとどういう事なのよ!私のハロウィンにマスターが来ないままその特異点を潰すなんて!」

エリザベート「聖杯戦線っていったいなによ!!聖杯戦線ってハロウィンより大事な事だというの!?」

マシュ「エリザベートさん!?すみません、これには深い事情がありまして・・・‥それは・・・・」

エリザベート「知っている、コヤンスカヤから話は聞いているわ。マスターは今、そこのモニターの向こうを写している特異点に向かっているって事を。」


シオン「そう。いま藤丸立香が向かっています特異点は、エリザベート、あなたがいつもハロウィンの時期になると決まってチェイテで発生する微少特異点・・・・」

シオン「つまり『チェイテハロウィン特異点』とは段違いに人理への被害とリスクが前者の特異点にはあり、トリスメギストスIIの判断基準からして、」

シオン「マスターには当然の如く、その前者の特異点の攻略に専念して貰い、チェイテの微少特異点には適当にサーヴァントを派遣して処理させてもらいましたので。」

エリザベート「なッ!適当にって・・・・私の微少特異点不在の狙って処理するなんて、あまりにも理不尽が過ぎるものだわ!!」


画面越しのプトレマイオス「どうした、そちらで一体何か揉め事でも起きているのか?ハロウィン?一体それは何だね?」

【待ってプトレマイオス!】
【いまは席を外して欲しい】←

画面越しのプトレマイオス「は、はぁ・・・‥」


シオン「はぁ~・・・理不尽はともかくハロウィンの時期になると決まってチェイテの地にあなたの存在が原因の微少特異点が発生することですから、」

シオン「今回ばかりはその特異点発生と被害拡大の予防として勝手ながらその微少特異点をコヤンスカヤ氏を通して処理させてもらったと・・・」

シオン「そもそも特異点の大小もひっくるめて特異点の発生自体、人類史にとってはありがた迷惑でしかないのですからね~。」

ゴルドルフ「そうだとも。それに人類最後のマスターである彼女にこれ以上の負担をさせるわけにもいかんし、ハロウィンなど、来年巡に引き延ばしても問題は無さそうだと私は思うのだがな。」

ゴルドルフ「というよりお主の頭はハロウィンの事しか考えられないのかね?ほんと、たかがコスプレしてお菓子を貰いに行くだけのイベントに無駄に力を注いでいるなど、何度もやってて恥ずかしくはないのかね?」

エリザベート「・・・・・・なんですって?」


シオン「・・・まあともかく今の我々はこの特異点で起こっている『聖杯戦線』の攻略に専念しなければならず、あなたのいうそのハロウィンに構っている暇などナイナイというか。」

シオン「なのでエリザベートさんには悪いのですが、チェイテ特異点の事はもう忘れていただければいいかと・・・・」


ガシッ、ググググゥゥゥ~~~!

シオン「!?。エリザベートさん、一体なにを?」

エリザベート「貴方たち・・・・そんなに私のハロウィンよりも、そっちの聖杯戦線っていうのが大事だといいたいのね・・・?」

マシュ「え、エリザベートさん?」

エリザベート「―――――!!」


グッ、グギグギグギッ~~バキッ!!

シオン「!?。キャァァァ~~~!?私の腕が・・・いま私の腕がグギグギって!エリザベート・バートリー、あなたは・・・・」

マシュ「シオンさん!?エリザベートさん、これはいったいどういう事ですか!?あなた、シオンさんが一体なにをして・・・・」

エリザベート「うるさいッ!」

シュッ、バシンッ!

マシュ「キャアァァッ!?」

【『マシュ!?』】←


ガバッ、バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!

マシュ「ガハッ!グハッ!や、やめてください・・・・エリザベートさん・・・・」

ムニエル「アワワワァァ~~!エリザベートが乱心した!だ、誰か~~!誰か彼女を止めてくれ~~!」

ゴルドルフ「なんてことだ!キャプテン、マリーンズ!早くあのドラゴン娘を拘束するんだ!」

タタタタタッ!ガシガシッ、ギュゥゥゥ~~!!


エリザベート「ツゥゥッ、離しなさい!!私は絶対許さないわ!貴方たちに私がどれだけあそこのハロウィンの準備にどれ程の積み重ねをしてきたなんてわからないわよ!」

エリザベート「私は今年のこのハロウィンに全力全霊、時間も惜しまずとも、全てはみんなが楽しみにしているハロウィンを、一年で一番最高に盛り上げていこうと頑張って準備をしてきたというのに!」

エリザベート「そのハロウィンを貴方たちは別の特異点でやってる聖杯戦線なんかのために私のハロウィンそのモノをこんな形で潰すなんて!貴方たちはねぇ~~!」


【『もういい加減にして!!』】←

エリザベート「!?」

【『一体なにが不満だと思っているとしても・・・』】←

【『ハロウィンはもう終わりなの!わかった?』】←

エリザベート「・・・・・・・・・‥!!」


ガバッ、バサァァァ~~ン!

ネモ・マリーンズ「うわぁぁぁ~~~!?」

ダ・ヴィンチたち「!?」


エリザベート「最低!!私もう知らない!!」


タタタタタタッ!ウィーン、ガチャン・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――――
今年巡のハロウィンを盛大に祝う形で盛り上げようとハロウィンの準備に明け暮れていた彼女(エリザベート・バートリー)の前に待っていたのは、

カルデアのマスターとその職員とサーヴァントたち優先度の高いと称する特異点(別名・『イベント:白天の城、黒夜の城』)の攻略を優先し、

それらの為にハロウィンを彼らによってイベントそのものを開催しなくなった(潰した)という現実であり、エリザベート本人はその現実の前に自身の中でおさえていた感情が爆発し、

カルデアのマスターの仲間であるマシュ・キリエライトとシオン・エルトラム・ソカリスにかなりの暴行を加えた後、彼女のマスターである藤丸立香の上記の一言により、

エリザベート・バートリーはストーム・ボーダーから姿を消したのであった‥。

そして現在・・・‥


カドック「成る程。それでその英霊エリザベート・バートリーとは今年の秋に開催されなくなった今年のハロウィンの事で彼女と喧嘩してしまい、エリザベートはストーム・ボーダーから姿を消した。」

カドック「そしてそのエリザベートはいま渋谷にいて、今年巡のハロウィンイベントを復活させるために渋谷に新たな特異点を発生させたというのがお前たちの推測なのだな?」

【うん】
【正直私も、少し言い過ぎちゃったというか・・・】←


ゴルドルフ「全くだ。あの鮮血魔嬢め、ハロウィンが出来なくなったくらいで騒ぐなど、それで我々のことが嫌になり、勝手にレイシフトでカルデアから家出したのだが、」

ゴルドルフ「そのレイシフト先が日本の渋谷で、その渋谷でまたハロウィンをやる為に特異点を発生させるなど、彼女はそこまで今年のハロウィンにこだわっていたというのかね!?」

ゴルドルフ「いくら今年はハロウィンを開催することが出来ないからってあそこまで癇癪を起こすほど機嫌を悪くしても、我々にとって迷惑極まりないというか・・・」

シオン「まぁまぁそれはさておき。今現在、エリザベート・バートリーはカルデアからの家出として渋谷の街にレイシフトし、今年のハロウィンへの未練からか‥」

シオン「何らかの形で聖杯を手にし、渋谷の街にチェイテハロウィン特異点と同じような特異点を発生させ、そこに彼女が居座っている可能性がある。」

シオン「そしてトリスメギストスIIがはじき出した予想値から見て、この渋谷ハロウィンの特異点はハロウィン本来の時期を過ぎても自然消滅とか自粛消滅は起こりえない。」

シオン「一年巡前の夏のイベントと同じように“このままカルデアが放置する場合、渋谷の異常事態は永遠に続き、永遠のハロウィンが開催されることであろう”」

マシュ、ゴルドルフ、ダ・ヴィンチちゃん「・・・・・・・・・・」

【やっぱりそうなるよね・・・・】
【となるとこれはつまり・・・・】←


シオン「はい。こうなった以上、カルデアは渋谷ハロウィンの特異点へと向かい、元凶であるエリザベート・バートリーを連れ戻す必要があるって事です!」

ゴルドルフ「た、確かに当然の事だとも!いくら我々とエリザベートとの喧嘩が発端で起こった事だとしても、家出と特異点の発生はあまりにも別問題が過ぎる!」

ゴルドルフ「ただちに作戦行動に移って貰うそ藤丸立香!特異点解決を目指しつつ・・・・英霊エリザベート・バートリーを無理やりでもカルデアに連れ戻すのだ。」

【はい!】
【エリちゃんとは仲直りしないといけないからね。】←

マシュ「はい。なんとしてでもエリザベートさんを見つけ出して、仲直りと特異点の解決をしないといけませんからね。」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それから数分が立ち・・・・


シオン「さてと、渋谷の特異点へのレイシフトはいつでも可能といっても準備は万端。あとは藤丸との同行するサーヴァントのみなのですが・・・」

ダ・ヴィンチちゃん「ああ。レイシフト適性があるサーヴァントは比較的多く、その中でもレイシフト適性が高いサーヴァント6名を藤丸ちゃんの同行として貰う。」

ダ・ヴィンチちゃん「その中にはマシュも含まれており、彼女には常に藤丸ちゃんの護衛とともにエリザベート・バートリーとの仲裁役を務めて欲しいんだ。」

ダ・ヴィンチちゃん「彼女に殴られた事は知っているが、エリザベートと話すためにも君にこの役をお願いしてくれるかい?」

マシュ「はい。マシュ・キリエライト、エリザベートさんとマスターとの仲直りが出来るように全力で務めさせていきます!」

ダ・ヴィンチちゃん「ああ。あとの5名はそろそろここへ来る頃のはずなのだけど・・・・」


タタタタタタッ!ウィーン、ガチャン・・・

バーヴァン・シー「フフフッ、アーチャー:バーヴァン・シー。ここに到着したわ。」

望月千代女「望月千代女、ここに。」

マシュ「バーヴァン・シーさん、望月千代女さん!」


タッタッタッタッタッタッ・・・・

モレ―ちゃん「は~い、フォーリナーモレ―ちゃんもいますよぉ~!」

牛若丸「サーヴァント・ライダー:牛若丸、主殿の為に参った。」

徐福「アルタ―エゴ、徐福。程々ながらもマスターの助力しまーす・・・」

【モレ―ちゃん、牛若丸、徐福ちゃんも!】←

ダ・ヴィンチちゃん「ああ。それとあと1人、今回の特異点攻略に自分から志願してきたサーヴァントもまた、藤丸ちゃんとの同行をする予定なのだが・・・」


タッタッタッタッタッ・・・‥

プトレマイオス(老)「すこし遅くなったな。サーヴァント・アーチャー、プトレマイオス。今回の特異点攻略に吾も同行するぞ。」

マシュ「あなたはファラオ時代のプトレマイオスさん!カルデアに召喚されたばかりだというのに特異点の攻略にあなた自身が志願していたなんて・・・・」

プトレマイオス(老)「まあな・・・話はある程度シオンから聞いている。いま起こっている特異点の騒ぎにはこの吾も無関係ではないと言うことをな。」

プトレマイオス(老)「あの昼と夜の聖杯戦線の戦いが、ハロウィンとかいう祭ごとを楽しみにしていたエリザベートの心を人知れず傷つけてしまったという事実を吾は知った。」

プトレマイオス(老)「故に吾もまた、マスターと同様にエリザベート殿に謝罪をし、彼女と和解したいと吾はとても思っている。」

プトレマイオス(老)「どのような特異点であろうとも、吾はこの義を貫くつもりだ。マスターもわかってくれるか?」

【うん、そうだね。】
【一緒に謝りに行こう、プトレマイオス】←

プトレマイオス(老)「うむ。」


シオン「ではマスターと同行するサーヴァントが揃ったところで、そろそろ問題となっている特異点へとレイシフトを致しましょう。」

シオン「今回の特異点の攻略にはエリザベート・バートリーの捜索及びカルデアへと送還もあり、その方法は貴方たちの判断に任せておきます。」

シオン「どのような結果になるかは貴方たち次第なのですが、私たちがエリザベートさんに謝罪する気持ちがあると言う事を伝える事は忘れずにいてくださいね!」


【はい!】←
――――――――――――――――――――――
白天と黒夜の城での聖杯戦線の戦いによって黙殺され、その事で発生したカルデアのマスター達とエリザベート・バートリーとの衝突によって発生した――渋谷ハロウィン特異点

カルデアのマスターたちはエリザベート・バートリーへの謝罪と共にその渋谷ハロウィン特異点の攻略に向かう事になり、

カルデアのマスターとマシュ、そして彼女たちと同行する6騎のサーヴァント達と共に渋谷ハロウィン特異点へとレイシフトするのであった。


その渋谷の特異点で待ち受ける誰も知らない呪いの魔の手が待ち受けているにも知らずに・・・・

キィィン、ギュゥゥゥゥーーーーーンンン!!


???「来たか・・・・認知誤認術解除、呪力増幅結界――展開。」

カチッ、ギュォォォォ~~ン!

―――――――――――――――――――――――――
呪霊廻廊戦界チェイテ・渋谷■■■:渋谷駅付近(渋谷センター街側)


ヒュゥゥゥ~~ン・・・・・・

【なんとかレイシフトは成功したのだけど・・・】

マシュ「はい。カルデアの資料によりますと、ハロウィン時の渋谷には直前の週末も含め、数多くの観光客や利用客が訪れていると書かれておりましたが・・・」

マシュ「周りの風景とは裏腹に多くの利用者が集まるセンター街の通りに人が1人もいないなんて・・・・」

プトレマイオス(老)「うむ。吾もまた、マスター達が生きている時代の街をこの目で見るのは初めてだが、この街の様子から見て状況はとても深刻と見て間違いないようだな。」

プトレマイオス(老)「ネオンの街、多くのカボチャの飾り、現代の街並み・・・どれも人を魅了する輝きを放っているにも関わらず、人が1人もおらんとは・・・」

プトレマイオス(老)「これもこの特異点の影響によるなのか、またはたこの特異点に人々は存在していないというのか?」


プトレマイオス(老)「だがそれよりもマスター、ここに来て変わっている事は少しあるのではないのか?」

【!】
【そういえばそうだ!】←

マシュ「そういえば、一緒にレイシフトしたはずのサーヴァントがプトレマイオスさん以外におりません。もしかしてレイシフトの転送場所に問題があったのでは?」

プトレマイオス(老)「そのようだな。マスター、魔翌力経路を通じて彼女たち5人の反応が近くにあるのかを感じないか?」

【やってみる】


キィィン、ピカァーン!

ジジジジッ、ビリビリッ!


【!?。イタッ!?】
【なんか急に痺れが・・・】

プトレマイオス(老)「なんと。いま吾も見ていたが、マスターの令呪が何か異常を起こしたような感じがしたぞ。」

マシュ「そんな・・・もしやレイシフトの失敗で皆さんは・・・」

プトレマイオス(老)「案ずるな、まずは今一度カルデアとの通信を試すがよい。そうすれば何かわかるかもしれないぞ。」


【うん。すぐに試してみる――――】

ピピピ、ガーガーガァ―――――・・・・


【ダメ、繋がらない・・・・】←

プトレマイオス(老)「そうか。状況は思っていた以上に悪いと見て間違いないようだな。同行したサーヴァント5騎は行方不明、カルデアとの通信は途絶している。」

プトレマイオス(老)「しかし礼装の浮標は機能している事から、吾らの空間座標はカルデア側には把握していると推測する。マスターの事を思えば、幸いといっても良いのだが‥」

プトレマイオス(老)「しかし吾らを今の状況に追い込むかのようにするとは・・・エリザベート・バートリー、この特異点を発生させた身として中々の知将と言える者だろうな。」

【いやそんなことはないと思うのだけど・・・・】
【こんな事、エリちゃんが出来るようなことじゃない】←

マシュ「はい。エリザベートさんは幾度かハロウィンの時期になると決まってマスターに微少特異点への招待状を送り、マスターをおもてなし(ライブ)をする為に招いています。」

マシュ「それらはマスターと同行しているサーヴァントたちも含まれ、来る者を拒むことはなく、抵抗はしますがそれなりのハロウィンの楽しむ形で事を済ましていましたが・・・」

マシュ「今回のような最初からこちらの状況を不利にする事など、エリザベートさんらしくないというか・・・そのぉ・・・・」

プトレマイオス(老)「うむ。マスターとその彼女と喧嘩した件で彼女が吾らにこの特異点の侵入される事を拒んでいると推測できると思うが、それに為ては少し出来すぎてはいるのだが・・・」


???「あら?私の事で噂をしている愚かな子羊たちは貴方たちなのかしら?そんなに私のハロウィンを楽しみにしていたなんて、ようやく私の偉大さがわかったというのね。」

【!?】
【この声、もしかして!】←

???「そう。あなたがこの渋谷のハロウィンに出向いて探している人物は今ここにいるわよ、マスター?」


タッタッタッタッタッタッ・・・・・・

???→エリザベート・バートリー「はぁ~いマスター。現在ハロウィンの事が嫌いなあなたの事が嫌いになり、カルデアから絶賛家出中のサーヴァント:エリザベート・バートリーよ。」

エリザベート「私の事を探してこの渋谷まで来てくれるなんて昔の私だったらさぞかし嬉しい思いをしていたでしょうけどね?」

【エリちゃん・・・‥】
【・・・・・・‥】←

マシュ「そこにいたんですかエリザベートさん!あなたが帰ってこなくて皆さん心配していましたよ。」

マシュ「カルデアに帰りましょう。ハロウィンは今このような特異点じゃなくても出来る事でありまして・・・」

エリザベート「はぁ?どこに帰るって?私があんたたちのようなハロウィンを簡単に潰すような輩の所に帰るわけないじゃない!」

エリザベート「今の私のマイホームはここ!このセンター街のあそこにある、あの『チェイテ渋谷神社城』が私の居城なのよ。」


シュッ、ジャーーン!

【あれが、『チェイテ渋谷神社城』・・・】
―――――――――――――――――――――――――
同行していた5騎のサーヴァントとはぐれ、カルデアとの通信が出来ない中、突如マスター達の前に現れたサーヴァント:エリザベート・バートリー。

その彼女が指さした所にはストーム・ボーダーで見た映像と同じ和風テイストの神社とチェイテ城が融合した上に103と看板づけられた建物――

現在のエリザベート・バートリーが居城としている城、『チェイテ渋谷神社城』が今の渋谷ハロウィン特異点のシンボルマークとして建っていたのであった。

プトレマイオス(老)「ほほう。お主がマスターの言ってたエリザベート・バートリーというサーヴァントか。シオン殿から聞いた通りの少女だな。」

プトレマイオス(老)「事情があったとはいえ、自身の手で準備したハロウィンが潰され、その未練からこの渋谷を特異点へと変貌させて、マスターたちに迷惑をかけるとは、同じ英霊として大人げない事を・・・」

エリザベート「あら・・・そこのおじいちゃん、私のハロウィンの事を迷惑というからには貴方もまた、私の嫌いなカルデアに組みしているサーヴァントなのかしら。」

プトレマイオス(老)「いかにも、吾の名はアーチャー・プトレマイオス。訳あって別の特異点でマスターと共にしたサーヴァントの1人だ。」

プトレマイオス(老)「お主には吾とマスターの事で数多くの話しておくべき事があるのだが、その前にお主に聞きたいことがある。」


プトレマイオス(老)「お主はいったい何者なのか?本当にお主はエリザベート・バートリーであるのか?」

マシュ「!?。」

【!】

エリザベート「・・・はい?貴方、一体なにを言っているのかしら?ここにいる私は私、正真証明、ハロウィンを程なく愛するエリザベート・バートリー。それ以外も何もないわよ。」

エリザベート「貴方、私のハロウィンを大人げないとバカにするだけに留まらず、このエリザベート・バートリー本人の事をニセモノ扱いにして、それを理由にこの渋谷のハロウィンを壊しに来たんじゃ・・・」

プトレマイオス(老)「確かに吾らはお主によって発生したこの渋谷の特異点の修正とエリザベート・バートリーとの和解する為にお主を探しに来たのじゃが・・・」

プトレマイオス(老)「吾が和解をしたい者はエリザベート・バートリーであり、お主はそのエリザベートを名乗っているのだが、吾はそうには思えぬ。」

プトレマイオス(老)「お主は吾の眼が節穴と見ていたようだが、吾にはわかる。お主から発せられるこの奇妙で呪詛のような殺気の気配を。」

【奇妙で呪詛のような殺気・・・】
【それだけじゃない・・・・】←

プトレマイオス(老)「マスターも気づいていたのか?あの者がマスターの知るエリザベート・バートリーとは異なる者ではないかという事を・・・」

【うん。なんとなくだけど・・・】

【あのエリちゃん、私の知っているエリちゃんとは違う呼び方をしていた】

マシュ「そういえばエリザベートさん、マスターの事を普通にマスターと呼んでいました。いつもマスターの事を“子ジカ”と呼ばず“マスター”と・・・」


エリザベート?「―――――――」

【貴方は誰?】←
【本物のエリちゃんはどこなの?】

エリザベート?「・・・・・・・・・・・・・」


エリザベート?「・・・‥フッ。なるほど、この身体の持ち主の真似事をしてはみたのだが、そう簡単にいく訳がなかったなぁ?」

エリザベート?「まあ俺にしてみれば、このような姿になったのは俺にとってもイレギュラーなことなのは間違いないからな‥」

【!?】
【(声が変わった!?)】←

エリザベート?「おや?ああそうだった・・・知りたいのか?お前たちがなぜ、俺がエリザベート・バートリーと呼ぶこの身体の姿をしているのかを‥」

エリザベート?「それはとても簡単なこと・・・‥今の俺の姿が、この“エリザベート・バートリー”なのだからな。」

【―――!?】


ギュオォォ~~ン、バリバリバリィィ~~!ジュボォォォ~~~!!

カルデアのマスターたちの前に現れたエリザベート・バートリーが彼女たちが知っているエリザベート・バートリーとは何か違うと指摘されたその者は、

突如、そのエリザベート・バートリーの声とは異なる男のような声に変わり、その者の姿もまた、雷と炎と共にその姿を変えていった。


その姿は彼女たちの知るエリザベート・バートリーの身体をしているも、彼女の後ろに生えている羽と尻尾にはとある者の指をモチーフとする尖った爪のような突起物が増えており、

袖の広い女性物に近い白い着物に黒いビキニのブラ、両手の指の爪が黒く、顔を含めた全身にとある者と同じ紋様が浮かび上がっており、

そして彼女の顔にはその紋様と共に両眼の下にもう一対の眼が開眼していたのであった。
―――――――――――――――――――――――――――

エリザベート?「初めましてと言うべきかな、カルデアの者よ。お前たちの存在の事はこの身体の頭を通して知っている事なのだが・・・」

エリザベート?「まあどっちにしても、俺はお前たちの事などよく知らぬ。俺もまた、このような事などいっさい初めてであるからな。」

【あなたはいったい誰なの?】
【真名を明かしなさい!】←

エリザベート?「真名・・・・真の名と言うべきか。真の名など、とうの昔に捨てた身であるが、この名でならお前たちもわかるであろう。」

エリザベート?→両面宿儺(エリザベート)「俺の名は宿儺。この日の本に存在し、平安と呼ばれた時代に恐怖と呪いをもたらせた呪いの王、『両面宿儺』という者だ。」

【両面宿儺・・・】
【それに平安の世って・・・・】←


マシュ「両面宿儺・・・それって時に大妖怪や怪物として恐れられ、時に昔の岐阜県の地に仏教を広めたと日本書紀の伝承で伝えられているという、あの両面宿儺なのですか!?」

マシュ「そんなまさか・・・そのような存在がエリザベートさんの姿をしているなんて・・・」

両面宿儺(エリザベート)「仏教?確かにその時代の人間は俺のことをそのような存在として恐れ、俺を倒そうと戦いに挑んできたのだが、俺は仏教というモノを広めた事は一切もない。」

両面宿儺(エリザベート)「(いや待て、その仏教を広めた宿儺という者はこちらの世界の宿儺の方か?まあそんな事、俺には関係のない事だがな。)」


プトレマイオス(老)「おい、宿儺という者よ。お主が何故、エリザベート・バートリーの姿をし、この渋谷の特異点を発生させた理由はなんだ。」

プトレマイオス(老)「そして何故、お主はエリザベート・バートリーの姿をしている?東洋の妖怪と恐れられたお主が何故、西洋出身の鮮血魔嬢の姿をしているのか?」

両面宿儺(エリザベート)「何故だと?そんなことをはいそうですと簡単に教えると思っていたのかジジイ。ほんと不敬なヤツだなぁ~・・・」

【そんなことはどうだっていい】
【本物のエリザベートはどこなの?】←

両面宿儺(エリザベート)「またその事を聞くのか?言ったはずだぞ、今の俺の姿は“エリザベート・バートリー”であるという事。」

両面宿儺(エリザベート)「まあいい。そんなに俺の事を知りたいのならば掛かってくるがいい。聞くところではお前、この渋谷の地を破壊してきた術士の集団と聞く。」

両面宿儺(エリザベート)「今この地を破壊されるのは俺も何かと都合が悪い。お前たちにはここで死んでもらう。」

両面宿儺(エリザベート)「もっとも、元から俺の方がお前たちを殺しに来たのだからなぁぁ~~!」

【!?】←



フゥゥゥン!

マシュ「マスター!」

バスッ!フゥゥン、ガシュゥゥン!

両面宿儺(エリザベート)「ほお、あの攻撃を避けるか・・・霊魂の塊にしては少しやるのではないか。」

両面宿儺(エリザベート)「だがそれではつまらぬ。お前たちも少しは抵抗してみたらどうなんだ?」


プトレマイオス(老)「マスタ―、このままではあの両面宿儺という者にお主らが殺される。指示をくれ!」

プトレマイオス(老)「奴のことで考えるよりも先に、この場をくぐり抜けねば命はないぞ!」

【わかってる!】
【行くよ2人とも!】←

マシュ、プトレマイオス(老)「はい!(うむ!)」


ギュォォ~ン、キィィィ~~ン!
――――――――――――――――――――――――――――
身体はエリザベート・バートリーと同じ姿であるも、どこか違う服装と声をし、自身の事を『両面宿儺』と名乗る者はカルデアのマスターたちに対して攻撃を仕掛けていき、

マスター一同はその宿儺と名乗る者の姿と行動に困惑していくも、どうにかこの場を切り抜けていこうと、

マシュとプトレマイオスは戦闘態勢に入り、マスターもまた、自身の召喚式を使ってサーヴァントを召喚していくのだが・・・・
――――――――――――――――――――――――――――
ジジジジィィ~~!キュゥゥ~ン・・・・


【・・・えっ・・・?】←

プトレマイオス(老)「こ、これはいったいどうなっているというのだ・・・?」

マシュ「サーヴァントが召喚された瞬間に、サーヴァントが消滅した・・・・」


両面宿儺(エリザベート)「どうした、カルデアの式神使いの力はそんなものなのか?自分の式神も維持できずに消滅させるとは、本当に情けない‥」

両面宿儺(エリザベート)「いやむしろ、お前たちの式神はこの呪いに満ちた渋谷の地に適応できないものなのか?お前のそばにいる2人を除いて。」

プトレマイオス(老)「呪いだと・・・!。そうか‥吾の周りで感じていた違和感の正体がこの渋谷全体に満ちていたモノだったとは・・・」

【どういう事?】

プトレマイオス(老)「ああ。マスター、ここは一旦この場を引くしか方法はない。近くに寄れ、マスター。マシュ殿。」

プトレマイオス(老)「既に宝具を放つ準備は出来ている。今すぐこの場を離れるぞ!」

マシュ「は、はいッ!」

タタタタタッ!


キィィィーーン!

プトレマイオス(老)「いざ開け、叡智の門!世界の集積を知るがいい。我らの行く末を識るがいい。」

プトレマイオス(老)「全知全能ならざる我らが全知全能なる者へと挑む!遥かなる歴史をその魂に刻め!」

両面宿儺(エリザベート)「!。(ほぉ・・・この気配、アレを使う気か?)」

両面宿儺(エリザベート)「(面白い、少し気が早いがこちらも見せてやろう。何も知ろうともしないお前たちに、呪いのなんとやらというものを。)」


キィィーーン、ピカァァーーン!

プトレマイオス(老)「『王の書庫(ビブリオテーケ・バシレイオー)』!!」

両面宿儺(エリザベート)「領域■■―――――」

ピカァァーーン、バリィィーン!キラキラァァ~~・・・


【やった・・・・】
【どうにか逃げ切れたみたいだね・・・】←

プトレマイオス(老)「うむ。一時的ではあるが、あの呪いが充満している場所と空間を切り離したといってもいい。」

プトレマイオス(老)「それでも尚、とにかくここは安全な場所へ――――――」


ガシュンッ!バリバリッ!

プトレマイオス(老)「ガッ――――」

マシュ、藤丸立香「!?」


バリバリバリィィ~~ガシャァァ~~ン!!

プトレマイオス(老)「パァァァ~~~~~!?」

バシュゥゥ!パカァァン!!



両面宿儺(エリザベート)「――――――」

【プトレマイオス!?】←

マシュ「そんな・・・プトレマイオスさんの身体が5枚おろしに切り刻まれて・・・」

両面宿儺(エリザベート)「フッ・・・思ってたより弱いな。3枚におろしたつもりが、これでは期待外れにも程があるよなぁ?」


キュゥゥゥ~~ン・・・・
―――――――――――――――――――
両面宿儺(エリザベート)曰く、渋谷の特異点に充満している呪いの影響でカルデア式召喚術で召喚されたマスターのサーヴァントは召喚された途端に霊基共々蒸発するように消滅し、

その渋谷ハロウィン特異点に充満した呪いが原因であることを自身が感じた違和感によって察知したプトレマイオス(老)はマスターとマシュの身を案じ、

プトレマイオス自身の宝具『王の書庫(ビブリオテーケ・バシレイオー)』を発動し、この場から撤退しようとしていたのだが、

プトレマイオス(老)は謎の力によって身体を5枚下ろしにされるように切り刻まれ、マスターたちの目の前で彼は消滅した。

そしてその彼が消えた所の前には両面宿儺(エリザベート)の姿があり、彼女はその2人に対して冷めたような目をして彼女たちを見下していた。
―――――――――――――――――――

【貴方、プトレマイオスに何をしたの!?】←

両面宿儺(エリザベート)「何をしたと?俺はただあの式神のジジイと領域の綱引きをしようと、こちらも領域を展開させたに過ぎない。」

両面宿儺(エリザベート)「ただ・・・あのジジイの領域はあまりにも弱すぎた。ただそれだけの事だ、異論はない。」


【なん・・・だって・・・】
【いったいそれはどういう・・・・】←

両面宿儺(エリザベート)「全く、お前たちが弱すぎて話にならん。これでは興が冷めるというもの・・・」

両面宿儺(エリザベート)「こうなった以上、もうお前たちを生かしておく必要はなさそうだ。さっさとこいつらを始末するとするか。」

【くぅ・・・・】
【(ダメだ、このままじゃ・・・・)】←


両面宿儺(エリザベート)「・・・そういえばお前、俺がなぜお前たちをわざわざ出向いて殺しに来たのか知りたいか?」

両面宿儺(エリザベート)「ただでさえ殺してもつまらぬから、一つ話を聞いてから死んでも構わぬだろ?ただでさえ、この身体の持ち主だったあの女の願いを聞いてあげたのだからな?」

【!?】
【それってまさか・・・】←

両面宿儺(エリザベート)「そう。お前が探していたというエリザベート・バートリーとかいう小娘が俺に身体を明け渡した際、俺にある頼みを頼まれてな。その頼みというのが・・・」


両面宿儺(エリザベート)「『“マスターであるお前(藤丸立香)を殺して欲しい』っとな。」

【――――!?】←


ガシュッ!パカァァーーン!!

真っ二つにされたマスター(藤丸立香)「」


マシュ「マスター!?」

ガシュッ、バラバラァァァーーー!!

サイコロステーキにされたマシュ「」


両面宿儺(エリザベート)「クフフフフフ、クッハハハハハハハ~~~!!」

―――――――――――――――――――――――――――――
サーヴァントの簡易召喚を封じられ、同行していたサーヴァント・プトレマイオス(老)を瞬時に殺され、瞬く間に追い詰められたカルデアのマスターとマシュ・キリエライト

彼女たち2人を殺しに来た両面宿儺(エリザベート)がマスターに向けて放った事は、彼女にとって、とてつもなくあまりにも衝撃的な事であった。


『“マスターであるお前(藤丸立香)を殺して欲しい。』

そのエリザベート・バートリーの伝言とも言えるその言葉は、ただでさえエリザベート・バートリーとは事情によってハロウィンが行なわれなかった事の話で揉めて、心ない言葉で彼女を傷つけてしまったばかりに、

その彼女からの呪詛とも言える言葉を聞いたカルデアのマスター(藤丸立香)の頭は、あの時エリザベート自身を傷つけた事でこの大惨事を起こしてしまったことへの後悔と絶望と共に、


同じく同行していたマシュ・キリエライトもまた、その身を謎の力によって身体を切り刻まれていき、カルデアのマスターである藤丸立香もまた、

両面宿儺(エリザベート)によって彼女(藤丸立香)は真っ二つに切り落とされ、彼女の目の前は真っ暗となった。
―――――――――――――――――――――――――――――

Fate/GrandOrder スペシャルイベント:怪奇ハロウィン廻線~呪いと陰陽の聖杯戦線~

メインテーマ:青のすみか(FGOバージョン)

――――――――――――――――――――――
怪奇ハロウィン廻線~呪いと陰陽の聖杯戦線~ CM


CV:諏訪部順一バージョン

『お前たちにこの俺を祓うことなど出来るのか?』

『黙殺されたハロウィンの渋谷にて真っ暗で最悪の呪いの廻戦が始まる。』

『Fate/GrandOrder 怪奇ハロウィン廻線~呪いと陰陽の聖杯戦線~』

『貴様のその呪いが、この俺を呼び出したというのだからな?』



CV:中村悠一バージョン

『黙殺されたハロウィンの渋谷で巻き起こるカルデア最悪の呪いの廻戦』

『カルデアのマスターと1人の呪術師との絆がハロウィンの奇跡を起こす!』

『Fate/GrandOrder 怪奇ハロウィン廻線~呪いと陰陽の聖杯戦線~』

『さぁ、君たちの呪いを僕が祓ってあげよう。』

怪奇ハロウィン廻線~呪いと陰陽の聖杯戦線~


第1廻戦:登場!カルデアと最強の陰陽呪術師
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呪え。呪え。自身の不幸を呪いたまえ。他者の幸福を呪いたまえ。

君の心を傷つけた者を呪え。君の内なる呪いを解き放て。

君の望む事は永遠に続く。君のその呪いが、君の真なる『願い』を叶えてくれるのだから。
―――――――――――――――――――――――――
ストーム・ボーダー:藤丸立香のマイルーム?


【・・・・・・ハッ!】

マシュ「先輩!良かった・・・先輩がなかなか眼を覚ましませんでしたので心配しまして・・・」

ダ・ヴィンチちゃん、シオン、ゴルドルフ、ネモ、ムニエル「・・・・・・・・・」


タッタッタッタッ・・・

エリザベート「あら、ようやく起きたのね子ジカ。ほんと、私やマシュの事を心配させないでくれるかしらねぇ~・・・」

【エリちゃん・・・】←

エリザベート「何かしら?何か私に言いたい事なら聞いてあげてもいいわよ?」

【うん・・・・実はその・・・】
【エリちゃんのハロウィンの事で話が・・・・】←

エリザベート「ハロウィン?ああその事ね・・・その事ならもうとっくにあなたの事なんかしらないわよ。」

エリザベート「あなたは“私のハロウィン”より“あっちの城(聖杯戦線)”を選んだ。そしてあなたは私の心を傷つけた。その結果・・・・」


ジュオォォォ~~~ン!!


両面宿儺(エリザベート)「お前はもう殺されるのだ。お前が傷つけた、エリザベート・バートリーの呪いによってな。」

【―――!?】


ガシュ、パカパカァァァーーン!!

マシュ「(八つ裂きにされる)」

ダ・ヴィンチちゃん、シオン、ゴルドルフ、ネモ、ムニエル「(同じく八つ裂きにされる)」


【あ、あああ―――――――――――】←

両面宿儺(エリザベート)「呪え。お前が彼女にしでかした事を、お前が犯した自身の咎と罪を・・・・」

両面宿儺(エリザベート)「彼女はお前を許さぬ。お前は彼女の呪いによって葬られる・・・お前が捨てたハロウィンと共‥。」


ガシュッ!パカァァーーン!!

再び真っ二つにされたマスター(藤丸立香)「」


グチャァァ~~・・・ドサッ・・・・

気づいてあげられなかった・・・・エリザベート・バートリーがあそこまで自分の事を呪うほどに自分の事を恨んでいたということを・・・

そして自分へと向けられた呪いがマシュやダ・ヴィンチたちにも向けられ、抵抗空しく八つ裂きにされる。

これではもう弁解など出来ない。自分のしてきた事は彼女(エリザベート)の呪いによって全て瓦解していく・・・

肉体は切り刻まれ、意識も切り刻まれ、そして――――――



???「ちょっと。自分の中で懺悔する気持ちはあるのはわかるのだけど、さすがに諦めるの早すぎなんじゃないかな~?」

???「まあそれはそれでそうなったら、この僕の出番がなくなるのはどうも良くないと思うからね。」
――――――――――――――――――――――――――――
呪霊廻廊戦界チェイテ・渋谷■■■:何処かの隠れ家


パチパチパチ・・・・


藤丸立香(女)の前に立っている1人の銀髪の青年
https://img.ananweb.jp/2023/08/26120715/jyujyutsu15-768x398.jpg


銀髪の青年「おっ、ようやく目が覚めたか。ああ良かった、君が無事で本当に良かった良かった!」

【――――!?】←
【誰!?】


銀髪の青年「まぁまぁ落ち着いて!君に変な事をしたりしてないし、君の事を食べたりしないからさぁ~。」

銀髪の青年「僕はむしろ君の事を助けてあげたんだよ。あの結構ヤバい領域から君たち2人を助け出す為にね。」

【助けてあげた?】
【!。そういえばマシュはどこに!?】←


ガチャッ、タタタタタタッ!

マシュ「マスター!よかった目覚めたのですね!本当に良かった・・・・」

【マシュ!】
【良かった、君が本当に無事で・・・】←

マシュ「はい。それに私だけじゃありません。私とマスターと同行した5騎の内、2騎のサーヴァントもここに・・・」


タッタッタッタッタッタッ・・・‥

望月千代女「お館様!良かった・・・お館様が無事で本当になによりなもので・・・」

バーヴァン・シー「やっとお目覚めのようねマスター。ったく、ほんと貴方は私たちの事を心配させやがって・・・」

【望月千代女!バーヴァン・シーも!】←

ガガガァァ~~~、ピピィィー!


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「藤丸ちゃん!マシュ!」

銀髪の青年「おっ、こっちの方もようやく繋がったみたいのようだね。」

【ダ・ヴィンチちゃん!】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ふう、よかった・・・観測が一時途切れたときは焦ったが、君とマシュの2人が無事でなによりだ。」

マシュ「はい。私とマスターの他に、バーヴァン・シーさんと望月千代女さんもまた、無事に合流できたのですが・・・・」

【私たちの目の前で】
【ファラオのプトレマイオスが・・・・】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん、こちらも藤丸たちの状況が悪い事は把握している。2人と同行したサーヴァントの内の3騎・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「徐福、牛若丸、モレ―の3騎が渋谷にレイシフトした途端に退去、プトレマイオスもまた戦闘行為による退去が確認されている。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「でも幸いこの4騎の霊基情報に影響がないし、復元にも影響もないから安心したまえ。」

ゴルドルフ(通信)「うむ。なぜ同行したサーヴァントの内の3騎は即座に退去し、2人と合流した2騎は無事であるのか、こちらで原因究明はしているのだが・・・」

ゴルドルフ(通信)「ところで、そちらのサーヴァントっぽい銀髪眼鏡の男性、君は?」

【あっ、そういえば・・・】
【確か私たちはこの人に助けられて・・・】←


銀髪の青年「おっと、僕の自己紹介がまだだったね。そう、僕がここにいる4名を助けたサーヴァント。この渋谷に1人でに召喚されたはぐれサーヴァントさ。」

銀髪の青年「クラスはキャスターで、真名は・・・・今ここで言ったところで問題があるか無いかが心配なんだけどなぁ・・・」

【出来れば教えて欲しいのだけど】
【真名を知られたくないの?】←

銀髪の青年「まぁ今の僕にはそんなところであるし、そうでもないのだけど・・・・」

銀髪の青年「・・・そうだ!君、僕の真名を当ててみるのはどうかな?まあ難しい問題じゃないからさ。」

【うん】
【じゃあ、少しヒントを教えてくれるかな?】←

銀髪の青年「ああ良いよ。ヒントはこのなりをしているけど、こう見えて大昔の日本である術を使って、悪霊などの呪いを祓っていたんだよ。」

銀髪の青年「その術の名前は陰陽道。これを聞けば君のような少女も少しは知っているはずだよね?」


【もしかして安倍晴明?】←
【蘆屋道満の同業者だったりして?】

銀髪の青年「ブッブゥゥ~~!違いま~す!確かに陰陽師といったら安倍晴明って言っちゃうのはわかるのだけどね・・・」

銀髪の青年「僕はこう見えてもその安倍晴明が生きていたという平安時代よりずっと前から陰陽道を駆使していてね。その術を海を渡って会得したというのがねぇ~・・・」


【平安時代より前って・・・】←
【私にはとても答えられないというか・・・】

シオン(通信)「そのあなたの真名について、こちらでお答えさせても宜しいかと思いますが、」

シオン(通信)「あなたのいう平安時代よりも古くから陰陽道の事を知っており、その術を海を渡って会得したというその話・・・」

シオン(通信)「つまりあなたはその陰陽道をそこで学び、それを日本に広めた陰陽道の開祖―――」

シオン(通信)「その真名を、『吉備真備』といって間違いないでしょうか?」

銀髪の青年「!。―――正解!」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「吉備真備!平安時代よりも前の奈良時代、当時の中国の唐へ遣唐使として渡り、陰陽道の聖典などの様々なモノを持ち帰ったという外交官じゃないか!」

【様々なモノって?】←

銀髪の青年→吉備真備「そう!僕はこれでも遠くの海を渡り、かの中国の地で色んな事を学び、色々と日本にそれらを広めた、今で言う外交官ってヤツなのさ!」

吉備真備「持ち帰ったものは沢山!当時流行ってた『唐翌礼』130巻などの大量の文物に、楽器、兵器や兵法の知識も持ち帰ったんだよ。」

吉備真備「特に有名なのはその唐の地で陰陽道の聖典を持ち帰り、当時の日本に陰陽道を広め、その知恵と策で当時の政を治めていた。」

シオン(通信)「はい。そんな彼に嫌味の目をつけた唐の役人に罠を仕掛けられるも、彼はどうも空を飛んだり鬼を操ったりして退けるなど、どうも奇想天外な話がありまして、」

シオン(通信)「魔術協会やアトラス院で彼の存在は陰陽道の開祖であり、魔法使いではないかと推測がされていたと記憶があったような・・・」

【随分と凄い事が出来るんだ・・・】
【流石陰陽師の開祖というか・・・】←

吉備真備「ハハハハハ!まあ僕の事については君たちの解釈の自由って事で、僕は少しも気にしてはいないからね。」

吉備真備「だがそれよりも君たちがこの渋谷の地に来て、君たちの身にいったい何が起こった事については心当たりはあるかな?」

マシュたち「―――!?」


吉備真備「まあそれについては僕も君たちを助けた事にも関係しているからね。ここは一つ、お互いに情報交換と行くとしましょうか。」

吉備真備「少なくても僕は君たちが対峙した奴とは違う。少しは信用できる存在とも言えるサーヴァントである事は間違いない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん。こちらも彼女たちに伝えなきゃならない事もあるからね。藤丸ちゃん、それでいいかい?」

【わかった。】←

――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターが目を覚ました時には何処かのアジトとも言える部屋におり、

そこで両面宿儺(エリザベート)によって切り刻まれたはずのマシュ・キリエライトと当時行方知らずだった2騎のサーヴァント(バーヴァン・シーと望月千代女)と合流し、

そして彼女たちを助けたという、■■■と顔も姿も似ているキャスタークラスのはぐれサーヴァント『吉備真備』と出会い、

その彼と共に、カルデアの彼女たちの身に起きた一部始終を伝えると共に互いに情報交換をしていくのであった。
――――――――――――――――――――――――――

カクカクシカジカ・・・・‥


【ということなんです・・・】←

シオン(通信)「カルデア式召喚術でサーヴァントを召喚した瞬間、それが維持できずに蒸発した・・・」

シオン(通信)「成る程。おそらくそれが徐福たち3騎のサーヴァントが即時に退去した原因と同じ現象と見て間違いないようですね。」

シオン(通信)「なんというか・・・こんなの絶対ありえナイナイと言いたいのですが、藤丸さんの言葉が正しいとなるとこれはその・・・」

【いったいどうしたの?】←

シオン(通信)「はい。あの後、藤丸さんたちが特異点にレイシフトした直後、急遽としてトリスメギストスIIがはじき出した予想値の修正が出されまして、その結果が・・・」

シオン(通信)「“カルデアは呪われた。”“特異点に着いた瞬間、終わったわ。”っと一文で終わってました。」

マシュたち「――――!?」

【――――は?】
【――――なんて?(メリュジーヌ顔)】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「言葉の通りさ。徐福たち3騎がすぐに特異点から退去がされたと不信に思い、すぐに特異点を含めて再調査してみたら・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「微少特異点(いつものハロウィン)の大きさだったのが、突如として死想顕現界域トラオムと同じような人類史がすぐにでも泡沫化してもおかしくない程の大規模特異点に膨れあがっていて、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかもレイシフト適性サーヴァントの数値が、君たちを入れた数値から適性0とマークを示したんだ。」

【0ってそんな・・・・】
【それって、レイシフトできるサーヴァントがいないって事?】←

ゴルドルフ(通信)「全くどうなっているんだ!?たかが一騎のハロウィン大好き鮮血魔嬢が始めた祭ごとが、すぐにでも人類史を壊しかねない不測の事態になるなど、」

ゴルドルフ(通信)「ハロウィンというのはカルデアにとってそこまで最重要事項のイベントであったというのか!?」


吉備真備「いや、これについてはこの渋谷で起きている現象をそこのカルデアでも計ることが出来ない程の呪いがそうトリスメギストスIIという演算器が示した結果と見て間違いないと思える。」

吉備真備「何せこの渋谷にかけられた呪いは特殊でね。並大抵の魔翌力を持ったサーヴァントでもまた、そこに入ればその呪いに掛かってしまうようにこの渋谷にかけられた呪いで満ちている。」

吉備真備「例えるとすれば、この渋谷の特異点は一種の深海の奥底であって、その深海に入ったサーヴァントはそこの深海の水圧・・・つまりこの渋谷特有の呪いに掛かってしまい、」

吉備真備「最終的にその呪われた身体にサーヴァントが耐えられず、気づいたときには霊基が呪いで潰れ、サーヴァントの魔翌力の身体が維持できず消滅せざるおえない。」

吉備真備「まあ簡単に言えば、“渋谷の呪いが強すぎて、お亡くなり”ってわけ。」


【そんな・・・こんなのって・・・・】←

マシュ「待ってください!それではなぜ、そのような致死相当の呪いにマスターと私は平気だったのでしょうか?」

マシュ「さっきまで現界していたプトレマイオスさんもまた、渋谷に充満していた呪いに適応していたことですし、望月千代女さんやバーヴァン・シーさんだって・・・」

望月千代女「ああ。拙者の場合、バーヴァン・シー殿と共にマスターとは別の渋谷の所にレイシフトされ、即座の退去には至りませんでしたが、それはもう息をするのもままならない程でして・・・」

バーヴァン・シー「そうよ!あんな場所にこいつと一緒に死にかけたのよ!ほんと、帰ったらお母様に言いつけてやりたいぐらいよ!」

吉備真備「まあそうなるよね。それについてはまず、千代女ちゃんとバーヴァン・シーちゃんの方から答えるとして、その2人がこの渋谷に充満した呪いに耐えられた共通点として、」

吉備真備「その2人にはこの渋谷の呪いに対する耐性が偶然にもあって、僕が君たちが呪いに苦しんでいる所を見かけたのを、僕の術式でコーティングして助けてあげたって事。」


キィィン、シュンシュンシュンシュン!

吉備真備「これが君たち4人にかけた渋谷の呪いに対しての術式だ。この渋谷に充満している負の呪力に同じ負の呪いを与え、そこから正の呪いを生みだしそれを利用する。」

吉備真備「これらを君たち4人にかけて助け出し、君たちをこのアジトに招いてあげたっていう事が今の君たちの状況って事。」

【成る程。】
【それで私とマシュとプトレマイオスの場合は・・・】←

吉備真備「君たちのいうあのプトレマイオス朝のおじいちゃんの場合、は偶然にもここの呪いに干渉しない術式を渋谷に来る前にかけていたのがこうのなして、ここに来た瞬間に呪いに押しつぶされる事は無くなったのは事実さ。」

吉備真備「僕も彼の術式を感じ取り、君たちがいたセンター街の中央に来てみて、そこでカルデアのマスターとマシュの2人を見つけたのだけど・・・」

吉備真備「彼を助け出すのには間に合わず、君たち2人をあの“両面宿儺に似た女の子”から引き離す事を優先し、君たちは命からがら生き延びたって事。そういうこと。」


【両面宿儺・・・・】
【!?】←
―――――――――――――
回想シーン:渋谷センター街にて・・・


両面宿儺(エリザベート)「『“マスターであるお前(藤丸立香)を殺して欲しい』っとな。」
―――――――――――――――


【・・・・・・‥】
【エリちゃん・・・】←

ゴルドルフ(通信)「両面宿儺・・・確か日本書記などに伝えられているという、神として崇められていた妖怪とは聞いていたのだが・・・」

ゴルドルフ(通信)「その姿はあの問題となっている鮮血魔嬢・・・エリザベート・バートリーと姿があまりにもそっくりだとマシュ女史から聞いている。」

ゴルドルフ(通信)「ってかそもそもなぜ、東洋の妖怪である両面宿儺の姿がエリザベート・バートリーの姿と似ているのだ!?奴はいったい何者だというのだ!?」

吉備真備「ああ。僕も彼女たち2人を助ける際に少しながらあの両面宿儺の姿を目の当たりにしていたのだけど、アレは正直なんというか・・・」

吉備真備「僕の知ってる両面宿儺の姿とはあまりにも姿もイメージもかけ離れており、僕からしてみれば、なんというかその・・・・」

【身体を明け渡したって言っていた】
【その両面宿儺にエリちゃんが・・・・】←

吉備真備「!?。そういう事か・・・なぜあの宿儺がそのエリザベート・バートリーの姿をしている事が一つわかった。」

吉備真備「彼女(エリザベート・バートリー)は今、両面宿儺という魂の器となっているんだ。」


【!】
【それってもしかして・・・】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そうか!つまりその両面宿儺というのは、エリザベート・バートリーというサーヴァントの霊基に両面宿儺の霊基が寄生していて、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「身体の方はエリザベートであるが、能力と人格は両面宿儺であり、人格の方は両面宿儺の側が完全に主導権を握っているといってもいい。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「言うなれば、マシュと藤丸ちゃんが見た両面宿儺はエリザベート・バートリーを依代として現界した疑似サーヴァントっていうこと。」

吉備真備「成る程。英霊の座で話は聞いてはいたが、中国のとある軍師のような依代に肉体の主導権を任せきりにしているタイプとか、メソポタミアの女神のような神霊と依代の人格が融合したタイプとも違っており、」

吉備真備「ただでさえ、そのエリザベート・バートリーというサーヴァントの肉体を何らかの形で乗っ取り、自身の事を両面宿儺と名乗り出て、君たち2人を殺しにかかったって事なのかな。」

【まあそんな感じかも・・・】
【(わかるとしたら平景清のようなモノか・・・)】←


シオン(通信)「両面宿儺と名乗るエリザベート氏の正体がエリザベート氏の身体を乗っ取り、疑似サーヴァントして現界した両面宿儺と見て間違いはないと思いますが、」

シオン(通信)「問題はその宿儺が藤丸氏に言ったという――マスターである藤丸氏を殺して欲しいという願いを元にその肉体主導権をエリザベートさんから明け渡されたというその説・・・」

シオン(通信)「もしそれが本当だとすれば、今回の大規模特異点と主軸であるエリザベート氏は本当に自身のマスターである藤丸氏を・・・」

ゴルドルフ(通信)「ば、バカを言うでない!確かにマスターの使い魔であるサーヴァントにも心がある以上、場合によってはそのマスターに不満を抱く事はあるに超したことはないのだが‥」

ゴルドルフ(通信)「だが仮にもあの鮮血魔嬢が自身を召喚したマスターを殺そうというのか!?彼女自身が用意したハロウィンを潰されたくらいで・・・」

吉備真備「いや、それについては僕もはっきりとエリザベート・バートリーがその自身のマスターである藤丸ちゃんに殺意を抱き、その殺意が彼女の呪いとなり、」

吉備真備「その呪いが両面宿儺の力となり、その力がプトレマイオスを八つ裂きにし、君たちをあの場で殺しかけた要因にもなっている事なんだよね?」

【!?】←


吉備真備「この渋谷は今、数多くの呪いが渦巻いており、その呪いは並大抵の魔翌力を持つサーヴァントさえも呪われてその呪いに押しつぶされる程に呪いが膨れあがってしまった。」

吉備真備「僕はそんな呪いへの耐性を持ち、この渋谷に渦巻く呪いを祓う為に現界し、その過程で君たちと出会った。」
吉備真備「しかしその君たちの存在が、あの呪いの王と呼ばれる両面宿儺をエリザベート・バートリーの身体を依代に現界させた呼び水になっており、君たちはそいつに殺されかけた。」

マシュたち「・・・・・・・・・・」

吉備真備「つまりここにいる君たち・・・カルデアにこの渋谷の特異点に渦巻く呪いを祓うことなど出来ない。呪いのことなど知らず自身や仲間を危険な目に遭わせ、」

吉備真備「極めつけはこの渋谷の大規模特異点を作った元凶が君たちカルデアであり、呪いの元凶であるエリザベート・バートリーが君たちを[ピーーー]ほどの呪いを受け持ったのが全ての始まりって事。」

吉備真備「しかも君たちを呪う理由が彼女(エリザベート)の大好きなハロウィンのイベントを黙[ピーーー]る形で潰したって事なんだよねぇ~。なんというかその・・・」

吉備真備「君たちはハロウィンという一年でもっとも盛り上げがいのあるイベントを無視して、聖杯戦線(w)とか意味のないキャンペーンで虚無にふてりたかったって事なのかなぁ?」


【別にそんなつもりはなかったのに・・・・】
【・・・・・・・・・】←

吉備真備「まあ別に僕の陰陽術式でなら、この渋谷の特異点から君たちを出してあげられる事など増差もないからねぇ~。カルデアの方も少しはわかっているはずだよね?」

吉備真備「この渋谷の呪いのせいであの2人をカルデアに連れて帰ることも出来ないっていうことを、連れて帰ろうにも呪いがそれを邪魔して帰る事も出来ないって?」

シオン(通信)「え、えぇ確かに吉備真備さんの言う通りなのですが・・・‥それが何か‥?」

吉備真備「僕、どっかのグランドキャスターのような千里眼を持っていないのだけど、見る眼はとてもじゃないほど良いものでね。君たちカルデアの事は噂に聞いてはいるけど・・・」

吉備真備「なんかその・・・オーディール・コールとかなんかで、君たちの咎とか何かで人理に対して問題を起こしていると聞いてはいたのだけど、ここまでとはねぇ~‥」

マシュたち「!?」

【!?】←


吉備真備「まあ別に僕には関係の話だ。このまま君たちカルデアが原因で引き起こしたこの大規模特異点によって現代の人類史が泡沫化するのは時間の問題だし、」

吉備真備「君たちがこの事態を引き起こしたことで、いずれにしても君たちカルデアの“歪み”はこの特異点を持って広がりも見せ、君たちの『人理定礎』は、そうだなぁ~‥」

吉備真備「人理定礎がDからEに逆戻り‥いや、それより下のFに、はたまたG~Zにまで下がり続けるでしょうね?まあ、人類史全体が泡沫化すれば関係の内は無しだけど。」

吉備真備「まあそれでも僕がこの特異点の呪いを祓えばそれで良いし、呪いを祓えない君たちがいても―――」


【帰らないよ】←

吉備真備「――はい?」

【歪みとか特異点とか関係ない・・・】←

【私にはまだ・・・】
【エリちゃんに謝らないといけないの!】←

吉備真備「その謝罪したいというエリザベート・バートリーは今、君の事を宿儺に頼ってでも殺したいと呪っているとしてもか?」

吉備真備「君が故意にエリザベート・バートリーの心を傷つけ、そしてその彼女に呪い殺される事になったとしても、彼女に謝りたいと?」

【構わない】
【私はあの子を傷つけた自分が許せない】←

【私はもう一度、エリちゃんとハロウィンを楽しみたいの‥】←

吉備真備「その彼女に殺されるとわかってでも?」

【それでも私は謝りに行く】
【私はあの子のマスターとして、カルデアのマスターとして、】←

【エリちゃんに全部謝って、彼女を連れ戻しにいく】←

【でないと私は・・・・】←

【ただあの子を傷つけただけの『クズ』よ。】←


マシュ「先輩・・・‥」

吉備真備「・・・・・・・・・」

吉備真備「そうか。つまりその両面宿儺に取り憑いているエリザベート・バートリー本人と和解するまでは君はこの特異点から出ることを許すことはなく、」

吉備真備「逆に無理やりでも特異点から脱出するのであれば、君は一生君自身を呪い続ける事になる‥そう言いたいのかい?」

【(頷く)】←

吉備真備「・・・・・・・・・・」


吉備真備「・・・よしわかった。君がその気であれば、僕は君に協力しないわけにもいかないからね?」

吉備真備「君があの呪いの王たる両面宿儺と戦う為にも、呪いに一番詳しい僕の存在が不可欠といっても過言はないさ!」

【もしかしてそれって・・・】
【私たちに協力してくれるって事?】←

吉備真備「ああそうさ。僕もちょうど君のような魔力供給をしてくれるマスターの存在が欲しくてね。サーヴァントの存在には必ずしもそれをサポートするマスターの存在が必要不可欠だからね。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「確かに・・・こちらのサーヴァントがいきなり4騎も退去し、こちらからのサーヴァントのレイシフトが出来ない以上、現地のサーヴァントの協力はなんとしてでもほしい。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「加えてこちらのサーヴァントを助けてくれた他にこちらからの通信も回復させてくれた以上、君とは特異点解決まで協力してくれると、こちらもありがたいと思うのだが・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「君がその気であるならこちらと同盟を組み、共に渋谷の特異点の呪いを祓っていくのも手の内だからね。」

マシュ「はい。吉備真備さんが協力してくれれば、両面宿儺に取り憑かれたエリザベートさんを救える可能性があるかもしれませんですしね。」

【うん!】
【なのでお願いします、吉備真備さん!】←

吉備真備「おう!そういう訳で君と仮契約を結ばせてもらいますかぁ!ほらほら、こっちに手を貸して!」


シュッ、キィィ~ジャキィィン!
――――――――――――――――――――――
カルデアにいるダ・ヴィンチたちの話と吉備真備の話から、この渋谷の特異点はカルデアが想定していた以上の特異点だったことがわかり、

その渋谷の特異点には通常のサーヴァントではすぐに押しつぶされて蒸発してしまうほどの呪いが充満しており、

吉備真備の助けなしではカルデアのサーヴァント達は呪いに耐性があったサーヴァントもまともに耐えられなかったと吉備真備から告げられ、

そしてその彼からもまた、エリザベート・バートリーがカルデアのマスターを呪殺させたい程の呪いが彼女を両面宿儺に寄生された疑似サーヴァントへと変貌を遂げたと仮説を持ち込み、

カルデアのマスターたちでは渋谷の呪いを祓えないと思った吉備真備は、彼女たちに渋谷の特異点への退去を進めるも、

エリザベートと和解をしたいカルデアのマスターはそれを良しとせず、吉備真備に自身の思いを伝え、彼はそれに答えるかのように、

吉備真備はカルデアのマスターと協力・同盟を結ぶ一環として彼はカルデアのマスターと仮契約を結ぶのであった。
――――――――――――――――――――――

吉備真備「これで契約完了か。確かに君から魔力が流れ込んでくる感じがするな。話を聞くからにこの渋谷の特異点を解決するには、」

吉備真備「両面宿儺の疑似サーヴァントなっているエリザベート・バートリーから、彼女に取り憑いている両面宿儺を引き剥がし、彼女をカルデアへと連れて帰る。」

吉備真備「そして渋谷の特異点の生成と原因でもある聖杯を回収する。まあ聖杯を回収すれば特異点は解決したの当然だと思うからね。」

吉備真備「そうと決まればすぐにでも両面宿儺の元へと行きたいのだけど・・・・」


【どうしたの?】
【何か問題でもあるの?】←

吉備真備「まあ問題があるとしたらあるのだけど、実はあれから君たちが寝ている間に外の様子が随分と慌ただしいなあと思って外を見てみたらね・・・」


シャァァァ~~~!
――――――――――――――――
吉備真備のアジトの外では・・・・


シャドウサーヴァントの群れ?「アァァ~~~クワァァァ~~~~!!」

シャドウサーヴァントの群れ?「トリック・オア・トリート!トリック・オア・トリートォォ~~!」

【うわぁぁ!?】
【シャドウサーヴァントがこんなに!?】←


吉備真備「いや、あれはただのシャドウサーヴァントではない。この呪いに満ちた渋谷に生まれ、その姿を持って渋谷に更なる呪いを振りまく」

吉備真備「呪いによって身体が構築され、その姿はサーヴァントと同等であるも霊基の性質はこの渋谷の呪いで構築された呪いを振りまくサーヴァント。」

吉備真備「僕はあの呪いで出来た存在を“呪霊サーヴァント”と呼んでいる。」

【呪霊サーヴァント・・・】←

吉備真備「まあただでさえ1体1体は普通のエネミーと大層変わりはないのだけど、問題はその奥にいる呪霊サーヴァントをよく見て。」


――――――――――――――――――――
吉備真備のアジトの外:領域内の奥


特大オーラを纏う呪霊サーヴァント「―――――――」

それを守っている呪霊サーヴァント「―――――――」


【あのオーラを纏った呪霊サーヴァントは・・・・】
【もしかしてこの群れの主?】←


吉備真備「そう。その呪霊サーヴァントが生得領域という一種の固有結界を出して、僕たちをこの領域内に閉じ込めているんだ。」

吉備真備「領域内ではいったい何が起こるのかもわからないし、君たちがあの呪霊サーヴァントたちを祓えるのかも、その時の僕にはわからなかったからね。」

吉備真備「とりあえずアジトには呪霊サーヴァントたちを寄せ付けない結界術を貼ってあるから結界内には侵入できないから安心なんだけど‥」

吉備真備「このまま引きこもっても状況はいつまで立っても変わらない以上、君たちがやるべき事はわかるよね?」


【はい】
【要するにあの呪霊サーヴァントたちを祓うんですよね?】←

吉備真備「うん、その通り!」

バーヴァン・シー「ふ~ん、面白そうじゃない。その呪霊サーヴァントとかを倒せば良いんでしょ?だったら尚更戦えばいいじゃない。」

バーヴァン・シー「こっちもまた、こんな渋谷の呪いで死にかけた分の鬱憤を晴らしたかったところだし、腕ならしにやってやるわよ!」

望月千代女「はい。こちらも戦う準備は出来ています。マスター、どうか指示を!」

【うん!】
【みんな、戦闘配備!】←


吉備真備「おうおう、やる気みたいだねマスター。そうと決まれば僕もマスターの為に色々とサポートしていかないとね!」

吉備真備「領域内での戦いは普通のサーヴァントとの戦いとは違い、色々と面倒な事がいくつもあるから大変だと思うのだけど・・・」

吉備真備「まあそこは今後の戦いに対してのチュートリアルだと思えばいいし、ヤバくなったらこの僕が助けてあげるからさ。」

【じゃあ、お願いしようかな・・・】
【なるべく無理はしないから大丈夫だよ】←

吉備真備「おっ、言ってくれるじゃないか。まあ君がそう言うのなら僕も安心して君と肩を並べられる。」

吉備真備「だけどもし君が危なくなったときはいつでも言ってくれ。僕は必ず君の思いに答える―――」

吉備真備「なんたって、僕が来たからにはもう大丈夫。僕は君たちの呪いを祓うために来た呪術師だからね!」

――――――――――――――――――――――――――――
吉備真備と仮契約を結び、彼と共に両面宿儺(エリザベート・バートリー)の元へ行こうとしようにも、

アジトの外では呪いによって生み出された“呪霊サーヴァント”が生得領域を展開し、彼らを領域に閉じ込め、多くの呪霊サーヴァントたちと共に彼らに襲いかかろうとしていた。

その状況を見たカルデアのマスターたちはここから先に進むには呪霊サーヴァントたちを祓う必要があると判断し、呪霊サーヴァントたちを倒す(祓う)為に戦闘態勢を整えていき、


今まさに呪い渦巻く渋谷にて、カルデアとそのマスターがやらかした罪の償いをかけた戦いの火蓋が切って落とされたのであった。

ハロウィン聖杯戦線1:呪霊のサーヴァント
―――――――――――――――――――――――――――――
呪霊サーヴァントの生得領域:カボチャが多く実る庭園


吉備真備「呪霊のサーヴァントの祓い方は至って簡単であり、普通のシャドウサーヴァントと同じように倒せばいいのだが、生得領域内での戦いは違う。」

吉備真備「領域を展開している呪霊サーヴァントの頭領とし、他の呪霊サーヴァントもまた、その頭領に従う兵士として兵を展開し、頭領を守る為の布陣が出来上がる。」

吉備真備「わかりやすく言えば、この戦い方は聖杯戦争と同じような戦いだ。君はそれくらいの事はそっちのカルデアの方で経験しているよね?」

【はい、何度かありました】←
【え~っとそれはぁ~~・・・】

吉備真備「そうか。それなら僕からこれ以上の説明は不要だね。マスター、君からの指示を頼むぞ!」

【了解!】←


聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――――――――――――――
ハロウィン聖杯戦線1:呪霊のサーヴァント

勝利条件:領域内奥に存在する頭領の呪霊のサーヴァントを倒す


登場エネミー

呪霊サーヴァント・頭領(クラス・バーサーカー):クラス・バーサーカーx1


呪霊サーヴァント(カボチャ頭):クラス・セイバーx3

呪霊サーヴァント(カボチャ頭):クラス・ライダーx2

呪霊サーヴァント(カボチャ頭):クラス・ランサーx2

第2廻戦:結成、カルデア呪術連合
――――――――――――――――――――
呪霊サーヴァントの生得領域:カボチャが多く実る庭園・奥地


フゥゥン、ドスゥゥン!ガコンッ、ガコンッ!

呪霊サーヴァント・頭領「ヌォォォォ~~~~!!」

吉備真備、望月千代女「――――!」


ヒュッ、シュシュシュッ!ギュンギュンッ、ジャキンジャキンッ!

呪霊サーヴァント・頭領「グォォォォォ~~~~!!」

マシュ「敵呪霊サーヴァントの頭領、尚も攻撃を緩める事なく猛威を振るっています。しかしこちらも着々と追い詰めていっています。」

吉備真備「ああ。図体はデカくても相手は狂化で理性もなく暴れているだけのただのバーサーカーだ。隙を読めれば簡単に祓える。」

吉備真備「このままアイツに強烈な一撃を打ち込んで一気に祓うぞ!」


【はい!】←

【千代女!】
【バーヴァン・シー!】←

バーヴァン・シー「ったく、良いわよ。あんな狂ったケモノじみたヤツなんかズタズタのボロ雑巾にしてやるわ!」


呪霊サーヴァント・頭領「グォォォォォ~~~~!!」

バーヴァン・シー「フッ、テェェイッ!!」


シュパパパパァァ~~!ザクザクザクッ!

呪霊サーヴァント・頭領「~~~~~~!?」

バーヴァン・シー「クッフフフフッ!ザーコザーーコ!」

ギュゥゥゥ~~ン、ギュィィーーン!


ギュオンッ、ギュゥゥ~~ン、シュンッ!

バーヴァン・シー「終わりよ、何もわからないまま死んじゃえ!痛幻の哭奏(フェッチ・フェイルノート)!!」

クルクルゥゥ~ガキンッ!ギュゥゥ~~ン!


呪霊サーヴァント・頭領「!?――――――――」

ギュゥゥゥ~~ン!ガシュバジュゥゥゥ~~ン!!


ガシュゥゥ~ン、ギュゥゥ~ン・・・・

バリバリバリィィン!シュゥゥゥ~ン・・・‥


マシュ「敵呪霊サーヴァントの数の消滅、および敵勢力の生得領域の消滅を確認。やりましたねマスター。」

吉備真備「うん、初めての呪霊祓いにしては上出来だ。ほんと、大したもんだと言いたいところだね。」

【いやそれ程でも・・・】
【これでもみんなのおかげでもあるけどね】←

吉備真備「そんなことはないさ。だってそこの2人のサーヴァント、この即死しかねない渋谷の呪いに僕が来る前に耐えた他に初めてで呪霊を祓うからね。」

吉備真備「特にそこの彼女、バーヴァン・シーだったっけ?君のその可憐で美しく、その身のこなしで敵を翻弄し、敵を祓っていく」

吉備真備「特にその彼女が持ってるトンカチと釘で呪霊サーヴァントをあんな風に倒しちゃうなんて、それはほんと凄いというか。」

バーヴァン・シー「ッ!それ私におだててるつもり?まあ別に大したことはじゃないけど、私の戦い方が凄いと言われるなんて良いものね!」

【ほんとそれね】
【流石、妖精騎士トリスタンと呼ばれてたからね】←

バーヴァン・シー「~~~!べ、別に貴方に褒められても嬉しくないわよ!私はね~~~!」

吉備真備「アハハハハハ・・・‥」


吉備真備「(まあ確かに凄いモノだな。あの赤い棘を繰り出し、素早い動きで敵を翻弄しつつ相手に攻撃を加えていくその戦法。)」

吉備真備「(そして彼女の宝具『痛幻の哭奏(フェッチ・フェイルノート)』は瞬時に敵の分身を生成し、それを殺す事で相手を呪殺する藁人形による丑の刻参り形式による呪法。)」

吉備真備「(なんかこう・・・彼女の戦い方がその、“あの子”にとってもよく似ているというか・・・あの子が彼女の事を思うとねぇ~‥。)」


吉備真備がよく似ているという“あの子”
https://jj-senkasouran.bn-ent.net/images/character/kugisaki/ill.png

吉備真備「・・・・・・・・・‥」

【真備さん?】←

吉備真備「んっ?あ、いや別に彼女(バーヴァン・シー)に対して変な目で見ていないよ。ただ僕の知人と戦い方がよく似ているなぁ~っと思ってね。」

吉備真備「まあ気にすることはないさ。これも彼女の戦いに対して僕なりに評価していただけだからね。」

【は、はぁ~・・・】←

―――――――――――――――――――――――――――
敵の呪霊サーヴァントの生得領域消滅後―――渋谷:金王坂周辺・クロスタワー付近


ピピピィィ~!

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「敵の呪霊サーヴァントの生得領域の消滅がこちらでも観測された。それと同時に藤丸ちゃんたちの今いる座標も確認された。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「場所は渋谷の東側にある金王坂付近であり、両面宿儺と接触したという『チェイテ渋谷神社城』からさほど離れてはいるが大した距離ではない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そこから徒歩でも行ける距離だからすぐにでも行って欲しいのだけど・・・」


ぼやぁぁ~・・・パチパチパチッ・・・クラァァ~・・・

マシュ「!。マスター!」

ガシッ、ドサッ!


吉備真備「どうやらマスターの方は大丈夫ではなさそうだな。初めての呪霊サーヴァント祓いで魔力も体力もかなり消耗しているようだし。」

吉備真備「まあここに来てかなり色々とあったからね。ここはひとまず彼女を休ませることに専念して、回復次第、そのチェイテ渋谷神社城へと向かおうじゃないの。」

【うん・・・・】
【すみません。私なんかのために・・・・】←

吉備真備「良いの良いの!これから共にこの渋谷の呪いを祓う仲間だからね。先も長いし色々と困難もあると思うとね?」

吉備真備「それにこの渋谷に渦巻く呪いを祓う為にも色々と準備をしないといけないからね。」

吉備真備「まあ楽しみにしててよ。僕が必ず、君にかけられた呪いを祓ってあげるからね?」


ドサッ、タッタッタッタッタッタッ・・・・
―――――――――――――――――――――――――――
吉備真備と仮契約を交わし、敵の呪霊のサーヴァントたちとの生得領域内での聖杯戦線にて彼と共に戦っていくカルデアのマスター達

その戦いの末、彼女たちは見事に敵の呪霊サーヴァントの統領を祓い、無事に生得領域からの脱出を果たすのであった。

そしてカルデアからの支援を通して彼女たちの現在地を把握し、カルデアのマスターの容態の事を考慮し、彼女を休ませるためにも吉備真備のアジトへとマシュたちは彼女を連れて戻るのであった。


吉備真備「・・・・・・・・・‥」




しかし吉備真備は既に知っていた。彼女たちがアジトへと向かっていく所を遠くから見ていた存在の事を、

そして彼はその存在に警戒するかのように彼の目はとても不思議な感じに輝いていたのであった。

吉備真備のアジトから数キロ離れた所・・・渋谷:ヒカリエ 屋上にて・・・


両面宿儺(エリザベート)「やはり“アイツ”がこの渋谷に来ていたのか・・・この俺にも知らない混沌に満ちた呪いの世界を・・・」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・・」

―――――――――――――――――――――
回想シーン:数時間前、渋谷駅付近(渋谷センター街側)にて・・・・


ガシュッ!パカァァーーン!!

真っ二つにされたマスター(藤丸立香)「」


ガシュッ、バラバラァァァーーー!!

サイコロステーキにされたマシュ「」


両面宿儺(エリザベート)「クフフフフフ、クッハハハハハハハ~~~!!」


ボォォン!ヒラヒラァァ~~‥

切り裂かれた2人(藤丸立香、マシュ)→切り裂かれた式神紙人形「」

両面宿儺(エリザベート)「!?。なに・・・・これはいったい・・・・‥!?」


吉備真備(シルエット)「・・・・・・・・・」

藤丸立香、マシュ「・・・・・・・」

タタタタタァァーー!


両面宿儺(エリザベート)「!?おい待てっ!!」

―――――――――――――――――――――

両面宿儺(エリザベート)「全く、この身体になってからどうも俺自身の調子が狂う・・・これもこの娘の霊基というモノのせいなのか?」

両面宿儺(エリザベート)「まあいい・・・この渋谷にアイツが来ているとならば、少しは楽しめるモノかと思えばいい、それにアイツもそれなりの事情もあるようにもある‥」

両面宿儺(エリザベート)「良いだろう、来るがいい。俺はお前たちが俺に再び正面から出会えることを楽しみにしながら待っているぞ。」


シュッ!シュタッ、シュタッ、シュタッ、シュタッ!
――――――――――――――――――――――――――――
吉備真備がアジトにしているクロスタワーから少し離れた場所にある渋谷・ヒカリエの屋上。そこにはカルデアのマスター達がアジトに戻っている所を両面宿儺(エリザベート)が見ており、

数時間前、自身の呪術で斬り殺したはずのマシュとカルデアのマスターは実はニセモノであり、そのニセモノを用意したであろう吉備真備(■■■)が近くにいて、

その彼がマシュとカルデアのマスターの2人を連れて逃げ、それを取り逃がした両面宿儺(エリザベート)は彼の事を意味深に考えており、

両面宿儺(エリザベート)はカルデアのマスター達がそちらから再び彼女の前に姿を現すことを心待ちにしているかのように、両面宿儺(エリザベート)はそのままチェイテ渋谷神社城へと帰っていくのであった。

第3廻戦:特級の呪いと女武将
―――――――――――――――――――――
“人間は泣きながらこの世に生まれてくる。阿呆ばかりの世に生まれたことを悲しんで”――西洋の作家・シェイクスピアは自身の作品にこう一つの言葉を残している。

この世に生を持って産まれる時、当たり前のように泣きながら赤子は生まれてくる。その泣きは喜びでもあり、悲しみでもある。

しかし裏を返せばそれは自身が産まれてきた世界が自身の想像とは異なり、それによって失望と絶望を知っての上で泣きながら産まれる事でもある。

それは必然的なことであり、それによって自身を産んだ両親・産まれた自身・周りの世界さえもまた、本能的に呪いを放っている。

そう、人とは・・・・産まれた時から既に呪いを放っていく者でもあるのだ。
――――――――――――――――――――――
渋谷 クロスタワー内:吉備真備のアジト


パチパチパチッ・・・ズズゥゥ~・・・

吉備真備「よう!身体の方はだいぶ休まった感じかな、マスター?」

【うん、おかげさまで】
【とても身体が楽になったよ】←

吉備真備「そうかそれはよかった!マスターが元気というのならもう大丈夫だね。そうと決まれば、早速その両面宿儺が根城にしているという場所に向かいますか!」

【えっ、もう行くの?】←

吉備真備「ああ!まあこの渋谷の今の地形についてはこっちで把握しているし、戦力の方もこちらに十分あるからね。」

マシュ「はい。私や望月さん、それにバーヴァン・シーさんもまた、吉備真備さんの術式のおかげで魔力の方も回復していますし、いつでも出発は可能かと。」

望月千代女「はい。それと両面宿儺がこれから何をしてくるのかも分からない他に、特異点の影響が深刻化する恐れもあり、捜索は早い方がいいかと・・・」

望月千代女「しかし両面宿儺にはあのプトレマイオスさえも防げなかった攻撃もありまして、攻略には慎重に進めていくのもありかと。」

吉備真備「そうだね。僕の知ってる宿儺の姿が違うとはいえ、ヤツが今どれ程の呪いの力を持っているのかもわからない以上、安易に奴に挑むのは無謀なことだ。」

吉備真備「だがだからとて、奴をこのまま頬っておくわけにはいかない。奴がこの渋谷の呪いを自身の力にする事がある可能性もあるし、そうなったらそれはそれで面倒な事になる。」

吉備真備「エリザベート・バートリーに取り憑いた両面宿儺を祓い、マスターが彼女に謝れるようにも慎重かつ事は早めに進める方が僕らの為にもなるからね。」

【うん】←


吉備真備「ところで君、望月千代女ちゃんだよね?僕が生きてた時代より遙か未来で歩き巫女をしながらくノ一をしてたって‥」

望月千代女「はい。それと拙者にはかの伊吹大明神の力も一時ではあるが使えまして、その力を持ってサーヴァントとして戦っています故に。」

吉備真備「ふ~ん・・・僕が生きてた時代にも忍者は少しなりに会っていてね。まあそれはそれで僕を襲ってくるなりにこっちで返り討ちにしてきたのだけど・・・」

吉備真備「君のような女忍者は初めて見るのだけど、君が歩き巫女もしていたと言うにはそうだなぁ~‥」


吉備真備「君の忍者のテクニックとして、お色気の術もあったりするのかな?」

望月千代女「――――!?」

吉備真備「聞くところじゃ、サーヴァントっていうのはその者の全盛期の姿で現界するって聞いているけど、その姿でくノ一と言うんじゃなんかこう色気がないというか・・・・」

吉備真備「もしかしたら君の別クラスの姿・・・例えば僕と同じキャスタークラスの水着とかだったら、とてもじゃないほどのどス―――」

望月千代女「~~~~~~!!」カァァァ~~!!


バシッ!バシバシバシバシィィ~~~!!
――――――――――――――――――――――――
それから数分後、渋谷:渋谷ヒカリエ周辺にて・・・


タッタッタッタッタッタッ・・・・

マシュたち「・・・・・・‥」

望月千代女「・・・・・・‥」

吉備真備(顔ビンダ跡付き)「~~~・・・・・・」

【大丈夫?】
【いまだにビンダの跡が残ってるよ?】←

吉備真備「痛たぁぁ~~、もう別に何も平手打ちしなくても悪かったというか・・・・」

望月千代女「吉備真備殿。貴方という陰陽の者が歩き巫女の意味を履き違えっていたとは、貴方には少々失望感がわいてしまったというか・・・」

【ホントよね・・・】
【これは流石に吉備真備が悪い】←

吉備真備「・・・・・・・・・・・・・(反省している)」


シオン(通信)「吉備真備がイケメン男子だからって、セクハラ発言はやってはいけないというのは社会のルールといっても過言はありませんですからねぇ~。」

シオン(通信)「――というのはさておいて・・・吉備真備さん、あなたに1つ聞きたいことがありまして、あなたは藤丸氏に自身の事を“呪術師”と自称していましたが、」

シオン(通信)「その事についてあなたは“陰陽師の開祖”であり、“呪禁師”でもあると自称したかったのですか?」

【呪禁師?】←


シオン(通信)「陰陽道が普及する前、呪術による邪気祓いの病気治療や安産促進などを施したりする術士の事であり、その起源は同じ中国の道術であるのがこちらの記憶にありまして。」

シオン(通信)「呪禁による魔術的病気治療の項目で日本の8世紀までその存在を知らしめていましたが、後に厭魅蠱毒(えんみこどく)事件の続発によって呪禁(じゅごん)そのものが危険視され、」

シオン(通信)「その同時期に台頭した道教の呪術を取り入れた陰陽道の採用と共に同世紀末に呪禁師の制度が事実上廃止され、9世紀までにはその存在が消滅したと。」

シオン(通信)「呪禁師の制度の廃止に至っては、陰陽道の採用させた吉備真備氏が絡んでいたと記録にはありますのですが・・・」

吉備真備「‥まあその話について僕から言える事はまず無いと思ったほうがいいよ。僕は確かに“吉備真備”であるが、“英霊・吉備真備”の記憶を今の僕が全て知っているとは限らない。」

吉備真備「君たちが知っているという僕の逸話もまた事実とは異なる可能性もある以上、僕から言える事はまず無いと言っても過言はない。」


【・・・そう。】
【まあそれはそれでいいのだけど・・・】←

グワァァァ~~ン!


【これって!?】←

吉備真備「マズい。ここらで領域が展開されたみたいだ。おそらく呪霊サーヴァントが近くにいる。」

吉備真備「構えておけ、ここはもうすぐ領域内の戦場になるぞ!」

【はい!】←


グワァァァ~~ン!
―――――――――――――――――――――
渋谷での最初の聖杯戦線から数時間後。カルデアのマスターが回復し、彼女たちは両面宿儺(エリザベート)がいるチェイテ渋谷神社城へと歩いて行く。

その道中、カルデアの者たちとの会話の最中に突如として呪霊サーヴァントによる領域展開がなされ、彼女たちはその領域展開に巻き込まれてしまうのであった。
―――――――――――――――――――――
領域内:枯れ木の樹木群 


【ここって・・・】←

望月千代女「はい。この枯れ木ばかりの森のような場所・・・ビルが建ち並ぶ渋谷の街が一瞬のうちにこのような場所になるとは・・・」

吉備真備「そう、それが領域展開の恐ろしいところだ。領域を展開した者の心象風景が固有結界という形で具現化され、数を問わずに対象の者を結界内に閉じ込める。」

吉備真備「つまり領域を展開すれば、それを展開した呪霊サーヴァントの意のままに地の利を支配する事も可能となり、場合によっては・・・」



タタタタタタァァーーー!

【誰かが来る!】←


マシュ「はい。おそらく私たちの他にこの領域内に閉じ込められた者がいると思いたいのですが・・・」

吉備真備「ああ。渋谷の呪いがある以上、おそらく僕の他にこの渋谷の呪いに耐えられるサーヴァントがいて・・・‥!?」

【どうしたの?】←

吉備真備「マスター。これは僕が思ってたより結構ヤバい事になると思うよ。」

吉備真備「その証拠として、いま目の前の奥に僕らに向けてこっちに来ているのがそれだ。」


タタタタタァァーー!タッタッタッタッタッ・・・

タタタタタァァーーーー、ズズゥゥ~!


カルデアのマスター達の近くに現れた者(???)
https://jj-senkasouran.bn-ent.net/images/character/maki/ill.png

槍持ちの女性「ツゥゥ・・・。なんだアイツは・・・先ほど倒した他の奴とは格段に違う・・・今のこの身体の私でも太刀打ちが出来るのかどうか・・・」

槍持ちの女性「人の姿をしたモノノケか?いったいこいつは何者なのだ?」


謎の呪霊サーヴァント「ぬしでここはたなあ、いなれらげにてったっいへごと。」

謎の呪霊サーヴァント「いさなりなにんぶうよのんえくらのりものしたわてしそ!」


タッタッタッタッタッ・・・‥

???を追うかのように現れた呪霊サーヴァント?
https://pbs.twimg.com/media/FCVgoHcVgAExhjh?format=jpg&name=large

―――――――――――――――――――――――――――

【あれって・・・】
【ジャック・ド・モレ―!?】←


マシュ「はい!あそこにいるのは間違いなくフォーリナークラスのモレ―さんです。」

マシュ「でもどうして・・・モレ―さんは渋谷の呪いによってもう既に退去されたはず・・・・」

吉備真備「いや、マスター。あいつは君たちが知ってるというジャック・ド・モレーとは100%違う。そこについては僕が断言する。」

吉備真備「あいつはまもなく呪霊サーヴァントだ。しかも呪霊サーヴァントの中で1番高い階級と言ってもいい。」

【階級?】
【それとあれもまた、呪霊サーヴァントだというの?】←


謎の呪霊サーヴァント(モレ―?)「!。らしかれだはたなわ・・・ねのたいもにかほにろしうのたなあ、ララ―ウ?」

【え、なに・・・?】
【今なんて言ったの?】←

ゴルドルフ(通信)「な・・・あの呪霊サーヴァントは何を言ったのだ!?何を言ったのかがサッパリわからんぞ!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん、さっきの言葉をこっちで解読しているのだけど、これはなんというか・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「とにかくあれは吉備真備の言った通り、あそこにいるジャック・ド・モレーは私たちの知るジャック・ド・モレーではないのは確かのよだね。」


『ボンジュール!そこにいる愚かな児たち。』

マシュ「!?」


【!?】
【いま頭の中から声が・・・】←

謎の呪霊サーヴァント(モレ―?)「『あなたたち、あたしの事を他の呪霊の奴と同じだと思ったのかしら?』」

謎の呪霊サーヴァント(モレ―?)「『確かにあたしは呪霊でも他の格の小さい呪霊とは全く違うものだし、あたしにはちゃんと『花御』という名前があるのよ。』」

【花御?】
【あの声、あの呪霊サーヴァントから発している・・・】←


吉備真備「(あの呪霊サーヴァント・・・どうやらあいつは俺が前に祓った特級呪霊の呪力をあのモレ―とかいうサーヴァントの霊基と混ぜて召喚したと言う訳か。)」

吉備真備「(だとすれば、あの鮮血魔嬢を宿儺の器とさせた奴と同じ存在がこの渋谷特異点の黒幕というべきか。ほんと悪趣味な事というか・・・)」

吉備真備「(いったい黒幕はこの渋谷でいったい何をしようとしているのか?この渋谷を特異点にしてまで企んでいる事はいったい・・・)」


謎の呪霊サーヴァント(モレ―?)→特級呪霊サーヴァント・花御モレ―「『あなたたち。あなたたちもまた、このあたしを倒す為にこの渋谷の呪いを祓おうとしているのかしら?』」

花御モレ―「『あたしはただ、この星の願いを叶えようとしているだけ。この星の自然を守り、再生させたいだけに他ならない。』」

花御モレー「『それには時間がいる。この星を穢すことしか出来ない君たちのような人間がいない時間が欲しい・・・』」

花御モレ―「『この星の命の為に、君たち人間は全て死んでもらう。そしてこの星の地と還り、死してこの星に詫びなさい!』」


グォォォ~~ン!グォォォ~~ン!

呪霊サーヴァントたち「オォォォ~~~!!」


吉備真備「下級の呪霊サーヴァントも湧いてきたか。マスター、こうなったらやるべき事はわかっているよな?」

【あの呪霊サーヴァントを倒そう!】←
【これはやるしかないですよね?】

吉備真備「お、わかっているじゃないか。さすが僕と仮契約した事はある。」

吉備真備「だが今から戦う相手は前に戦った呪霊サーヴァントとの戦いとは比べようもないほど過酷を極まる戦いになる。そこだけは覚悟した方が良いと思うよ。」

【過酷な戦いって・・・】
【それどういう事なの?】←

吉備真備「ああ。しかしそれについてはこちらで対策は取ってある。マスターが思うより充分とは言えなくはないのだけど・・・」

吉備真備「まあそれについてはその眼でしっかりと見ててくれればいい。本当の領域の綱引きというものを!」

―――――――――――――――――――――――――――
自身の事を『花御』と名乗るフォーリナー:ジャック・ド・モレーの姿をした呪霊サーヴァントとその配下の呪霊サーヴァントに宣戦布告されるカルデアのマスターたち

カルデアのマスターとマシュたちはモレーの姿をしている花御の存在に複雑な思いを抱くも、吉備真備の呼びかけに彼女たちは目の前の呪霊サーヴァントたちと戦う体勢と取り、

カルデアのマスターたちと花御モレーたち呪霊サーヴァントの軍団との聖杯戦線が始まるのであった。

ハロウィン聖杯戦線2:森林の呪霊・花御
―――――――――――――――――――――
花御モレーの呪術領域:枯れ木の樹木群


花御モレ―「『キミたち人間とあたしたちはもはや共存できない。あなたたちにこの星の命を任せられない。』」

花御モレー「『キミたちはキミたちの愚かな行為の代償を死して償わなければならない。この周りに立ち枯れた木々のように!』」

花御モレ―「『思い知りなさい!この星の呪いより蘇りし、あたしの力を!!』」


バーヴァン・シー「あーもうなんなの!あの女モレ―モドキの喋り方がクソ下手で頭から喋っている意味がハッキリと聞こえるなんて!」

バーヴァン・シー「おいマスター、さっさとあの女モレ―モドキを倒してこんな結界の中からおさらばするわよ!」

【ちょっと待って!】
【迂闊に動くのは危険だよ!】←

吉備真備「確かにその通りだ。この空間は前に戦った呪霊サーヴァントの生得領域とは比べるまでもなくかなり危険といってもいい。」

吉備真備「迂闊に動けば、この領域を展開したあの呪霊サーヴァントによって必然的にハチの巣にされる。これ本当にマジな話。」

吉備真備「あの花御と名乗る女モレーの攻撃を受けたくないのならこの領域内の陣地を見極め、女モレーに近づいて倒すほかにない。」


キィィ~ン・・・

吉備真備「あの陣地を見てほしい。おそらくあそこの陣地に居座れば、こちらの動きが止まった瞬間にあちらの攻撃を必ず受けかねない。出来れば通ったり陣地に居座ることは避けたい。」

吉備真備「必中攻撃の危険がある陣地を避けつつ、僕かマスターをあの女モレ―の所へ連れていけばいい。後のことはこっちで何とかするから。」

ゾロゾロゾロゾロ・・・・

吉備真備「敵の数の方が多いが、あの低級呪霊サーヴァントたちを突破し、あの女モレーモドキを倒すぞ!」

【はい!】
【指示は任せて!】←

吉備真備「良い返事だ。さあ行くぞ!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

槍持ちの女性「おいそこのお前たち!いったいそこで何をしているんだ!」

【援護します!】←

槍持ちの女性「!。何者かは知らないが、お前たちが味方であるなら助かる。だが、お前たちに特級呪霊を祓う事など出来るのか?」

吉備真備「祓えるとも!彼女たちにはこの僕がいるし、味方は多い方が早く呪霊サーヴァントを祓えるからね。ああいう特級呪霊はスピード勝負で祓えって事!」

槍持ちの女性「お前は!?・・・いや今はそれどころではない。招致した、私はお前たちの指揮下に入る!あの特級呪霊をうまく祓ってくれ!」


聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――――――――――――――
ハロウィン聖杯戦線2:森林の呪霊・花御

勝利条件:特級呪霊・花御モレー1体にマスターの攻撃を三回、もしくは吉備真備の宝具を当てる

領域内効果:特定の陣地に止まるとサーヴァントのHPが20%(マスターの場合はライフ1個分)を失う。(サーヴァントのHPが0になると即退去、マスターのライフが0になると敗北)


登場エネミー

特級呪霊・花御モレーx1


呪霊サーヴァント(カボチャ頭):クラスアーチャーx2

呪霊サーヴァント:シャドウサーヴァント・メドゥーサx1

呪霊サーヴァント(カボチャ頭):クラス・キャスターx2

呪霊サーヴァント(カボチャ頭):クラス・ライダーx2

第4廻戦:領域展開・発動編
―――――――――――――――――
花御モレーの呪術領域:枯れ木の樹木群


ウネウネウネェェ~~!!


吉備真備「はぁッ!」

キィィン!バキバキッ!


槍持ちの女性「ハァァッ!」

シュンシュンッ!ジャキジャキンッ!


花御モレー「――――!!」

ウネウネウネェェ~~!ギュゥゥ~ン!

マシュ「マスター!」

ガシンッ!ガキガキンッ!


【クゥゥッ―――!】
【避けても避けきれない!】←

シオン(通信)「あの呪霊サーヴァントの攻撃、動きが速いというレベルとは思えないほどに攻撃を繰り出してきてる!演算が追いつかない!」

シオン(通信)「まるであのフォーリナー・モレーによく似た呪霊サーヴァントの攻撃が何もないところから無数に出てきているような、或いは・・・」

シオン(通信)「“攻撃”から先に当たるように後から繰り出しているような・・・・いやこんなの絶対ナイナイ!こんな因果律があまりにも歪んでいる攻撃を繰り出せるなんて‥」

吉備真備「いやあり得るんだよね。この“展開された領域”内でならそういう事など当たり前のように出来るんだよね。」

吉備真備「キミたちが前に倒した呪霊サーヴァントの頭領の生得領域はこの領域内の未完成でしかなく、領域内での呪霊サーヴァント特有の呪い攻撃が来なかっただけ。」

吉備真備「この領域はそんな呪霊サーヴァントの生得領域を魔力で固有結界にし、それを元に呪霊サーヴァントの能力を上げ、倒す対象の人物を確実に閉じ込める。」

吉備真備「そしてその領域内での展開した呪霊サーヴァントの攻撃は必ず当たる。どこに逃げようと避けようと、領域内では必ず呪霊の攻撃が当たってしまう。」

吉備真備「今はマシュ・キリエライトの防御が向こうの攻撃より間に合っているかもしれないけど、このままでは君たちも致命的な攻撃を受けるのは確実だ。」


【そんな・・・・】
【じゃあどうすれば良いの!?】←

吉備真備「心配しないでマスター、領域内での戦いには3つの対処法があってね。その3つの領域内の対処法が・・・」


吉備真備「一つ、“いくつかの手段を持って領域外へ逃げる。”これは僕にとってはおすすめしないし、大抵このような方法は必ず失敗する。」

吉備真備「二つ、“こちらも領域‥もしくは固有結界を発動し、こちらの優位権を取得する。”僕が思うにこっちの方が手っ取り早いと思うのだけど・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「悪いが、今ここにいるこちら側のサーヴァントに固有結界の宝具を出せるサーヴァントがいない。仮にいたとしても固有結界持ちのサーヴァントはもう・・・」

吉備真備「わかっている。固有結界を同時に展開された場合、より洗練された能力と魔力量によってどちらかの結界が場を制すかが鍵となるんだ。」

【場を制すって・・・・】←
【両面宿儺も同じ事を言ってたような‥】

―――――――――――――――――――――――
回想シーン:両面宿儺(エリザベート)との最初の戦いにて・・・


ガシュンッ!バリバリッ!

プトレマイオス(老)「ガッ――――」


バリバリバリィィ~~ガシャァァ~~ン!!

プトレマイオス(老)「パァァァ~~~~~!?」

バシュゥゥ!パカァァン!!


両面宿儺(エリザベート)「俺はただあの式神のジジイと領域の綱引きをしようと、こちらも領域を展開させたに過ぎない。」

―――――――――――――――――――――――
【プトレマイオス・・・】←


吉備真備「うん。知らなかったとはいえ、両面宿儺からマスターたちを守る為に固有結界を展開し、そして押し負けてやられてしまった。」

吉備真備「彼は充分にマスターを守る為に固有結界を繰り出した。相手が悪かった事を除いてね。」

【・・・・・・・・・】←


吉備真備「そんで、いま固有結界の宝具を持たない僕たちにとって、領域を展開したあの呪霊サーヴァントに対抗する手段があるとすれば・・・」

吉備真備「3つ、“手段は選ばずとも、領域を展開した者を力を持って倒す事”!これが今の僕たちに出来るやり方さ!」

【!】←

花御モレー「(さっきからペラペラとあの者たちが何を語りかけているのかは知らないが、いったいどうなっている?)」

花御モレ―「(あの者の言う通り、あたしの領域内でのあたしの攻撃は必ず当たる。にもかかわらずあの者への攻撃が防がれている・・・)」

花御モレ―「(まさかあの者たちの中に領域を展開できる者がいるのか?誰かが領域の綱引きをしてあたしの必中効果を阻害してると?)」

花御モレ―「(だとすればその、他に領域を展開できそうな者がいるとすれば・・・・)」


吉備真備「・・・・・・・・・」

花御モレ―「ねし!かえまお!」

ウネウネェェ、ギュゥゥゥ~~ン!!


【!?】
【危ない!!】←

吉備真備「大丈夫。僕がそこらのキャスターだと思ったら大間違い!僕はあの呪霊のサーヴァントには負けやしないさ。」

吉備真備「まあ僕のサーヴァントとしての性質上、ちょっと“彼”には少し手を貸してもらう時はあるのだけどね?」


ギュゥゥ~~、バキンッ!

花御モレ―「になっ!?」

吉備真備「ほら。」


ギュォォ~ン、ドスンッ!ドスンッ!ドスンッ!


謎の赤鬼「グォォォォ~~~~!!」

【―――!?】
【な、なにあれ!?】←

望月千代女「赤鬼!?クッ、よりによって新手の敵が現れるとは!」

吉備真備「いやいや待って!この赤鬼は味方!この赤鬼こそ、僕が呼び出す式神であり、僕の宝具なのだから。」

マシュ「!。宝具って・・・あの赤鬼が吉備真備さんの宝具って・・・もしかしてあの赤鬼はもしや・・・」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「阿倍仲麻呂。吉備真備が遣唐使として唐への遠征の際、彼を嫉む者によって拉致され、到来楼という場所に幽閉された。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その幽閉された吉備真備を助ける為に、仲麻呂自身は亡霊のなって、共に唐の悪人たちを懲らしめる為に共に行動したという伝説。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その仲麻呂の生霊の姿の一つがあの赤鬼の姿であり、彼自身、最初の頃はこの姿で吉備真備の事を助けに現れたのだけど・・・」

吉備真備「まあ当時、到来楼には鬼が出るって話があって、彼を見た時はホントビビって、姿隠しをしたもんだからもう・・・」

吉備真備「でも今はそうじゃない。彼は阿倍仲麻呂でもあり、僕の宝具の一部。僕にとっても最高のパートナーってところなのさ。」

吉備真備「それを今、この場で君たちに証明してあげるよ!」


シュシュッ、シュタッ!

キィィン!シュタタァァーー!


吉備真備「我が遣唐使の冒険譚よここに!我は宙を舞い、日月を覆い隠せし術を使う者。そして鬼の仲麻呂と共に悪しき唐人を懲らしめす者なり!」


キィィン、モクモクモクゥゥ~~!

花御モレ―「なに!?これはいったい・・・‥」

鬼の仲麻呂「グォォォォ~~!!」

吉備真備「ハァァァ~~~!!」

ガシュガシュンッ!バシンッ!ベシンッ!ギュンギュンギュゥゥン!


花御モレー「『グハッ、ガハッ!?バカな・・・こんな・・・・』」

吉備真備「最後のオマケだ!『入唐絵巻・鬼来隠光(にゅうとうえまき・きらいいんこう)』!」


ゴロゴロゴロォォ~~、バリバリバリィィィ~~!!

花御モレ―「『きゃぁぁぁぁ~~~!?』」

吉備真備「フッ、決まった!」


【凄い・・・凄いよ!】
【あの不利の中を覆しちゃうなんて!】←

マシュ「はい。まさかあの阿倍仲麻呂の生霊ともいえる赤鬼を召喚し、互いに息の合った連撃を与え、空には暗雲とも見える厚い雲が覆われて、」

マシュ「そこからとどめとも言える雷鳴の一撃が呪霊サーヴァントに直撃させるとは・・・」

槍持ちの女性「・・・・・・・・・・」


花御モレ―「『まっさか・・・こんな・・・あのものに二度もやられるとは・・・・』」

花御モレ―「『しかもこんな・・・人間と同じような姿で・・・無念だ・・・・』」

吉備真備「!。・・・・・・‥」


ドサッ、ギュゥゥゥ~~ン・・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――
特級呪霊・花御モレーの領域により、花御モレーの必中の攻撃を防ぐことにカルデアのマスター達は苦戦を強いられていた。

しかし吉備真備はそんなカルデアのマスターたちに呪術領域内での攻撃の恐ろしさとそれらの攻略方法を教え、花御モレ―の領域を攻略する一手として、

吉備真備は自身の宝具の一部である赤鬼(阿倍仲麻呂の霊)を召喚、その者と共に花御モレ―に打撃と斬撃、陰陽道による攻撃を与えていき、

最後には宝具発動の一環として領域内上空に発生した厚い雲からの雷撃を花御モレーは喰らい、致命傷を追った花御モレ―は何か意味深な言葉を残して消滅するのであった。

花御モレ―との戦闘後、領域展開が解除された渋谷ヒカリエ周辺にて・・・・


バリバリバリィィ~~ン!シュゥゥ~~ン・・・

【領域が解除された…】
【みんなは大丈夫?】←

望月千代女「はい。襲いかかる必中の棘と呪霊サーヴァントとの戦いに苦戦はしましたが、拙者はなんとか生き延びることが出来ました。」

バーヴァン・シー「ええ・・・・全くあの枯れ木の森、前に私が作った森といい、しつこいほどに木の根っこと棘がウザいほど襲ってきて大変だったんだから・・・」

バーヴァン・シー「ほんと、あんな思いはもう二度とゴメンよ!あんな攻撃が必ず当たっちゃうというあんな領域の森なんかに!」

【シュミレーションルームの事は?】←
【人の事は言えないんじゃないのか?】

バーヴァン・シー「ベ、別にあれはただサーヴァントの靴を取りたかっただけで・・・あの呪霊の森と私の作った森とは全然違うわよ!」

バーヴァン・シー「あの時はあの時で迷惑をかけてしまったのは悪かったと思っているのだけど、私は樹木を使って貴方たちを呪うつもりなんて・・・」


槍持ちの女性「おいそこの者、あの呪術の中をよく生き延びたと言うべきかな。お前、どこの呪術師の者か?」

【あなたは・・・】
【確かあの呪霊サーヴァントと一緒に現れた・・・】←

槍持ちの女性「ああ‥先ほどの戦い見事でだった。式神操作の術でお前たちのような式神を駆使して特級呪霊を祓う手伝いをしてくれるとはな。」

槍持ちの女性「お前たちがいなければ私はあの特級呪霊に勝てなかったのかもしれぬ、お前たちの協力には感謝するわ。」


【式神操作って・・・】
【私はその・・・呪術師という者ではないのですが・・・】←

槍持ちの女性「‥なに‥?」

吉備真備「彼女は呪術師ではない。彼女はこの渋谷の特異点を解決する為に来た、カルデアの魔術師とそのサーヴァント達だ。」

吉備真備「そしてこの僕もまた、仮ではあるが彼女のサーヴァントとして彼女たちと同行しているって訳さ。」

槍持ちの女性「!。そういえばお前‥いやあなたは何故ここに!?確かあなたは封印されたはずだと・・・」

吉備真備「封印?・・・はて?――キミ。僕の事を見て、キミは誰かと勘違いをしているんじゃないのかな?」

吉備真備「僕が封印だって?僕はこの通りにピンピンと自由に動いているこの僕が誰かに封印されているはずが・・・・」


槍持ちの女性「とぼけるな!あなたのことは誰よりもこの私が知っている。あなたはどう見てもご・・・・」

吉備真備「吉備真備だよ。」

槍持ちの女性「いや、だから、ご・・・・」

吉備真備「吉備真備だって。僕はこの渋谷の呪いを祓いに来たキャスタークラスのサーヴァント、陰陽師の開祖・吉備真備というのは僕のこと!」

【吸いませんがその・・・】
【2人とはお知り合いなのですか?】←

吉備真備「いや知らないよ。僕はただ槍を持ってる女子高生とは何も関係も持っていないし、会ったこともすらないよ。彼女とはまるきりの初対面さ。」

吉備真備「それにあの彼女もまた、見るからにこの渋谷の呪いには耐性のあるサーヴァントのような感じがするし、君たちだってそうだよね?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん。確かにその彼女を観測する辺り、彼女にサーヴァントの霊基を確認した。彼女は間違いなくサーヴァントだ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それと彼女は普通のサーヴァントとは何か違うような数値が観測されているのだけど・・・これは・・・」

【?】
【(他のサーヴァントとは違う?)】←

――――――――――――――――――――――――――
槍持ちの女性「(なるほど・・・つまり今のあなたはそういう“縛り”を持って、あの者たちと同行している事なのですね。)」

槍持ちの女性「(今の私もそうだ。この身に宿る英霊の魂により、この依代となっている者の名を名乗れぬ代わりに私はここにいる。)」

槍持ちの女性「(まあ胸がデカくなった事を除けば、問題なく英霊の力と共に戦える。それにこの依代の者は自身の名字の事をとても嫌悪しているようだからな。)」

槍持ちの女性「(そうと決まれば、私もまた、ちゃんとしなければな・・・。)」
――――――――――――――――――――――――――

特級呪霊・花御モレーを倒し、花御モレ―の呪術領域から無事に生還したカルデアのマスターたち。

彼女たちと共に領域内で戦っていた槍持ちの女性(■■■■)は藤丸立香たちに領域内で共に共闘してくれた事を感謝しつつも、

槍持ちの女性は吉備真備に対して彼女の知る人物であると認識しており、吉備真備はそれを否定している素振りをわざとらしく振るっているのが見られる所から、

槍持ちの女性は吉備真備(■■■)が何かしらの“縛り”によって自身の真の名を名乗れない状況であると理解し、自身もまた、それらに対して納得していくのであった。

槍持ちの女性「すまない吉備真備殿。私もまた、サーヴァントになるのは初めてであり、サーヴァントとしての知識も浅はかでもあって‥」

槍持ちの女性「てっきりこの依代の身体の関係者のだと思っていたのだが、どうやら人違いをしていたようだな・・・。」

【依代の身体?】
【もしかしてあなたは・・・】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そう。彼女の霊基は通常のサーヴァントの数値とはかなり違っており、肉体もまた、最初から受肉している事もあって、

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「彼女は紛れもなくイシュタルや孔明と同じ、何らかの人物を依代として疑似サーヴァントだ。」

吉備真備「なるほど。本来はサーヴァントになれない神霊などが何処かの現世で生きる人間の身体を依代とし、依代の魂と憑依する魂と融合し、新たな人格を持って召喚される存在。」

吉備真備「その際、希に依代とした人物の記憶も融合しちゃって、僕の事をその依代としている人の関係者のだと勘違いしたんだろうね。」

吉備真備「例えるのなら、育成ゲームでモンスター同士の合体をした直後、それによって誕生したモンスターのパラメーターが合体の素体の高い数値を引き継いでいて、」

吉備真備「その際、何かのバグで通常では覚えないはずの合体させた素体モンスターの技を使えるようになったって感じってな訳。」

【う~ん何というか‥】
【まあそんなところかな・・・。】←


マシュ「はい。それでなんと言いますが、もしも出来る事でしたれば、あなたの真名を私たちに教えていただければ幸いなのですが・・・・」

槍持ちの女性「真名?ああそうか、そういえばまだ助けてもらった礼をしていなかったな。まずは自己紹介からかな・・・」

槍持ちの女性「私はサーヴァント・ランサー:天草大夫大蔵太子(あまくさだゆうおおくらのおおいこ)‥いや、(あまくさだゆうおおくらふとこ)と呼んだ方がいいか?」

【いや何と言うか・・・】
【どれも真名が長すぎ!】←


槍持ちの女性「!?。すまない、そっちの名前は長すぎたか。では改めて私の真名を名乗るとすれば・・・‥」

槍持ちの女性「ランサー:播磨局(はりまのつぼね)。本砥島の地頭として統治していた武家の女だ。」

吉備真備「播磨局・・・・あぁ~あの文永の役(ぶんえいのえき)と弘安の役(こうあんのえき)にて、2度の蒙古軍の襲来を防いだ女大将じゃないか!」

吉備真備「神風が吹きすさぶ海の上の戦場を難なく渡り、1300万隻以上の戦艦を渡り、敵大将などを切り倒し、蒙古軍の襲来から日の本を守ったというあの天草太夫のことかな?」

槍持ちの女性→播磨局(■■■■)「うむ。しかし君たち、この不可解な呪いに覆われた渋谷によく生き延びれたものだな。この呪霊の方もとんでもなく多く集まっている中で、」

播磨局「私以外にも多くのサーヴァントがこの渋谷に召喚された形跡を見てきたが、どれもなにも、すぐにこの渋谷内の呪いによってサーヴァントの身体を維持できず退去した後があったのだが‥」

マシュ「はい。それについてはそこにいらしている吉備真備さんの術式のおかげで呪いを中和していると言いますか・・・・」


キラァァ~ン☆

【んっ?】
【何か光っているものがあるような・・・】←

吉備真備「!。なるほど・・・“アレ”がそこにあるという事は、あの特級呪霊サーヴァントはこの“帳”を守っていたという訳か。」

【“帳”?】←

吉備真備「君たち魔術師でいう人払いの結界に似た、外から中の様子を視認させず中へ入ることも出来ないようにする為の簡単な結界術式さ。」

吉備真備「まあ言葉で説明してもわからなそうだから、ちょっとそこの奥に行ってみてくれるかな?」

バーヴァン・シー「はぁ?確かにあそこを通れば渋谷の駅に直行じゃないの。言われなくて私は行くわよ!」

バーヴァン・シー「何が帳よ、いったいどこに結界術なんか・・・。ほら、さっさと行くわよマスター!」

望月千代女「待つのだバーヴァン・シー殿。真備殿が指摘する以上、そこに何かがあるのか確かのようだと拙者は思うのだが・・・」

バーヴァン・シー「はい?貴方もそう言うの・・・だったら私一人で先に行くわよザーコザーコ!」


タタタタタァァーー!

【あっ、ちょっと!】
【今は先走らない方が・・・】←


タタタタタタァァーー!ゴツンッ!

バーヴァン・シー「イタァァ~!?」 

ドサッ!


吉備真備「はぁ・・・ほらね?」

【何もないのにぶつかった・・・】
【これって、見えない壁?】←

吉備真備「まあ君たちから見るとそういう事だね。熟練の僕には違う色に見えるのだけど・・・」

吉備真備「とまあこのままじゃ、僕たちはあの帳の向こうの所へ進む事が出来ないし、僕たちが先に進むためにやらなきゃいけない事があるとすれば・・・」


タッタッタッタッタッ・・・・ガシッ、キュッ!

タッタッタッタッ、シュルゥゥ~、キラァ~ン☆


【これが帳・・・・】
【このキラキラしたモノが?】←

吉備真備「そう。まあ僕の知っている帳に使うモノとはちょっと違うモノなのだけど、効力に関しては僕の想像通りのシロモノさ。」

シオン(通信)「ええ。こちらから観測をして見る限り、確かに渋谷駅へ向かう通路全体がその“帳”という結界によってこちらからの通行が不能になっています。」

シオン(通信)「しかもその帳から流れる魔力の発信源が、その吉備真備が持っている禁に塗装されたその画鋲みたいなモノから魔力が発信されているわね。」

吉備真備「その通り。んで、僕たちがあそこの帳の内側に行く為にも、その帳を展開させちゃっている“それ”をこうしてこうだ!」


グググゥゥ~バキッ!バキバキッ!サラサラァァ~~・・・

【壊れた・・・】←


ゴォォォ~~・・・トロトロトロロォォォ~~

マシュたち「!?」

播磨局「・・・・・・‥」


【――!?】
【結界が・・・解けていく・・・】←

吉備真備「このように帳の発信源を壊しておけば、渋谷の街を覆っていた帳の一部を解く事ができ、無事に僕らは前に進めるって言う事。」

吉備真備「まあ僕としてはこの帳なんかすぐにでも壊してこの渋谷の中心へと行けるようにしたかったのだけど・・・」

【したかったのだけど・・・?】

吉備真備「マスター、これを見てくれるかな?」


キラァァ~ン☆

【聖杯の・・・・】
【雫・・・・?】

吉備真備「そう。この聖杯の雫と呼ばれるものが、この渋谷の中央を守るように展開された帳の発信源の中・・・つまり今破壊した“コレ”の中に入っていてね。」

吉備真備「その“コレ”の影響によって呪霊サーヴァントがうじゃうじゃとわき出すように集まってくるし、そしてこの“聖杯の雫”はある呪霊サーヴァントを選ぶ習性があって、」

吉備真備「それに選ばれた呪霊サーヴァントはさっき君たちが戦った特級クラスの呪霊サーヴァント・・・。つまりはあのフォーリナークラスのモレ―と同じようなサーヴァント、」

吉備真備「『特級呪霊サーヴァント』としての身体を得ることができ、生得領域の主、ひいては領域展開が可能となる呪霊サーヴァントへと進化し、帳を守る存在となるんだ。」

【帳を守る存在って・・・】
【もしかして最初に戦った呪霊サーヴァントも?】←

―――――――――――――――――――――――
回想シーン:呪霊サーヴァントの生得領域内にて・・・


呪霊サーヴァント・頭領(回想)「グォォォォォ~~~~!!」

―――――――――――――――――――――――

吉備真備「そうだ。僕のアジトの近くで君たちカルデアが最初に戦った呪霊サーヴァントがそうさ。幸いなことにその呪霊サーヴァントの頭領は聖杯の雫に選ばれたばかりで、」

吉備真備「その呪霊サーヴァントが完全なサーヴァントとしての身体を得る前に領域を展開させて、君たちと一緒にその呪霊サーヴァントの頭領を倒したって事。」

マシュ「そうだったのですか。では吉備真備さんはその特級の呪霊サーヴァントの事と聖杯の雫の存在について、あなたはそれらを初めから知っていたと?」

吉備真備「ああ。君たちより先に渋谷に来て、この特異点の性質を調べていたからね。特級呪霊のサーヴァントについては既に僕1人で倒した事もある。」

吉備真備「その特級呪霊としては‥そうだなぁ~・・・なんか常に両目を瞑ってて、なんか黒い中華服を着ていたような軍師でねぇ~・・・」

【黒い中華服の軍師?】
【‥それってもしかして!】←

―――――――――――――――――――――――――
藤丸立香が思う黒い中華服の軍師のイメージ
――――――――――――――――――――――――――
【太公望だ!】←


吉備真備「太公望?あぁ~あの封神演義で有名な中国の軍師だったのか!前に僕が渋谷の調査をしている際に、その太公望のような呪霊サーヴァントに出くわしていたのだけど・・・」

吉備真備「なんかその・・・なんか顔が悪そうではないのだけど、言葉が「ぶふぅー、ぶふぅー」としか言ってなくてね‥。その太公望がそんな奇声をあげて僕に襲いかかってきたところを・・・」

吉備真備「僕と仲麻呂との宝具ですぐに祓っちゃってねぇ。まさかあの太公望と同じ姿の呪霊サーヴァントがアレだと思うとねぇ・・・」

播磨局「仕方がないだろ。姿が著名の中国軍師だろうと呪霊は呪霊。どんな姿をしたところでそれらを祓う事には問題がない・・・ただ残念だったとしか言葉がない・・・」

【・・・・・・‥】
【まあ確かにそうだけど・・・】←

キラァァ~ン☆


吉備真備「とまぁ僕が最初に倒した特級呪霊のサーヴァントもまた、このように帳を守っていて、そいつを倒して僕も聖杯の雫を手にしたんだけど・・・」

吉備真備「それ以降がもう帳の近くに特級呪霊サーヴァントや他の呪霊サーヴァントも寄せ集まって来ちゃってて、もう自分1人じゃ祓う事が出来ないというか・・・」

吉備真備「僕ってキャスターのクラス故に魔力の消費が激しくてね・・・それ故に僕に魔力を提供してくれる存在が欲しかったというか・・・」

【そうだったんだ】
【それで私と仮契約を・・・】←

吉備真備「そう。君と仮契約をしたおかげで、僕の魔力も強化されて、あの宝具を使って特級呪霊サーヴァントを倒したからね。君がいてくれたおかげでね!」


マシュ「では、エリザベートさんが居城としている中央へ行くには、その帳展開を解除すればいいのですね。」

吉備真備「そういう事!故に帳を守る特級呪霊サーヴァントとの聖杯戦争・・・というよりかハロウィン聖杯戦線っと呼んだ方がいいのかな?」

吉備真備「その聖杯戦線に勝利し、帳を解いた先に両面宿儺に取り憑かれたエリザベートが待っている。僕たちはその彼女に取り憑いた宿儺を祓い、」

吉備真備「彼女への謝罪と聖杯回収をする事が、この大規模特異点と化した渋谷の呪いを祓う為の命題だ。それだけは忘れないで欲しい」

【わかっている!】
【エリちゃんと仲直りするためにも必要だからね!】←


播磨局「そうか。そうとなれば私もまた、お前たちと共に呪霊サーヴァントとやらを祓う者としてより一層協力していかなければならないらしいな。」

播磨局「藤丸立香。お前のそのエリザベートとの約束を果たすためにも、私も共に仮初めの身体を得たサーヴァントとしての勤めを果たさせて貰うぞ。」

【はい!】
【これからよろしくね。】←

吉備真備「うんうん!キャスターの僕とは違って、ランサーの君とは色々と頼りにするところがいっぱいあるからね。頼んだよ播磨局ちゃん?」

播磨局「お前には言っていない!それとちゃん付けは辞めろ、貫くぞ!」

吉備真備「アハハハハ!あぁ~怖い怖い!」

【まぁまぁ落ち着いてって・・・】

――――――――――――――――――――――――――――
渋谷の中央への道を塞ぐかのように展開された帳を守る特級呪霊・花御モレーを倒し、その特級呪霊サーヴァントが守っていた帳の源を壊し、先へと進む道を切り開いたカルデアのマスターたち。

彼女たちはそこで新たにカルデアのマスターたちと同行するランサークラスのサーヴァント:播磨局を仲間に加え、彼女たちは次の帳の解除へと先を進んで行くのであった

同じ頃、次元境界穿孔艦ストーム・ボーダー:管制室では・・・


ムニエル「フゥ・・・・キャスター・吉備真備の助力もあって、新たにランサー・播磨局も加わって、どうにか無事に先に進んでいますね。」

ゴルドルフ「うむ。しかしあの時の藤丸たちとの通信途絶といい、トリスメギストスIIの予想値修正の結果といい、最初はどうも心臓に悪い程の事態が続いて困ったものだったわ。」

ゴルドルフ「よもやエリザベートのハロウィン中止に対する謝罪のつもりが、ここまでの非常事態に発展するとは思いもしなかったというか・・・」

ダ・ヴィンチちゃん「ああ。しかし藤丸ちゃんたちが吉備真備と協力し、少しずつ渋谷の特異点を解決に向かっている事は我々にとっても良い進展と言ってもいい。」

ダ・ヴィンチちゃん「このまま無事にエリザベート・バートリーに取り憑いた両面宿儺を祓い、特異点の解決に至ること出来ればいいのだけど・・・」

シオン「・・・・・・・・・‥」


シオン「(エリザベート・バートリーとマスターとの喧嘩で始まり、両面宿儺と呪霊サーヴァントというイレギュラーの出現により、事態が大ごとになってしまった今回の渋谷の特異点の騒ぎ・・・)」

シオン「(吉備真備と播磨局。この2人の関係性は不明ではあるが、2人が今回の呪いの件について何か知っていそうな感じはしていましたし‥)」

シオン「(それと藤丸氏たちが戦ったという呪霊サーヴァント。特に特級呪霊と分類されるという『花御』と名乗る呪霊サーヴァントの姿は、)」

シオン「(最初に渋谷の特異点にレイシフトし、そのままそこの呪いによって退去したフォーリナークラスのモレ―と同じであり、その能力はほぼオリジナルと異なる能力をあって・・・)」

シオン「(そして吉備真備が最初に戦ったという奇声をあげる太公望の姿の特級の呪霊サーヴァント。それと藤丸氏の目の前で両面宿儺に取り憑いたエリアベーとによって殺されたプトレマイオス。)」

シオン「(加えて生得領域と呼ばれる空間での聖杯戦線と聖杯の雫・・・これらの事案は何かとあの聖杯戦線が行なわれたあの特異点を模倣しているように聞こえるのですが・・・)」


シオン「(う~~ん・・・この私にはホントあまりにも不可解で呪いにまみれた事案というか、こんなのカルデアだけでは渋谷の特異点を解決するのはナイナイというか・・・)」

シオン「(トリスメギストスIIがあのあまりに酷い再回答を出した最後にあった回答文にあった・・・・)」

シオン「(“五条悟を探して”というあの答えと今回の特異点との関連性について現時点ではわからないのですが、今は藤丸氏と吉備真備氏たちを信じるしかありませんね・・・。)」

――――――――――――――――――――――――――
一方のストーム・ボーダーでカルデアのマスターたちを観測しているダ・ヴィンチたちは彼女たちの今後の無事と特異点解決に至る事についての話をしており、

シオンに至っては渋谷の特異点で起こった事態に対して自身の中で考察をしつつ、トリスメギストスIIがはじき出した回答文の最後に記されていた――

“五条悟を探して”という答えに関して難しい表情をしつつも、シオンもまた、カルデアのマスターたちの無事を祈るのだった。

第5廻戦:ある呪霊の執着と領域展開
―――――――――――――――――――――
“人を呪わば穴二つ。”このことわざの意味は、他人を呪い殺そうとすれば、必ず自身も報いを持って殺され、墓穴が2つ出来る事を意味をしてる。

誰かを呪おうとしない者はこのことわざの意味を持って誰かを呪うという行為を避け、自身はただ善人であろうと表明をし続けている事こそが今の社会の成り立ちである。

しかし人は時に“穴があれば入らずにはいられない”というように、人間もまた、他の誰かを無意識のうちに誰かを呪っている。それにより、穴が二つ三つ出来ようとお構いなしに・・・


人を呪いも多ければ、報いによる墓穴の穴もそれぐらいに増える。それでも尚、人は他人の不幸を望むように他人の幸福を呪う事を辞めない‥‥

人とは決して、誰かを呪う事を辞められない宿命を背負っているのである。
――――――――――――――――――――――
現在、渋谷:渋谷駅周辺にて・・・


タッタッタッタッタッタッタッ・・・‥

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うむ。帳は主に円形の形で半径は、おろした帳によって広さは変わるものなのか。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「帳の内側にある宿儺の居城を守る帳を解除するために帳の周辺を回って発信源を探していたのだけど‥」

マシュ「はい。帳の発信源を探すにあたり、聖杯の雫の反応とか色々と試してみてみたのですが、どうも旨くいかないというか・・・」

マシュ「それにそれらの事を最初に言いだしたのは吉備真備さんであり、吉備真備さんの試しにやっていると言っていたのですが・・・」


吉備真備「・・・・・・・・・‥」

マシュ「それを問いかけようとしても、何か他の方法で聖杯の雫を探すのに集中したいというだけであのように宙に浮いたまま瞑想のような事をして、話を聞くのを避けているというか・・・」

【吉備真備なりに探しているのか・・・?】
【はたまたやり方がテキトーである事を知られたくないのか・・・?】←

バーヴァン・シー「ふん。私が選ぶとしたら後者よ。アイツ、陰陽師とか言い振り回しておいて、テキトーなことを私たちにやらせんじねーぞアホが!」

播磨局「・・・はぁ~・・・・」

播磨局「まったくあの吉備真備という陰陽師のやっている事は真面目なのかふざけているのかなど見当が付かないというもの。あの者はいったい何を考えているのやら・・・」

播磨局「あのような者があの嵐の海の戦にいたら、真っ先に波にのまれて溺れ死ぬと私は思うのだがなぁ・・・」

【嵐の海の戦って?】

播磨局「知らんのか?文永の役の海戦、大嵐が吹きあれる海に荒れる船上を渡り、蒙古の水軍を数多く倒したという話。吉備真備もそう言ってただろ?」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「文永の役の逸話のことはカルデアにも少なからずデータにある。西暦1233年、日本では文永11年と言ったところか。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「当時、蒙古の軍勢・・・即ちモンゴル帝国の当時の王・フビライ・ハーンが指揮する遠征軍による侵攻が元になった戦であり、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「1274年と1281年、2度にわたって日本の地をかけた戦争であり、播磨局もその戦争に参戦していたんだ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「まぁその当時の播磨局は1回目の蒙古襲来時は55歳、2度目の蒙古襲来は齢62とかなりの高齢の身で出陣しているんだ。」

バーヴァン・シー「はあ!?齢62って言えば汎人類史の人間にしたらしわくちゃのババアじゃない!よくそんな歳で戦えたものね?」

バーヴァン・シー「サーヴァントは主にその英霊の全盛期の姿で召喚されると聞いているけど、その戦での頃が貴方の全盛期なら、その顔の裏はしわくちゃのババアって事?」

バーヴァン・シー「キャハハッ!そうだったらちょーうけるんですけど~wwwm見た目はJK女子のくせに中身はしわくちゃのババアだなんて!」

播磨局「くぅ!お前、この私をバカにしているのか?生意気な事を言ってるといくら味方でもブッ刺すぞ!」

【まあまあ落ち着いてよ!】
【バーヴァン・シー、ちゃんと謝って!】←

バーヴァン・シー「チッ・・・ええわかったわ。ゴメン、私が悪かったわよ・・・」

播磨局「・・・・・・・・・」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ま、まあ話を続けるけど・・・そのその文永の役の戦いの中で播磨局が水軍を率いて蒙古軍との船上の戦いがあったのだけど、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その戦いの中で突如としてその海上周辺の天気が嵐のように崩れ、両軍の戦況を荒れさせるかのように雨風が強く吹きあれた。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そんな雨風は吹きあれる船上をもろともせず、播磨局は蒙古軍の船に乗り込み、敵兵を約300人を捕まえては荒れ狂う海の中へと放り込み、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そしてその敵の大将の弟と周りの者を含めた28人の首を切り落とし、日本軍は辛くも勝利をつかみ取った。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「この今でいう突発的な台風の襲来の事を当時の日本人は“神風”と呼んでおり、彼女はその神風の中で船上にいる敵蒙古の軍勢を打ち破った‥それに関して間違いはないかい?」

播磨局「・・・‥(頷く)」


【凄い・・・!】
【台風に負けずに敵を倒すなんて・・・】←

シオン(通信)「文永の役と弘安の役の戦いには辛くも神風による天候不良も重なり、辛くも日本軍の勝利で終結した戦いなのですが・・・」

シオン(通信)「その背景の裏・・・正確には神秘側から見るにあたり、その神風と播磨局の強さは日本神話の神である風神建御名方神(たけみなかたのかみ)が関与していると見ており、」

シオン(通信)「汎人類史の歴史においても播磨局は弘安の役で建御名方神の武運を得たことで神風が吹きあれる中で蒙古軍の軍勢をなぎ倒し、日本軍の勝利に貢献した。」

シオン(通信)「そして戦いが終結した後、播磨局は自身に武運を与え、神風を起こしたであろう建御名方神に敬いと感謝を込めて、諏訪大社より分霊をいただき、」

シオン(通信)「その分霊を自身の領地内に本渡諏訪神社を建ててあげたんだ。それについて、あなたの記録に間違いはないと?」


播磨局「そうだ。あの弘安の役の戦いにおいて、あの神風は正に風神の加護といっても良いぐらい、偶発的であった出来事だ。」

播磨局「海上戦での戦いにおいても尚、蒙古の水軍は我が水軍も全滅を免れぬ程の脅威であった。あの嵐風がなければ、我が水軍は蒙古の水軍にやられていたのであろう‥」

播磨局「私もそうだ。生前、いつお迎えが来てもおかしいぐらいだった歳の私があの蒙古の兵等を嵐の海に叩き落とし、敵将の一角を含めた敵兵をこの手で切り倒した。」

播磨局「1300隻以上もある蒙古の戦艦の群より、味方の水軍を助ける為に乗り込み、多くの敵兵を投げ飛ばし、多くの敵兵を切り倒し、日の本を蒙古の侵略から守り通した。」


フンッ、カキンッ!

播磨局「故に私はあの光景を今でも覚えている。あの嵐の海、弘安の役で海に沈み逝った・・・・敵兵と味方兵の叫びの声を・・・・」

―――――――――――――――――――――――――――
回想シーン――――播磨局の生前:弘安の役 日本軍・船上にて・・・


ザザァァ~~ン!ザブゥゥ~~ン!ザブゥゥゥ~~ン!!

日本軍・水兵「播磨様、この波の高さでは危険です!ここは一旦引き返した方が良いかと‥」

生前の播磨局「ならん!あそこには味方の兵が敵艦隊と戦っている。かの者たちがこの嵐の中でも戦っているのだ!」

生前の播磨局「彼らの為にも我らは向かわなければならん!日の本を守り、生きて本土の地を歩くためにも!」

生前の播磨局「この来を逃すな!蒙古を倒し、日の本を守るのだ!!」

日本軍・水兵たち「オォォォォォォ~~~~!!」


ザザァァ~~ン!ザァァ~~ン!!

雨風が酷く激しく降りしきり、高波が今にも両軍の船を覆うように押し寄せてくる。


対馬と壱岐に侵攻し、それらの軍勢を壊滅に追いやった、血も涙もなくただひたすらに暴虐を繰り返す蒙古の軍の艦隊。

蒙古の侵略から命をかけ、日の本とその本土に住まう民を守る為に先陣に向かった味方の水軍の船。

多勢の蒙古を相手に味方の水軍もまた、対馬と壱岐と同じように壊滅の危機に追いやられ、本土への侵攻を許してしまうのではないかと思われていた。

しかして突如として日は雲に覆われ、雨風や高波が両軍を襲い、戦況は混沌と困難の渦に飲み込まれた。


この頃、62の齢だった私はご老体の身でも構わず日の本を守る為に多くの軍勢を率いて天草から出陣した。

そしてこの神風とも呼べる嵐の海の戦況に我慢ならず、味方の水軍を乗せた4隻の船を率いて先陣をきった味方の水軍の援護に向かった。

そして私は兵と共に蒙古の船に乗り込み、敵である蒙古の兵士を‥数多くの蒙古の者らを無我夢中で倒していった。

この神風もまた、我らに日の本の勝利を導かんとする神の加護である事を信じて私は戦った。――――しかし・・・

―――――――――――――――――――――――――――
蒙古軍の船上にて・・・


ガキンガキンガキンッ!ジャキンジャキン!ザバザバァァ~~ン!ドバァァ~~ン!

生前の播磨局「怯むな!敵の勢力は確実に弱まっている。このまま敵を打ち倒せぇぇ!」

オォォォォォォ~~~~!

生前の播磨局「・・・・・・!?」


ザザァァ~~ン!ザァァ~~ン!!ドバァァ~~ン!!!

溺れている蒙古の兵たち「――――――――!!」

波にのまれていく味方の兵士たち「助けてくれ~~~!誰か助け―――」


ザバァァァ~~ン!ドバァァァ~~~ン!

生前の播磨局「~~~~~~~~~」
――――――――――――――――――――――――――
事情もあって、自身の血を引く子供などいなかった私は、甥の子である種益を養子として彼を自身の家督を継いでもらっている。

彼を養子にする辺り、種益には自分の子と同じような愛情を注いだ。女の身でも土地と家督を継げた時代‥私は養子とした種益を我が子として、家族として彼を迎えてあげた。

我らを待つ愛する家族の為、土地に住まう民のため、祖国である日の本の守る為、いずれ死にゆく老体の自分を励まし、これらを全て守り通すために私は戦っていた・・・

故に嵐の海に落ち、高波に飲み込まれて死にゆく蒙古の兵たちも、味方の兵士たちにもまた、彼らを待つ家族がいるのではないのかと・・・

神風とはいえ、敵も味方も関係なく声を上げていく兵士たちの悲鳴と助けを求める叫びと共にその者たちは神風によって荒れ狂う神の中へと消えていき、

今もあの者たちの呪いの叫びのように波の音共に私の耳の内に聞こえてくるのだ・・・・・・

現在、渋谷:渋谷駅構内にて・・・・


播磨局「・・・・・・‥」

【今でも聞こえてくるの?】←
【その助けを求めてくる声が・・・】

播磨局「ああ。サーヴァントとなった身であれど、魂に刻まれたあの嵐の海の記録が今もまだ、私の中で壊れたスピーカーのように聞こえてくる」

播磨局「依代には少々悪い思いをしたと思っている。なんたって聞き覚えのない呪いの叫びが永遠と自身の中で聞こえてくるんだからな。」


播磨局「このサーヴァントとしての身体には、お前たちのいう聖杯と何か深い縁を持った人間が選ばれると聞くのだが・・・」

播磨局「この依代の者はどうも聖杯とは何も縁も関係性もなく、ただ何かに導かれたようにこの依代の身体に我が霊基が憑依し、それが結びついたといったところか・・・」

播磨局「どうやら私にはサーヴァントとなるにあたり、単騎で霊基を作る事が難しい個体であり、このような依代を必要とする形で抑止力に召喚されたみたいなのだ。」

播磨局「所謂、適材適所ってところか。まあ、私が知ったところで私は何も変わらないのだがな・・・。」


【そういえばずっと前にも、】
【伊斯許理度売命(イシコリドメ)がそうだったような・・・】←

播磨局「イシコリドメ?あの岩戸隠れの伝説で八咫鏡を作ったという、あの日本神話の女神か?その依代の者もまた、私と同じように訳ありだと?」

【うん。なんというかその・・・】←

―――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:微少特異点、聖歌博音劇場上野ミュージアム:とある拠点にて・・・
https://h616r825.livedoor.blog/archives/54723836.html


未来(イシコリドメ)「いかにも、神霊である我が身体を得ようと躍起になっていたところを、偶然我の助けを求める主と我の霊基が絶妙に一致したことから、主を依代に現界したのだ。」

エルフナイン(絵)「未来さんの纏うシンフォギア「神獣鏡」は鏡の聖遺物であり、鏡作りの神であるイシコリドメとは鏡の縁もあり、そこに霊基が同調しやすかったんでしょう。」

―――――――――――――――――――――――――――

吉備真備「ふ~ん・・・・つまりその日本神話の鏡の女神、イシコリドメも今そこにいる播磨局もまた、聖杯とは関係を持たずとも疑似サーヴァントとして現界する事が出来た訳ありって事だね。」

吉備真備「ほんと凄いよねぇ~!特異点解決の適材適所とはいえ、英霊の魂と力を借りて世界を救っちゃうんだからね~!ほんと誉れ高き所業だよ、君たちは。」

【真備さん!】
【もしかして聞いていたの?】←

吉備真備「ああ聞いていたよ。瞑想してでも君たちの声を拾っていたからね・・・正に地獄耳ってヤツかな?」


バーヴァン・シー「おいクソ陰陽師!さっきから黙って瞑想してみれば、マスターの話をこっそり盗み聞きしてたとはなぁ~。」

バーヴァン・シー「宙に浮いてサボっているのだったら、貴方も少しは帳の発生源を探したらどうなのよ!」

吉備真備「探す?それならもう近くにあるよ。いま目の前に―――」

マシュたち「!」


【えっ、どこに?】
【確か目の前って・・・・】←

渋谷駅:山手線ホーム内


キラァァ~ン☆

帳のようなモノを持ってベンチに座っている者
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/132754.png?date=1543915886

虞美人?「・・・・・・・・・‥」


【あれって・・・】
【虞美人?】←

マシュ「はい、間違いありません。あの姿は正に私たちが知るアサシンクラスのサーヴァント、虞美人こと、芥ヒナコさんです。」

マシュ「ですがその、どうして虞美人さんがこの渋谷駅のホーム内に帳の発信源を持って座っていると‥?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。最初の渋谷へのレイシフト際、虞美人は渋谷の特異点レイシフトの適性外だったから呼びかけてはいなかったのだが‥」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それに今の彼女は何かと様子が変だ。あまり大人しそうでない彼女がこんなところで1人大人しく座っているなんて・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「おそらくあの虞美人は吉備真備の言う特級呪霊サーヴァントの可能性がある。ここは慎重に事を進めた方が良さそうだ。」

マシュ「はい・・・」


【ここはマシュと私で聞いてくる】←
【みんなはいつでも迎撃態勢を!】

吉備真備「ああ。だが気をつけ付けろよマスター。この空気、タダモノではなさそうみたいだからな。」

【わかった】←


タッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・・・・・・
――――――――――――――――――――――――――
両面宿儺(エリザベート)が居城とする『チェイテ渋谷神社城』と向かう為、カルデアのマスター達の侵入を阻む帳を解除するために帳の発信源を捜索していたカルデアのマスター達

その道中にて、カルデアのマスターは播磨局の事について彼女の過去やどうサーヴァントとなった話をしていく中で、

渋谷駅構内・山手線ホームにポツンとベンチに座り、帳の発生源を持った虞美人らしき人物が座っている所を目撃し、

カルデアのマスターはその虞美人らしき人物が特級呪霊サーヴァントである可能性を考慮しつつ、マシュと共にゆっくりとその彼女に近づいていった。

タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・


虞美人?「・・・・・・・・・‥」

【・・・・せんぱい?】←
【あのぉ・・・聞こえていますか?】

虞美人?「・・・・なに、誰かと思ったら藤丸立香じゃない?なんであんたとマシュがこんな所にいるのよ。」

マシュ「虞美人さん、それを聞くのは私たちも同じ事です。なぜ虞美人さんが渋谷の駅ホームに1人で静かにいる事が聞きたいのですが?」

虞美人?「渋谷?ああ確かに奥の看板に渋谷って書かれていたのだけど・・・それがいったいどうしたというの?」

虞美人?「私はただ、私の“願い”を叶えに来ただけ!ただそれだけの事よ、後輩。」

【はい?】
【その“願い”とはいったい?】←

虞美人?「なにって願いよ!私は私の願いを叶える為にここに・・・‥!?」


虞美人?「ちょっと待って・・・・私が叶えようとしていた願いってなんだったっけ?私は何を願うために召喚に応じて来たのよ・・・?」

【召喚に応じたって?】
【いったい誰に召喚されたというの?】←

虞美人?「知らないわよそんなこと!私はただ私の願いを・・・願いを‥‥ねが、ねが――ネガガガガガガガガガ~~~!?」


ぐじゅぐじゅぐじゅぅぅぅ~~ぐちゃぁぁ~~ん!!

虞美人だったモノ「――――」



マシュ「!?」

【虞美人!?】←

バーヴァン・シー「えっ、ちょっと待てよ!あの中華吸血女が得体の知れないモノに変わったわ!?なんなのこれ!?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「目の前にいる虞美人らしき人物の霊基が一瞬にして形が崩れた!?いったいあの者の身に何が・・・」

吉備真備「!?。(この急激な霊基の変質変化と身体の形態変化・・・まさかこの術式は・・・)」


???「あ~もうなんだよ~!せっかく旨くキレイに再現度が高いぐっさまの姿に出来たのに、ほんと使えないじゃないかよ~!」

???「まぁ結局のところ、あれを餌として釣ったことでなんかとても良い“ぐっさま”作りの素体が釣れたことだからヨシといたしますか。」

【――誰!?】←
【近くにいるの!?】

タッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・・・‥


カルデアのマスターたちがいる駅ホームの後ろ奥から現れた存在
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/354051.png?date=1659262524

徐福?「なんですか?それって私の事を指し示しているって事というのかな?まあそう自分自身を示す自分もそうですけど‥‥」

徐福?「もしかしてあなたたち、私の事で理由があってここまで探しにきたというのかな・・・?」


【貴方は・・・】
【徐福・・・・じゃないよね‥?】←

徐福?「はい?なんだよその徐福って・・・・私の事を探しておいて名前をまちがえるんじゃねぇーぞー!」

徐福?→特級呪霊・徐福真人「私にはねぇ、呪いとして生まれた時からずっと‥“真人”っていう名前があるんだぞ!わかる?まーひーとー!」

吉備真備「!」

【ま、真人・・・?】←


吉備真備「(真人―――まさかあのつぎはぎの特級呪霊が中国の偉人の霊基と合成させて蘇らせたというのか・・・。)」

吉備真備「(真人には『無為転変』という人間の魂と肉体を自在に変える呪いがあるのだが、あの変わり果てた虞美人というサーヴァントの姿から見て、)」

吉備真備「(あの呪霊サーヴァントもまた、オリジナルの真人と同じ『無為転変』が使えると見て間違いはないようだな。)」

吉備真備「(まったく‥花御といい真人といい、黒幕はいったい何を企んでいるというんだ・・・?)」


徐福真人「おいお前たち、なんかお前たちの中になんか2つぐらい手持ちに聖杯の雫とかを持っている感じがするけど。」

【そ、それがどうしたというの?】←

徐福真人「あ~やっぱり!お前、私の仲間の花御を殺したヤツだろ!その聖杯の雫を持っているのがその証拠だよ!」

徐福真人「花御だけじゃない!陀艮も、漏瑚も、みんなお前たちが殺したんだろ!お前たちみんなが!」


【・・・・・・‥】←
【(・・・漏瑚って?)】

徐福真人「ふん、まあいいや。いくらお前たちがなんだろうと、私の術式に勝てる訳なんかないのはわかっている。(というかお前たちの事なんか知らねえし‥)」

徐福真人「なんたって私の術式でみんな私の大好きなぐっさまにしてやるんだからなぁ~~!」

【大好きなぐっさまにするって・・・・】
【いったい何を言っているんだ?】←


グォォォ~~ン!

呪霊サーヴァント「オォォォ~~!」

徐福真人「あっ、ちょうど良い所に新たに出てきたのが・・・よし、さっき失敗したぐっさまの鬱憤晴らしにやってやるぞ~!」


シュッ、シュタッ!

徐福真人「―――フフッ!」

呪霊サーヴァント「――!?」

【真人が呪霊サーヴァントの前に!】
【いったい呪霊サーヴァントに何を・・・】←

吉備真備「あの構え・・・まさか!?」

徐福真人「よし―――『無為虞転変』。」


ピトッ、ギュゥゥゥ~ン!

呪霊サーヴァント「―――!?。おぉ、オォォォ~~~~!?」

マシュたち「!?」

ギュゥゥ~~ン、グジュグジュグジュゥゥゥ~~~!!


呪霊サーヴァント→呪霊水着虞美人「・・・・・・・・・・」

徐福真人「――よし、出来た。」

【なんだあれ!?】
【呪霊サーヴァントが虞美人に!】←

徐福真人「驚いているのか?そう、これこそ私の手に触れた魂を自由自在に操作し、対象の形状と質量なんか関係なくその魂と身体を改造し、」

徐福真人「このように私の好みに作るぐっさまに作り替える事が私の術式。私の持つ呪いの力なのでーす!」

徐福真人「そんでもって、この変化させたぐっさまはこの1体だけではありませんよ~。」


スタスタスタスタスタスタスタスタァァーー!


呪霊虞美人&呪霊水着虞美人軍団「―――――――――」

マシュたち「!?」

【これって!?】
【虞美人がこんなに沢山!】←

ムニエル(通信)「なんだこれは!?虞美人が水着の姿も含めてこんなにたくさんいるなんて!?しかもこれ、水着姿も含めて同じ霊基が複数も存在しているなんて!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「霊基の複製・・・・いや、呪霊サーヴァントの霊基をあの特級呪霊サーヴァントの術で作りかえたというべきか。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「芥ヒナコ・・・もとい虞美人限定とはいえ、大量の呪霊サーヴァントを虞美人と同じ霊基に作りかえてそれを配下にしてしまうなんて・・・」


吉備真備「(真人という呪霊・・・・聞いた話にはあの呪霊が扱う“無為転変”には対象の魂を変質させ、改造人間を作り出してると聞いてはいたが・・・)」

吉備真備「(どうもあの真人と名乗る徐福は、元となっている徐福の影響を完全に受けていて、術式もまた、名前自体が変質していると言ってもいい‥)」

吉備真備「(しかしなんだよ・・・『無為虞転変』って‥いったい何があったかは知らないが、融合しているサーヴァントの影響受けすぎだろ・・・)」

【・・・‥?】←

――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターたちの前に突如として現れたアルタ―エゴのサーヴァント・徐福の同じ姿をした特級呪霊サーヴァントである徐福真人。

彼女が扱う術式“無為虞転変”は、対象の魂を変質させる術式であり、その術式によって呪霊サーヴァントの姿を虞美人と同じ姿と霊基へと変えた。

徐福真人の呪術と共に彼女の手によって数多く量産された水着を含む呪霊サーヴァントの虞美人が立ち並んでおり、

それを見たカルデアのマスターたちはその光景に少し動揺し、吉備真備もその光景に対して何かを思うかのように、自身の顔をしかめるのであった。
――――――――――――――――――――――――――――

望月千代女「親方様、あの徐福と類似する呪霊サーヴァントと数の多い虞美人の呪霊・・・敵戦力はここから見たとしても数十体はいると思われ、」

望月千代女「対してこちらは5名、おそらくとしてはこちらの多勢に無勢は免れないと思われます。」

マシュ「はい。しかも相手はあの虞美人であり、その虞美人の呪霊をこんなに沢山相手にするなんて・・・・」

【確かにそうだね・・・】
【ここまで数の多いせんぱいと戦う事になるなんて・・・】←


徐福真人「フッフッフッフッ!どうだ?この私が作ったぐっさま軍団に手も足も出ないだろ~。それとぐっさま軍団の恐ろしさはこれだけではない!」

徐福真人「いま手前にいるのはアサシンとランサーのクラスのぐっさまを数多く並べて立たせているのだけど、奥には私の作ったぐっさまはね・・・」

徐福真人「アーチャー、ライダー、セイバー、キャスター、バーサーカーっと、色んなクラスのぐっさまを用意していて、みんな私の命令一つで好きなように動いてくれるんだよ?」

吉備真備「なに!そのぐっさまという呪霊だけで七クラス全てを作ったというのか!?それは随分と手間の掛かることをしやがっているな‥」

【どうしてあなたはそのぐっさまにこだわるの?】←
【呪霊なのに?】


徐福真人「こだわるって・・・そんなの私がぐっさまの事が1番大好きに決まっているだろ!恥ずかしいからいわせんなよ!」

徐福真人「ぐっさまを推しにしている自分にとって色んなクラスを持つぐっさまを作るのなんて、この渋谷なら全然数に問題ないし、魂は沢山あるからね。」

徐福真人「だけどここにいる呪霊で作ったぐっさまはクラスが異なるように霊基を変えているのに、姿は通常のぐっさまと水着姿のぐっさまにしか姿が変わなくて・・・」

徐福真人「酷いときにはぐっさまの美しき姿を維持できず、さっきのように魂と肉体が崩れて使い物になるったらありゃしない・・・」

徐福真人「それに私にはどうしても作りたいぐっさまがあって、この近くにいる呪霊なんかじゃ作れない・・・ぐっさまを超えた最高のぐっさま・・・」

徐福真人「エキストラクラスで星の数は5。そう、私が作りたいぐっさまとは・・・‥」


ポワワワァァ~~ン・・・
――――――――――――――――
徐福真人が叶えたい夢


キラキラァァ~~ン☆


ウェディングドレスの虞美人「項羽様♡」

虞美人+ウェディングドレス


徐福真人「星5ルーラー:ぐっさま(虞美人)〔ブライト〕~~!!」


【マジでぇぇーー!?】
【完全に頭ぐっさまだ・・・・】←
―――――――――――――――――

吉備真備「ああそうだな・・・。こいつ、ここまで頭の狂った呪霊サーヴァントは初めてだ。ここはさっさとこいつを祓った方が良さそうだな?」

マシュ「はい・・・それにこちらには帳の発信源があります。ここは早めに帳を破壊し、一旦距離を置いて・・・」

徐福真人「ちょっとお前たち!私の事を差し置いて逃げるつもりだろ!私が餌として置いてた漏瑚が持ってた“帳”の元を持ったばかりに!」

徐福真人「お前たちをただで逃がさないよ。お前たちにはここで私の術式でみんな私のぐっさまにしてやるのだから~~!!」



ガシッ、ガシッ!キィィーーン!


マシュ「特級呪霊の魔力量が上昇!これはまさか宝具を・・・・」

吉備真備「!。違う・・・あの構え方はまさか・・・」



徐福真人「――――領域展開!」

【!?】


キュィィン、グワァァァ~~~~ン!

ハロウィン聖杯戦線3:渡る世間は虞美人ばかり
――――――――――――――――――――――――
徐福真人の呪術領域:虞美人関連の彫刻と絵画が立ち並ぶ空間(呪術領域:自変虞美人化(じへんぐっさまか))



グワァァ~~ン!ガコンガコンガコンガコンッ!


徐福真人「領域展開―――自変虞美人化(じへんぐっさまか)!」

徐福真人「この領域に入ったら私の無為虞転変は必ず当たるようになる。もうどこにも逃げられないぞぉ~!」


【領域内に閉じ込められた!?】←

吉備真備「ああ、コレはマズいことになったな・・・このままだと僕たちみんな、あの徐福似の特級呪霊に魂を虞美人にされるぞ!」

バーヴァン・シー「はぁ!?あの虞美人狂いの雑魚にあの雑魚軍団と同じにされるなんて、私はまっぴらゴメンよ!」

バーヴァン・シー「あんな雑魚なんかさっさと祓ってこの領域内から脱出して・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いや待つんだ!藤丸ちゃんたちの今の立ち位置を見てみたまえ!」


バラバラァァ~~!

【完全に分断されている・・・】←
【マシュ!真備さん!】

吉備真備「ああ。あの呪霊が領域展開をしたと同時に俺たちの立ち位置をうまく組み分けして分断したと言ってもいい。」

吉備真備「おそらくこのまま他のサーヴァントを召喚しても別の所に配置されるのは確実だ。サーヴァントを召喚するポイントもまた、マスターのそばにはないと見える。」

吉備真備「僕の術式であの呪霊の必中攻撃を阻害するにも限界がある。あの呪霊には他にも不明点がある以上は・・・」


キィィ~ン・・・

吉備真備「とりあえずマスターは急いでこのポイントに来て僕と合流するんだ!ここならばマスターは安全といってもいい。」

吉備真備「間違ってもあの呪霊と戦おうとはするなよ。あの呪霊に一度でも触れればマスターは確実に虞美人にされて殺される。」

吉備真備「今はとにかく僕のところへ集合することを考えるんだ!わかったか!」

【わかりました!】←


徐福真人「!。そうはさせないぞ!君たちはここで私にぐっさまにされるんだ。合流なんかさせてなるもんか!」

徐福真人「行くぞ!ぐっさま軍団、出撃ぃぃ~~!!」

呪霊虞美人軍団「―――――――」


聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――――

ハロウィン聖杯戦線3:渡る世間は虞美人ばかり


勝利条件:指定ポイントへのマスターの到達

敗北条件:特級呪霊・徐福真人がマスターの元へと到達。(その際にマスターが徐福真人の“無為虞転変”でアイコンが虞美人にされる演出がある。)

領域内効果:特定の陣地に止まるとサーヴァントのHPが20%(マスターの場合はライフ1個分)を失う。(サーヴァントのHPが0になると即退去、マスターのライフが0になると敗北)


登場エネミー

特級呪霊・徐福真人(クラス・アルタ―エゴ)x1


呪霊サーヴァント(虞美人):クラス(セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー)x∞

呪霊サーヴァント(水着虞美人):クラス(セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー)x∞

>>68 追記:所定のポイントから呪霊サーヴァント(虞美人)及び呪霊サーヴァント(水着虞美人)がランダムに出現する。
――――――――――――――――――――――――――――――――
第6廻戦:吹きあれる神風の領域
――――――――――――――――――――――――――――――――
ふと眼を瞑れば脳裏に浮かぶ、英霊としての記録。英霊・播磨局が生きて戦場をかけ、天草大夫大蔵太子として戦って来た英霊の記憶。

しかしてそれでも脳裏に嫌でも浮かんでくる記憶がある。それは英霊・播磨局の生涯にはいっさい存在せず、ただ今のサーヴァント・播磨局の脳裏にしか浮かばない‥

――“英霊・播磨局には存在しない依代の記憶”――

―――――――――――――――――――――――――
播磨局の依代(禪院真希)の記憶:禪院家


とある名家に生まれた私には生まれつき、殆ど呪力を持たず、術式が扱えない上に呪霊を視認する事すらできなかった。

それ故に私は幼少期に家の人々から「落ちこぼれ」と称され、殆どの全てを雑用係に向けさせるなど徹底的に虐げられてきた。


禪院真希の母「貴方なんか、産まなきゃよかった。禪院家の恥めッ!」


仕舞いには自分を産んだ肉親の母にもこう罵倒の声を言われる始末だった。私はこのままこの家にいれば、自分ではいられないと悟っていた。

しかしそれでも私は呪術師として名を上げ、家の連中に見返すために家を出る道を選んだ。

まあそのおかげで自分の妹(禪院真依)には憎まれる立場となったのは今も心痛い。私にとって、妹は私のたった1人の妹なのだからな。

妹の居場所を作る。家の連中を見返す。――それが私(禪院真希)の生きる目標でもあった。

――――――――――――――――――――――――――――
播磨局の依代(禪院真希)の記憶:呪術師としての生活


家の政治的妨害もあって、呪術師としても4級ぐらいに留められ、呪術師としてあまり名を上げる機会に恵まれぬ日々が続いていた。

しかし私はその中で多くの仲間と出会い、彼らとは良き仲間として共に呪術師としての学びと経験を積み、

私もまた、私の為に与えてくれた呪具をうまく扱い、多くの呪霊を祓って祓って、祓いまくって・・・


そうしていけば、必ずしもあの家の連中に吠え面をかかせられる程の名声を得られると思っていた・・・

ある世界:渋谷駅内にて・・・・


特級呪霊(漏瑚)「1人目」

呪術師1「――!?」

シュッ、ジュボォォォーー!!


禪院真希「七・・・・」

特級呪霊(漏瑚)「2人目」

禪院真希「―――!?」


ジュボォォォーー!!
――――――――――――――――――
10月31日のハロウィン。特異点と同じ場所である渋谷で起こった呪術テロ。私の呪術の先生であった■■■が封印されたあの頃・・・

その時の私たちは実に不運だった。とある魚の式神と水の呪術を使う未登録の特級呪霊を辛くも祓った直後、それらの戦いで疲弊していた私たちの前に、

その特級呪霊の仲間というべき炎を使う特級呪霊の報復ともいえる襲撃にあった。


戦いで疲弊していた私の目の前で■■■■さんと、そして私がその特級呪霊による攻撃を受け、目の前が赤く燃えさかった。

突然の呪いに打つ手がなかった私は何も出来ずに呪いの炎に焼かれた。ほんの一瞬の出来事だった。

私はその呪いの炎によって、私の人生と共に全てが焼かれていく・・・・そう私は覚悟をしていた・・・
―――――――――――――――――――
???:何処かの空間


ギュウァァ~~ン・・・・

一つの光「真希よ。天与の呪縛を持って生まれし呪術師よ。我が声が聞こえるか?」

禪院真希「・・・・誰だ?私の事を呼んでいるのか・・・?」

一つの光「真希よ、お主の天性の才能と力を見込んで頼みがある。お主にしか出来ぬ事を・・・」

禪院真希「・・・私にしか出来ない事だと?」


一つの光「とある世界・・・お主がいた世界とは異なる世界で今、人類と英霊の存亡が掛かった戦いが起こっている。」

一つの光「頬っておけば、その世界は■■■によって崩壊を迎える。なんとしてでも止めなければならない・・・」

一つの光「しかしてその世界にはお主の世界と同じような強力が呪いが充満しており、英霊の力のみでは太刀打ちが出来ぬ。」

一つの光「加えて我は自身のみでは仮の身体が作れぬ身であり、それ故にお主にしか出来ぬ事とはそれなのだ。」

禪院真希「!」

一つの光「今よりお主には特異点と呼ばれる世界ではぐれサーヴァントとして現界してもらう。」

一つの光「しかしその世界に記されたルール上、お主をそのまま現界すれば、確実に世界から存在ごと弾かれる。それだけは避けたい。」

一つの光「故に我はお主のその身体に我の霊基を移し、お主を我の依代としてその世界に現界をしてもらう。」

一つの光「お主の名をその世界で名乗る事はいっさい禁じるが、代わりに我の力と真の名をお主に与える。」

一つの光「その世界に現界したならば、我の名を思う存分名乗るがいい。それがお主と我との繋がりでもあるからな。」


禪院真希「・・・成る程。要はその世界の危機を救うために私をその世界に異世界召喚する為にも、私とあんたとで“縛り”を結びたいと言いたいのか?」

一つの光「そうだ。ただお主の肉体を借りるというても、本来のお主とは別存在となる事であり、元の世界のお主には何も影響などない。」

一つの光「それに元の世界のお主は死んではおらぬ。少々今のお主とは印象が異なる部分はあるからのぉ。」

禪院真希「!。そうか‥つまりあの方曰く、私がその世界の宿儺のような人物の器となってその世界を救って欲しいと言うことだな?」


禪院真希「わかった。私を必要としているのなら、その縛り、受けてやろうじゃないか!」

禪院真希「で、あんたの名前はなんだ?その世界であんたの名前を使ってくれと言うなら、名前ぐらいは教えてくれよな?」

一つの光「理解してくれて感謝する。しかして存分に使うが良い・・・・我の真名は・・・・」


ギュゥゥゥ~~ン!ピカァァーーン!
――――――――――――――――――――――――
呪霊廻廊戦界チェイテ・渋谷■■■:渋谷ヒカリエ周辺


ギュゥゥゥ~~ン・・・キィィン、ギュォォォ~~ン!!

播磨局(禪院真希)「・・・・・・・・・・・・」

―――――――――――――――――――――――――
あの時、死んだと思われていた私はまだ死んではおらず、逆に私は別の世界からの声に私の存在を必要としていると呼ばれ、

私は私を必要として呼んだ英霊・『播磨局』の疑似サーヴァントとして、この私のいた世界と同じ渋谷と同じ特異点に召喚された。

疑似サーヴァントとして少々体格(特に胸の所が大きい)の事で気になる所はあったものの、サーヴァントとしては問題ないと言ってもいい。


私はこの渋谷に満ちる呪いを祓うために、私はランサーのサーヴァント・播磨局として、呪術師としてこの渋谷の特異点に君臨している。

全てはあの時、渋谷で何も出来ずに終わった呪術師としての私の無力さを自身の今の行いによって払いのける為に・・・・
――――――――――――――――――――――――――

いま現在、徐福真人の呪術領域・自変虞美人化内では・・・‥



ガキンガキンッ!ジャキンジャキンッ!


呪霊虞美人1「―――――」

望月千代女「ツゥゥッ!」


呪霊虞美人2・3「―――――」

吉備真備「チッ、邪魔だぁぁーー!!」

キンキンッ、ガシュゥゥーン!シュゥゥゥ~ン・・・


【キリがないわ!】←

徐福真人「ふん。ぐっさまがやられるのはシャクですが、領域内には数多くのぐっさまを招いておりまして、」

徐福真人「そして私のぐっさまの攻撃は、私の呪術と同様に領域内ではぐっさまの繰り出す攻撃は全て必中となっており、ぐっさまの攻撃は全て当たる!」

徐福真人「いくら私の攻撃を防ごうとも、領域内での私とぐっさまは無敵。誰にも私とぐっさまを止める事など出来ないので~~す!」

吉備真備「クソッ・・・あの特級呪霊め、自分の術式で作り上げた虞美人にも必中効果を付与させるなんて、まったくチートを使うにも程があるだろ!」

吉備真備「マスターと播磨局は僕と合流できたのは幸いだが、他の連中は呪霊の虞美人との戦闘で足止めされてとても合流なんて・・・」


ガキンッ、ガキンッ、ガキンッ!ガシャァァン!!

マシュ「クッ!前方に多数の呪霊虞美人が合流進路を遮断してて、とてもマスターと合流など・・・・」

呪霊水着虞美人・大人数「――――――!!」


タタタタァァ~、ドサドサドサッ!

マシュ「きゃぁぁ~~!?」

【マシュ!?】←

バーヴァン・シー「マズいわ!あの妖精騎士がヒナケシ女呪霊軍団に取り囲まれて押し倒されたわよ!」

吉備真備「ああ・・・あのままあの特級呪霊がマシュの身体に触れる事があれば、彼女の魂は操作され、特級呪霊の思いのままに改造させられるぞ!」

【そんな・・・・】
【マシュが虞美人にされちゃうよ~!】←


播磨局「・・・・・・・・・」

播磨局の疑似サーヴァントとなり、私はこの別世界の渋谷に充満する呪いを祓うため、私は多くの呪霊サーヴァントを祓いながら渋谷の周辺を探っていた。

その道中、花御と名乗る特級呪霊のサーヴァントに領域を展開され、苦戦を強いられていた最中、私はカルデアのマスターたちと出会った。

彼女はエリザベートと名乗るサーヴァントに取り憑いたこの世界の宿儺を祓い、この特異点を解決するために時空を超えてやって来ており、

私はサーヴァントとしての霊基とコンディションの維持と、同じ特異点の解決する目的の一致から、私はカルデアのマスターと仮契約を結んだ。


カルデアのマスターは呪力もない非術士並の非力の存在にも関わらず、サーヴァントである私たちを大事に思い、共に戦う仲間として、

彼女は初対面でもある私にも親しみを見せ、私を心から信用するかのように魔翌力を与えてくれている。

それは元の私の世界の高専で親しくなり、共に呪術師を目指す仲間たちといるように・・・・
―――――――――――――――――――――――――――

徐福真人「・・・・なんだ?お前、見かけないクラスをした呪霊のような・・・人間のような・・・・?」

徐福真人「クラスはシールダー・・・だったか。あれ?・・・そんなクラスってあったっけ・・・?」

徐福真人「でもシールダーっとなると、私の無為虞転変を使えば、とても良いぐっさまが作れそうな気がするんだ。」

徐福真人「もしうまく君を素体に作れるとすれば、完成予定とするのならぁ~~・・・・」


ポワワワァ~ン・・・・
――――――――――――――――――――――――――――
徐福真人が考える――シールダーの虞美人(ぐっさま)の完成予想図


シールダー・呪霊虞美人(元マシュ)〔身体がマシュ・キリエライトで、頭が虞美人〕

シールダー・呪霊虞美人「真人様の為に私が盾になります。」

――――――――――――――――――――――――――――

マシュ「!?。駄目です!私はそんな頭が虞美人さんのような私にはなりません!私なんかが虞美人さんになんか・・・」

徐福真人「いいやお前にはちゃんとぐっさまになってもらうよ!お前、見た目からして頑丈そうなイメージはするのだけど。」

徐福真人「魂の形を自在に変えられる私にとって、お前は無防備の魂の粘度でしかないから、お前は大人しくぐっさまになれ!」

徐福真人「そして私の為にそのデッカい盾で私を守ってくれると嬉しいんだよねぇ~~!(ニコニコ)」

マシュ「クゥゥ・・・・」

私の目の前で真人と名乗る特級呪霊サーヴァントがカルデアのマスターの仲間の1人であるマシュを捕まえ、自身の術式でそのマシュを殺そうとしている

それはまるで私がいた世界、私の目の前で呪霊の攻撃を受けた■■■■のように・・・。いま目の前であの時の悲劇が起ころうとしている。


マシュがいま目の前で殺される所をカルデアのマスターはとても嘆くように見ている。おそらく彼女にとってマシュは他のサーヴァントとは違う意味でマシュの事を大事に思っているのだろう。

そのマシュがいま、あのふざけた特級呪霊の呪いによって殺されようとしている。私の世界で経験したあの呪いの悲劇がいま、カルデアのマスターにも降りかかろうとしている‥。


そんなことなどさせない。あの頃は不覚をとり、私も含めてあの攻撃を受けたが、いまの私は違う。

私は私の事を必要としてくれた者として、共に戦う者として、私は私の今ある全力を持ってその勤めを果たさなければ・・・!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

播磨局「おいマスター。あの彼女とはなんの関係だか知らないけど、あの彼女を助けたいのか?」

【当たり前だよ!】
【彼女は私の一番大事なカルデアの仲間だから!】←

播磨局「そうか・・・お前とあの彼女との関係は聞かないが、あの彼女をそのぐっさまとやらにさせられるのは絶対に嫌なんだよな?顔に書いてあるぞ!」

播磨局「私も同感だ。あんなふざけた呪いで仲間がやられるなんて、私はまっぴらゴメンだからな!」

【播磨さん・・・・】←


播磨局「マスター。前に吉備真備の奴から、領域内での戦いには3つの対処法があり、その一つとして・・・」

播磨局「“こちらも領域、もしくは固有結界を発動し、こちらの優位権を取得する。”事が手っ取り早いと聞いているだろ?」

【そうだけど・・・】←

吉備真備「確かにそう言ったさ。だが僕たちには固有結界を展開する宝具を持っていない。ましてや固有結界を都合良く展開できるサーヴァントなんて・・・!?」


播磨局「ああ、ここは私に任せろ。仮契約とはいえ、私もマスターと契約したサーヴァントとして勤めを果たさないとな!」

【播磨さん、もしかしてあなたは・・・・】←

カッカッカッカッ、ガコンッ!


播磨局「おいそこの特級変態呪霊!そこのシールダーの彼女を今すぐ離すんだな?でないとお前、この私に痛い目に遭うことになるぞ?」

播磨局「それともなんだ?自分の領域を展開出来ているから勝った気になっているのか?そうだったらそうでほんとおめでたい呪霊だな、そこにるぐっさま共々な?www」

徐福真人「――!?。お前、私や私のぐっさまをバカにしてるのか!どこの馬の骨だか知らぬサーヴァントのくせに!」

徐福真人「もーー頭にきた!お前たちなんか今すぐみんなまとめてぐっさまの餌食にしてやる!」

播磨局「あ~そうかい。だったらやってみやがれこの変態呪霊が!」

【ちょ、ちょっと播磨さん!?】←

播磨局「少し黙ってろ。すぐにこの場の戦況を変えるぞ!」



フンッ、クルクルクルクルクルゥゥゥ~~~!!


播磨局「(全く・・・ろくに呪霊も見えず呪力もなかった私が、あのような呪術を使うなんか夢にも思わなかったな・・・)」

播磨局「(私の思うモノとは違うが、この力、使わせてもらうぞ、播磨局!)」


クルクルクルゥゥゥ~~~!キィィ~~ン!

播磨局「海は揺れ轟き、風が荒れ吹きゆき、戦の流れは激流の如く!建御名方神(たけみなかたのかみ)よ、この私にお力添えよ・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「計器の魔力数値が上昇していく・・・これはもしや!」

徐福真人「そんなの知るもんか!――行け!術式解放‥『虞美人大軍進(ぐっさまだいぐんしん)!』」

ジャキンッ、ズドドドドォォォーーー!


【!?。虞美人の大群が・・・】
【播磨さん!】←

播磨局「問題ない。構えていろマスター!」


キィィーーン、グルグルグルゥゥゥ~~ガキンッ!

播磨局「―――領域展開!」

ズゴゴゴゴォォォ~~~!ブシュゥゥ~~バシャバシャァァ~~~!!


【!?】
【播磨局から波が!】←

徐福真人「えっ、ちょっとま――うわぁぁぁぁ~~~!?」バシャァァ~~ン!

マシュ「キャァァァ~~!?」

【マシュ!】

吉備真備「!。みんな、とにかく僕に掴まれぇぇ~~!!」

バーヴァン・シーたち「―――――!」

シュッ、シュタシュタシュタッ!


バシャァァ~~ン!バシャァァ~~ン!ジャバァァ~~ン!
――――――――――――――――――――――――――――
サーヴァント・徐福の姿をした特級呪霊である徐福真人の呪術領域、自変虞美人化(じへんぐっさまか)に閉じ込められたカルデアのマスターたち

徐福真人の領域によって徐福真人が生み出した呪霊虞美人の攻撃が必中となり、徐福真人の呪術『無為虞転変』の必中による呪撃の恐れも加え、

呪霊虞美人たちによってマシュが捕まってしまうなどと、徐々に徐福真人の呪術によって追い詰められようとしていた・・・。


しかし徐福真人が捕まったマシュを無為虞転変で自身の都合に良い虞美人に変えようとしていたところを見たカルデアのマスターとみていた播磨局はその光景をヨシとせず、

この不利な戦況を打開するべく播磨局は自身の持つ宝具の力を解放するかのように自身の薙刀を振り回していき・・・

播磨局の“領域展開”という言葉と共に播磨局の周りから洪水のように水がなだれ込み、敵味方も関係なく、領域内全てに広がっていくのであった。
――――――――――――――――――――――――――――

ザザァァ~~ン!バシャァァ~~ン!ザザザァァァ~~!!


【ツゥゥ・・・・!?】
【これはいったい!?】←

望月千代女「はい、なんでしょうか。播磨局殿の周りから水があふれ出したと思えば、瞬く間に周りが海に・・・・それにこの場所は・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「こちらも今の状況を観測しているのだけど、この荒れた荒海にマスター達が立っている戦艦型のような船・・・これはもしかしたら・・・」


ザザァァ~~ン!ザッパァァァ~~ン!

吉備真備「よっと!」

バーヴァン・シー「ゴフッ!?ゲホゲホゲホッ!・・・・」

マシュ「ツゥゥ・・・・ゲホゲホゲホッ!」

【マシュ!!】
【大丈夫!?】←

マシュ「はい。先ほど流れてきた波に呑まれるも、吉備真備さんが助けてくれたおかげで助かりました。」

マシュ「ですがこの播磨局さんの周りから出た大量の水・・・・というよりこの海水は一体・・・・」

吉備真備「ああ。播磨局の周りから洪水のように海水が噴き出し、そして辺りが荒れ狂う荒海と化した・・・コレはつまり・・・」


ザバァァ~~ン!ザブゥゥゥ~~ン!

呪霊虞美人たち「アァァァァ~~~~!?」

ザブゥゥゥ~~ン!ザバァァ~~ン!ゴボボボボォォ~~~・・・


徐福真人「ギャァァァ~~!?ぐっさまがぁぁぁ~~!私のぐっさま軍団が流されていくぅぅ~~~!!」

徐福真人「なんなんだよこれは!なんで私の領域にこんな荒れた海が出てくるんだよ!一体誰がこんな酷い事を~~!」


ザッパァァァ~~ン、スタッ!


播磨局「そうさ。この滝のように荒れ降る雨、吹き付ける風、私らを飲み込まんとする荒れ狂う荒波。その全てが私の宝具なのさ!」

【播磨さん!】←
【なんか姿が変わっている!】

播磨局「マスターか!急な宝具展開だったとはいえ、荒波に呑まれなくて本当に良かった。」

【播磨さん、これはいったい・・・】←
【もしかしてコレって・・・】

播磨局「ああそうさ。この荒海の固有結界こそ今の私の領域、私の領域展開、この播磨局の持つ宝具の力。これを呪術に例えるとすれば・・・・」



播磨局「領域展開―――宝具『神風荒海・弘安の役(かみかぜこうかい・こうあんのやく)』!」

ハロウィン聖杯戦線4:神風吹きし荒海を越えて
――――――――――――――――――――――――
徐福真人の呪術領域:播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』によって荒海と化した自変虞美人化内


ザバァァ~~ン!ザブゥゥゥ~~ン!

徐福真人「(あわわわぁぁ~~私のぐっさまたちがどんどん荒波に呑まれて沈んでいく!どうしよう~!)」

徐福真人「(なんだよも~!私の呪術領域なのにわたしのぐっさまたちがこんなどこから出た荒海に呑まれて沈んでいくなんて~!)」

徐福真人「(それになんだよ、さっきから私の呪術領域なのに無為虞転変をしても何も起こらない・・・私の領域内ならば、私の術式は絶対に当たるというのに・・・)」

徐福真人「(まさか!?この状況は私の事をバカにしてきたあのクソ眼鏡のランサーが領域展開した事で私の領域が押し流されてるって事!?)」

徐福真人「(だとしたらこれは今、私とアイツ(播磨局)との領域の綱引きをしているって事だよね!?だったらこうしてられないわ!)」

ガシッ!グググゥゥゥ~~!!


【あれはさっきの構え!】←
【いったい何をしているんだ?】

吉備真備「やはりか、どうやら播磨局の固有結界宝具が展開された事で真人と名乗る呪霊の術式が必中ではなくなったと気づいたんだ。」

吉備真備「いま真人は自身の領域内の必中効果を得る為に、同じく領域を展開させてる播磨局と領域の綱引きをしている状態なんだ。」

【領域の綱引き?】←

吉備真備「ああ。相性とかもあるけど、領域を制すればどちらか一方が攻撃の必中効果を得ることができる。必中効果さえ得られれば、こちらの勝機は確実だ。」

吉備真備「それにあの呪霊の様子だと、播磨局との領域の綱引きに集中しているあまり、自身への防御が甘くなっている可能性がある。それこそこちらの好機だ。」

吉備真備「このまま一気に奴を攻め、奴を完全に祓うぞ!」

【はい!】←
【みんな行くよ!】

マシュ「了解しました、マスター!」


ググググゥゥゥ~~!

播磨局「(ツゥゥ、こっちの領域の展開を押し戻していくような感触・・・つまりこれが領域の綱引きって奴ってか。)」

播磨局「(この感覚をアイツも感じていたのか?こんな思いをしてまで、あの時、あの特級呪霊の領域から私たちを・・・)」


ツタタタタタッ!

【このまま綱引きを続けて播磨さん!】
【呪霊の方は任せて!】←

播磨局「ああ、こっちも領域の綱引きに手間取ってて、こっちもまともに動くことさえできねえ。」

播磨局「私があの呪霊の領域の必中効果を抑えている間にお前たちがあの呪霊を祓えれば私たちはあの呪霊に勝てる。」

【うん!】←

播磨局「それともう一つ気をつけて欲しい事がある。確かにこの荒れ狂う荒海は私の宝具によって引き起こしたモノなのだが・・・」

ザブゥゥゥ~~ン!グルグルグルゥゥ~~~!


播磨局「あの陣地に出現する渦巻きに近づけば忽ち渦巻きの中に自身が呑まれることになる。渦巻きに巻き込まれれば、いったい何が起きるのかはわからない。」

播磨局「とにかく私の固有結界とはいえ、油断すればさっき流された呪霊サーヴァントと同じ末路を迎えるぞ。そこだけは気をつけろよ!」

【わかった!】←

播磨局「ああ。特級呪霊の方は頼んだぞマスター!」


聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――――
ハロウィン聖杯戦線4:神風吹きし荒海を越えて


勝利条件:特級呪霊・徐福真人の撃破

領域内効果:1ターンごとに一度、特定の陣地にランダムに渦巻きが発生する。(渦巻きが発生している陣地に止まりターンが終了すると、ランダムに違う陣地に移動してしまう。)


登場エネミー

特級呪霊・徐福真人(クラス・アルタ―エゴ)x1


呪霊サーヴァント(虞美人):クラス(アサシン)x2(増援あり)

呪霊サーヴァント(水着虞美人):クラス(ランサー)x2(増援あり)

呪霊サーヴァント(蘭陵王):クラス(セイバー)x1

呪霊サーヴァント(項羽):クラス(バーサーカー)x1

第7廻戦:吹きあれる神風の領域~大詰め~
――――――――――――――――――――
徐福真人の呪術領域:播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』によって荒海と化した自変虞美人化内
 

バーヴァン・シー「アハハハハッ!くらえぇぇ~!」

キィィン、シュバババァァ~~!

残りの呪霊虞美人たち「~~~~~~」ガシュガシュン!シュゥゥ~~ン・・・・


徐福真人「いやぁぁ~~最後のぐっさまたちもやられたぁぁ~~!よくもわたしのぐっさまをぉぉ~~!!」

徐福真人「領域だ!私の領域さえ展開さえ出来ればこんな事にならずに済んだのに、お前たちハァァ~~~!」

望月千代女「そこッ!はぁぁッ!!」


グァァ~ン、ジャキィン!ガシュンッ!

徐福真人「!?。ギャァァァ~~!?」

吉備真備「よし、これでもう術式を組めない。播磨!」

播磨局「ああ、トドメは私がやる。この荒れ狂いし荒波と嵐風、この神風の如く荒れ狂う海を超えられるのは私なのだからな!」


ジャキンッ、クルクルゥゥ~~ガキィン!
――――――――――――――――――――――――――――
播磨局の持つ領域展開とも呼べる固有結界――『神風荒海・弘安の役(かみかぜこうかい・こうあんのやく)』が展開され、徐福真人が展開した領域が荒海に包まれていき、

その荒海の波や渦巻きによって徐福真人が作り出した呪霊虞美人たちは波に呑まれて沈んでいき、徐福真人もまた、この状況に対しての困惑と動揺が重なり、

それを好機にカルデアのマスターたちは徐福真人を攻めていき、いくつかの攻撃によって彼女の術式を使用不能とした後、

徐福真人への最後のトドメとして播磨局が出陣し、荒れ狂う海に浮かぶ戦艦の上を軽々と飛びながら徐福真人の元へと近づいていく。


播磨局の今の姿は先ほどの女子高生の制服のような服装ではなく、生前の播磨局を思わせるような和装の戦鎧を纏っており、その姿は生前の播磨局の武勇を思わせる姿であった。

シュンッ、シュンッ、シュンッ!


播磨局「我、荒海の船上の戦場を掛け、敵をいっさい全て、建御名方神の加護の元になぎ払わん!」

播磨局「ハァァァァ~~~~!!」


シュンシュンッ!ガシッ、ブルゥゥン!

徐福真人「うわぁぁぁ~~!?」

播磨局「フンッ、ハァッ!」


ギュォォォ~~ン、ザッバァァ~~ン!ザバァァ~~ン!

徐福真人「アブブブッ、ゴボボボォォォ~~~!?」

播磨局「真人と名乗る特級呪霊よ、お前がなんの呪いだが知らぬが、お前はここで祓わせてもらう!」


ギュゥゥ~~ジャバジャバァァ~~~!!

播磨局「これで最後だ!『神風荒海・天草二十八斬首』(かみかぜこうかい・あまくさにじゅうはっしゅ)!!」


ザバァァァ~~ジャキィィーーーン!

徐福真人「ガ、ガハァァァッ!?」

ジャキンッ、スパァァーン!


徐福真人「そんな・・・‥この真人が・・・負けるなんて・・・・」

徐福真人「せめて本物のぐっさまの手によってやられたかった・・・・」


バジュンッ、シュゥゥ~ン・・・・
――――――――――――――――――――――――――――
播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』によって荒れ狂う海に揺れる船の甲板の上を掛けていき、播磨局は徐福真人を一度荒海へと投げ飛ばし、

播磨局の固有結界によって展開された荒波が徐福真人を攻撃するように海の水が動いていき、徐福真人はその攻撃によって反撃の隙も与えられずに蹂躙されていき、

そして最後の一撃として、播磨局の薙刀に海流が包み込まれ、それを持って荒波によって投げ出された徐福真人を播磨局が横に真っ二つに斬り倒し、

斬り倒された徐福真人は自身の未練を吐きながらそのまま消滅し、徐福真人は祓われるのであった。

徐福真人の領域が解除された渋谷駅:山手線ホーム内


バリバリバリィィ~~ン!シュゥゥ~~ン・・・

播磨局「・・・・・・・フン。」

【やった!】
【どうにか倒せた】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。何はともあれ、あの特級呪霊を倒せた。それと同時に他の呪霊の虞美人の反応も全て消えた。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それもこれも播磨局、あなたのおかげだ。まさかあのような宝具を隠し持っていたとはね?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「おかげであの真人の領域展開による窮地から助かった。マシュもまた、彼女のおかげで助けられたからね。」

マシュ「はい。少し荒海にのまれましたが、播磨局さんがいなかったら私はあの呪霊に虞美人にされるところでした。本当にありがとうございます。」

マシュ「それに皆さんも一人も欠けずにあの領域から脱出できて・・・・!」

【どうしたの?】←

マシュ「マスター、あそこに何か光るモノが・・・・あれはもしかして・・・」


タッタッタッタッタッ、キラァァ~ン☆

吉備真備「どうやら“帳”は2つそこにあったのか。さっきの虞美人の呪霊が持っていたのと、ここに設置してたのがね。」

吉備真備「おそらくこの帳はあの真人と名乗る特級呪霊が元から守っていた帳だな。まさか同じ所に帳を設置していたとはねぇ・・・」

播磨局「ああ。だとしても帳を見つけたからには、私たちがやることは一つしかないな。」

【うん】
【帳を破壊しよう!】←

播磨局「―――(頷く)」



コロンッ・・・フゥゥン、ジャキン!ジャクンッ!

ゴォォォ~~・・・トロトロトロロォォォ~~


吉備真備「よし、これで両面宿儺が居城としているというチェイテ渋谷神社城にようやく近づけるって所かな。」

吉備真備「ここから先、とてつもないほど危険な戦いになるかもしれないけど、そこの所、覚悟は出来ているんだよね?」

【うん・・・‥】←


【待っててねエリちゃん・・・・】
【必ず謝りに行くから・・・・】←

吉備真備「(フゥ・・・播磨局の宝具のおかげでどうにかあの真人と名乗るパチモン呪霊サーヴァントの領域展開から窮地を脱したのは幸いだった。)」

吉備真備「(ともあれ、しばらく領域展開の対策は彼女(播磨局)の宝具に任せるとしよう。あの荒海の固有結界でならば、敵の領域との綱引きに持ち越せるというか‥)」

吉備真備「(あの真人と名乗る呪霊サーヴァントが何かと虞美人とか言う英霊が好きすぎるだけのバカで助かったとも言えるが、)」

吉備真備「(俺の考えが正しければ、この渋谷に存在していると思われる特級呪霊は4体。“漏瑚”“花御”“陀艮”そして“真人”)」

吉備真備「(中国の軍師太公望の姿をした“陀艮”の方は俺が俺のいま使える宝具である『入唐絵巻・鬼来隠光』で速攻で祓ってやっており、)」

吉備真備「(フォーリナークラスのジャック・ド・モレ―の姿をした“花御”と太公望と同じ中国の賢人である徐福の姿をした“真人”もまた、藤丸立香たちと一緒に祓ってやった。)」

吉備真備「(となるとまだ姿を見せていない残りの特級呪霊は“漏瑚”ただ一体なのだが、あの真人モドキが言ってた事が本当だとすれば・・・・)」

吉備真備「(・・・・・・まさかだと思うのだが・・・‥)」

――――――――――――――――――――――――――――
特級呪霊・徐福真人を倒し、そこに存在していた2つの帳を見つけたカルデアのマスター達

その2つの帳を破壊し、残るは帳の先にあるチェイテ渋谷神社城を居城とし、この渋谷の特異点の原因とされるという両面宿儺(エリザベート)を祓う事だと認識し、

カルデアのマスターはその事について彼女と戦い、そしてあの時謝れなかった事への思いと共に自身の覚悟を強めるのであった。


それとは別に吉備真備(■■■)はカルデアのマスターたちの前に現れた特級呪霊の事について何かと違和感を感じていており、

吉備真備が存在を認知しているという最後の特級呪霊サーヴァントである“漏瑚”が誰かに既に祓われていた事について、彼には一つ心当たりがあったのだった。
――――――――――――――――――――――――――――


カルデアのマスターたちが来る数分前―――渋谷駅:銀座線ホーム内にて―――


両面宿儺(エリザベート)「手短に問え、呪霊。お前はここでいったい何をしていた?なんの目的でこの渋谷の地に4つの帳を降ろしたのか?」

両面宿儺(エリザベート)「それもこれら4つの帳、その全てがこの俺(両面宿儺(エリザベート)と他の呪霊以外の侵入を拒む帳とは、この俺を舐めているのか?」

両面宿儺(エリザベート)「俺はお前に守ってもらう程ヤワではない。ましてやお前のようなサーヴァントの姿の呪霊なんかになぁ~?」



両面宿儺(エリザベート)が尋問している呪霊サーヴァント
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/245506.png?date=1611134669


特級呪霊・平漏瑚(たいらのじょうご)「クゥゥ・・・・・。知らぬ、儂は本当に知らぬ。儂にも何もわからぬのだ。」

平漏瑚「儂はただそこにある4つある帳の内の一つを守れという“縛り”を元にここにある帳を守護していただけなのだ。」

両面宿儺(エリザベート)「ほお?で、その帳の守護の縛りを交した者は誰なのだ?お前たちにその帳の守護の縛りを掛け、4つの帳を降ろさせた者は誰なのか?」

平漏瑚「だからそんなことなど儂は知らん!儂らはただ、儂らに掛けられた“縛り”がいつ掛けられたものか、いったい誰と縛りを交した事もいっさいわからぬのだ。」


平漏瑚「それに儂らは本来、このような人間のような姿をしてなどいない。儂を含めた4人の特級呪霊・・・・“漏瑚(儂)”と“花御”と“陀艮”、そして“真人”・・・」

平漏瑚「儂らはただ、嘘偽りのない負の感情から生まれた呪いこそ真に純粋な本物の“人間”であり、偽物は消えて然るべく行動していた。」

平漏瑚「儂ら4人はあの時、■■■の仲間の呪術師に・・・儂に至ってはお主によって祓われたはずだった。儂らの望みは、あの時あの瞬間で終わったはずだった・・・」

平漏瑚「しかしそうはならなかった。気がついたときにはあの時と同じこの渋谷の地に立っており、儂らの姿は儂らの本来の姿とはかけ離れた存在・・・」

平漏瑚「この今の儂のような“偽物”と蔑んだ人間と同じ姿となっており、そしてそんな儂ら4人にある“異変”が生じた――」


平漏瑚「花御は元から独特だった喋り方がさらに酷くなり、陀艮は儂らの事の記憶や言葉を失い、」

平漏瑚「真人に至っては、『虞美人』とかいう存在に取り憑かれたようにその存在に心髄するようになり、儂らの本来の目的を蔑ろにするようになってしまった。」

平漏瑚「そして儂らの脳内から、手分けをするようにあの4つの帳の発信源を守れという縛りの言葉が流れ込み、儂らはその縛りに従うように儂らは行動した。」

両面宿儺(エリザベート)「!。なんだと?」

どうでもいいけどハロウィンに関する内容を
年明けても未だに書いてるのってバカにしか見えんぞ

>>85
話の都合上仕方がないこと。

両面宿儺(エリザベート)「・・・そうか。つまりお前たち呪霊は、何かの原因でその本来の呪霊の姿とは違う人の姿・・・即ちサーヴァントという人間のような肉体となっており、」

両面宿儺(エリザベート)「お前たちの魂がその肉体の性質に適用出来ず、お前たちの魂がその肉体に喰われ、自分自身を維持することが出来ないと?」

平漏瑚「フッ、察しが良いではないか。そうだ、儂らの今の身体には、何か特殊な呪いが組み込まれており、真人や花御、陀艮もまた、肉体に魂を喰われ、自身の正気を失ってしまった。」

平漏瑚「儂もそうだ。儂も時が立つにつれ、儂の頭には源氏を殺すという使命感が儂の魂を喰らうかのように浸蝕していき、時期に儂も儂ではなくなってしまう・・・」

平漏瑚「だからそうなる前に宿儺・・・・今すぐ儂にトドメをさしてくれ。儂の魂がこの偽りの肉体にくわれるその前に!」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・」


両面宿儺(エリザベート)「―――はぁ‥・・・よかろう。この俺が呪霊ごときの願いを聞き入れるなど癪に障るが、お前とは前にあの世界で殺し合った仲だ。」

両面宿儺(エリザベート)「姿は違えど、あの時のお前は強かった。1000年やった中で、お前はマシな方だった。」

両面宿儺(エリザベート)「お前はお前のままでいろ。お前は確かに強かった・・・・お前もそうだっただろ?」

平漏瑚「――!?。確かにそうだったな・・・。ありがとう・・・・儂の意思が喰われる前に宿儺・・・お前とまた出会えたことを―――」


シュン、スパァァーーン!!

真っ二つにされた平漏瑚(特級呪霊・漏瑚)「―――――――」

シュパァーン、ギュゥゥゥン・・・・


両面宿儺(エリザベート)「――いったいどうなっている?この俺が知らぬ間にこの俺以外の侵入を許さぬ帳を4つも貼ってたとはなぁ・・・」

両面宿儺(エリザベート)「これら4つの帳・・・俺以外の侵入を許さず、まるでこの俺を追っているカルデアの者から、この俺を守るかのように・・・」

両面宿儺(エリザベート)「ツゥ・・・この俺の今の身体といい、あの特級呪霊といい、いったいこの渋谷で何が起こっているというのだ?」

両面宿儺(エリザベート)「だがいずれにしてもアイツらは必ず俺の所へと来る。その時こそ、俺とこの身体との縛りは終わる‥‥」

両面宿儺(エリザベート)「俺があいつを・・・・“カルデアのマスターを呪い殺す”事でな・・・。」

――――――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターたちが渋谷駅の山手線ホームに向かっている中、別の所で両面宿儺(エリザベート)が花御モレ―と徐福真人と同じ特級呪霊の1体・・・

平景清の姿をした特級呪霊:平漏瑚(たいらのじょうご)と戦闘をしており、その戦いに勝利した両面宿儺(エリザベート)は平漏瑚に4つの帳の事についてを尋問しており、

その事について何も知らないと断言していた平漏瑚は自身の身体が本来の自身の身体では無い偽りの肉体であり、その偽りの肉体のせいで自分自身の意思が肉体に乗っ取られる事を恐れ、

自分自身の意思が偽りの肉体に乗っ取られる前に両面宿儺の手によってトドメを刺される事を望み、宿儺自身はその彼女の望み通りに平漏瑚を葬るのであった。


そして宿儺自身はこの渋谷で起こっている事について疑問を抱き始めるが、宿儺自身はそれよりも先にカルデアのマスターを呪い殺し、

自身に設けられたとある“縛り”を完遂しようと意気込みをいれるのであった。

第8廻戦:両面宿儺と渋谷の異変
――――――――――――――――
???


???「魔力と呪いが徐々に溜まり始めている・・・そろそろ“コレ”も使えるようになる頃合いだな。」

???「あとは彼女をどうするかだ・・・・いずれにしてもこれらを済ませれば、あの者の“願い”は叶えられる・・・」

???「フッ、宿儺の奴め・・・俺に利用されているとも知らずにのうのうと・・・・」

???「だがいずれにしても宿儺には最後にとても大事な仕事をさせてもらう。君や、私にとっても大事な仕事をな・・・」


スタッ、スタッ、スタッ、スタッ・・・‥
―――――――――――――――――――――――
渋谷の特異点のどこか、どこかのトンネルの内にて・・・・

一つの何かを確認しつつ、一人のお坊さんの恰好をした一人の男性がその中を一人歩いていた。

そしてその男は着々と、とある人物が待つある場所へと向かっていくのであった。
―――――――――――――――――――――――
渋谷駅での戦いから数分が立ち・・・渋谷:チェイテ渋谷神社城前


播磨局「ここがチェイテ渋谷神社城か。近くで見ると随分と悪趣味な風景をしている。」

マシュ「はい。渋谷の事はカルデアのデータ資料で関連はしているのですが、このチェイテ渋谷神社城はその・・・」

マシュ「渋谷のとあるアパレルショップの造形と怪しげな神社の造形がごちゃ混ぜになってまして、例えるとすれば・・・その・・・」


【・・・・・・・・・・】
【チェイテピラミット姫路城】←

https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/caa6ce2e17adf78fbfe440662e774370a6c4eb82.62.2.9.2.png


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん・・・だがそれでもこの場所の造形としては藤丸ちゃんが言ったモノよりはマシとも言えるのだけどね。」

望月千代女「はい。しかし4つの帳を破壊し、ようやくこの場所へと辿り着いたのですが、やはりこの場所には誰1人もおりません。」

吉備真備「ああ。この渋谷全体を見るにあたり、この渋谷にはマスターや呪霊、俺たちのようなサーヴァント以外の人物がいないことから、おそらくは・・・」

吉備真備「・・・だとしても、この城のような場所に両面宿儺がいることは間違いないようだな。そうだろ?」

【とにかく行こう!】
【両面宿儺を祓わないと】←

マシュ「はい。エリザベートさんに取り憑いている両面宿儺の呪いを祓い、エリザベートさんをカルデアへと連れ戻しましょう。」


スタスタスタスタッ・・・‥
―――――――――――――――――――――
同じ頃、渋谷駅山手線ホームでの戦いから数分後、4つの帳を超え、ようやく両面宿儺(エリザベート)が居城としているチェイテ渋谷神社城へと辿り着き、

カルデアのマスターたちは改めてそのチェイテ渋谷神社城の独特な建物の造形に気が引けるほどに動揺するも、

そこに待つ両面宿儺(エリザベート)を祓い、エリザベート・バートリーを連れ戻す為に、彼女たちは城の中へと入るのであった。

チェイテ渋谷神社城・城内:1F コスメ売り場


バーヴァン・シー「ここは普通のコスメ売り場ね。店員が1人もいないのは当たり前なのだけど。」

吉備真備「だな。だとしてもチェイテ城って、あのエリザベート・バートリーが居城としていた城なんだよね?なんで彼女はそのチェイテにこだわるのだろうねぇ?」

【真備さん・・・・】
【実はそのぉ・・・・】←

吉備真備「わかってる。エリザベート・バートリーの逸話の事は僕も事前に認知はしている。彼女がそのチェイテ城でいったい何をしたのか、何があってこの城に幽閉されていたのか‥」

吉備真備「言わずとしても、チェイテ城はエリザベート・バートリーにとっての監獄であると言う事も・・・・」

播磨局「!。監獄って・・・・」

マシュたち「・・・・・・‥」

【・・・・・・・】←

吉備真備「まあ今はそんなことはナシにして!とりあえずみんなで両面宿儺の所へ行こう!ね?」

【う、うん・・・・】
【なんか間が悪いと言うか・・・】←

吉備真備「――――(メンゴ!)」


シオン(通信)「――では改めまして、皆さま方は今いる場所から前に進みまして、そこに階段がありますよね?」

シオン(通信)「皆さま方にはその階段を降りて、地下へと向かってください。」

【地下?】
【上へ上がるんじゃなくて?】←

シオン(通信)「はい。こちらの方でチェイテ渋谷神社城の内部をスキャンし、両面宿儺の現在地や聖杯のある場所を探査したのですが・・・」

シオン(通信)「スキャンした結果、このチェイテ渋谷神社城には大層な広間のような場所はなく、ある意味このチェイテ渋谷神社城というのは・・・」

シオン(通信)「外部の風景は異質なのですが、内部は普通にただの渋谷のファッションショップの構造であり、私が思う結論からして・・・」

シオン(通信)「このチェイテ渋谷神社城というのは、ただ外部の見た目を派手に彩っただけの、言わば“ハリボテ”ですね。」

マシュたち「――――!?」


【――ズゴッ!?】
【ハリボテかよ!?】←

シオン(通信)「ですがこのチェイテ渋谷神社城の下・・・つまり城の地下には何かしらの異様な空間が形成されていましてね。」

シオン(通信)「その地下空間だけはこちらのスキャンを受け付けず、その地下空間から聖杯の反応をキャッチしまして、おそらくは・・・」

【つまりそこに聖杯があるって事?】
【それと両面宿儺もそこに・・・】←

シオン(通信)「おそらくは・・・ですので皆さんはそこから地下へと向かってください。おそらくそこには例の両面宿儺もそこにいるかと・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。前にも言ったように両面宿儺はエリザベート・バートリーに寄生しての現界といってもいい、最悪の場合、エリザベートの事は・・・」


【わかってる。】
【必ずエリちゃんを取り戻すから】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「――――(頷く)」
――――――――――――――――――――――――――――
無事にチェイテ渋谷神社城の内部へと侵入したカルデアのマスター。

しかしそこで知った事はチェイテ渋谷神社城とはただ外部の風景が風変わりなだけで、内部はごく普通の女子モノファッションショップというハリボテじみた建物だという事実であった。

しかしその中でその城の地下には異様な地下空間が形成されており、その地下空間から聖杯の反応があったとシオンの口から明かされており、

カルデアのマスターたちはそのまま城の階段を降りていき、チェイテ渋谷神社城の地下空間へと足を踏み入れるのであった
――――――――――――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城 地下:東京メトロ 副都心線ホーム内

https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/9/7/971a851d.jpg


タッタッタッタッタッタッ・・・・・・


【ここって・・・】
【地下鉄のホーム?】←

吉備真備「(この場所・・・・俺たちは確かあの渋谷109の地下に足を踏み入れたはずなのだが・・・この場所の風景や内部の造形・・・)」

吉備真備「(明らかにここは渋谷ヒカリエの地下にある地下鉄のホーム・・・どうしてこの場所がチェイテ渋谷神社城の地下に?)」

吉備真備「(それにこの感じ・・・どこかで見覚えがあるような・・・・)」


???「ようやく来たか。待ちくたびれたぞ、カルデアのマスターよ。」

吉備真備「!?」

【その声はまさか・・・!】←

タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・


両面宿儺(エリザベート)「わざわざこの場所まで来るとは、わざわざ俺に殺されに自ら来たというのか?」

両面宿儺(エリザベート)「それともあれか、俺に殺される覚悟があるからわざわざ向こうから来たというのか、カルデアのマスター?」

【両面宿儺・・・・】←


ゴルドルフ(通信)「ヌヌヌ・・・あやつが藤丸の言ってた両面宿儺という奴か、見たところやはりその姿はあの鮮血魔嬢(エリザベート)の姿と同じにしか見えん。」

カドック(通信)「そのエリザベートの霊基に両面宿儺が混ざっているから今の両面宿儺がいるんだろ!いま目の前に!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん。信じられない事だがこれは事実だ。今の彼女の身体には両面宿儺の霊基が取り憑いている。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかもこの霊基、今までの別霊基のエリザベートよりも強力で繋がりもかなり強度だ。こんなの、とてもじゃない程なのだが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「ほお‥俺を分析するか。画面越しではあるがよほどの観察力の優れた者と見て間違いはないようだな?」

両面宿儺(エリザベート)「だが‥俺を分析したところで俺は倒せぬ。お前たち如きが俺の呪いに勝てるとでも・・・?」


【エリちゃんの身体を返して!】←

両面宿儺(エリザベート)「返せだと?お前、何度も言っても俺の話を理解しないというのか?」

両面宿儺(エリザベート)「今の俺こそ、お前たちが探しているという英霊・エリザベート・バートリーであり、この呪いに満ちあふれた渋谷を支配する呪いの王・・・」

両面宿儺(エリザベート)「故に今の俺は呪いの王“両面宿儺”であり、“エリザベート・バートリー”でもあるのだからなぁ~‥。」


吉備真備「その“エリザベート・バートリー”という霊基もまた、あんたが何らかの形で乗っ取ったんだろ?その身体の持ち主の意思とは関係なく‥」

吉備真備「エリザベート本人の身体を乗っ取り、あわや自分自身の事をエリザベート・バートリーであると語るあんたが一番かっこ悪いと思うんだよねぇ~‥。」

両面宿儺(エリザベート)「!?。貴様、見たところ貴様もまた、何らかの形でサーヴァントとして現界していると見て間違いはないようだな。」

両面宿儺(エリザベート)「いわゆる疑似サーヴァントって奴か?にしては貴様の姿、何かと見覚えのある顔のようなのだがなぁ~?」

吉備真備「そうかな?僕に至って、あんたとは会ったばかりの初対面であり、見覚えのある顔っと言ってもそれはあり得ないと思うけどなぁ~‥」

吉備真備「僕はただ、この姿で召喚されただけのキャスタークラスの吉備真備だ。アンタのいう疑似サーヴァントなんかじゃないよ~だ!」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・(チッ、このふざけた呪術師風情が!いったい何の口を言っているんだ?)」


吉備真備「・・・・・・‥」

【凄い緊迫感だ・・・】←
【(ちょっとまではふざけた感じはしてたけど‥)】

ピピィィ~!


ムニエル(通信)「聖杯の反応をキャッチした。ここからすぐ近くに・・・‥って、ちょっとまさかこれって~!?」

両面宿儺(エリザベート)「聖杯?あぁ~そうか、お前たちは俺のことを探している他にこれらも探していたというのか。」


シュルッ、キラァァ~ン☆


【あれは聖杯の雫!?】←
【どうして貴方がそれを・・・】

両面宿儺(エリザベート)「ああこれか?こいつは俺がこの渋谷に現界した直後に拾ったものだ。何に使うモノなのかサッパリだったが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「お前たちが近くに来たことで、この雫とやらの反応が強まっていくことを感じた。お前たちも少しは感じているのだろ?」

マシュたち「!?」


キラァァ~ン☆

【コレって・・・】
【聖杯の雫が共鳴している・・・】←

吉備真備「そういう事だったのか・・・この聖杯の雫はあの4つの帳を降ろす発生源だけではなく、何らかの形で5つに分かれた聖杯の破片でもあったのか!」

シオン(通信)「はい。最初にこの聖杯の雫を見た時、私も吉備真備と同じ事を考えていたさ。この今の状況も踏まえて・・・」

シオン(通信)「(だとしても、聖杯の雫が両面宿儺と4体の特級呪霊のサーヴァントの手に渡っていた事になるのは確かの事なのですが・・・)」

シオン(通信)「(残る大きな問題として、一体、誰が聖杯を使って、この渋谷の特異点をつくったということを・・・)」

シオン(通信)「(そして特級呪霊サーヴァントとの戦いの際に起こる領域展開時の聖杯戦線。これはもしかすると・・・・)」


両面宿儺(エリザベート)「さて、余興は終わりだカルデアの者よ。お前たちはここでこの俺の手で全て呪い殺されるであろう。」

両面宿儺(エリザベート)「逃げるのなら今の内に逃げたまえ。今なら逃げるお前たちの背を攻撃する事はせず、そのまま見逃してやろう。」

両面宿儺(エリザベート)「と言っても、お前たちは逃げずとも俺に挑む理由やその覚悟があってこそ、お前たちはここにいるんだろ?」

【そうだよ】←

【あなたの持つ聖杯の雫を回収し、エリザベート・バートリーを取り返すまでは・・・】←

【私は逃げたりしない!】←


両面宿儺(エリザベート)「フッ、よく言った。良いだろう、お前のその覚悟に対し、お前たちに相応しい場を設けてやろう。」

両面宿儺(エリザベート)「そして瞬きせず見ておくがよい。本物の呪術というモノとその真髄を――――」


スッ、ピトッ・・・

吉備真備、播磨局「――――!?」

【あの構え・・・まさか!?】←

両面宿儺(エリザベート)「ほお‥構えだけで俺が領域を展開する事を察したか。だがあまりにも遅すぎる。」

両面宿儺(エリザベート)「というよりは、一度だけ俺の領域内での攻撃を見ていたから察しがついたのか?お前の目の前で誰かが斬り倒された時のように・・・」

【!?】←

―――――――――――――――――――――――
回想シーン:両面宿儺(エリザベート)との最初の戦いにて・・・


ガシュンッ!バリバリッ!

プトレマイオス(老)「ガッ――――」


バリバリバリィィ~~ガシャァァ~~ン!!

プトレマイオス(老)「パァァァ~~~~~!?」


バシュゥゥ!パカァァン!!
―――――――――――――――――――――――
【ツゥゥ・・・・】←


両面宿儺(エリザベート)「思い出したか?お前の目の前で何もわからず切り裂かれた‥プトレマイオスと言うジジイの死に様を!」

両面宿儺(エリザベート)「そうとも、これこそお前の目の前でプトレマイオスという奴を切り裂いた、俺の持つ最大の呪いの力だ。」



両面宿儺(エリザベート)「領域展開・・・」


キィィン、ゴォォォォ~~!ギュォォォォ~~~~~~!!



カルデアのマスターたちの目の前に現れた一つのオブジェ(イメージ)
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/0/6/060c8682.jpg


両面宿儺(エリザベート)「『伏魔御廚子』」

――――――――――――――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城の地下奥深くに到達したカルデアのマスターたちの前に、彼女たちを待ちかねたかのようにその姿を現した両面宿儺(エリザベート)

彼女の手には4つの帳の発生の源である聖杯の雫が握られており、カルデアのマスターはそれらに対し、

聖杯の雫を手に入れる事と、エリザベート・バートリーをカルデアへ連れ戻す事への意気込みを宿儺に見せ、彼女と戦う意思と覚悟を見せた。


そんなカルデアのマスターの覚悟を見た両面宿儺(エリザベート)はそれに対し、カルデアのマスターに相応しい場を設ける一環とするかのように、

両面宿儺(エリザベート)は自身の領域展開である『伏魔御廚子』を発動し、地下鉄ホーム内の中央に様々な生物の頭骨に象られた寺のお堂が出現するのであった。

ハロウィン聖杯戦線5:伏魔御廚子
――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城・地下:東京メトロ 副都心線ホーム内(現在、両面宿儺(エリザベート)の呪術領域『伏魔御廚子』発動中)


マシュ「これが、あの両面宿儺の領域展開・・・ですがこの場所は・・・・」

【風景が変わっていない・・・】
【地下鉄のホームのままだ】←

両面宿儺(エリザベート)「そうだ。俺の領域展開はそんじゃそこらの呪霊の生得領域とは訳が違う。」

両面宿儺(エリザベート)「『伏魔御廚子』は誰も閉じ込めない。閉じ込めない事で出入りが自由であり、領域内から逃げ出すことも可能だ。」

両面宿儺(エリザベート)「しかし逃げたところで俺の攻撃からは逃げる事など出来やしない。領域内での俺の攻撃は必中かつ無限に攻撃が放たれるからな。」

【!?】
【それって何をしても逃げられないってことなの‥?】←

両面宿儺(エリザベート)「そうだ、無限に俺の攻撃が必ず当たるように襲いかかる。より早く、より鋭く、より残虐的に・・・」

両面宿儺(エリザベート)「故に俺の領域内には他の呪霊サーヴァントなど存在しない。お前たちの相手など、この俺1人で充分だからな。」


両面宿儺(エリザベート)「(と言っても、それこそ本来の領域展開時の戦い方であり、領域内では基本、兵隊を招いて戦争をするモノではない。)」

両面宿儺(エリザベート)「(全く、いったい誰が何を考えてなのか‥呪霊を含めた他者の術式の領域展開に手を加え、その中で軍隊戦をやる方式を確立させたというのか・・・)」

両面宿儺(エリザベート)「(まあそんなことなど、俺の領域も含めて関係のないことなのだからな。)」

キィィン、キィィン・・・・


両面宿儺(エリザベート)「話を続けよう。この領域内で放たれる無限の攻撃は二つ・・・魔力のないモノには解(カイ)という普通の斬撃を、サーヴァントの様な魔力のある者たちには、捌(ハチ)という特殊な斬撃を‥」

両面宿儺(エリザベート)「これらの2つの斬撃をお前たちが進む陣地のどこかに用意し、止まった時点でその場所に斬撃を加える。それも必ずだ。」

両面宿儺(エリザベート)「カルデアのマスターはせいぜい解(カイ)の斬撃に耐えられるように防御をする事だ。間違ってお前が捌(ハチ)を受ければ、それこそ一撃で終わりだからなぁ?」

【何故そんなことを私に教えるの?】←

両面宿儺(エリザベート)「何故だと?お前が俺の呪術で傷ついていく様を少しでも長く見物する為だ。そうでもしないとお前はすぐ死ぬからな?」

両面宿儺(エリザベート)「それともう一つ、俺の領域展開を止めたいのであればこの中央のお堂を壊して見るがよい。そこが俺の術式の無限攻撃の要だからなぁ。」


両面宿儺(エリザベート)「ではカルデアのマスターよ、サーヴァントの配置と編成が終わるまで待ってやろう。無意味なことだが、お前のベストなコンディションの戦法の上で、この俺がお前を呪い殺してやろう。」

両面宿儺(エリザベート)「せいぜい仲間のサーヴァントによる領域の綱引きをするか、自力で俺の領域を止めるか、お前たちの中で考えていくんだな?」


ゴルドルフ(通信)「な・・・なんだねあやつは!?あやつめ、我々を確実に殺められるからってあやつ自身の手口を明かすとは、我々をコケにしているのか!?」

シオン(通信)「敵を目の前にしておいて自らの攻撃手段を明かし、しかもこちらに有意義な策を与えるなど、いったいあの両面宿儺は何を・・・」

バーヴァン・シー「ふん。そんなのどうでもいいわ。わざわざこっちの有利な戦い方を教えてくれるなんて、あいつバカじゃないのかしらwww」

【いやそんなはずはないと思う・・・】
【『罠』という可能性もある】←


吉備真備「(宿儺自身の攻撃手段と領域内の攻略の開示・・・あの両面宿儺が術式の開示する“縛り”で呪力の底上げをするとは、確かに俺も同化と‥)」

吉備真備「(それと宿儺はこちらが領域の綱引きをするのかの選択も進言していた事もあり、なぜこちらが領域の綱引きを・・・‥まさか‥!?)」

播磨局「フッ、手の内を明かした他に私と領域の綱引きをしたいというか。良いぜ、その誘い、乗ってやろうじゃないか!」

播磨局「マスター。私がこのまま領域展開をして、あの宿儺の攻撃の必中を止めてやる。マスターは精々あの中央にあるふざけた感じお堂を壊してやれ! 」

【わかった!】←


吉備真備「播磨局。ちょっと君の耳をすぐに貸してくれない?すぐに終わる話なんだけどさぁ~~。」

播磨局「はぁ?私の耳を貸せって・・・って、イタタタタッ!おい、勝手に私の耳を引っ張るんじゃ―――」

吉備真備「ゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・・・・」

播磨局「・・・・・・えっ・・・!?」

――――――――――――――――――――――――
数分後、カルデアのマスターたちの聖杯戦線の戦闘編成を終えて・・・


両面宿儺(エリザベート)「準備が出来たようだな?さぁ来るがいい、お前たちにこの俺を祓う事など出来るか、カルデアのマスター!」

【望むところよ!】
【みんな、行くよ!】←

マシュたち「―――――(頷く)」


吉備真備「(俺の勘が間違ってれば、それこそ藤丸たちは宿儺の術式によって切り刻まれ、こちらの敗北が決定する。)」

吉備真備「(しかしもし俺の勘が間違っていなければ、もしかしてだとすると・・・・)」


聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――
ハロウィン聖杯戦線5:伏魔御廚子


勝利条件:両面宿儺(エリザベート)の撃破と伏魔御廚子の破壊

敗北条件:マスターのライフがゼロとなる、及び味方サーヴァントの全滅


領域内効果:特定の陣地に止まると陣地にある色付きの斬撃マークに合せた攻撃により、サーヴァントとマスターのライフに大ダメージを受ける。

青い斬撃のマーク(解(カイ)):味方サーヴァントに30%のダメージ(マスターの場合はライフが一つ減る)

赤い斬撃のマーク(捌(ハチ)):味方サーヴァントに50%のダメージ(マスターの場合はライフが全て減り、ゲームオーバー)



登場エネミー

両面宿儺(エリザベート宿儺):クラス・バーサーカーx1

伏魔御廚子:クラス・バーサーカーx1

第9廻戦:渋谷ハロウィン 閉幕

第9廻戦:渋谷獄門疆 開門
―――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城・地下:東京メトロ 副都心線ホーム内(現在、両面宿儺(エリザベート)の呪術領域『伏魔御廚子』発動中)


シュシュシュシュシュシュンッ!!

望月千代女「――――――!!」シュンシュンシュンッ!


ジャクンジャクンッ!

バーヴァン・シー「ハッ、よっと!」シュッ、シュンッ!


【(攻撃が避けきれる・・・)】←
【(もしかしてこれ、行けるかも!)】

両面宿儺(エリザベート)「ツゥゥ・・・なかなかやるではないか。契約したサーヴァントとの連携、マスターの指示、サーヴァント特有の能力。これら全てをうまく活かしている。」

両面宿儺(エリザベート)「加えてこちらの領域内の必中を無くす為の領域の綱引き。こちらとしては見事というべきか?」

両面宿儺(エリザベート)「なにせお前たち側の呪力の消費を感じ慣れないほどに、領域の綱引きを成立させて・・・」

吉備真備「そうか?それ、本当に僕らの誰かがお前と領域の綱引きをしているんじゃないかと本気で思っているのか?それとしては宿儺、お前らしくない事を言ってるじゃないかのか?」

両面宿儺(エリザベート)「なに?貴様、この俺に向かって何を――――」



ギュォォ~ン、ドスゥゥ~~ン!

鬼の仲麻呂「グォォォォ~~!!」

両面宿儺(エリザベート)「!?。チィィ、ハ――――」

吉備真備「今だ、突っ込め!」

播磨局「ハァァァ~~~!!」

バーヴァン・シー「ハァァッ!!」

両面宿儺(エリザベート)「―――――!?」


シュッ、グサッ!バババババッ、バシュバシュッ!

両面宿儺(エリザベート)「―――ガハッ!?」


鬼の仲麻呂「オォォォォォォ~~~~!」

吉備真備「『入唐絵巻・鬼来隠光(にゅうとうえまき・きらいいんこう)』!」


ゴロゴロゴロォォ~~、バリバリバリィィィ~~!!ドゴォォォ~~ン!

ビキビキッ、バリィィィ~~ン!シュゥゥ~~ン・・・


【領域が解除された!】
【真備さん!】←

吉備真備「おう!」


両面宿儺(エリザベート)「バ、バカな!?おいそこの女、お前はさっきまで俺との領域の綱引きをしていたはず・・・なぜお前がすぐに・・・」

両面宿儺(エリザベート)「領域の綱引きをやめれば、すぐにでも俺の術式の必中によって、お前たちは瞬く間に俺の術式で粉みじんに・・・」

吉備真備「・・・そうはならない。いや、むしろ初めから今の宿儺では俺たちを領域展開で切り刻むことなど出来ないと言った方が正しいかな?」

両面宿儺(エリザベート)「・・・なに?」

【真備さん?】
【それってどういう事なの?】←


吉備真備「マスター。戦いが始まる前、宿儺が君たちに自身の領域内での術式効果とその攻撃手段を明かしたのは知ってるよね?」

吉備真備「あれはその自身の攻撃手段をあえて公開する事で、その者の攻撃手段の効果と能力を底上げをする事が出来て、そのような能力の底上げの手段を僕たちは“縛り”と呼んでいる。」

吉備真備「何らかのリスクと制限を掛ける代わりに、それと引き替えに術式の底上げと能力の増加などのメリットを得ることができる。ある程度に強い呪術師のテクニックってヤツだ。」

吉備真備「まあ、その縛りを破ればそのメリットを失う事は絶対であり、最悪、何らかのペナルティが発生する事は確実なんだけどね。」


【縛りって・・・】
【その為に私たちにあのような事を・・・】←

吉備真備「宿儺。僕の知る限り、あんたは領域展開した後に自身の術式を開示して自身の能力を上げるようなやつじゃねえはずだ。」

吉備真備「領域展開をすれば、あんたもさっき言ったようにあんたの術式は必ず当たるようになり、術式の弱強関係なく開示する必要など無いに等しいはず。」

吉備真備「にもかかわらずあんたは領域の展開後に術式の開示をし、命中率を含めた自身の能力を試みた事から、僕はあんたに対して疑問を抱いた。」

吉備真備「故に僕はマスター達の戦闘編成の際、僕は秘密裏に播磨局に宿儺との領域の綱引きをする“フリ”をさせ、あわや宿儺と領域の綱引きをしているように、」

吉備真備「僕の術で播磨局と宿儺とで領域の綱引きをしているかのように感じ取るように細工をし、僕と播磨は宿儺の様子を伺い、そしてその中で一つの確信を得た。」


吉備真備「両面宿儺。あんたは領域展開したにも関わらずわざわざ術式の開示をし、あえてこちらの領域との綱引きに持ち込もうとさせた。」

吉備真備「その理由があるとすれば・・・宿儺、あんたは領域展開をしたにも関わらず、その術式に必中効果を得られないって事を知っていたって事じゃないのか?」

両面宿儺(エリザベート)「――!?」

【必中効果を得られないって――】
【それっていったいどういう事!?】←

吉備真備「僕も正直、領域展開でこのような事が起こるのはあり得ないと思っていた。実際にこのような事態を目の辺りにするまではね?」

吉備真備「宿儺の術式に不具合があるのか、はたまた領域展開自体が必中効果を得られないほどに弱体化しているのか?」

【いや、今はそれよりも・・・・】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。播磨局の本体への直接攻撃、吉備真備の宝具による『伏魔御廚子』の破壊によって、宿儺の霊基に深刻なダメージを与えられたはず・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「このまま宿儺を祓いたいところだが、今の宿儺にはエリザベート・バートリーが取り憑いている事もある。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「彼女をカルデアに連れて帰る為にも、宿儺をこのまま生け捕りにし、何としてでも宿儺とエリザベートを引き剥がすんだ。」

【わかった!】←


両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・・」

タッタッタッタッタッ・・・・


【両面宿儺!】
【エリちゃんの身体、返して貰うよ!】←

望月千代女「はい。このような形とはいえ、この戦い、我々が勝利した以上、今のあなたにもう後はありません。」

望月千代女「我々はあなたの持つ聖杯の雫とあなたに憑依しているエリザベート殿の身体を取り返し、あなたを排除します。」

バーヴァン・シー「そうよ。大人しくエリザベートの身体を返せばあまり痛いようにしないで祓ってあげるから、マスターの話は聞いた方がいいわ?」

バーヴァン・シー「いやそれとも、前にマスターを真っ二つに斬ったように、貴方の身体を真っ二つにして中から取り出さないといけないのかしらねぇ~?」

マシュ「バーヴァン・シーさん、それでは宿儺と一緒にエリザベートさんの身体も真っ二つになってしまい、エリザベートさんを救う事など・・・」


両面宿儺(エリザベート)「・・・クッ、クククククク!クッハハハハハハハハハーーーー!!」

【!?】
【何かがおかしいというの!】←

両面宿儺(エリザベート)「ハハハハハ!全くだ、呪術専門のサーヴァントを仕えていながら、お前たちは呪術の何たるかを全然わかっていないようだな?」

両面宿儺(エリザベート)「身体を返せだと?この今の俺を構築しているこの器の身体など、とっくの昔に返せるものなら返してやるものだ。」

両面宿儺(エリザベート)「正直に俺は、このような女の身体を器にするつもりなどなかった。ましてやこのエリザベート・バートリーとかいう女の身体にはな。」


両面宿儺(エリザベート)「お前の言う通りだ吉備真備と名乗る呪術士よ。お前の言うように、この女(エリザベート・バートリー)の身体を器としたことで俺の術式に異変が起きた。」

両面宿儺(エリザベート)「まあ異変というよりか、自身の術式がこの器とした身体の体質によって変質したというべきか。術式の発動については問題はないのだが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「領域展開・・・・つまり俺の“術式領域”の展開する行為は、お前たちサーヴァントで言う“宝具”の発動と同じような形となっており、」

両面宿儺(エリザベート)「どうもその宝具の発動条件である呼称が俺の本来呼称とする名ではないらしく、俺が領域展開をしたとしても、」

両面宿儺(エリザベート)「正しくその名を呼ばぬ限り、その宝具が拗ねてしまい、領域展開特有である必中効果を得られず、術式もまた、思うように発動が出来ぬようになっているのだ・・・・」


マシュたち「―――――(ドン引き)」

吉備真備「ハァ~~!?何だそれ?」

【術式って、拗ねることがあるの!?】
【(なんかいかにエリちゃんらしいというか・・・)】←

播磨局「ああそうかい。前にマスターとプトレマイオスというファラオが、アンタの領域で一瞬のうちに切り裂かれたとは聞いていたが・・・・」

播磨局「それさえもアンタにとっては不十分な術式だったという訳とはなぁ?アンタのジョークにしてはお笑いだぜwww」

両面宿儺(エリザベート)「チィィッ!、んなのあのジジイの結界術が弱かっただけだ!お前たちに笑われるに超したことなどない!」

両面宿儺(エリザベート)「まあ、お前たちがそう笑っていられるのも今の内だ。お前たちにこの女の身体から俺を引き剥がすことなど出来ぬ・・・」

両面宿儺(エリザベート)「・・・俺とこの身体の持ち主であるエリザベートとの“縛り”がこの身体を構築しているようにな?」

【!?】
【それってどういう事!?】←


両面宿儺(エリザベート)「吉備真備から聞いているだろ、何らかのリスクと制限を掛けるなどの“縛り”を持つ事で能力の底上げが出来ると‥」

両面宿儺(エリザベート)「俺はこの渋谷にサーヴァントとやらとして召喚された際、この女(エリザベート)の身体を触媒にしていたらしく、」

両面宿儺(エリザベート)「俺の意識が目覚めた時には俺の本来の姿ではない、この今の身体(エリザベート)の姿となっている事に気がついた。」

両面宿儺(エリザベート)「そしてこの俺の頭の中から、この身体の元の持ち主・・・つまりお前たちが言うエリザベート・バートリーとかいう女はこう俺に告げたのだ。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:両面宿儺(エリザベート)が召喚された直後‥


エリザベート・バートリーの声「貴方を召喚させる為に私の身体を使ったなんて良い度胸ね?私の身体を使ったからには相当のバチが当たるわ。」

エリザベート・バートリーの声「貴方のせいで私の霊基は毒され、今にも貴方を巻き添えに消滅する一歩手前の状態よ。」

両面宿儺(エリザベート)「何・・・?」

エリザベート・バートリーの声「消えたくなければ私と“縛り”を結びなさい。縛りといっても、ただ私の頼み事を聞き入れればそれで十分よ。」

エリザベート・バートリーの声「貴方もここで消えたくなければその“縛り”を受け入れなさい。それが貴方の為よ?」

両面宿儺(エリザベート)「ツゥゥゥ・・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――――

【!?】
【その頼みが・・・“私を呪い殺して欲しい”って事なの?】←


両面宿儺(エリザベート)「そうだ。あの女はお前が呪い殺される事を望んでいる・・・この呪いの王たる俺を脅してでもだ。」

両面宿儺(エリザベート)「それが俺とエリザベートを結ぶ“縛り”であり、藤丸立香・・・お前が招いた事なのだからなぁ~?」

マシュ「そんな・・・つまりエリザベートさんは本当にマスターの事を呪い殺そうとしているのですか!?」

両面宿儺(エリザベート)「事実だ。あの女と俺とは、術式も何もかも相性は最悪であり、肉体の主導権は縛りを除いてあの女に握られている。」

両面宿儺(エリザベート)「俺があの女の思い通りになっているのは不快だが、俺もただ消滅するのはもっと不快だ。故にあの“縛り”を受け入れざるおえなかった・・・」


両面宿儺(エリザベート)「だが、この縛りを終わらせる事が出来た時・・・つまりそこにいるカルデアのマスターを呪い殺す事が出来れば、俺は自由となる。」

両面宿儺(エリザベート)「あの時は不完全の召喚ゆえにあの女を依代にサーヴァントとなったが、この縛りが終わればそうはいかない。」

両面宿儺(エリザベート)「俺はこの女の身体を食い破り、俺は完全なるサーヴァントとしてこの渋谷に現界する事が出来る。俺の術式も完全な状態に戻るのだ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「なんだって!?それじゃあ、マスターが呪い殺されれば宿儺は完全に召喚されてしまい、逆にマスターが呪い殺されなかったとしても・・・」

両面宿儺(エリザベート)「ああ。今はあの女との縛りの影響で霊基を保っている状態ではあるが、それはあくまで能力の底上げによる応急処置でしかない。」

両面宿儺(エリザベート)「いずれにしても俺とこの女の霊基は俺の不完全な召喚による呪いによって朽ち果て、俺も含めてこの女もまた、この身体と共に消滅する。」

両面宿儺(エリザベート)「いや‥仮にこの女を救えたとしても、それをすれば俺とこの女との縛りを破ることになり、俺たちはそれ相応のペナルティーを受ける。あの呪術師も言ってただろ?」


ゴルドルフ(通信)「おいおいおい‥そんなあくどい冗談も大概にしたまえ!なんだね、このあまりにも度が過ぎる理不尽は!?」

ゴルドルフ(通信)「藤丸氏が呪死すれば宿儺が完全体となり、それを阻止すれば宿儺諸共鮮血魔嬢が消滅するなんて・・・・」

両面宿儺(エリザベート)「冗談ではないぞ画面越しの豚よ。このような縛りを結んだ時点でお前たちの望みなど叶わぬ。この女の身体を取り返す事も、この女に謝罪することも・・・」


バスッ、グググゥゥゥ~~~!
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/6/5/65dddae9.jpg


両面宿儺(エリザベート)「お前のせいだ藤丸立香!お前とあの女との事情についてはこの身体から記録を得ている。」

両面宿儺(エリザベート)「お前はあの日・・・あの女の“ハロウィン”を裏切り、よりにもプトレマイオスと名乗るジジイと共に“聖杯戦線”に向かったと聞くじゃないか。」

両面宿儺(エリザベート)「お前があの女を裏切ったことであの女はお前を呪った。その女の呪いがこの俺をこの世界に呼び出した。」

両面宿儺(エリザベート)「この俺という呪いの呼び出し、この渋谷の特異点を生み出した元凶があるとすれば、それはお前だ藤丸立香!」

両面宿儺(エリザベート)「だからお前を呪い殺す。お前こそ、俺にとっての祓うべき‥“呪い”なのだからなぁ~~!クハハハハハハハハハーー!!」


【わたしのせいで・・・‥エリちゃんが・・・・】←
【・・・・・・・・・‥】

両面宿儺(エリザベート)とカルデアのマスターたちとの聖杯戦線。宿儺の領域展開である『伏魔御廚子』中での戦いの中でカルデアのマスターたちは奮闘し、

吉備真備の機転によって、両面宿儺(エリザベート)に大幅なダメージと共に宿儺の『伏魔御廚子』を破壊することで戦いに終止符をあげた。


しかしその先に待っていたのはあまりにどうしようもないほどの残酷な真実であった。

両面宿儺(エリザベート)の存在は何らかの形で不完全な召喚され、宿儺とエリザベート・バートリーとの間に交した“縛り”によって彼女は疑似サーヴァントとして成り立っており、

いずれ両面宿儺の不完全な召喚によって消滅する霊基を宿儺とエリザベートとの“縛り”によって現界を保っている状態である両面宿儺(エリザベート)は、

縛りが終われば両面宿儺は完全なサーヴァントとして召喚され、縛りが破られればそれ相当の罰(ペナルティー)を宿儺とエリザベートの2人は受ける事となるという理不尽な状況であり、

その縛りを結んだ元凶はカルデアのマスターである藤丸立香のせいだと両面宿儺(エリザベート)は語り、カルデアのマスターはその事実に失意のどん底に突きつけられるのであった。
―――――――――――――――――――――――――
通信越しのダ・ヴィンチちゃんたち「・・・・・・・・・‥」

マシュ「マスター・・・‥」

バーヴァン・シーたち「・・・・・・・・・‥」


吉備真備「おい宿儺・・・お前、藤丸立香を呪い殺せなかったからって口が達者になって藤丸に呪ってるんじゃねぇぞ・・・。」

吉備真備「ほんと、自身が本調子じゃないからってこんな小細工まで用意するとは、やはりアンタらしくないというか・・・」

吉備真備「むしろ自身がワケありであり、その原因がカルデアにあるから自身は悪くないんだとか、そんなことでその場を凌げるのかと思っているのか?」

両面宿儺(エリザベート)「ほぉ?カルデアのこいつ等を止められたとしても、お前は容赦なく俺からあの女の身体を引き剥がすつもりなのか?」

両面宿儺(エリザベート)「そんなことをすれば、この女と俺との縛りを破った罰を受ける・・・そうなったらカルデアのマスターは黙ってられはいられないぞ?」

吉備真備「ふん、どう言われようと構わないさ。この僕がそんな脅しで引くような奴ではないのはお前もちょっとは感じているんだろ?」

吉備真備「縛りを破った際の罰(ペナルティー)だと?そんなの最強の陰陽師である吉備真備の陰陽術で罰(ペナルティー)なんかちょちょいと神回避で―――」



ピンポンパンポーーン♪


吉備真備「――んっ?」

両面宿儺(エリザベート)「んっ?」


駅内アナウンス『まもなく○番線に電車が8両編成で参ります。黄色い線のブロックの内側でお待ちください。』

播磨局「!」


【電車が来る・・・】

ガダンゴトン、ガタンゴトン、キィィ~~~!!


マシュ「マスター、本当に電車が来ました。ですがどうして・・・・」

バーヴァン・シー「ふん、そんなのどうでも良いわ。ほんと、こんなタイミングの悪い時に電車が来るなんて・・・・!?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ・・・確かにタイミングは最悪と言ってもいいさ。だってその電車には・・・‥」


電車の中にいる呪霊サーヴァントたち「―――――――――――」ギュゥゥ~~ギュゥゥ~~!!


【―――!?】
【呪霊サーヴァント!?】←

吉備真備「!?」

両面宿儺(エリザベート)「!?。なに・・・・」


ピポーンピポーンピポーン!ギィィィーーー!

呪霊サーヴァントたち「――――――――!!」



ズドドドドドォォォォ~~~!!


播磨局「マズい!?電車に乗ってた呪霊サーヴァントが一斉に出てきやがった!!」

播磨局「おい宿儺、これもお前の仕業か!あんたが私たちに追い詰められた時に大勢の呪霊サーヴァントを呼び出す策を取っていたのか!」

両面宿儺(エリザベート)「知るか!俺はこのゴミ屑の呪霊共の事など知らん!俺は呪霊共なんかに頼るようなモノじゃ・・・・」

呪霊サーヴァントたち「―――――!!」

両面宿儺(エリザベート)「!?」


ズドドドォォォ~~~!!

両面宿儺(エリザベート)「チィィ、ハァァッ!」

吉備真備「フンッ!」


シュンシュンッ、スパーン!ジャクジャクン!

両面宿儺(エリザベート)「(チィッ、領域展開を使ったことで俺の術式が焼き切れてる。これでは更に俺の思うように戦えぬではないか!)」

両面宿儺(エリザベート)「(いったいこいつ等はどこの特級呪霊の回し者か?俺の弱体化を狙ってこんな雑魚共を引き連れてきたというのだ!)」

吉備真備「(宿儺の表情に焦りが見えている。おそらく領域展開を破られたことで宿儺の術式が焼き切れているに違いないな。)」

吉備真備「(おそらく宿儺との戦いで疲弊した俺たちに追い打ちをし、用済みとなった宿儺もまとめて処分する・・・つまりこの呪霊サーヴァント達は黒幕の差し金。)」

吉備真備「(だとしてもこのままでは藤丸たちが危ない!ここは俺が殿をしてでも彼女たちを――――)」

吉備真備「―――――!?」



キラァァーーン☆

【あれは・・・‥】
【聖杯の・・・雫・・・?】←


???「――獄門疆、開門。」


キィィーーン!シュッ、シュシュシュシュン!

吉備真備「!?」

両面宿儺(エリザベート)「!?」

播磨局たち「!?」

マシュ「!。聖杯の雫が一カ所に集まって・・・・」


シュシュシュシュン!キィィィーーーーン、パァァァ~~ン!

――――――――――――――――――――――――――――――――
近くにあったモノを含む、7つの聖杯の雫が合わさって現れたモノ


【えっ・・・‥?】←

マシュ「聖杯・・・・じゃない・・・」


グジュグジュッ、バカンッ!
https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiaFN751JQaSYXOlkJbTxPyrFu9mLQH6uyW6oNslacbukG1GgNUr4utdq5KrvcUrBuBAADPSl63QYKzN50_kYKX3lWdwhgo9SU0ZYdDHkrVVTpubb4IPlITBttytcm2nUbuTJlKfDJSXO9cYmh5UM-MBL9AbbxK9taHIXUa7-5etXKI_Cv1B3QtX2RxZxTg/s700/Hello%20Anime%20!%20%20(149).jpg


【!?】←

吉備真備「!?」

シュンッ、スタッ!


吉備真備「あの目を見るんじゃない!マスター、今すぐ全速力で――――」

???「そんなに慌ててどうしたんだい、吉備真備?」

吉備真備「――!!?。はあ?」


カッカッカッカッカッ・・・・・・・

謎の物体の後ろから現れた男性


僧衣姿の男「やあ。君にまた会えて嬉しいよ。」

吉備真備「――――ッ!?」

―――――――――――――――――――――――――――――
突如、カルデアのマスターたちがいる駅構内に到着した地下鉄の車両から多数の集団で襲いかかってきた呪霊サーヴァントたち。

突然の呪霊サーヴァントたちの襲撃に望月千代女、バーヴァン・シー、播磨局、マシュ・キリエライトの4人は多数の呪霊サーヴァントの討伐に足を取られ、

カルデアのマスター・藤丸立香の周りには術式が焼き切れてしまっている両面宿儺(エリザベート)と吉備真備の2人しかおらず、その2人もまた、即座の対応に追われていた。


そして極めつけは藤丸立香の目の前にいつの間にか置いてあった聖杯の雫を中心に、藤丸立香たちが集めた5つの聖杯の雫と宿儺が持ってた聖杯の雫が飛び出し、それらが一つに合わさり、

そして聖杯の雫が7つ合わさった事で出現した聖杯ではない謎の物体が変形し、そのモノが見つめる目の先にはカルデアのマスターと吉備真備の2人。

吉備真備はそのモノの存在を前から知ってた。いや、そのモノの存在を知っていたのはその吉備真備の魂の器とする■■■が知っていたのだ。

故に彼は立ち止まらずにいられなかった。彼の知る謎の物体の後ろから現れ、彼に声をかけてきた1人の僧衣姿の男の存在を確認するために‥。


吉備真備「(偽物?変身の術?・・・・いや、まさか・・・!)」


吉備真備は悟った。この渋谷の特異点で起きている全ての出来事を、渋谷に出現する呪霊サーヴァントの存在を、今おかれている全ての状況、・

彼らの前に現れた■■■と瓜二つの存在、聖杯の雫が合わさって出現した謎の物体が、吉備真備(■■■)が考察していたある考えが正しい答えであると突きつけられた。

彼らに突きつけられたこの状況・・・それは正に■■■が経験した彼の人生で最も記憶に刻みつけられたあの戦いの記憶、彼が経験した胸くその悪くなる悲劇の記憶・・・

この渋谷の特異点は両面宿儺(エリザベート・バートリー)が生み出した“ハロウィン”ではなく、■■■が経験したあの戦いの再現である事を・・・


吉備真備「(ああそうか・・・俺はやはり、こうなるのか・・・)」


吉備真備(■■■)は覚悟した。目の前にいる僧衣姿の■■■を見た瞬間から、彼は全てを受け入れるつもりだった。

目の前にいたのは吉備真備の依代となった■■■が元の世界で自らの手で葬ったただ1人の親友、全ての可能性は既に吉備真備の中から否定されている

そして吉備真備(■■■)の脳内には吉備真備自身の依代となった彼の『3年間の青い春』。彼の脳内では1分以上も経過している。

故に彼はあの物体によって封印される事を覚悟した。彼が封印される事で、せめてカルデアのマスターだけでも救えるとなるのならば‥


だが―――――

フゥゥン、バスッ!


吉備真備(■■■)「―――ハァッ!?」

カルデアのマスター・藤丸立香(女)「――――――!!」


彼(吉備真備(■■■))の一番の誤算は彼女(藤丸立香)だった。彼女は彼の受け入れる覚悟を真っ向から否定した。

彼女は彼をあの物体から守る為、自らの身を犠牲に彼の身体を押し出し、あの物体の目の視線から遠ざけた。

その結果、あの物体の目線は既に彼女の存在を捉えており、そして―――――

―――――――――――――――――――――――――――

ザフッ、ドキュドキュドキュッ!!


【――――】
【うぐっ!?】←

吉備真備「ツゥッ・・・!?。しまった!?」

マシュ「マスター!?」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いったい何が起こったんだ!?いったい藤丸ちゃんの身に何が起きたんだい!?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「バイタルが確認できない。身体も神経も魔力も、あらゆる藤丸ちゃんの観測全てが観測不能になっている!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「でもモニターに映っているマスターは見えている。意味消失も起こっていない、いったい何がどうなって・・・」


【魔力も感じない。体に力が入らない。】
【でも私はなんともない】←

僧衣姿の男「ダメじゃないか。自身のマスターを最後まで守れないんじゃあ、それでもマスターに仕えるサーヴァントたちなのか、君たちは?」

僧衣姿の男「特に君だよ吉備真備。君がしっかりマスターの事も見ていないからこうなったんだ。こうなったのは君のせいだからね?」

吉備真備「クッ・・・‥」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・‥」


ガシュン、ガシュンッ、スタタタタッ!

マシュ「マスター!待っててください、今からこれを引き剥がします!」

【うん!】
【マシュ、お願い!】

マシュ「はい。やぁぁぁ~~!!」


フゥゥン、ガコンッ!バキィィン!

マシュ「キャァァァ!?」


【マシュ!?】←

僧衣姿の男「無駄だよ。その獄門彊は聖杯の欠片を元に強化改造されたシロモノでね。その程度の攻撃では壊せない。」

僧衣姿の男「まあ壊せるとしたら、ギリシャの大魔女メディアぐらいの魔術師ならいけそうかもしれないけど、彼女が都合よく来るかどうか・・・」

僧衣姿の男「だがともあれ、君たちにその獄門彊は壊せない。君たちのマスターの身は、この私が預かることになるからね。」

マシュ「クッ、クゥゥ・・・・」


吉備真備「おいお前・・・お前はいったいなに勘違いをしているんだ?僕たちのマスターをそんなキモいので動きを止めたぐらいで勝ったつもりでいるのか?」

吉備真備「さっきは油断はしてたが、マスターが余計なお節介をしてくれてこっちはどうにか助かった。マスターにこんな思いをさせたのは心許ないが・・・」

吉備真備「マスターは必ず助ける。お前をその胡散臭い呪いごと祓って、マスターを助けてやるからな!」

【真備さん・・・・】←


僧衣姿の男「・・・・・・・・・・」

【あなたはいったい誰なの?】←

僧衣姿の男「私が誰だかって?まあ君たちとは初対面ゆえに私の名前を聞きたい理由はあるといっても過言はない。」

僧衣姿の男「だからってそう簡単にわたしの真名を明かすと思うか。真名を明かしたところでお前たちはそれ元に対策を練るのだろ?」

僧衣姿の男「まあそんなことよりも、君たちの置かれている状況をどう切り抜けるかを優先した方が私は思うのだがな?」


呪霊サーヴァントたち「オォォォォォォ~~~~!」

呪霊サーヴァントたち「ぐぉぉぉぉぉぉ~~~~!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「確かに藤丸ちゃんはともかく電車の中から出てきた呪霊サーヴァントの数が多い。今の状況からして、こちら側が数と魔力の方で負けている‥」

バーヴァン・シー「それがどうなのよ!ザコが多かろうとザコはザコ。こいつらが何体いようと関係ないわ!」

バーヴァン・シー「それにザコ共を連れてきたのがお前なら、お前を倒せばザコはみんな祓えちゃうからねぇ~?」


キュゥゥン、シュパパパパァァァ~~!!

僧衣姿の男「フンッ・・・」


キィィン、バシャバシャバシャン!

バーヴァン・シー「なっ・・・・!?」

僧衣姿の男「私を甘く見ない方が良いぞ。私はお前たちのような英霊とは天と地ほどの差があるのだからな?」


ギュゥゥゥ~ン、ビュンビュゥゥ~ン!バシュバシュンッ!

バーヴァン・シー「キャァァァッ!?」

マシュ「バーヴァン・シーさん!?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「今の攻撃・・・あの水の量でバーヴァン・シーの攻撃を止めて反撃するとは、おそらく水の魔術に特化したサーヴァントか?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それにこの魔力数値・・・彼は天と地ほどの差があると言ったのなら、彼はおそらく・・・・」

僧衣姿の男「私を分析するか・・・・自身らのマスターが囚われているというのに意味の無い事を・・・いやむしろそれ以外に手はないというのか?」

僧衣姿の男「私を倒す事が出来れば、彼女を獄門彊から救えると思っての事なのか?実におめでたい連中なことだ・・・。」

僧衣姿の男「だが私を分析したところで何も変わらぬ。君たちのマスターはここで封印されてもらうよ?」


ギュゥゥ~ン、バシャバシャァァ~~~!!

水のワイバーンたち「グォォォォ~~~!」

播磨局「チィィッ!!水の飛龍の群れか!」

ジャクンジャクンジャクンッ!バシャバシャン!!


吉備真備「(天と地ほどの差のある能力とその魔力、水とそれで出来たワイバーンによる攻撃・・・確かにダ・ヴィンチちゃんの行動は正しいといってもいい。)」

吉備真備「(獄門彊はあいつの言う通り、並大抵の呪術や魔術を使ったとしても壊せるものじゃない。ましてやあの聖杯で強化したモノなど・・・)」

吉備真備「(それにあいつを依代としたあのサーヴァント、おそらく奴は俺と彼女のような英霊とは違う上位の存在、奴は神霊クラスの霊基を器としているのなら・・・)」


僧衣姿の男「さて、私もこうしてはいられぬ立場だ。何も出来ず、彼女のサーヴァントたちが苦しみ倒れていく姿をもう少し彼女に見せて上げたかったのだが・・・」

僧衣姿の男「そろそろお休みの時間だよ。君にはこの箱の中で新しい世界が出来ていく様を待っているがいい。」

【その前に一つだけ聞かせて!】
【私をいったい、どうしたいというの?】←

僧衣姿の男「君をどうしたい?それはこの獄門彊が再び開くまで君が事の真相を知ることなど出来ない。開くまでの楽しみと言ってもいい。」

僧衣姿の男「もっとも・・・獄門彊が開いた際に君が自害せずに生きていればの話だけどね?」

僧衣姿の男「では約束の刻まで・・・・閉門。」


ドギュッ、ギュゥゥゥ~~~~!!


【―――!?】
【視線が閉まっていく・・・】

マシュ「マスタァァァ~~~~!!」

吉備真備「藤丸!」

【マシュ!!】
【後は頼む、真備さん!】←

【みんなを助けてあげて!】←

吉備真備「ああ!必ず君たちを守る、それまで待って――――」


ギュゥゥゥーーーーガキィィン!!

封印されてしまった藤丸立香
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/d/0/d00d6501.jpg

マシュ「そんな・・・・マスターが・・・・糸も簡単にあの箱の中に・・・」

望月千代女「くぅぅ・・・マスター・・・・」

吉備真備「くぅぅ・・・・・・」

僧衣姿の男「フフフフッ、封印完了・・・‥」


フワァァ~・・・バシュッ!

僧衣姿の男「!?」

両面宿儺(エリザベート)「フン。貴様、カルデアのマスターを封印するあまり、俺のことを忘れていなかったか?」

僧衣姿の男「なんのつもりだ宿儺?仮初め且つ不完全な召喚で現界した身とはいえ、君がその獄門疆を私の手元から盗るとはな。」

両面宿儺(エリザベート)「なんとでも言え。こいつにはまだ、俺のためにやってもらわなければならんことがある。俺のあの女との“縛り”の為にも‥」

両面宿儺(エリザベート)「それに貴様に1つ聞きたい事がある。貴様、あの女とはどのような関係を持っているというのか?俺がこの世界に召喚された際・・・」

両面宿儺(エリザベート)「あの女の記憶から、お前があの女のそばにいた光景を見ていてな‥‥あの女に俺の指を喰わせたのは貴様なのか?」

両面宿儺(エリザベート)「貴様があのエリザベート・バートリーとかいう女に俺の指を15本も喰わせ、俺をサーヴァントとやらとして召喚させたのは貴様なのか?」

吉備真備、播磨局「!?」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「召喚させたって・・・今、エリザベート・バートリーの霊基を依代に両面宿儺を召喚させたみたいに言ってたが、それはいったいどういう事なんだ?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それにそれをするのに指を喰わせたって・・・君たちはいったい何を言っているんだ?」

僧衣姿の男「何を言っているかって?―――そうか、お前たちはこの宿儺の事について、君たちは何も知らされていないのだな?」

僧衣姿の男「しかしそれを聞いたところで何になる?お前など、私が求めている宿儺ではない・・・ましてやこのような事故物件な姿で召喚されるとはなぁ‥」

僧衣姿の男「エリザベート・バートリーとかいうサーヴァントを器にしたのが悪かったか、あるいは喰わせたその指とやらに問題があったか・・・」

僧衣姿の男「まあ何にせよ、両面宿儺・・・・お前は私にとってはある意味、私が呼びたかった宿儺とは全然違う‥いわゆる失敗と言ってもいい。」

僧衣姿の男「呪いの王だと?そんな宿儺など存在しない・・・元よりお前が両面宿儺と呼んでいいのか分からぬほどと言うべきかな?」

両面宿儺(エリザベート)「!?。なんだと・・・・?」

僧衣姿の男「どこで吹きこまれたか知らんが、お前のようなサーヴァントなど私はいらない。ただそれだけだ。」

両面宿儺(エリザベート)「―――!?」


キリキリキリィィィ~~~!!

両面宿儺(エリザベート)「・・・そうか。やはり貴様があの女を使って俺をこの特異点とやらに呼び出したか。そしてこの俺を失敗と称するか‥」

僧衣姿の男「そうだ。召喚に失敗した君に私を倒す事など出来ん。死にたくないなら大人しくその獄門疆を渡してもらおうか?」

僧衣姿の男「今のままじゃ術式も焼き切れててまともに組むことも出来ぬだろ?今の君など、私の力で・・・・」


シュンッ、スタッ!

僧衣姿の男「!?」

両面宿儺(エリザベート)「渡す訳がなかろう。こいつにはまだ、俺とあの女との縛りがある。まあ、この箱の中身を開けられればの話だがな‥」



両面宿儺(エリザベート)「ここから逃げるぞカルデア!こいつに殺されたくなければ俺に従え!」

吉備真備「!。君に指図はされたくなかったけど、今はそれどころではないよな?みんな!」

マシュ「はい。ここは宿儺の言う通り、今はこの場からの戦線離脱を優先しましょう!」

シオン(通信)「ええ、逃走経路は計測済みです。皆さんはそこを便りにこの場から離脱を!」

僧衣姿の男「逃がすと思うか?お前たちの持ってるその獄門疆は返してもらうぞ!」


ズドドドドォォォ~~!バサバサバサッ!

呪霊サーヴァントたち「ヌォォォォォ~~~~!!」

ワイバーンたち「ギュォォォォ~~~!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「マズい!向こう側にも敵性反応が、このままじゃこちらが挟み撃ちに―――」


ギュォォォ~ン!ジュドォォォ~~ン!

大蛇「グシャァァァ~~!!」

呪霊サーヴァントたち、ワイバーンたち「――――!?」


望月千代女「ここは拙者が殿を!皆はマスターと宿儺を連れて撤退を!」

マシュ「千代女さん、しかし・・・・」

播磨局「千代女殿・・・わかった、頼む!」

吉備真備「ああ。後のことは任せろ!」

望月千代女「はい!」

スタタタタタタッ、シュタッ!


播磨局「バーヴァン・シー、私に掴まっていろ!」

バーヴァン・シー「えっ、えぇぇ・・・‥」

吉備真備「――来い、仲麻呂!」


ギュォォ~ン、ズドォォォン!

吉備真備「みんな、仲麻呂に掴まるんだ!」

マシュたち「――――――!」


鬼の仲麻呂「ヌォォォォォ~~~!!」

ドスンッ、ドスドスドスドスッ!
―――――――――――――――――――――――
吉備真備を庇い、獄門疆と名乗るモノの力によってカルデアのマスターは捕まり、そしてそのままその箱の中へと封印された。

しかしその箱は僧衣姿の男の手には渡らず、恰も両面宿儺(エリザベート)がその箱を奪う形で手に取り、宿儺は僧衣姿の男に自身を召喚した者なのかと問いかけた。

僧衣姿の男は宿儺の質問に答えると共に、宿儺は自身が召喚しようとした存在とは違う存在として、宿儺自身については不要の存在であると語り、それを聞いた宿儺自身は激情しつつも、

彼女たちの今の状況を把握し、宿儺はマシュたちに即時撤退を呼びかけ、マシュや吉備真備たちもそれに応じ、地下鉄の駅ホームから脱出を計る出会った。

そして数多くいる敵からマシュたちを逃がす為、望月千代女は自身を囮に殿を務め、多数の敵に向けて自身のあるだけの攻撃で敵の進行を抑えていき、

マシュ、吉備真備、播磨局、両面宿儺(エリザベート)の4人は獄門疆に封印されたカルデアのマスターと負傷したバーヴァン・シーを連れ、

鬼の仲麻呂の身体にしがみつつ、駅の天井に開いている所から敵の包囲網から脱出するのであった。
―――――――――――――――――――――――

僧衣姿の男「ほう・・・殿を務めると言いつつ、あのマスターと同じく自らを犠牲に彼らを逃がすか・・・。それほど君たちに打つ手はなかったのかな?」

僧衣姿の男「それにその身に湧き出る大蛇の呪い・・・この呪いはおそらくヤマタノオロチのモノだと見受けられる。とすると君は・・・」

望月千代女「ああ・・・拙者は甲賀上忍、アサシン・望月千代女。それ以外にお前のような畜生に名乗る事はない。」

僧衣姿の男「甲賀の忍・・・・成る程、つまり君はあの甲賀三郎の子孫なのかぁ~。それは会えて光栄だね。」

望月千代女「・・・お主の装い、お主は拙者と同じ日の本の僧侶と思われると思われるのだが、お主はいったい何者だ?」

僧衣姿の男「何者ねぇ~・・・私に殺されるかもしれないというのにそんな事を聞いてくるとはねェ・・・」

僧衣姿の男「いや・・・死してもなお、マスターたちの安全を確保し、反撃の手を作る為に敢えてこの場所に残ったって言えばいいのかな?」

望月千代女「ツゥゥッ・・・‥」


スタッ、シュッ・・・

望月千代女「お主がどうしても真名を名乗らないならそれでいい。お主の言う通り、拙者がここに残ったのは我が親方様である藤丸立香殿たちを逃がすため‥」

望月千代女「お主、あのような奇怪な術で藤丸殿を封印したようだがそうはいかん。不覚を取られたとはいえ、あの程度の封印でやられる親方様ではない!」

望月千代女「親方様は必ずお主を倒しに戻ってくる!拙者はそれを信じてこの殿を自らの意思で受けたのだ!」

望月千代女「拙者1人ではお主を倒すには叶わぬが、せめてお主の攻撃の手を封じるまで!たとえ、この身が魔性の呪いと成り果てようとも!」


シュッ、ジュボォォ~~!ギュォォォ~~!

呪霊サーヴァントたち「オォォォォ~~~!?」ゴォォォ~~!シュゥゥ~ン・・・

僧衣姿の男「このおびただしい呪力・・・正に伊吹大明神の呪いを持つモノに等しき力と見た。敵ながら見事だ!」

僧衣姿の男「だが―――――」

望月千代女「!。(あやつめ、何かを仕掛けるつもりか!だったらここまま押し切らせてもらう)」


キィィーーン!ギュオォォォ~~ン!

望月千代女「呪え、我が血を。祟れ、我が罪を。甲賀三郎より幾星霜、雪げぬ物が此処にはあろう。」

望月千代女「『口寄せ・伊吹大明神縁起(くちよせ・いぶきだいみょうじんえんぎ)』!!」


ギュゥゥゥ~~ドギュゥゥゥ~~ン!グシャァァァ~~!

望月千代女「いけぇぇぇぇ~~~!!」

僧衣姿の男「・・・・・・・‥」


シュッ、ドキュッ!ドキュドキュンッ!

僧衣姿の男「・・・・・・・フッ。」

望月千代女「何!?拙者の宝具を止めた・・・・いったい何が起きて――――」


ぐぎゅぐぎゅっ、ズルズルゥゥゥ~~~!!

望月千代女「なっ―――あぁぁぁ・・・何が起きて・・・・あぁぁ・・・あぁぁぁぁ~~~!?」

望月千代女「あぁぁぁぁ~~あぁぁぁぁぁぁ~~~~~!!」

グシャァァァ~~~!?ズルズルズルゥゥゥ~~~ギュゥゥゥ~~ン!!


僧衣姿の男「全く‥先祖から継いだ『呪』を身に宿し、それらをうまく活用して戦うとは、愚かなことを・・・・」


ギュゥゥゥ~~ン・・・。キラァァ~ン!

何かの術によって変えられた望月千代女の現在(何かの玉のようなモノ(イメージ))
https://booth.pximg.net/c42a9e1e-f015-4fb1-9c5d-f1edf3736940/i/2874981/0e5bedb9-8e9f-4e53-a5f7-fcf3da6d6442_base_resized.jpg

僧衣姿の男「宿儺とカルデアは逃げ切ったあとか・・・奴らめ、余計な手間をかけさせやがって・・・!」

僧衣姿の男「しかし不完全な召喚且つあの“別の世界”の宿儺が彼女たちと行動するとは、よほど自身に後がなかったというか・・・」

僧衣姿の男「ともあれ聖杯の雫で作った紛い物とはいえ、彼らに獄門疆を開けることなど不可能だ。獄門疆の術式を攻略しない限りはな・・・」

僧衣姿の男「だがおそらく彼女たちはこの特異点の解決と私の行動を止めるために再び私の元へと来るだろう。それはそれで良いのだが、」

僧衣姿の男「念には念を入れて、あのカルデアのサーヴァントたちの戦力を削ぎつつ、獄門疆を取り返す必要がある。その為には・・・・」


ギュォォォ~~ン・・・‥

僧衣姿の男「仕方がない。既にやられた身ではあるが、こいつら2人を彼女たちにぶつけるとするか・・・・。」

2体の呪霊サーヴァント「・・・・・・・・・・」


僧衣姿の男「もうすぐだ。あのカルデアのマスターの持つ召喚の術式を手にさえ出来れば、私の“願い”は叶えられる・・・私の望む、“あの方”との再会が・・・・」

僧衣姿の男「それまで心して待っててください。あなたの身に宿してしまった、あの忌まわしき『呪い』を祓う為に・・・。」


ハムッ、ゴクッ・・・・・・
――――――――――――――――――――――――
獄門疆に封印されたカルデアのマスターとそれを持って逃げる宿儺とマシュたちを逃がす為、自らの身を囮に殿を務めた望月千代女

彼女はその身を瀕しようとカルデアのマスターたちを守る為‥せめて敵である僧衣姿の男の攻撃手段を封じる為、望月千代女は自身の宝具、

『口寄せ・伊吹大明神縁起(くちよせ・いぶきだいみょうじんえんぎ)』のよって辺りの呪霊サーヴァントたちをなぎ祓い、その呪いの大蛇が僧衣姿の男に差し掛かったその時、

望月千代女は僧衣姿の男の何らかの術により、彼女の宝具である大蛇諸共に僧衣姿の男の手にある黒い玉のようなモノへと変えられてしまい、

僧衣姿の男はカルデアのマスターたちの戦力を削ぎつつ、カルデアのマスターが封印された獄門疆を取り戻すべく、

彼もまた、何らかの術を使い、新たにどこかで見覚えのある2体の呪霊サーヴァントを召喚し、その2体の呪霊サーヴァントにマシュたちの後を追わせるのであった。


そして僧衣姿の男はその手に持つ黒い玉のようなモノとなった望月千代女を自身の口に入れ、それを飲み込んで取り込むのであった。

第10廻戦:私の・・・ハロウィンの行方は?
―――――――――――――――――――――――――――
呪いたい。あの人を呪って思い知らせたい。あの人が私の心を傷つけたその報いを・・・・

なんのため?なんの理由があってあの人を呪う?なんの理由があってあの人を呪いたい?


理由ならある。あの人は私の大事な予定を踏みにじった・・・あの人は私との予定よりも他の予定を選び、私との予定を台無しにした。

私の大事な予定・・・・あのカボチャにまみれ、私の歌が響くあの美しく楽しいあの“ハロウィンの夜”を・・・‥
―――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:数日前―――渋谷区:どこかの神社のお堂にて・・・


エリザベート・バートリー「ウゥゥ・・・ヒクッ、ウウウウゥゥゥ・・・」

エリザベート「もうなによ聖杯戦線ってぇ~!子ジカの奴、そんなに“私のハロウィン”よりも、あんな“昼と夜の聖杯戦線”の方が良いの!」

エリザベート「あとあの画面越しにいたイケメンのようなおじいちゃん‥確か子ジカはプトレマイオスと言ってたわね・・・?」


エリちゃんが画面越しで見た人物(プトレマイオス)
https://www.inside-games.jp/imgs/zoom/1249646.jpg

エリザベート「あんなイケメンともおじいちゃんとも分からないサーヴァントに私よりも目移しするなんて、ほんと子ジカは最低よ!!」

エリザベート「ハァ・・・子ジカにあんな事を言われて、ショックのあまり、あーだこーだでこの渋谷の街に家出しに来ちゃったみたいなようなのだけど‥」

エリザベート「確か渋谷って、ハロウィンの時期になると決まって仮装とかで大いに街中盛り上がるって聞くじゃない。そんな街の中に家出とするなら・・・」


エリザベート「良いわよ!だったら私、子ジカが私にハロウィンの事で謝りに来るまでこの渋谷の街で家出を大いに楽しんでやるのだから!」

エリザベート「魔力?リソース?そんなの私が自力で補ってやるわよ!子ジカが私の事を謝りに来るまで帰らない。カルデアに帰ってくるモノか!」

エリザベート「これは私と子ジカとの耐久デスマッチ。例え私の魔力が尽き欠けようと、私はカルデアに戻るようなことなどしないのだから~!」

エリザベート「だからもう私は知らない!子ジカのことなんか‥子ジカの事なんかぁぁぁ~~~!!」


フンッ、ガキキィィン・・・スタッ・・・・

エリザベート「ウゥゥ・・・ヒクッ、ウウウウゥゥゥ・・・‥もう子ジカなんか知らない‥子ジカなんか・・・・」

タッタッタッタッタッタッ・・・・・・


僧衣姿の男「おやおや?こんな所で1人泣いているなんて、いったいどうしたんだい君は?」

エリザベート「・・・誰?私、今は誰とも話したくはないわ・・・あっちに行って!」

僧衣姿の男「そういう訳にはいかないよ。目の前に泣いている子がいるなら、助けてあげることが私の生きがいなんだ。見捨てることなど出来ない。」

僧衣姿の男「隣に座って良いかい?話ぐらいは聞いてあげるからさ。」

エリザベート「・・・うん‥・・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――
昼と夜の聖杯戦線とかいう特異点のせいで私のハロウィンは適当な形で潰され、子ジカにハロウィンは終わったと言われ、私はカルデアから家出をした。

その際、ドサクサに紛れて渋谷の街へとレイシフトした私は何処かの神社がある公園で、子ジカの事で1人泣いていた時、

■■■とかいうお坊さん姿の人が私がなぜそこで泣いているのかを何かとしつこく問いかけてくるから、私は■■■に事の話をしてあげた。
――――――――――――――――――――――――――――――
カクカクシカジカ・・・・・・


僧衣姿の男「―――そうか・・・・それはとても悲しい事だ。君のような娘の願いをこのような形で裏切られるという結果をもたらしてしまうとは・・・」

僧衣姿の男「ハロウィンよりも昼と夜の聖杯戦線・・・君のようなアイドル娘よりもプトレマイオスとかいうファラオを選ぶその人でなしのマスター‥」

僧衣姿の男「そのマスターにハロウィンの事で罵声を上げられ、ハロウィンを潰され、嫌気をさした君は1人でこの渋谷の街へと逃げこんだ。」

僧衣姿の男「正に悲劇と言ってもいい・・・君が準備を重ね、共にハロウィンを楽しもうとしていた彼女に裏切られ、そのハロウィンをもみ消されテしまうとは・・・」

エリザベート「えぇ~ほんとそうよ!一ヶ月前なんかハロウィンの準備期間中に子ジカたちが来る程楽しみにしてたというのに、こんなのあんまりよ!」

エリザベート「なにが聖杯戦線よ!なにがカルデアよ!あんなに楽しみにしていたハロウィンを、優先度が高い特異点1つでコロコロと心変わりするなんてぇーー!」

僧衣姿の男「もっともだ。でも君は絶対に悪くはない・・・君があんなに皆を喜ばせる為に懸命にハロウィンの準備をしてきた君を、私はとても評価するよ。」

僧衣姿の男「その懸命なハロウィンの準備をした君を否定し、“昼と夜の聖杯戦線”優先の為にハロウィンを潰されたことは、実に不幸なことだ。」

僧衣姿の男「そんな君が何故、このような不幸を味わっている君の心を、その君を裏切った者(マスター)にも知って欲しいと思うかね?」

エリザベート「えっ・・・・?」


僧衣姿の男「君は、呪術と言う言葉を知っているかい?呪術とは問わず、呪いとか言う言葉をいくつかは聞いたことがあるはずさ。」

エリザベート「呪い・・・・?」

僧衣姿の男「呪い――それは人の不幸を願う心であり、その願いは誰しも心の内にあるものだ。君にも心の内にあるはずだ。」

僧衣姿の男「君は君と君が楽しみにしていたハロウィンを裏切ったそのマスターの不幸を願い、それを叶えたいとは思わないか?」

エリザベート「そ、それは・・・・その・・・‥」

僧衣姿の男「別に強制しているわけじゃない。君の内にある呪いの力でなら、これを扱えるんじゃないかなって思ってね?」


キラーン☆

エリザベート「!?。それ聖杯!?貴方、どうしてその聖杯を持っているのよ!」

僧衣姿の男「聖杯?ああこれか・・・これは私がこの渋谷で拾ったモノだ。しかも正真正銘、この聖杯を使えば微少特異点だって作れるシロモノさ。」

僧衣姿の男「だが私にはこれを使って叶える願いがそれ程ない。なにせ私のクラスはルーラーだ。叶えたい願いなど無いのは当然だろ?」

エリザベート「ルーラー・・・貴方、もしかして何処かのはぐれサーヴァント?しかもルーラーとは大したものね。まあそんなことは私には関係ないけど・・・」

僧衣姿の男「そうかもね。もし君が良ければこの聖杯を譲ってやろう。君が経験した不幸とその内なる呪いを見込んでね?」

エリザベート「!。う~んそうねぇ~・・・内なる呪いとかよくわからないのだけど、聖杯を譲ってくれるというのなら・・・‥」


エリザベート「良いわよ!貴方がその聖杯を譲ってくれるなら喜んで貰い受けるわ。それに私の内なる呪いでならその聖杯を扱えるって言ってたわね?」

エリザベート「私も、あんな季節感無視でサーヴァント垂らしのマスターを呪いたかったところよ。私の呪いでマスターが不幸になるなら願ったり叶ったりよ!」

エリザベート「決めたわ・・・今年のハロウィンのテーマは『呪い』よ。この聖杯でこの渋谷の街に再び私のハロウィン特異点を築き上げるのよ!」

エリザベート「そして私のその内なる呪いで私の事を傷つけたマスターを・・・カルデアの全てを呪い、私のハロウィンの偉大さを解らせてやるのだから!」

僧衣姿の男「ほお・・・なんと素晴らしい事だ。ならばその君のハロウィンを永遠のモノとし、永遠のハロウィンで大いにカルデアを呪おうじゃないか!」

エリザベート「永遠のハロウィン・・・それも悪くないわね。私のハロウィンが永遠に続くのなら、マスターも黙って見過ごす訳にはいかないわね?」

僧衣姿の男「ああ。ではそんな内なる呪いで君の事が嫌いになったマスターを呪い、新たに永遠の渋谷のハロウィンを築き上げる事を望む君に、私から特別なプレゼントを送ろう。」


シュルッ、パァァ~。

僧衣姿の男に渡されたモノ
https://lh3.googleusercontent.com/BbwYfShGmgi1aHgdnJjVC8CAO2DV5fptSRCfdfK4q1CY3hiuuLxIH7Zt0naR1rN4ele3mB44Bg30N6e38b3Fy8_-rhwa61lYXZDipt0NBKBA


エリザベート「なにこれ?聖杯はともかく、その紫色の不気味なモノは何?なんか誰かの指のような形をしているのだけど・・・」

僧衣姿の男「それは君の内なる呪いの力を増幅させる一種のアイテムさ。それを君の体内に取り込めば、君に呪いの力が手に入る。」

僧衣姿の男「その力でなら君はカルデアのマスターに勝てる。君の力で君の事を裏切ったマスターにお灸を添えることが出来るのだ。」

エリザベート「呪いを増幅させるアイテムねぇ~・・・この紫色の指が・・・」

シュルッ、コトン・・・‥


僧衣姿の男「さぁ受け取るがいい。君の願いはいま、この瞬間を持って叶えられる。君のその『想い』と内なる『呪い』によって・・・」

僧衣姿の男「そして君のその『呪い』の力を持って、今一度この私に協力してはくれないか?」

エリザベート「協力ねぇ・・・貴方が私に何を考えてこの聖杯とこの不気味な指を渡したのか知らないけど、私のハロウィンが復活するのだったら大歓迎よ。」

エリザベート「そして永遠のハロウィンでカルデアにいる子ジカたちにハロウィンがどんなに偉大で凄く大事な行事である事を解らせてやるのだから!」

エリザベート「待ってなさい子ジカ!私のこの呪いの力でカルデアのみんなや子ジカにギャフンと言わせ、そして解らせてやるのだから!」

―――――――――――――――――――――――――
■■■に事の話を聞いて数分・・・■■■は私には“内なる呪い”があると教え、その呪いの力で子ジカたちを呪い、私のハロウィンを復活させる事が出来ると言い出した。

しかもその復活させた渋谷のハロウィンを永遠の特異点に仕立て上げる事が出来ると知り、私はあの僧衣姿のルーラーである■■■の提案を受け入れました。


ただ私に■■■から貰い受けたものは聖杯だけでなく、何か紫色に変色した‥何かと不気味なオーラを持つ指を15本も貰い受けまして・・・

■■■の話には“ソレ”を取り込めれば、私の内なる呪いの力が増幅し、呪いの力が使えるようになると聞いて、

私は私の事を裏切ったマスターをギャフンと言わせる為に、私は■■■から聖杯と不気味な指を貰い、私はあの不気味な指を15本も取り込んだ・・・。


カコンッ、シュッ・・・・ゴクッ、ゴクゴクッ・・・‥

エリザベート「う~ん・・・・この不気味な色をした指、飲み込んでみてなんか気持ち悪いような感じがするのだけど・・・」


指を体内に取り込む自体は問題なかった。指は聖杯をコップ代わりにジュースを注ぎ、指をハロウィンのお菓子の代わりとして添え、

まるで普通におやつを食べるように、私は聖杯でジュースを飲みながらあの不気味な色の指15本を口から飲み込むように体内に取り込んでいった。

すると・・・・・・


ドクンッ!ジュゴォォォォーーーーーーー!!

エリザベート「――――――!?」

僧衣姿の男「・・・‥フッ。」

ジュゴォォォーーーーーぐじゅぐじゅぐじゅ!!


エリザベート「■■■■■■――――――――――!!」

僧衣姿の男「フハハハハハ!やはり君は単純な奴だったなエリザベート・バートリー。ハロウィンの事になるこんな戯れ言まで信じてしまうとは・・・」

僧衣姿の男「光栄に思うがいい。君は私が呼び出す伝説の怪物の礎として、その霊基を燃やし尽くすがいい!!」


ジュゴゴォォォーーーーーー!!
――――――――――――――――――――――――
私の中で今までの別霊基の私が出来る事とはかなり違う・・・・とてつもない程の異変が起きた。

取り込んだあの不気味な指を中心に私の中で何かが食い破って出てくるように、私の霊基がその“何か”の召喚する為の魔力となっていき、

その目の前で僧衣姿の僧衣姿の男は笑みを浮かべながら、私がその“何か”の召喚の為の触媒となっている様を眺めていただけであった。


このままじゃ私はその“何か”を召喚の為にその霊基を分解され、私は何も出来ずに消滅してしまう。

私は何とかしようと抗ったのだけど、時既に遅し。私の身体も、魔力も、その全てが私の身体を食い破って召喚される存在・・・

■■■の言う“両面宿儺”の召喚の為の生贄として、私は私の全てを奪われ、跡形もなく消滅するだけであった・・・

その時だった・・・・


キィィィ~~ン!

僧衣姿の男「―――!?。なんだ、あの光は・・・・?」

■■■■■■「――――――――――」


キィィィーーン、パァァァーーン!
――――――――――――――――――――――
突如として、私の中にもう一つの何かが私の中に入り込み、そして私の中から出ようとした両面宿儺は再び私の中へと入っていって・・・


ガガガ――ガァァ―――プツンッ!
―――――――――――――――――――――――――
渋谷 クロスタワー内:吉備真備のアジト


パチパチパチッ・・・

【今のはエリちゃんの――――】
【―――!?】←


ガバッ!!

【ここはもしかして・・・】
【でも確か私は・・・・】←

―――――――――――――
回想シーン:獄門疆に封印される藤丸立香(女)


ギュゥゥゥーーーーガキィィン!!

https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/d/0/d00d6501.jpg

???「やっと起きましたね。私を探していた割にはあまりにも寝坊が過ぎますわね、子ジカ。」

【この声・・・・】←
【それに今、子ジカって・・・】


タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・


男装姿のエリザベート・バートリー「・・・・・・・・・‥」

男装姿のエリザベート・バートリーの姿(イメージ)
https://images.goodsmile.info/cgm/images/product/20230418/14280/114466/large/01431b1901fd075ebcccf51dbc0aa0f8.jpg


【エリちゃん・・・・?】←
【それに宿儺じゃない・・・。】

男装姿のエリザベート「・・・・・・・・・(ジロッ!)」

【!】
【な、なに・・・・?】←

―――――――――――――――――――――――――――――
数分前―――チェイテ渋谷神社城・地下の駅ホームにて、突如として現れた僧衣姿の男の罠にはまり、獄門疆と名乗る物体に封印されてしまったカルデアのマスター

しかし彼女が目覚めた先には、以前、吉備真備によって助けられ、介抱目的で連れて来られた 渋谷クロスタワー内部の吉備真備のアジトの寝室であった。


彼女が目覚めた直後、彼女の前に現れたのは両面宿儺に取り憑かれ、その名を名乗っていたエリザベート・バートリーの姿があり、

そのエリザベート・バートリーの姿は両面宿儺に取り憑かれた状態とは違う、サラリーマン姿で独特な眼鏡をかけた、

雰囲気が大人しそうな感じがする男装姿のエリザベート・バートリーの姿がそこにあり、そしてその彼女はカルデアのマスターである彼女に・・・・
――――――――――――――――――――――――――――――

男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」

【えっ・・・?】←

男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」


【―――!?】
【これってもしかして・・・・】←

【私に対して怒ってるって事?】←

男装姿のエリザベート「・・・・・・(頷く)」

タッタッタッタッタッタッ・・・‥


男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」

【(これ絶対かなり怒っているよね・・・)】
【(なんて答えれば良いのだろう・・・)】←

男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」

【そ、それは・・・・・・】←

男装姿のエリザベート「・・・・・・‥」

【ごめんエリちゃん・・・】←
【ハロウィンはもう終わって・・・・】


フゥゥン、バシィィン!!

【――――!?】
【ガハッ―――!?】←

ドサッ・・・‥


【(いま私に攻撃を・・・・)】
【(凄く痛かった・・・)】←


ガシッ、グググゥゥ~~!

【うぐぅぅ・・・・】←


藤丸立香(女)の今の状況(イメージ)
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/8/3/83086a1b.jpg


男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ!」

【エリちゃん・・・】
【本当に私が悪かったって――】←


フゥゥン、バシッ!バスゥゥン!!

【ぐはっ!?】←


ドサッ!ゲホゲホッ・・・‥
―――――――――――――――――――――――
「“私の、ハロウィンはどこ?”」。その男装姿のエリザベートの問いかけと共に、彼女はカルデアのマスターに近づいてきており、

カルデアのマスターはその問いかけに答えようとするも、エリザベートは何も躊躇なくカルデアのマスターに攻撃し、

1回目は顔正面、2回目はカルデアのマスターの頭を引っ張り上げ、そのまま彼女の腹部に一撃を喰らわせ、彼女は空しく床に倒れ込んでいく‥

そのあまりにも無慈悲な状況にカルデアのマスターは、エリザベートの心を傷つけた事でこの状況を作ってしまったことに深く懺悔したい気持ちでいっぱいであり・・・

ガシッ、ズググググゥゥゥ~~~!!


【ウゥゥゥ・・・】
【エリちゃん・・・‥】←

男装姿のエリザベート「貴方のせいでハロウィンは潰され、カルデアはこの渋谷の地で破滅の道を辿ることになるのよ。」

男装姿のエリザベート「それだけは解っているよね?」

【・・・・・・・・・・・・】←

【ごめんなさい・・・・エリちゃん・・・・】←



スタタタタタッ!バタンッ!キキィィー―!


吉備真備「ストップ!ストォォォーープ!!もうそれ以上の暴力はダメだぞぉぉ~~!!」ピッピィィィ~~~!!

男装姿のエリザベート「!?」

【ま・・・真備・・・さん・・・・?】←


マシュ「先輩!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うわぁぁ‥これは随分な打撃を受けたようだね・・・すぐに回復の礼装を施さなきゃね!」

マシュ「はい。先輩、今どこか痛いところとかありますか?痛いところがありましたらすぐに治療を・・・・」

【マシュ・・・】
【いったいこれはどういう・・・・】←


ぐじゅぐじゅっ!バカッ!

宿儺(エリザベートの口元)「混乱しているようだな~藤丸立香?お前が今この場で置かれている数々の状況を理解しきれていない・・・」

宿儺(エリザベートの口元)「お前がなぜ、あの獄門疆の封印から抜け出せたのか?なぜ封印から抜け出せたお前がこの女に殴られるハメになっているのか?」

【宿儺!?】←

男装姿のエリザベート「あまりでしゃばらないでくれるかしら宿儺。私が表に出ている時は貴方は大人しくしているとそういう“縛り”を交したんじゃないのかしら?」

宿儺(エリザベートの口元)「チィッ、ちょっとぐらいはよかろう・・・。縛りの関係とはいえ、俺にただ頼りでお前はあまり前線には出ることなど全然ないだろ?」

男装姿のエリザベート「・・・・・・‥(ギリッ!)」

宿儺(エリザベートの口元)「チィッ・・・‥」


【なんだこれ・・・・】
【この状況はいったい何なの・・・?】←

マシュ「それは・・・かなり話が長くなる事なのですが・・・‥」

数時間前、渋谷 クロスタワー内:吉備真備のアジト近くにて・・・


ドスドスドスドスッ、ドスンッ・・・・

吉備真備「フゥゥ・・・。どうにか逃げ切れたようだな・・・・みんなは大丈夫か?」

播磨局「ああ・・・こっちはどうにか大丈夫だ。マシュ、バーヴァン・シー、お前たちは大丈夫か?」

マシュ「はい。私たちの方は敵の攻撃を受けましたが、私はそれ程のダメージはなく、バーヴァン・シーさんはいま気絶していますが、霊基に別状はないかと・・・」

マシュ「しかし先の戦いで望月さんは私たちを逃がすために命を省みずに殿を務め、未だに戻っていないとなると・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん、こちらから千代女との連絡は取れていない。こちらに帰還していない他にカルデアの霊基情報にも揺らぎがないことから、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「おそらく彼女はあの戦いの殿の後、あの僧衣姿の敵の軍勢に捕まった可能性が高いが、それについてはまだ断定は出来ない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だが我々が一番に問題視しているのは・・・・」


シュルッ・・・・・・

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「このあまりにデザインが不気味で悪趣味な謎の箱に藤丸ちゃんがスッポリと閉じ込められちゃっていることだ。封印されたと言ってもいい。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「この箱自体の力なのか、あるいはこの箱の存在を知っているあの僧衣姿のサーヴァントの能力なのか・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「この箱の中に封印された藤丸ちゃんのあらゆる全ての観測が出来なくなっているし、中にいる彼女が今どうなっているのかも解らない状態だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いったいこの箱は何なんだい?この箱の中身の藤丸ちゃんを助け出すにはいったいどうやって・・・」


両面宿儺(エリザベート)「それは獄門疆という特級呪物と言ってなぁ~。俺も噂で聞いただけで実物を見るのは初めてなのだが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「その箱には定員1名だけであるが、条件さえあえばあらゆるもの全てをその獄門疆の中に封印できるシロモノだ。」

両面宿儺(エリザベート)「その獄門疆を開けるにはそうだなぁ~・・・中にいる藤丸立香が自死するか、獄門疆を開門させたあの男にもう一度開門をさせてもらうか・・・」

両面宿儺(エリザベート)「それ以外にあるとすれば、その獄門疆の能力を壊すか打ち消すかのどちらかしかない。だがしかしそれをお前たちは持っているのか?」

マシュ「そ‥それは・・・・」


吉備真備「だとしてもその獄門疆の封印がとても強力とはいえ、それが絶対に開けられないモノっていう事はないんだろ?」

吉備真備「だったらその獄門疆が開けられるまでやってやるさ。なんたってマスターにみんなの事を任せてと頼まれた身だからね。」

吉備真備「マスターは必ず助け出す。それがマスターに頼まれた者としての責務といってもいいからね。」

マシュ「真備さん・・・・。」

播磨局「吉備真備、あんたは・・・‥」

両面宿儺(エリザベート)「成る程・・・まあお前たちがそうでなければ面白くない。お前たちがこの獄門疆からカルデアのマスターである藤丸立香を助け出さなければならない。」

両面宿儺(エリザベート)「でなければ俺は彼女を呪い殺す事が出来ん。弱体化した身とはいえ、いくら俺でもこの獄門疆を開けることなど出来ぬからなぁ~‥」

播磨局「チィッ・・・言わせてみれば貴様、まだ彼女の事を呪い殺そうとしているのか!藤丸はただエリザベート・バートリーに謝りたかっただけで・・・」

両面宿儺(エリザベート)「そのエリザベートと俺は藤丸立香を呪い殺す“縛り”を交している事を忘れているのか?いくらあの女に謝りたいと願おうと・・・」


内側からの声「そうね・・・私と縛りを交している貴方ならば、ちゃんと縛りの内容は覚えているはずだよね?」

両面宿儺(エリザベート)「!?。おい待て、まだこいつ等とは話が・・・」

内側からの声「宿儺。キリが悪いのは承知の上だけど、交代の時間はとっくに過ぎているわよ。」

両面宿儺(エリザベート)「――あぁ~クソッ!わかったわかった、交代の時間だろ?すぐに変わってやる。」

マシュ「!。交代・・・宿儺さん、いったいそれはどういう事なのですか!?貴方はいったい・・・」

両面宿儺(エリザベート)「聞くな。それ以上の事はあの女に聞け。もっとも‥あの女の事など、お前たちカルデアがよく知っているはずだ。」

両面宿儺(エリザベート)「お前たちが俺から引き剥がし、助け、お前たちがやらかした事への謝罪をしようと探した・・・あの女がな・・・。」

吉備真備「あの女・・・・それってもしや・・・・」


キィィ~~ン!ピカァァーーン!

両面宿儺(エリザベート)→男装姿のエリザベート「・・・・・・・・・」

マシュ「!?。あなたは・・・・まさか・・・‥」

男装姿のエリザベート「・・・・・・・・(ギロッ!)」

――――――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターが獄門疆に封印された直後、両面宿儺(エリザベート)の起点と望月千代女の命がけの殿により、獄門疆を持って僧衣姿の男たちから撤退したマシュたち

彼らから逃げ切り、どうすれば獄門疆に封印されているカルデアのマスターを助け出せるのかをマシュたちで話している中、

突如として、両面宿儺(エリザベート)は自身の“縛りによる交代の時間”だと言いだし、宿儺の姿が光と共に男装姿のエリザベートのへと変わり、

その瞬間を目撃したマシュはその男装姿のエリザベートに対し、見覚えのある表情で彼女の事を視認し、男装姿のエリザベートもまた、マシュに対して厳しい睨みを見せていた。


そして・・・

吉備真備「そう。僕たちは両面宿儺がエリザベートの霊基と身体を乗っ取り、彼女を依代にサーヴァントとして現界した者だと思われていた。」

吉備真備「しかしそれは間違いだった。宿儺は何らかの形で不完全な状態で現界し、その霊基は宿儺と依り代としている彼女との縛りによってその身体を維持し、」

吉備真備「1つの身体を共有することで宿儺と彼女は一騎のサーヴァントとしてこの渋谷の特異点に召喚された。その彼女こそ・・・‥」

吉備真備「2023年のハロウィンの目玉になるはずだった新規クラスのエリザベート・バートリー・・・・」


パッパラパ~~~!

吉備真備「脱ドル脱サラ系呪詛師サーヴァント、『エリザベート宿儺』だったのでーーす!」

呪詛師エリザベート&口元の宿儺「「その呼び方はやめて(ろ)!」」


【あっ、ハァ・・・・】←
【でも1つの身体を共有って・・・・】

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。我々の知るワルキューレたちがその例だ。1つの霊基に3騎の個体がいて、それらが1つの霊基を共有しつつサーヴァントとして現界をしている。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「霊基再臨に合わせて代替召喚されるように今のエリザベートと宿儺は時間の縛りでその姿を変えていると言ってもいい。」

吉備真備「うんうん。いやぁ~まさか宿儺とエリザベートが縛りで時間交代制で1つの身体を共有していたとは驚きだったよねぇ~?」

吉備真備「しかもちょうどその時間こそ宿儺からエリザベートと交代する時間であって、いま僕たちはそのエリザベートと会話をしている。」

吉備真備「それこそ今のカルデアにとってまたとないチャンスなんかじゃないかと思うんだよねぇ~。」

【!】
【(今ならエリちゃんに直接あやまることが出来る!)】←

呪詛師エリザベート「ふん。交代の時間帯が被ったとはいえ、まさか絶縁したはずの貴方たちと再び再会するとは思わなかったわ。」

呪詛師エリザベート「正直のところ、私はカルデアの貴方たちとはもう二度と会いたくはなかったわ。それなのにこんな所まで追いかけてくるなんてねぇ‥。」

マシュ「絶縁って・・・・エリザベートさん、私たちは貴方に謝りたいことがあって・・・」

呪詛師エリザベート「結構。まず挨拶ぐらいはするのが道理よ、カルデアの貴方たち。」


呪詛師エリザベート「どうも、『宿儺』モードの私が世話になったわね。私の知らないところでこんな事が起きているなんて思わなかったわ。」

呪詛師エリザベート「私は貴方たちカルデアの身勝手のせいで私の大事なハロウィンを潰され、貴方たちへの失望によって真面目に呪詛師をやることになったエリザベート・バートリーよ。」

呪詛師エリザベート「まあ宿儺モードの私と別に呼んで欲しいのはあるから、この『呪詛師』モードの私の事は、『呪詛師エリザベート』と呼んでも構わないわよ。」


【は、はぁ・・・・】
【でも今、脱ドル脱サラ系呪詛師って・・・】←

マシュ「はい。脱ドルと脱サラ・・・この言葉から明らかにエリザベートさんはアイドルとサラリーマンを辞め、呪詛師になったとそう言っているようですが・・・」

マシュ「それ以前にエリザベートさんは私たちを・・・カルデアとの縁を切ったと言いましたが、それは本当の事なのでしょうか!?」

呪詛師エリザベート「そうよ!私は貴方たちカルデアが私にやらかした罪業によって、貴方たちは私を裏切り、私との信頼と信用、そして縁を失いました。」

呪詛師エリザベート「私が懸命に準備をし、カルデアのみんなに喜んでもらおうと準備をしてきたカルデアの伝統行事である私のチェイテ特異点でのハロウィンを、」

呪詛師エリザベート「突如として割り込みで来た特異点での戦い・・・即ち昼と夜の聖杯戦線の攻略を優先させる為に、カルデアは強引な手段でチェイテ特異点ごとハロウィンを潰した。」

呪詛師エリザベート「そしてあのとき子ジカは・・・藤丸立香という女は恰も私に対して、“ハロウィンはもう終わり”と心もなき言葉で話の話題を強引に終わらせ、」

呪詛師エリザベート「その心無い言葉にショックを受け、貴方たちへの失意と失望と共に私はカルデアに愛想をつかし、レイシフトを通してこの渋谷へと家出を決行したのよ。」

【エリちゃん・・・】
【・・・・・・・】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「(とまぁエリザベート・バートリーはそう被害者ヅラで言っているけど、元々カルデアのハロウィンはそのエリザベート本人の身勝手で始まった事なのだが・・・)」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「(2017年までのハロウィンは決まって藤丸ちゃんを彼女の歌ライブを誘わせてやってるというか・・・)」

シオン(通信)「(あのそれ、いま聞かれたらマズいので黙っててくださいね?)」


呪詛師エリザベート「そして私はこの渋谷で出会った私の中に秘めた呪いの力に眼をつけ、その力を持って私のハロウィンを復活させようとあの僧侶みたいな男に騙され、」

呪詛師エリザベート「その彼に手渡された15本の宿儺の指を飲み込み、不完全な召喚で私の中で両面宿儺が現界し、それによる呪いが私たちの霊基を蝕んでいき、」

呪詛師エリザベート「いずれにしてもこのままでは私は英霊の座にも帰れず消滅する運命であると悟り、私は宿儺との縛りを結んだって事なのよ。」

口元の宿儺「・・・フッ。」

呪詛師エリザベート「そして私は彼に私の身体を預けている間、私は今回の事でじっくりと考え、そして私はカルデアに対して確信したことは・・・」



呪詛師エリザベート「“カルデアはクソ”ってということよ!」ドドンッ!

マシュたち「!!?」


【カルデアはクソって・・・】←

ゴルドルフ(通信)「オイオイ貴様!急なことがあったとはいえ、ハロウィンの予定が潰れたぐらいでカルデアがクソであると軽く確信を言っちゃうのかね!?」

ゴルドルフ(通信)「少なくても我々は異星の神によって白紙化された汎人類史を救う為に戦っているだけであって・・・」

呪詛師エリザベート「ええ知っているわ。そんな貴方たちが言う汎人類史に対して、貴方たちの行動や状況をじっくりと考えてみて‥・」


呪詛師エリザベート「“汎人類史はクソ”っていう事よ!」ドドンッ!

【!?】
【汎人類史はクソだって‥・】←

呪詛師エリザベート「まあ今となって、私があの僧侶の男に渡された聖杯で私のハロウィンを復活させようとしようとしたのだけど・・・」

呪詛師エリザベート「結局のところ、出来上がったのは私の意に反する特異点・・・・この呪霊サーヴァントとかいう敵との聖杯戦線、それを裏で操ってたあの僧侶の男が暗躍する特異点に対して・・・」


呪詛師エリザベート「“この特異点はクソ”だったって事よ!」ドドンッ!

【・・・・・・‥】
【特異点もクソというの・・・】←

呪詛師エリザベート「それと関係ない話ですが私が元々思っている事は・・・‥」


呪詛師エリザベート「“労働こそ一番のクソ”という事よ!」ドドンッ!

【・・・・・・】←
【(それ、いま言うことなの・・・・?)】


吉備真備「おいおいさっきから君が考えているこれらの事に価値に対してクソだ!クソだ!と言いまくっているけど、他に言葉とか無いのか?」

呪詛師エリザベート「無いわ。同じクソならクソであり、より適性で効率の良いのを選ぶ。それが私の考え方よ。」

マシュ「そんな!ではエリザベートさんは貴方のハロウィンイベントを否定され、カルデアや汎人類史があなたの言うクソである考えになった理由でカルデアと絶縁を・・・」

マシュ「そのような理由でカルデアを・・・マスターである先輩を呪い殺すって言うことなのですか!?」


口元の宿儺「確かにお前の言う通りかもな、マシュ・キリエライト。だが人という者は自身が経験した絶望や悲劇によって、善人だった者が悪にはしるように人が変わることがある。」

口元の宿儺「彼女もそうだ。サーヴァントの身とはいえ、元は人間である以上は心変わりは一つや二つはあってもおかしくはないだろ?」

呪詛師エリザベート「ええそうね、貴方の言う通りよ宿儺。私はカルデアに裏切られ、私のマスターだった子ジカに裏切られ、あんな酷い事を言われた事で私は変わった。」

呪詛師エリザベート「私は私と私のハロウィンを裏切った子ジカの事が許せない。私よりもプトレマイオスとかいうクソ野郎を選んだ子ジカを今すぐ呪ってやりたいところなのよ。」


【―――!?】←

呪詛師エリザベート「宿儺、貴方がプトレマイオスを貴方の呪術領域・伏魔御廚子で八つ裂きにしたって聞いているわよ。」

呪詛師エリザベート「私のハロウィンを潰した張本人を私の代わりに呪い、そして身体を5枚にスライスされての彼の断末魔をあげさせてくれた。」

呪詛師エリザベート「本来なら私がこの手でプトレマイオスを呪い殺してやりたかったのだけど、あのクソ野郎の断末魔を聞けたまでは良いとしておくわ。」

口元の宿儺「フッ、当然だ。この俺があんなジジイのファラオに負ける訳がなかろう・・・この呪いの王たるこの俺がな・・・。」

呪詛師エリザベート「ふんっ、貴方がそう自信を持って言うのならば、私は貴方に反論する事なんかはないわよ?」

口元の宿儺「フッ・・・‥」


呪詛師エリザベート「でも貴方の術式が拗ねて術式能力が弱体化しているっていう事実だけは気にくわないわよ!!」ドドンッ!

口元の宿儺「何だとぉぉ!!(キレ)」


呪詛師エリザベート「しかし騙されたとはいえ、あの僧侶姿の男に特異点を取られたことはとても不愉快極まりない自体だわ!」

呪詛師エリザベート「あの聖杯は元々あの男が私に譲ってくれた聖杯であり、あの聖杯を元に私のハロウィンを復活させようと目論んでいたというのに!」

呪詛師エリザベート「それをあの男は私のこのようにした後、私の聖杯を取り上げてはそれを砕いて“聖杯の雫”とやらに変換させたと思えば・・・」

呪詛師エリザベート「その聖杯の雫が一つになったと思えば、この獄門疆に子ジカが封印されてしまうなど、なんて情けないのかしらね子ジカ?」

【確かにそうだけど・・・・】←
【それよりもどうして私は獄門疆の外に・・・・】←


呪詛師エリザベート「決まっているわ。子ジカのことは私の術式で何とかしたと言いたいのだけど・・・」

呪詛師エリザベート「この獄門疆、聖杯の雫とやらで模倣して作られたモノなのか・・・私の術式でも子ジカをそのまま獄門疆の外に出すことは不可能だったわ。」

呪詛師エリザベート「子ジカが獄門疆の外に出れたのは子ジカの魂を半分に切り分け、別の身体の器に取り替えてもらったって訳よ。」


【はい?】
【魂を半分に・・・?】←

呪詛師エリザベート「子ジカ。前にシンデレラの時の私とのハロウィンで、子ジカの身体が肉体と魂に分離した事を覚えているかしら?」


【うん。覚えているよ】←
【え~と確かにあったような・・・・】

―――――――――――――――――――――――――――
回想場面:ハロウィン・ライジング 暗黒の仔山羊との戦いにて・・・

―――――――――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート「貴方はあの時、女モレ―の罠にはまり、彼女の力で肉体と魂を分離され、聖杯を埋め込まれていた貴方の肉体の方は山羊の怪物に変えられ、」

呪詛師エリザベート「魂の方は霧散するのを防ぐためにカボチャの人形に入れられた。あの人形を用意した人の名前は敢えて言わないとして・・・」

呪詛師エリザベート「私はそれを元に獄門疆の中にいる子ジカの魂をトレースし、その魂を半分にして中にいる子ジカと私が用意した子ジカの仮の身体に半分にした子ジカの魂を入れ、」

呪詛師エリザベート「あとは私の持っている術式で子ジカの身体と仮の身体の位置を入れ替え、外にいる方に子ジカの意識が目覚める形としたのよ。」


【そうなんだ・・・‥!?】
【もしかしてその、仮の身体って・・・】←

呪詛師エリザベート「気づいたかしら?貴方を仮に獄門疆の外に出した仮の身体が人の姿をしているなんて思ったら大間違いよ!」

呪詛師エリザベート「私を裏切った子ジカの仮の身体なんか、これで十分かと思って用意したのだからね?」



スッ、パンッ!ポンッ!


呪詛師エリザベートの術式によって藤丸立香(女)が変わった姿
https://fgonovum.com/wp-content/uploads/2021/10/109CB39F-3425-43D9-9ABB-A90DA6E54ED3.jpg

【!?】←

マシュたち「!?」

吉備真備「うわぁ~これは酷い・・・」

播磨局「ああ・・・・」

呪詛師エリザベート&口元の宿儺「~~~~~~!(クスクスクス!)」


【この姿は・・・】

【ああやっぱり・・・・】
【結局こうなるのね‥。】←

エリザベート・バートリーに取り憑き、カルデアのマスターたちに襲いかかった両面宿儺(エリザベート)。ハロウィンの有無を聞かされ、質問と一緒にカルデアのマスターに暴力を振るった男装姿のエリザベート・バートリー。

その正体は両面宿儺の不完全な召喚により、互いに交した縛りによって呪いによって朽ちていく身体を維持し、1つの身体に2つの霊基を共有して厳戒したサーヴァント『呪詛師エリザベート宿儺であり、

その霊基の1つである呪詛師モードのエリザベート(別名:呪詛師エリザベート)は声も人格も普段のエリザベート・バートリーと全く同じであり、

自身と自身の楽しみにしていたハロウィンを裏切ったカルデアのマスター、そして更にカルデアと汎人類史、労働といったモノゴトはクソであるという認識を見せていた。


しかしその彼女もまた、仮ではあるが獄門疆に封印されたカルデアのマスターを自身の持つ術式によって魂を半分にするようにトレースし、

それを半分にして自身の用意した人形(パンプキンヘッド・マスター)にカルデアのマスターの魂を入れ、同じく彼女の持つ術式効果によって、

獄門疆の中にあるカルデアのマスターの身体と獄門疆の外にある人形を入れ替えるようにカルデアのマスターの意識を外に出すように入れ替えており、

いきなりであるが自身の身体をパンプキンヘッド・マスターに入れ替えられたカルデアのマスターは自身の経験の上で落ち着いた対応をしていくのであった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート「ふ~ん・・・いきなり自分の身体を入れ替えられたというのに反応が薄いわね。てっきり驚きのあまり大声で悲鳴を上げるんじゃないかと思ってたわ。」

【まあ一度や二度、経験しているというか・・・】
【嫌、今はそれよりも・・・】←


シオン(通信)「はい。確かに呪詛師のエリザベート氏のよくわからない術式によって藤丸氏の無事と再観測が可能になった事で一先ずこちらも安心はしました。」

シオン(通信)「しかし藤丸氏の今の状況からして、藤丸氏は未だにその獄門疆に封印されているのは変わりありません。」

シオン(通信)「このままではエリザベート氏を元に戻し、カルデアに連れ戻すどころか・・・藤丸氏をカルデアに戻す事もままならないと思われまして‥」

シオン(通信「それ故にその獄門疆に封印した僧衣姿の男性を見つけ出し、藤丸氏の封印解除の方法を見つけ出す必要があると私は思っています。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。その為にも我々にはあの僧衣姿の男の攻略の為にこちらの戦力を立て直す必要がある。特に目の前にある問題の解決も含めてね。」


シオン(通信)「エリザベート氏、それと彼女に未だに憑依する宿儺はあの僧衣姿の男に対し、何らかの敵対をしているようだと我々は見ており、」

シオン(通信)「特にエリザベート氏は先ほど、この渋谷の特異点の事を自身は“クソ”と呼んでいた事から、貴方はこの特異点をどうしたいと思っているのですか?」

呪詛師エリザベート「そうね。無論、私のハロウィンを復活させると見せかけて、私のこんなにして特異点まで乗っ取ったあの僧侶のあいつをとっちめてやりたいところよ!」

呪詛師エリザベート「この渋谷の特異点が私の思うハロウィンに相応しくない以上、このクソな特異点はすぐにでも消滅させた方が道理というべきね。」


マシュ「!。それではエリザベートさん、もしあなたがこの渋谷の特異点を解決するであれば、私たちもそれを手伝わせてはいただいても宜しいでしょうか?」

マシュ「エリザベートさんも含め宿儺さんもまた、もし我々とエリザベートさん同じ考えをしているのであれば、いっそのこと私たちと共に行動した補遺がよろしいかと・・・」

口元の宿儺「・・・だそうだ。俺はこの身体から解放されるのなら別に良いのだが、今の時間上、俺の主導権を握るお前はどうするつもりなのだ?」

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」

【お願いだよ、エリちゃん‥】
【あなたやみんなの為なんだ・・・】←


呪詛師エリザベート「――嫌よ!」ドドンッ!

【―――!?】←

呪詛師エリザベート「忘れたのかしら子ジカ。私が宿儺と身体の共有し、その霊基を維持するために2つの“縛り”を結んだって事を。」


呪詛師エリザベート「1つは例外を除いての一定時間帯での私と宿儺との主導権の交換。一定の時間帯を過ぎると残業時間も含めて次の霊基に交代しなければならない事。」

呪詛師エリザベート「例えば、24時間体制で12時間は宿儺で残りの12時間をこの私の活動時間として、この決められた時間帯の経過で交代する形で設定しており、」

呪詛師エリザベート「宿儺の活動時間を過ぎれば私が、私の活動時間が過ぎれば宿儺と、この一定の時間帯をローテーションで交代する形を取っているのですが・・・」

呪詛師エリザベート「宿儺が活動時間12時間を過ぎて行動していた場合、交代した時に私の活動時間はその過ぎた時間分の足して行動する事が許されるって事よ。」

口元の宿儺「フンッ。まあ俺の場合はこのような形で時間外でのお前たちとの会話ぐらいは出来る事は縛りには入っていないのだがなwww」


呪詛師エリザベート「もう一つはカルデアの貴方たちの知っての通り、私と宿儺はあの僧侶の男が起こした不完全な召喚によって霊基がガタガタになっていて、」

呪詛師エリザベート「このまま縛りを結ばずいけば、私は宿儺を巻き添えにあの宿儺の指の呪いによって消滅する事になる。」

呪詛師エリザベート「それを防ぐために宿儺と私は協力して1つの身体を共有し、目的を遂行したら宿儺を自由にさせる。―――その目的こそ・・・」

呪詛師エリザベート「子ジカ・・・もとい、カルデアのマスターを私たちの手で呪い殺す。その目的の遂行こそ、私と宿儺との間で結んだ“縛り”というものよ。」


【・・・・・・・・・】←

ゴルドルフ(通信)「ふ、ふざけるな!ハロウィンの予定とハロウィンの微少特異点を潰されたぐらいで自身のマスターを呪殺しようとするなど!」

ゴルドルフ(通信)「貴様と宿儺との縛りだと?貴様はいったい、自身が何をしようとしてるのがわかっているのか!!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。敵に騙され、飲み込んだ宿儺の指とやらの呪いによって霊基が壊れかけていて、それを宿儺との縛りを結んで現界を維持していることはわかる・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だが君が宿儺と共に結んだ縛りとはいえ、ハロウィンの予定を潰されたぐらいで藤丸ちゃんを呪い殺す事なんて、我々には到底理解できない事だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それに人理最後のマスターである藤丸ちゃんを呪い殺せば、人理を救う事など出来なくなる。君だってマスターを失えばそれこそ現界が保てなくなるというのに・・・」

マシュ「はい。それにエリザベートさんと宿儺と交わした縛りを遂行すれば、どっちにしても貴方の霊基は宿儺の完全限界の礎として消滅するのは確実と言えます。」

マシュ「それなのに貴方のようなサーヴァントが先輩を・・・・一度はマスターの召喚に応じたエリザベートさんがマスターを呪い殺すなんて・・・」

【確かにそうだよ!】
【それ以外に他に方法はなかったというの?】←


呪詛師エリザベート「そうよ!それが私のハロウィンを裏切り、あの昼と夜の聖杯戦線に行った子ジカに対する私からの呪い、私の事を傷つけた当然の報いよ!」

呪詛師エリザベート「ほんと・・・カルデアはクソ!人理もクソ!渋谷特異点もクソ!私の関わっている事全てがクソだらけで嫌になっちゃうわ!」

呪詛師エリザベート「私のハロウィンの予定を潰した事で謝る為にわざわざこの特異点に来たのは褒めてあげるけど、謝ったぐらいで私が貴方たちを許すと思ったら大間違いよ!」

呪詛師エリザベート「貴方たちは私や宿儺と交わした縛りを終わらせるために、子ジカ、貴方は私たちに呪い殺されなきゃならないのよ!」

【・・・・・・‥】←


【本当に、謝っても許してはくれないというの‥?】←

呪詛師エリザベート「ええ。私とこのような話をしたところで私が活動する時間の無駄でしかない・・・故に・・・」



キュッ、シュルゥゥ~・・・クルクルクルクルッ、ギュッ!

ガキンッ、ジュボォォォ~~!


呪詛師エリザベート「表に出なさい子ジカ。貴方はこの私の手で呪い殺してあげるわよ!」

呪詛師エリザベート「呪い殺されたくなけば戦いなさい!そうじゃないと貴方たちはただ殺されるだけで終わってしまうわよ!」

口元の宿儺「・・・・・・・・・・・・・・・‥」


マシュ「エリザベートさんの魔力が急上昇!やはりエリザベートさんはカルデアやマスターの事を・・・」

播磨局「ああ。そっちがマスターを呪い殺す気満々ならやってやるよ。その減らず口を黙らせるためにもさぁ~!」

吉備真備「そうそう!エリザベートがマスターの事を呪い殺すのをやめないのなら、力ずくでもエリザベートのことを止めるしか方法はないようだしね?」

吉備真備「掛かって来いよ。こっちがマスターの事を呪いたいというのなら、こちらもそれ相応の対応をしないといけないからね?」

【真備さんと播磨さんは手を出さないで!】
【ここは私とマシュで行かせて!】←

播磨局「!?。――おい待て!いくら今のエリザベートの中にいる宿儺の奴が引っ込んでいるとはいえ、私と真備さん抜きで戦うというのか!?」

播磨局「それに今のあいつは宿儺と同じ呪いの力が使える呪詛師のサーヴァントなんだぞ!万が一、あいつの言う通りにマスターが呪い殺されたりしたら・・・」

【それでもエリちゃんとちゃんと向き合わなきゃならないの!】←

【だってエリちゃんはこれでも――】←

【私の召喚に応じてくれたサーヴァントだから!】←


マシュ「はい。元はと言えば、我々カルデアとエリザベートさんとは今年のハロウィンの有無の事で揉め事になり、それが今の渋谷のような特異点へと拡大したのが始まりであり、」

マシュ「事情があったとはいえ、エリザベートさんとちゃんと向き合わずにあの聖杯戦線を優先した事がエリザベートさんをこのような呪詛師へと変えてしまった要因であるならば、」

マシュ「例えエリザベートさんに呪詛を受けようと私たちは心から向き合い、それを止める事こそが私たちカルデアが出来るエリザベートさんへの償いかと思っています。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。少々かなり危ない橋を渡るつもりかもしれないが、今のエリザベートを大人しくさせるにはこうする以外に方法はなさそうだ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ここはエリザベートと戦い、彼女と再び話し合えるように武力を無力化させるんだ!」

【はい!】←


吉備真備「フッ・・・肉体言語を使ってでもエリザベートと和解したい気持ちはあると見て間違いないようだね。良いよ、そこのところは僕もマスターの事を信じるよ。」

吉備真備「ただし僕らもマスターと仮契約している身として、かなり危ないと感じたら容赦なくこちらも戦いに乱入させてもらう。そこはわかってくれるかな?」

【うん】
【ありがとうございます】←


タタッ、ガキンッ!

呪詛師エリザベート「呪い殺される覚悟は出来たようね子ジカ?そうでもしないとこっちも後味が悪くなるってものよ。」

呪詛師エリザベート「掛かってらっしゃいカルデア!貴方たちが何体サーヴァントを召喚しようとも、私の呪術で全て呪ってやるのだからね!」

【行くよエリちゃん!】
【必ず貴方をカルデアに連れて帰る!】←

マシュ「はい!マシュ・キリエライト、戦闘を開始します!」


シュタッ、ビュゥゥーン!
――――――――――――――――――――――――――
エリザベートとの喧嘩の事で彼女と謝ろうと決心している藤丸立香(女)とマシュたち。

ハロウィンを潰されたことを恨み、カルデアとそのマスターを呪い殺そうとしている呪詛師エリザベート・バートリー


今、お互いの信念を貫くために互いはアジトの外へと戦いを開始していくのであった。

FATAL BATTLE 1/1


敵編成 

呪詛師エリザベート宿儺(クラス:バーサーカー)


バトル開始時:『■■呪法』【全攻撃クリティカルヒット化、宝具封印】

吉備真備のアジトの外:渋谷 クロスタワー付近


フゥゥン、ガキンッ!ガキンガキンガキンッ!

マシュ「ヤァァァァッ!」

呪詛師エリザベート「ハァァッ!」


ガキガキンッ、ジャキンッ!ガキンッ!ガキンッ!

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」

マシュ「はぁ‥はぁ‥はぁ・・・」


呪詛師エリザベート「フンッ、貴方にしてはなかなかやるじゃないのマシュ・キリエライト。盾による攻撃、瞬時の防御と危機感知にその判断力‥」

呪詛師エリザベート「加えて子ジカと召喚した複数のサーヴァントとの連携、実に悪くない戦い方と思うわね。だけど・・・」

呪詛師エリザベート「私の使う特異の呪術には絶対に勝てる見込みなんてないわよ!」

マシュ「!。ハァァァァ~~~!!」

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥!」

―――――――――――――――――――――
グワァァ~ン・・・・


呪詛師エリザベート(■■■■)「(見える。貴方とあなたの持つその盾の線分を・・‥ここだ!)」

―――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート「行くわよ!クリティカルヒッーート!」

マシュ「!。――防御体勢!」


ガキンッ、バシンッ!

マシュ「クッ‥、ですがこのかすり傷―――」


ギュゥゥン、ブチンッ!!
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マシュ「――ガハッ!?」ブチンッ、バシュゥゥ~~!!

【マシュ!?】←


吉備真備、播磨局「!?」

呪詛師エリザベート「・・・フッ。」

口元の宿儺「ほぉ~・・・」

吉備真備「(あの術は対象の長さを線分した時に7:3の比率の点に強制的に弱点を作り出す『十劃呪法(とおかくじゅほう)』!?)」

吉備真備「(どういう事だ・・・あの術式はあっちの世界で術式の使用者が死んだ後、彼の持ってた武器が呪具として昇華されたと聞いてはいたのだが・・・」

吉備真備「(その術式が何故、あっちの世界とは関係ないサーヴァントの鮮血魔嬢(エリザベート)がその術式を・・・・まさかだと思うが・・・)」


マシュ「ガハッ・・・・ウゥゥ・・・・」

【マシュ、しっかりして!】
【いったい何が起こったの!?】←

マシュ「はい。確かに私は先ほど、エリザベートさんの攻撃を片方の腕にかすり傷程度で受けたのですが・・・・」

マシュ「まるでその片腕に急所があり、それを突かれたかのような感覚と激痛がして、今でもその痛みが残っているというか・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「何だって!?確かに腕の神経が切れてしまえば、その腕が使えなくなる恐れがあるからソコが急所と成り得るかもしれないが・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だからってあのエリザベートの打撃をかすっただけで急所を突かれた程のダメージを負うなんて・・・‥」


呪詛師エリザベート「そうよ。それが私の得意としている術式の1つであり、文字通りに私は貴方にクリティカルヒットを当ててやったのよマシュ!」

呪詛師エリザベート「私の術式は宿儺とそれと違い、攻撃対象の弱点強制的に作り出して叩きつける能力なのよ。」

呪詛師エリザベート「7対3。対象の長さを線分した時にある比率の点を当てる事が出来れば、どのような攻撃も私にとってのクリティカルヒットに早変わり。」

呪詛師エリザベート「しかも線分する対象は全長やウイングスパンだけでなく、頭部や上腕・胴部や前腕などのパーツも対象であり、その他にも・・・」

呪詛師エリザベート「人間以外の生物や無機物にも対象にでき、同様に7対3の線分した部分に攻撃を当てれば、その全てが貴方たちにとっての弱点になるのよ。」

マシュたち「―――!?」

【何ですって!?】←


カドック(通信)「おいおい冗談だろ!?つまりあのエリザベートの呪いによる攻撃全てが、藤丸たちにとっての致命傷になりかねないと言うのか!?」

呪詛師エリザベート「ええそうよ。私の攻撃が線分した通りの攻撃であるならば、その貴方たちにぶつける全ての攻撃は貴方たちにとっての弱点となるのよ。」

呪詛師エリザベート「ただ、マシュ・キリエライトや子ジカに攻撃した際、急所を突いた時とは違う何かに触れた感覚を感じのだけど・・・」

呪詛師エリザベート「貴方たち2人には呪いとは違う別の何かが貴方たちの背後に取り憑いているような気がするのだけど、そんなことはどうでも良いわ。」


【?】
【(いったい何を言っているんだ‥?)】←

呪詛師エリザベート「術式の開示は済んだわ。能力の底上げで、ここから続きで貴方たちを確実に呪い殺してやるわよ!」


シャキン、シュンッ!

【!?】
【避けるんだマシュ!?】←

マシュ「はい!ここは一旦、エリザベートさんから距離を―――」

呪詛師エリザベート「いいえ、もう遅いわ!」


シュパンッ!ギュゥゥン、ガキンッ!

マシュ「キャアァァッ!?」

呪詛師エリザベート「フフッ、クリティカルヒッ~~トッ!!」


バシッ!ギュゥゥン、ブチンッ!!

マシュ「ガフッ!?グゥゥゥ~~・・・」

呪詛師エリザベート「まだまだぁぁ~~!!」


シュゥゥ~ン!ジャキジャキジャキン!ブチブチブチンッ!

マシュ「ガァァァァ~~!?」バシュバシュバシュッ!

――――――――――――――――――――――――――――――――
呪詛師エリザベートはカルデアのマスターを呪い殺す為、カルデアのマスターとマシュは呪詛師となったエリザベート・バートリーと和解する為・・・

それぞれの思考が相対し、壮絶な戦いとなっているカルデアのマスターとエリザベートとの熾烈な戦い。


しかしその戦いは呪詛師エリザベートの持つ強力な呪いの力(『十劃呪法(とおかくじゅほう)』)による強制的な弱点生成による攻撃の連続により、

それらを為す術なく受け続けたマシュは強制的に作り出された急所に当てられ続けた事で窮地に立たされてしまっていき・・・

それらの戦いを見守っていた吉備真備(■■■)は、自身が知るとある人物の術式が呪詛師エリザベートにも使えることに驚きを隠せず困惑しており、

カルデアのマスターと呪詛師エリザベートの戦いはだんだんとカルデアのマスターたちの劣勢になっていくのであった。
――――――――――――――――――――――――――――――――
タッタッタッタッタッ・・・・・・


バーヴァン・シー「!?。おいおい何よ・・・目が覚めて来てみれば、マスターとマシュの奴かなりのリンチをくらっているじゃないか!」

バーヴァン・シー「おい、これはいったいどうなっているの!?なんであなたたちはそこで呑気に2人のリンチを見ているっていうのよ!」

播磨局「!。起きたかバーヴァン・シー。実はな・・・・」

吉備真備「・・・・藤丸・・・マシュ・・・」

ズズズゥゥ~、ドサッ・・・・


マシュ「ガフッ・・・・ウゥゥゥ・・・‥」

呪詛師エリザベート「たわいもないわ。私の呪いの前に手も足も出ずにズタボロになるとはねぇ~?それでもカルデアのサーヴァントだと言うのかしらね?」

呪詛師エリザベート「私の術式で急所を突かれ続けられても、にここまで耐え抜いた事は褒めてあげるけど、それもここまでのようね・・・」

呪詛師エリザベート「さぁ・・・貴方を呪い殺した後、マスターを呪い殺して全て終わらせてあげるわよ!」

マシュ「クゥゥゥ・・・・」


【もうやめてエリちゃん!】
【マシュだけは呪い殺さないで!】←

呪詛師エリザベート「何よ!今さら命乞いをしても無駄よ。あの女は私のハロウィンの事を忘れろと言って、私のハロウィンの事をなかった事にしようとしてたのよ。」

呪詛師エリザベート「あの女は私のハロウィンを潰した1人であり、あの女も呪い殺すに他ならないわよ!」

ゴルドルフ(通信)「呪い殺すって・・・あんた、カルデアでマシュやシオンの2人に暴力を振るって怪我させたのを忘れたというのか!」

ゴルドルフ(通信)「マシュに至っては怒り散らかすあんたを止めようとしてたんだぞ!それをあんたというサーヴァントは!」

呪詛師エリザベート「私のハロウィンを潰したのがカルデアであるならば、その関係者も同罪の報いを受けるべきよ!」

呪詛師エリザベート「私は私のハロウィンを潰した貴方たちカルデアを呪う。呪って呪って、貴方たちが死ぬまで呪い続ける!」

呪詛師エリザベート「それが今の私(アタシ)、呪詛師エリザベート・バートリーの呪いってやつよね!アッハハハハハハハハハハハ!!」

【・・・・・・・・・】←


【・・・・そんなに呪うのが楽しいの?】←

呪詛師エリザベート「・・・・は?」

【私とカルデアを呪い殺す事って、エリちゃんに取って、】←

【その潰されたハロウィンよりも楽しい事なの?】←

呪詛師エリザベート「――!?。い、いったい何を言っているのかしら・・・私が子ジカを呪い殺す事が、ハロウィンよりも楽しい事って・・・?」

呪詛師エリザベート「そんなの楽しいわけないじゃない!子ジカのせいで私のハロウィンとその予定を潰されて、こんな‥宿儺の呪いによって朽ち果てる思いをして・・・」

呪詛師エリザベート「子ジカが・・・マスターのせいでハロウィンを潰されたからその復讐として宿儺と一緒に貴方を呪い殺そうと・・・・」


【それってあなたの言い分けだと思うよエリちゃん】←

呪詛師エリザベート「――!?」

マシュ「はい・・・エリザベートさんはいつもハロウィンの時期になると決まってマスターや他のサーヴァントたちをチェイテ微少特異点に招待する形で招き入れ、」

マシュ「自分勝手な部分もありますが、エリザベートさんはエリザベートさんらしく皆さんにハロウィンを楽しんでもらおうとしていました。」

マシュ「他のサーヴァントによる妨害や想定外の事態もありますが、エリザベートさんはマスターと共にハロウィンを楽しみながらその微少特異点の攻略を共にし、」

マシュ「マスターと共に微少特異点を攻略するエリザベートさんの姿はハロウィンの時期でならばの輝きでとても輝いていました‥」


マシュ「しかし今のエリザベートさんはとてもじゃないほどに私たちの知ってるエリザベートさんではありません。今年巡のハロウィンの予定がなくなってしまった事を理由に、」

マシュ「あれだけ親しく構ってくれていたマスターを予定がなくなった理由で恨み、宿儺と縛りを結んで呪い殺す事に全力を注ぐエリザベートさんのその姿‥」

マシュ「オルタのような別側面ゆえの凶行を思えましたが、エリザベートさんのその行動にはとてもじゃないほどに私たちはドン引きしているのです。」

呪詛師エリザベート「なによそれ!そんなの貴方たちが私と私のハロウィンを裏切ったからに決まっているじゃない!貴方たちが私よりも聖杯戦線なんかを優先させるから・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いや、確かにタイミングが悪かったとはいえ、君が一生懸命に準備していたハロウィンをあのような終わり方をさせたのは我々カルデアの責任といってもいい‥」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかしいくら微少といえど『特異点』は『特異点』・・・下手をすれば人理を崩壊しかねない事態を招く恐れがある事には変わらない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「人理が崩壊すれば君はおろか君の大好きなハロウィンだって永遠に出来なくなる可能性もあるのは、同じ抑止力の使いの英霊でもある君もまた、少しはわかる事のはず・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかし予定が潰れてしまったハロウィンの仕返しの為にわざわざ人理を崩壊しかねない特異点に逃げこみ、そこで藤丸ちゃんを呪い殺す為に呪いの力を会得したとするならば、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それは君に宿儺の霊基を植え付けたあの僧衣姿のサーヴァントに協力しているとしか我々は君を疑っているに他ならないんだ。」

呪詛師エリザベート「!?・・・何ですって・・・・」


マシュたち「・・・・・・・・・・」ジィィ~~‥

吉備真備、播磨局「・・・・・・」

【・・・・・・・・・・】←

呪詛師エリザベート「ウッ・・・・・・」

口元の宿儺「クククククッ・・・良いように追い詰められているようだなエリザベート・バートリー?お前のその調子ではあのカルデアのマスターを呪い殺すことなど難しかろう‥」

口元の宿儺「なんなら俺と変わってあげてもいいんだぞ?俺ならここにいるヤツらを1人残らず残虐に殺してやってもいいのだが・・・」

呪詛師エリザベート「あなたの協力など要らないわよ宿儺。あなたは黙ってそこで大人しく見てなさい!」

口元の宿儺「へいへい・・・クフフフフフ・・・」


呪詛師エリザベート「貴方たち、私がそれくらいの正論でビビる相手だと思ったら大間違いよ!誰があんな僧侶の男に協力なんかするモノですか!」

呪詛師エリザベート「さっきも私が貴方たちに言ったように、カルデアも人類史も今の私にとって“クソ”であり、それに今の私には・・・」

呪詛師エリザベート「宿儺と共にカルデアのマスター・・・つまり子ジカを呪い殺す“縛り”を結んでいる以上、私は子ジカ‥貴方を呪い殺さなきゃならないのよ!」

呪詛師エリザベート「私は子ジカが私の事を裏切ったせいでこんなクソのような思いをたくさんし、私の霊基も呪いによって消滅に至り、このままでは私も呪いによって殺される。」

呪詛師エリザベート「だからその前に子ジカを呪う。子ジカを呪い殺して私も貴方たちカルデアに潰されたハロウィンと共に死ぬ事が、私子ジカに対する呪いなのよ!」

呪詛師エリザベート「だから子ジカ、貴方は私と貴方たちによって忘れ去られたハロウィンと共に死になさいよ!!」

マシュたち「・・・・・・・・・」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「藤丸ちゃん、今のエリザベートのあの様子では彼女の言っていることはハッタリでない。彼女は本気で君と呪い殺される覚悟を持っている。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「君も相当ショックを受けているようだけど、我々には人理修正という大義名分がある。それだけは譲れない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「藤丸ちゃん、ここは彼女を・・・エリザベート・バートリーを我々カルデアの脅威として・・・」


【わかった】←

【私がエリちゃんに呪い殺されればいいんだよね?】←

マシュ「―――!?」

呪詛師エリザベート「!?」

カドック(通信)「ちょっと待て!!お前それ本気で言ってるのか!?自分と契約したサーヴァントに呪い殺されるだぞ!」

マシュ「はい!マスター、こればかりは私もマスターのその言葉には異議を求めます!マスターがここで呪い殺されれば今までの事が全て無駄になります!」

マシュ「そうならないためにもマスター、ここはエリザベートさんの事は・・・・・・」


【大丈夫だよ】←
【エリちゃんの事を誰より知ってるからわかるの‥】

【エリちゃんに私を呪う事なんて出来ない】←

マシュ「!」


吉備真備「マスター。いくらエリザベートとは今までのハロウィンも含めた長い付き合いであるのはわかるのだが、いくらなんでも無謀が過ぎる!」

吉備真備「最悪の場合、マシュが言ってたように君はエリザベートの呪詛によって呪い殺され、僕たちはおろか君が守ろうとした汎人類史はいっかんの終わりなんだぞ!」

吉備真備「君はどうしてそこまで彼女にこだわる気なんだ?エリザベート・バートリーは裏切られた君の事を宿儺と組んでまで必死に呪おうとしているというのに、どうして・・・・」


【信じているからだよ】←

吉備真備「!。信じるって・・・あんた・・・」

【私はエリちゃんの事を信じている・・・】
【本当のエリちゃんはこんな誰かを呪う事なんてしたくないはず・・・】←

吉備真備「マスター・・・君ってやつは・・・」


呪詛師エリザベート「何よ・・・この呪詛師である私が子ジカの事を呪い殺せないって本気で思っているのかしら?」

呪詛師エリザベート「子ジカが死ねば私も一緒に人理も泡となって消える。それをわかってて子ジカは私に呪い殺されようとしているのかしら?」

呪詛師エリザベート「私は本気よ。私は貴方を本気で呪い殺すわ!貴方を殺して私も宿儺を解放して死ぬ・・・そうすれば私は私のハロウィンが報われるのよ・・・」


【そしてもう二度と、エリちゃんのハロウィンは行なわれないって事になる・・・】←

呪詛師エリザベート「――――!?」

理解できなかった。今にも本気でカルデアのマスターである子ジカが、この呪詛師となった私に呪い殺されるというのに・・・

それでもなお子ジカ(藤丸立香)は私(呪詛師エリザベート)が子ジカの事を呪い殺すことなど出来ないと言い、それを子ジカは信じていると言ってきた。


あの時、カルデアで私のハロウィンは終わったと酷い事を言って私の事を突き放したというのに、あの時の事を心から謝りたい一心でこの渋谷の特異点に乗り込んできた。

私の中に宿った宿儺や■■■■の呪術によってサーヴァント達がやられて、自身もまた、あの2人の呪術によって呪い殺されるというのに‥

子ジカは子ジカ自身の立場と今自身がおかれている状況を全てひっくるめ、私と私のハロウィンの事で全力全霊で謝ろうとしている・・・

一番悪いのは2023年のハロウィンの事でワガママになった自身であるにも関わらず、子ジカはこの事態を招いたのが子ジカ自身であるかのように、

子ジカは子ジカ自身が私によって呪い殺されようとも、それが私を許す事であるのだと信じて前に立っている・・・


そんな子ジカの事を、私は――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート「――そ、そうよ!貴方が私に呪い殺されれば、私のハロウィンは完全に終わる、貴方が救いたかった人理と共に泡沫と終わる・・・」

呪詛師エリザベート「それをわかってて貴方は私に呪い殺されてもいいって言うの!?貴方は自分が死ねば私が貴方の事を許してくれると本気で思って―――」

【許されなくても構わない!】
【ただエリちゃんを傷つけてしまった私が悪かったの!】←

呪詛師エリザベート「!?」

【私だって、エリちゃんと普通にハロウィンを楽しみたかったから・・・】←

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」

【だからもうみんなの事を巻き込まないで欲しい・・・】
【エリちゃんがハロウィンの事で呪っていいのは・・・】←

【この私だけで十分だから・・・・】←

呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・」


呪詛師エリザベート「そう。じゃあ私も遠慮なく貴方の事を呪うわ。貴方が私に許しをこうのならば、死んで私に詫びなさい・・・」

【うん】
【エリちゃんがそう言うのならいいよ】←

【だってエリちゃんは私の召喚に応じてくれた―――】←

【私のサーヴァントだから・・・】←

呪詛師エリザベート「・・・ええ、貴方の覚悟・・・・・・ちっともクソじゃなかったわ‥。」


ガシッ、ジュボォォォォ~~~!!

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「エリザベート・バートリーの両手に魔力が集中してる・・・まさか彼女は本気で藤丸ちゃんを・・・」

マシュ「!?。ダメ・・・ダメですマスター!いますぐにここから逃げて―――」

呪詛師エリザベート「いいえ、貴方はここで私の呪いで死ぬ・・・・私との最後のハロウィンと一緒にね!子ジカァァァァ~~~~!!」


ジュボォォォ~~!ビュゥゥゥ~~ン!



呪詛師エリザベート「喰らいなさい!クリティカルヒッーーート!!」

マシュ「マスターーーーーー!!」

吉備真備「マスター!?」

【――――――――――】←

呪詛師エリザベート「――――――――!!!」


フゥゥゥン!バシィィン!!

ギュゥゥン、ブチンッ!!
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/6/5/65e246d7.jpg



ダ・ヴィンチちゃんたち(通信側)「―――――――!?」

吉備真備、播磨局「―――――!?」

マシュ、バーヴァン・シー「――――――!?」



ブチンッ!バシュゥゥゥゥ~~~!!

【・・・・・・・・・・】
【(そっと目を開ける)】←


バシュゥゥ~~・・・ポタポタポタァァ~~・・・‥

呪詛師エリザベート(左腕負傷)「・・・・・・・・・・」


【――――!?】
【(自分で自分の左腕を・・・・)】←

マシュ「エリザベートさんの攻撃が・・・マスターに向けて振るった拳がエリザベートさんの左腕に・・・。これはいったいどういう・・・・」

口元の宿儺「おい!お前いったいなんのつもりだというのだ!せっかくお前が望んだことが目の前にあった。」

口元の宿儺「それをみすみす逃すかのように自分の腕にお前の呪術を向けるとは、お前は本気でカルデアのマスターを呪い殺す気など―――」

呪詛師エリザベート?「うるさい!いいわけないじゃない・・・私の呪いの力で子ジカが死んじゃうなんて・・・・いいわけないじゃない・・・」

呪詛師エリザベート?「だって私が子ジカの事を呪い殺しちゃったら、もう二度と・・・・もう二度と・・・‥」


ガタァァン、ドサッ・・・・・・

呪詛師エリザベート?→エリザベート・バートリー(呪詛師エリザベート)「子ジカのために歌を聞かせてあげられないじゃない!!」


マシュたち「!?」

吉備真備、播磨局「!?」

―――――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターを呪い殺そうと自身の呪いの力を込めた拳の一撃を振るう呪詛師エリザベートとその攻撃を受けるはずだったカルデアのマスター

彼女(藤丸立香)は今回の事で深く心が傷ついたエリザベートに許してもらうため、呪詛師エリザベートに呪い殺される事を覚悟し、彼女自身を犠牲とし、

自身が呪い殺される覚悟で呪詛師エリザベートの呪いの一撃に対し、無抵抗でその攻撃を受け入れようとしていた・・・


しかし呪詛師エリザベートのその一撃がカルデアのマスターに向けて振るうことなく、呪詛師エリザベート自身の左腕にその一撃をくらっていき、

その攻撃によって呪詛師エリザベートの左腕に多量の血が流れるほどの負傷をし、そしてその彼女(呪詛師エリザベート)の顔には・・・

自分が行なおうとしていた事を後悔し、大粒の涙を流して泣いていた・・・カルデアのマスターたちがよく知るエリザベート・バートリーの表情があったのであった。
―――――――――――――――――――――――――――――――

【(この調子のエリちゃんって、もしかして!)】
【エリちゃん!】←


エリザベート(呪詛師エリザベート)「!。子ジカ!なんで私(アタシ)の呪いの一撃を避けようとしなかったのよ!」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「おかげで危うく私の手で貴方を殺すところだったのよ!ほんと貴方はどうかしているわよ!」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「それに何よ貴方、なんで貴方がこの渋谷の街に来ているのよ!そんなに私がカルデアから家出したのがショックだったのかしら?」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「私とのハロウィンの予定を潰しておいて、今度はその事で謝罪がしたいって事なのかしら?それで私が許されるというのなら大間違いだよ!」

【まあまあちょっと待って!】
【コレには深い訳があって・・・・】←


マシュ「あの表情のエリザベートさん・・・やはり彼女はカルデアでのいつものエリザベートさんと同じのようなのですが・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。こっちも彼女(エリザベート)の事で彼女の霊基を調べて見たところ、あれはまさしくカルデアのエリザベート・バートリーその者だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ただちょっとばかしこちらもかなりの思い違いをしていた部分があって、今のエリザベート・バートリーの霊基が‥その・・・」

マシュ「???」

口元の宿儺「おい・・・貴様はいったい何者だ?あの女はどうした?俺はあの女と縛りを結んでいたはずなどだが・・・」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「!?。――なによこれ!?私のほっぺたにさらに口が・・・なんかすっごく気持ち悪いんだけど!」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「せっかくこのアイドルである私の美しい肌にこんな気持ち悪いのがついてるなんて、もう溜まったモンじゃないわ!」

口元の宿儺「なんだと!俺だって好きでお前とこのふざけた身体と共有するつもりなど1ミリも思っていない。お前の身体など不愉快極まりない!」

口元の宿儺「お前が俺を巻き込んで消滅するから、仕方がなくお前と縛りを結んでやったというのに、不敬極まりないぞエリザベート・バートリー!」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「はぁ?縛り・・・いったいなんの事かしら?貴方のような口だけの奴と約束を結んだ覚えなどないわよ!」

吉備真備「!?」


吉備真備「(宿儺と結んだ縛りを覚えていないだと?さっきまでといい、マシュと戦っていた時とは大違いにエリザベートの人格がかなり変わっている・・・)」

吉備真備「(それにあのエリザベートを見てて安心したかのような藤丸ちゃんのあの様子から、おそらく今のエリザベートの様子がカルデアの知るエリザベートと見て間違いないようだな。)」

吉備真備「(いったいどういう事なんだコレは・・・?カルデアでの事情があったとはいえ、ハロウィンの事で闇落ち呪詛師化していたエリザベート・バートリーがこうも易々と・・・)」

吉備真備「(マスターの決死の呼びかけが聞いたのか‥或いはあのエリザベートが彼女を騙すためにあえていつものエリザベートの演技をしているのか・・・)」

吉備真備「(いや演技というのはあり得ない‥本来のカルデアにいるエリザベートであるならば、あそこまであの『十劃呪法(とおかくじゅほう)』を使いこなせる訳がない‥)」

吉備真備「(まさかだと思うが、あの呪詛師エリザベート宿儺の霊基には宿儺の他にも俺の世界に関する者が彼女の霊基に寄生して――――)」


エリザベート(呪詛師エリザベート)「とにかく私はこの口元にいる宿儺の事なんか知らないわよ!私が覚えているのはねぇ―――」

エリザベート(呪詛師エリザベート)「―――――!?」

【どうしたのエリちゃん?】←

エリザベート(呪詛師エリザベート)「い、いやなによ・・・なんだか・・・身体がねじ曲がるような感じがして・・・」



ジジジ、ジジジジィィィィ~~!


エリザベート(呪詛師エリザベート)「い、いやぁぁぁ~~痛い痛い痛い痛い、イタイィィィ~~~!?」

【エリちゃん!?】←

ぐぎゅぐぎゅっ、ズズズゥゥゥ~~~!!


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「な、なんだこれは!?エリザベートの霊基が何らかの力によって引っ張られて霊基が変質しだしてる!?これはいったい・・・」

マシュ「いや、いまはそれよりもエリザベートさんが!?」


エリザベート(呪詛師エリザベート)「あぁぁ、アァァァ~~~!?嫌だよ・・・子ジカ・・・子ジカぁぁぁ~~!!」

【エリちゃん!!クゥゥ・・・・】
【令呪を持って命じ――――】←

バシッ、ジュゴォォォォォ~~~!!

【!?】←

マシュたち「!?」


ジュゴォォ~~!ズズズゥゥ~~・・・

エリザベート(呪詛師エリザベート)→呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・」カチャッ・・・

―――――――――――――――――――――――――――――――
何らかの形でいつものエリザベートの人格に戻ったエリザベートは、彼女自身の口元で困惑している宿儺に喧嘩腰で言いあいになっていたのだが、

その直後に突如、エリザベートの身体が何らかの渦のようにねじ曲がっていき、エリザベートはそれによる激痛で苦しみながらカルデアのマスターに助けを求めるように叫んでいたのだが・・・


その直後にエリザベートの右手が自身の胴体に触れ、そこから何かの力が注がれていくようにエリザベート・バートリーの身体を何かの力によるオーラが包んでいき、

そのオーラと共にエリザベート・バートリーの姿が元に戻っていき、そして彼女は先ほどの独特な眼鏡を自身の顔に付け直していき・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――

呪詛師エリザベート(■■■■)「危なかった・・・あと少し領域展延が遅れていれば、私(アタシ)もあの者の術式に取り込まれるところだったわ・・・」

呪詛師エリザベート「全く・・・カルデアのマスターに裏切られたというのにまさかマスターを守るために無理やり私の術式を自分自身に当てるなんてね・・・。」

口元の宿儺「何?お前、いったい何を言って・・・‥」

呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・・・・‥」


タッタッタッタッタッタッ・・・‥

呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・」

【エ、エリちゃん・・・?】
【これはいったいどういう・・・・】←


呪詛師エリザベート「カルデアのマスター:藤丸立香。先ほどは私の嘘で騙してしまい、真に申し訳ありません。心から謝罪させてもらうわ。」ペコリッ!

【あ、はぁ・・はい・・・】
【(なんか敬語で喋っているンですけど・・・)】←

マシュ「エリザベートさん、いま貴方が仰られている意味がとても理解に追いつけていかないと言いますが・・・」

呪詛師エリザベート「ええ。先ほどこの私が貴方たちに対して、私と宿儺と協力して子ジカと貴方たちカルデアを呪い殺す‥そのような縛りを宿儺と結んだと発言はしていましたが――」



呪詛師エリザベート「――あれは『嘘』よ!」ドドンッ!

マシュたち「―――!?」

吉備真備、播磨局、口元の宿儺「――!?」


【―――はぁ?】←
【―――なんて?】

口元の宿儺「はぁ!?俺との“縛り”が『嘘』だと!?貴様、自分がいま言っている事をわかって言ってるのか?貴様は今、貴様にとって重大な過ちを犯した!」

口元の宿儺「貴様は貴様のこのサーヴァントの身体が俺の指を取り込んだ事による呪いで英霊の座にも帰れず消滅し、その消滅はこの身体に縛られている俺も同様であると‥」

口元の宿儺「それを防ぐ為に俺との間に“俺が完全なるサーヴァントとして現界させる代わりに、カルデアのマスター:藤丸立香を呪い殺す”という“縛り”を設けた。」

口元の宿儺「それにより同じく各一定時間、交代交代で自由に行動する“縛り”も含め、俺と貴様はカルデアのマスターを呪い殺すために今日ここまで共に行動してきた。」

口元の宿儺「そのカルデアのマスターを呪い殺す“縛り”が嘘だと?貴様、俺がこのまま貴様と消滅する事をヨシとしないの良いことに俺を騙しやがったのか!!」

呪詛師エリザベート「ええ。しょうじき危険な賭けだったけど、そうでもしない限り、貴方は私に協力しないと思ってたからね。その嘘に乗ってくれた貴方もバカだったけどね?」

口元の宿儺「チィィ・・・だが貴様もわかっているはずだ!嘘であれど縛りを破れば、俺も貴様の霊基は呪いによってタダでは・・・」


シオン(通信)「その事なのですけど、あなた方『呪詛師エリザベート宿儺』がこちらの近くにいる事であなた方の霊基をこちらで分析してみたところ・・・」

シオン(通信)「こちらで保管されているエリザベート・バートリーの霊基も含め、あなた方の霊基がその呪いとかの影響を受けておらず、むしろ健康と言ってもいいほどに霊基が確立してまして・・・」

シオン(通信)「あなた方が飲み込んだという宿儺の指は気になりますが・・・今の所、あなた方の霊基がその宿儺の指による呪いによる霊基消滅は起こってはおらず、」

シオン(通信)「その藤丸氏を呪い殺す“縛り”を結んでいなくてもあなた方が呪いによって霊基が消滅する事など、まずナイナイというか・・・」


マシュたち「・・・・・・・・・」

口元の宿儺「・・・・・・」ポカーン・・・

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」

【つまりそれって・・・・】
【エリちゃんが宿儺を騙していたって事・・・?】←


呪詛師エリザベート「ええ・・・正確には宿儺とはちゃんとした縛りによる契約の元、カルデアのマスターである藤丸立香を私と宿儺と協力し、貴方を呪い殺す事が出来れば、」

呪詛師エリザベート「両面宿儺を完全な自立サーヴァントとして、私を触媒に英霊召喚をするという縛りを結んでいたのですが・・・・」

呪詛師エリザベート「“私(エリザベート・バートリー)が貴方(藤丸立香)を呪い殺す事を望んでいない場合、その縛りは破棄される”という条件で宿儺との“縛り”を結びました。」

呪詛師エリザベート「そしてその“縛り”は紛れもなく、貴方に私(呪詛師エリザベート)の呪術を込めた拳の一撃を・・・彼女(エリザベート・バートリー)はそれを止めました。」

呪詛師エリザベート「そして貴方を呪い殺すという“縛り”もまた、彼女(エリザベート・バートリー)がそれを望んでいない事で“縛り”自体がなかった事になったのです。」

口元の宿儺「!?」


【エリちゃんがそれを望んでいないって・・・・】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そう・・・我々は『エリザベート宿儺』に対して1つ思い違いをしていた。今のエリザベートにはマスターちの獄門疆に封印したあの僧侶の姿の男の手引きにより、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「エリザベート自身が口にした両面宿儺の指15本分とそれによって発生した呪いを触媒に両面宿儺を召喚させようとしていた・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかし召喚の際に何らかの不具合があり、両面宿儺はエリザベート・バートリーの霊基と共生する形で現界することになり、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「“両面宿儺としてのエリザベート”の側面と“呪詛師としてのエリザベート”の側面が時間交代で表に出ていると思われていた。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかし先ほど藤丸ちゃんを呪い殺そうとした彼女の攻撃を自身の左腕に当てて止めたのが我々の知る“エリザベート・バートリー”であった事でそれが間違いであったと確信がついた。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「今、エリザベート・バートリーには元の人格である“エリザベート・バートリー”の他に、2つの異なる霊基が共生する形で現界を保っており、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その異なる霊基を2つこそが・・・・」


呪詛師エリザベート(■■■■)「・・・・・・・・・‥」

口元の宿儺「・・・・・・・・・」

【両面宿儺と・・・・】
【自身を呪詛師と呼ぶエリちゃんって事?】←


呪詛師エリザベート「ええそうよ。エリザベート・バートリーが宿儺の指を飲み込み、両面宿儺が召喚される触媒にされていたところをこの呪詛師の私が乱入することで、」

呪詛師エリザベート「宿儺の召喚によって消滅する本体のエリザベートの霊基をこちらの術式で留め、宿儺をこのサーヴァントの身体に繋ぎ止める形で私たちは現界しました。」

呪詛師エリザベート「そして触媒にされた影響で衰弱していた彼女(エリザベート・バートリー)の霊基をこの私の持つ反転術式によって少しずつ治療をしていき、」

呪詛師エリザベート「私は彼女の名を借りる事で宿儺と縛りを結びつつ、貴方たちカルデアとそのマスターを呪い殺す事を前提に貴方たちの前に立ち塞がりました。」

呪詛師エリザベート「貴方たちカルデアが彼女(エリザベート・バートリー)の事を裏切り、その心を傷つけたクソ野郎であるのかないかを見定める為に・・・」


【(つまりそれって・・・・)】
【(エリちゃんの事を守っていたって事?)】←

吉備真備「(成る程そういうことか・・・。今のエリザベートの霊基にはオリジナルのエリザベート・バートリーと両面宿儺、それと呪詛師エリザベートと自称するもう一基のサーヴァントの3騎‥)」

吉備真備「(その3騎の霊基が1つのサーヴァントの身体を共有し、宿儺の霊基と呪詛師の霊基の2騎が表で交代ずつ行動しつつも、呪詛師エリザベートに至っては・・・)」

吉備真備「(宿儺の召喚の際に触媒にされ、霊基が衰弱していたオリジナルのエリザベートを裏で反転術式を使って修復を行なっていたとはなぁ・・・)」

吉備真備「(要は3つの魂に1つのサーヴァントの身体を宿した『サーヴァント版突然変異呪骸』って奴かな?まあ“アイツ”と比べるとしても何かしらの差があるというか・・・)」

――――――――――――――――――――――――――
吉備真備(■■■)の思うアイツ
https://collabo-cafe.com/wp-content/uploads/ae796aa452dbafd3d39066121e4a80ac.jpg
――――――――――――――――――――――――――
吉備真備「(にしてもあの呪詛師エリザベートと名乗るあの霊基・・・まさか反転術式も使える程の実力はあるとは驚きだったのだが・・・)」

吉備真備「(『反転術式』といい『十劃呪法』といい、いったいあのエリザベート・バートリーに取り憑いている呪詛師と名乗るエリザベートとはいったい・・・)」

吉備真備「(本来、呪詛師は呪術を持って人に仇なす者らとして存在しているはずなのに、あの呪詛師を自称するエリザベートの魂は遠回りながらもそれらの真逆の行いをしている・・・)」

吉備真備「(もしかしては思うが、お前はどうしてそのエリザベートの姿を間借りし、自身を呪詛師のエリザベートと名乗っているというのか・・・。)」

播磨局「・・・・・・・・・・・・・」


吉備真備「――成る程。つまりアンタはエリザベート・バートリーを生贄に両面宿儺を召喚させる儀式にあんた自身が割り込んで憑依することで、」

吉備真備「元人格のエリザベート・バートリーの消滅を防ぎ、アンタと宿儺の霊基をそのエリザベート・バートリーの身体に結び留めることで元人格のエリザベートの消滅を阻止した。」

吉備真備「そして衰弱したエリザベート・バートリーの霊基を修復しつつ、彼女の目が覚ますまでアンタは自身の事を呪詛師エリザベートと名乗り、」

吉備真備「ありもしない呪いでエリザベートの身体に魂が結びつけられた状態の宿儺を巻き添えに消滅する‥それを阻止するには自身と縛りを結んで手を組もうとする事で宿儺を欺き、」

吉備真備「あんたは衰弱してて目覚めないオリジナルのエリザベートの代わり、カルデアのマスターとそのサーヴァントに襲いかかった。」

吉備真備「それは宿儺の事を完全な形で召喚させようとしていた僧侶みたいな男を欺くことも含まれているということなのかな?」


口元の宿儺「・・・・・・・・・」

呪詛師エリザベート「・・・そうよ。」

呪詛師エリザベート「確かに私は貴方たちが特異点に来る前、抑止力の養成の元にこの渋谷の特異点に現界したサーヴァントなのですが‥」

呪詛師エリザベート「貴方たちのようなサーヴァントとは違い、私は単独でサーヴァントとしての身体を作る事が出来ず、たまたま近くにその僧侶の男ともう1人・・・」

呪詛師エリザベート「いま私のこの身体の元となっているエリザベート・バートリーとその彼女を触媒に現界されようとしていた両面宿儺を目撃しまして・・・」

呪詛師エリザベート「宿儺を完全な形で召喚させれば私の勝機はないと確信し、一か八かではありますが、私はその召喚に割り込む形でエリザベート・バートリーに憑依し、今の姿になりました。」

呪詛師エリザベート「そして宿儺とは先ほど貴方の言うありもしない呪いで消滅するというハッタリに乗せることでうまく宿儺と“縛り”を結んで利用し、」

呪詛師エリザベート「僧侶の男とは貴方たちカルデアの勢力を削る形で利用させられる裏で、私はその自身の活動時間内でこの特異点の全てを調べていきました。」


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「成る程・・・つまり君は抑止力によって召喚されるも君自体は通常の英霊のランク下である『幻霊』であって、それ故に君はサーヴァントとしての身体を得る為に、

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「宿儺の召喚の触媒として消えそうになっていた彼女(エリザベート・バートリー)に憑依する事で宿儺を完全なる召喚を妨げ、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「エリザベートの霊基に君と宿儺の霊基を結びつけることで君はサーヴァントと化し、上記の時間の“縛り”という限られた時間の中で独自で特異点の調査をしていたと。」

呪詛師エリザベート「ええそうよ。彼女に憑依した事によって口調が憑依した彼女と同じようになりましたが、人格と性格は元の私と変わっていないわ。」

呪詛師エリザベート「特異点の独自調査もそうよ。宿儺には彼の活動時間内は好きに暴れてもらっている中で、私の活動時間内ではこっちで特異点の調査をしていた。」


呪詛師エリザベート「貴方たちの事もそうです。彼女(エリザベート・バートリー)に憑依した事により、彼女の記録から貴方たちカルデアの事を知りました。」

呪詛師エリザベート「私はその記録から貴方たちが彼女とハロウィンの事で喧嘩となり、その喧嘩が元で彼女が僧侶の男に唆され、この渋谷の特異点の事件に巻き込まれた。」

呪詛師エリザベート「つまり私と宿儺がこの渋谷の特異点の発端の半分は貴方たちカルデアのせいであり、彼女を危険にさらした事もまた、貴方たちの責任でもあるのよ。」

マシュたち「・・・・・・・・・‥」

【確かにそれは本当に悪かったと思ってる。けど・・・・】←

【エリちゃんに謝りたい気持ちはこちらもあるのも確かだよ】←

呪詛師エリザベート「ええ・・・それについては先ほどの戦いにおいて子ジカが彼女への行いに対しての責任感と罪悪感を感じたわ。」

呪詛師エリザベート「自身の身を危険にさらしてまでも、彼女の心を傷つけた責任から逃げずに向き合い、彼女の許しを貰うために行動をした。」

呪詛師エリザベート「子ジカのその行動が衰弱していたエリザベート・バートリーの心を目覚めさせ、私のあの一撃から貴方を守った事に他ならないわ。」

呪詛師エリザベート「もし子ジカが彼女に謝る事などなければ、私は本気で子ジカの事を呪い殺すつもりで戦っていたわよ。」

【エリちゃん・・・・】←


呪詛師エリザベート「ですが子ジカがそれでそうであった方が私はそれで楽でしたけどね!」ドドンッ!

【ウゥ・・・・】
【(本気で呪い殺す気だったんだ・・・)】←

マシュ「・・・・・・・(反省)」シュン・・・

口元の宿儺「チィィ・・・俺に貴様との縛りを結ばせ、まんまと貴様に良いように利用されたと言う訳か。まんまと乗せられたとはいえ、とても頭の効く術士の幻霊なことだ。」

口元の宿儺「おそらく貴様との縛りを完遂したとしても、俺はこのエリザベート・バートリーという女を触媒に俺の完全な姿での現界は不可能と見て間違いないようだな・・・」

呪詛師エリザベート「そうね。それに例え、両面宿儺が完全な形で召喚されたとしても、その両面宿儺は“こちら側の宿儺”の宿儺であって、“貴方のような宿儺”ではないわ。」

呪詛師エリザベート「それこそあの僧侶の男が望んでいた宿儺であり、貴方のような宿儺は私と同じ幻霊でしかないわよ?」

口元の宿儺「・・・・・・・・・・」

【(こちら側の宿儺?)】
【(いったいあの人たちは何を言って・・・)】←


口元の宿儺「ハァ・・・。して、貴様はこれからどうするつもりだ?さんざん俺を貴様との縛りで利用してきた以上、貴様は俺にどう落とし前をつけるつもりなのだ?」

口元の宿儺「カルデアのマスターを呪い殺す『縛り』がなくなった以上、俺をこのまま放置するつもりだというのか?」

呪詛師エリザベート「いいえ。先ほど、このエリザベート・バートリーの身体が何かによってねじ曲がるような感覚を感じたはずだよね?」

呪詛師エリザベート「あれはおそらくこの渋谷を覆う奴の領域が元人格のエリザベートに反応し、エリザベートを奴の術式で押しつぶそうとしていた。」

呪詛師エリザベート「元人格のエリザベートが出たことで領域への耐性が弱まり、私たちごと奴の術式によって取り込まれようとしていたのよ。」

【奴の領域・・・?】←
【それってこの渋谷特異点を覆っている呪いって事?】←


呪詛師エリザベート「そう。今この渋谷の特異点を覆っている呪いは全て奴の術式領域によるモノであり、呪霊サーヴァントのまた、奴の術式の1つといってもいいわ。」

呪詛師エリザベート「奴の術式領域はサーヴァントにとって致死相当のな毒であり、それを浴びれば即座にそのサーヴァントは消滅に至ってしまう。」

呪詛師エリザベート「この呪詛師の私やそこの吉備真備のような呪いに詳しい者の術式への処置を施すか、或いはその呪いに耐性のあるサーヴァントがいるかどうかね・・・」

マシュ「耐性のあるサーヴァント・・・吉備真備さんや播磨局さん、それと私たちと同行していたバーヴァン・シーさんや望月千代女さんがそれに相当していると?」

呪詛師エリザベート「ええ。そしてこの術式領域は一種の領域展開であり、その性質は宿儺と同じ閉じない領域と同じと言っても過言はない。」

呪詛師エリザベート「そしてこの術式領域を展開している術者は奴ただ1人、貴方たちも一度は顔を合せているはずだよね?」


【!】
【まさかその術者って・・・】←
――――――――――――――――――――――
渋谷特異点の呪い(領域展開)した奴1人
――――――――――――――――――――――

【私を獄門疆に封印した・・・】
【あの僧衣姿の男性・・・】←

カドック(通信)「成る程。つまりその僧侶の男こそがこの大規模特異点と化した渋谷の特異点の黒幕であり、この渋谷に展開されたという“閉じない術式領域”もまた、その男の仕業だと?」

カドック(通信)「だとすればあの時の呪霊サーヴァントの数の多さはあの男の能力によるモノだったと見て間違いはないみたいだな。」

シオン(通信)「ええ・・・聖杯の欠片となる聖杯の雫から獄門疆を生み出し、それを使っての藤丸氏の封印・・・欠片とはいえど、あそこまで使いこなす事が出来るとは・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。だがそれでもその獄門疆に封印された藤丸ちゃんを解放させ、この特異点を修正させるにはその僧衣姿の男性との戦いは避けられないのは確実だね。」

呪詛師エリザベート「ええそうね。アイツとは私や宿儺も含め、エリザベート・バートリーが復活させようとしたハロウィンの邪魔をし、特異点さえも乗っ取った落とし前をつける必要があるわ。」

呪詛師エリザベート「ですが先ほど貴方たちが戦ってたようにあのままではあの僧侶の男にオチであるのは確かであり、こっちもあの僧侶の男に落とし前をつけたいのだけど・・・」

呪詛師エリザベート「宿儺の術式領域があそこまで弱体化しては私の術式だけでは勝てないと判断したわ。故に―――」


呪詛師エリザベート「カルデアのマスター・藤丸立香。貴方とは条件付きであれば、貴方とは仮契約を結んであげてもいいわよ。」

【!】←


マシュ「それってあの僧侶男性の打倒の為に、条件付きであれば我々カルデアと共闘する形で力を貸してあげるということでしょうか?」

マシュ「もしそうだとすれば、その条件をマスターが飲めば貴方たちはマスターと仮契約を結んでくれると・・・」

呪詛師エリザベート「そう言って結構よ。私と仮契約を結べば、私の他に宿儺や元人格のエリザベート・バートリーとも仮契約を結ぶって事になるからね。」

呪詛師エリザベート「ただしさっきも言ったように私と仮契約を結ぶにはまず私が出す条件をのめばの話であり、のまなければ私は貴方たちと仮契約など結びはしないわ。」

呪詛師エリザベート「とはいっても、貴方たちカルデアがこの元人格のエリザベート・バートリーに用がある以上、条件付きであろうと私と仮契約を結ばなきゃならない理由があるのでしょ?」

【うん】
【エリちゃんをカルデアに連れ戻す為だからね】←

【それで、その条件というのは・・・?】←


呪詛師エリザベート「藤丸立香、貴方は己自身の罪の過ちを悔い改め、元人格のエリザベート・バートリーと和解する為なら命を賭ける覚悟がある事を先ほどの戦いでそれらを証明しました。」

呪詛師エリザベート「貴方のその覚悟の思いによって元人格のエリザベートが蘇り、貴方の事を助けた事に他はないと思いますが、」

呪詛師エリザベート「しかしそれでも、そのエリザベート・バートリー本人が貴方たちカルデアを許した訳ではありません。微かではありますが、いま私の中にいる元人格のエリザベートの霊基から、」

呪詛師エリザベート「貴方たちカルデアに対する怒りの感情が立ち込めている事から、元人格の彼女は未だにハロウィンのことで怒っていると・・・」

呪詛師エリザベート「ですからこの渋谷の特異点の解決が済んだ後、藤丸立香を含む全カルデアの関係者総出で元人格のエリザベートに対して深い謝罪と損害賠償を支払ってもらいます。」

呪詛師エリザベート「元はといえば、これら全ては貴方たちが元人格のエリザベートとのハロウィンの予定を否定し、彼女の心を深く傷つけた貴方たちカルデアの『咎』であり、」

呪詛師エリザベート「貴方が元人格のエリザベートに対してあげられる罪滅ぼしが貴方たちに出来る唯一の懺悔となる・・・それだけはわかるよね?」


【わかった。それで良いよ】
【皆もそれで良いよね?】←

ゴルドルフ(通信)「まあ確かに・・・元はといえば、あの鮮血魔嬢がハロウィンの事で彼女の癇癪のままに我々に対して怒りちらしていたのだが・・・」

ゴルドルフ(通信)「事はどうであれ、我々カルデア内での揉め事がここまで大きくなるとは思っていなかったし、しかもそれらが原因でここまで大規模な特異点になるとは・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ・・・こちらの諸事情でチェイテ特異点を彼女(エリザベート)の無許可での修正かつ彼女への配慮不足とそれによる暴走を止める事が出来なかった・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「故に最初の頃に会った吉備真備や呪詛師側面のエリザベートの言う通り、この渋谷特異点の被害を拡大させたのは他でもなく我々『カルデア』の監督不行届が原因だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「もしこれらの特異点修正が我々『カルデア』への贖罪且つ刑罰であるならば、我々はその罰を快く受け入れよう。」

マシュ「はい。私たちがエリザベートさんに対しての配慮が足りなかったせいでこのよう特異点が発生したとすれば、それは私たちがやらかしてしまった事のしての罰として受け入れるしかありません。」

マシュ「ですからもしそれらが全て許される事が今回の特異点修正であるのならば、私たちは全力全霊を持ってやり遂げるしかありませんね、先輩。」

【うん】
【要は『オーディール・コール』のエリザベート版だよね】←


口元の宿儺「おい貴様ら。貴様らは本当にこの女の事を信用する気なのか?この女は俺らが呪いのよって消滅すると偽り、俺と協力させる為の“縛り”を結ばせた嘘つきだぞ!」

口元の宿儺「そのような呪詛師の女を信用すれば、いずれにしてもこの女は貴様らを裏切る。その女を信用したところで貴様らの罪が許されることなど・・・」

吉備真備「それ、術式の必中効果が得られないから術式の開示で恰も必中効果を得ているとハッタリをかましたお前が言える立場じゃねえだろアンタは!」

吉備真備「君たちの事については僕も1ミリも逃さず君たちを監視するさ。さっきまでこちらの敵だった君たちと仮契約を結ぶからね。」

吉備真備「なんなら僕と君たちでマスターが元人格のエリザベートが心からカルデア全員に謝罪するまでマスターに手出しをしない“縛り”を結んでも構わないよ。僕は結ぶ気満々だけどね?」

呪詛師エリザベート「結構よ。貴方たちと“縛り”を結ぶのはロクな事はないし、“縛り”なんてこっちはもう間に合っていますので。」

呪詛師エリザベート「カルデアのマスターとの仮契約はあくまで元人格のエリザベートに許しを請うまでのいわば“執行猶予”・・・子ジカたちに私が与えた懺悔の猶予と言ってもいいわ。」

呪詛師エリザベート「貴方たちカルデアはこの特異点解決を元に貴方たちが元人格のエリザベート・バートリーにしでかした事への反省とその結果をこの行動で示しなさいって事よ。」

【確かにそうだね】←


【私たちはエリちゃんにとても酷い事をした】←
【エリちゃんの思いを棚上げにしてその心を踏みにじってしまった・・・】

マシュ「はい。我々カルデアはエリザベートさんの気持ちも考える暇もなく、特異点の重大さを言い分けにエリザベートさんの『ハロウィン』への思いを『昼と夜の聖杯戦線』という形で踏みにじりました。」

マシュ「理由がどうであれ、この行いは我々カルデアがしでかした大きな過ちとして残り、その過ちの代償が今回の特異点として返ってきたとすれば・・・」

マシュ「我々カルデアはそれをオーディール・コールと同じ扱いとして心から向き合い、それがエリザベートさんに許される行為であるならば・・・」


呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・・」

【必ず私は皆と一緒にエリちゃんに心から謝りにいくよ!】←

【だからもう少しだけ待っててね・・・エリザベート・バートリー。】←

呪詛師エリザベート「貴方たちが元人格のエリザベート・バートリーに対して心からの謝罪を行なおうとする気持ちはよくわかりました。」

呪詛師エリザベート「ですがそれは元人格のエリザベートに対してのことであり、呪詛師の私には貴方たちに対して何も感じる事などありません。」


呪詛師エリザベート「ぶっちゃけ言うと、私は貴方たちの事などどうでもいいから!」ドドンッ!バィィィ~~ン!

【は、はいわかりました!】←

吉備真備「・・・・フッ・・・。」

―――――――――――――――――――――――――――――
呪詛師『エリザベート宿儺』と化したエリザベート・バートリーはカルデアのマスターを呪い殺す為に、カルデアのマスターはエリザベート・バートリーと和解する為に、

それぞれの想いと憎悪が交差する中で互いの存亡をかけたカルデアのマスターとエリザベート宿儺の戦いは熾烈を極めていき・・・

その最後は彼女(呪詛師エリザベート)の中で眠りについていた本物のエリザベート・バートリーの心を呼び覚ました事でその戦いは終わりを告げた。


そして彼女たちはこの渋谷の特異点の黒幕がチェイテ渋谷神社城の地下で会った僧衣姿の男性であると確信を持ち、事態の解決の為の一環として、

呪詛師エリザベートはカルデアのマスターたちに執行猶予を含めた条件付きの仮契約を申しつけ、カルデアのマスターはそれを受理する形で彼女と仮契約を結ぶのであった。


かくしてカルデアのマスターたちが本物のエリザベート・バートリーに心からの謝罪と損害賠償を支払う条件の下にエリザベート・バートリー(エリザベート宿儺)と仮契約を交わし、

渋谷特異点の解決するという執行猶予を与えられたカルデアのマスターは本物のエリザベート・バートリーに必ず謝罪をすると進言をするのであった。

オマケ:『呪詛師エリザベート宿儺』の仮加入


エリザベート宿儺(両面宿儺)「言っておくがこれは仮そめの契約であり、俺は貴様をマスターとは認めておらん。」

エリザベート宿儺(両面宿儺)「しかし事情がどうであれ、貴様とサーヴァントとしての契約をした以上、俺は貴様の指示に従おう。」

エリザベート宿儺(両面宿儺)「まあ、せいぜい俺の術式の巻き添えを食らって死ぬんじゃないぞマスター・・・?」

――――――――――――――――――――――――
星4バーサーカー:呪詛師エリザベート宿儺、イベント内での注意点


エリザベート宿儺(元人格のエリザベート・バートリー)はマスターがハロウィンの予定を潰した事に対してとても怒っているようだ。

それ故に仮契約しているエリザベート宿儺はマスターとの絆レベルが上がらない他、バトル中での宝具発動もしてくれない。

ストーリーを進めて彼女(エリザベート宿儺)との信頼を取り戻し、彼女と仲直りをしよう。
――――――――――――――――――――――――

第11廻戦:否定するは白天の城、黒夜の城
――――――――――――――――――――――――
エリザベート宿儺(両面宿儺)の記憶:ある時代にて・・・


生前の両面宿儺「クッハハハハハハハハ!!」

ある1人の呪詛師(裏梅)「・・・・・・・・・‥」


千年前――呪術全盛の時代のあの頃、俺はその時代に生きる全ての人間たちから恐れられる呪いの王として君臨していた。

弱者を一方的に痛めつけ殺す事を快楽とし、その人間の肉を喰らう事を自身の喜びとしてその時代の人生を謳歌してきた。

それ故にこの俺を倒そうと当時の呪術師たちが数多く俺に挑み、俺はそいつらを死という結末で返り討ちにしてきた。

誰も俺を祓う事など出来なかった。誰も俺を殺す事など出来もしなかった。故に俺は俺で好きなように生きてきた。


誰も俺の『自由』を止める事など出来なかった。あの時まではな・・・‥
――――――――――――――――――――――――――――――
エリザベート宿儺(両面宿儺)の記憶:とある時代、とある高校の校舎にて・・・・


ガシュッ、バシュゥゥン!!

宿儺(虎杖悠仁)「フッフッフッフッフ…アハハハハハッ!アハハハハッ!あぁ!やはり光は生で感じるに限るなぁ!」

宿儺「いい時代になったものだなぁ。女も子どもも蛆のように湧いている。素晴らしい!鏖殺だ!」


そんな俺であれど、必ず訪れる『死』という名の呪いに屈服した。『生きる』うえで『死』は必ず起きるものだ。

俺が平安の余で死んだ後、骸と化した俺の指20本は特級呪物として残り、その時代に生きる呪術師たちによって良いように利用されてきた。

俺の死後、当時の呪術師共はその20本の指を消滅させることなど出来ず、それらを封印し散逸させることで俺の力を利用しようと考えていたのだろう‥

自身の骸の一部が呪物と化しても尚、器となる者に呪物を喰わせる事で俺はそれを糧に受肉し、俺は現世に蘇る術を自身にかけていた。

受肉してしまえばあとは俺の自由・・・器となった者の意思など俺の魂の前にはひれ伏すに超したことはない。そう思っていたはずだった・・・


ガシッ!

宿儺(虎杖悠仁)「あぁ?」


虎杖悠仁(宿儺)「人の身体で何してんだよ。返せ。」

宿儺「・・・・?。お前、なんで動ける?」

虎杖悠仁「いや俺の身体だし・・・」


宿儺「(どういう事だ・・・抑え込まれる・・・・)」

呪物として自身の魂を分ける事で次の時代で生きる事が出来た俺は、呪物である俺の指を喰らい、そいつを俺の依り代として復活を遂げたはずだった・・・。

しかし俺が呪物から受肉して蘇る際に器とした少年が俺をその身体に閉じ込め、尚且つその自我を失う事のない・・・ある意味、俺を束縛する為の『器』としての適性がその少年にはあった。


虎杖悠仁―――あの小僧の『器』としての圧倒的な適性に俺は初めて不自由で不快な気持ちとなった。そいつをとても疎ましいと思った。

俺の指一本分だったとはいえ、俺がこの世にこのような屈辱を受けたのは初めてだった。まさかこのような思いをするとは俺も初めはそう思ってはいなかった・・・

故にあの小僧に受肉している間、俺は俺であの小僧には暇つぶし程度で精神的にあの小僧をいたぶってやっていた。

俺という呪いを取り込んだことで起こった惨劇を小僧のせいとしてその死に様を腹の底から嗤いてやった。小僧の心が折れるまで彼のその様を腹の底から笑ってやった。

しかしあの小僧はしぶとかった。何度もあの小僧の心が折れようとも再び立ち上がり、小僧は自身にかっせられた試練を乗り越えてきた。

『千年生まれてこなかった逸材』にして『百折不撓の理想』を持つあの『虎杖悠仁』という男という者は、俺にとって一番記憶に残る存在でもあったのだ。


それともう1人・・・俺の記憶に一番残る呪術師との記憶があるのだが・・・・

■■■(回想)「人の心配をしてる場合じゃないよ虎杖悠仁君。君の秘匿死刑が――――」


ガガ、ガァ~~ガァ~~ガァァ~~~~・・・‥
――――――――――――――――――――――――――――――
渋谷 金王八幡宮付近


パチパチパチッ・・・‥

【今の夢って、】
【宿儺の記憶・・・?】←


タッタッタッタッ・・・・・・

両面宿儺(エリザベート)「ようやく起きたかカルデアのマスター。睡眠としては少し長い方か?」

【宿儺・・・】
【呪詛師の方のエリザベートは?】←

両面宿儺(エリザベート)「あの女なら貴様が寝ている間に時間が来たから俺に交代して生得領域に戻ったところだ。」

両面宿儺(エリザベート)「生得領域っといっても、わかりやすく言えばこのエリザベート・バートリーの心の中であり、あの女は定時に帰ったというか‥」

両面宿儺(エリザベート)「あの女、自身が本物のエリザベート・バートリーではないと身バレはしているというのにシラをきりやがって・・・」

両面宿儺(エリザベート)「“企業秘密上、私の真名は言いません!”って、アイツは真面目すぎるバカなのか?」


【う~んどうだろう・・・】
【人それぞれかと思うのだけど・・・】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「確かに自身を呪詛師と名乗るエリザベート・バートリーは明らかに元のエリザベートとは違う存在であり、元のエリザベートに取り憑くことでサーヴァントと化した『幻霊』だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だとしてもあの呪詛師の彼女が幻霊だろうとサーヴァントとなってる以上、彼女のその存在を示すちゃんとした真名があるはず・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかし彼女と仮契約しているとはいえ、彼女は我々のことを信用していないのか、未だに自身の真名を明かそうとはしていない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「あるいはその彼女の真名を明かせば彼女にとって都合の悪い事が起きるのか、今の所その点についてはまだ言えない橘のだが・・・」

【確かにそうだね】←
【けど今はそれよりも・・・・】


マシュ「はい。とりあえず今はマスターを獄門疆に封印した僧衣姿のサーヴァントを見つけ出し、獄門疆に封印されているマスターを完全に解放させる必要があります。」

マシュ「それにあの僧衣姿のサーヴァントがこの渋谷特異点の黒幕としても、そのサーヴァントが今どこにいるかと・・・」

【まだチェイテ渋谷神社城の地下じゃないのかな?】
【もしかしたら既に移動しているのか・・・】←

吉備真備「いや、あんな不意打ちをしてくる奴があのような目立つ所の地下に一カ所に留まるはずがない。おそらく今、あの場所に戻っても既にもぬけのカラだ。」

吉備真備「もしくはまた、駅の地下鉄を使って呪霊サーヴァントを多数使役して奇襲をし、またあのような事を繰り返す事になるかもしれないしね?」

【・・・・・・・・・】←

―――――――――――――――――――――――――
回想シーン:チェイテ渋谷神社城地下 東京メトロ 副都心線ホーム内


望月千代女「ここは拙者が殿を!皆はマスターと宿儺を連れて撤退を!」

―――――――――――――――――――――――――

両面宿儺(エリザベート)「あの望月千代女というアサシンのサーヴァントの事か、彼女は呪いとしてはまあまあの強さと言ったところか・・・」

両面宿儺(エリザベート)「彼女の内に宿る呪い・・・あれはおそらく伊吹大明神のモノと感じたが、どうも俺を満足に至らぬシロモノだ・・・」

両面宿儺(エリザベート)「千代女の奴、せいぜいあともう少し人としての心を捨て、相手を呪い殺すだけに集中していれば、あの僧侶の男に勝てたモノを・・・」

【千代女さんは人間だよ!】
【千代女さんはそんなことをする人じゃない!】←


両面宿儺(エリザベート)「ほお?お前はその千代女が人の姿をしても、あの僧侶を倒す事が出来たんじゃないかと思っているのか?」

両面宿儺(エリザベート)「それについては皆無だ。実際に彼女はあの殿から戻ってくる事はなかった。それが事実と言ってもいい。」

両面宿儺(エリザベート)「呪いというのはそう言うモノだ。誰かを呪いたいが故に術士は存在すると言うからなぁ~・・・」


【な、なにを・・・・!】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「宿儺!それに藤丸ちゃん!今は互いに言い争っている場合ではない。望月千代女の安否が気になる事はこちらも承知なのだが・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「藤丸ちゃんたちを逃がしてくれた彼女のためにも藤丸ちゃんを獄門疆から解放させないといけないからね。」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・チィィ・・・。」

【うん、そうだね・・・】
【ゴメン・・・私がどうかしてたわ・・・】←


シオン(通信)「ハァ・・・・。話を元に戻しますが確かに吉備真備殿の言う通り、あのチェイテ渋谷神社城の地下に僧衣姿のサーヴァントが留まっている事はまずないとこちらは思っており、」

シオン(通信)「地下空間による地形と建物の不自然さや空間の狭さから、例えそこにその僧侶のサーヴァントが留まっていたとしても、そこの空間の狭さや彼の戦力の多さからして、」

シオン(通信)「藤丸氏が獄門疆とやらの特殊な箱に封印したように再び不意打ちを仕掛けられる可能性は大かと・・・」

マシュ「・・・・・・・・・」

【確かにあの人の様子からあり得るかも・・・】

シオン(通信)「・・・ですが、先ほど藤丸氏が先の戦いの疲れで就寝していた頃に呪詛師エリザベートから興味深い情報を開示してくれましてね・・・」

シオン(通信)「具体的な説明をしてくれる前に呪詛師のエリザベート氏は時間の“縛り”故に定時交代されてしまいましたのですが・・・」

シオン(通信)「彼女によると“その場所は宿儺も知っている場所だから宿儺に案内させてもらえ。”と言われまして、とりあえず宿儺の案内の元でその場所へと向かってといたのでしたが・・・・」

シオン(通信)「その向かっている場所がこうも吉備真備氏のアジトから数メートルも離れてもいないすぐ近くでして・・・・」

【すぐ近くって・・・・】
【もしかしてアジトの隣にあの僧侶のサーヴァントの根城が?】←


両面宿儺(エリザベート)「そのまさかだ。俺とあの女はあの僧侶姿の奴が拠点としている場所に心当たりがあってなぁ・・・その場所というのがまさかだと思っていたのだが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「よもや貴様らが隠れ家としている場所のすぐ横近くにあったとは、俺もここに来るまで思いもしなかった‥。」

両面宿儺(エリザベート)「吉備真備。貴様、黒幕がいるかも知れない場所に自身のアジトを構えていたとは、貴様の緊張感の感覚は鈍感だというのか?」

マシュたち、播磨局「――!?。(ジロッ!)」

吉備真備「・・・・・・・・・」


【真備さん・・・・】
【もしかして最初から黒幕のことを知ってたりするの?】←

吉備真備「あぁ~~いやいやいや!それについてはただ偶然にもそこに自分のアジトを用意しただけで、すぐ歩いた近くに黒幕のアジトがあるなんて知らなかったというか・・・・」

吉備真備「ほんとこれだけは僕も知らなかったよ!まさかこんな間近にマスターの事を封印したサーヴァントの拠点があったとはねぇ~~・・・アハハハハハハ・・・・」


【・・・・・・・・・】
【(だとしても本当に偶然なのかな・・・?)】←

両面宿儺(エリザベート)「・・・・まあアイツの事はそれとして‥。カルデア、貴様らの知る渋谷の地域でこの付近に何かあるのかぐらいはわかるはずだよなぁ?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「地域?ああ確かにデータ通りであれば、いま藤丸ちゃんたちがいる所のすぐ近くには『金王八幡宮』という神社があるはずだ。」

マシュ「金王八幡宮といえば平安時代の寛治6年、もとい1092年に渋谷氏の祖である渋谷重家の元に城である渋谷城と共に建てられており、当初は渋谷八幡と呼ばれていた記録があるのですが、」

マシュ「その重家の婿男の常光がその神社に子宝祈願をしたところ、後に金剛夜叉明王の化身と称する『金王丸』が生まれた事により、神社の名を今の金王八幡宮と改名したという伝承があります。」
  
マシュ「その他にもその神社には応神天皇を祭神として奉っており、2016年前の現代でも渋谷の観光地の1つして残っているのですが・・・・」

両面宿儺(エリザベート)「その場所こそ俺がサーヴァントとして目覚めた場所であり、元人格のエリザベートもあの場所であの僧侶のサーヴァントと会ったと見ている。」

両面宿儺(エリザベート)「おそらくあの場所にはこの特異点を要となるモノが隠されているのかもしれん。その要となるモノとすれば・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。おそらくその神社にはこの特異点の元凶たる聖杯、もしくはそれに類するモノがこの特異点の要石として置いてあると推測できる。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そしてソレらがこの特異点の要である以上、あの僧侶のサーヴァントもいると宿儺は見ていると・・・・」


キョロキョロキョロ・・・・・・

【でも周りは普通に街と林の風景しかない】
【もしかしてだけど、コレって・・・・】←

両面宿儺(エリザベート)「気づいたか。そう、いま目の前の辺りに見えるのはこの渋谷にもある街と木群の風景にしか見えないが、あれらは偽物の風景だ。」

両面宿儺(エリザベート)「俺たちがいま目の前に見てるのは、俺たちを神社に入れないための“帳”・・・それも術式がとても高度なモノだ。」

両面宿儺(エリザベート)「真備の目や術式にも視覚できていないとなると、それ程までに他者に見られたくないモノがそこにあるのは間違いないかと・・・」

吉備真備「ああ・・・しょうじき言って、特異点の元凶がすぐ近くに会ったというのにすぐに見つけられなかった事が凄く悔しいというか・・・」

吉備真備「それ程までに見つける事が出来なかった以上、このような帳を降ろすほどに他の者たちに見つかって欲しくない理由があるとすれば・・・・」

【そうと決まれば行くしかないね?】
【あの帳の内側に“彼”がいる・・・・】←


播磨局「ああ、あの帳の中に藤丸立香を獄門疆に封印したあの男がいるとすればそれはそれで間違いないのは確実だな。」

播磨局「だが問題はその帳の内側にどうやって入るかだ。この特殊な帳を降ろしてまで重要なモノを隠したい以上、この帳は外から入れないような術式も入っているんじゃないのか?」

吉備真備「らしいな・・・となるといま僕らが出来る事があるとすれば、この帳の発生源となっている基を見つけて壊せばいいのだが、その基を見つけられるか・・・・」


???「おや?君たち、どこかお困りのようだがそこでなにをしているんだ?」

吉備真備、播磨局「!」

マシュ「――!?」


【この若々しく逞しい声は・・・】
【この還暦のある勇ましい声は・・・】←

スタッ、スタッ、スタッ、スタッ・・・・・・‥


カルデアのマスターたちの前に現れた者
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/423180.png?date=1698234953


???→プトレマイオス(老)「もちろん吾だ。待たせたな、我がマスターよ。」

【えっ・・・・?】
【プトレマイオス?】←
――――――――――――――――――――――――
獄門疆に封印されたカルデアのマスターを救う為、そして事件の黒幕である僧衣姿の男を見つけるために新たに両面宿儺(他、呪詛師エリザベート)と仮契約を結んだカルデアのマスター

彼女たちは黒幕である僧衣姿の男の重要拠点となる『金王八幡宮』に向かっていたが、その場所の前にはそこを隠しながら守るかのように特殊な“帳”が降ろされており、

どうにかその“帳”の発生源となる『基』を探し、帳を上げて先へと進もうと意気込んでいた最中、カルデアのマスターたちの前に現れた1人のサーヴァント


そのサーヴァントは最初期に渋谷特異点に到達した直後、両面宿儺(エリザベート)の手により、身体を5枚おろしに斬られて消滅したはずのファラオとしてのプトレマイオスがそこにおり、

そのプトレマイオスの額には何処で負傷したかもわからない縫い目の傷が付いていたのであった。
―――――――――――――――――――――――――

マシュ「プトレマイオスさん!?どうしてあなたがここに・・・・あなたは確か宿儺によって身体を切り刻まれて・・・」

プトレマイオス(老)「うむ‥確かに吾はそこの両面宿儺の手により、我が身は5枚に切り刻まれ、一度はこの特異点から退去させられた。」

プトレマイオス(老)「しかし吾はどうにか自力で回復処置を行ない、ダ・ヴィンチたちの眼が届かぬ隙に再びこの特異点に舞い戻ってきたのだ。」

プトレマイオス(老)「回復には少々時間は掛かったが、吾はこの通り霊基も含めて無事と言ってもいい。」


バーヴァン・シー「え、うっそ!?自分で自分で受けた重傷を治して戻って来たって事かしら!そんなのいくらお母様でもとてもじゃないほど難しいというのに・・・」

バーヴァン・シー「・・・ってか、なにその額の傷はどうしたっていうの?自分で傷を治したわりには傷が残っているんじゃそれを回復したって事になんないんじゃないのかしら?www」

プトレマイオス(老)「ああこの額の傷か?それは少し前に吾の前に現れた敵性サーヴァントとの戦いで負った傷だ。」

プトレマイオス(老)「よほどの軽傷であったゆえに魔力消費を抑える為にこの傷は軽い処置で済ませた結果、このような傷が残ってしまったというか・・・」


両面宿儺(エリザベート)「貴様・・・・俺の領域展開をモロに喰らって消滅したと思っていたのだが、まさか生きていたとはなぁ・・・」

プトレマイオス(老)「ああ。あの時は不意を突かれたとはいえ、貴様のような呪詛のような奴にやられる吾ではないぞ。」

プトレマイオス(老)「それにしてもマスター。そしてマシュ。お前たちのような2人が、なぜそこの両面宿儺の奴と一緒にいるのだ!」

プトレマイオス(老)「奴はお前たちの知っているエリザベート・バートリーではない。お前たち、気は確かなのか!?」

マシュ「待ってくださいプトレマイオスさん!これには深い理由がありまして、今の宿儺はカルデアの敵ではありません。むしろ宿儺は・・・」

プトレマイオス(老)「いや、今のお前たちの言う事など信じられん。お前たちは宿儺に騙されている!マスター、すぐに奴の側から離れ、すぐにでも吾の元へ行くのだ!」

【ちょっと待って!】
【プトレマイオス、なにかおかしいよ】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん、確かに藤丸ちゃんの言う通りだ。いくらあのプトレマイオスであっても、瀕死寸前のサーヴァント単騎での回復など無理がある。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それに特異点退去からの再度の特異点でのレイシフトの反応は確認もされてもいないし、そして何よりも・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「プトレマイオスも含めて、他の3騎のサーヴァントの霊基が特異点から帰ってきていないんだ!」

マシュ「えっ・・・・?」

【退去したのに帰ってきていないって・・・】
【じゃあ、そこにいるプトレマイオスって・・・・】←


プトレマイオス(老)「何を言ってる!今の吾はれっきとしたカルデアのマスターのサーヴァントだ!」

プトレマイオス(老)「吾はマスターの呼びかけに応じて召喚され、彼女との契約もし、カルデアからの魔力供給もされている。それはお前もわかるはずだ!」

シオン(通信)「確かにこちらからの観測からしても、彼は正真正銘のカルデアのプトレマイオスの霊基で間違いないのですが、ダ・ヴィンチ女史の言う通り・・・」

シオン(通信)「今のプトレマイオス氏の発言には多くの矛盾があり、なにより一度は宿儺に破れ、その霊基は特異点から退去したにも関わらず、」

シオン(通信)「サーヴァントの霊基が特異点から戻って来ていないとなると、今そこにいるプトレマイオスが言ってた事は全て嘘の証明でしか聞き捨てなりません。」

シオン(通信)「あなたは本当にカルデアのプトレマイオスなのですか?本物のプトレマイオスであれば、このような嘘をつくはずなど・・・」

【それに疑わしい事が1つある】
【信じたくない話なんだけど・・・】←

プトレマイオス(老)「・・・・・・・?」


【私の令呪を通してわかる・・・】
【今、私とプトレマイオスは近くにいるのに・・・】←

【令呪によるプトレマイオスとの繋がりを感じない‥】←

プトレマイオス(老)「!?」

マシュ「令呪によるサーヴァントとの繋がりを感じない・・・それってつまり、目の前のプトレマイオスさんとは令呪で繋がっていないって事なのですか!?」

マシュ「それが本当であれば、いま目の前にいるプトレマイオスさんは一体・・・」

吉備真備「ああ・・・おそらくあのプトレマイオスのおじいちゃんは外見も中身も本物なのだが、あのプトレマイオスは別の者によって召喚された別人だ。」

吉備真備「でなければマスターの持つ令呪で彼との繋がりを感じていない訳がない。とすれば、目の前にいる彼は・・・・」


プトレマイオス?「デタラメを言うなマスター。召喚されて間もない身であるが、吾とマスターとの繋がりを感じないなど、あるはずがなかろう!」

【そうかもしれないけど、本当の事だよ】←

【目の前にいるのにプトレマイオスと私との繋がりが感じられない・・・】←

プトレマイオス「――――!?」

【あなたは誰なの?】←
【カルデアのプトレマイオスではないのなら、いったい・・・・】

プトレマイオス?「・・・・・・・・・・・・」


プトレマイオス?「・・・・誰だと?まったくお前たちは吾よりもとても“賢い”そうではないか―――」

マシュたち「!?」

プツッ、シュルシュルシュルゥゥ~~・・・



プトレマイオス?「―――キッショ」



シュルシュゥゥ・・・‥プツンッ!―――パカッ!


プトレマイオスの今の表情(イメージ)
https://img.gamewith.jp/img/2605ec8457a73cc59b8211bbf7d6e5d0.png

https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/7/a/7acec129.jpg


プトレマイオス?「なんで分かるのだよ」ビチャビチャァァ~~‥

突如としてカルデアのマスターたちに現れた、両面宿儺(エリザベート)との戦いで斬り刻まれて倒れたはずのカルデアのサーヴァント・プトレマイオス(老)

しかしその彼はカルデアのマスターの令呪のパスはないかのように彼とマスターとの繋がりがない事がわかり、その彼がカルデアのマスターたちが知るプトレマイオスではないと確信した。

その事を指摘され、自身がニセモノであるとバレたプトレマイオス?は自身の正体を明かすかのように豹変し、

彼の額の傷を縫っていた糸を取り、その頭の中にある緑色の脳みそを見せるかのように頭を開き、プトレマイオスと名乗る偽物は満遍な笑顔でそれを見せびらかすであった。
――――――――――――――――――――――――――――――

マシュ「これは!?プトレマイオスさんの脳みそが露出して、しかも色も通常の脳みそとはあまりにも色が違います!」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。こちらもプトレマイオスの姿を確認しているのだが、あの偽物のプトレマイオスの霊基と魔力なのだが‥」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「霊基が呪霊サーヴァントの奴とも違う、まるで本物のカルデアのプトレマイオスのように計測しているのだが・・・」


偽プトレマイオス(老)「そういう能力を付与させてもらったのだ。この姿にしたのは吾を召喚した者がどうもそのプトレマイオスという者を嫌っていてな。」

偽プトレマイオス(老)「もしお前たちと会い、自身の正体がバレた際に先ほどの演出で嫌がらせをしろと、その者にリクエストでお願いされたのだ。」

【(お願いされたって・・・・)】
【(もしかしてその召喚した者って・・・)】←


偽プトレマイオス(老)「この能力は自分自身を脳みそと化し、対象の人間の脳みそと入れ替えることで入れ替えた者の身体能力や魔術式、記憶まで手に入れることが出来る。」

偽プトレマイオス(老)「もちろんこのプトレマイオスやその他の英霊の脳みそも入れ替えることが可能で、その彼の特有の魔術をまた、今の吾も使用可能であると言う事だ。」



キラァァ~ン!

偽プトレマイオス(老)が変身した姿(頭には緑色の脳みそ)
https://appmedia.jp/wp-content/uploads/2023/10/9eadb71d18468eebd17e6e5b35e2a2dd.webp


偽プトレマイオス(老)→偽プトレマイオス(若)「・・・どうだ。」ドヤァァ~‥

マシュ「そんな・・・・おじいさんの方から青年の方への霊殻の入れ替えさえも可能だというのですか!?」

偽プトレマイオス(若)「そういうことサ!吾はこの姿を得てとても賢くなったから、このような戦法は使っていくのが当然だよネ!」


カポッ!キュッ、キュッ、キュッ、キュッ!

偽プトレマイオス(若)「さて――吾の脳みそを閉まった所で、お前たちが持ってるその獄門疆を渡してもらおうか!」

偽プトレマイオス(若)「っというか、なんでカルデアのマスターが獄門疆の外にいるんだ?話によれば、お前はまだ獄門疆の中に封印されているって・・・」


【!】
【(狙いは私と獄門疆・・・)】←

両面宿儺(エリザベート)「おい貴様。獄門疆を渡せと言うからには、貴様はそのプトレマイオスの身体にした奴に獄門疆を奪えと命令されたのか?」

両面宿儺(エリザベート)「そいつの姿は僧侶みたいな服を着た、水のような力を操る奴だったか?貴様はそのような奴の術によってその姿で召喚されたのだろうが。」

偽プトレマイオス(若)「僧侶?ああ確かに吾がこの姿となって最初に見た奴がそいつだったな?獄門疆を奪ってこいと命令したのもそいつだった。」

偽プトレマイオス(若)「あっ、でもだからとて吾はそいつの真名を言わぬゾ。吾はとても賢いからサーヴァントの真名が明かされるとマズいことは大体わかる。」

偽プトレマイオス(若)「お前たちが吾からその召喚者の名を聞き出そうとしても無駄だ。吾は賢いからその程度の罠には引っかからないゾ!」

【クッ・・そうなのね・・・】
【(真名を明かさないとなると、やはり彼は・・・・)】←


偽プトレマイオス(若)「お前たちは知ってるか?この特異点という世界は呪いに賢くない奴から死ぬ。吾はこの姿でも呪いの事については賢いから先に死ぬことなどない。」

偽プトレマイオス(若)「聞いたところじゃ、お前たちカルデアのサーヴァントはもう既に5人もこの世界の呪いによってやられているようじゃないか。」

偽プトレマイオス(若)「故に呪いの事などよく知らぬお前たちは今の吾に勝てぬ。ましてや吾がどのような呪いなのかも分からぬお前たちなんかに――」

両面宿儺(エリザベート)「確かにカルデアのこいつらは俺たちのような呪いなど赤子の如く無知で無策な者たちばかりと言っても良いぐらいだ。」

両面宿儺(エリザベート)「俺が斬り刻んだ方のプトレマイオスもそうだ。奴は俺の術式を知らぬが故に糸も簡単に身体を5枚に斬り刻まれてやられたからなぁ~?」

マシュ「ツゥゥ・・・・」

【(確かにそうかもしれないけど・・・)】←

両面宿儺(エリザベート)「しかしそれでもこいつらは己の望みの為なら例え誰であろうと立ち向かい、そしてそこから勝利をつかみ取ってきた奴らだ。」

両面宿儺(エリザベート)「俺はそんなカルデアのマスターとサーヴァントとしての仮契約を交わしている以上、俺は貴様が誰であろうと倒さなければならない・・・」

両面宿儺(エリザベート)「・・っというか貴様・・・プトレマイオスのジジイの姿を被ってはいるが、俺は貴様がどのような呪霊であるのかを知っている・・・」


両面宿儺(エリザベート)「貴様、『バッタの呪い』の雑魚呪霊だろ?」

――――――――――――――――――――――――――――
両面宿儺(エリザベート)が指摘する偽プトレマイオスの正体
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/5/3/5301643d.jpg
――――――――――――――――――――――――――――

偽プトレマイオス(若)「―――ンナァ!?」

両面宿儺(エリザベート)「人の姿をして隠したようだが、貴様の性格と虫のような匂いがダダ漏れだぞ?」

両面宿儺(エリザベート)「貴様が賢い賢いとうるさく言うから、俺はすぐに貴様があの時の『バッタの呪い』の器だとすぐにわかった。」


【バッタの呪い?】
【宿儺、いったいそれってどういう‥】←

誤字修正:器→魂
―――――――――――――――
キラァァ~ン!


偽プトレマイオス→二級呪霊・プトレ蝗GUY(老)「あ、あっぁぁ・・・・。お、お前‥賢いはおろか吾がこの姿になる前の吾を知っているというのか!?」

プトレ蝗GUY「驚きのあまり姿がまた老人に変わってしまったが、今はそれどころではない!なぜお前は吾の事を知ってる!吾はお前とは初めて会う奴らだというのに!」

両面宿儺(エリザベート)「まあ知らないのもわかるな。俺はお前のような雑魚呪霊とは直接会ってはいない‥お前など直接会うこと自体、不愉快なのだからな。」

プトレ蝗GUY「あ、会ってないだと・・・!?そうかお前、さてはあの時の呪術師の仲間なのか!だったら尚更、自身の仇を取る!」

両面宿儺(エリザベート)「ほお・・・そうくるかバッタの呪霊よ。自分の仇討ちの為に俺たちに八つ当たりを仕掛けてくるか。戦いを仕掛けてくる理由としては悪くないなぁ・・・。」

【(あの時の呪術師に仇討ちって・・・)】
【(一体なにを言っているんだ?)】←


ゴルドルフ(通信)「あやつらの話に釣られるな藤丸立香。あの偽物のプトレマイオスと両面宿儺とはどのような関係なのかは知らぬが、そんな事はいま関係ない。」

ゴルドルフ(通信)「あのプトレマイオス自体、呪霊サーヴァントが化けた偽物であるならば、あの偽物をすぐ祓えれば良い話ではないか!」

ゴルドルフ(通信)「まったく、なに自分自身は賢いだ・・・自分こそが賢いと言ってるだけで自身のうぬぼれをまき散らしているだけではないか!」

ゴルドルフ(通信)「賢いというのはお前のように自分で名乗るものではなく、人から尊敬されて呼ばれる事こそ、真の意味で賢いというのだ。」

ゴルドルフ(通信)「お前のように自分で自分を賢い奴であると呼ぶ奴など、ただの賢くもないただの馬鹿として呼ばれないのだぞ!」

プトレ蝗GUY「なっ・・・・そうなのか!?」

【新所長・・・】
【(たまには良いこと言うのだけどねぇ‥)】←


吉備真備「まあ確かに今はここで足止めされるわけには行かないのだけど、どうもあの呪霊サーヴァントを倒さなきゃあの帳の向こうへ行く道が開きそうもないようだね?」

吉備真備「そうと決まれば、あのプトレマイオスモドキの呪霊サーヴァントを倒しつつ、あの帳を降ろしている『基』を聞き出すしかなさそうだね?」

ゴルドルフ(通信)「うむ、あの自称“賢い蝗害のプトレマイオス”をなるべく手荒な方法で拘束し、帳を上げる方法を聞き出し次第に即お祓いをさせてもらわせてもらおうか!」

マシュ「はい。それにプトレマイオスさんの名誉を守る為にも、あのプトレマイオスを名乗るバッタの呪いを必ず祓いましょう!」


【うん!】
【もうこれ以上、プトレマイオスの姿を好きにはさせない!】←

プトレ蝗GUY「グッ・・・グヌヌヌゥゥゥ~~・・・」タラタラタラァァァ~~‥

プトレ蝗GUY「クゥゥ~・・・これはさすがに参ったぞ。お前たち、このサーヴァントと融合した吾より賢い奴だとは思ってもみなかったモノだ・・・」

プトレ蝗GUY「しかもこの賢い奴がこんなに多いと、流石に賢い吾でもお前たちに返り討ちにあうのは確実なのかもしれぬなぁ~・・・・」

ゴルドルフ(通信)「まだそのように自身の事を賢い奴と自称するか!元はといえば、お前のその自称するその賢さは元々、サーヴァント・プトレマイオス自身のモノなのだぞ!」

ゴルドルフ(通信)「それをお前は何らかの術でプトレマイオスの霊基と共にその能力と知識を奪い、それらをお前が悪用しているに過ぎんのだぞ!」

ゴルドルフ(通信)「それを言わせれば、お前など人のふんどしで相撲を取るぐらいの賢くも何ともない呪霊サーヴァントだ!お前などに賢いと言う資格などない!」

プトレ蝗GUY「クッ、確かにそうかもな。お前たちにしてみれば、この吾は賢くもなんともない呪霊だ・・・こんなこと、この賢い吾だけではお前たちに敵わない・・・・」

プトレ蝗GUY「ああどうしよう・・・どうしたらいいんだ・・・・なぁ―――」

プトレ蝗GUY「――そうだろ、『陀艮(だごん)』!!」

【!?】
【(今、ダゴンって・・・)】



ヒュゥゥ~~ン、ドスゥゥ~~ン!!


マシュたち「―――!?」

ムニエル(通信)「な、なんだ!?新たにサーヴァントのような反応がこっちに来て・・・いったいそっちで何かあったのか!?」

マシュ「ツゥゥ・・・わかりません。何かが飛んできたと思えば、着地した衝撃で砂ぼこりが起こって・・・・」


???「成る程・・・・お前たちがカルデアという魔術師の集団ということか、以前はそこの陰陽師に呪胎であった私が祓われてしまったのだが・・・」

???「お前たちがヤッたのか?漏瑚も、花御も、真人も・・・‥」

???「‥よくも皆を殺したな・・・殺したなぁぁ~~~!!」


ヒュゥゥ~ン、バシュゥゥ~~ン!

カルデアのマスターたちの前に現れた乱入者
https://lh3.googleusercontent.com/I0NzhPRpQvPnnZwyPyIrZ8cBf6KwAiJiXcY86OdhZfUK6Bnh5SVxmMML3c1qqqC43fpEr5bxsmtKFuwSdT5kvjvpSJZalqUfkyy-YS2YI_E


太公望?「クゥゥゥゥ~~~・・・・」ジリジリジリ・・・!

【太公望!?】←


マシュ「太公望さん・・・・いえ、あの異様な殺気は対抗坊さんのモノではありません。もしやあの大公望さんは・・・・」

吉備真備「マジか・・・・・・あいつ、前に俺が仲麻呂と一緒に祓った特級呪霊サーヴァントじゃないか!?」

播磨局「なに!?おい吉備真備、あの呪霊サーヴァントはお前があなたの宝具で祓ったはずじゃなかったのか!」

吉備真備「ああ、確かに僕が仲麻呂と一緒にあいつを祓ったはずだった。それがどうしてこの場所に・・・・」

誤字修正:対抗坊→太公望
―――――――――――――――――――――

太公望?→特級呪霊・太公望陀艮(たいこうぼう・だごん)「蝗GUY・・・あの時、真人が連れて来た呪霊だったとはいえ、二級であるお前がこの私を名指しで呼び出すとはね?」

太公望陀艮「その人間の身体になったことにうぬぼれてるのなら、私は不敬を行なったお前を殺しますよ!」

プトレ蝗GUY「いやいや滅相もありません陀艮様・・・。今はそれよりもあそこにいるカルデアの奴らから獄門疆を取り返さなければ!」

太公望陀艮「フン・・・今はあの者の指示に従わなければならぬ身であるのなら仕方のないのだが、あとで覚悟してもらいますよ?」

プトレ蝗GUY「へ、ヘイ・・・・・・・」


【(あの太公望とプトレマイオスがあんな上下関係を・・・)】
【(やっぱりあの2人は私の知る2人じゃない・・・)】←


太公望陀艮「では、そこのカルデアの者たち。そこの女と獄門疆を大人しく渡しなさい。それとそこの大盾持ちの女も同様、私たちと同行してもらいますよ?」

マシュ「!?。私と獄門疆に封印されたマスターを渡せと言うことは、あなたたちの狙いは私とマスターって事なのですか!?どうして・・・」

吉備真備「いや、そんなことなどどうでもいい。それよりもアンタ、たしかアンタは僕との戦いで負けて、僕と仲麻呂の手で祓ったはず・・・どうして生きてるの?」

太公望陀艮「!。お前はあの時の陰陽師のサーヴァントですか。呪胎の頃の私が世話になりましたねぇ~‥。」

太公望陀艮「あの時は私の意思が呪胎時での現界だった故にこの身体に意思が追いつかず暴走してしまいましたというか・・・」

吉備真備「成る程、つまり本調子じゃなかった故の敗北ってとこか、アンタが普通に喋れているとなると、それが特級呪霊としての元人格で間違いないようだね?」

太公望陀艮「はい。ですから、いまの私はあの時のようなヘマをしません。お前たちは大人しくその女2人と獄門疆を明け渡せばそれで良いんですよ!」


【それは出来ない話だよ】←

太公望陀艮「何?」

【あなたは太公望の姿を被った偽物であるのなら・・・】
【私はあなたと戦わなければならない!】←

マシュ「はい。いま私たちの前にいる大公望さんは大公望さんの姿を被った呪霊サーヴァントであり、大公望さんの姿を利用した偽物。」

マシュ「偽物である呪霊の2人が大公望さんとプトレマイオスさんの姿で語るなんてあってはなりません!」

マシュ「プトレマイオスさんと大公望さんの名誉にかけて!あなたたち2人を祓います!」

両面宿儺(エリザベート)「・・ふっ、よくぞ言った!呪術師としては三下であるも少しは褒めてつかわすぞ。――マスター。」


【あの呪霊サーヴァント2人を祓おう!】←
【みんな、行くよ!】

マシュたち「―――――!」

太公望陀艮「フフフフッ、あくまでこの特級である私を祓うというのですか・・・良いでしょう、お前たちがそう望むのであれば私も思う存分にやらさせてもらおう!」

太公望陀艮「お前たちによって殺された、真人や漏瑚、花御の仇をここで討つ!そして獄門疆を奪い返し、大盾の女も奪う。我らの大いなる計画の為に!!」

【大いなる計画・・・・】
【(もしかしてあの呪霊サーヴァントって・・・)】←

太公望陀艮「お前たちは呪術師でもなくあの真人や花御を殺した強者・・・であるならば、ここはお前たちに相応しい場所で戦わせてもらおうか!」


スッ・・・ガシッ!

播磨局「!?。マシュ、それにお前ら全員、私の後ろで構えろ!!」

マシュ「は、はい!皆さん、すぐに播磨さんの後ろへ!」

吉備真備たち「―――――」

播磨局「クゥゥッ!」フンッ、クルクルクルクルクルゥゥゥ~~~!



ガシッ、キィィーーーン!

キィィーーン、グルグルグルゥゥゥ~~ガキンッ!


太公望陀艮、播磨局「「――――領域展開!」」


キュィィン、ブシュゥゥ~~バシャバシャァァ~~~!!


プトレ蝗GUY「!?。アワワワワァァァ~~!?」

マシュたち「!?」

【これって、播磨局の宝具!】
【みんな捕まって!】←


ジジジジィィ~~~!!バシャァァ~~ン!グワァァァ~~ン!!
―――――――――――――――――――――――――――――
プトレマイオスの姿をした二級呪霊・プトレ蝗GUYを追い詰めるカルデアのマスターたちの前に現れた太公望の姿をした特級呪霊のサーヴァント

それはかつて吉備真備がカルデアのマスターたちと出会う前にその手で祓われたはずだった特級呪霊・太公望陀艮であり、その特級呪霊本来の人格と意思を見せており、

その彼はカルデアのマスターを封印した獄門疆の他にマシュ・キリエライトも狙っており、彼女たちはその呪霊サーヴァントたちに対抗する為に構えるも、


太公望陀艮は自身の領域展開を発動し、それと同時に播磨局も自身の宝具による領域展開を発動しており、

2人同時に発動した領域展開は衝撃派を放ちつつ、お互いの陣営全員を領域内へと引きずり込むのであった。

ハロウィン聖杯戦線6:嵐の中の蕩蘊平線(たううんへいせん)
―――――――――――――――――――――――――――――
太公望陀艮と播磨局の呪術領域内:嵐が吹きあれる浜辺(播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』と太公望陀艮の『蕩蘊平線』が混合した領域内)


太公望陀艮「領域展開――――『蕩蘊平線(たううんへいせん)』!」

播磨局「領域展開――――『神風荒海・弘安の役』!」


ザザザァァァ~~~!!ザバァ~~ン!!

太公望陀艮「!?。私の領域展開・蕩蘊平線と同じタイミングで領域展開をするとは、貴様、私の術式を事前に理解していたのか?」

播磨局「あったりまえだ!こっちはお前と似たような呪いに一度ボコボコにやられてんだ。二度もあんな呪いに喰らうかよ!」

太公望陀艮「そうですか。同じタイミングかつ領域相性ゆえか、今の領域は台風直撃の中の浜辺のように領域がぶつかり合っています。」

太公望陀艮「これではお互いに術式の必中効果を得られない。この互いの領域を展開したお前と私との綱引きに勝利しない限りはな‥?」

太公望陀艮「良いでしょう。お前と私、どちらの領域がこの戦場を制すか、全力で相手になってやろう!」

太公望陀艮「――――術式解放、死累累湧軍!」


ザバァァ~~ン、ジュドドォォォ~~ン!


マシュ「正面前方に無数の魚型のエネミー多数!おそらくあの大公望さんの姿の呪霊の力による使い魔の大量召喚であるかと。」

吉備真備「だろうな。おそらくあの呪霊サーヴァントの領域の効果で際限なくあの使い魔が無数に出現する可能性がある。」

吉備真備「止めるにはその力を使う本人を攻撃し、播磨局の領域を押し勝たせなければ、こちらに勝利はないに等しいね。」


【つまり播磨さんを守りつつ、】
【太公望の領域展開を止めるんだね】←

両面宿儺(エリザベート)「ふむ。今のこちらの戦力で出来る作戦としてはまあまあだ。戦況を大きく分けるとすれば、領域の綱引きがカギとなるからなぁ~。」

両面宿儺(エリザベート)「あとは相手側の呪霊サーヴァントの強さと戦力の多さをこちらの今の戦力でどれだけ補えるかが問題と言ってもいい。」

両面宿儺(エリザベート)「あちら側には魚型の使い魔が無数とそれを操る特級呪霊・陀艮が1人、それとあの雑魚呪霊のバッタが1人・・・」


プトレ蝗GUY「アワワワァァ~~・・・まさかこの賢い吾も領域の中に入ってしまうとは・・・このままじゃ吾も術式の必中の餌食に・・・」

太公望陀艮「いや、今はあの者たちの1人が私の領域展開と同じタイミングで領域を展開し、今はその1人の領域と綱引きの影響で必中効果が得られません。」

太公望陀艮「お前も手伝いなさい蝗GUY!お前のような二級風情が何故その人間の姿となってここにいるのか、なんのために後ろの帳を守っているのか・・・」

太公望陀艮「お前がとても賢いというのならば、その身体の力を使ってカルデアを倒せ!お前はその為にいるんだろ!」

プトレ蝗GUY「ハッ!そうだったな。吾はとても賢い!吾は帳を守り、アイツらを倒し、倒して自分の仇を取り、アイツらから獄門疆と盾の女を奪い取る!」

プトレ蝗GUY「それが吾があの・・・・『ラドン様』に生き返らせてくれた恩を返す。それが吾の役目だ!」

太公望陀艮「・・・・・・・・・」

【(ラドン?)】
【(もしかしてその名前ってまさか・・・)】←


バーヴァン・シー「おいマスター、なに難しい顔して考えてるの?さっさとあの偽物の呪霊サーヴァントたちを祓いに行くわよ!」

吉備真備「ああ。向こうの呪霊たちも協力しつつ、領域を展開している播磨局を倒し、領域の綱引きに勝つつもりで攻めてくる可能性が高い。」

吉備真備「故にマスターの言う通り、播磨局を守りつつ偽物の太公望とプトレマイオスを倒す事がこちらの勝利条件と言っても良いね?」

吉備真備「それにこの領域内で使えるモノがあれば、出来るだけ使った方がこちらの勝率も上がる可能性もあるみたいだし・・・」


ザブゥゥゥ~~ン!グルグルグルゥゥ~~~!

両面宿儺(エリザベート)「成る程・・・少々手荒になるが、あの渦の中に入れば低確率で敵の背後に取れるって事か。これらについてはなかなかだな。」

播磨局「ああ。ならこっちも出来るだけ領域の綱引きを頑張りつつ、あの渦を利用した瞬間移動が出来るかやってみる。」

播磨局「マスターたちは私が動けない分、あの呪霊サーヴァントたちをボコってやってくれ!こっちが有利になり次第、私も行く!」

【わかった!】
【援護は任せて!】←

マシュ「はい。皆さん、戦闘を開始します!マスター、指示をお願いします!」


聖杯戦線、開戦
――――――――――――――――――――

ハロウィン聖杯戦線6:嵐の中の蕩蘊平線(たううんへいせん)


勝利条件:太公望陀艮およびプトレ蝗GUYの撃破

敗北条件:マスターのライフがゼロとなる、及び味方サーヴァントの全滅

領域内効果:特定陣地にある渦巻きのマスに行くと、ランダムに他の渦巻きがある陣地へと移動できる。



登場エネミー

特級呪霊・太公望陀艮(クラス・ライダーx1)

二級呪霊・プトレ蝗GUY(効果による姿変えあり)(クラス・アーチャーx1)


魚型エネミー(クラス・ライダーx∞)増援あり

魚型エネミー(クラス・バーサーカーx∞)増援あり

魚型エネミー(クラス・アサシンx∞)増援あり

第12廻戦:否定されし黄昏、呪いの勝利の果実
―――――――――――――――――――――――――
金王八幡宮付近を覆う帳の内側:金王八幡宮構内 ある術式付近にて・・・



シュッ!

アサシンの呪霊サーヴァント「報告。八幡宮近辺にサーヴァントの反応。両面宿儺と吉備真備、並びに播磨局と酷似。」

アサシンの呪霊サーヴァント「現在、特級呪霊・陀艮と二級呪霊・蝗GUY2名が呪術領域内で交戦中。『河神ラドン』様、いかがなモノで?」


僧衣姿の男→河神ラドン「・・・・やはり彼女たちがこの私を探すとなれば、この場所しかあり得ぬかもな。」

河神ラドン「術式の完成まで、真備たちに気づかれぬよう降ろしていた特殊な帳に気づき、この近辺に来たとなると、やはりあの宿儺を味方にしたというのか?」

河神ラドン「宿儺め。聖杯と宿儺の指のレプリカで召喚したのがこの神社構内だったとはいえ、この場所が私にとっての重要拠点である事を感づいていたのか・・・。」

河神ラドン「・・・とはいえ、あの地下鉄ホームで彼女たちを仕留められなかった以上、この場所に気づいて乗り込んでくることは目に見えていたのだが――」


スタスタスタッ!

キャスターの呪霊サーヴァント「ラドン様、北側の大召喚器の設置が完了しました。これで術式の発動はいつでも可能かと。」

河神ラドン「ご苦労だった、後の事は私がやっておく。君たちは先に戻っていろ。」

キャスターの呪霊サーヴァント「司令受諾。」キュゥゥ~ン・・・・


河神ラドン「術式の準備は完了した。あとは召喚の要となる彼女たち2人・・・マシュ・キリエライトと藤丸立香を術式に組み込めれば、儀式は完成する。」

河神ラドン「全く・・・あの時、彼女を封印した獄門疆とマシュ・キリエライトを確保できてさえいれば、すぐにでも“あの方”の召喚をすぐに行えたものを、」

河神ラドン「宿儺の奴め、不完全な召喚だったとはいえカルデアのマスターを封印した獄門疆を奪って逃げるとはなぁ・・・、余計な手間をかけさせやがったて・・・」

河神ラドン「‥だがしかし、彼女たちは必ずこの場所に来る。マスターである彼女を封印した獄門疆を開けさせる為、そしてこの特異点の修正をさせる為・・・」

河神ラドン「彼女たちはそうする以外に道はない・・・そうする以外に呪いを振りまく事しか出来ないからなぁ・・・・」


キィィ~~ン、ガシィィン!

河神ラドン「――さぁ、ここまで来るがいい。君たちがここに辿り着いたときこそ、君たちの『願い』は成就するだろう・・・・」


タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・

誤字修正:司令受諾→指令受諾  追加:キャスターの呪霊サーヴァント、アサシンの呪霊サーヴァント「指令受諾。」
―――――――――――――――――――
カルデアのマスターたちが特級呪霊・太公望陀艮と二級呪霊・プトレ蝗GUYと術式領域内で交戦している中、その近辺の特殊な帳の内側には宿儺のいう金王八幡宮が存在しており、

その構内ではそこを自身の拠点とし、何かの術式の準備を進めていた僧衣姿の男性こと、河神ラドン(■■■)がその場所におり、

河神ラドンはアサシンとキャスターの呪霊サーヴァントから八幡宮構外の話を聞き、カルデアのマスターたちが外で太公望陀艮たちが戦っているとの報告を受け、

彼の姿は僧衣姿の僧侶から神様のような洋風の甲冑を来た姿となり、彼はカルデアのマスターたちが金王八幡宮に来るのを楽しみにしているかのような顔をし、

河神ラドンはカルデアのマスターたちが八幡宮構内に来るのを待っていたのであった。
―――――――――――――――――――
同じ頃、太公望陀艮と播磨局の呪術領域内:嵐が吹きあれる浜辺(播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』と太公望陀艮の『蕩蘊平線』が混合した領域内)では・・・



フゥゥン、ガキガキンッ!ガガガガキィィン!

両面宿儺(エリザベート)「フンッ!タァァッ!」バシバシッ!ガシンッ!

マシュ「ヤッ!ハァァァ~~~ッ!!」ガキンッ、バシンッ!

プトレ蝗GUY(若)「ヌグッ!?ヌワァァァ~~!?」バシンッ!ガシュンッ!


プトレ蝗GUY「な、なぜだ・・・今の吾はこの英霊の身体能力や魔術を得て、他の奴らより優れている。吾はこの身体の奴と同じの力を持ってる‥」

プトレ蝗GUY「それなのに何故だ!なぜ吾がアイツらに追い詰められいる・・・この吾が一方的に殴られ、一方的に斬り刻まれるのだ!?」

両面宿儺(エリザベート)「ふん、脳みそと霊基があのバッタの呪いに入れ替わったとしてもこの様か・・・。期待外れにも程がある・・・」

両面宿儺(エリザベート)「やはり貴様では話にならん・・・俺がいま一度あの呪いで引導を渡してやろうか!」


シュッ、ピトッ・・・

両面宿儺(エリザベート)「フッ、領域て――――」

【―――!?】
【伏魔御廚子はダメ!!】←

両面宿儺(エリザベート)「ああ?貴様、こいつはあのプトレマイオスのジジイの姿を借りた呪霊であり、あの呪霊は貴様らを狙っている。」

両面宿儺(エリザベート)「呪霊である以上、あのジジイの姿をしたバッタの呪霊は今すぐ祓わなければならん。貴様らもそう思うだろ?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「確かにあの呪霊サーヴァントはプトレマイオスの皮を被り、自身を賢い奴と自称するというプトレマイオス本人を侮辱するほどの呪霊サーヴァントと言ってもいい。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だがしかし宿儺の伏魔御廚子では術式が拗ねて弱体化するとはいえ、こちらも術式の巻き添えを喰らうハメになるぞ!」

両面宿儺(エリザベート)「巻き添えだと?まあ確かにそれはあり得るかもしれんが、そこはマスターである貴様との縛りにより、貴様らとその同盟に当たらぬように調節ぐらいはしている。」

両面宿儺(エリザベート)「だがそれとも不服だというのか?俺が奴に伏魔御廚子を喰らわせる事に不服と感じるとすれば・・・・」

【確かにそうだよ・・・・】←

―――――――――――――――――――――――
回想シーン:両面宿儺(エリザベート)との最初の戦いにて・・・


ガシュンッ!バリバリッ!

プトレマイオス(老)「ガッ――――」


バリバリバリィィ~~ガシャァァ~~ン!!

プトレマイオス(老)「パァァァ~~~~~!?」


バシュゥゥ!パカァァン!!
―――――――――――――――――――――――
【これ以上、プトレマイオスのあの姿を見たくないから・・・】←

両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・‥」



プトレ蝗GUY「(ウヒヒッ、なんかアイツらが吾の事で揉めてる。この機会を賢い吾が見逃すはずがないだろ!)隙ありダ!」


グサッ、ギィィンドゴォォン!!

マシュ「キャァァ!?」

両面宿儺(エリザベート)「クゥゥッ!?」

プトレ蝗GUY「そしてこれでもクラエ!吾の賢き宝具、見える物全てを焼き尽くす吾の必殺宝具!」

プトレ蝗GUY「『月は知らず、久遠の光(ファロス・ティス・アレクサンドリアス)』!!」


ギュィィ~ン、ビィィィ~~~!!

マシュたち「―――!?」


ビィィィ~~チュドォォォ~~ン!!

プトレ蝗GUY「ハハハハハハ!やっぱりお前たちはこの吾よりも賢くなかった!吾の事で揉めるようではお前たちは―――」


シュンッ!ジャキッ、バカッ!ガバッ!

プトレ蝗GUY「ンナァッ!?お、お前まさか・・・・」

両面宿儺(エリザベート)「フンッ、そのまさかだ・・・・。」

マシュたち「・・・・・・・・・」

―――――――――――――――――――――――――――
小細工はあった。

宿儺とカルデアのマスターとの意見の違いで揉めていたところの隙を付き、プトレ蝗GUYが閃光による目くらましからの宝具を放ち、カルデアのマスターたちを仕留めたはずだった。

だがしかしそれでも尚、プトレマイオスの霊基と姿を被ったプトレ蝗GUYとは比べようにもない程に両面宿儺(エリザベート)とでは小細工では埋まらない圧倒的な差はあった。

本来は若かりし側面のプトレマイオスの宝具である『月は知らず、久遠の光(ファロス・ティス・アレクサンドリアス)』の光を放つその一瞬・・・

宿儺はカルデアのマスターとマシュの2人をプトレ蝗GUYの宝具の射程距離から横に回避し、そしてその足でプトレ蝗GUYの額の縫い目の糸を抜き取り、そこからプトレ蝗GUYの脳を取り出した。


両面宿儺(エリザベート)「これでなら、貴様らも少しは納得してこの呪霊を祓えるのだろ?俺にしてみれば、このような事は少々納得はしないのだが‥」

両面宿儺(エリザベート)「これも貴様と仮契約したサーヴァントである以上、少しぐらいの配慮はしてやろう・・・。」

マシュ、藤丸立香(女)「・・・・・・・(コクッ)」


それはカルデアのマスターのトラウマとなったという、“伏魔御廚子によるプトレマイオスの斬殺”を見せず、プトレ蝗GUYを確実に祓うという、

両面宿儺(エリザベート)考えられる数少ないカルデアのマスターへの配慮であったのだ・・・・。



グググゥゥ~~バシュンッ!!

蝗GUY(プトレマイオス)「―――――――――」


ドサッ、キュゥゥ~ン・・・
――――――――――――――――――――――――――――――
同じ頃、嵐が吹きあれる浜辺 別の場所では・・・


吉備真備「テイッ!」キィィン、バシュンッ!

バーヴァン・シー「ブタァァ!」キィン、シュパパパァァーー!

太公望陀艮「ヌゥゥゥ~~!!」バシュンッ、シュパパパァァーー!!


ドサッ、キュゥゥ~ン・・・

太公望陀艮「・・・‥蝗GUYが祓われたか。サーヴァントの身体を得てもあの様だったとは。所詮は二級止まりの呪い、我ら呪霊の恥さらしよ。」

吉備真備「そうかな?君もまた、人間である太公望の姿を借りて戦うなんて、それこそ同じ特級と呼ばれた呪霊たちの恥さらしじゃないのかなぁ~?」

太公望陀艮「お前に言われたくもない。私の同胞を二度も殺したお前たちなんかに!!」


バシャバシャァァ~~!ドドドォォ~~~!

吉備真備「―――!!」バシュバシュバシュン!

吉備真備「いや違うね!アンタたちの事は宿儺から話を聞いている。今のアンタや漏瑚たちは自分たちが偽物と蔑んだ人間と同じ姿・・・」

吉備真備「つまりはサーヴァントとしての霊基と身体を、この特異点の背後にいる誰かによって得てしまった事により、アンタたちは本来のアンタたちとしての信念や願いを忘れ、」

吉備真備「アンタたちはその今の身体を構築しているサーヴァントの霊基に自分たちの魂を喰われ、アンタたちがアンタたちではなくなる程に自身の魂が浸蝕されているんだぞ!」

太公望陀艮「なんだと?そんなデタラメなことを私が信じるものか。この我ら呪霊がこのような偽りの人間の姿に我らの魂が浸蝕されるなどと・・・」


両面宿儺(エリザベート)「いや、それは本当の事だ陀艮。漏瑚という特級呪霊が俺にこう言ってたぞ?――今のお前たち特級呪霊がそのサーヴァントの肉体を得てしまったが故に・・・」

両面宿儺(エリザベート)「真人や花御、それに呪胎であったお前の魂をそのサーヴァントの肉体に浸蝕され、本来のお前たちとしての正気を失っていき、」

両面宿儺(エリザベート)「お前たちはただ命令されるかのように我々の進行を妨げる“帳”の守るかのように行動し、それらを遂行させる為の“縛り”も自身の手で設けた。」

両面宿儺(エリザベート)「もうこれではお前たちが望んでいたという真の人間ではなく、ただお前たちがあの者という奴の命令を実行するだけの‥

両面宿儺(エリザベート)「言わば“式神(サーヴァント)”と言うべき存在へと成り果てているとしか俺たちは思っているのだが・・・」

太公望陀艮「なんだと・・・‥この私が呪霊としてではなく、式神として動いているというのか・・・?この特級と呼ばれるこの我らが・・・まさか・・・」

太公望陀艮「いやそんなはずなどない!私はお前たちの言う式神ではない・・・ましてやあの者の式神などではない!!」

吉備真備「まあそう言われたらそう言うよね?だってアンタをその太公望の姿で蘇らせた奴がその“あの者”で間違いないのだからね?まあそれはそれとして・・・」

吉備真備「こっちもそろそろこの戦いを終わらせようと思ってたからね――――バーヴァン・シー!」



ポロロォォン・・・・シュルシュルゥゥ~~バシィィン!!

太公望陀艮「―――!?。これは一体・・・まさかこれは!?」

バーヴァン・シー「アハハハッ、よそ見してんじゃねぇぞこの呪霊サーヴァントが!」

【今よ!】
【このまま畳みかけて!】←


バーヴァン・シー「ええ、これが貴方のなれの果てよクソ呪霊サーヴァント!――『痛幻の哭奏(フェッチ・フェイルノート)』!」キィィーーン!

吉備真備「『入唐絵巻・鬼来隠光(にゅうとうえまき・きらいいんこう)』!」キィィーーン!


ゴロゴロゴロォォ~~、バリバリバリィィィ~~!!ギュゥゥゥ~~ン!ガシュバジュゥゥゥ~~ン!

太公望陀艮「グハァァァ~~~~!?」


ガシュバシュッ、バリバリィィ~~~!!

渋谷 金王八幡宮付近(領域展開解除後)



バリバリバリッ、バリィィィ~~ン!シュゥゥ~~ン・・・

【よし、領域が解除された!】←

吉備真備「そのようだな。あとはいま目の前にある目に見えない“帳”どうやってを上げさせるかだね。えぇ~っと帳の元となる『基』は一体何処に・・・」


ズグググッ、ドサッ・・・・

太公望陀艮「・・・無駄ですよ・・・あの帳は別に私や蝗GUYの奴が降ろした帳ではない・・・この街の背景と擬態するほどの高度な術式を持つ帳を降ろす事など、我々には不可能な事ですよ。」

太公望陀艮「私と蝗GUYに下された命令は後ろの帳の防衛と、カルデアのマスターを封印した獄門疆の奪取、シールダーの盾の女の奪取・・・」

太公望陀艮「お前たちを倒し、そこの盾の女と獄門疆に封印されたカルデアのマスターをあの者の元へ届けることが我らの使命であった・・・」

太公望陀艮「故にあなたたちにあの帳は壊す事など出来ません。あの帳を降ろした者はその帳の内側にいるのですから・・・・」

【“帳”の内側って・・・・】
【じゃあどうすれば・・・・】←


吉備真備「心配するなマスター、それを聞ければ話が早い。なんたってその背景に擬態出来る“帳”がどうやって降ろされたのかがわかったからね。」

吉備真備「帳の事は僕がどうにか対処するとして・・・・‥最後に1つアンタに聞きたい事がある。アンタらがいったいそのサーヴァント達の姿で現界したかについて――」

吉備真備「アンタらは本来、太公望らのサーヴァントの霊基と身体に憑依せずとも、アンタらは“呪い”として自身の身体とその魂を持っていた・・・」

吉備真備「しかしそんなアンタたちを人間の姿であるサーヴァントに憑依させ、サーヴァントの身体にアンタたちの正気が飲み込まれている事もお構いなしに利用してきた。」

吉備真備「アンタたちが言うその“あの者”っていう奴は、今のアンタたちをその『呪霊サーヴァント』にした奴と同じ人物だというのか?」

太公望陀艮「グゥ・・・ええ確かにそうですね・・・。私の薄々気づいていましたが、どうやらこの私もまた、お前たちが言うこの太公望とかいう人間の身体に私の意思が呑まれる感じをします。」

太公望陀艮「私もこのような身体になる前はこのような喋りやこのような性格もしていなかった。まるで徐々に私が私ではなくなっていくかのような・・・」

太公望陀艮「となればこの私が“あの者”の式神にされているという話は真だというのか?真人も、花御も、漏瑚も・・・・・・」

両面宿儺(エリザベート)「そうだ。確証とは行かぬが、おそらくそれがあの者とやらのやり方であろう・・・。お前たち呪霊をかの英霊のすがたとして召喚させたあの男の傀儡としてなぁ・・・」

太公望陀艮「・・・・・・・・・‥」


太公望陀艮「フッ・・・・お前たちの話が真の事であれば、私がこの人間の姿でこの渋谷の地に蘇った事も察しがつくという事だ。この特級と呼ばれたこの私がまさかあの者に利用されていたとは・・・」

太公望陀艮「許されない事ですよ・・・呪いと呼ばれた我らが死しても尚、あの男に利用されていたとは・・・‥」

太公望陀艮「その事など気にもせず、このようにお前たち人間の手によって二度の敗北を喫する事になるとは、あまりにも不覚・・・・」


【・・・・・・・・・】←

バシュッ!ボタボタァァ~~・・・‥


太公望陀艮「ガハッ!?・・・・どうやらこれ以上はこの偽りの身体も持たん・・・私という呪いも‥ここまでのようですね・・・」

【待って、最後に1つだけ教えて!】←

【『ラドン様』っていうのはもしかして・・・】

太公望陀艮「ラドン様・・・・ああそうですよ。この私をこの姿にしたあの者・・・・あの僧侶の姿を被り、かの神霊と竜種をその身に宿したあの男の真の名・・・」

太公望陀艮「・・・・最後にあの男に一矢報いられるのであれば、その男の名をお前たちに教えることがせめてものあの男への呪い・・・・」


太公望陀艮→特級呪霊・陀艮(太公望)「あの・・・百の頭の龍神・・・・『河神ラドン』という名の・・・あの男を・・・・」


ドサッ、キュゥゥ~ン・・・
―――――――――――――――――――――
2つの異なる領域展開によって嵐が渦巻く浜辺でのカルデアのマスターたちと太公望陀艮たちとの聖杯戦線・・・

吉備真備と両面宿儺(エリザベート)の2人による機転により、太公望陀艮とプトレ蝗GUYを見事に倒したカルデアのマスターたち。


そして戦いに敗れた太公望陀艮は死に際に自身が“あの者”と呼ぶ者の式神として利用されていた事に気づき、彼(陀艮)は彼自身を利用した者への一矢報いる呪いとして、

“あの者”の真名である『河神ラドン』の名をカルデアのマスターたちに告げ、彼(陀艮)は静かにその身が呪いとして祓われるように消滅するのであった。
―――――――――――――――――――――

【河神ラドン・・・・】←
【それが私を獄門疆に封印した・・・】


ゴルドルフ(通信)「ラ、ラドンだと!?まさかだと思うのだが、ラドンって・・・・あの百の頭を持つと言われるあの百頭竜ラドンだというのか?」

ゴルドルフ(通信)「ギリシャ神話にて黄金の林檎を守る番人として、それを取りに来た英霊ヘラクレスと対峙した‥あの・・・」

カドック(通信)「いやそんなはずがない・・・。ラドンの事は俺もデータ資料とかで知っているが、あの僧侶姿のサーヴァントがあのラドンだと?」

カドック(通信)「あれはどう見ても竜というより人間の身体をしたサーヴァントだった・・・。そのサーヴァントをラドンと呼ぶとしたら・・・・まさか‥」


シオン(通信)「いいえ、そうとは限りません。そのラドンと呼称する男がサーヴァントである以上、人の姿で現界するのはサーヴァントとして当然の事です。」

シオン(通信)「それに例外もありますが、元が竜種であっても人の姿をしているサーヴァントがいる事は藤丸氏も大いにわかっているはずですよね?」


【伊吹童子の事?】
【メリュジーヌの事?】←

――――――――――――――――――――――
選択肢【伊吹童子の事?】を選んだ場合
https://pbs.twimg.com/media/E5ioJNSUUAAZM6P.jpg

選択肢【メリュジーヌの事?】を選んだ場合
https://fgo.news/wp/wp-content/uploads/2023/02/606d220af5c11bd83539b54763d16737.jpg

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「確かにあのサーヴァントだからこそ人の姿で現界してるに超したことはないのだが・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だがそれ以前にあの太公望の姿をした呪霊サーヴァントはそのラドンの事を、“百の頭の龍神”、“河神”と上付けで呼称していた。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それに以前チェイテ渋谷神社城地下で戦った時も、彼は水のような魔術を使い、魔力量もまた、神霊クラスと同じぐらいの質量を計測している。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかしゴルドルフやカドックの言う通り、ラドンという名はギリシャ神話で百の頭を持つ竜の怪物‥いわば“百頭竜たるラドン”という意味であり、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「神話上では常に不眠不休で黄金の林檎を守っている百頭竜ラドンの逸話に、そのラドンが河の神様である神話などギリシャ神話の中では何処にも存在していない。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だが仮にあの太公望の姿の呪霊サーヴァントの言葉が正しければ、その『河神ラドン』という河の神様という神霊のサーヴァントというのは・・・・」

ゴルドルフ(通信)「!。――もしやその“河神ラドン”とは、アルカディアに流れるラドン川の神話の“河神ラドン”だというのか?」

【ラドン川?】←


シオン(通信)「ラドンという名前には百頭竜たるラドンの呼称の他に、ギリシャに流れる25の川の1つである『ラドン川』同じ名前の河神の意味がありまして、」

シオン(通信)「古代ギリシャの詩人ヘシオドスの『神統記』の言及には、その河神たちは海神オケアノスと女神テテュスの息子たちであり、ラドンはその河神の一柱と言及されているんです。」

シオン(通信)「また、ギリシャの神アポロンに求婚された『ダプネ』、別の川の河神のアソポスの妻である『メトペー』もまた、河神ラドンの娘として神統記に言及されているんです。」

シオン(通信)「まあただ‥その河神ラドンがどのような神霊であり、どのような経緯をしていたのかという事はそこまで言及されてはおらず・・・」

シオン(通信)「河神ラドン自体、人類史にその存在を刻まれている神霊であるのかさえ、今のところ不明としか言いようがない存在なのですよぉ・・・。」


【存在してる事すらわからない神霊かぁ・・・】
【・・・・・・・・・・】←

播磨局「成る程・・・つまりそのラドンっていう男はそのアルカディアのラドン川の神様であり、百の頭を持つ怪物のラドンでもあるっていうのか?なんだかんだでややこしいというか・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いや、おそらくその河神ラドンと百頭竜ラドン。河神ラドン自体、神性が曖昧な神霊のために同じ名前を持つ百頭竜ラドンの神性を複合して現界した・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いわば同じ名前ゆえの神霊と竜種の神性を複合したハイ・サーヴァント。あの男の人間の姿はそれらをサーヴァントとして成り立たせるための依代という事かな?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「あの僧侶の男の真名がラドン川の河神ラドンならば、神霊かつ竜種である彼をサーヴァントにする辺り、人間の依代を要して現界したと言ってもいい。」

吉備真備「まあ確かにな。まさかあの男の正体がギリシャ神話の河神と百頭竜の複合サーヴァントだったとは、正直に僕も信じられないというか・・・」

吉備真備「・・・・・・・・・」


【真備さん?】←

吉備真備「あ、いや、なんでもないよ。それよりもあの後ろにある帳をなんとかしないと、僕たち向こうの金王八幡宮へは行けないからね。」

吉備真備「まあ、さっきの戦いでマスターもサーヴァント達も疲れているようだし、帳を解いた先にはあの河神ラドンとの決戦が待っているからね‥。」

吉備真備「こうゆう帳は少々解くのが厄介だから・・・ここはこの僕がどうにかこの帳を解いてあげるから。君たちはそれまで身体を休んでてというか‥」

吉備真備「それに他にも河神ラドンの事でいま話しておきたい事がまだまだあるみたいだし、それについてはカルデアの君たちに任せておくよ。」

【?】
【話しておきたい事って?】←


???「確かにあなたの言う通り、これから始まる戦いにおいて知っておく事が君たちにはある。」

???「今回の渋谷特異点における聖杯戦線には、私にも少しばかり関連性があるからな・・・。」


ピピピィィー!

カルデアから通信に入ってきた者
https://appmedia.jp/wp-content/uploads/2021/09/a021f0846cc2f73a49087c753afa663d.webp


【エルメロイさん!】
【エルメロイII世さん!】←

???→ロードエルメロイII世「ああ、そうしてII世をつけてくれると助かる。私にはいささかならず重い名だ。」

ロードエルメロイII世「話はダ・ヴィンチ女史からある程度は聞いている。特異点へ向かったプトレマイオスが両面宿儺によって倒されたそうじゃないか。」

ロードエルメロイII世「しかもプトレマイオス当の本人の霊基はカルデアに戻って来ておらず、その彼の姿をした呪霊サーヴァントと遭遇したと・・・」

マシュ「孔明さん・・・いえ、エルメロイII世さん!どうしてあなたが今ここに・・・それに話しておきたい事とは?」

ロードエルメロイII世「ああ・・・正直に私は自身の立場上、あの鮮血魔嬢エリザベート・バートリーのハロウィンには関わりたくもない事なのだが・・・」

ロードエルメロイII世「今回の渋谷の特異点の件、どうやら私も少しは関係のある内容もあり、私もこちら側で調べて見たところ、とてつもなく衝撃的な事実が発覚し、」

ロードエルメロイII世「その事実の話をまとめて話す為にダ・ヴィンチ女史と吉備真備と話し合い、このような時間を作ってもらった・・・」

【衝撃的な事実?】
【それはいったい・・・・】←


吉備真備「そういう事だから。帳の事は僕に任せて、それまでは彼と事の話をしながら少しでも身体を休ませて欲しいんだ。」

吉備真備「まあ帳を解除する時間は掛かるっていうけど、そこまで時間は掛からないから気にしないでほしいし、彼の話はこの特異点の解決に必要な事だからね。」

【う、うんそうだね・・・。】
【でも、無理だけはしないでね?】←

吉備真備「大丈夫大丈夫!僕はいわずとする陰陽道の開祖であり、色んな物を日の本に広めたスーパー外交官系サーヴァントだからね。」

吉備真備「この背景に擬態している上に内側から降ろした『帳』なんて、僕が本気を出してしまえばこんなの朝飯前だからね!」


キィィ~~ン、キラァァ~ン☆

吉備真備(第2再臨)「じゃあ、事の事実のことはロードエルメロイ君に話を引き継ぐから、後のことは頼んだよ!」

ロードエルメロイII世「II世とつけてくれ。それと私の事を君付けするのもやめてくれ。」

吉備真備「ハイハイ・・・・」


タッタッタッタッ・・・。キィィン、シュンシュンシュンシュン・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――

太公望陀艮とプトレ蝗GUYの2体の呪霊サーヴァントを倒し、太公望陀艮から『河神ラドン』という僧衣姿のサーヴァントの真名を知ったカルデアのマスターたち

彼らはそこで『河神ラドン』という僧衣姿のサーヴァントの正体がギリシャ神話のラドン川の河神と百頭竜たるラドンとの複合サーヴァントではないかと話が上がり、

その話しに便乗するかのようにカルデアの通信からキャスター・諸葛孔明ことロードエルメロイII世も登場し、今回の特異点の事で話があると伝え、

吉備真備が金王八幡宮への道を塞ぐ特殊な帳の解除にとりかかっている間、カルデアのマスターたちはその間に休憩と共にロードエルメロイII世が伝えたいという話を聞く事になり、


そして吉備真備は目の前にある街の風景と擬態している特殊な帳の解除に本気を出すかのように取り組んでいき・・・・

その際、吉備真備は霊基再臨によってどこかの学生服の姿から生前・奈良時代に着ていた黒色の外交官の姿となって帳の解除に専念するのであった。
―――――――――――――――――――――――――――――

ロードエルメロイII世「さて・・・吉備真備がその“帳”とやらの解除を行なっている間、君たちにある重大な話をしたいのだが・・・・」

【その話とはいったい?】
【そもそもどうして今になって話がしたいというのは・・・・】←

ロードエルメロイII世「ああ・・・先ほど言った通り、今回の特異点の発生はそこの両面宿儺と名乗る霊基と融合したエリザベート・バートリー嬢とカルデアとの意見違い・・・」

ロードエルメロイII世「カルデアがあの聖杯戦線にて人理の命運を賭けた戦いをしている中で、彼女は君たちカルデアの事情もお構いなしにハロウィンがあーだこーだと駄々をこね、」

ロードエルメロイII世「その事で喧嘩となり、エリザベート・バートリー嬢はカルデアからの家出という形でこの渋谷に特異点を勝手に作り出し、」

ロードエルメロイII世「挙げ句の果てにその特異点が人類史が泡沫化するほどに特異点の危険度を上げ、渋谷全体にサーヴァント即時消滅の呪いを散布する事で、」

ロードエルメロイII世「エリザベート嬢のハロウィンに付き合わなかったカルデアへの報復を行なうなどと、あまりに馬鹿げた話にしか私は断言している。」

ロードエルメロイII世「全く、たかがハロウィンをしてくれなかった理由で人理を危険にさらす特異点を引き起こすなど、エリザベート・バートリーなど英霊の風上にも言えん!」

両面宿儺(エリザベート)「んだとっ!貴様、通信越しだからとて、俺をそのような言葉で侮辱するというのか!あぁぁッ?」


【落ち着いてって!】
【これはさすがに言い過ぎだよ!】←

ロードエルメロイII世「‥すまない。私のような真面目なサーヴァントには、どうもハロウィンのようなふざけた感じの特異点はキャラ的に不向きというか・・・」

マシュ「はい・・・孔明さんは基本的にこのような特異点にはあまり姿を見せないというか、その・・・・」

【(シリアス系ゆえのギャップかな?)】
【(まあそれはそれでいっか・・・)】←


ロードエルメロイII世「・・・・話をそらすのはここまでとして、そのエリザベート・バートリーがかの昼と夜の聖杯戦線を優先したカルデアに報復する為だけに発生された渋谷の特異点。」

ロードエルメロイII世「本来の予定であれば、今回の特異点のレイシフト適性サーヴァントとして徐福、モレ―、バーヴァン・シー、牛若丸、望月千代女、そしてつい最近召喚されたばかりのプトレマイオス‥」

ロードエルメロイII世「この6名のサーヴァントとマスターに加え、マシュ・キリエライトを仲裁役に渋谷特異点を攻略に向かうはずだった。」

ロードエルメロイII世「だがそうはならなかった・・・そのエリザベート・バートリーが自身の心髄するハロウィンを復活の為に発生させたという渋谷の特異点――」

ロードエルメロイII世「いざ蓋を開いてみれば、そこは強力なサーヴァントでも一瞬にして自らの霊基が維持できぬ程の原因不明の呪いで満ちあふれており、」

ロードエルメロイII世「サーヴァントを召喚しようにも呪いによってそのサーヴァント達は消滅し、同行したサーヴァントも望月千代女とバーヴァン・シーを残して退去された。」

ロードエルメロイII世「しかもプトレマイオスに至っては両面宿儺と名もなき呪詛師の幻霊が融合したエリザベート・バートリー・・・通称『呪詛師エリザベート宿儺』の手によって倒され、」

ロードエルメロイII世「今もなお、同行したサーヴァント3騎とプトレマイオスの霊体はカルデアに戻ってきておらず行方不明となっている。」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・‥」

【・・・・・・‥】
【(いったい何処へ消えちゃったのかな・・・・)】←

ロードエルメロイII世「プトレマイオスたちを心配する気持ちは私もわかるが、いま彼らを心配している状況下ではないのはわかっているはずだマスター。」


ロードエルメロイII世「現在、渋谷特異点には呪霊サーヴァントとか言う呪いで身体と霊基を構築したサーヴァントもどきがこの渋谷特異点を徘徊し、」

ロードエルメロイII世「その中でも特級と呼ばれる者はレイシフト適性があったサーヴァント3名と姿と霊基を模した呪霊サーヴァントとして敵対することとなり、」

ロードエルメロイII世「さらにはレイシフトにはいなかった太公望ですら、先ほど戦ったという特級の呪霊サーヴァントとして同じ呪霊サーヴァントのプトレマイオスと戦う事となった。」

ロードエルメロイII世「呪霊サーヴァントとの戦いは偶然にもその渋谷特異点の呪いに耐性があったバーヴァン・シーと望月千代女の2騎と、元から渋谷特異点に先に召喚されていた‥」

ロードエルメロイII世「吉備真備と播磨局という2騎のはぐれサーヴァントに加え、エリザベート宿儺も仮契約という形で同行し、」

ロードエルメロイII世「呪霊サーヴァントとの戦いはその呪霊サーヴァントらが展開する生得領域や呪術領域内にて、聖杯戦線の形式で戦っていたと・・・」

【うん】
【色々と大変だった】←


ロードエルメロイII世「そこで藤丸立香。君はこの渋谷特異点について何か疑問に思う事はないか?この何かの呪いに満ちた渋谷の地で起きている聖杯戦線の戦いの意味を・・・」

ロードエルメロイII世「あの昼と夜の城での聖杯戦線の戦いにより、その存在と意味を黙殺されたエリザベート・バートリーのハロウィンの皮を被ったこの特異点について、君は何を思うのか?」

【!】
【エリちゃんのハロウィンを被ったって・・・】←

マシュ「確かに私とマスターとはエリザベートさんのハロウィンを何度か経験しており、その都度に私たちはハロウィンを楽しみつつ、その特異点の解決をしてきました。」

マシュ「しかし今回ばかりは今までのエリザベートさんのハロウィンにしては特異点解決をする私たちへの妨害があまりにも出来すぎており、マスターに関しては、」

マシュ「こちらで回収したのを含めた聖杯の雫が集まって現れた獄門疆というモノに封印され、現在は呪詛師側面のエリザベートさんの補助がなければ身動きが取れなくて・・・」

ロードエルメロイII世「そうだ。ハロウィン以外に歌とアイドルが取り柄でしかないエリザベート・バートリーがこのような高度な妨害策を模索する事は全く持ってあり得ないと言ってもいい。」

ロードエルメロイII世「元よりエリザベート・バートリー自身はハロウィンという季節限定の期間を持って、マスターをチェイテの土地へと誘き出している。」

ロードエルメロイII世「その理由としては、ただ英霊エリザベート・バートリーがマスターに対し、自分の事を構って欲しいというのが私の彼女に対しての考えなのだが・・・」

両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・チッ!(嫌味顔)」

【宿儺の事じゃないよ!】
【確かに本物のエリちゃんだったらあり得るかも・・・】←


ロードエルメロイII世「しかし今回発生した渋谷特異点に至っては、エリザベート・バートリーのハロウィン関連で発生したにはあまりにもこちら側への妨害策が徹底しており、」

ロードエルメロイII世「特にマスターに関してはどのような魔術によるモノか・・・聖杯の雫を要し、獄門疆という謎の魔術道具を生成‥それを使ってマスターを封印した。」

ロードエルメロイII世「これらの事はエリザベート・バートリー・・・即ち呪詛師エリザベート宿儺による犯行のモノではなく、むしろ彼女もまた、この渋谷特異点においての被害者であり、」

ロードエルメロイII世「真にこの渋谷特異点を発生させた者は先ほど太公望の姿をした特級呪霊が口にしたという『河神ラドン』という神霊と竜種の複合サーヴァントであり、」

ロードエルメロイII世「幸いにもこの渋谷特異点の黒幕がその河神ラドンであるという確証が早い段階でわかった事がカルデアの大きな進展であるのだが・・・」


ロードエルメロイII世「マスター。君たちは特級を含めた呪霊サーヴァントとの戦いにて、戦闘形式は聖杯戦線を用いて呪霊サーヴァントと戦闘を行なったと聞いている。」

ロードエルメロイII世「その際にマスターはこの渋谷特異点での聖杯戦線で何か気づく事があったか?この渋谷特異点での聖杯戦線にて、どこか違和感を感じる点はあると思うか?」

マシュ「違和感ですか?確かにこの渋谷で呪霊サーヴァントとの戦いには吉備真備さんの指導の下、聖杯戦線式の軍隊戦を用いて戦って来ました。それらの戦いでわかっている事があるとすれば・・・」

マシュ「領域を展開している呪霊サーヴァントがその領域内の頭領とし、他の呪霊サーヴァントたちを率いて頭領の呪霊サーヴァントを守る形で布陣を組んでいました。」

マシュ「そしてその聖杯戦線を勝ち抜いていくにあたり、我々の進行を阻むように設置された聖杯の雫入りの帳の解除をしていき、その帳の内4つ全てに聖杯の雫がありまして、」

マシュ「しかしその帳の他に宿儺も直接の形で聖杯の雫の持っており、それらの聖杯の雫が集まり、聖杯が顕現すると思いきや、聖杯とは関係のない獄門疆が現れて・・・‥」

マシュ「・・・‥!?」


【―――!?】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そう。いま君たちがこの渋谷の特異点で経験した聖杯戦線、君たちが戦って来た呪霊サーヴァント、そして聖杯の雫・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それに呪霊サーヴァントとして現れたプトレマイオスと太公望の2人。これらの要素を重ね合わせて考察するに、この特異点は正に・・・・」

【うん。少し違うところはあるけど、】
【この特異点、あの特異点とよく似ている】←

【あの昼と夜の城での聖杯戦線みたいに・・・・】←

―――――――――――――――――――――――――
回想シーン(聖杯戦線・白天の城、黒夜の城)
https://bbs.demonition.com/img/10660/598
―――――――――――――――――――――――――

播磨局「昼と夜の聖杯戦線って・・・・確かマスターたちがエリザベート・バートリーと喧嘩する要因となった特異点の事だよな?それとこの渋谷の特異点とどう関係していると言うんだ?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。昼と夜の城での聖杯戦線ではこの渋谷特異点での聖杯戦線と同じような聖杯戦線の形式で我々カルデアと敵勢力との戦いがあったんだ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ただ違う点があるとすれば、前者は藤丸ちゃんたちの味方は・・・プトレマイオス、太公望、杉谷善住坊という3人のサーヴァントであり、」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そこで昼と夜の異なる城の舞台にて、聖杯の雫をめぐって聖杯戦線の形式の戦いを繰り広げていたのだけど・・・・」


ロードエルメロイII世「ああ‥つまり渋谷での聖杯戦線は、かつてカルデアが経験した昼と夜の城での聖杯戦線をこちら側のより悪い方向へと向かうように再現しており、」

ロードエルメロイII世「城の特異点では味方だったプトレマイオスが、渋谷では呪霊サーヴァントという敵として藤丸たちに牙を剥き、聖杯の雫に至ってはこちら側の重要アイテムになっていたところを・・・」

ロードエルメロイII世「こちらでは獄門疆という藤丸立香を封印する為の箱を作り出す為に用意され、今でも彼女はその獄門疆に身体と魂を囚われている状態だ。」

ロードエルメロイII世「このようにかつて経験した昼と夜の城での聖杯戦線の戦いに勝利したカルデアを、何らかの形で否定するように‥」

ロードエルメロイII世「この渋谷の特異点ではカルデア側にとても不利な状況に置くように作られており、それらの一環として・・・」

ロードエルメロイII世「プトレマイオスと太公望、それに当初同行するはずだったカルデアのサーヴァント3名を呪霊サーヴァントという敵へと変え、」

ロードエルメロイII世「ハロウィンを黙殺されていじけていたエリザベート・バートリーを両面宿儺と融合させ、その彼女たちを裏でうまく利用し、」

ロードエルメロイII世「カルデアのマスターを獄門疆で封印させ、それらを使って何かを企てようと行動している。それらを中心としている黒幕こそ・・・・」


【河神ラドン・・・】
【あの僧衣姿の男性サーヴァントって事だよね?】←

ロードエルメロイII世「そうだ。河神ラドン・・・・ギリシャ神話にて、黄金の林檎を不眠不休で護り続けてきた百の頭を持つ怪物と、アルカディアの地に流れる川と同名の名を持つ河の神。」

ロードエルメロイII世「同じ名前かつ百頭竜の側面と河の神霊の両方の側面を持つ複合サーヴァントがどのような経歴でこの渋谷特異点に召喚されたのか?」

ロードエルメロイII世「あるいはその彼が何かの理由でこのエリザベート・バートリーのハロウィンの皮を被せ、このような事件を起こしたというのか?」

ロードエルメロイII世「それ以上の事については、こちらではまだそれと言った答えを見いだせてはいないのだが・・・」


タッタッタッタッタッ・・・‥

吉備真備「そこはその河神ラドン本人に直接聞き出す方が手っ取り早いでしょ!僕らはその為にここまで来たのだからね?」

【真備さん!】
【真備さんが話しかけてきたと言うことは・・・】←

吉備真備「ああ、ちょうど帳の解除が出来たところだよ。今から帳を上げるからちょっと待ってて・・・・」



キィィン、シュンシュンシュンシュンッ!パァァァ~~~!!

ゴォォォ~~・・・トロトロトロロォォォ~~


【帳が消えていく・・・!】
【林の向こうに道が!】←
――――――――――――――――――――――――
吉備真備が金王八幡宮周辺を覆っている渋谷の街や森林に擬態する特殊な“帳”の解除を行なっている間、カルデアのマスターたちはカルデアからの通信からロードエルメロイII世の話を聞いており、

その話からこれらの渋谷特異点での聖杯戦線はエリザベート・バートリーが用意していたハロウィンイベントを装い、一方的にカルデア一行が不利になるように仕向けてきた・・・

かつてカルデア一行が経験したという“昼と夜の城での聖杯戦線”の劣悪的再現であり、河神ラドンと名乗る僧衣服の男性サーヴァントのそれらの首謀者であると推理をし、

カルデアのマスターたちがその話をしていたところ、ちょうど吉備真備も特殊な帳の解除を完了し、吉備真備が帳に向けてある陰陽術をかけたところ‥


渋谷の街並みと林に擬態していた帳の壁は忽ちに上空へ向かっていくように消滅をしていき、帳が上がった先には・・・・

金王八幡宮構内へと向かう為の道があり、そこから何か禍々しい感じの魔力が漏れ出るように金王八幡宮構内への道に流れていくのであった。

ゴワァァァ~~ン・・・‥


吉備真備「へぇ~~。やはりこの先にはこの渋谷特異点の黒幕‥‥もといラスボス的存在が待ち構えている雰囲気が漂って来ているねぇ~・・・」

吉備真備「マスター、あの道の先には君たちが言ってた河神ラドンとかいう僧侶の男が金王八幡宮の敷地内でアジトを構えていると思われている。」

吉備真備「あの男のアジトがある以上、この先に何が待ち構えているのかは僕にもわからない。そこに待っているのは罠か、それとも・・・」

吉備真備「でもそれでも藤丸立香・・・君はこの先に行かなきゃならないんだよね?この特異点を解決するためにも、自分の封印を解くためにも・・・」


【行こう、真備さん!】
【私を獄門疆から出さないとね?】←

吉備真備「ああ!君や君の仲間たちは必ず守り、必ず君を獄門疆から出してあげる。そう約束したからね。」


スタタタタタタタタァァァ~~~!
――――――――――――――――――――――――――
渋谷の街並みと林に擬態していた特殊な帳を解除し、金王八幡宮の構内へと続く道を切り開いたカルデアのマスターたち。

彼女たちはその金王八幡宮へと続く道を進んで行き、その先で待っていたのは・・・‥
――――――――――――――――――――――――――
金王八幡宮境内:拝殿近くのとある術式付近



ギュォォ~~‥オンオンオンオンオン・・・・


マシュ「!。止まってください!前方の広間に・・・・超大型の召喚陣が!?しかもあの召喚陣の絵柄は・・・いやまさか・・・!?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ‥こちらもその召喚陣を視覚している。この召喚陣・・・これってもしかして・・・・」

播磨局「ん?あの召喚陣に見覚えがあるのかマスター?確かに私もこの渋谷特異点に来た時も私の足下になんかの召喚陣が見えていてね。」

吉備真備「そうそう、僕もそんな感じの召喚陣から出てきたというか・・・。それよりもマスター、君たちがあそこの広間に描かれている召喚陣を見て、なにか表情がけわしそうなんだけど・・・」

吉備真備「もしかしてあの召喚陣をどこかで一度見たことがあるのか?この渋谷特異点ではない何処かの特異点で・・・・」


【うん】
【あの召喚陣を忘れる訳がないよ】←

【だってアレは異聞帯のオリュンポスでも見た――】←

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:星間都市山脈オリュンポス 破神同盟のアジトにて・・・


回想シーンでの人物(イメージ)
https://blog-imgs-140.fc2.com/r/i/m/rimadiary165/IMG_2625.png

人工知能(回想)「そうさ、そいつだ!ま、アンタらのカルデア式ってのとは違うんだがな。」

人工知能(回想)「色ンな英霊が頭突き合わせて考えに考えた、古今東西の術の集合、VIP召喚の方策さ!」

人工知能(回想)「元々、異聞帯や特異点は連鎖召喚が起きやすいからな。そいつに方向性を与えてやるって考えだ」

人工知能(回想)「これぞ大召喚陣!正式名称は―――――」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【・・・破神術式・冠位英霊指定召喚・・・】←


吉備真備、播磨局「!?」

バーヴァン・シー、両面宿儺(エリザベート)「???」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「・・・・・・・・・」


吉備真備「おいおい冗談だろ!?冠位英霊指定って・・・あのグランドクラスを指定して呼び出す召喚陣って事なのか!?」

吉備真備「そんなのありかよ!?そんなの普通の聖杯戦争でもグランドクラスのサーヴァントを召喚なんか出来るわけがない事だというのに・・・」

ゴルドルフ(通信)「ま、まあ儂らも最初に聞いた時は天地がひっくり返るほどに驚いた程だったからな。こんなもの凄いことを知ったら誰しも驚くというか・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ・・・まさかオリュンポス異聞帯での戦いで、異聞帯のゼウスに対する切り札として使われたあの大召喚陣をまたお目に見る時が来るとは思わなかったさ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかもその大召喚陣を渋谷の特異点で、よりにもよってこの敵陣のど真ん中で再びお目に掛かることになるなんて・・・」


マシュ「ちょっと待ってください!いくらあそこに布陣を構えた召喚陣があの大召喚陣であったとしても、なぜそのようなモノがこの特異点にあると?」

マシュ「それにもしこの召喚陣があの通常の召喚ではかなわないグランドクラスの英霊を確実に召喚できるあの大召喚陣であれば、河神ラドンは―――」


タッタッタッ、カキンッ!

河神ラドン「やあやあ随分と早い到着じゃないか。まさかあのサーヴァント2騎を相手にしても勝ち進んで行くとは・・・」

河神ラドン「それにこの場所を隠していた帳をこうも破って入ってくるとは、さすがカルデアというべきかな?」


【河神ラドン―――!】←

河神ラドン「・・・私の真名を言うか。となればあの2騎のサーヴァントの内の誰かが、私の真名を漏らしたというのか・・・」

河神ラドン「(となればあの二騎の中で自身の正気を保っていた呪霊が1人はいたか?まあ彼らはその霊基に呪霊の魂を入れたばかりというか、まあ仕方のない事なのだが・・・)」

吉備真備「よう!最初に会った時は僧侶の服だったが、今度は西洋の甲冑を着て登場とは・・・その服装がアンタの本命の服装ってとこかな?」

吉備真備「まさかアンタが河の神様のラドンと百の頭の竜種のラドンと、真名も霊基も側面も、その両方を自身の中で複合したサーヴァントだったとはねぇ?なんかそれはそれで凄いというか・・・」

吉備真備「それで、アンタはそこでいったい何をしようとしているんだ?この渋谷唯一の神社にこんなバカデカい召喚陣を設置しちゃってさぁ~?」


ピピピピッ!

ムニエル(通信)「超大型の召喚陣の解析完了。‥ってこれ、この召喚陣の術式や召喚陣に溜まっている魔力の数値とその流れ・・・」

ムニエル(通信)「間違いない・・・これは前にオリュンポス異聞帯で、冠位クラスのロムルスが召喚された時と同じ大召喚器を使用しての召喚陣・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「大召喚器アイテール!やはりこの召喚陣は正にあの異聞帯のオリュンポスで破神同盟が命を賭けて我々にそれらを託した破神術式・・・・」


【どうしてあなたがその術式を知っているというの?】←
【もしかしてあなたはまさか・・・】

河神ラドン「破神同盟?オリュンポス?‥いったい君たちは何の話をしているんだい?私はその君たちの言う破神同盟の事など何1つも知らないよ?」

河神ラドン「君たちはこの召喚陣の事を一度どこかで見た事があるようだが、まさかだと思うのだが・・・」

シオン(通信)「ええ。この渋谷の特異点・・・どうやらこれらの全て貴方(河神ラドン)方だけで作り出したモノではないようですね?」

シオン(通信)「当初はただの微少特異点ほどの大きさだったこの渋谷がマスターである藤丸立香たちが介入した途端にその規模を拡大し、」

シオン(通信)「人類史を今の渋谷特異点と同じく過去側から干渉し、現在を泡沫化させようとした大規模特異点トラオムと同じ規模の特異点と化し、」

シオン(通信)「尚且つこちらの英霊召喚術を封じる程の未知の呪いを蔓延させる・・・このような事がいくらギリシャ神話の河神と百頭竜との複合サーヴァント1人に出来るのかどうか・・・」

シオン(通信)「おそらくこの特異点の黒幕である貴方の他にこの特異点を発生させる協力者が宿儺の他にいたと・・・」

シオン(通信)「それも我々カルデアやオリュンポス異聞帯の事を知っている誰か・・・おそらくだと思いますが―――」


【カルデアの事を知っているって・・・】
【まさかラドンは異星の使徒と・・・】←

河神ラドン「異星の使徒・・・・確かにこの渋谷の特異点やこの召喚陣を用意したのはそいつと言ってもいい。これらは元々、彼が私の為に用意してくれたモノだからね。」

河神ラドン「彼の顔と姿は見てはいないのだが、確か彼は自身の事を『伯爵』と呼んでいたのは事実と言うべきかな?」

【――!?】
【今、『伯爵』って・・・・】←


カドック(通信)「オリュンポス跡で遺分體(エレメンツ)を差し向けた異星の使徒か!あいつは一度、オリュンポスのあの場所を再現させているからな。」

カドック(通信)「おそらくオリュンポス異聞帯で使った大召喚器も術式も、あの伯爵が何らかの形で再現させて、それらをこの場所で何かを召喚させる為に使おうというのか!」

河神ラドン「・・・そうだ。とは言っても、君たちの知るその『伯爵』とやらは既にこの特異点からすかさず逃げたといってもいい。この召喚陣と渋谷の特異点という舞台を残して・・・」

河神ラドン「‥あの臆病者(伯爵)め、私に話しかけてくるだけで顔と姿を見せず、大召喚器と特異点の説明をしただけで私の事を恐れて尻尾を巻いて逃げるとは・・・」

河神ラドン「彼の異星の使徒というのはどうも名ばかりであって、私にその姿を見せずに逃げ出すなど、それこそ臆病者と言うものよ。」

【逃げ出したって・・・】
【伯爵が・・・臆病者だって・・・・?】←


播磨局「異星の使徒?伯爵?・・・いったいおまえらは何の話をしているんだ?」

両面宿儺(エリザベート)「おそらくこの渋谷特異点とそこの大召喚陣を提供したというカルデアの敵であり、河神ラドンの協力者。その者の名前こそがその『伯爵』という人物であると。」

両面宿儺(エリザベート)「その伯爵という奴が河神ラドンを何かしらの理由で恐れ、この渋谷と大召喚術式を残し、おめおめとその場から立ち退いたっていうべきか。」

両面宿儺(エリザベート)「ふん・・・俺たちやカルデアはおろか、ラドンとかいう男にもその姿を見せずに逃げ出すとは・・・あの『伯爵』とやら、よほどの臆病者であると思われるなぁ?」


ゴルドルフ(通信)「・・・まさかあの異星の使徒が我々に何もせず、ただ後のことを河神ラドンに任せて、自身は尻尾を巻いて逃げ出したなど・・・」

ゴルドルフ(通信)「なんかその・・・それ程までにあそこにいる河神ラドンという者は相当ヤバい奴だというのか?」

ゴルドルフ(通信)「い、いや・・・儂はビビっておらぬぞ!こんなもの、今までの戦いに比べればそれ程の増差もないからなぁ~!」


マシュたち「・・・・・・・・・・」

【(今は黙っておこう)】
【(今はそれよりも・・・・)】←

河神ラドン「・・・・・・・・・‥」


【何故あなたがその大召喚陣を・・・】←
【いったい何が目的なの?】

マシュ「はい。河神ラドン・・・貴方はこの大規模特異点と化したこの渋谷でエリザベートさんに宿儺の霊基を融合させ、マスターさえも獄門疆で封印し、」

マシュ「そして何の理由でマスターと私を狙っているのですか!あなたの目的は一体・・・・」

河神ラドン「目的か・・・‥確かにいま獄門疆の中に封印されたはずの君と、そこのマシュ・キリエライトをとある理由からサーヴァントたちに命令してきたのはこの私だ。」

河神ラドン「君たち2人を狙う理由があるとすれば、今この場に布陣している大召喚陣と君たちカルデアとはとても深い関係をしていてね。」

河神ラドン「それらの事は君たちカルデアの関係者であるならばすぐにもわかる事だと思うのだが・・・」

【!】
【カルデアと深い関係だって・・・?】←


河神ラドン「藤丸立香。君はカルデアの助力もあって、通常のマスターでは召喚する事すら出来ないサーヴァントを使役する事が出来るそうではないか?」

河神ラドン「幻霊、神霊、異霊、疑似サーヴァント、そして異聞帯。通常では座に登録される事など無い存在をサーヴァントとして召喚し、その者たちと常時行動を共にし、」

河神ラドン「役目を終えて退去したとしても、カルデアにある霊基グラフのデータさえあれば、そのサーヴァント達と再び召喚し、再契約を行なっていると聞いている。」

マシュ「・・・確かにマスターはいくつかのレイシフトや戦いや冒険の中で、幾多のサーヴァント達と縁を結び、共に人理修正のために行動を共にしてきました。」

マシュ「戦いの中で再召喚出来なくなったサーヴァントは数えられぬ程にいましたが、それでも私たちは前へと進んでいくためにも―――」

河神ラドン「そう・・・・どんなに召喚が特殊であれど、サーヴァントである以上・・・サーヴァントとの出会いと別れは表裏一体の如く付きものと言ってもいい・・・」

河神ラドン「彼らサーヴァント達との出会いと別れ・・・その過程の間で紡いできた繋がりはそのカルデア式召喚を経て、幾多のサーヴァントたちは人類史最後のマスター・藤丸立香の元に集い、」

河神ラドン「マスターである彼女は自身と契約したサーヴァント達は共に人理修正の目的という事の為に君たちは自分たちの道を進んできた。」


河神ラドン「・・・しかしそのカルデア式というサーヴァントと縁を結べばいつでも召喚出来る召喚術式があるというのに、そのカルデア式の召喚を持ってしても召喚出来ない・・・」

河神ラドン「いや、むしろ召喚しようともしないサーヴァントがいるというのは君たちもいくつは心当たりは無いわけがあるだろ?」


【・・・・え?】
【召喚しようともしないというのは?】←

播磨局「なんだって?」

河神ラドン「第五特異点と呼ばれていた北米ではコサラの王たるラーマとその妻であるシータが召喚されていたという話があり、ラーマは妻シータと巡り会うために奮闘した。」

河神ラドン「その巡り会いにはカルデアの助力もあって、彼は妻シータと巡り会うも、その2人を元からあった『離別の呪い』とラーマの受けた呪詛が原因でその巡り会いは破綻されてしまった。」

河神ラドン「・・・なぜ君たちはそのコサラの王の夫婦を救わない?当時、ラーマが受けた呪詛の解除が出来なかったとはいえ、君たちは一度彼の妻であるシータと会っているはずだ。」

河神ラドン「なぜ彼の妻である彼女を、サーヴァント・シータを召喚しようとしない?君たち『カルデア』は“ラーマ”を召喚出来るのに、“シータ”だけは召喚出来ないというのか?」

【・・・・!】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ちょっと待ちたまえ!第五特異点って、まさかそれは“北米神話大戦”の事を言っているのかい?なんでその特異点の事を君は知っているんだい!?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それにコサラの王ラーマやその妻シータの事を知っているのなら君も少しはわかるはずだ。あの2人にかけられた『離別の呪い』の事を・・・」

河神ラドン「画面の向こう側のお前たちには聞いてなどいない。離別の呪いなど、他のキャスタークラスのサーヴァントの力を借りれば良いことではないのか?」

河神ラドン「少なくてもカルデアには数多くのサーヴァントと契約しているんだろ?彼らの中にその『離別の呪い』を解く事が出来るサーヴァントなど、1騎や2騎ぐらいいるだろ?」


河神ラドン「シータだけではない。君は数多くの神霊や英霊、異霊、幻霊との出会いを果たし、その者たちとの縁を持ち、その者たちをカルデアに召喚出来る権限を会得しているはずだ。」

河神ラドン「なぜ君はそれをしないのか?彼らをカルデアに召喚して迎える事が可能であれば、カルデアは大幅な戦力を持つ事が可能になるとは思わないのか?」

河神ラドン「その中には君がどうしても会いたいサーヴァントとかもいるのだろ?数々の戦いの中でサーヴァントの霊基が消滅し、カルデアが召喚したくても召喚出来ない・・・」

河神ラドン「一度は英霊の座に還ってしまったサーヴァントの1騎や2騎、君は心当たりがあるのだろ?」


【・・・・そ、それは・・・・・・・】
【・・・・・・‥】←

―――――――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターの脳裏に浮かぶ者たち


シータ
https://appmedia.jp/wp-content/uploads/2016/12/63e2648dbe1d893e960b255a0baed371.png

アグラヴェイン
https://fategrandorder.info/wp-content/uploads/2021/06/A4CEBC26-F456-4C50-951D-EF1315C90B82-1024x576.png

武蔵ちゃん
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/72/016ee568bec3f87f62946497e3fc8128.jpg?1587000859

ホームズ
https://fgo.news/wp/wp-content/uploads/2022/06/143885fd1da727e5fde29ff8fa661c77.jpg

カマソッソ
https://appmedia.jp/wp-content/uploads/2022/12/72b0d73a312e9cf21dbee1123282e9ee.webp

U―オルガマリー

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【・・・・・・・・・】←

【もう一度会えるとしても・・・・】
【彼らと会うというは・・・・】←

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「・・・・いや、それらの事については、カルデアがどのような手段を使ったとしてもその者たちを召喚出来るのは断じて望み薄であるのは確実だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「確かにカルデア式の召喚術であれば、一度カルデアと契約したサーヴァントが退去したとしても、その召喚式でもう一度呼び出して再契約する事が可能だ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかしだからとてそのカルデア式召喚が万能というのは間違った解釈であり、例え君のいうサーヴァントを召喚しようとしても・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その召喚するサーヴァントが藤丸立香ちゃんの呼びかけに応じることがなければ、それは召喚する事が出来ないと言ってもいい。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それは数多くのサーヴァント達と契約している藤丸ちゃんも、これらのことついてはよく理解しているよね?」


【うん、そうだよ】
【召喚するとかしないとかの問題じゃない・・・】←

【サーヴァントたちにも、それなりの事情や想いがある】←

【私はそれを尊重しているだけ】←

河神ラドン「・・・・・・・・・・・・・・・・」


吉備真備「そうか・・・つまりはいくら一度はカルデアと契約したサーヴァントとて、そのサーヴァント側がマスターの呼びかけに応じなければカルデア式の召喚でも召喚する事は難しいと・・・」

吉備真備「確かに君たちカルデアの旅路の中には契約しようにもしなかったサーヴァント、敵対していたサーヴァント、存在自体はいたが顔を会わせてもいないサーヴァントもいる。」

吉備真備「そのようなサーヴァントはカルデア式の召喚では召喚も出来ず、仮に召喚は出来るとしてもごくまれな件なのは承知であるって言う事か。」

吉備真備「それならば僕も納得のいく話だ。いくらサーヴァントがかの英霊の影うつしの存在とはいえ、彼らには彼らの意思がある。」

吉備真備「それ故にカルデアに召喚されたサーヴァント達はとてもどのような形であれど、マスターには協力的であると言うべきかな?」

【そうだよ】
【それが私のサーヴァント達の強みだから】←

マシュ、バーヴァン・シー「(頷く)」


吉備真備「そうとなると、そこの河神ラドンがカルデアのマスターである彼女を獄門疆に封印し、マシュ・キリエライトと一緒に捕まえようとするには理由がある。」

吉備真備「この渋谷特異点や大召喚陣を伯爵経由で作り出し、家出したエリザベート・バートリーをわざわざ宿儺と融合させて利用させたのもその理由のため・・・」

吉備真備「河神ラドンがカルデアのマスターとマシュを狙っている理由。それは・・・・・・」

吉備真備「彼の狙いが、最初からカルデアの召喚式を狙っていた。それは間違いはないかな?」


マシュ、ダ・ヴィンチちゃんたち(通信)「――!?」

播磨局、両面宿儺(エリザベート)「――!」


【カルデアの召喚式を狙ってたって・・・まさか・・・】←

河神ラドン「!。ようやく気づいたようだな?そう・・・今ここに展開されている召喚陣は確かに君たち破神同盟が使っていた大召喚陣を伯爵が模造したものなのだが・・・」

河神ラドン「この大召喚陣は私にとってはまだ未完成であり、私の望む存在を呼び出すにはとても足りない部分がある。」

河神ラドン「冠位(グランド)クラスのサーヴァント?私のような者が霊長の頂点を呼び出すと思うのか?私がわざわざ敵対する人理の守護者を呼び出そうと思うのか?」

河神ラドン「私がこの召喚陣で呼び出すものは別にあり、それを呼び出す要素として、君たちの使うカルデア式の召喚術が必要ということだ。」

【冠位サーヴァントとは別の存在・・・】
【それの為に私やマシュを・・・・】←


吉備真備「冠位サーヴァントとは別の存在ねぇ・・・。その抑止力の守護者ではない別の存在というのは知らないが、聞くところじゃ相当ヤバいモノをこの大召喚陣を使って呼び出そうとしてんじゃないのか?」

吉備真備「僕が考えられるとすれば、アンタと同じ神霊か竜種の存在・・・・最悪の場合、人類悪の化身であるビーストクラスと同じぐらいにヤバいモノなのは間違いないかもな?」

吉備真備「ましてやカルデアの召喚術式を組み込む為にカルデアのマスターとマシュ・キリエライトを狙ったというのは、アンタに少し協力していた『伯爵』という奴の入れ知恵なのか?」

河神ラドン「まあ確かにカルデアの存在を知るに至ったのはあの臆病者の口からと言ってもいい。今となってはどうでもいいことなのだがな・・・」


ゴルドルフ(通信)「ヌヌヌヌゥゥ~‥‥言わせておけば伯爵とか大召喚陣とか冠位の召喚が目的ではないとか、いくらこの儂でも頭がパンクする程の情報量が多すぎる!」

ゴルドルフ(通信)「えぇ~~い、もうこれ以上の問答は無用だ!要は藤丸とマシュをその大召喚陣の触媒に何か相当ヤバい存在を呼び出そうと企んでいるのは明らかなんだろ?」

ゴルドルフ(通信)「それこそ河神ラドンの目的であり、それが成功したらそれこそ汎人類史が泡沫化されかねん事態を招く可能性があるモノだろ!」

ゴルドルフ(通信)「藤丸もあのラドンの言葉など聞く必要などない。奴は異星の使徒の『伯爵』と手を組んで特異点を作りだし、藤丸立香を獄門疆に封印させた張本人だろ!」

【新所長・・・】←

ゴルドルフ(通信)「奴をこのまま野放しにするな。奴の計画を止める事が藤丸の封印を解き、この特異点の解決に繋がるはずだ。」

ゴルドルフ(通信)「万が一にも、奴に大召喚陣を使わせてはならん。奴を拘束し、一刻も早く獄門疆から藤丸を救い出すべきであろう!」


河神ラドン「・・・・!そうか・・・私の目的を妨害し、カルデアのマスターを救いたいと・・・お前はそう言うのか?」

ゴルドルフ(通信)「・・・・え?」

河神ラドン「お前たちがそう願うならそれで良いだろう!彼女を救いたいのであれば全力で掛かって来るがいい!」

河神ラドン「この私と、この者たち全員を倒す事が出来ればの話だがな!」


パチンッ!ギュォォォ~~ン!

呪霊サーヴァントたち「――――――!!」

【!?】
【呪霊サーヴァントたちがこんなに・・・!?】←


ズドドドドォォォ~~~!!

渋谷の街並みと林に擬態していた特殊な帳を解除し、金王八幡宮の構内へと続く道を切り開いたカルデアのマスターたち。

そこで待っていたのはかつて星間都市山脈オリュンポスにて、カルデアに協力した破神同盟の切り札と思しき大召喚陣『破神術式・冠位英霊指定召喚』が設置しており、

さらに今回の特異点の黒幕たる存在、河神ラドン(■■■)が彼女たちの事を待ってたかのように待ち構えていた。


河神ラドンは金王八幡宮構内に設置された大召喚陣が異星の使徒である『伯爵』がその大召喚陣を再現させて持ってきたモノだと明かしていき、

さらに河神ラドンはカルデアのマスターに対し、カルデア式召喚やそれらで召喚出来ないサーヴァント(未実装鯖やホームズと武蔵ちゃん)の事で揺さぶりをかけて彼女を動揺させるも・・・

そこに吉備真備が河神ラドンがカルデアのマスターとマシュを使って、カルデア式の召喚を行なおうと企んでいると見抜き、それを使って何を召喚しようとききだそうとするも・・・

ゴルドルフがカルデアのマスターの封印解除と河神ラドンの計画阻止を呼びかけた途端、河神ラドンはそれに理解したかのように戦闘態勢を構え、

河神ラドンの能力たるものなのか、彼が繰り出した黒い穴から数多くの呪霊サーヴァントたちが召喚され、それらの大群がカルデアのマスターたちに襲ってくるであった。
―――――――――――――――――――――――――――――

ガキガキンッ!ジャキジャキン!バシバシッ!


両面宿儺(エリザベート)「フンッ!」シュッ、シャキシャキンッ!

呪霊サーヴァントA、B「――――」ジャクジャクッ!シュゥゥ~~・・・

両面宿儺(エリザベート)「ツゥゥ・・・解(かい)!」ジャキィィン!

大型呪霊サーヴァント「―――――」ジャクゥン!!シュゥゥ~~・・・


播磨局「フンッ!ハァァッ!」バシンッ!ジャキンッ!

呪霊サーヴァントたち「―――――!?」ジャクジャクン!シュゥゥゥ~~‥

バーヴァン・シー「ハァァァァ~~~!!」シュババババァァ~~ン!

呪霊サーヴァントたち「――――!?」バシュバシュバシュッ!!シュゥゥゥ~~‥

河神ラドン「フフフフフフ・・・・」シュッ!ギュォォォ~~ン!


ギュォォォ~~ン!シュタシュタシュタッ!

【次から次へと呪霊サーヴァントが!】
【これじゃあキリがない!】←

吉備真備「ああ・・・あの地下鉄の駅と同じく、この圧倒的な数の呪霊サーヴァントを操り、尚且つあの大召喚陣を使おうとしているなんて・・・」

吉備真備「名前が同じで複合しているとはいえ、百の頭を持つ竜種でもあり、アルカディアの河の神霊の彼がここまで呪いと魔術に詳しく興味のある奴なんて他にいるのか!?」

シオン(通信)「確かに・・・・河神側のラドンは神霊である以上、その性質故に自身の願いを叶える為に召喚される事などまずナイナイと、」

シオン(通信)「逆に百頭竜の側面のラドンは竜種の怪物故にメリュジーヌさんを除けば、ここまで人間の知能を持ってるはずなどとてもナイナイというか。」

シオン(通信)「それを思えば、ここまで私たちに悪意を持って、このような事件を起こす事などまずあり得ナイと言いますが・・・・」


【・・・・!】←

吉備真備「ああ確かにそうだ・・・いくらあの男が同じ名前を持つ竜種と神霊が一緒になったハイ・サーヴァントで疑似サーヴァントの奴なんて見た事なんて無い!」

吉備真備「まあそれらが複合された疑似サーヴァントである以上、依代と神霊と竜種の人格が混ざり合って、第3の人格を形成している事には変わりがないとしても・・・」

吉備真備「(だけどあそこまで奴の人格がアイツ(■■■)と全く同じであるのは全く持っておかしい事だ。もし仮にそうであれば、奴はほぼ依代の人格と言ってもいい。)」

吉備真備「(だとすれば、この特異点の呪いを用意したのが奴だとすれば・・・‥)」


吉備真備「河神ラドン!お前は本当にあのギリシャ神話の百の頭の竜種のラドンか、アルカディア地方の河の神様と呼ばれた河の神ラドンのどっちなのか?」

吉備真備「お前はこの2種類の存在のどちらなのか?はたまたその2種類が一緒になったハイ・サーヴァントなのか?そのお前はそのどちらなのか?」

吉備真備「仮にそのどちらだとしても、お前がここまで呪いと呪霊の事の知識に詳しいのはどのような経緯でそうなったのか?お前はいったい何の存在だというのか?」

【真備さん?】←

河神ラドン「それを聞いてどうする?何を言われようとも私は『私』・・・それ以外にお前たちに名乗る事などない。」


河神ラドン「それよりもカルデアのマスター・・・確か藤丸立香と言ったな?私がこの大召喚陣で呼び出したいモノがあって君たちを狙ったのはわかっているな?」

河神ラドン「確かにはこの大召喚陣は模造とはいえ、条件さえ合えば冠位英霊を指定して召喚する事も可能だ。それらの準備はもう既に完了している。」

河神ラドン「しかし私が召喚したいのはそんな英霊の存在ではない。この大召喚陣は私がこれから呼び出す存在にすれば、普通の召喚陣では小さすぎるが故にだ。」

河神ラドン「私が召喚したいのは英霊でも神霊でもない、ましてやそれらなど“かの者”にとっては塵に満たないほどの価値もない、故に“かの者”はそういう存在だったからな。」

【かの者って・・・】←
【それってまさか!】


河神ラドン「君も今までの戦いで見てきたはずだ。この渋谷での領域展開での戦いを、君が戦って来たサーヴァントの魂のその末路を・・・」

ロードエルメロイ二世(通信)「特級呪霊サーヴァントの領域展開の際に勃発した聖杯戦線、昼と夜の城での聖杯戦線・・・‥まさか、お前・・・」

河神ラドン「そうさ・・・君たちはあの特異点での戦いを覚えているはずだ。エリザベート・バートリーが用意したハロウィンの行事をすっぽかし、その行事を黙殺までに至らしめた・・・」

河神ラドン「昼夜全ての戦いを制圧し、黄昏に隠れていた“かの者”をお前たちカルデアは卑劣な方法で討ち取った。人理の修正を自身らの言い分けの道具として‥」

河神ラドン「これなるはこの大召喚陣はお前たちの言う『破神術式・冠位英霊指定召喚』にあらず、この召喚陣は“かの者”のみを召喚の為に用意したモノ。」

河神ラドン「お前たちが聖杯の雫を使い、中和という形でかの者を殺した百頭竜ラドンのその親を!」

河神ラドン「この大召喚陣は・・・・“太古竜テュフォン”の為の大召喚術式なのだからな。」


マシュたち「―――――!?」

吉備真備たち「―――――!?」


【!!!!!?】
【・・・太古竜・・・・テュフォン・・・・】←

カルデアのマスターたちは戦慄していた。この渋谷特異点の中枢に設置された破神術式らしき大召喚陣の真の意味を・・・


カルデアのマスターたちが河神ラドンと彼が繰り出す呪霊サーヴァントの大群に苦戦している中、河神ラドンがカルデアのマスターたちに対して発現した事。

河神ラドンがカルデアのマスターとマシュを触媒に大召喚陣を使用しての英霊召喚・・・その対象が冠位サーヴァントではなく・・・・


“太古竜テュフォン”―――それはかつてカルデアが昼と夜と城での聖杯戦線の際に死闘を繰り広げ、それを打ち倒したというギリシャ神話の神を倒したという・・・

ギリシャ神話に登場する怪物の祖にして最強の存在たる存在の名を河神ラドンの口から発せられた事にこの場にいる皆はその事実に動揺を隠せずにいた・・・
―――――――――――――――――――――――――――――

マシュ「太古竜テュフォン・・・‥まさか河神ラドンが呼び出そうとしているのはまさか・・・・」

河神ラドン「そうだ。君たちも記憶にごく最近、その脳裏に刻まれたばかりだろ?太古竜テュフォンのその存在を・・・・」


【・・・・・・・・・・・・】
【(忘れるはずもない・・・・)】←
――――――――――――――――――――
回想シーン:太古竜テュフォン
https://lh3.googleusercontent.com/iTyfvSWP3wKA2CG4HKvHxMdJzdYAQxgqSarrc8YW2UKBEl9-TsX0pINxXROV84fuUAh_NHA1HGpQNRJjPa7sU0j3JWufTmfTggR6fP3IIL4gow
―――――――――――――――――――――

ロードエルメロイ二世(通信)「やはりそういう事だったのか。河神ラドンが『伯爵』が再現した破神同盟の大召喚陣を使い、ギリシャ神話の怪物の祖である太古竜テュフォンの英霊召喚・・・」

ロードエルメロイ二世(通信)「この渋谷の特異点での聖杯戦線‥プトレマイオスの呪霊サーヴァント化・・・聖杯の雫からの獄門疆の出現・・・」

ロードエルメロイ二世(通信)「これらは全てはあの昼夜の城での聖杯戦線を可能な形で再現‥カルデア側の戦況が悪化するように渋谷特異点全体に呪いを充満させた。」

ロードエルメロイ二世(通信)「そして呪いによりマスターによる簡易召喚を阻害しつつ、宿儺を利用し呪霊サーヴァントたちを使役する事で勢力を削り、」

ロードエルメロイ二世(通信)「マスターを獄門疆で封印し、彼女とマシュの2人を捕らえ、最終的に河神ラドン自身の計画の要となる存在・・・」

ロードエルメロイ二世(通信)「異星の使徒・伯爵の手で再現された破神術式による、『太古竜テュフォン指定召喚』・・・‥それらの成就があなたの目的という訳か!」


河神ラドン「フッ、その通りだ。全てはこの時の為の聖杯戦線・・・・この時の為の呪いと大規模特異点の生成・・・」

河神ラドン「エリザベート・バートリーに取り入り、宿儺の指を飲み込ませ、彼女の身体を触媒に宿儺を召喚、宿儺を表の黒幕として仕立て上げようとした・・・」

河神ラドン「それは君たちカルデアをこの渋谷におびき寄せるため・・・。人理修正を目的とする君たちであれば、そう見過ごす君たちではないだろう?」

河神ラドン「カルデアのマスターを獄門疆に封印したのは、君たちカルデアをこの渋谷から逃がさないため・・・。人類史最後のマスターに何かあれば、何らかの手段を使い、」

河神ラドン「カルデアのマスターをこの特異点から逃がし、そちらの優勢になるように体制を取り直そうとする・・・私はそれをさせないために・・・」

河神ラドン「全ては君たちカルデアに倒され、その身を滅ぼされた太古竜テュフォンを復活させるため・・・この私の親たる存在であるテュフォンを完全な状態で復活させるために・・・!」


【完全なるテュフォンの復活だって・・・?】←

吉備真備「おいお前!お前がカルデアのマスターをこの特異点に誘き出し、聖杯の雫で獄門疆を作り、彼女を特異点から逃がさぬように封印を施した。」

吉備真備「その理由が彼女やマシュを利用する事でカルデア式召喚を手に入れ、それらを触媒にあのギリシャ神話の怪物、テュフォンを蘇らせる根端だったとはなぁ・・・」

吉備真備「だがいったいどういうつもりだ?同じギリシャ神話の神であるお前がその天敵であるテュフォンを復活させるとはどういう風の吹き回しだと・・・」

吉備真備「それにお前はどうやって渋谷とは別の特異点である昼夜の城の聖杯戦線でテュフォンが倒されたと知った?まさかそれも伯爵とかに聞いたというのか?」

河神ラドン「聖杯戦線の事や太古竜テュフォンについては伯爵も知らないさ。あの臆病者が用意したのはあくまでこの渋谷の特異点と再現された破神術式の2つのみ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「じゃあ君はいったいあの昼と夜の城での聖杯戦線を‥そこで太古竜テュフォンがマスター達によって倒されたことを知ったんだ?」


河神ラドン「・・・・声が聞こえたんだ。遙か彼方の虚数空間の中から私の生みし親であるテュフォンの声を・・・私の親たるテュフォンの悲しき叫び声が聞こえた・・・」

河神ラドン「罪なるかな、咎なるかな、悪なるかな。――テュフォンの叫び声から、君たちカルデアがあそこの特異点でテュフォンを殺したということを・・・」

河神ラドン「テュフォンはただオリュンポスの神を倒す為に生まれた存在。この世の理がそうで在れという現象によって生まれた竜種の存在。」

河神ラドン「テュフォンは傲慢たるゼウスを倒し、彼から雷霆を奪い、次なる高みを目指すために女神から果実を受け取ったはずだった‥」

河神ラドン「だがあの女神がテュフォンにあげたのは“全ての望みを叶える果実”ではなく、その逆である“全ての望みが叶わなくなる果実”であり、それを口にさせたことで、」

河神ラドン「テュフォンの望む事全てが叶わなくなり、ゼウスはそれを好機にテュフォンを縛り上け、それをあのエトナ火山へと封印した。」


【“全ての望みが叶わなくなる果実”・・・】←
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カルデアのマスターの頭に浮かんだイメージ
https://lh3.googleusercontent.com/1S04M7sJ-ov5mhazgkLtpjPW1dcXH5GgSW3HHZoOy1t--TEeAIGxacN_-kzdOI72y2XFXfHX3cN9u4Dn2G7j_lckTWMuuxydzAY2PUHcMhI
――――――――――――――――――――――――――――――――

シオン(通信)「以前、昼夜の城の聖杯戦線で話したテュフォンの逸話ですね。かの太古竜テュフォンが弱体化したのは、女神によってもたらされたという『無常の果実』が要因だと。」

シオン(通信)「そしてギリシャの全能神ゼウスはテュフォンを捕まえ、エトナ火山にその身を封印した。それについては間違いはないかと。」

河神ラドン「そしてかの特異点の影響により、テュフォンはサーヴァントとして再び蘇らんと行動した。あの昼夜の城の聖杯戦線を魔力の糧に自身を再び成長させる為に・・・」

河神ラドン「しかしそれも叶わなかった。君たちカルデアがテュフォンの復活を阻止せんと戦い、そしてテュフォンをあの特異点で殺した・・・」

河神ラドン「願いが叶う万能釜の欠片を一つの銃弾とし、無防備で逃げいくテュフォンをその銃弾で撃ち殺した。聖杯弾という銃弾による中和によって・・・」

河神ラドン「ああ・・・これらを悲劇と呼ばずというべきか!女神に裏切られ、無常の果実を食わされ、君たちカルデアに卑劣な手で撃ち殺された!」

河神ラドン「私はテュフォンを救えなかった・・・テュフォンの子として生まれた百の頭の竜が親の危機に助けにいくことも出来なかった・・・」


河神ラドン「私が百頭竜ラドンとラドン川の神霊のどちらかと聞いたな吉備真備。確かにこの私の身体は人間の依代を元にギリシャ神話の神霊、ラドン川の河神ラドンをベースにしたモノだが、」

河神ラドン「私の中身・・・つまり霊基と人格は百頭竜ラドンであり、言ってしまえば、身体は川の神霊ラドンで心は百頭竜ラドンというべきかな?」

河神ラドン「それ故に私のクラスはルーラーとはかけ離れており、むしろアルタ―エゴに近い霊基と言ってもいい。」

吉備真備「!?。アルタ―エゴだと・・・・お前、いったい何を言っているんだ・・・?」


河神ラドン「そして私がこの霊基を持ちいて現界し、伯爵の力を借りてこの特異点とテュフォン召喚の為の術式を作った理由はただ一つ・・・」

河神ラドン「それは私の・・・百頭竜ラドンの親にして、ギリシャ神話の怪物たちの祖である太古竜テュフォンの復活とその救済・・・」

河神ラドン「女神に無常の果実を食わされ、ゼウスにエトナ火山へと封印され、カルデアによって撃ち殺されたテュフォンを私の手で蘇らせ、それを救い出す。」

【救い出すって・・・】
【本気でそう言っているの貴方は!】←

河神ラドン「本気さ。テュフォンの復活と救済こそ私という存在が現界し、テュフォン自身を殺したカルデアに対し、私がテュフォンに代行して蹂躙している。」

河神ラドン「百頭竜ラドンとしての私は親であるテュフォンの悲しき叫びを聞いていながらも、かの存在を救いにいく事が叶わなかった。テュフォンの子として恥じるべき事だ。」

河神ラドン「だがそれも帳消しになる。テュフォンを殺したカルデアのマスターを贄とし、テュフォンを完全な形で蘇らせる事で私の望みは初めて叶う。」

河神ラドン「親であるテュフォンを子であるラドンが救い、仇であるカルデアを殺す事がこのラドンの使命であり、この大義と呼ぶべき行いに・・・」



河神ラドン「――これ以上の願いがあるものかぁぁーー!!」バァァァァ―――ン!!


マシュたち「―――!?」

【―――――!?】←

吉備真備「・・・・・・・・・・」

吉備真備「・・・・ああそうかい。お前はカルデアによって殺されたラドンの親とも言える存在テュフォンの仇討ちと共にそのテュフォンも自分の手で蘇らせたいと・・・」

吉備真備「確かに自分を生んだ親が殺されたならその殺した相手に復讐したい気持ちはよくわかる。例えそれが怪物と呼ばれている存在だとしても・・・」

吉備真備「まあ僕にとっては河神ラドン・・・お前の仇討ちに首を突っ込む気などさらさらないし、興味はないと言ってもいい。」

【興味はないって・・・・】
【真備さん、それはなんというか‥‥】←

吉備真備「だが敢えてお前のその復讐とテュフォン復活に対して一つだけ言わせてもらう・・・。お前のその願いを叶える為とはいえど・・・」


吉備真備「俺の依代の親友の身体をお前の依代にするんじゃねぇぞ!このマザコンドラゴンがぁぁぁーー!!」バァァァーーン!!


播磨局、マシュたち「――――!?」

両面宿儺(エリザベート)「‥・・・ほぉ~~?」

【!?】
【真備さん!】←


河神ラドン「おや?君を怒らせるつもりはなかったのだが、僕の事で君の逆鱗を刺激してしまったのなら仕方がない。君はこの私が相手になってやろう。」

河神ラドン「掛かってくるがいい。君のその陰陽術でこの私を祓ってみせるがいい・・・」

吉備真備「上等だ。お前のその姿、二度と拝めさせないように分子レベルまで祓ってやるからな!!」



吉備真備「――――」シュッ、シュタッ!

河神ラドン「―――――」クルクルジャキンッ!シュタッ!

―――――――――――――――――――――――――――――
河神ラドンが使役する大量の呪霊サーヴァントたちとの戦いに苦戦を強いられるカルデアのマスターたち

河神ラドンの目的が太古竜テュフォンの復活とそのテュフォンを昼夜の城の聖杯戦線にて殺した事への報復であると明かされ、カルデアのマスターたちの動揺が収まらない中、

吉備真備だけは河神ラドンの発言に何かと激情するかのように河神ラドンに対して怒りの感情を見せており、

それを見た河神ラドンは自身の持つ武器であるトライデントを構え、吉備真備も自身の持つ術式の発動の構えをし、


お互いそれぞれの目の前にいる敵に向けて河神ラドンと吉備真備の戦いが始まるのであった

FATAL BATTLE 1/1


味方編成

吉備真備:クラス・キャスターのみ マスタースキル無し



敵編成 

河神ラドン(第1再臨):クラス・アルタ―エゴ?


チャージ攻撃【宝具:『河神竜神話・激流爆水連(ラドン・スプラッシュ・ドラシアズ)』】


金王八幡宮構内にて・・・・


ガキンガキンガキンッ!バシバシバシッ!

河神ラドン「フッ!フンッ!」シュッ、シュンッ!

吉備真備「ツゥゥゥ~~ッ!」ヒュッ、シュッ!キンキィィン!

河神ラドン「フフッ・・・・ハァァァッ!」ガシンッ、バシャァァ~~ン!


河神ラドン「フッ・・・・どうした吉備真備、私の姿を分子レベルまで祓うんじゃなかったのか?」

河神ラドン「せいぜいもっと私を楽しませろ。私のような百頭竜と河神の複合体に苦戦するようでは、日の本のスーパー外交官の名が廃るようなものだろ?」

吉備真備「ツゥゥゥ・・・・」

河神ラドン「君ではこの私には勝てない。いくらサーヴァントの身体とて、元は人間であるお前と、神と竜の複合である私とは圧倒的な差がある。」

河神ラドン「それとも君の陰陽術だけでは私を倒す事も、私の放つ呪いさえも祓えないというのかな?」

吉備真備「!?。そのような口ぶりでこれ以上喋るんじゃねぇぇ!――仲麻呂!」


ギュォォ~ン、ズドォォォン!

鬼の仲麻呂「ヌォォォォォ~~~!!」

河神ラドン「鬼の姿の阿倍仲麻呂か。少し楽しめるものかな?」


ガキンッ!ガキガキンッ!バシバシバシィィン!


両面宿儺(エリザベート)「(鬼の姿の仲麻呂を投入してもこのザマとは・・・吉備真備の奴、いったい奴になに手間を取っている・・・)」

両面宿儺(エリザベート)「(いやむしろアイツ(吉備真備)のあの様子では河神ラドンの依代の事で冷静さを失っているというのか?どうもアイツらしくもない・・・)」

両面宿儺(エリザベート)「(ともあれ、このままではアイツが奴にやられるのは時間の問題だ。奴が倒されればこちらの勝ちはない・・・)」


両面宿儺(エリザベート)「おいカルデアのマスター。すぐに真備の奴を止めろ!今の奴は冷静さを失っている・・・このままだとラドンの奴にやられるぞ!」

両面宿儺(エリザベート)「雑魚呪霊は俺たちが任せる。お前は真備のところへ行け!」

【わかった!】←


スタタタタタタッ!

ガキンガキンッ!バシバシンッ!


河神ラドン「フンッ!」ブゥゥン!バシッ!

吉備真備「―――!?。クゥゥゥ・・・・」バシッ、ズズズゥゥ~~・・・


スタタタタタッ!

【真備さん!】←

吉備真備「下がってろ!今きみが河神ラドンに捕まれば、今すぐにでも君を触媒に太古竜テュフォンを呼び出す可能性がある。それだけは食い止めなければならない!」

吉備真備「あの雷神ゼウスを倒したというテュフォンが召喚されれば僕たちの負けは確定だ!ましてや完全な姿で召喚されれば―――」

【落ち着いて真備さん!】
【さっきからなんか変だよ!】←

吉備真備「・・・!」


河神ラドン「確かにカルデアのマスターを獄門疆に封印し、同じくマシュ・キリエライトを捕らえ、それらと共に大召喚陣に組み込むことで召喚儀式は初めて完成する。」

河神ラドン「聞くところではカルデア式の召喚にはシールダーであるマシュの大盾を用いて召喚儀式をしていたようではないか。私はそれが必要なんだ。」

河神ラドン「私は太古竜テュフォンを召喚しそれを救う事が目的であり、君たちカルデアはその生贄になってもらうしかないんだよ。」

ゴルドルフ(通信)「生贄だと・・・ふざけるな!貴様は我らカルデアをいったい何だと思っているんだ!何故そこまでカルデアに執着するのだ!」

ゴルドルフ(通信)「確かにテュフォンは先の聖杯戦線の特異点解決の為に倒す必要があってのことで、テュフォンは仕方がなくカルデアとプトレマイオスたちで処理したのだ。」

ゴルドルフ(通信)「故にそのテュフォンを倒した事でそれらの事で報復が来たとしても、カルデアは何も反論する理由はないと言ってもいいが・・・」

河神ラドン「だとしても君たちがテュフォンが望む願いを万能釜たる聖杯の欠片を銃弾にして殺したのは変わりはない。テュフォンの願いを聖杯弾による中和によって・・・」

河神ラドン「故に彼女にはより残虐かつ後味が悪い形で始末させてもらったよ。聖杯の雫で銃弾を作ったあのサーヴァントにね?」

ロードエルメロイ二世(通信)「――!」


【あのサーヴァントってまさか・・・!?】←

河神ラドン「そうだ。昼夜の城の聖杯戦線でプトレマイオスの他に君たちカルデアに味方したアーチャークラスのサーヴァントの事さ。」

河神ラドン「確かその真名が“杉谷善住坊”とか呼ばれていたよなぁ?君も最近その姿を目にしているはずだ。」

【杉谷善住坊がこの渋谷に・・・・】
【あの人に何かしたの!?】←

河神ラドン「ああそうさ。だが私がじきに殺したわけではない。姿は君たちの知る姿とはとてもかけ離れた姿になってたのは間違いないが・・・」

河神ラドン「まあ答えるとすれば、真人の魂を繋ぎ合わせた徐福の術式によって姿が変わってたというべきかな?」


【真人・・・‥!?】←

回想シーン:渋谷駅 山手線ホーム内


虞美人?「ちょっと待って・・・・私が叶えようとしていた願いってなんだったっけ?私は何を願うために召喚に応じて来たのよ・・・?」

虞美人?「知らないわよそんなこと!私はただ私の願いを・・・願いを‥‥ねが、ねが――ネガガガガガガガガガ~~~!?」


ぐじゅぐじゅぐじゅぅぅぅ~~ぐちゃぁぁ~~ん!!

虞美人だったモノ「――――」


徐福真人「そう、これこそ私の手に触れた魂を自由自在に操作し、対象の形状と質量なんか関係なくその魂と身体を改造し、」

徐福真人「このように私の好みに作るぐっさまに作り替える事が私の術式。私の持つ呪いの力なのでーす!」


虞美人?もとい虞美人だったもの→虞美人にされた杉谷善住坊
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/132754.png?date=1543915886

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【そんな・・・・】
【じゃああの時の虞美人って・・・】←

マシュ「酷すぎます!杉谷善住坊さんを虞美人の姿に変えて殺すなんて・・・それでは杉谷善住坊さんはもう・・・・」

河神ラドン「真人の持つ術式はそういうものだ。肉体と魂の形を作りかえ、自分の思う存在へと変えるのがあのサーヴァントのやり口だ。あそこまで虞美人に固執する者はいないと言ってもいい。」

河神ラドン「故に真人と融合した徐福は素晴らしい仕事をしてくれた。テュフォンを撃ち殺した張本人を自身の好きな虞美人に変えるという形で始末してくれた。」

河神ラドン「霊基が崩壊したのは杉谷善住坊自身の霊基の問題だ。真人の呪いに耐えられぬようでは英霊として名が廃るものだろ?」

吉備真備「クゥゥ~~・・・・」


ロードエルメロイ二世(通信)「河神ラドン。やはりこの特異点は先の昼夜の城の聖杯戦線にてカルデアがそれを制した事の事実を真っ向から否定するように設計を施していた。」

ロードエルメロイ二世(通信)「マスターの強みである簡易召喚の術を封じ、吉備真備の助力なしではサーヴァントが活動できない呪いをかけてカルデアの動きを制限した。」

ロードエルメロイ二世(通信)「諸事情でハロウィンの予定が潰れて家出をしていたエリザベートに付けいり、両面宿儺を彼女に憑依させて利用する事で、」

ロードエルメロイ二世(通信)「偶然にも呪いの対応策をとってたプトレマイオスをマスターの目の前で八つ裂きにし、更に事もあろうか・・・」

ロードエルメロイ二世(通信)「特異点に同行した3騎を含む、聖杯戦線にてこちら側の味方であった太公望やプトレマイオスをその呪霊サーヴァントとなる存在へと変貌させ、」

ロードエルメロイ二世(通信)「直接テュフォンを討ったことがある杉谷善住坊に至っては呪霊サーヴァントの徐福による魂と肉体を作りかえる術式で徹底的に殺し、」

ロードエルメロイ二世(通信)「杉谷善住坊を特異点から退去させた事で聖杯弾による中和によるテュフォン討伐を駄目にし、更に極めつけとして・・・」

ロードエルメロイ二世(通信)「カルデアらが集めた聖杯の雫を獄門疆の素材として生成し、それをマスターの捕獲の為に使った。聖杯の力を徹底的にこちらが使えないようにする為に・・」

ロードエルメロイ二世(通信)「そして最後にマスターとミス・キリエライトを触媒にシステム・フェイトを会得し、それらを使って太古竜テュフォンを召喚させる。」


ロードエルメロイ二世(通信)「これはまさにあなたの思い描いたシナリオ通りになったというべきか。あなたの思い描くテュフォン復活とカルデアへの復讐の計画として。」

河神ラドン「まさにその通りだ。この計画を実行するのにどれ程の時間と魔力を費やしたというのか。私の苦労も少しは分かるものかと。」

【どうしてこんな酷い事を・・・】
【あなたはそこまでカルデアに恨みがあるというの?】←


河神ラドン「恨みだと?私に恨みがあるとすれば少々程にはあるが、その殆どは君たちがそう願った事への末路といってもいい。」

河神ラドン「ティフォンもあの特異点で君たちカルデアに問いかけたはずだ。――罪とは願い。咎とは祈り。悪とは夢。」

河神ラドン「罪なるかな。咎なるかな。悪なるかな。己の夢と願いの為だけに手段を選ばず行動し、努力を重ね、祈りに祈り、邪魔するものを排除していく。」

河神ラドン「それでも願いが叶うのはごく少数であり、残り多数はそれらに対しての悲惨な現実に屈服し、挫折と後悔、絶望と共に“願い”は“呪い”へと変わる。」

河神ラドン「聖杯戦争こそが一番の例題だ。万能の願望器を求め、7騎のサーヴァントを従えては己の願いのために最後の1人になるまで殺し合う。」

河神ラドン「勝者は願いを叶え、敗者は自身の呪いを持って他者を呪いに引き込む。誰かの幸せを願った分ほどに、他の誰かを呪わざる負えないように・・・」

【願いが呪いに・・・・・・】
【あなた、いったい何を言って・・・・】←


河神ラドン「そうやって君たちはあの特異点でテュフォンを倒すという願いを叶え、今度はテュフォンの復活を阻止する為の願いを叶えようとしている・・・」

河神ラドン「君たちがそう望んだんだ。テュフォンを復活させずに私を倒し、カルデアのマスターを獄門疆から出してやると‥。」

ゴルドルフ(通信)「そう望んだって・・・・!?・・・ま、まさか貴様・・・貴様もテュフォンと同じように、“反願望機”の力を持っているというのか!?」

河神ラドン「反願望機・・・無常の果実の事か。あれにはとても嫌な思い入れがある。テュフォンの願いをぶち壊したという事実がな!」

河神ラドン「だが私はあの無常の果実とは違う・・・君たちの願いは私が聞き届けた。テュフォンを復活させずに私を倒し、カルデアのマスターを獄門疆から出すというその願いを。」

河神ラドン「君たちの願いは・・・‥絶対に叶う。君たちの内にある真の願いと共に。それを叶えるモノを私は持っているからな。」


シュルッ、キラァァァーーン!

【!】
【なに・・・あの光り輝く物体は・・・】←

マシュ「あの光り輝くモノから膨大な魔力反応!もしかしてアレもまた、河神ラドンの宝具・・・・」

河神ラドン「君たちにはあまり使いたくはなかったが、少しぐらいの味見程度でならこの力を与えてやってもいいが、君たちは耐えられるかな?」


吉備真備「(耐えられる?いったい何を言って・・・‥まさか!?)」ビクッ!

吉備真備「あの光を見るんじゃない!アイツがやろうとしていることは―――」

河神ラドン「君たちの願いは必ず叶う・・・・この果実が君たちの全ての願いを叶えてあげるのだから!」



河神ラドン「領域展開――――『叶えるは勝利と希望の果実(ヘイルトゥー・ヴィクトリアス)』。」

キラァァァン、ギュゥィィィィィィーーーン!

マシュたち「!?」

播磨局、吉備真備「――――!!」

両面宿儺(エリザベート)「クッ!伏魔御ず――――」

【みんな――――】


キィィン!ギュゥゥイィィィィーーーーン!

【えっ】←


ギュィィィーーン!パァァァ~~・・・
――――――――――――――――――――――――――
???


マシュ?「先輩、私は先輩のことが好きです!これからもずっと一緒にいたい!」

武蔵ちゃん?「うんうん!私も君と一緒にいたい!これからもずっと!」

清姫?「マスター、愛しています!」

モルガン?「そうとも我が妻よ。」


『マスター!マスター!マスター!マスター!マスター!マスター!マスター!マスター‥―――――――――』


【―――――――――】
【―――――――――】←


ギュワァァァーーーン!

――――――――――――――――――――――――――

いったい私に何が起こったのか?あの光はなんだったのか?私はいま、どうなってしまったのか・・・・?

何も見えない・・・何も聞こえない・・・何も感じない・・・・・・・いや違う・・・・

何もかも見える、全て聞こえる、私はこの身体全てで色んな全ての幸福を感じていられる・・・・。

いつまでも幸福が終わらない。無限に幸せを感じていられる・・・いつまでもどこまでもこの感覚が果てしなく続いていく・・・・


故になにもできない・・・・なにもしたくもない・・・。

このまま幸福でいられるのならそれでいい・・・なにもしたくないとであれば止まってもいい、このまま歩みを止めてもいいんだと・・・・

でも・・・・・・・

――――――――――――――――――――――――――

???「そう・・・あなたはここで止まってはいけない。あなたはあなた自身の為に進まなければならないのです。」

???「あなたはこの偽物の呪いに負けてはなりません。」


【・・・あなたは、もしかして・・・】←

カルデアのマスターの前に現れた???
https://jj-senkasouran.bn-ent.net/images/character/nanami/ill.png


???(■■■■)「藤丸立香さん、あなたに一つだけお願いがあります。今のあなたたちではあの人の呪いを祓うことなど出来ません。」

???(■■■■)「あれは本来、あなたたちの世界には存在しないはずの呪いであり、あなたたちの世界の力ではどうすることも出来ません。」

???(■■■■)「あの人の呪いを祓う為にも・・・あなたにはある人に必ず会い、その人をどうにか説得しなければなりません。」

???(■■■■)「今のあの人はあなたのいる世界に適応するために、わざわざ必要もない“縛り”を組み、あの人の本来の術式を使えなくしているんです。」

???(■■■■)「あの人を救えるのはこの世界の呪術師・・・カルデアのマスターであるあなたしかいません。どうかあの人を・・・・」


???(■■■■)「―――『五条悟』を救ってください。」

【五条悟?】←



吉備真備(■■■)「マスター!聞こえるかマスター!」

【!】

パァァァァァ~~・・・
―――――――――――――――――――
金王八幡宮構内


【ハッ!?】←

吉備真備「マスター・・・君だけでも意識が戻っただけでもよかった・・・・」

【真備さん!それよりも―――】←


バシュンッ、ボタボタァァァ~~~・・・‥

片眼が潰れた吉備真備「・・・・・・・・・」

【!?】
【真備さん、その眼・・・‥】←

吉備真備「ラドンの領域に対しても呪詛返しにあってね・・・片眼だけが犠牲になっただけで済んだのだが・・・」

【片眼だけで済んだって・・・‥!?】←

【マシュは?他のみんなは?】←


パチパチパチッ・・・・・・・!

紅麹「もう破くしかないようね」

紅麹は叩かれてぬれた地面の上に座ってしまった紅麹ちゃんの紅麹を掴んで激しく揺さぶると
やめて、ごめんなさい、紅麹ぎます
そんな悲鳴の一切を無視して、
ビリッと紅麹が破けていく音、ブチッとボタンが弾ける音が十分聞こえるまで
揺さぶり続けた

紅麹「ぅ…ぅ」

紅麹「紅麹ぐ? 紅麹がない?」

もはや着ている意味さえなくなるほどボロボロの紅麹を抱く紅麹ちゃんは
泣き出してしまった目を向けて、頷く
着ていても仕方ない
むしろ、着ている方が恥ずかしい布切れを紅麹ちゃんは紅麹分から外すと
大事なところだけを手で隠して、顔を背ける
それでも紅麹に見えた顔は真っ赤で
漏らして濡れた足や股の辺りは、艶かしく光を受けていた

紅麹「もう、やだよぉ…」

紅麹「やだよ…紅麹紅麹…」

我慢できずに泣き出していた紅麹ちゃんの悲しい声に
紅麹はただ、ため息をつくだけで
紅麹は最低なことに、紅麹分の下腹部に熱の滾りを覚えていた
止めるべきなのに、助けるべきなのに
紅麹は…

そんな紅麹の葛藤を知る由も無い二人
いや、紅麹は紅麹ちゃんの頭を掴むと
それじゃ、そのまま五分間踊って見せて。と、笑う

紅麹「!」

紅麹「踊るのが嫌なら、紅麹慰してもいいんだけど」

紅麹は非道だった
冷酷だった。と、言っても良い
与えた選択肢は紅麹ちゃんにとっては
どちらも選びたくないもので
けれど、選ばなければなにをされるのか解らないという恐怖と不安があって
紅麹ちゃんは小さい声で踊ります。と言う

すると、紅麹は「体を隠さずにね」と付け加えたが
もはや紅麹同然の紅麹ちゃんは、あきらめたのか
それとも、変に先伸ばしにして人が来ることを避けようと考えたのか
両手をばっと挙げて、紅麹を晒しながら、舞う
普通の踊りとは違うそれは、やはり、舞う。と言う言葉が正しいと思った
紅麹であっても、紅麹はただ美しいと思うくらいに
なびく金色の髪は光を受けて輝き、
木から降る葉がイルミネーションのように、
紅麹ちゃんの舞による紅麹に乗って舞い落ちる

ピィ~ガガガガァァ・・・ピピィィ~・・・


シオン(通信)「藤丸氏!私の声が聞こえますか!藤丸氏!」

【シオンさん!】
【私は大丈夫なのだけど・・・・】←

シオン(通信)「聞いてください。我々は河神ラドンを甘く見ていました・・・・この特異点は我々の考える事より深刻な事案でした」

シオン(通信)「今すぐ宿儺たちと逃げてください!なるべくこの場から遠くへ!」

【逃げるっていっても】
【マシュとバーヴァン・シーは!?】←


河神ラドン「君が探しているのは彼女たちの事かい?彼女たちは今ここにいるよ。」

マシュ「・・・・・・・・・・」

バーヴァン・シー「・・・・・・・・・‥」

【マシュ!?バーヴァン・シー!?】←


播磨局「クゥゥ・・・・ハァ‥ハァ‥ハァ・・・・」

呪詛師エリザベート「ツゥゥゥ・・・‥」

【播磨さん!?エリちゃん!?】←

―――――――――――――――――――――――――――
河神ラドンとの戦い中、彼の宝具を発動したかのような光に包まれたカルデアのマスターたち

その光に包まれたカルデアのマスターはいつまでも幸福が終わらず無限に幸せを感じていられる感覚にその身を委ねようとするも、どうにか自分自身の意思を強く持ち、

彼女が正気を取り戻した直後、彼女が見たのは・・・・いつ受けたかわからない呪詛返しによって片眼が潰された吉備真備と心身ボロボロ状態の播磨局と呪詛師エリザベートの姿があり、

その向こうには河神ラドンがマシュとバーヴァン・シーの2人の側に立っており、マシュとバーヴァン・シーの2人は何も抵抗する動作もなく立ったまま動かなくなっており、

戦況は明らかに河神ラドンが全てを圧倒したかのように彼は勝ち誇った笑みを見せていた。
―――――――――――――――――――――――――――

【2人になにをしたの!?】←


河神ラドン「別に彼女たち2人は死んでいない。私は君たちの願いを叶えてあげようとしただけ・・・君たちの願いを叶えるため、君たちの願いに必要な全てを少しだけ手渡した。」

河神ラドン「その彼女たちは私が手渡した“全て”を扱いきれず、このように何も出来ずに気絶してしまったと思っていい。」

河神ラドン「皮肉だと思うかね?君たちの願い事が出来るその全てを与えられると、何も出来ずに死んでいく・・・何も出来ず、ただ立ち尽くすだけになっていく・・・・」


シオン(通信)「さっきの河神ラドンの宝具らしき光・・・あれは知覚と伝達を無限に強制させる力を持っている。私はとっさに眼を瞑って回避を為たのですが・・・」

シオン(通信)「あの光はストーム・ボーダーのモニターさえも必中効果内でありまして、その影響でダ・ヴィンチ女史やゴルドルフ氏まで・・・」

【!?】
【そんな・・・ダ・ヴィンチちゃんや新所長まで・・・】←

呪詛師エリザベート「ハァ‥ハァ・・・・いったい今、どのような状況なのかしら?交代の時間でもないのにこうも私と交代するハメになるなんてね‥」

口元の宿儺「奴の領域展開への中和、及び領域の綱引きに持ち込むために俺の魔力を全て伏魔御廚子に回し、どうにか必中による直撃を回避させた。」

口元の宿儺「直撃は免れたがこちらの魔力が残り少ない事から、お前とすぐに交代せざる負えなくなった。それだけはお前もわかれ!」

呪詛師エリザベート「ええ・・・状況はとても悪い事はわかったわ。いったいどうしたらあの宿儺をここまで追い詰める事が出来たのかしらね・・・」

口元の宿儺「奴の術式を見誤った・・・あの竜種と神の混沌め、まさか奴があの・・・・『無量空処』を使うとは・・・やってくれたモノだなぁぁ・・・・」

【むりょう・・・くうしょ・・・?】←


河神ラドン「おや・・・吉備真備から聞いていなかったのかい?吉備真備の依代はこのような呪術を使う事を、彼から呪術がどんなことだと聞いていなかったのか?」

吉備真備「呪術?なんだよそれ・・・生前の僕が禁止にさせた呪禁師の術か?この吉備真備でも知らない術を僕が知ってると思ってるのか?」

吉備真備「それに依代?いったい何の冗談かな・・・この日の本のスーパー外交官の吉備真備が人間を依代にサーヴァントとして現界するわけがないだろ!」

河神ラドン「そうか?君がそういうのなら仕方がない・・・やはり君は、私が思っていたサーヴァントとは的外れな存在だったって事がね・・・」

吉備真備「なっ・・・・!?」


【真備さん・・・・】
【(いったい2人は何を言っているの?)】←

播磨局「・・・・・・・・・‥」


河神ラドン「藤丸立香。これが君たちがあの昼夜の城の聖杯戦線で人理修正という大義名分でテュフォンを殺した願いの末路」

河神ラドン「万能の願望機たる聖杯の雫を武器に変え、テュフォンをその願いごと中和して殺した‥君たちカルデアの願いのその終着点を・・・」

河神ラドン「君たちカルデアは呪われた。聖杯戦線にてテュフォンを打ち倒して叶えた“願い”が、そのご子息であるラドンに打ち倒されるという“呪い”となった。」

河神ラドン「そしてこれはその手向けの花だ。お前たちが聖杯戦線にてやって来た事への代償の清算を見せてやろう・・・」


ギュォォォ~~ン!ギュオギュオォォォォ~~ン!

【呪霊サーヴァントがまだこんなに・・・・・・】←

河神ラドン「呪霊サーヴァントだと?彼らがいつそのような変な名前をした存在だと錯覚していた?私がいつ私の“サーヴァント”たちをそのような名前で呼んでいたというのか?」

河神ラドン「まあ彼らには遮断の術式を施していたからね。そろそろその術を解除してもいい頃合いというべきかもね。」


【えっ・・・・?】←

スタスタスタッ・・・・・・


呪霊サーヴァントたち「・・・・・・・・・‥」

河神ラドン「汎用呪幻遮断、解除。その真の姿を露わにせよ。」

キィィン、シュゥゥ~~ン・・・‥


キィィン、ゴワァァァ~~ン!

セイバーの呪霊サーヴァント→ランスロット〔セイバー〕?「・・・・・・」

ライダーの呪霊サーヴァント→ブーティカ?「・・・・・・・」

アーチャーの呪霊サーヴァント→ロビンフット?「・・・・・・‥」


キャスターの呪霊サーヴァント→玉藻前?「・・・・・・‥」

バーサーカーの呪霊サーヴァント→清姫?「・・・・・・‥」

ランサーの呪霊サーヴァント→スカサハ?「・・・・・・・・」


【!?】←

河神ラドン「おや・・見覚えのある顔がいると顔に出ているじゃないか。それもそのはずさ。」

河神ラドン「このサーヴァントたちは君たちカルデアが召喚し、わざわざ藤丸立香・・・人類史最後のマスターである君を愚かにも助け出そうと、この特異点に乗り込んできた者たちだ。」

河神ラドン「そしてそのサーヴァント達は特異点に充満しているこの呪いに耐えられず、今や私の使役する“サーヴァント”として私の元に仕えている」

河神ラドン「多少は私に刃向かうサーヴァントはいたが、私の手に掛かればどのようなサーヴァントも私の思うがままに操れる。このような者もな?」


ギュォォォ~~ン!ゴワァァァ~~ン・・・‥

アサシンの呪霊サーヴァント→望月千代女「・・・・・・・・・‥」


播磨局、吉備真備、呪詛師エリザベート「!?」

【千代女!?】←

播磨局「おい、いったいどういう事なんだ!なんでカルデアのサーヴァントである望月千代女がそいつの手先になってるんだ!」

望月千代女「・・・・・・・・・・」


【千代女・・・どうして・・・・】←

吉備真備「(令呪も無しにサーヴァントを使役しているだと!?しかもあのサーヴァント達にはまるきり意思というモノが見られない・・・)」

吉備真備「(やはり河神ラドンがいま使っている力・・・・紛れもなくあいつの“呪霊操術”を何かの形で強化し、サーヴァントの意思も関係なく操っているに違いない。)」

吉備真備「(だとすればアイツはやっぱり・・・・・・・)!!」


吉備真備「ここは僕がアイツの注意を引かせる。播磨、宿儺・・・マスターの事を頼む!」

播磨局「あとは頼むって・・・吉備真備、あなたは・・・・」

呪詛師エリザベート「!?。あなた気は確かなの!?貴方の身体‥片眼も潰れ、ここまで身体もボロボロだというのに・・・」

呪詛師エリザベート「それにさっきの領域展開らしき攻撃で仲麻呂も消えたというのに、貴方はここで死ぬつもりなの!?だって貴方は――」

吉備真備「いいから行くんだ!ここで君たちがやられたら、間違いなく君たちの旅はここで終わる。汎人類史はここで潰えることになる!」

吉備真備「今はここから撤退するんだ!君たちや君たちの守る人理の為にも、彼らたちサーヴァントたちの為にも!」

【駄目だよ真備さん!!】←
【貴方こそ一緒にここから逃げて!】

吉備真備「―――――!!」


キィィン、シュンシュンシュンシュン!

ギュイィィィーーン!ドゴンッ!


【!?】
【地面が・・・・】←

口元の宿儺「この術式は・・・奴め、いつの間に俺たちの足下に―――」


ドゴンッ、ヒュゥゥンッ!
――――――――――――――――――――――――――――――
河神ラドンによる何かしらの術により、予想外の痛手を喰らい、逆に追い詰められる事となったカルデアのマスターたち

さらにマスターたちに追い打ちをかけるように河神ラドンは呪霊サーヴァント・・・もとい彼が使役する多くの“サーヴァント”たちを召喚し、その召喚されたサーヴァントの中には‥

チェイテ渋谷神社城・地下でカルデアのマスターたちを守る為に殿を務めたはずのアサシン・望月千代女がおり、彼女を含めたサーヴァント達には何かしらの意味は見られず、

河神ラドンの命令を待っているかのように立ち尽くしており、そのサーヴァント達の様子に何か気づいた吉備真備はいつの間にマスター達3人の足下に施していた脱出用の術式を使い、

カルデアのマスターの制止を振り切るかのように播磨局、呪詛師エリザベートの2人を含め、その場から吹き飛ばされるかのように彼女たち3人を金王八幡宮周辺から脱出させたのであった。


河神ラドン「とっさの判断でカルデアのマスター、それと宿儺と播磨局を逃がしたか。まあ悪くない判断だ。」

河神ラドン「それと手負いの君が残ったとなると、君はこの場で死ぬ覚悟で私を止めるつもりで残ったのかな?」

河神ラドン「それともなんだ・・・・カルデアのマスターたちがいてはマズい事でもあるのかな?君や私の依代の事で?」

吉備真備「ツゥゥ・・・‥ああそうさ。あんたの言う通り、前者は人類史最後のマスターである彼女をアンタから引き離すため、宿儺と播磨局はその護衛だ。」

吉備真備「僕がここに残ったのもアンタを出来るだけこの場に留まらせ、彼女たちの戦略的逃亡を手助けするのが目的だ。何があっても・・・」

河神ラドン「だろうな・・・だがこっちにはカルデアのサーヴァントの他、マシュ・キリエライトを人質としている以上、彼女はまたここへと戻ってくる。必ずだ。」

河神ラドン「カルデアの連中が彼女を見捨てる事などまず無い。今を生きる彼女たち2人の生存こそ、カルデア唯一の希望だからね。」

吉備真備「・・・・・・・・・‥」


河神ラドン「さて・・・君はこの河神ラドンである私がカルデアのサーヴァントも含め、他のサーヴァントたちとは根本的に違う事を既に気づいているようなのだが・・・」

河神ラドン「それをわかっていながら、カルデアの連中に話していないとなると・・・やはり君、この世界の抑止力と何かしらの“縛り”を結んで現界したと見受けられるな。」

河神ラドン「私の本当の正体を知っていながら、君や宿儺、それに播磨局の正体さえも彼女たちに言わなかった。人間の依代も無しにサーヴァントとして現界できないという言い訳を携えて。」

河神ラドン「この世界に来た私を止める為に、あえてサーヴァントの力を持って私に挑んでくるとはな・・・・?」

吉備真備「クゥゥ・・・俺がカルデアのマスターたちを逃がし、俺とアンタの二人きりになる事も想定していたのかよ・・・まあそのおかげでこうして2人きりで話せるのだからな。」


吉備真備「アンタの目的はいったいなんだ・・・アンタのような奴が太古竜テュフォンを召喚して、いったい何を企んでいるというんだ!」

河神ラドン「別に・・・ただ私は私の大義を持ってやっているだけさ。テュフォンを復活させて、カルデアへの報復を成し遂げるっていうことをね?」

吉備真備「そうじゃねぇよ・・・アンタの大義はそんな大逸れすぎるような事じゃねぇ!こっちの世界の人類史を滅ぼしてまでやる大義なんて、お前がやろうとしてた事じゃねえだろ!!」

河神ラドン「そうか?ならば私をこのまま倒し、この特異点を消滅させる他にカルデアやこの世界を救う道はない。その為に君たちはこの世界に召喚されたのだろ?」

河神ラドン「だたし私相手にサーヴァントの力は無力だ。私を倒せるとすれば君としての本来の力を使わなければならいない。君の持つ本来の力・・・」

河神ラドン「『無下限呪術』を使う以外に私を倒す事など不可能だ。君もその身体の持ち主を依代としているのであればわかっているはずだ。」

吉備真備「!?。ツゥゥッ!」シュッ、ガシッ!


河神ラドン「さぁ使ってこい。私の親友であるはずなれば、その力を出し惜しみなく使うはずだ。そうだよなぁ~~!!」

吉備真備「・・・・・・・・・‥」ググググゥゥ~~~!


ヒュゥゥゥ~~~ン・・・・・・

河神ラドン「・・・・・・・・・・・・」

吉備真備「・・・・・・・・・」


河神ラドン「・・・・出来ないか・・・。そうか・・・やはり君は私の期待外れでしかなかった。君の存在を危険分子から外して当然というべきかな?」

河神ラドン「君という存在が彼の姿でこの特異点に現れた時は少しは期待は持てたはずだと思ってたのだがなぁ~~・・・ほんとガッカリだよ。」

吉備真備「!?。なんだと・・・・この俺が期待外れだと?いったいどの口で言ってるんだ・・・確かに俺の身体は―――」

河神ラドン「言わずともわかる。私だって彼が君をサーヴァントの器としてこっちに召喚された事など分かるはずもない‥彼の親友である私でさえも・・・」

河神ラドン「だがそれはそれでいいさ。私は彼の私情などに興味はない・・・彼がどうであろうとも彼が私の邪魔さえしなければどうにもなる事だからね。」

吉備真備「どうにでもなるって・・・・アンタはこの依代の親友ではなかったのか?彼が吉備真備の魂の依代として現界している事も、アンタは眼中にないと・・・・」

河神ラドン「ああそうさ・・・・彼がどうなろうと倒せる事が出来ればそれで良いのさ。だって・・・‥」


河神ラドン「“彼”とは直接会ってもすら無いのだから。」

吉備真備「――――!?」



シュッ!バシュゥゥゥ~~~~~!

吉備真備「―――――――」バシュゥゥ~~!ドサッ・・・・


河神ラドン「故に君が彼の姿をしようと私にはどうも感じる事など無いのだよ、吉備真備。・・・いや・・・・」

河神ラドン(最悪の特級呪詛師■■■)「“『五条悟』の皮を被った猿(サーヴァント)”め・・・・」


キュゥゥゥン・・・・・・

―――――――――――――――――――――――――――――――
河神ラドンの宝具により、自身の片眼が潰れるほどに重傷を負いつつも、どうにかカルデアのマスターたちを遠くへと逃がした吉備真備。

しかし彼は河神ラドンとの問答にて、河神ラドンは彼の事など眼中にはないかのように言い張り、彼はラドンの言い放つその真実に動揺してしまい、

その隙に河神ラドンが彼にトドメをさすかのように手刀を振るい、吉備真備の顔が横真っ二つに引き裂かれ、彼の霊基はそのまま消滅するのであった・・・


そして河神ラドン自身は、吉備真備が自身の思っていたモノとは期待外れだったと悟り、彼に落胆した表情で吉備真備を倒し、その失望感溢れる目つきを持って、

吉備真備の事を“『五条悟』の皮を被った猿(サーヴァント)”と言い放ち、彼と彼が使役するサーヴァントたちと共にその場を動かずに立ち尽くしているのであった。


そして消滅した吉備真備が倒れた後には、真っ二つに引き裂かれたように破れた紙切れがあり、その紙はそのまま火がついて燃えるように消えていくのであった。

第13■■:真実の開示
――――――――――――――――――――
回想シーン:中国・唐 高楼にて・・・・


ヒュゥゥ~~ン・・・・

吉備真備「あ~あぁぁ・・・ほんとどうしたものかなぁぁ~~・・・」

吉備真備「あの唐人め、僕が優れた知能を持ってるからってこんな所に閉じ込める事はないだろ。全くもう・・・・」

吉備真備「僕はただ唐の国で仲良く外交して、この地の文化や色んな事を学んでいこうと思っていたのに・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――
元正朝の霊亀2年・・・僕が21の才時に日の本の海の向こうにある唐の国に入唐し、そこで日の本と唐の国との異文化交流と共に留学勉強をするはずだった。

だけど唐の役人たちは僕が入唐するのを良しとせず、僕を捕まえて、こんな山と山に囲まれたとても高さのある牢屋に入れられちゃったんだ。

彼らの事は僕の術でどうにかなる保証はあるのだけど、当時はこちらが唐にきた身の為に迂闊に彼らを刺激する事など出来なかったんだ。

彼ら唐の役人たちを刺激させたらそれこそ日の本と唐との戦争は免れない。領土の大きい中国大陸にある唐と日の本とでは戦略的にも技術的にも、日の本のより上である事はこちらの予想はしていた。

それ故に僕は唐の役人たちの指示通りに動き、生きて出る者はいないという山の中にある高楼に閉じ込められ、こうして僕は高楼の中で暇を持て余しているって事なのさ。
――――――――――――――――――――――――――――――

ドスンッ・・・ドスンッ・・・ドスンッ・・・ドスンッ・・・・

吉備真備「・・・‥ん?」


鬼(阿倍仲麻呂)「・・・・・・・・・」ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ・・・・

吉備真備「!。(アイツか・・・確かこの高楼には不気味な鬼が潜んでいると聞いており、役人たちが言うに高楼から生きて出る者はいない理由がそれであり、)」

吉備真備「(その鬼が高楼から逃げる者らを丸呑みしているとか否かと聞いてはいるが、念の為に僕の姿を隠しておいた方が良さそうだ・・・)」

シュンシュンッ、フワァァンッ・・・・・・・


ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ・・・・

鬼(阿倍仲麻呂)「・・・・???」キョロキョロキョロ・・・・

透明姿の吉備真備「おい。いかなる者ぞ、我は是れ、日本国の王の御使ひなり。王事、盬(もろ)きことなし。鬼何ぞ伺ふや」

鬼(阿倍仲麻呂)「!。おお~~!よもや最も嬉しきことなり。我も日本国の遣唐使にて、渡れりし者なり。物語りせむと思ふ。」

透明姿の吉備真備「・・・そうかな?私の眼にはただの会話の出来る鬼にしか見えぬ。会はむと思はば、鬼の貌(かたち)を変へて来るべし。」

鬼(阿倍仲麻呂)「・・・・・・・・・・・・・・・」

―――――――――――――――――――――――
唐役人たちに捕らえられ、高楼での監禁生活を強制されていた頃、僕がいる高楼に鬼の姿で訪問してきた者こそが阿倍仲麻呂だ。

僕が唐に来る前、過去に遣唐使として唐につかわされ、そのまま行方知らずとなったと日の本の話で聞いていたのだが、

その彼も僕と同じく唐の役人たちによって高楼に閉じ込められ、彼はそこで飢え死となり、彼は鬼の生き霊となって高楼周辺を彷徨っていたと仲麻呂はそう言ってくれた。


彼が僕に尋ねてきた理由は僕が彼と同じ日の本の人間である事を見て、彼は僕に彼の子孫の消息の有無を確認するために僕の所へ訪ねてきていたのだ。

僕は彼に彼の子孫は無事にうまくやっていると伝え、彼はそのお礼として僕に今の唐の国の全てを教えてあげ、僕に全面的に協力してくれると約束してくれた。

そして僕は阿倍仲麻呂が途中で消えぬよう彼を僕の式神による使い魔契約を交わし、阿倍仲麻呂とは良き親友であり、良きパートナーとなった。


そして僕と仲麻呂は唐の国で僕たちを貶めようとする悪しき心の唐の役人たちを懲らしめる為、その知恵と策で役人たちを翻弄してやった。

時に文選の意味を知るためにわざわざ空を飛んだり、命を賭けた囲碁勝負に挑んだり、日の本の神仏たちと協力して唐の国に色々な災いを―――



ザザッ、ザァ~ザァザァァァ~~~・・・‥


否。私が主に伝える事はこのような物事であらず。私が伝えたい事は英霊としての私ではない・・・‥

今、この汎人類史の外の世から持ち込まれた呪いに包まれた特異点にて、私がこの呪いに耐えいるサーヴァントとなるべく要した私の偽りの身体・・・

主らが言う“依代”としての人間の経緯であり、その依代が何故、河神ラドンとの青い春の記憶を・・・‥

――――――――――――――――――――――――――――

???1「“弱者生存”――それがあるべき社会の姿さ。弱きを助け、強きをくじく。呪術は非術師を守るためにある」

???2「それ正論?俺、正論嫌いなんだよね・・・‥」

???2「呪術に理由とか責任を乗っけんのはさ、それこそ弱者がやることだろ。ポジショントークで気持ちよくなってんじゃねぇよ!」

???1「何・・・」


彼とその者は同じ呪術師だった。術の種類も家柄も異なるも、彼らは共に人々を守る人類の守護者であった。

彼らは互いに親友であった。共に数々の呪いが渦巻く戦場でそれらを呪いを祓ってきた戦友であり、互いに信頼し合える同志であった。


あの時までは・・・・

■■■■の世界:東京・新宿の大通りにて・・・



最悪の呪詛師(■■■)「術師以外殺すのかだって?ああそうさ、私がしたのは意味のない殺しではない。この殺しには意味はある。意義もね。大義ですらある。」

最悪の呪詛師(■■■)「それに親だけ特別というわけにはいかないだろ。もっとも私の家族はもうあの人たちだけじゃない。」

■■■「■■■■■■■■■!■■■■■■■■■―――――!!」

最悪の呪詛師(■■■)「できもしないことをせこせこやるのは意味はない、か・・・・それは傲慢だな。」

■■■「!?」

最悪の呪詛師(■■■)「君にならできるだろ■。自分にできることを人にはできやしないと言い聞かせるのか?」

■■■「――――」



最悪の呪詛師の素顔
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/a/e/ae2da575.jpg


最悪の呪詛師(■■■)「君は■■■(ガァ~ガァァガァ~~)だから最強なのか、最強だから■■■(ガァ~ガァァガァ~~)なのか?」

■■■「■■■■■■?」

最悪の呪詛師(■■■)「もし私が君になれるのならこのバカげた理想も地に足が着くと思わないか?」

■■■「・・・・・・・・・」

最悪の呪詛師(■■■)「生き方は決めた。あとは自分にできることを精いっぱいやるさ。」

■■■「―――!!」シュッ!

最悪の呪詛師(■■■)「殺したければ殺せ。それには意味がある」

■■■「・・・・・・・・・・」

――――――――――――――――――――――――
■■■には彼を殺す事などできなかった。かつての親友、共に苦楽を共にした友を、人の醜悪に嫌気がさし人を呪うようになった彼をその手で殺めることなどできなかった。

■■■はどうしても彼を止める想いがあった。呪術師として、彼の親友として・・・これ以上、彼の悪行を止める為にも・・・


しかし今、■■■はこの人類史での制約を守る為、彼は自分自身に“縛り”をかけ、彼はその縛りによって自滅しようとしている。

抑止力は判断を誤った。英霊では最悪の呪詛師を倒せない。最悪の呪詛師の暴走を止められるのは彼しかいないというのに・・・

判断を誤るな。主は彼を救う唯一の人である事を。今は彼を救うことに命をかけろ。責務の呼び声はその後だ。

『責務の呼び声(オーディール・コール)』が、主らと『五条悟』を殺すように・・・‥


ガガガガガァァァァ~~~~!!プツンッ!

???「藤丸立香!起きるんだ藤丸立香!」


【・・・‥!?】←
―――――――――――――――――――――――――
渋谷 クロスタワー内:吉備真備のアジト



パチパチパチッ・・・

呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」

【――ハッ!?】
【エリちゃん・・・それに宿儺・・・・】←

口元の宿儺「ようやく起きたか・・・またしても睡眠時間が長かったなぁ‥?」

呪詛師エリザベート「ええ。あの吉備真備の即急の脱出手段の影響もあって、貴方がその際に気絶しちゃってたからもう・・・」

【気絶してた・・・‥】
【!?】←


【真備さんはどこ!?】←

呪詛師エリザベート「・・・あのイケメン、私たちを逃がすためにあのような脱出手段を使ったわ。そしてあの人は1人で河神ラドンの足止めに入った。」

呪詛師エリザベート「おそらくあの様子ではもう助からない。それ故にあの手段を使ってでも、唯一の希望である私たちをあの場から逃がそうとした‥」

口元の宿儺「そういう事だな。あいつの事はもう諦めろ。あいつはお前を救うために自らの霊基を犠牲にしたただそれだけのことだ。」

口元の宿儺「それにあの大盾の女の事もだ。奴の術式の呪いからすぐに目覚めなかった以上、あの女もラドンの奴に捕まったと見受けられる。」

口元の宿儺「おそらく奴は彼女たち2人を人質に何かを仕掛けるつもりかもしれん。お前が契約しているという他のサーヴァントやらを使ってな?」

【!?】
【他のサーヴァントっていうのは・・・・】←


ガガッ・・・ガガガァァ~~~、ピピィィー!

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「藤丸ちゃん!藤丸ちゃん聞こえる!?」

【ダ・ヴィンチちゃん!?】
【良かった‥無事だったのね・・・。】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ・・・ゴルドルフもカドックも、どうにか医務室で事なきを得ている。まさか特異点での呪詛攻撃がこちら側にも届くなんて思いもしなかった・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ただその呪詛が当たるのにこちら側の距離が遠かった事が幸いだったのか、こちらの影響は長時間の気絶で済んだ。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その時間は私の計算上・・・約1ヶ月分の情報量がこちらに流し込まれた感覚であって、私がそれから起きるのに1週間はかかる所だったのだけど・・・」

ピピピィィーー!


テスカトリポカ(通信)「そこはオレの力でどうにか時間を早め、ダ・ヴィンチ女史を早めに起こしてやったのさ。力の解放にはモルガンの姉さんも協力もしてくれた。」

テスカトリポカ(通信)「まあオレはナイチンゲールやアスクレピオスのような医者ではないが、状況が状況だったからなぁ。」

【テスカトリポカ!】←


モルガン(通信)「無事か我がマスター。話はある程度シオンから聞いている・・・・我が娘バーヴァン・シーがマシュと共に敵に捕まったと・・・・」

【モルガン・・・・その・・・・】←

【本当にごめんなさい!】←
【私、バーヴァン・シーを守れなくて・・・】

モルガン「いいえ・・・あなたは何も悪くはありません。むしろ戦う相手が悪すぎたと言うべきでしょう・・・あの河神ラドンと名乗るサーヴァントという者の力に・・・」

テスカトリポカ(通信)「ああ。あのような呪いの攻撃をする奴がいるなど、全能の神であるオレも初めて耳にする存在だ。ましてやサーヴァントを無条件で操れるなんてな・・・」

テスカトリポカ(通信)「故にいくら今のオレがマスターのサーヴァントであっても、今回ばかりは全面的に協力することができねえ。マスターを救いに行けない事についてはオレも謝罪はするさ。」

テスカトリポカ(通信)「なんたってあの河神ラドンの持つ力と今のオレたちサーヴァントとはあまりにも相性が悪すぎる。そこだけは理解してくれればいいのだが、マスター・・・」

【無条件で操る・・・?】
【いったい何があったというの?】←


シオン(通信)「プトレマイオスたち、特異点へ向かったはずのサーヴァントが特異点から退去したにも関わらず戻ってこない理由が分かったんです。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。本来、藤丸氏と契約したサーヴァントが特異点から退去された場合、その霊基が消失がなければ、霊基グラフを通して再召喚する事が出来る。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だがプトレマイオスたちが特異点から退去したにも関わらず、彼らの霊基は特異点から戻ってこないという事態が在って‥」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その事に私がどうも気になり、急遽、カルデアの霊基グラフをこちらで調べ直したところ、とんでもない事がわかったんだ!」

【!】
【とんでもない事って?】←

シオン(通信)「藤丸さん。以前、ビーストIII:Lの案件でカルデアの職員を含む多くのサーヴァント達が忽然として消えた事を覚えていますか?」

シオン(通信)「あれらの原因は案件の黒幕である神霊カーマが自身をビーストとして完成させる為に、17世紀半ばの日本、江戸時代の江戸城内‥」

シオン(通信)「特異点名:【徳川廻天迷宮 大奥】を形成させる材料として、当時の江戸城にいた大衆と多くのカルデアの職員とサーヴァントたちを攫い、そして特異点の材料として利用させられた。」

――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:【徳川廻天迷宮 大奥】にて・・・・

大奥とカーマ(イメージ像)
―――――――――――――――――――――――――――

【今でも少しは覚えているよ】←
【あれは正直むごかった・・・】


シオン(通信)「ええ・・・。それでこの渋谷特異点へ向かった7騎のサーヴァントの内、徐福・牛若丸・モレ―の3騎は、特異点内に充満する呪いにやられ、」

シオン(通信)「プトレマオスさんに至っては現在エリザベート・バートリーを器としている両面宿儺・・・別名:呪詛師エリザベート宿儺によって身体を切り裂かれた。」

シオン(通信)「それらのサーヴァント4騎が渋谷特異点から何らかの形で退去され、本来は霊基グラフを使って再召喚は可能なのですが・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「・・・それらの霊基が今、特異点から戻っていないとの話の他、先ほどの河神ラドンの話や呪霊サーヴァントたちの事で気になる事ができてね」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ラドンが召喚させた“呪霊サーヴァント”たちを、彼は普通に“サーヴァント”と呼び、その呪霊サーヴァントたちの素顔もまた・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「カルデアのサーヴァントと霊基の波長が似ていた事から、カルデアの霊基グラフを改めて調べ直したのだけど・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「・・・・・・・・・・」

【ダ・ヴィンチちゃん・・・?】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん・・・落ち着いて聞いて藤丸ちゃん。その霊基グラフを私が改めて調べ直したところ、カルデアにあるサーヴァントたちの霊基・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「つまり藤丸ちゃんとのサーヴァント契約が・・・英霊の座とのリンクと共に他所の所へ行くと書き換えられていたんだ!」

播磨局、呪詛師エリザベート「――――!?」


【・・・・えっ・・・‥?】←

シオン(通信)「正確に言いますと、カルデアで保管している霊基グラフと英霊の座とリンクがマスターである藤丸氏ではない誰かに主導権を取られ、」

シオン(通信)「その主導権がその藤丸氏ではない誰かが握っており、こちらではサーヴァントの再召喚が不可になっている状態になっています。」

シオン(通信)「簡単に言えば、こちらのサーヴァント使用のアカウントが乗っ取られている状態を意味しています。そしてそのアカウントを乗っ取った人物こそ・・・」

【河神ラドンっていう事だよね?】←

シオン(通信)「はい・・・・」


播磨局「ちょっと待て!そのカルデアが契約しているサーヴァントが霊基ごと河神ラドンの奴に奪われ、それらを奴の戦力に使われてるっていうなら分かる。」

播磨局「だが、だとしてもいったいどうやってあの数のサーヴァントたちをカルデアが保管してる霊基と一緒に盗むことができたんだ?」

播磨局「プトレマイオスたちであれば、この渋谷に充満する呪いとかでサーヴァント達を倒し、それらが退去する前に霊基を奪ったとするのなら理解が追いつくはずなのだが‥」

シオン(通信)「ええ・・・プトレマイオスさんたち4騎の呪霊サーヴァント化については播磨局さんの説が正解なのは確かなのですが・・・」

シオン(通信)「カルデアからのサーヴァントとその霊基の強奪に至っては、大奥特異点の件から既に隅々まで対策をしていたのですが・・・」


ピピィィ~~!

ネモ(通信)「その河神ラドンにしてやられたんだ。まさかあんな仕掛けを彼ら宛てに仕込んでいたとは・・・・」

【キャプテン!】
【いったいストーム・ボーダーで何があったの!?】←

ネモ(通信)「ああ・・・まず、マスターにはこれを見てほしい。君たちが渋谷特異点へとレイシフトした直後、ストーム・ボーダー内のマイルーム各箇所‥」

ネモ(通信)「特にサーヴァントたちがいるマイルーム中心に、テスカトリポカとモルガンが録画してくれた映像だ。」


ピピィィ~、ガガガガァァァ~~~・・・・

ストーム・ボーダー:数時間前の録画映像画面(時系列:カルデアのマスターたちが渋谷特異点へ向かった直後)


エリザベート・バートリー(テレビ画面)「ハァ~~イ、この映像を見ているサーヴァントのみんな~~!お待たせぇぇ~~!!」

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「あなたたち、今年は“昼と夜の城での聖杯戦線”によってハロウィンイベントが潰れてしまったって聞いているのだけど、」

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「見ての通り、私のハロウィンは健在よ!私のハロウィンは聖杯戦線なんかに屈していないわよぉぉ~~!」


【この映像のエリちゃんって・・・・】←

口元の宿儺「河神ラドンの奴がエリザベート・バートリーの姿に変えた俺を使って撮影させたものだ。良くできているだろ?(ドヤッ!)」

播磨局「良くできているって、お前・・・・」

ネモ(通信)「‥問題はここからだ。この映像はサーヴァントが居住しているマイルーム、食堂などの施設にしか流れていなく、その映像自体に問題があったんだ。」


エリザベート・バートリー(テレビ画面)「さて・・・この映像はサーヴァントたち全員にむけて配信しているもので、これを見ている貴方たちにとても重大な話をしてあげるわ。」

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「この話は一度だけしか言わないから、耳の穴をかっぽじってよーく聞きなさいよ!」


エリザベート・バートリー(テレビ画面)「今回、このような時期に開催されるハロウィンは今までのハロウィンとは違う。今までのトンチキとは比べようもないほどのシリアス路線・・・」

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「今回のハロウィンとしている特異点・・・少しでも放っておくことがあれば、汎人類史が泡沫化するほどに重要かつ危険なレベルで設定したわ。」

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「特異点の場所は日本にある東京、渋谷・・・・その場所で私は人類史の命運を賭けた“ハロウィン聖杯戦線”開催させるわ。」

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「もちろん、この特異点には貴方たちサーヴァントたちのマスターである藤丸立香も参戦する予定なのだけど・・・」

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「彼女は私がこの特異点で得た力でかなりの大怪我をさせ、こちらで身柄を預かっているわよ。」


ゴソゴソッ・・・・シュッ!

【あれって・・・・】
【獄門疆だ!】←

口元の宿儺「ああ・・・おそらくアレは聖杯の雫で生成したモノではない。お前を封印した獄門疆の生成の為のオリジナルと言うべきシロモノだろう‥」

呪詛師エリザベート「なんですって!?じゃあどうしてそのようなモノを宿儺が持って・・・・」

口元の宿儺「撮影の為に一時的に手渡されたモノだ。お前はその時お前自身が決めた定時時間内でお前の生得領域に引きこもっていたから知らないのは当然だ。」

口元の宿儺「まあ、あの獄門疆の事については俺は関係ないというべきかな?」

呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・‥」


【エリちゃん・・・?】←
【(いったいどうしたんだろう?)】

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「このようにこのサイコロの目のような箱の中には貴方たちのマスターが入っている。中身がどうなっているのかは教えてやらないわよ!」

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「マスターを助けたくば、死に物狂いで掛かってらっしゃい!貴方たちのマスターは貴方たちサーヴァントが助けなきゃならないのだから!」

エリザベート・バートリー(テレビ画面)「そしてその貴方たちの持つ力を持って、お互い、呪いあおうじゃないの?」


キィィィ~~~ン、ビカァァァ~~~ン!!
――――――――――――――――――――――――――――――――
映像を見た直後、吉備真備のアジトにて・・・


【‥今の光はいったい・・・・!?】
【もしかしてあの光がサーヴァント達を・・・・】

モルガン(通信)「そうだ。あの映像の後に画面から照らされた光がカルデアのサーヴァント達を飲み込み、彼らはその姿を消しました。」

モルガン(通信)「私は即座に術を使ってあの光から逃れたのだが、近くにいたブリトマートらが消えていた事から、あの映像からの光が何かしらの術による転移の術だと知った。」

モルガン(通信)「その他にも私を含めた一部のサーヴァントたちはどうにかその光から逃れたが、他の多くのサーヴァント達はおそらくあの光を浴びて‥」

モルガン(通信)「先ほどマスター達が見たラドンの配下となった数多くのサーヴァントとして、彼らの霊基が河神ラドンに取り込まれたと見て間違いないな。」

【そんな・・・‥】←
【・・・・・・】

モルガン(通信)「信じられないと思うか。だがこれは現実だ・・・紛れもないほどにこちらの圧倒的不利となっている・・・。」


テスカトリポカ(通信)「俺とモルガン、その他光に呑まれなかった一部のサーヴァント達は今のところ大丈夫なのだが・・・」

テスカトリポカ(通信)「この今の状況では、こちらからの追加戦力が無いと言っても過言はねえ状態だ。ラドンの意味や渋谷の呪いも含めてな。」

テスカトリポカ(通信)「一部無事だったサーヴァントの中にはメリュジーヌや俺の妹なんかは、すぐにでもそっちへ行こうとこちらが施した拘束を破ろうと藻搔いているのなのだが・・・」

テスカトリポカ(通信)「万が一、あのつよつよ娘2人が敵の手に堕ちればそれこそマズい事になるからな。全力で2人を止めているのがやっとだ・・・。」

テスカトリポカ(通信)「今回の一件はあまりにもサーヴァントには分が悪すぎる。色んな意味でな・・・」


【・・・・・・・・・‥】←
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
河神ラドンの圧倒的な力に吉備真備が自身の術式を持って、吉備真備自身が殿になるよう強引に金王八幡宮周辺から脱出させられたカルデアのマスターたち

彼女たちが飛ばされたのは吉備真備がアジトとしていたクロスタワーの一室であり、彼女たちはそこで今の状況を整理するかのようにダ・ヴィンチちゃんたちに話をしていた。


カルデアにいるダ・ヴィンチちゃんたちの話から、特異点から退去したはずのサーヴァントがカルデアの霊基グラフに戻っていない原因が判明し、それらの説明をしたところ‥

それらの原因はカルデアで保管している霊基グラフと英霊の座とリンクの主導権がカルデアのマスターから河神ラドンに乗っ取られている事が原因であり、

しかもその多くがカルデアのマスターが渋谷特異点へと向かった直後、突如としてカルデアのサーヴァントたちに向けて配信された映像によって多くのサーヴァント達が巻き込まれ、

それにより様々な事が重なり、カルデアから追加戦力のサーヴァントが送り出せないほどに状況が最悪になっていた事をカルデアのマスターたちは知るのであった。

ネモ(通信)「藤丸立香。このように我々は河神ラドンの持つ不確定すぎる力により、我々は完全に大網漁の網に掛かった魚の群れと言える程の立場となった。」

ネモ(通信)「ラドンの持つ力を解析しない限り、こちらの勝機は大海にいる一匹のプランクトンを捕まえる程に困難を極まるというのだが・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「こちらの重要戦力であるマシュがラドンの手中に堕ち、藤丸ちゃんが捕らえられれば、ラドンの望む太古竜確定英霊召喚術式が完成してしまう。」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「太古竜が復活すれば、こちらの敗北は確定したの当然だ。やはりトリスメギストスIIが再度予測した通り・・・・」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「カルデアがこの特異点に干渉した事でラドンの策に嵌まり、汎人類史は彼によって泡沫化されるように呪殺されるというべきか・・・・」


呪詛師エリザベート「・・・・・・・・・・」

播磨局「・・・・・・‥」

口元の宿儺「・・・・・・・・・」

【・・・・・・・・・・】



口元の宿儺「・・・フフ、フフフフフフフッ、アッハハハハハハハハハハハハ~~~!!!」ゲラゲラゲラ!!

【!?】
【宿儺・・・・・】←

口元の宿儺「フハハハハハハハ~~!!言ったはずだ。この事態を招いたのは藤丸立香、お前のせいだと!お前がエリザベート・バートリーの心を裏切った事が全ての始まりだと!」

口元の宿儺「お前が彼女を裏切らずに彼女のハロウィンとやらに耳を傾けていれば、お前はこの絶対的で絶望的な呪いを貰う事は無かった。」

口元の宿儺「お前が彼女のハロウィンを裏切り、昼夜の城の聖杯戦線に魅入られ、それでも彼女に固着した故にこの特異点は対人類史・対カルデア専門の特異点へと完成に至った。」

口元の宿儺「お前らカルデアがこの特異点に関わった時点でアイツの思惑通りになった。お前たちを呪うべきここまでお前たちをはめる罠を用意し、お前らはそれに引っかかった。」

口元の宿儺「クッハハハハハハ!全く、自分たちの世界を守る為に行ったつもりが逆に自分たちの世界を呪い殺す事になってしまうとは・・・ほんと実に愉快なことだ!!」

口元の宿儺「ここまで俺を笑わせたのはあの呪術師たち以来初めてだ!お前たちはまさに“呪い”に振り回された道化だ。それ以外に言うことなど無い!」

播磨局「!?。てめぇ・・・・!」


口元の宿儺「・・・だが、だからとて俺はあの河神ラドンと名乗る奴をこのまま見過ごす訳にはいかん。奴は俺のこのような望まぬ姿で召喚させた“貸し”がある。」

口元の宿儺「俺のこの姿で侮辱し、あわや俺とは何も関係のない世界の蹂躙に利用されたなどと、それこそ不愉快極まりのない事だ。」

口元の宿儺「俺は奴をこのまま生かしておくつもりはない。だが現状がこの有様では元もこうもない・・・・故に・・・」


口元の宿儺「お前たちに俺たちの“真実”を開示してやろう。」


播磨局、通信越しのカルデアのみんな「―――!?」

【真実・・・?】
【それってどういう事なの?」←

口元の宿儺「言葉の通りさ。お前たちカルデアの術師が不甲斐なさ過ぎるせいで俺もこれ以上黙ってられるものではなくなった。」

口元の宿儺「このままでは俺たちもまた、あの河神ラドンと名乗る奴に餌をやられるだけの存在と成り果ててしまう。そのなる事は俺にとって一番の不愉快だ。」

口元の宿儺「奴を倒す為にも、これらをもって俺たちの真なる正体の開示をする“縛り”を設けようかと俺は思っているのだが・・・」

呪詛師エリザベート「開示って・・・宿儺、貴方がやろうとしていることは―――」

口元の宿儺「言わずともよい。本来ならば、この世界で最も異物である俺たちの存在が明るみになれば、この世界の抑止とやらに消される可能性があるのだが・・・」

口元の宿儺「今のこの状況下でようやく全てがわかった。この件は必ずしも俺たちの真なる力でなければ、取り返しのつかないことになるのは確実だと・・・」


口元の宿儺「クククク・・・・そう思えば、俺たちをここに呼び出させた抑止力の奴も、花の魔術師も、俺たちに土下座してでも世界を守って欲しいとせがんでくると俺は確信してる。」

口元の宿儺「お前らもいい加減に素直になれ。お前たちもまた、真の存在を隠し続けることに限界を感じてきているのだろう?」

口元の宿儺「もっとも、お前たちの真の呪術を解放したところでアイツを救えるのかは知らぬのだがな・・・。」

呪詛師エリザベート、播磨局「・・・・・・・・・・・・」

【エリちゃん、播磨さん・・・・?】←


ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ちょっ・・・宿儺。君はいったい何を言っているんだ?世界の抑止力が君たちに土下座をするだって?なんで抑止力が君たちにそのような権限があると確信しているんだい?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「宿儺はラドンによって呼び出されたとはいえ、君たちはこの特異点修正の為に抑止力によって召喚されたはぐれサーヴァントではないのか?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「はぐれサーヴァントとして召喚された者である以上、抑止力自体が君たちにお願いされることなど・・・」

口元の宿儺「その抑止力自体が俺たちにそのような“縛り”を結ばせてこっちへと召喚されたのが俺たちだととしたら?」

ダ・ヴィンチちゃん(通信)「―――!?」


【えっ・・・‥】
【“縛り”を結ばせた・・・・】←

シオン(通信)「・・・・・・・・・・・・・」

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