笠原「西村さんも好きになった」 (32)

注意点
*本作は「事情を知らない転校生がグイグイくる。」のSSです。
*著者は原作コミックの14巻まで読んでいるので、原作のキャラ(笠原さんのママくらい)やオマージュした台詞が少し出てきます。ネタバレが嫌な人は注意してください。
*百合SSなのですが、本作の笠原さんや西村さんは原作と性格や口調が少し違って、キャラ崩壊しているかもしれません。なので、ネタSSとして読んでいただけると嬉しいです。
*本作はできるだけ小学生がやりそうなことという区切りをつけて書いたので、エッチなシーンはキスくらいです。
*本作はアニメ第9話の後日談的な感じで書いたので、ネタバレが嫌な人は注意してください。
*最後に、自分は文章力が稚拙で拙いので、下手くそな文章に思えるかもしれません。それでも頑張って書くので、読んでいただけると嬉しいです。。
*基本的には書き溜めたものを若干編集しながら投下するので、誤字脱字が多々見られるかもしれませんがご了承ください

以上の7点を気にしない方も、そうでない方も、楽しんで読んでいただけると嬉しいです。
それではご堪能ください。

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すみません、エラーが起きたので書けないと思ってしまいました。
管理人さん、申し訳ございません。では書きます

すみません、エラーが起きたので書けないと思ってしまいました。
管理人さん、申し訳ございません。では書きます

私の名前は笠原すみれ。
私はいま気になっている人がいる。それは五年生のときに転校してきた転校生の高田太陽くん。
どんなときでも真っ直ぐで、優しくて、それでいてスポーツ万能。ルックスも悪くなく、私はすぐに好きになった。
ただ、そんな彼が転校してきたときから、今までずっと魅了……というか、夢中にさせてきた女の子がいる。
それは彼が転校してくるまではずっと陰口を言われ、みんなからハブられ、いじめられていた……西村茜こと西村さんだ。
私と西村さんは、最初は仲良くなかった。………というか、私もいじめる側の立場だった。
それでも西村さんは、今までいじめていた私に、秋にあった運動会のリレーの選手に立候補してほしいと頼んできた。
当然私は断るつもりだったけど、西村さんの熱意によって仕方なく私は立候補することにした。
今思えば、ここで私は西村さんに対する壁がなくなったのかもしれない。
そして運動会当日、リレーの待ち時間まで私は西村さんに敵対心を抱いていた。
だけどリレーが始まって私の番が来てからあの子……西村さんは、誰よりも最初に応援してくれた。
別に、今思えば西村さんのために走ったわけではなく、単純に赤組を、そして高田くんにバトンを渡すつもりで走ったんだけど……。
それでもあのとき私は西村さんに応援されて、少しだけ調子がよかった気がする。……気のせいかもしれないけど。
あのリレーの後、西村さんは私にくっついて、感謝の気持ちを述べてきた。
私は条件反射で『呪われる』と口にしそうになったけど、すぐに黙ってしまった……。
あのとき黙った理由は今でもわからないけど、それからなんとなく西村さんに対する悪口を言うのをやめたのは事実だ。
そこから私たちは友だちになった……のかしら?まあ、こう言うのは恥ずかしいけど仲良くなったのは確かだ。
前置きが長くなったけど、今回の話はそんな感じで私が西村さんと仲良くなってからの話。

運動会が終わってクラス委員でクラスの写真選びの希望を仕分けてるとき、西村さんに私と高田くんとのツーショットを見せてみた。
これで西村さんの高田くんへの好感度を測れると私は思っていたからだ。
でも西村さんはこれをスルー。
というか西村さんが天然なのか、「かっこいい」と言ってきた。
その言葉に、私は困惑しながらも少しホッとした。
それは高田くんのことを好きなのかはわからなかったけど、今はまだ特別な感情は持っていないと思ったから。
そのあとに高田くんが来て、そのまま三人で下校した。少しだけ高田くんに近づけて私は嬉しかった。
そして少しだけ西村さんの気持ちを理解できた……のかもしれないのがうれしかった。
それから、クラス委員でたまに残る日には西村さんと会話しながら作業をするのが楽しくなっていた。
まるで私が西村さんを独占してるみたいで。………って、私は高田くんが好きなのに何考えてるんだろう……?
まあでも、友だちと一緒に作業に取り掛かることができて嬉しかったのは事実だけど………。
とまあ、こんなふうに自分でもよく分からない感情に言い訳をしながら、そんな日々を楽しんでいた。

ところが、とある日の朝にこんなウワサが流れる。
「笠原って西村といつも一緒にいるけど、もしかして西村のこと好きなんじゃねーの?」
クラスメイトがざわついたので、面倒事になる前に私はすぐさま否定した。
「違うわよ!べ、別にクラス委員で一緒にいるだけで、全然仲良くないから!!」
その発言の後、西村さんが高田くんと登校してきた。
「? どうしたの?」
西村さんに視線が集まる……。それと同時に私にも。……でも、私は別のことを考えていた。
(幸い今の発言は聞かれてなかったようね……。)
そんなふうに、私は安堵していた。………っていうか、西村さんに私が好きだなんてホラ話を植えつけたくないだけだし……!
私は自分に言い訳した。誰も聞いちゃないのに。
「どうしたの、みんな?なんかあったみたいだけど。それに少し騒がしかったし……。」
高田くんが聞いてきた。私が返答する前にさっき発言したヤツが追い打ちをかけてきた。
「それが笠原のやつが西村のこと好きなんじゃないかって話をしててよー!」
私はすごく不快な気分になった。焦り、不安、動揺、怒り……そして何よりも西村さんが傷つくのはイヤだった。
……って、なんで私が西村さんを気にかけるのよ!?………ま、まぁ一応友だちだしね。
再び自分に言い訳しているうちに高田くんはそいつに返答した。
「へぇ~、笠原さんも西村さんの魅力に気づいたんだ!まあなんたって死神だからね!僕以外にも好きな人ができるのは仕方ないかも!」
さっき発言したヤツは高田くんの相変わらずのポジティブさに圧倒されてたけど、西村さんは高田くんの発言に照れていた。
このとき私は思った。
(まったく、私の好意と高田くんの発言、どっちに照れてるのよ!……ま、まぁ私の方だったら嬉しいけど………。)
ここでハッとした。
(あれ?私って西村さんのこと好きなのかな……?)
そう思ったのも束の間、高田くんはこの話題を西村さんに振った。
「よかったね西村さん!笠原さんも君に夢中になったみたいだよ!」
その後、西村さんはこう発言した。
「あ、あの…………高田くんも笠原さんも、私のことが好きだなんて幻想だよ。……………私なんて、何の魅力もないし……」
私はすごくムカついた。それは、他でもない西村さんに対して。
「私はそんなことないと思うわ!」
「僕はそんなことないと思うよ!」
私は高田くんとハモった。ちょっと驚いたけど私は話をつづけた。
「西村さんは器量がいいし、ファッションセンスも悪くないし……」
私の発言に高田くんも被せてきた。
「それにかわいいときもあるし、きれいなときもあって……」
高田くんは続ける。
「何より優しいじゃないの!」
「何より優しいもんね!あと死神だしかっこよくて………」
また被ったけどそのまま高田くんは続けた。…西村さんがストップをかけたけど。
「わかった、わかったから………///」
西村さんは、顔を真っ赤にして照れていた。かわいい。
……また私ははっとした。西村さんのことを考えてしまったからだ。
「ふぅ、それにしても笠原さんって西村さんのこと結構詳しいんだね!びっくりしたよ!」
高田くんがそう言うと私はムキになってこう言った。
「べ、別にそんなんじゃないけど……でもまあ西村さんとはクラス委員で仲良いし?少しだけなら語れるかもしれないけど。」
「望むところだよ!僕の方が西村さんに詳しいし!」
「なら私は高田くんが知らない西村さんを語れるし!」
クラス中が私と高田くんの会話で呆気にとられてる最中、さっきのヤツが発言した。
「騙されたらだめだぜ西村。さっき笠原のやつ、西村とは仲よくないって言ってたし……」
西村さんと私がショックを受けてるとき、高田くんが言った。
「えぇ~っ!?それってもっと仲良くなれるってことじゃん!いいな~。」
私は驚いた。西村さんもちょっと照れてた。かわいい。
「高田くんってどこまでプラス思考なの!?………てかさっきは恥ずかしかったからそう言っただけだし!」
「そうなの…?よかった……!」ホッ
私が言い訳すると、西村さんは安心していて私はホッとした。
と、ここでチャイムが鳴って結局その噂は広がる前にうやむやになった。
授業を受けてる間にあっという間に放課後になり、朝とはうって変わってあのウワサはほぼなくなっていた。

「ごめんね高田くん。今日はクラス委員で遅くなるから……」
「うん、わかった!僕も今日は習い事だから………またね!」
「うん、また明日。」
前の私だったら羨ましい会話だったけど、今は西村さんのことも好きだからあまり気にはならなかった。
いや、別に高田くんを諦めたわけじゃないけど!
三度(みたび)心の中で言い訳して、私は西村さんの向かいの席についた。
気がつくと私は、西村さんも好きになっていた。好きな人がひとり増えた。
そんなふうに自己完結すると、だんだん私は高田くんだけじゃなく、西村さんまで意識するようになってしまった。
というか高田くんよりもドキドキする気がする。
だから西村さんと話せるクラス委員の居残りが、いつの間にか楽しみになっていたのかもしれない。
なので、私は勇気を出して西村さんに訊いてみた。
「そういえば西村さんって好きな人とかいないの?」
「うーん、私ひとりぼっちだったから……そういう感情は、よくわかんないんだ………。」
「ふーん、そう………。」
好奇心で聞いたのが申し訳なくなる返答で少し場が暗くなった。
それを察知したのか、西村さんはあわてて返す。
「あっ、でも!友だちで好きな子ならいっぱいいるよ!高田くん、日野くん、海美ちゃん……それと笠原さんも!」
「私も…?」
「うん!笠原さんって足速いし、リレーのときはかっこよかったもん!」
私は顔が熱くなっていくのを感じて、すぐに自分が照れてることに気づいてそっぽを向いた。
「? だから笠原さんも友だちだよ。私の大切な友だちのひとりだから……その、悩みがあればなんでも言ってね。」
西村さんがそう言ったから、私は少しいたずらしたかったのかもしれない。
そこで私は後先も考えずにこう発言した。
「に、西村さんに相談……というか質問なんだけど、もし!もしよ!もし私があんたを好きって言ったらどうする?」
あらかじめ予防線を張って質問した。とりあえず西村さんの反応を知りたかったから。
「う~ん、よくわかんないかなぁ。」
「ガーン…」
私はショックで言葉が出なかった。西村さんは続けた。
「私なんて暗いし、地味だし、好きになる要素なんて全然ないから………だからよくわかんないや。ごめんね?」
「でも、もし私を好きって言ってくれる人がいるなら、すごく嬉しいかも。」ニコッ
「そ、そう。」ドキドキ
私は西村さんの笑顔で心臓の鼓動が少しはやくなったのを感じた。

「笠原さんはどうなの?私にす、好きって言われたら……うれしい?」
思わぬ切り返しでびっくりしたけど平静を装って答えた。
「べ、別に!……でもまあ西村さんの言う通り、好きって思われるのは悪くないわね。ていうかそんなこと訊くなんて、あんた私のこと好きなの?」
自分から切り出した話題だけど、気になって訊いてみる。
「うん、好きだよ。笠原さんは友だちだからね!」フンス!
ああ、やっぱりだ。この子は…………西村さんは恋愛感情をわかっていない。高田くんにはあんなにドギマギしてるのに。
私はすごく悔しかった。友だちだというのに、好きな人なのにドキドキさせられなくて………。
「笠原さんはどうなの?私のことすき?……って、さっき答えたっけ。」
想定内の返答が返ってきたけど、私は緊張しながらも正直に答えた。
「えっ、ええ好きよ。友だちとしてじゃなくて恋愛感情としてあんたが好きだけど………悪い?」ドキドキ
「えっ…///」カァァ
西村さんには想定外の返答らしく、西村さんは顔が真っ赤になるほど照れていた。かわいい。
そして私は(やっと私も高田くんと同じくらい西村さんを照れさせられたわ!)と陰で小さく握り拳を作った。
「で、でも……、私に好きになる要素なんて………」オドオド
「そうね。私も思いつかないわ。あんたのいいところなんて。」
「ウッ」グサッ
私のウソの発言に西村さんは傷ついたようだけど私は続ける。
「でも好きになったら理屈とかじゃないの!その人を勝手に想ってしまうものなのよ。わかった?」ズイッ
私は西村さんに迫るように、だんだん顔を近づけて言った。西村さんは顔を赤くしてた。多分、私も。
「わかったから……。あ、…………でも、こういうのってお返事しないといけないんじゃ……?」
「いいわよ、そんなの。私は別にあんたとそういう関係になりたいなんて思ってないし。」
「あ、そうなんだ。でも私は笠原さんとはもっと仲良くなりたいって思ってたから、その…嬉しいな。好きって言われて。」ニコッ
「だからそういう関係?ってのにならなくても、仲良くしたいんだけど………だめかな?」
私のウソを見抜いたかのように西村さんはそう言った。私はすごく嬉しかった。
だから私は喜んでいるのを悟られないようにしながら、返答した。
「別にいいんじゃない?あんたのことだから、どうせ言っても聞かないんでしょ?」
「ありがとう、笠原さん!」ニコッ
西村さんはそう返答すると作業に戻った。
「それに好きな人には傷ついてほしくないしね……。」ボソッ
「ん?なんか言った?笠原さん?」
「な、何でもないわよ!それと、これが終わったら今日一緒に帰らない?」
勇気を出して誘ってみた。多分声が震えていたと思う。けど西村さんは簡単に頷いてくれた。
「うん!いいよ!今日は笠原さんと色々話したかったから。」
「そ、そう。ならよかったわ。」

その後、クラス委員の作業をすぐに終わらせて私たちは職員室へ向かった。
「お疲れ様二人とも。それじゃあ帰りに気をつけろよ。」
「はい。」
「はーい。」
職員室を後にして私は西村さんと下校する。
それにしても下校の時間にこんなに緊張するのは初めてだ。私はすごくドキドキしながら聞いた。
「ね、ねえ、西村さん………その、手を繋いでもいい?」
「えっ?」
西村さんの反応を見て即座に言い訳をした。
「ほ、ほらっ!その、呪いパワーをもらいたいだけであって………別に深い意味は……」ゴニョゴニョ…
すると西村さんは笑顔で言った。
「うん、いいよ。友だちだからね!……ふふっ、なんか高田くんがひとり増えたみたい。」ギュッ
「そ、そう言われると、ちょっと照れるというか、嫉妬するんだけど……」
「あ、ごめん、………もう言わないから、元気出して?」ジッ
西村さんは私に上目遣いで訴えかけてきた。こんなの断れないじゃない…。
「……別に気にしてないわ、それで?なんか話したいことがあるんじゃないの?」
私は照れてるのを指摘されないために、西村さんの目的に話題をずらした。
「あぁ、そうそう。笠原さんって、いつもかっこいいなって思って………。」
私は想定外な話題で、照れてる顔を見られたくなくてそっぽを向きながら歩いていた。
すると、よそ見していたためにこけそうになった…。
けど手を繋いでる西村さんが腕を引っ張ってくれて転ぶことはなかった。
「危なかったね、大丈夫だった?」キラキラ
西村さんのイケメンムーブで西村さんが煌めいて見えた。そして、完全に恋に落ちた。
「あ、ありがとう。別に何ともないわ………///」テレテレ
私は顔が熱くなっていた。そんな私を気遣ったのか、西村さんはこう言った。
「あ、ごめん笠原さん…。私に手を引かれて恥ずかしかった……?」
こんな感じで、西村さんはまた的外れなことを言ってきた。
この子は本当に、私に好かれていることに気づいているのだろうか。
(西村さんってたまにずれてるからなー…)
そしてしばらく私が黙っていると、西村さんは私が凹んでいると勘違いしたのか急に褒めはじめた。
「かっ、笠原さん!そんなに落ち込まないで!笠原さんにだっていいところはいっぱいあるよ!」

別に照れてただけだけど、西村さんの口から褒め言葉が聞きたくて悪ノリした。
「た、例えば?」
「え?………えっとね、いつもかっこいいところ!あっ、でも可愛いところもあるよ。猫が好きなところとか。」
「か、可愛いのは置いといて……かっこいいってどの辺が?」ドキドキ
「着こなしとか…?あと、私の提案に乗ってくれたこととかかな?あのときは嬉しかったなぁ。今更だけど本当にありがとう、笠原さん。」ニコッ
西村さんは笑顔でお礼を言ってきた。そんな西村さんが可愛くて、思わずハグしてしまった。
「わっ、ちょ、どうしたの?笠原さん?ちょっと苦しい……。」
「………はっ!ご、ごめんなさい。可愛いかったからつい…。」
「え?///」カァァ
しまった。思わず本音が出てしまった。西村さんは照れてた。かわいい。
………なんて思ってる場合じゃない!私はうまい言い訳を探した。
「あっ、いや、その、違くて…、ほらアレよ!スキンシップよ!スキンシップ!」
「あ、そうなんだ……。私そういうのに疎いから、笠原さんがおかしくなったのかと………。」
うまく言いくるめて、私はスキンシップを続ける。
「サラッと失礼ね…。まあいいけど………ほら!次はか、顔をくっつけるのよ。」
「あっ、うん。」
私は西村さんを抱きしめながら、西村さんのほっぺと自分のほっぺをくっつけた。
その後、私は西村さんのほっぺにスリスリと自分のほっぺを擦りつけた。
「スリスリ……スリスリ……、ほら!西村さんも言うのよ!///」スリスリ
「えっ、わ、わかった。えーと…、すりすり………。」スリスリ
西村さんは、やっててだんだん恥ずかしくなってきたのか、顔が赤くなっていた。
「………な、なんか恥ずかしいよ…。笠原さん……///」カァァ
「お、女同士なんだからいいでしょ。それにこれはスキンシップだし…!///」スリスリ
「そ、そうだよね…………。」スリスリ
西村さんは何か考えているようだった。私はスキンシップに夢中で気づいていなかったけど。

そんな感じで私が呑気にスリスリしてると、西村さんは突然私の頭をがっちりと頭を掴んできた。
「何?どうかした?」
「す、スキンシップだから、いいよね?………チュッ」
────そして西村さんは、私のほっぺにキスをした。
「な、ななな…………///」
「その……おかえしというか、スキンシップのお礼というか………。えへへ……。」ニコッ
(か………かわいすぎでしょ!!)
心の中でそう叫んだ。だって、私が今まで見てきたものの中で、一番かわいかったから。
私は恥ずかしさのあまり唖然としてしまい、数分間場が凍った。
そして西村さんは私が呆気に取られているのを、ショックで黙り込んだと勘違いしたのか泣き出した。
「あ、もしかして嫌だった…?なんかさっきから黙りっぱなしだし………ごめんね。……ごめんね笠原さん…。」ポロポロ
「ちょ、ちょっと……、なに泣いてんの。ほら、こっち向いて。」
「うっ………うん…。…………ひっく……うぅ。」
西村さんの涙をポケットから出したハンカチで拭った。そして私は西村さんに忠告する。
「さっきも言ったけど……私はね、西村さんが好きなの!高田くんに負けないくらい!………忘れないでよね…。」
「う、うん。………わかった。」グスッ
西村さんが泣き止むと、私はお返しのキスをすることに決めた。
サッとスマホで意味を調べて、どこにするか悩んだ後、西村さんの首まで屈んだ。
「お返しのキスよ。ちょっと上向いて。………ちゅっ、はいおしまい。」
そして私は西村さんの首すじにキスをした。
「? ほっぺじゃないんだね?」
相変わらず鈍い西村さんに、私はヒントをあげた。
「キスってのはする場所によって意味も変わるのよ。気になるなら調べてみて。」
「そうなんだ。でもいい!笠原さんは大事な友だちだから!」フンス!
西村さんは続ける。
「───だから、きっと素敵な意味に決まってるよ。ね?」ニコッ
まるで高田くんも言いそうなことを言ってきたので、ふと呟いた。
「何か、似てきたなぁ…………///」デレデレ
「え?なにが?………というか誰に?///」カァァ
「誰かさんによ。そういうところ、似てるなと思って。」
「そうかな?」
天然ジゴロは素なのか、それとも高田くんに似たのか……。まあどうせ指摘しても、意味がわからなくて困惑するだけだろうから言わなかった。
「……ていうか誰かさんって誰のこと?」
「………そ、それより早く帰りましょう。ほら、もう暗くなってきたし。」
「あっ、うん。そうだね。」
うまく誤魔化し、私たちは下校した。もう冬なので既に夕日も沈んでいた頃だった。
「それじゃあ、また明日学校でね。」
「う、うん。…また明日。」

その後、私は家に帰ってご飯を食べた後、お風呂に入るまでの時間で部屋で悶々としていた。
「………はぁ、好きって言っちゃった。それも好きって自覚した日に………///」カァァ
「でも西村さんだしいいか。友だちとしての好きとしか思ってなさそうだし……。」
足をバタバタして考える。もし明日西村さんの様子がおかしかったら、と。
(それなら嬉しいけど、朝のウワサがまた流れたら嫌だな……。西村さんは鈍感だから、意味もわからずにすぐ肯定しそうだし………。)バタバタ
…………しばらくして高田くんのことを忘れていた自分に気づく。
(だめだ………どんどん高田くんよりも西村さんのことが気になってる……///)カァァ
「どっちかに絞らないと………、私最低だ…。」
そんなことを考えてる最中にママがやってきた。
「すみちゃん、そろそろお風呂に入りなさーい。」
「あ、はーい。」
「……あら、また好きな男の子のこと考えてたの?顔真っ赤。」
「まあそれもあるけど……。あ、そうだ。ちょっと悩みごとなんだけど………。」
いい機会だからママに相談することにした。できるだけ軽い感じで。
「うーん、別によくあることだと思うわよ?好きな子が二人だなんて………小学生の頃とかなんかは別に。」
「そ、そうなんだ…。よかった。」
「……………それで?もうひとりはどんな子?どんな子?」
「…………最近仲良くなった………その、…女の子。」
「…………へぇー。」
ママにうっかり話してしまった。ここまできたら訊いてみよう。
「はっ、しまった。……………やっぱりヘンかな?女の子同士って……。」
そこでママはこう言った。
「いいんじゃない?思春期なら別に、同性に惹かれてもおかしくないし……。」
「そうなんだ、そうだよね。………ありがとう。」
「………それで?どんな子なの?」
「もぉ───ッ!好きな子は言ったんだし、いいでしょ!」
「あはは、ごめんごめん。」
「………優しい子よ、ふたりとも。じゃあお風呂入ってくるね。」
私はママにそう告げるとお風呂に入り、念入りに髪を乾かしたあと、ベッドに寝転がる。
「………そっか、好きな人ってふたりいてもいいんだ…!」ニヤー
しかし私はとんでもないことを忘れていた。それは好感度……というか、好きの度合いのこと。
(あれ?……私、高田くんよりも西村さんの方が好きだ。なんでだろ………?)
「まあいっか。……明日も会えるといいな。西村さんに。」
いつのまにか西村さんに会うのが楽しみになるなんて、数ヶ月前なら考えられなかっただろうな……。
「はぁ、もう寝よ。」

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
私は走っていた。森の中を、ただひたすらに。遠くには西村さんがこっちを向いて笑いながら手を振って走っている。
私は西村さんの笑顔に照れながらも、疾風(はやて)の笠原の威厳を保つべく、西村さんの方へ全速力で走った。
するといつのまにか森を抜け、一面の花畑が広がっていて、そこには西村さんが座っていた。
夢なのでさっき走っていたのを意に介さず、私も西村さんの方へ走って、一緒に花飾りを作ったりして遊んでいた。
「楽しいね!笠原さん!」ニコッ
私も笑顔を返して返事をする。
「うん!」ニコッ
そこで夢だと自覚して、夢の世界から遠ざかっていく………。
遠くから見る夢はまるで私の理想の世界のようで、羨ましかった。遠ざかっていく夢の世界では、まだ私と西村さんが花畑で遊んでいた。
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
「はっ!」ガバッ
夢を見ていたはずだけど、あまり覚えていない……。
「西村さんと遊んでたんだっけ…………?花畑で……。」
西村さんと遊んでいた記憶もだんだん薄れていく。それでも私の口から出た言葉は────
「楽しい夢だったな……。」
なんとも言えない感情から出た言葉を、私は本心なのかもしれないと自覚する。
「…………まあ、西村さんも好きだけど高田くんも好きだし?高田くんに近づくついでに西村さんとも仲良くなれればいいなってだけだし……!」
自分に言い訳して、私は朝ごはんを食べたあとに学校へ向かう。
教室に入ると、みんなは好きなゲームやアニメ、テレビドラマや漫画、他にも恋愛トークとかしていた。
私は席に着いて、スマホをいじりながら西村さんたちを待つ。
しばらくすると西村さん、高田くん、日野、安達さんが四人で話しながら教室に入ってきた。
そして西村さんをボーっと見ていると、西村さんはこっちに笑って手を振ってきた。
私は顔が熱くなってきて恥ずかしかったから、西村さんを無視して机にうつ伏せになった。
しばらくすると西村さんがこっちへやってきて話しかけてきた。
「おはよう、笠原さん!」
昨日や夢のこともあって、私は西村さんに目を合わせられなかった。

「お、おはよう。西村さん。」
「さっきはごめんね、手を振ったりして……。恥ずかしかったよね………?」
「そ、そんなことはないけど、……昨日あんなことがあったのによく平然としていられるわね、あんた。」
「昨日?あぁ、スキンシップのこと?うん!私、笠原さんと仲良くできてうれしいからね!」
西村さんはまた高田くんに似てきていた。
「本当に似てきたわね。」
「だから誰に…?………まあいいや、それと………今日もスキンシップできたらうれしいな…。」
「…………まあ、考えておくわ。」
私は西村さんからスキンシップを申し出が出てくるとは思っておらず、心の中で密かに喜んだ。
その後、西村さんは高田くんたちのグループに戻って安達さんたちと笑って話していた。
私はそれが羨ましかった。西村さんが笑っていたから。そして夢みたいに西村さんと笑い合いたかったから。
授業も終わって給食を食べ終えた昼休み、高田くんは日野と外へ遊びに行ったので、安達さんと一緒に話していた西村さんを呼び出した。
「西村さん、ちょっといいかしら?」
「あっ、うん。どうしたの?」
「ここじゃ恥ずかしいから、……人のいないところに行かない?///」テレテレ
「うん!いいよ。じゃあ海美ちゃんはここで……」
「私も行く!……いいよね?茜ちゃん。」
「私ならいいけど、笠原さんは……?」
「……うーん、まあひとりくらいはいいかな。」
「よし、それじゃあ海美ちゃんが告白してくれた校舎裏に行こうか。」
「そうだね。」
私は内心動揺した。
「………ん?告白?」ピク…
「そうだよ。海美ちゃんが日野くんのこと好………」モゴ
「違うから!茜ちゃんに秘密を告白しただけだよ!///」アセアセ
なーんだ。……と安心したけど、安達さんの反応が面白かったので意地悪してみた。
「秘密って、………どんな?」
「あぁ、それは日野くんのことが………」モゴ
「それよりも早く行こ!休み時間終わっちゃうよ!///」アセアセ
「あ、そうだね。」
内容は大体想像はつくけど、安達さんに意地悪するをやめ、私たちは校舎裏に向かった。

「本当だ。誰もいないわね、ここ。」
「茜ちゃん茜ちゃん、ここで何するの?」
「あ、それはね……こうやってすりすりするんだよ。」スリスリ
「ひゃあ!……いきなりはやめてよ!びっくりするじゃない!」
「ご…ごめん……!」
安達さんは呆気に取られていたけど、私たちは気にしないでスキンシップしていた。
「すりすり……すりすり……」スリスリ
「スリスリ……スリスリ……スリスリ……スリスリスリ………」スリスリ
私はどさくさに紛れて、西村さんの首元にもスリスリしてみた。
「わっ、びっくりした。笠原さんって猫みたいだね……!」
西村さんがわけのわからないことを言い出したのでツッコんだ。
「それ、褒めてる……?」
「あっ、いや、かわいいなって………。ごめん。」ウルッ
「あーもー!すぐ泣かないの!………別に、嬉しかったし………。」テレッ
「あのー……」
安達さんが口を挟んできた。
「もしかしてだけど、私……ジャマかな?」
「そ、そんなことないよ!海美ちゃんもやる?」
「え、私は……」
「スト───ップ!ちょっと安達さんと話があるから………安達さんちょっと…」
「え?なになに?」
「?」

安達さんを西村さんから遠ざけた。そして、安達さんに私の本音をぶつけた。
「安達さんって、日野のこと好きなんでしょ?」
「えっ、そ、それは…………あ!もしかして笠原さんって茜ちゃんのこと好きなの?」
「そ、それは……」
「うん、そうだよ!」
「うわぁ!?」
いつのまにか、西村さんも話を聞いていて、話に割り込んできた。
罰として私は西村さんのほっぺをこねるように手を動かした
「ぬぁーっ」
「なんであんたが割り込んでくるのよ……!///」うりうりうり
「あ、やっぱりそうなんだ…………。」
「あ、うん。………そ、そういうことだから、悪いけど秘密にしててくれない?」うりうり
「うん、いいよ。大ちゃんのことさえ秘密にしててくれれば………。///」
「交渉成立ね……!」うりうりうり
「ぬぁ───っ、いつまでやりゅのこれっ?」
「あんたが反省するまでよ。鈍感もここまでだと少しイラッとするわ……」うりうり
「ぬぁ───っ、何が~~~!?」
「あはは。」
そして、西村さんが謝っても何言ってるか聞き取れなかったため、結局昼休みが終わるまで、私はずっと西村さんにうりうりしていた。
「ほっぺが痛い……。」
「ドンマイ、茜ちゃん。………でも笠原さんも、茜ちゃんに酷いことばっかりしてたら嫌われちゃうよ?」
「うっ………わかったわよ………。」
「大丈夫だよ、笠原さん。私はどんなことがあっても、笠原さんの味方だから。」ニコッ
「だから、嫌いになんかならないよ。絶対。」
「わ、わかったわよ…………。///」
そんな会話をしてると、安達さんが神妙な顔でこっちを眺めていた。
「安達さん、どうかした?」
「いや、なんか高田くんに似てたなって。」
「そうかなぁ………///」
西村さんは赤面していた。………私は少し悔しかった。高田くんも好きなはずなのに……………。
「さ、早く席に着かないと怒られるわよ…!」
話をうやむやにして、私たちは席に着いて授業を受け、そして放課後がきた。

書き溜めが全部投下されたので、一旦切り上げます。
元々のタイトルは「好きな人がひとり増えた」でしたが、高田くんが増えたように錯覚することもできたので検索でも出やすいように変更しました。
あと笠原さんはわざと言葉を詰まらせるように書きました。ツンデレなのと、予想外だらけで動揺しているのを描きたかったので。
あとこれは笠原さん視点なので、これが終われば次は西村さん(と周りのキャラ)視点も書きたいと思ってます。
更新は毎日夜の11時頃あたりが目安に出来ればなぁと思ってます。
ここまで読んでくださってありがとうございます。

放課後になると、西村さんがいきなりこっちへ来た。
「か、笠原さんも誘っていいかな!?」
「……へ?」
西村さんが、いつになく少し大きな声で、あのときのような真剣な顔で私を誘ってきた。
(ああ、なんかかっこいいな。やっぱり西村さんってふしぎな子………。)
私は西村さんがかっこよく見えて、見惚れてしまった。
「もちろんいいよ!西村さんの友だちだからね!」
「ニヤリ」?
「私もいいよ。よかったね、笠原さん。」
「だって。あとは笠原さんだけなんだけど、その、一緒に帰ってくれるかな?」
「あー、誘ってくれてうれしいんだけど……今日の日誌書かないといけないから………。」
「あっ、そっか。私、クラス委員なのに忘れてたよ………。」
西村さんがそういうと、なんだか少し雰囲気が悪くなった気がした。
そうしてるうちに教室から私たち以外の人はいなくなった。
「まあ、そういうことだから………また今度…」
「わかった!じゃあ僕たちは図書室で時間潰すから、教室で日誌書いてて!終わったら来てね!」
「えっ。」
私は驚いた。そういえば高田くんも西村さん並みに優しかったのをすっかりと忘れていた。
「じゃあまた後でね!」
「あ、私は残っていくよ。クラス委員だから、先生にはなんにも言われないだろうし。」
「あ、ありがとう西村さん…。それとみんなも………。」
安達さんが右手をサムズアップさせてこちらを見ていた。
「? いくぞ、うみー」ズイッ
「あっ、大ちゃん……!わかったよ、いくから………///」
そして安達さんと日野も図書室へ向かって、西村さんとふたりきりになった。

当の西村さんは私の隣で、日誌を書く私を眺めていた。
(なんかグイグイくるなぁ…。別にイヤってわけじゃないけど…………。)
「ど、どうかした?なんか近いんだけど…。」
「…その、私たち友だちだよね………?」
(えっ、何その質問?)
私の気持ちを覚えてるのか忘れてるのかわからない発言だったけど、私は口裏を合わせた。
「も、もちろんよ。当たり前じゃない。それに、す、好きって言ったし……。」
「そうだよね!私も好きだよ!」ニコーッ
はいはい、どうせ友だちとしてなんでしょ。……と思ったけど、西村さんなので許した。
「あ、ありがとう……///」
「? それにね、笠原さんはどう思ってるのかは知らないけれど、……私にとって笠原さんは特別な存在だから。」
「それって、どういうこと?私は高田くんたちより上ってこと?」
自分の都合のいい方にものを考えて放った言葉だけど、普通に否定された。
「………いや、そういうことじゃなくって……………///」
「ならどういう意味?」
「そうだなぁ、ちょっと説明が難しいんだけど……高田くんたちは友だちだよ?でも笠原さんはもっと仲がいいというか………。」
「要するに親友ってこと?」
「…………うん、それかも。だからうれしい。」
「………そう。」
親友と言ってもらえてうれしい反面、なんか胸がもやもやするのを感じた。
「まあいいわ。悪いけど私は日誌書かなきゃだから、スリスリ禁止ね。」
「え、じゃあ手を握っても…………」
「私もしたいけど紙を押さえられないからそれもだめよ。」
「………そっか。」シュン
「うっ、……わかったわよ。日誌書き終えたら高田くんたちに会う前に内緒で好きにしていいから、そんなに落ち込まないでよ…。」
「本当?…………ありがとう。」ニコーッ
なんかすごい約束しちゃった気がしたけど、西村さんだし大丈夫だと思って、私は日誌に集中した。

「ふぅ、終わったー!じゃあ………そうだなぁ、日誌も出したいし、今から10分間好きにしていいわ。」
(さすがに高田くんたちは図書室だし、誰にも見られないでしょ。)
「ありがとう、笠原さん。実は昨日、笠原さんの言う通りにキスする場所の意味調べたんだ……!」
「そ、そう………。」
私は猛烈にイヤな予感がしてきた。でも調べてくれたのはうれしかったし………、なんだか不思議な感覚に陥っていた。
「えーと、ちょっと待っててね………。」ポチポチ
「はいはい………。」
「あ、言っておくけどこんなことするのは笠原さんにだけだから…!じゃあいくよ!」
私は身構えて目を瞑ってしまったけど、幸か不幸か西村さんはまぶたにキスしてきた。
「えへへ。瞼はね、憧れを意味するんだって。」
「そ、そう………///」
「じゃあ次は……ちゅっ………………鼻は『大事にしたいから』なんだって………!」
いちいち説明しなくてもいいのに、西村さんは丁寧にキスしたあとに意味を付け加えた。
「も、もう5分経ったわよー………///」
私は恥ずかしかったけど、約束は約束だから、丁寧に時間を教えた。
「じゃあ次はおでこ。ちゅっ…………おでこは友愛?……って、友情でいいのかな?まあいいや。」
(いいんかい。)
「じゃあ最後はやっぱりここかな。………ちゅっ」
西村さんが最後に選んだのはほっぺだった。
「ほっぺは『親愛』だって。私と笠原さんにぴったりだね!」ニコーッ
なんだか悔しかったので私は西村さんにスマホを借りた。
「されてばっかじゃ悪いし、スマホ貸して。」
「? うん、いいよ。」
色んなサイトが開かれていたので、西村さんは本気で悩んでくれたんだなと思った。
「よし、決めた!ちょっと屈んでくれる?」
「うん、いいけど…………。」グイッ
ちゅっ
私は西村さんの髪にキスした。
「えーと、髪にしたときの意味は…………。」ポチポチ
「あんたは先に図書室に行ってて、私は職員室に日誌渡してくるから………///」テレッ
「あっ、うん。」

私は先生に日誌を渡して、職員室を後にした。そして図書室に向かった。
「おまたせー、悪いわね。待たせちゃって……。」
「全然いいよ!僕普段あんまり本読まないけど、面白い本があって夢中になってたから!」
「そ、そう。」
「それじゃあ帰ろっか。」
そして私たちは下校した。すると高田くんが口を開いた。
「それにしても日誌書くの結構遅かったね!なんかやってたの?」
「べ、別に……。あ、でも私のせいで遅れたのは事実かも…。」
「そうなの?笠原さん?」
「まあそうね。私のせいでもあるけど…。」
「どういうこと?」
高田くんが聞いてきたので答えた。
「ちょっとしたスキンシップを……ね?」ズイッ
私は西村さんの方へ身体を寄せ、肩を寄せた。
「………うん、そうだけど………恥ずかしいよ…笠原さん………///」カァァ
「あんたと私の仲じゃない……ほらほら、もっとくっついて…」
「ずるい!!笠原さん!」
私が西村さんとイチャイチャしてたのが気に入らないのか、高田くんが叫んだ。
「ふ…ふんっ、悔しかったら高田くんもやれば?まぁでもこれは女の子同士のスキンシップだから、男の子がやったら嫌われるかもしれないけど。」
西村さんは簡単に人を嫌わないということは知っていたけど、高田くんを牽制するには十分だった。
「むぅ〜~~っ………。」
そこに、西村さんが口を開いた。
「高田くん、笠原さんも……私のことがす…好き、なのはわかったから………笠原さん、悪いけど離れて………///」
「わかったわよ……。」スッ
私は照れてる西村さんに申し訳ないと思い、嫌われないように隣にズレた。

「茜ちゃん、モテモテだね…。」
後ろの安達さんが口を挟んだ。
「えっ、そうかな……?」
「まぁ、西村さんはかっこいいからね!」
「ふんっ、まだまだね高田くん……!西村さんはたしかにかっこいいけど、かわいいところもあるのよ。」
「わ、わかってるよ!他にもおさげ村さんのときはかわいくて、浴衣村さんのときはもっとかわいかったもん!」
私は浴衣姿の西村さんを見たことがないため、少しだけ羨ましいと思ってしまった。
「くっ、……なかなかやるわね…。」
「笠原さんもね。…まさか西村さんの良さがわかる人が現れるとは思わなかったし………」
「あの…………。」
「あっ、勘違いしないでね西村さん!西村さんの良さがわかるのは僕だけだと思ってただけで!西村さんの魅力は万人受けするくらい魅力的だから!」
「いや、そんなこと気にしてないから………///」カァァ
「甘いわ、高田くん。そんな当たり前のこと言っても、私には勝てないわよ!」
「ふっ、これはほんの挨拶代わりだよ!西村さんのいいところで山手線ゲームでもする?まあ、僕が勝つけど!」
「望むところよ!ただし、審査するのは西村さんを指名するけど、いいわよね?」
「う、うん…いいけど………///」テレテレ
「じゃあ正しかったら腕を頭にあげて丸を作って丸って言ってね!!」
「………いいわね、それ。」
こうして、高田くんと私の西村さんのいいところで山手線ゲームすることになった。
「先行は僕だよ!かわいい!」
「ま、丸っ………///」
「次は私ね。きれい。」
「ま、丸っ………///」
ぱんぱん
「優しい!」
「丸っ……。」
ぱんぱん
「包容力がある。」
「丸っ……。」
「かっこいい!」
「丸っ……///」
「気づかいができる。」
「丸っ……///」
「こっからは本気でいくよ!」
「望むところよ!」
「居てくれるだけで落ち着く!」
「えっ?……///」
「肌がすべすべしてて気持ちいい。」
「そ、そうなの?……///」
「最終奥義だ!呪いのアイテムを作れる!」
「え、それ高田くんが言ってるだけじゃ………」
「私も奥義よ!くちびるが柔らかい!」
「ちょっとふたりとも……………///」
「あの、口挟んで悪いんだけど………」
安達さんが間に入ってきた。

「何よ?参加したいの?悪いけどだめよ。」
「そうだよ!だってこれは僕と笠原さんの勝負だから!」
「いや、そうじゃなくて………もう分かれ道だよ…。」
「あ…。」
「あ…。」
「そ、それじゃあ最後に、勝った方を西村さんに発表してもらいましょう。」
「イェーイ!!フゥーーーーッ!」
「えーと…勝ったのは………いません!…///」テレッ
「なんでなんで!?」
「そうよ、理由を教えて。」
「だって、海美ちゃんが割り込んでゲームは終わったんだし………どっちもよかったし、不公平になるから……。」
「「そんなぁ…。」」
私たちはふたりでがっかりした。
「でも僕、笠原さんと勝負しててとっても楽しかったよ!」
「ふんっ、私もよ。まぁ、私なら続いててももっと西村さんのいいところを言えたけど!」
「僕だって!」
「まあまあそのくらいにして………///」カァァ
西村さんが宥めたあと、私に言った。
「じゃあまた明日ね!笠原さん!」
「う、うん…また明日。」
「また明日も勝負しようね!笠原さん!」
「の、望むところよ……!」
「じゃあね、笠原さん。」
「またなー」
そうして、私はみんなとわかれた。
帰ったら、スマホをいじっているうちにご飯の時間になったのでご飯を食べて、お風呂に入って、寝るまでの自由時間がやってきた。
「今日は一日が楽しかったなー…。西村さんとスキンシップして、いっぱいキスされて、高田くんと言い争って………。」
「えへへ、やっぱり西村さんともっともっと仲良くなりたいな………。」ニコッ
「………でも西村さんの前だと、ついかっこよく振るまおうとしちゃうんだよなぁ……。」
「……まぁ、直さなくてもいいか。西村さんにとって私は特別らしいし……。」
「えへへ………。」ニヤニヤ
「その様子だと、何か進展あったみたいね!」バァーン
「えっ、ママ!?」
「ニヤニヤしてたしなんかあったでしょ?」
「ま、まぁあったっちゃあったけどぉ………。」オドオド

「えーと、女の子の方になんだけど………ほっぺすりすりしたり、身体の色んなところにキスされたりして、最後にほっぺにキスされた。」
「…………………。」
「ママ?」
「………いつかくると思ってはいたけれど、まさかすみちゃんが大人の階段をのぼるなんて………!」
「のぼってないから!キスは全部顔にされたし!帰りは男の子と言い争ってて手を握りそびれたし……。」
「あら、そうなの。男の子ってどんな子?」
「わ、私の好きな人よ。…………どんどん女の子の方を好きになっていくんだけど。」
「そうなの……。まぁ好きな子が増えても減っても、どっちでもいいんじゃない?小学生なんだし。」
「そうなんだけど……、私的には大事なの!」
「うーん、それでも女の子の方が好きなんでしょう?」
「………うん。」
「ならやっぱ今のままでいいと思うわよ?好きなのを本気で自覚した方を好きになればいいし。」
「そうなんだけど~………」
「まあこれは当の本人にしかわからないから。………早く寝るのよ?おやすみ。」
「はーい、おやすみなさい。」
ママが出ていった後、私は考えた。
「昨日、助けてくれたし……、やっぱり西村さんが私の本命になるのかな………?」
「まあいいや。考えても埒があかないし、明日考えればいいか。寝よ。」
そして私は眠りについた。

書き溜めが尽きたのと、眠くなってきたので一旦終わります。
文章が下手くそですみません。それでも読んでいただけただけて嬉しい限りです。
それではまた明日(本日)の11時に更新します。おやすみなさい。

なんかすみませんでした。
続けたかったですが、批判が多かったのでやめます。
皆さんを不快にして、大変失礼しました。
これからは小説もどきは個人的に楽しむ程度にしておきます。
それと下手くそでも読んでくれた方ありがとうございました

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