【水星の魔女】 エラン5号「ノレア、天下一品に行こう!」 ノレア「・・・・・・は?」 (67)

ノレア「いきなり何を言い出すんですか」

5号「いやこれ見てよ! こってりMAXだって! 絶対美味いやつじゃん!」

そう言って、5号がスマホの画面を見せる。そこには、こってりMAXとよばれるラーメンの画像が写っていた。

ノレア「・・・・・・別に、私じゃなくても。あなたの兄弟と行けばいいんじゃないですか?」

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5号「それは無理だね。四男はスレッタ・マーキュリー達とお出かけらしいし、
   他の兄弟は兄弟で予定があるらしいよ」

ノレア「はあ・・・・・・。つまり私は、あなたの兄弟の代わりに連れて行かれる訳ですか・・・・・・。
    便利屋扱いとか、最低ですね」

5号「いやいやいや、違うって! 自分から聞いてきて、勝手に解釈しないでよ。
   別に兄弟(あいつら)は関係ないって」


5号は真面目な表情で、

5号「僕が君と一緒に行きたいと思ったから、誘ってるんだ」

そう告げた。

ノレア「・・・・・・っ! そういうトコ、ずるいですよ・・・・・・」

5号「・・・・・・? ずるい?」

ノレア「な、なんでもないです! 行けばいいんでしょ、行きますよ!」

5号「そう? なら良かった。じゃあ行こうか」

ノレア「・・・・・・ホントいい性格してる」

ノレアは小声で愚痴った。


天下一品への道中にて・・・・・・


5号「そういえば、部活はどう? 美術部に入ったんでしょ?」

ノレア「ええ、まあ。私とソフィの、2人だけしかいない部ですけどね」

5号「2人だけ? 珍しいね。ところで、ソフィって絵描けるの?」

ノレア「全然。大体いつも私の隣でゲームをしたり、マンガを読んだりしてます」

5号「あははっ! 部活、思いっきりサボってるじゃん」

ノレア「まあ、ソフィなので。でもたまに、手芸部に顔を出して、ぬいぐるみを作ってるらしいですよ」

5号「? それって、手芸部と兼部してるってこと?」

ノレア「いえ。そもそもウチの学校、兼部は出来ないじゃないですか。あくまで気が向いたら行くみたいです」

5号「・・・・・・ふーん」

5号「(裁縫には興味があるのに、絵は描かない。それなのに美術部に入ったってことは、
   きっとノレアをひとりぼっちにしたくなかったんだろうね)」

ノレア「・・・・・・あなた、何ニヤニヤしてるんです?」

5号「いやぁ、仲がいいなあ、って思って」

ノレア「・・・・・・刺しますよ?」


ノレアが、衣服に忍ばせた鉛筆を取り出す。

5号「いやいや待ってって! なんで刺そうとするのさ!?」

ノレア「あなたが失礼なことを考えるからです」

鉛筆が5号の喉元へと向けられた。

5号「! 分かった、僕が悪かった! だからそれをしまって!」

ノレア「・・・・・・次はないですからね」

 ため息を漏らしつつ、ノレアが鉛筆を衣服にしまった。

5号「悪かったって。でもそうか、ソフィが手芸部に行ってる時は、ノレアしか居ないんだね。
   それなら、その時は僕が美術部に行こうかな」

ノレア「あなたが? どうして?」

5号「君の絵を見たいんだよ。最近、風景画を描き始めたんだろ?」

ノレア「そうですが・・・・・・。別に、ソフィが居る時でもいいでしょ」

5号「ソフィが居るとにぎやかになって、絵をじっくりと見れなそうだからね。
   あと、君が描いてるところを直接見たい」

ノレア「・・・・・・」

5号「駄目?」


ノレア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ノレアはしばらく考え込んだ後、








ノレア「・・・・・・はあ。いいですよ、私の絵でよければ」

そう告げた。

5号「ホントに!? ありがとう、ノレア!」

ノレア「べ、別に、そんなに喜ばなくても。たいした絵じゃないですし」

5号「そんなことないさ」





5号「・・・・・・少なくとも、僕にとってはね」


天下一品・店舗前にて・・・・・・


5号「さあ、着いたよ。ここが天下一品・中野店さ!」

ノレア「へえ。ちなみに、この店舗を選んだ理由ってあるんですか?」

5号「いや別に。なんとなくだね。強いて言うなら、この店独自の取り組みが面白いなあって思ったから」

ノレア「独自の取り組み?」

5号「うん。これこれ」

そう言って5号が、店の前に設置された看板を指さした。ノレアが看板に目を向ける。

ノレア「? こってりスープがテイクアウト可能・・・・・・?」

5号「そう! 中野店では、こってりスープを紙コップに入れてテイクアウト出来るんだ!
   価格はなんと190円! これで散歩中でも絵描き中でも、天一が楽しめるね!」

ノレア「???? ちょっとよく意味が分からないんですが・・・・・・。いや、意味自体は分かりますけど。
どうしてそうしようと思ったのかが分からない」

5号「分からない? どの辺が?」

ノレア「こってりスープを、コンビニコーヒーと同じ感覚で売り出してるのが」

5号「そう? 同じじゃない? どっちも飲み物だし」

ノレア「いや、コーヒーとラーメンスープじゃ、扱いが全然違うでしょ・・・・・・。そもそも、需要はあるんです?」

5号「普通にあるよ。最近だと、普通の自販機でもラーメンスープ缶が売ってるじゃないか」

ノレア「!? そうなんですか!?」

5号「うん。某ブランドのとんこつラーメンのスープ缶が、コーンポタージュ缶より売れたって話もあるし」

ノレア「・・・・・・一体、この国はどうなってるんですか」

5号「いや、そんな評論家みたいなこと言われても。まあ、今回の目的はこれじゃないし、そろそろ店内に入ろうか」

ノレア「それもそうですね」


立ち話をやめ、2人は店内へと足を踏み入れた。


天下一品・中野店の店内にて・・・・・・


茶髪の店員「お待たせしました、こちらがこってりMAXになります」

ノレア・5号「こ、これが、こってりMAX・・・・・・!」

2人が店に入ってから数分後、ついに「それ」と対面した。


ノレア「え、ちょっと待って下さい。れんげが全然スープに沈んでいかないんですが・・・・・・」

5号「見てよ、ノレア! 箸で麺を持ち上げると、麺にめちゃくちゃスープが絡んでる! 
   これたぶん、麺を食べてるだけでスープがメチャクチャ無くなるやつだ!」

5号はハイテンション、ノレアは絶句に近い状態で第一印象を述べた。

5号「いやあ、普通のこってりラーメンは何度も食べたけど、こってりMAXはやばいね。
   こってりの格が違う。値段も1200円越えだし」

ノレア「私、これを食べきれる気がしないんですが・・・・・・」

5号「まあまあ。とりあえず食べてみようよ。いざとなったら、僕が残りを食べるからさ」

ノレア「・・・・・・分かりました。食べてから判断します」

そう言って、2人はラーメンを食べ始めた。すると、




5号「美味い!」

ノレア「っ、美味しい・・・・・・!」


2人の表情が、ぱあぁっっと華やいだ。

5号「普通のこってりよりも味が濃いけど、単に塩味が強くなったというよりは、深みが増したように思える」

ノレア「見た目はすごくドロッとしてますけど、味はしつこくないですね。思ったより全然いけます。
    むしろ私、これ好きかもしれません」

5号「形が無くなるまで煮込まれた野菜が、いい仕事してるんだろうね」


2人はどんどんと食べ進めていき、残すことなく完食した。


以上で前半終了です。後半は数日中に投稿したいと思います。

ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。

ではまた。

お待たせしました。これから、後半の内容を投稿していきます。

白銀髪の店員「ありがとうございました!」

食後、会計を終えた2人は店の外に出た。




5号「いやあ、美味しかったねぇ」

ノレア「そうですね」

ノレア「でも良かったんですか? ご馳走してもらっちゃって」

5号「もちろん。僕が誘ったしね。デート代は払うよ」

ノレア「・・・・・・デートって。私、知ってますからね。あなたがスレッタ・マーキュリーを口説(くど)いたこと」

5号「!? なんで知ってるの!? ・・・・・・って、そうか。そういえば、あの場にはソフィもいたんだっけ・・・・・・」

ノレア「ええ。『街中で2人で遊んでたら、気持ち悪いやつがスレッタお姉ちゃんを口説いてきた』って
    言ってましたよ。気持ち悪いやつって、あなたのことでしょう?」

5号「・・・・・・え、ちょっと待って。僕、ソフィと普通に面識あるし、何度も話してるよね? 
   ソフィの僕の評価って、そんな感じなの?」

ノレア「あなたの口説く姿が、相当気持ち悪かったんじゃないですか? 
    そんな男にデートと言われた所で、全然嬉しくないですね」

ノレアがジト目で5号を見る。

5号「いや、あれは出来心だったというか・・・・・・!」

ノレア「へえ。じゃあ教えて下さいよ。なんで出来心を持ったのか」

5号「・・・・・・言わなきゃ駄目?」

ノレア「刺されたいですか?」

再び鉛筆を取り出そうとするノレアを見て、5号は観念した。

5号「分かったよ・・・・・・ほら、僕達兄弟って、みんな同じ顔してるだろう?」

ノレア「6つ子ですからね」

※このSSでは、オリジナルのエラン様は末っ子(六男)の設定になっています。

5号「そうそう。つまり、端からみれば誰が誰だか分からないってわけ」

ノレア「・・・・・・まあ、普通はそうでしょうね」

5号「明確な違いなんて、小物類の身に着け方くらいだろう? だからさ、スレッタ・マーキュリーの前で
   四男の真似をしても、バレないと思ったんだ。それにほら、スレッタ・マーキュリーのほうは
   少なからずアイツ(四男)に気があるみたいだし。それを確かめてみたいなぁって思って・・・・・・」

ノレア「四男のフリして口説いたと」

5号「はい」





ノレア「・・・・・・気持ち悪」

5号「言わないでくれよ!!」

5号は泣きそうな勢いで言葉を続ける。

5号「頑張ってアイツ(四男)に寄せたのに、スレッタ・マーキュリーには速攻でバレるし、
   ソフィには「少女マンガに出てくる、かませ犬みたい」とか言われたあげく、大爆笑されたんだよ!? 
   口説くフリをしたこと、本気で後悔したよ!」

今にも地面に崩れ落ちそうな5号に対し、ノレアは、

ノレア「・・・・・・一応聞いておくんですが、本当にフリなんですか?」

ほんの一瞬、不安げな表情をして、そう尋ねた。すると、

5号「え? そりゃそうだよ」

あっけらかんと5号は答えた。

5号「だって、僕が好きなのは・・・・・・」

ノレア「・・・・・・好きなのは?」


ノレアと5号が見つめ合う形となり、そして・・・・・・。





5号「・・・・・・おっと、そろそろバイトの時間だ」

5号はそう言うと、視線を外した。

ノレア「・・・・・・下手すぎません?」

5号「何が下手なのか分からないなぁ! というか、危うく個人情報をばらす所だったよ。ノレアは策士だね」

ノレア「あなたが勝手にばらそうとしただけです」

5号「・・・・・・そうとも言えるね」

ノレア「はあ。変なことばっかり言うからそうなるんですよ」

5号「あはは。でも、バイトがあるのはホントなんだよ。実は、2時間後にバイトが入ってる」

ノレア「・・・・・・そういえばあなた、よくバイトしてますよね。部活も入らずに」

5号「まあね。行きたい場所があるんだ」

ノレア「行きたい場所?」

5号「ああ。どうしてもそこに行きたい。だからお金を貯めてる」

そう言う5号の顔は、いつになく真剣だった。

ノレア「・・・・・・あなたがそこまで強く言うなんて珍しい。本気なんですね」

5号「ああ、もちろん。・・・・・・だからさ、ノレア。その時は一緒に・・・・・・」

5号が言葉を続けようとした、その時だった。





ドォォオンッ!!!!!




突如、爆発音が聞こえた。


それと同時に、2人の意識が途切れる。

その時間は一瞬にも思えたし、永遠のようにも思えた。 

いつの間にか地面に膝をついていた2人は、まだ朦朧とした意識の中、辺りを見回す。

すると、現状が理解できた。


自分たちが歩いていた街道。そこに並ぶように展開された商店の1つから、火の手が上がっていた。
 
勢いを増す炎。逃げまどう人々。崩落する街灯や看板。

小規模ながらも現実に起きた、疑いようのない地獄絵図を見て。






----- 壊してやろう・・・・・・! 学園ごと、何もかも・・・・・・! -----





ノレアは、知らないはずの記憶を、断片的に思い出した。

5号「大丈夫か、ノレア!」

爆発は、本当に偶然起きたものだった。

黒幕なんて存在せず、奇跡のような確率で起きてしまった悲劇だった。

ゆえに、それが引き金となる。




ノレア「触るな! スペーシアンッ!」

5号「っ・・・・・・!」

ノレア「その反応と表情・・・・・・あなた、”覚えて”ますね?」

5号「!? まさかノレア、思い出したのか?」

5号の問いかけは、「はい」と言っているのと同義だった。ノレアの感情に、怒りが生じる。

ノレア「本当に・・・・・・いい性格してますね。あなた、何も覚えてない私を見て、裏で笑ってたんでしょう?」

5号「違う! そんなことは・・・・・・!」

ノレア「違わない! このまがい物の世界が何なのかは知りませんが、元の世界で私達は、
仲良しでも何でもなく、使い捨ての道具としての繋がりしかなかった!」

ノレア「それなのに! この世界で私は、あなたと仲を深めただけじゃなく、
    殺したいほど憎いはずのスペーシアンとも、交流をしていた! これが笑えないはず無いでしょう!?」

ノレアが衣服から鉛筆を取り出し、5号へと向ける。その先端は、5号の首元から数ミリのところまで迫っていた。

いつ刺されてもおかしくない状況の中、

5号「・・・・・・そうだね。元の世界で僕らは別に、仲良しじゃなかった」

5号「でもさ、仲良くなれる兆(きざ)しはあったよ」

あくまで冷静に、ノレアの瞳を見つめ、5号はそう告げた。

ノレア「・・・・・・あなた、この期に及んでそれって。死にたいんですか?」

5号「いいや? 君も知ってるだろう? 僕は長生きがしたいんだ。死にたくなんてない」

ノレア「だったら! そのふざけた態度は何なんですか!? 本当に刺しますよ!?」





5号「・・・・・・だって君、ずっと震えてるじゃないか」





5号「それじゃあ、誰も殺せないよ」

そう言って5号は、ノレアから鉛筆を優しく取り上げた。

ノレア「あっ・・・・・・」

それと同時に、ノレアは崩れ落ちるように膝を地面につける。

しばらく沈黙していたノレアだったが、やがて口を開き、

ノレア「・・・・・なんで、あなたは平気なんですか?」

そう問いかけた。

ノレア「あなたも私も、ガンダムに乗ってたでしょう? その記憶を思い出して、どうして平気でいられるんですか?」

ノレア「ガンダムに乗るたび、私達は命を削っていました。パーメットスコアが上昇するたび、
    死が間近に近づいてくる。その恐怖を思い出したら、とても正気じゃいられない」

ノレア「この甘ったれた世界に慣れてしまったから・・・・・・尚更です。それに私は、自分の最期も思い出してっ・・・・・・!」

ノレアの瞳から涙がこぼれる。その瞬間、






5号「忘れよう」

そう言って、5号はノレアを抱きしめた。






5号「震えて泣くほど怖い記憶なんて、忘れてしまえ」

ノレア「・・・・・・簡単に言わないで下さい」

5号「簡単さ。ほら、こうやって何かに集中すれば、その事以外は希薄になる」

ノレア「それで抱きしめたんですか・・・・・・?」

5号「うーん。単に抱きしめたかったから、っていうのもあるね」

ノレア「なにそれっ・・・・・・!」

思わずノレアは笑う。

ノレア「でも、ずっとこうしている訳にもいかないじゃないですか」

5号「あっ。それもそうだね」

そう言うと、5号は片手でスマホを取り出した。

5号「あ、もしもし、店長? 僕です、僕。今日のバイトなんですけど、ちょーっと都合が悪くなりまして。
   申し訳ないんですがお休みさせていただきます。ああ、ハイ。この埋め合わせは必ず。じゃあまた!」

ノレア「・・・・・・今の何です?」

5号「いやほら、この後バイトがあるって言ったろう? だからキャンセルの電話をしたんだ。
   これでまだこうしていられる」

ノレア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

しばらく呆気にとられていたノレアだったが、







ノレア「・・・・・・あはっ。あはははっ!」

堰を切ったように、爆笑した。





ノレア「そ、そういう意味で言ったんじゃなく・・・・・・て、あははっ 駄目、笑いが止まらないっ」

ノレアはしばらく笑い続け、その後、言葉を続けた。
 
ノレア「ふふっ。私、これだけ笑ったの、元の世界を含めて初めてですよ」

5号「・・・・・・なんかいまいち釈然としないけど、涙が止まったのなら良かったよ」

ノレア「まあ、別の意味で震えは止まらないですけどね」

5号「・・・・・・ねえ。君の方がいい性格してると思うんだけど」

ノレア「何か言いました?」

5号「別にぃー」

軽くふてくされた5号を見て、ノレアは再び笑みを浮かべた。



◇ ◇ ◇


5号「それでどう? もう大丈夫?」

ノレア「ええ。おかげさまで」

5号とノレアは手を繋ぎ、帰路へと向かう。

5号「また怖い目にあったら言ってよ。いつでも駆けつけるからさ。
   まあ、今回みたいなことはそうそう無いと思うけど」

ノレア「・・・・・・それはどうも。でも、大変じゃないですか?」

5号「約束したからね。隣にいるって」

ノレア「・・・・・・あっ」






----- 生き方が分からないなら、一緒に探してやる! 怖いなら隣にいてやる! -----





5号「それとも、僕と一緒にいるのは嫌かい?」

5号がそう問いかけると、ノレアの頬が朱色に染まった。

ノレア「そ、そんなことは、ない、です」

頬の変化を隠すためか、ノレアが顔を背ける。その姿を見て、5号は笑みを浮かべた。

5号「それは良かった。ただ残念ながら、隣にいるのがどうしても難しい時ってあるからさ。
   これを僕だと思って、お守り代わりに持っててよ」

そう言って5号は、ノレアに品物を渡す。それを受け取ったノレアは、訝しげな表情で問いかけた。

ノレア「・・・・・・・・・・・・何ですか、これ?」

5号「見ての通り、れんげだよ。天下一品ってキャンペーン期間中、
   スマホのアプリでポイントが貯められるんだけど、その交換商品。実はさっき、店で交換してきたんだ」

ノレア「いや、そういう事じゃなく」

5号「お守りをれんげにした理由ってこと?」

ノレア「はい」

5号「・・・・・・まあ、別にれんげじゃなくても良かったんだけどさ。分かりやすいじゃないか」

ノレア「分かりやすい? 何がです?」






5号「今日一緒にラーメンを食べたのが、僕らの初デートだったってこと」



5号はいつも通りに振る舞うが、ほんの少しだけ、頬が赤く染まっていた。





5号「それで、ときどきでいいから『そういえばあの日が初デートだったなあ』って思い返してくれたら、嬉しい」

ノレア「・・・・・・馬鹿なの? あなた」

そう言って呆れながらも、ノレアは微笑んだ。




終わり

以上で完結です。

後半まで読んで下さった方々、ありがとうございました!


ちなみに、完全に余談ですがこのSSは、昔書いた、

【DOD3】ゼロ「天下一品に行ったことがないだと・・・」というSSと同じ世界の話になっています。

今回のSSの茶髪の店員や白銀髪の店員の正体は、ドラッグオンドラグーンシリーズやニーアシリーズを
ご存知の方なら察しがつくかと思います。もし興味があればご覧下さい。

(また、ネタバレになりますが、上記のSSを書いた2014年当時は、中野に天下一品はありませんでした。
 何の事を言ってるのかは、SSを読めばお分かりになるかと思います)

それでは最後までご覧いただき、本当に、本当にありがとうございました!




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