ヘルテイカー「カップル限定の温泉旅行?」 (31)

ヘルテイカーの家

ヘルテイカー「……」

今日、ヘルテイカーは福引きで温泉旅行券を当てた。

だが……。

ヘルテイカー「カップル限定……どうする?」

パンデモニカ「?」

ヘルテイカー「連れていける悪魔っ娘は、一人だけ。だが混浴……カップルなら無料……だが……」

パンデモニカ「独り言ですか?」

ヘルテイカー「!?」

パンデモニカ「悩み事ならご相談下さい。私は、地獄窓口担当ですから」

ヘルテイカー「大丈夫だ。大したことじゃない」

パンデモニカ「そうですか……」

ヘルテイカー「……」

モデウス「……」

困憊悪魔のパンデモニカは、いつも疲れている。彼女を温泉旅行に連れていくべきか。

モデウス「温泉回……」

ヘルテイカー「!?」

モデウス「キタコレ……」

ヘルテイカー「……ラブコメ読んでたのか」

モデウス「……あたしも温泉……行きたいな……」

ヘルテイカー「……」

好色悪魔のモデウスは、異性の裸を見ながらリフレッシュ出来る混浴に連れていったら喜びそうだ。

ケルベロス「わんわん!」

ヘルテイカー「うわっ!」

ケルベロス「パンケーキ食べたい!パンケーキ食べたい!」

ヘルテイカー「……」

三つ子悪魔のケルベロスは……カップル(男女の二人)限定だから無理だ。

ヘルテイカー(家にいる悪魔っ娘がケルベロスだけだったとしても無理だ……)

ケルベロス「パンケーキは!?」

マリーナ「うぜぇんだよ!畜生!」

ケルベロス「あ!マリーナが起きた!」

マリーナ「あぁ~……イライラする……酒……」

ヘルテイカー「……」

マリーナ「どけよ、邪魔だ」

この温泉旅行では、酒が飲み放題だ。毒舌悪魔のマリーナが喜びそうだ。

ヘルテイカー(温泉に入ればデトックスされて毒舌が無くなるかもしれないな……)

マリーナ「さ、酒が無ぇ……」

ズドラーダ「プークスクスww」

マリーナ「……てめぇか?」

ズドラーダ「あ?」

マリーナ「あたしの酒を全部飲んだのは、てめぇか!?」

パンデモニカ「ひいっ……」

ズドラーダ「……ああ、そうだよ。キモオタ」

マリーナ「このヤニカスが!ぶっ殺してやるぜ!」

モデウス「ひゃあっ!」

ケルベロス「また喧嘩してる!」

ヘルテイカー「……」

性悪悪魔のズドラーダも温泉のデトックスで性格が良くなるかな。

マリーナ「おらぁ!食らえ!」

パンデモニカ「それ、私のコーヒーカップ」

ズドラーダ「ハズレww」

パンデモニカ「私のコーヒーカップが……」

モデウス「あ、あたしの本投げないで」

ケルベロス「頑張れー!」

アザゼル「あ、悪魔の戦い……きょ、興味深いであります……ひっ」

ヘルテイカー「……」

唯一の天使っ娘、探求天使のアザゼル。非悪魔同士で行くのも良いな。

ジャスティス「嘘は、良くないな!」

ズドラーダ「あ?」

マリーナ「う、嘘?」

ジャスティス「ズドラーダは、マリーナの酒を飲んでないよ!」

ズドラーダ「証拠は、あるのか?」

ジャスティス「証拠ならあるよ!これ!」

マリーナ「あたしの酒!てめぇか!犯人は!」

ジャスティス「これは、マリーナの部屋から持ってきたものだ」

マリーナ「……え?」

ジャスティス「つまり犯人は、マリーナだ!」

マリーナ「……は?え?」

ズドラーダ「うちがキモオタが触ったキモオタ菌まみれの酒なんか飲むわけねぇだろ!ww」

マリーナ「……わ、忘れてた」

ズドラーダ「バーカww」

ヘルテイカー「……」

激ヤバ悪魔のジャスティスの目は、温泉では治せない。だが盲目にしか分からないストレスで疲れた心は、癒すことが出来る。

ヘルテイカー(顔に出さないがこいつも絶対ストレス溜まってる)

ルシファー「騒がしいな。何があった?」

ジャスティス「もう終わったぞ」

ルシファー「……」

マリーナ「酒……」

ズドラーダ「ふう~、酒より煙草だぜ~」

ルシファー「……姉妹喧嘩か」

ズドラーダ「無罪なのに殺してやるって言われたww」

マリーナ「……」

ルシファー「……余の酒が少しだけ余ってるな。余に忠誠を誓うなら恵んでやろう」

マリーナ「チッ、面倒臭ぇが酒買いに行くか。早く飲みて~」

ルシファー「余を無視するな!」

パンデモニカ「私の新しいコーヒーカップも買ってきて下さい」

ヘルテイカー「……」

地獄CEOのルシファーは、庶民的な温泉旅行に行くのかな。パンケーキで釣れば行くかもしれないな。

ジャッジメント「相変わらずだな」

ルシファー「黙れ……き、貴様!何故全裸なのだ!?」

ジャッジメント「シャワー浴びてたんだよ」

ルシファー「服を着ろ!!!!!」

ジャッジメント「俺達の家の中だから別にいいだろ」

ズドラーダ「いつも下着みてぇな服着てるからそんなに変わらねぇww」

ルシファー「全裸よりましだ!」

ヘルテイカー「……」

普段から肌の露出が多い服を着ている最高検事総長ジャッジメントは、臭そう……混浴に抵抗が無さそうだ。

ヘルテイカー「連れていける悪魔っ娘は、一人だけ……どうする?」

ジャッジメント「ん?」

ヘルテイカー「う~ん」

ジャッジメント「どうした?溜まってるのか?おかずなら目の前にあるぞ」

クパァ、という擬音が聞こえた。

ヘルテイカー「服を着ろ」

ジャッジメント「何でだ?男は、女の裸を見たら喜ぶ生き物だろ?」

ヘルテイカー「TPOという言葉を知っているか?裸になりたいなら風呂に行け」

ジャッジメント「冷てぇな。セックスしたいって言ってる女にも同じこと言うのか」

ヘルテイカー「……今は、そんな気分じゃないんだ」

ジャッジメント「あっそ」

ジャッジメントの裸は、あまり興奮しない。

パンデモニカ「……風呂」

ヘルテイカー「何だ?」

パンデモニカ「そういえば、近所に温泉旅行が当たる福引きがありましたね」

ケルベロス「マジ!?」

ヘルテイカー「……あ~、そういえばあったな」

ケルベロス「ねえねえ!福引きやった!?温泉旅行当たった!?」

パンデモニカ「落ち着きなさい。仮に当たってもケルベロスは、温泉旅行に行けないと思いますよ」

ケルベロス「何で!?」

パンデモニカ「温泉旅行は、カップル限定、行けるのは男女の二人だけなんです」

ケルベロス「えーっ!?行ける体は、一人だけなの!?」

パンデモニカ「はい」

ズドラーダ「ケルベロス、一人だけだと、ただの犬ww」

ケルベロス「酷い!何それ!?」

ズドラーダ「俳句だよ。知らねぇのかww」

ケルベロス「知らないよ!」

ヘルテイカー「また喧嘩が始まるな……」

アザゼル「三対一であります!」

ルシファー「これだから低能は……」

ケルベロス「うおおおおおおおおおおお!」

ズドラーダ「ははははは!」

ヘルテイカー「……あれ?旅行券が無い……」

ズドラーダ「食らえ!!」

ケルベロス「あちちちち!」

ヘルテイカー(ズドラーダが燃えてる紙をケルベロスに当ててる……)

ズドラーダ「わり、おっさんが持ってた紙切れ燃やしちまったwwうちの煙草あげるから許してww」

ヘルテイカー「あ、あ、あ……」

ケルベロス「ガルルルル!食べちゃうぞ!わんわん!」

ヘルテイカー「温泉旅行がああああああああああああああああああああ!!!!!」

ズドラーダ「へ?」

ケルベロス「ん?」

パンデモニカ「……温泉旅行、当たったのですか?」

ヘルテイカー「もう燃え尽きたよ……」

ズドラーダ「……あっ」

ヘルテイカー「ううっ……」

パンデモニカ「……」

モデウス「……」

ケルベロス「……」

ズドラーダ「……」

アザゼル「……」

ジャスティス「……」

ルシファー「……」

ジャッジメント「……」

パンデモニカ「カ、カップル限定ですからどの道行けなかったと思いますよ……」

モデウス「行きたかった……」

ケルベロス「ズドラーダのせいだ!ズドラーダが悪いんだよ!」

ズドラーダ「うるせぇな。お札だと思ったんだよ」

アザゼル「お札でも駄目だと思うであります」

ジャスティス「お金が無いと生活できないからな!」

ルシファー「そんな事は、どうでもいい。貴様、よくも余の温泉旅行を……」

ジャッジメント「行きたかったのか?意外だな」

ヘルテイカー(だが、これで温泉旅行に行けないお留守番悪魔っ娘の未来は、無くなった……これで良かったのだ……)

その時、奇跡が起こった。

マリーナ「ハアハア、みんな!これを見てくれ!」

酒を買いに行ったマリーナが帰ってきた。

モデウス「びっくりした……」

ズドラーダ「うるせぇなキモオタ!大声出すなよ陰キャ!」

マリーナ「当たったんだよ!」

ズドラーダ「うわぁこいつ何でテンション高いんだ?キモい」

パンデモニカ「当たった?何が当たったのですか?」

マリーナ「福引きだ」

ズドラーダ「てめぇも二人しか行けねぇ温泉旅行当てやがったのか……」

マリーナ「違ぇよ!海外旅行だよ!」

ズドラーダ「……は?」

ヘルテイカー「へ?」

モデウス「か、海外旅行?」

パンデモニカ「……そういえば、海外旅行もありましたね。絶対当たらないと思ってました」

ズドラーダ「……どうせそれもカップル限定なんだろ?」

マリーナ「団体客限定って書いてあるぞ」

ヘルテイカー「!」

ケルベロス「つまり?」

マリーナ「全員行けるんだよ!!!!!」

パンデモニカ「!」

モデウス「!」

ケルベロス「!」

ズドラーダ「!」

アザゼル「!」

ジャスティス「!」

ルシファー「!」

ジャッジメント「!」

ヘルテイカー「神様……ありがとうございます……」

数日後

ヘルテイカー「ここが日本か」

パンデモニカ「私着物が着たいです」

モデウス「セーラー服、本でしか見たことないな……可愛いな……」

ケルベロス「日本人って小さいね!」

マリーナ「ここがマリオを作った国……」

ズドラーダ「海外に行ってもゲームかよww」

アザゼル「見たことないものがいっぱいであります!」

ジャスティス「美しい日本語が聞こえる!空気が良いね!匂いも悪くないよ!」

ルシファー「美味しい……何だこれは……」

ジャッジメント「うん、美味ぇ」

このあとヘルテイカーは旅館の温泉が混浴じゃないと知り、咽び泣いたが帰国後、自宅の風呂で混浴出来たので満足した。

モデウス「混浴じゃないからラッキースケベ無かった……」


あとがき
ヘルテイカーのSSを書きたかったから書いた。おかしいところがあったら書き込んで下さい。

https://i.imgur.com/hq56RkC.jpg

SSの感想・SSと関係ない書き込み・意味不明な書き込みは無視します。
※感想は最後まで読んでから書いて下さい。

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