モバP「かえでさんスイッチ……?」 (32)



美優「かえでさんスイッチの~♪ つくりかたっ♪」



 楓「……」

美優「空き箱に~……ボタンを五つ、描いちゃって♪」

 楓「…………」

美優「ひらがな五つ……かきくけこ~♪」

 楓「……………………」

美優「曲がるストロー……アンテナにして♪」



 楓「……」

美優「かえでさんスイッチの~……できあがり~♪」



 楓「ちょっと飲ませ過ぎちゃいましたね」


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  ◇ ◇ ◆


美優「うぅ……? んみゅ……」

 楓「あら美優さん、おはようございます」



美優「おは……楓さん? ふぇ……あれぇ……?」

 楓「寝坊助さんですか? いまスープを温めていますから、いいこにしててくださいな」

美優「えぅ……んん……はいぃ……?」

 楓「~♪」

美優「…………あー……」



美優(四缶目辺りから記憶が残っていませんけど……宅飲み、してたんですね)

美優(うぅ……また、やっちゃいました……今度こそ、と思ったのに……)

美優(楓さんに煽てられるまま、いいように飲み過ぎちゃって……)

美優(つ、次こそは最後まで正気を……)

美優(……とりあえず、顔を洗ってこないと)



美優「ふぅ……」

 楓「目は覚めました? はい、酔い覚ましのたまごスープですよ。どうぞ」



美優「あ、ありがとうございます……いただきます」

 楓「ふふ、夕べも良い飲みっぷりでしたよ」

美優「そう……だったみたいですね……あれ? この箱、何ですか?」

 楓「何って、かえでさんスイッチじゃありませんか」

美優「あぁ、かえでさんスイッチ……」



美優「かえでさんスイッチ……………………?」

 楓「はい」

美優「えっ?」

 楓「……?」


 楓「美優さんだからいいですけれど、本当は勝手に作っちゃいけないんですからね?」

美優「ご、ごめんなさい……?」

 楓「かえでさんスイッチで操作されちゃうと、流石の私も逆らえませんから」

美優「え、っと……じゃあ、捨てちゃいますね?」

 楓「……………………とはいえ」



美優「え?」

 楓「せっかく美優さんが作ってくれたものですし、無下に捨てるのもちょっと」

美優「……そうでしょうか」

 楓「たまごスープ、冷めちゃいますよ」

美優「あ、そうですね……ふー、ふー…………あっちゅ」

 楓「…………」


  ◇ ◇ ◆



楓「という訳で、このかえでさんスイッチはプロデューサーへ預けます」

P「え? 何……かえでさんスイッチ……え? 何……………………?」


楓「ご存じの通り、かえでさんスイッチは楓さんを操るためのスイッチです」

P「寝耳に初水ですが……」

楓「迂闊にその辺りへ放っておくと危ないですので、信頼できる方へ預けられればと」

P「は、はぁ。信頼は嬉しいんですが……壊して捨ててしまえばいいのでは」

楓「そんな。美優さん手作りの一品ものですよ」

P「そう言われると貴重なもののような気もしないでもないかも……」

楓「その調子です」



P「え?」

楓「いえ」


  楓「これはプロデューサーを信じてお預けする訳ですから」

  P「はい」

  楓「くれぐれも悪用してはいけませんよ」

  P「あぁ、はい」

  楓「悪用してはいけませんからね」

  P「……ええ」

  楓「それではレッスンに行ってきます」

  P「あ、はい。頑張ってきてください」

  楓「はい」



  P「……」

  P「…………」

  P「……とりあえず、この辺に置いとくか……」

ちひろ「プロデューサーさーん、外線出られますー?」

  P「大丈夫ですよ……お電話代わりました。シンデレラガールズプロダクションの――」


  ◇ ◇ ◆


凛「――あのさ、いい加減にしてくれない?」



P「……え。あ、渋谷さん……? ど、どうかしたかな」

凛「あれ。窓際の」

P「……?」

凛「楓さんスイッチ」

P「ああ……これ? これがどうかしたかな」

凛「どうかした、じゃなくてさ……危険物はちゃんと管理してよ」

P「危険物」

凛「みんなスイッチから半径二メートル以内にすら近付いてないし」

P「そんな爆弾みたいな」

凛「そっちのがまだよかったよ。蘭子に至ってはここ一週間事務所に近付けてないし」


P「管理と言われても……触らなければいいだけじゃないかなぁ」

凛「例えば、ミサイルの発射スイッチ」



P「え?」

凛「まぁ、スイッチさえ押さなければ安全と言えば安全なのかもしれないけど」

P「うん」

凛「普通の人はそんなスイッチの半径二メートルに近付きたくないから」

P「凄い言われよう」

凛「それぐらいの危機感を持ってほしいだけだよ。ちゃんと処理してって話」

P「そんな不発弾みたいな」

凛「導火線がバチバチ言ってるんだってば」


凛「見てよあそこ」

P「ん? 休憩スペース?」

凛「楓さんがいるでしょ」

P「うん」

凛「こっちの様子を伺ってるでしょ」

P「うん」

凛「ここ一週間は時間が許す限りああしてるんだけど」



P「えぇ……レッスンして……」

凛「処理しない限り多分ずっとああだよ」

P「処理って言われても……アレをやれって?」

凛「うん」

P「アレって成人男性がやっても大丈夫なやつ?」

凛「通報はされないと思う」

P「大丈夫ではないんだ……」

凛「背に腹は代えられないと思う」


P「まぁ、渋谷さんがここまで言うのなら……やってみるよ」

凛「ごめんね」

P「やっぱ謝られる事なんだこれ」

凛「まぁ」

P「えー……ごほん」

凛「……」

P「かぇ」



凛「……」

P「すー……はー……すー……」

凛「……」



P「――かえでさんスイッチ、『か』!!!」

楓「……………………!!!」


P「……」

楓「わく……」

P「…………」

楓「わくわく……」

P「…………か」

楓「か?」

P「『かえり道でたい焼きを買い食いする』」



楓「……」

P「……」

凛「……」

楓「……なるほど」

P「……」

凛「……」

楓「わかりました」

P「……」

凛「……」

楓「では」


P「……」

凛「……」



P「これでよかったのかな」

凛「まだ終わってないよ」

P「あ、うん」


  ◇ ◇ ◆

ちひろ「楓さんの昨日の投稿、かなり拡散されてますね」



  P「え?」

ちひろ「あ、まだご覧になってませんでした? ほら、これ」

  P「うわかわい」

ちひろ「たい焼きに口付けて『タイとキス』ですって。いつものですね」

  P「いつものですねぇ」

  楓「おはようございます」



  P「おはようございます、楓さん」

  楓「『き』ですよ」


P「……」

楓「わくわく」

P「……き」

楓「きです」

P「……」

楓「きと言えば」

P「……」

楓「昨日私が投稿した」



P「……かえでさんスイッチ、『き』!」

楓「……!」

P「……『きれいな声で歌う』」


楓「……」

P「……」

楓「わかりました」

P「はい」

楓「では『いとしーさー♡』で」

P「はい」



P「えっ」

楓「Chu Chu Chu Chu……」

P「あっ」

楓「いとしーさー♡」

P「あっあっあっ」

楓「はぁい♡」

P「アッッ」


  ◇ ◇ ◆

楓「『く』ですよ」



P「おはようよりも先にそれ」

楓「それはそうですよ」

P「そうかな……」

楓「そうですよ」

P「そうかも……」

楓「という訳で『く』です」

P「俺、流されてませんよね?」

楓「大丈夫です。美優さんもきっとそう言ってくれます」

P「く……くかぁ……」

楓「そうですね、『くっつく』とかはどうでしょう」



P「えぇ……オススメしてきた……」

楓「それはそうですよ」


P「……」

楓「……」

P「……かえでさんスイッチ、『く』」

楓「……!」

P「『くしで髪を梳かす』」



楓「なるほど」

P「はい」

楓「では、櫛を取り出しまして」

P「はい」

楓「どうぞ」

P「はい」



P「えっ」

楓「どうぞ」


P「えっ」

楓「どうぞ」

P「……」

楓「どうぞ」

P「……………………」

楓「ん……いい感じです。お上手ですよ」

P「……………………さらさら……ですね」

楓「お手入れには気を遣っていますから」

P「……………………さらさらです」

楓「一日中触っていたいくらいでしょう」

P「いえ……そんな気は」

楓「さらさら無い、と」



楓「ふふ」

P「……………………」


  ◇ ◇ ◆

楓「おはようございますけ」



P「訛ってる……」

楓「えっ……方言女子がお好き……?」

P「言ってないです」

楓「私が好きなんですよね」

P「……」

楓「け、ですよ」



P「け、かぁ……」

楓「け」

P「……」

楓「けっ」

P「…………」

楓「けっこ」

P「……………………」

楓「けっこ……?」




P「かえでさんスイッチ、『け』!」

楓「!!!!!!!!!!!!」

P「『けいさんをする』!」


楓「……………………」

P「……ということで、計算をしてください」

楓「……」

P「……」

楓「あと二年弱、といったところでしょうか」



P「……」

楓「しましたよ」

P「…………」

楓「計算しましたよ」

P「……………………」


  ◇ ◇ ◆

楓「今日でかえでさんスイッチもお役目御免ですか」



P「長かった……」

楓「えっ……かえでさんスイッチⅡを……?」

P「言ってないし考えてないし希望がないです」

楓「という訳で、こですよ」

P「こ」

楓「こん」

P「……」

楓「こんや」

P「…………」

楓「こんや……?」

P「……………………」


P「……かえでさんスイッチ、『こ』」

楓「……!」

P「……」

楓「……? プロデューサー?」



P「……『こんや』」

楓「……………………!!!!!!!!!!!!」




P「『こんや、一杯どうですか?』」


楓「……」

P「……」

楓「…………まぁ、今はこれでよしとしましょうか。プロデューサーの奢りですよね」

P「えっ」

楓「だってそうでしょう」

P「そうかも……」

楓「そうと決まれば据え膳は急げですね」

P「間違ってますよ」

楓「間違ってませんよ」



P「えっ」

楓「いえ」


おしまい。

http://i.imgur.com/kBjoFhN.jpg
http://i.imgur.com/ZLjL9ec.jpg


高垣楓さん、誕生日おめでとうございました
異世界で飲酒ギルド設立したりしててほしい

前作とか
モバP「楓さんって免許は持ってるんですか?」 ( http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1677409837 )
高垣楓「本日から楓さんポイントの運用が始まりました」 ( http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1623674798 )


デレP表記にしようと思ったけどモバPにしてしまった 根が深い

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