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(※このSSは何の軍事知識も無い奴が書いています)
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1670268786
ー朝霞駐屯地 武器庫前廊下ー
穂乃果「…」ゴシゴシ
千歌「…あ、花陽ちゃん、油取ってー」
花陽「はい、千歌ちゃん」
千歌「ありがとー」ゴシゴシ
ことり「花陽ちゃん、個人医療具の点検は終わった?」
花陽「千歌ちゃんと穂乃果ちゃんの分も提出して折りコンの中に入れてますっ」
ことり「ありがとう、あとで衛生班に持っていくね」
穂乃果「…ぅ」
ことり「穂乃果ちゃん?」
穂乃果「銃整備飽きたーっ!!!」
千歌「もー、穂乃果ちゃん困ったらいつもそれだ」
ことり「あはは…」
穂乃果「もう充分綺麗じゃーん!梨子ちゃんまだ磨けって言ってくるんだよー!?」
花陽「桜内さん、今月の武器庫係勤務だから仕方ないよ…」
穂乃果「これじゃあ、自衛隊の時と変わんないねぇ」ゴシゴシ
ことり「まあまあ、いくらアメリカ政府に再編されて日本国防軍に変わったとしても、そんなすぐに内部まで変わる訳じゃないから…」
穂乃果「ぶー…」
「と言っても」
千歌「んえ?」
花陽「あ、曜さん」
曜「我が国家に明らかな敵意と、国防に直接繋がる事が判明すれば、こちらから先制攻撃出来る国になったんだから」
曜「昔とは大違いでありますよ!ね、千歌ちゃん上等兵殿!」
千歌「曜ちゃん上等兵!今は空き時間なの?」
曜「朝霞での訓練は厳しい物でした…早く音ノ木坂駐屯地に帰りたいよ」
「ほんとにね!」ヒョコッ
穂乃果「ルビィちゃん!」
ルビィ「凛ちゃんと各光学機器の返却を終わらせて来たよ!」
曜「御苦労、ルビィ一等兵!」ゞ
ルビィ「それじゃ、情報分隊の事務室に戻ってますね!あ、果南さんは本部に報告に行ってると思います!」
曜「りょ、すぐに戻るよ」
ルビィ「はーい!」タタタッ
曜「…ま、果南ちゃんの事だからタバコだろうけどね」
穂乃果「さて、私達も整備終わりにしようか」
ことり「私は医療具点検でちょっと行ってくるね。花陽ちゃんと千歌ちゃんも整備終わった?」
千歌「バッチリなのだ!」
花陽「おっけいです!」
穂乃果「りょーかい!じゃ、本部に報告してくるから、2人は銃を格納したら分隊事務室で待っててね」
千歌「はーい!あとでジュースジャンケンしよ花陽ちゃん!」
花陽「ぴゃあっ!?俸給日まで待ってくれませんか…っ」
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ー通信器材庫ー
善子「…ベータだっけ?」
真姫「ちょっと!いい加減覚えてくれる?!ブラボーよブラボー!」
善子「あそっか」
花丸「そっかじゃないずら、また部隊通信教育やり直すずらか」
善子「仕方ないじゃない!BF1のやり過ぎで…」
真姫「もう第一次大戦は終わってるわよ!」
花丸「あんまり覚えが悪いなら、この有線の束全部使って結線させるずらよ」
善子「そそ、それだけは!!私ペンチの扱い下手なの知ってるでしょ!?」
真姫「下手だからこそ練習しろってのよ…」
ガチャ
梨子「もう、外まで聞こえたわよ…津島上等兵さん?」
善子「ぎくーっ!?…だ、堕天の王たるヨハネは、今更有線通信に恐れなどなさないのです…」
花丸「って言ってますが、どうしますか桜内3等軍曹」
梨子「うーん2km位有線構成してもらおっか、山の中で」
善子「申し訳ありませんでした」
梨子「はあ…真姫ちゃん、このおばか堕天使に結線でも教えといて…」
真姫「もうやってるわ、全く上達してませんが」クルクル
梨子「あ、そう言えば果南さん見てない?」
花丸「果南さんなら、タバコ吸いに喫煙所行くのを見たずら」
真姫「にこちゃ……矢澤伍長もいたわね」
梨子「じゃああっちか…ありがとう、後はよろしく」
善子「さ、桜内3曹~っ、どうかご慈悲をぉ~っ!!」
梨子「指の皮剥がれるまで結線してなさい」
バタン
善子「お、鬼軍曹…」
真姫「誰のせいよ」
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ー喫煙所ー
果南「にこ、何飲む?」
にこ「いや、ここは私が買うわよ」
果南「いいっていいって」チャリンチャリン
にこ「あっ、もう…じゃあメロンソーダで」
果南「あいよー、私は…微糖でいいか」ピッ
ガコン…
プシュッ
にこ「んぐ…あ゛あ゛ぁ゛~…染みるわ…」
果南「おじさん化進み過ぎでしょ…」ゴクッ
にこ「うっさい…ん」ライター
果南「ありがと…」カチッ
にこ「…」フー
果南「あやば、切れそう」フー
にこ「あとでPX行って買ってきておきましょうか?松浦2等軍曹殿」
果南「頼んじゃおっかなん、ぶっちゃけこの後は報告で本部行くから、昼位まで暫く出れないんだよね」
にこ「おっけ、パーラメントよね」
果南「ほいお金、にこのラッキーストライクも買っていいから」
にこ「あざっすあざっす、2曹翌様様ね」
「自分で買いに行きなさいよ」
果南「あれ梨子じゃん、どったの」
梨子「もうすぐ報告時間よ?間に合うの?」
果南「全然余裕だよー、あと10分もある」
にこ「10分あれば三本は行けるわね」
梨子「ヤニカス共の思考は分かんないわ…」
プルルル…
にこ「…ん」ピッ
にこ「凛、どうしt」『にこちゃあああああん!!!!』
にこ「」
凛『光学機器は返却したにゃ!!事務室で待機でいいんだよね?』
にこ「…」チラッ
果南「事務室戻ってておっけ、装備確認忘れないでって」ボソッ
にこ「待機でおっけいよ。曜、ルビィ、アンタで紛失無いか確認しときなさい」
凛『りょーかいにゃ!!あっ、曜ちゃーん…!!』
プツッ
にこ「あのアホ、一言言ってから切りなさいよ」
梨子「元気だよね、凛ちゃんは」
果南「今回の小隊訓練でも中々いい動きしてたしね、近々新しい部内試験受けさそうかなん」
梨子「あ、部隊通信教育に来ますか?」
果南「らっぱとかよりは受けさせたいね」
にこ「あいつほんと機械弱いけど、大丈夫かしら…」
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ー中隊本部ー
絵里「…あっつ!!」
鞠莉「Oh イタリアのコーヒーはお口に合わなかったかしら?」
絵里「合う合わないじゃないわよ、熱過ぎなだけっ!」
<コンコン
鞠莉「ハァイ、どうぞー?」
ガチャ
果南「松浦2等軍曹及び桜内3等軍曹入りまーす」
梨子「失礼します」
絵里「あちち…あ、どうぞ」
鞠莉「Hey カナーン!朝霞での訓練はどうだったかしら?」
果南「久しぶりにラぺリング降下出来て新鮮だったよ、この感覚を忘れない様にしないとね」
絵里「音ノ木坂では、中々実施するの難しいからね」
梨子「通信分隊も器材整備は完了しています、情報分隊からの器材返納も確認済です」
絵里「りょ、これでやっと音ノ木坂に帰れるわね」
鞠莉「oh!もう少し我が駐屯地にいてもいいのよ~?」
絵里「別にあんたのじゃないでしょ」
穂乃果「えー、早く音ノ木坂の食堂行きたいよ」
絵里「それもそうね…って穂乃果ぁっ!?入室要領はどうしたのよ!!」
穂乃果「いいじゃん、絵里ちゃんと穂乃果の仲でしょー」
鞠莉「私もいるんだけどネ?」
穂乃果「お疲れ様です!小原大尉!」
鞠莉「はいお疲れ様、普通科分隊も整備終了?」
穂乃果「うん!後は…お昼ご飯待ち!」
絵里「まったく…」
果南「はは、私もお腹減ったよ。ね、梨子」
梨子「まだ1030ですよ…」
ザーッ…
絵里「…もう、鞠莉?新しいテレビに変えたんじゃ無かったの?」
鞠莉「Yes?先週変えたわよ?」
絵里「ほんとに?凄いノイズ走ってるわよ?」
鞠莉「まさかフリョーヒン、ってやつを掴まされたのかしら!?」
果南「そういう時はこの角度で思いっきりぶん殴れば…」スッ
穂乃果「うあぁーーっと!!果南ちゃんちょっと待った!!」ガシッ
梨子「そそそそうです!!!今は待ってください!!」ガシッ
絵里「ま、いいか…直しといてよ鞠莉、私希に連絡するから」
鞠莉「ガッテン!梨子、通信器材庫から工具持ってきて!」
梨子「嫌です、小原大尉はすぐ物品を紛失するので」
鞠莉「Oh…」
穂乃果「あはは…」
プルルル…
絵里「…おかしいわね、出ないわ」
ザーッ…ガガガ…
果南「………ちょい、ちょいちょいちょい!!四人共!!」
梨子「な、なんですか!?」
果南「テレビ、見て」
穂乃果「何…?」
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ザーッ…
『えー…ガガ…これピーッ……聞こえとる…ザーッ…』
『電波…安て……ました…』
『……繋がった?』
『大丈夫です、お願い致しますわ』
『ん、ごほん…』
『……音ノ木坂駐屯地は占拠した』
『我々は、新日本皇国軍である』
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鞠莉「何よこれ…」
「大尉!小原大尉!!」
鞠莉「何!?」
「各地で電波ジャックの報告あり!」
「渋谷街頭テレビや新宿劇場前でも同様の放送を確認しています!!」
絵里「全国規模でのジャックって訳ね…」
穂乃果「…新日本、皇国軍……?」
梨子「これは、非常事態も非常事態ですね」
果南「…」プルルル
ガチャ
『分隊事務室のテレビで確認したわ。非常呼集かしらね』
果南「うん、にこは渡辺上等兵以下、各隊員を掌握して。全員乙武装、荷物は一旦各居室で良い」
『りょ、待機させておくわ』
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『我々、『新日本皇国軍』の要求は3つ』
『1つ。アメリカ軍の手駒に成り下がった陸海空、日本国防軍の速やかなる解体』
『2つ。日本国防軍解体後、現内閣の総辞職』
『3つ。内閣総辞職後、我々『新日本皇国軍』による軍部政権を樹立する。その承認』
『要求は以上』
『勿論、下手な真似はしないで頂きたい、こちらには…』
『統幕、こちらへ来て下さいませ』
『…くっ…』
『南統合幕僚長、及び音ノ木坂駐屯地の新兵、候補生合わせて200名を掌握済みである』
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鞠莉「何よ…今更、旧軍の亡霊が生き返ったっての!?」ドンッ!
絵里「迅速に指揮所を開設して」
「了解!」
梨子「もしもし真姫ちゃん?うん、非常呼集。通信器材の用意と、指揮所の無線機を…」
穂乃果「果南ちゃん、この人達…」
果南「ああ、ストールで顔隠してて分からないけど…」
絵里「こいつ…まさか」
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『それと、いつは分かる事なので、今のうちに素性を明かしておく』
スッ
ファサッ
『あっ、あなた達っ…!?』
希『……東條陸将改め、東條大将』
海未『同じく園田陸将補改め、園田中将』
ダイヤ『同じく黒澤陸将補改め、黒澤中将』
希『我々に仇なす者達"のみ"、新しき日本への反逆者とみなし此を粛清する』
希『これはタダの愛国心から来る行動と認識して頂く』
希『……とまあ、すぐに国防軍解体。と言うのも難しい思う。なので…』スッ
チャキッ
理事長『!?』
希『現時刻、1050…1100として、9時間以内に現内閣総辞職が認められなければ』
希『我々の手で南統合幕僚長の殺害。これを以て、日本国防軍は実質的に解体されたと判断し』
希『全国に待機中である新日本皇国軍の同志達が、"軍事行動"を一斉に開始する』
希『……ゆめゆめ忘れなき様、親愛なる臣民諸君』
希『私達は、君達の味方だ』
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ー1100ー
ー仮設『新日本皇国軍』対策作戦本部ー
https://youtu.be/vJjcCGGv4HE
穂乃果「作戦概要を話すよ、ウチの分隊は全員いるね?」
ことり「南特技兵以下、全員揃っています」
絵里「了解、ではスクリーンを見て」
鞠莉「現在『新日本皇国軍』を名乗る組織は、本日1000時点で音ノ木坂駐屯地を占拠したものと見られるわ」
梨子「それについては確認しました。10時の時点で音ノ木坂駐屯地への各通信網は全て断絶されています」
絵里「音ノ木坂駐屯地を中心として秋葉原、神田周辺を『新日本皇国軍』は順次占領中」
鞠莉「ドローン偵察の情報によると現在国民に被害は無し。各警察、機動隊による避難指示でてんやわんやだけどネ」
鞠莉「…これは極めて流動的な事態の為、迂闊に我々国防軍は動けない、そこは分かるわね?」
絵里「"治安"か"防衛"か、日本政府と米軍の決議次第な所があるわ…でも」
にこ「はい」
絵里「矢澤伍長」
にこ「それなら、少数精鋭で現状を打破するのはどう?」
絵里「…」
穂乃果「うん、一理あるよ。分隊小規模での行動で、早急に事態収束へ向かうべきだと思う」
果南「大規模な軍事行動を起こせば、後々の国民からのバッシングは確実だからね。ただでさえ再編されてからもかなり言われてるし…」
梨子「とするも、事態は今も動いています。このままでは南統合幕僚長、及び音ノ木坂駐屯地の新兵達もどうなるか分かったものではありません」
絵里「…通信分隊は現状どう?」
梨子「臨時指揮所開設にあたり津島上等兵、国木田特技兵を通信手として配置済み、西木野特技兵については通信器材準備の為器材庫で待機中です」
鞠莉「情報分隊」
果南「私以下4名乙武装により準備完了、後は器材点検かな」
絵里「了解、普通科分隊は?」
ことり「各員、装備器材、準備よしです」
鞠莉「了解、私は音ノ木坂駐屯地へ航空偵察に向かいます。ひとまず情報分隊は十条駐屯地に前進。到着後は指示あるまで待機」
果南「了解」
にこ「了解よ!」
絵里「通信分隊も30分後には前進準備可能にしておいて頂戴」
梨子「了解しました」
絵里「穂乃果、あなた達も十条駐屯地へ向かって」
穂乃果「りょ!情報、通信分隊と一緒に前進かな?」
絵里「一緒で良いわ、私も普通科分隊に同乗する。情報はその後十条F.O.B.で先行的に作戦ブリーフィング」
絵里「じ後、情報分隊による音ノ木坂方面への陸上偵察と同時進行で、通信分隊は秋葉原に指揮所を開設して」
鞠莉「あ、場所については十条に着いてから指示するわネ。偵察完了まで少し待っててプリーズ!」
梨子「了解しました」
果南「にこ、車両用意して」スッ
にこ「ええ、LAVでいいわよね?」
穂乃果「私も向かうよ」ガタッ
タタタッ……
絵里「…鞠莉、あとはやっとくからもう向かって。ヘリが待ってる」
鞠莉「OK、宜しく頼むわ…」
鞠莉「…」
絵里「…なによ」
鞠莉「絵里…あの子は」
絵里「……あいつはもう、敵よ」
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理事長「こんな事をして、一体何になるって言うの」
希「…」
理事長「旧軍服に軍刀か……あなた達が本気なのは分かるけど」
海未「……」
理事長「博物館行きの旧式装備で、最新鋭の国防軍相手に死ぬまで戦うつもり?そんなの、英霊への冒涜でしかないわ」
希「では、三島から受け継がれた怨念と我らが大和魂、幕僚長に見せてあげるやん……ダイヤちゃん?」
ダイヤ「了解しましたわ」コクッ
海未「……もし、こちら本部、おくれ」
「こちら地下格納庫、おくれ」
海未「"3式高射砲改"展開、繰り返す、"3式高射砲改"展開」
「了解、おわり」
プツッ
理事長「…3式高射砲……"改"ですって?」
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ー1230ー
ー朝霞駐屯地~十条駐屯地方面へ前進中ー
ー情報分隊 LAVー
ブーン…
果南「曜、そこ右だ」
曜「了解であります」
ルビィ「凄い人の数だね……」
にこ「こっちの方だってどうなるか分からないからね、奴等がこれから一体何をしでかすかも」
果南「十条F.O.B.についたらすぐにバイクやら弾薬を掌握してね」
ザーッ
ピッ
『もしこちらブラボー。アルファ、おくれ』
ルビィ「はい、こちらアルファ、おくれ」
『こちらブラボー、全体報告』
『絢瀬大尉及びチャーリーは依然十条F.O.B.へ前進中』
『我々ブラボーも問題無く前進中、そちらどうかおくれ』
ルビィ「アルファも問題無く前進中、おくれ」
『了解、なお小原大尉は現在音ノ木坂駐屯地上空で、航空偵察中』
ルビィ「了解です、皆気をつけてね」
『当たり前デッショー』
プツッ
ルビィ「果南さん、このまま前進で大丈夫そうです」
果南「ん、了解」
ブーン……
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ー秋葉原上空、音ノ木坂駐屯地周辺ー
バババババ……
鞠莉「……ちょっと、何よあれ」
「…恐らく開発中、のハズだった20式自走防護壁です」
鞠莉「完成させられて悪用されたって訳ね、対テロ用防護壁がテロ組織に使われちゃおしまいよ」
鞠莉「音ノ木坂駐屯地を囲う様に展開してるわね……正面玄関と裏門が唯一の道か」
鞠莉「あ、私の一言一句はそのまま通信分隊に送っておいてネ」
鞠莉「それと、"例の部隊"を座間とキャンプ富士からF.O.B.に応援要請」
「了解です」
「しかし、大丈夫でしょうか。いくら旧軍の真似事をしている組織とはいえ、こんなあからさまな偵察をするのは……」
鞠莉「何の情報もなしに作戦は立てられないデショ、少しでも偵察しないと」
「ですが、大尉自ら赴くなど危険過ぎます!ドローンやUAVを使われては…っ」
鞠莉「各分隊は到着後、可及的速やかに展開しなければならないの。絵里が現地に着いたらドローンやらを情報分隊に指示するけど、まずは"今"情報が無いと、彼女達も動きようがないわ」
鞠莉「残り8時間で、日本はどうなってしまうのか……そんなの、分かる前に解決するのが私達でしょ」
鞠莉「マジ何のために国防軍として再編されたのよ。政府の時間稼ぎなんか待ってられないわ。まず国民の命が最優先なんだから」
鞠莉「……あ、今のはオフレコで☆何かあった時、音ノ木坂の新兵達に申し訳ないわ」
「それは、無論そうですが……」
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「園田中将、空をご覧くださいませ」
「…我が軍に仇なす、敵ですね」
「自走防護壁も未だ全て展開しきれていません。今、偵察され過ぎてはこちらの予定行動に支障を来たしますわね」
「ええ、向こうに歯向かう気があるならば、それは徹底的に叩き潰さねばなりません」スッ
「……射撃翌用意!!」
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「……ん?大尉!!現場に動きありです!!」
鞠莉「何をする気!?」
「あれは……旧軍の『3式十二糎高射砲』です!!だが、あんな"二連砲塔"では無かったはず……っ!!!」
鞠莉「……っまさか旧軍の装備そのままで戦うわけないものね、現代改修済の旧軍兵器って訳か…っ!!」
「撃って来ます!!」
鞠莉「回避行動ッ!!!」
ドッドッドッドッドッ……!!
「……へへっ、二連砲塔でも所詮骨董品だろうが!最新鋭のアパッチにゃ勝てませんよ!!」
「大尉、撃ち返しますか!?」
鞠莉「待った!!人質がいる間はこちらから無闇に攻撃出来ないわ!!」
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ダイヤ「せめて撤退してくれれば良かったのですが」
海未「ならば致し方ありません…」
「どうされますか」
海未「撃ち落としなさい」
「はっ」
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ドドドドドドドド!!
「大尉、ならば撤退するべきです!!」
鞠莉「そうね、奴等が本気なのが分かっただけでこっちも色々行動出来るってもんよ……!!」
「奴等どこまでも旧軍の装備で戦う気なら、こっちが勝ったも同然ですね!!」
鞠莉「油断は禁物っ!!撤退!!」
「アイアイ、マム!!」
ピッピッピッピッピッ……
鞠莉「……ちょっと待って、この音は」
ピーッ!!
「つ、追尾弾だっ!!!」
鞠莉「っ、フレアッ!!早くっ!!」
「旧軍装備だけじゃないのか!?どういう事だ!?」カチッ
バシュッ!!
<ドカァン!!
「フレアに命中!!」
鞠莉「スコープを!!」
「はいっ!クソッ……!!」
鞠莉「……あれはまさか『4式二十糎噴進砲』…?あんな骨董品に、追跡機能なんてある訳が」
「大尉ッ、撤退します!!」
鞠莉「ええ、フレアを焚きながら撤退よ!!あれは追尾機能付きに改造されたロケット砲だわ!!」
「クソッタレ!!」
ピッピッピッピッ……
「まずいっ!」
鞠莉「早くフレアを!!」
ピーッ!!
バシュッ……!!
<ドカァン!!
「クソ…ッ!!フレアに命中!!次弾装填中です!!」
鞠莉「早く離れ」
<ピーッ!!
鞠莉「…っ!?何故こんな早くロックオンされる訳!?」
「クソ、奴等タイミングをずらして何発も撃ってきます!!何発持ってやがんだよ!!」
鞠莉「まさか、あそこまで対空装備があるなんて…!!」
ドドドドドドドド!!
「しまった誘い込まれた!!回避先に対空砲ッ!!」
バキィッ!!
「右翼機関部に被弾!!」
鞠莉「とにかくバランスを保って!!」
バシュッ
「……フレア、間に合いません!!」
鞠莉「……っあ」
ドォォォォォォォォォォン……!!!!
鞠莉「くっ……!!」
ピーッピーッピーッ!!
「後部テールローターに被弾!!」
鞠莉「本部!!敵はかなりの対空装備を保有!!国防軍航空部隊はまだ出撃しちゃ……ああもう繋がれってのよ!!」ピーッ
「メーデーメーデー!!こちらF2N、F2N!!」
「墜落する!!繰り返す、墜落する…っ!!」
鞠莉「…ファック」
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ー通信分隊 高機動車ー
花丸「……はい、はい、分かりました…」
梨子「どうしたの?」
花丸「……音ノ木坂駐屯地上空で、新日本皇国軍の対空攻撃により、小原大尉のヘリコプターが墜落しました」
梨子「……は?」
善子「ちょ、ちょっと待ってよ!鞠莉さんのヘリは最新のアパッチよ!?まさか旧軍装備なんかにやられたって事!?」
花丸「奴等、旧軍装備を現代改修してるらしいずら……!!」
真姫「ちょっとマル、小原大尉は……っ!?」
花丸「…恐らくKIAずら」
真姫「っまずいわね……」
善子「ついに、こっちに損耗が…」
梨子「……真姫ちゃん、飛ばして」
真姫「当然よ…っ!!」
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ドォォォォ…ン!!
海未「撃墜!」
ダイヤ「タリホー!命中ですわぁ!!」
海未「…たりほう?」
ダイヤ「昔、豪州射撃会に行った時、米軍が発していた言葉ですわ。意味は知りませんが、狙撃兵の方達が命中時によく言ってましたの」
海未「命中時の掛け声みたいな物ですかね、ファミコンウォーズが出ーるぞー、みたいな」
ダイヤ「……それは古過ぎませんか?」
海未「母ちゃん達には内緒だぞ~…♪」フンフン
ダイヤ「海未さんて本当にタイムスリップでもしてきたんですの?」
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ー普通科分隊 小型トラックー
絵里「鞠莉が、KIA…」
穂乃果「…鞠莉さん」
花陽「そんな…」
ことり「敵は本気だって事だね……」
千歌「穂乃果さん!」
穂乃果「全員気を引き締めて」
千歌「っ!!」
穂乃果「これはもう、"内戦"だよ」
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海未「ごほん……閣下、それでは」
希「うん、頼んだやん」
ダイヤ「ご武運を。秋葉原をお願い致しますわ」
海未「ええ、黒澤殿も、ご無事で」
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https://youtu.be/NPrqIgVpYrk
ー1250 十条駐屯地F.O.B. 特設「新日本皇国軍」緊急対策本部ー
キキーッ!!
ガチャッ
果南「よっと、一番乗り?」
「お疲れ様です松浦2曹、LAVを!」
果南「うん頼んだ、本部は?」
「1階、正面玄関から右に!!」
果南「りょ、全員下車!」
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ーーーー
ーー
キキーッ
ガチャ
絵里「本部はどこ!?」
穂乃果「絵里ちゃん、向こうだよ!」
梨子「……あ、こっちです絵里さん!穂乃果さんも!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー1300 特設「新日本皇国軍」緊急対策本部ー
ザワザワ……
絵里「それでは、作戦内容を伝えるわ」
絵里「…その前に、先程小原大尉のKIAを確認した…全員、周知しておいて」
果南「クソ…っ!!」ドンッ!
絵里「遂に我の被害が出てしまった。そして戦闘が行われた場所と墜落したヘリは街中、これの意味が分かる?」
花陽「……まさか」
絵里「墜落した場所は閑静な住宅街よ。そして神田方面には"未だ"住民の避難完了報告が来ていない……つまり」
千歌「…民間人の被害が、出たって事ですか……!?」
絵里「確認されている限り……確定よ」
花丸「……」
絵里「日本政府はこれを受け、新日本皇国軍を完全に敵と認定」
絵里「国防軍に、武器の無制限使用許可が下され……防衛出動の要請よ」
曜「そう来ないと……!」
凛「困るにゃ!!」
絵里「そして、非公式ではあるけど米軍との第1回協働歩調として、鞠莉が墜落前に要請していた部隊と協力する事になるわ」
<ガチャ
「やっと来たのね、待ちくたびれたわ」
「わざわざ富士から来た甲斐があったな」
「座間もてんやわんやよ。これだけの有事、我々も動かないとダメだものねぇ」
ことり「あなた達は……?」
絵里「"機密戦術分隊 A-RISE"の3人よ」
にこ「あ、A-RISEって、アメリカ陸軍最強と言われる、あの!?」
ツバサ「あらよくご存知ね、光栄よ」
にこ「ふぁ、ファンです!!」
果南「こら、公私混同」ペシッ
ルビィ「あ、あれ?でもA-RISEって確か5人分隊じゃ…?」
英玲奈「あとの2人は現在休暇中だ。勿論、余程手に負えない事態に陥れば即刻招集するが」
あんじゅ「こんな時にお休みなんて、運がいいんだか悪いんだかよねぇ」
絵里「お初にお目にかかります、キラ少佐」
ツバサ「今回の作戦立案者は絢瀬大尉…あなたと、そして小原大尉よ。よろしく頼むわね」
絵里「ええ。やるからには、あの子の遺志を継いでいかなければいけない」
絵里「A-RISEの3人はそれぞれ各分隊に増員される事になるわ、各資料を見て」
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ー第1分隊(普通科分隊)コールサイン、チャーリー ー
綺羅少佐
高坂3等軍曹
南特技兵
高海上等兵
小泉上等兵
ー第2分隊(情報分隊)コールサイン、アルファー
松浦2等軍曹
矢澤伍長
渡辺上等兵
星空1等兵
黒澤1等兵
ー第3分隊(通信分隊)コールサイン、ブラボー ー
優木大尉
桜内3等軍曹
西木野特技兵
国木田特技兵
津島上等兵
ー十条 作戦本部ー
絢瀬大尉
統堂大尉
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「作戦はこうよ」
「情報分隊は、じ後 秋葉原は万世橋方面へ前進を開始」
「通信分隊は別路で前進し秋葉原へ向かい、優木大尉の指示の下"オノデン"で指揮所開設」
「ここなら敵地方面への偵察も楽勝よぉ」
「ユウキ大尉が決めた場所なら安心ね」
「それで、民間人は?」
「警察からの報告に拠れば、秋葉原地域の民間人は避難完了報告を受けている、作戦地域での民間人の心配はしなくていい」
「良かった…了解しました」
「情報分隊による偵察情報を通信分隊が受け取り、本部及び普通科分隊に逐一報告」
「じ後1330に情報、通信分隊は前進開始よ」
「絵里ちゃん、穂乃果達は?」
「普通科分隊は情報を元にトウドウ大尉と作戦を考案し、最終的に音ノ木坂駐屯地への攻撃を担当してもらうわ」
「大トリじゃん、よろしく頼むよ」
「任せてなのだ!」
「装備の点検を済ませておけ、ツバサ達」
「…現在時、1315……」
「では、"日本国防軍特殊防衛要項"に基づいた特殊作戦、その『第9号』を発令するわ」
「いよいよ始まる様ね、絢瀬大尉」
「ええキラ少佐。日本国防軍として再編以来の、最大の戦闘行為になる事でしょうね」
「9号が発令される時は……国土で著しい戦闘行為が行われた時だよね」
「今、日本の未来はあなた達、『アメリカ軍特殊部隊』と『日本国防軍先遣分隊』に託された」
「それでは、作戦名『Love-A-Live!』……状況開始よぉ!!」
「梨子ちゃん梨子ちゃん、誰が決めたの作戦名」ボソッ
「絵里さんですよ、横文字好きじゃないですか。穂乃果さんはよく知ってるでしょ」ボソッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー1350 前進中 情報分隊ー
ブーン
にこ「…完っ全に戦争ね」
曜「まさか日本で、こんな事になるなんて……」
ルビィ「……」ガチャガチャ
果南「凛、ルビィの装備点検したげて」
凛「りょ!ルビィちゃん、弾嚢開いちゃってるにゃ」
ルビィ「あ、ごめんなさい…」カチッ
ザーッ
ピッ
『こちらユウキよ アルファどうぞ』
ルビィ「こちらアルファ えー…どうぞっ」
『はいこちらユウキよ、秋葉原内 オノデン到着、指揮所開設まで…あと15分かしら』
ルビィ「了解、指揮所開設したらば報告願います、おく…どうぞ」
『了解、オーバー』
果南「ははは、通信話法、米軍さんと違うからちょっと焦るね」
ルビィ「ちょっとびっくりしました…」
凛「ま、通じてるから問題ないにゃ」
曜「皆、もうすぐ万世橋が見えるよ」
「…おい」
「ああ敵だ、園田中将へ報告。射撃の可否を問え」
「地雷の設置を急がせろ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー十条駐屯地 F.O.B.ー
ツバサ「あなたが高坂3等軍曹かしら?よろしくね」
穂乃果「よろしくお願いします!」
千歌「キラ少佐は、A-RISEで最強って聞きました」
ツバサ「ふふ、あなたもいつかA-RISEに来る?」
千歌「それいいね!千歌は絶対大将まで行くから!!」
ツバサ「ふふ……皆も、同じ分隊なら敬語はいらないわ」
穂乃果「おっけ!じゃ今1度、装備確認してもいい?」
ツバサ「遠慮無いわね…ええ、確認しましょ」
<このHK416はデルタカスタムでーーー…
<ウチのM4と全然違うねぇ、そのSOCOM Mk23もーーー…
<あなたのM9だってーーー…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー十条駐屯地 F.O.B.ー
ツバサ「あなたが高坂3等軍曹かしら?よろしくね」
穂乃果「よろしくお願いします!」
千歌「キラ少佐はとってもお強い方なんですか?」
ツバサ「ふふ……ええそうよ、あなたもいつか、A-RISEに入る?」
千歌「それいいね!千歌、絶対大将まで行くから!!」
ツバサ「そうそう、穂乃果さんも皆も、同じ分隊なら敬語はいらないわ」
花陽「分かりま……分かったよ!」
ツバサ「ん♪」
穂乃果「おっけ!じゃツバサさん、今1度装備確認してもいいかな?」
ツバサ「ええ、確認しましょ」
<このHK416はデルタカスタムでーーー…
<ウチのM4と全然違うねぇ、そのSOCOM Mk23もーーー…
<あなたのM9だってーーー…
<千歌のMINIMIはEVOLISでーーー……
絵里「…仲良さそうで何よりだわ」
ことり「穂乃果ちゃんの1番いい所だもん、誰とでも仲良くなれるんだから♪」
英玲奈「いい事だな、まあウチのリーダーも似た様な物だが」
ザーッ
ピッ
『こちらブラボー HQどうぞ』
絵里「こちらHQ、ブラボーどうぞ」
『秋葉原 オノデン内で指揮所開設完了。アルファについては万世橋に到着間近』
絵里「了解、ユウキ大尉については通信分隊の指揮を引き続き継続、どうぞ」
『はーい、ユウキアウトー』
ピッ
絵里「……自由な人ね、ユウキ大尉は」
英玲奈「悪いが、アンジュはいつもそんな感じだ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーオノデン内 臨時指揮通信所ー
梨子「……」ジーッ
真姫「桜内さん、何が見えます?」
梨子「ここからだと、小原大尉の情報通りの防護壁で囲まれてて……音ノ木坂はよく見えないね」
善子「あれ、ホントなんなの?」
花丸「防衛技術音ノ木坂研究所とアメリカ陸軍兵器廟が共同開発中の"20式自走防護壁"ずら」
真姫「対テロ攻撃翌用に、起動すると大型トラックの後部部分が反り立つ壁になるのよ、横に並べればかなり広範囲に壁が築ける」
あんじゅ「んで、あれまだ開発中の筈よね。何で奴等が展開してる訳?しかも研究資料とかはまだウチが保有してるのに」
梨子「音ノ木坂駐屯地で研究していたあの兵器を、騒乱に紛れて皇国軍が奪い取ったんでしょうね」
あんじゅ「ゴタゴタしてたとはいえ…管理大丈夫なの?」
梨子「こちらとしては返す言葉もありません……が、自走防護壁の研究統括責任者はダイヤさんの筈なので、ぶっちゃけ防ぎよう無かったですよ」
あんじゅ「ああ、責任者がパクったんなら下っ端はどうしようも無いわねぇ、追求も出来ないし」
善子「……あ、あれ情報分隊じゃない?」ジーッ
あんじゅ「万世橋に到着するわね、通信繋いで」
花丸「はいずら」ピッ
花丸「こちらブラボー、アルファおくれ」
『あ、はなまるちゃ……じゃなくて、こちらアルファおくれ』
花丸「私語厳禁ずらよルビィちゃん。もう万世橋に着くずらか?」
『うん、もう見えてきたよ』
真姫「いや結局普通に話してるじゃないの…」
善子「相手がルビィなら仕方ないわ……」
花丸「了解ずら、万世橋を通り過ぎたら速やかに偵察開始してね」
『りょうか』ザーッ
ピーッ
花丸「ルビィちゃん?……電波不調ずら?」
あんじゅ「こんな近距離で、電波不調になる訳がな」
<ドカァァァァ……ン!!!
真姫「?ぇぇっ!?」カタカタ…
梨子「…爆発を確認しました!!」
あんじゅ「見りゃ分かるわ、奴等仕掛けて来たわね!!」
梨子「恐らく指向性地雷ね、情報分隊が危ない!!」
あんじゅ「善子、速やかに本部へ報告!真姫、情報に応答返って来るまで無線を繋ぎ続けて!!」
善子「了解!あとヨハネですっ!」ピーッ
真姫「言ってる場合!?もし!こちら指揮所よ!!応答して、凛!!」ピーッ
花丸「梨子さん!」
梨子「敵はかなり近距離の可能性があるわね……音ノ木坂駐屯地だけに注視し過ぎない様、監視を緩めないで」
花丸「了解ずら!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<パァン!!パパパパパ……!!
「ピーッ……果南さ…ガガガーーー……」
「凛、ルビィをーーー……!!!」
<ドォン……!!
「分かってる……!!LAVはもうーーー」
「……ひーふーみー…かなりいるにゃあ…っ?!」
にこ「曜、曜!!起きて、早く!!」ペチペチ
曜「にこちゃん…」
果南「生きてる!?早く立った立った!!」パパパパ…
曜「LAVに……くっ、足がっ!!」
にこ「ちぎれちゃいないでしょ!?抜けそう!?」パパパパパ!!
曜「痛覚はしっかりある、お陰で目が覚めたよっ!!」グググ…
ルビィ「…」
にこ「ルビィッ!?」
ルビィ「…うゅ……」
にこ「まずいわね、意識混濁してる…っ」
果南「今はLAVのお陰で何とか奴等の弾を防げてる!全く、軽装甲車様々だよっ!!」パラララ
果南「にこ、ルビィの具合は!?」
にこ「…頭から、出血を確認……っ」
ルビィ「……」
果南「っ、にこ!ルビィの応急処置をお願い!!」
にこ「当然!!ルビィ、動けそうっ!?」
ルビィ「……な、んとか……」
果南「曜!状況は!?」
曜「もう、少しで……出れる!!」グググ…
果南「なら最高!!凛、私と援護射撃!!」
凛「ガッテンだにゃ!!」パパパパ!!
果南「にこ、曜が脱出したらルビィと曜をつれて後方の銀行に逃げ込んで!!」
にこ「言われなくてもそのつもりよっ!!……これで、応急処置は良しっ!」
ルビィ「……うゆ……ごめんなさい……」
にこ「謝らないで!てか喋らないで!!」
ルビィ「ルビィ、全然役に立ててない…っ」
果南「ルビィッ!!ウチの分隊のルールはァ!?」
ルビィ「……"泣き言言ったらジュース1本"、です……っ!!」グググ
にこ「よぉく分かってんじゃないっ!!まずは1本ね!!」
曜「ふんぬぬぬぬ……っ!!おりゃあっ!!!」
<ガコンッ!!
曜「抜けた!!何とか自分で歩けるよっ!!」ズキッ
果南「良し!!そしたら後方の銀行に退却!!凛、スモーク!!」
凛「アイアイ!そーうりゃっ!!」ブンッ!!
カラン……
シューッ…!!
果南「今!下がれ下がれっ!!」パラララ
曜「ルビィちゃんっ、肩をっ!」
ルビィ「うんっ…かはっ…」
にこ「こっちよ!!早くLAVから離れて!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「方位方角よいか」
「準備よし」
「了解、撃て」
バシュッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
曜「ぐっ…やっぱちょっと痛いかなん……っ!!」ガクッ
にこ「曜、あんたまでジュース買ってくれるの!?どうせ折れてんだから歩いても歩かなくても変わんないわよ!!」
曜「まったく、流石鬼の伍長っ……!!」ググッ
果南「凛も早く後方へ!!ルビィの援護を!!」
凛「分かってるにゃ!ルビィちゃん、手を貸すよ!!」タタタッ
ルビィ「……か、果南さんっ!!」
果南「何!?どうしたの!?」パァンパァン!!
ヒューーーーー……!!
ルビィ「……これ、何の音?」
凛「っ!!ルビィちゃんっ!!」ドンッ
ルビィ「いっ……!?」ドサッ
にこ「…やっば」
ドンッ!
曜「えっ、にこちゃ」
ドオォォォォォォン……!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花丸「2度目の爆発を確認!!」
あんじゅ「あの軌道、迫撃砲ね……随分潤沢な装備だわ」
真姫「ちょっと、情報分隊の人達、本当にまずいんじゃ……」
梨子「善子ちゃん、本部に普通科分隊の出動要請」
善子「っ、今!?」
あんじゅ「…流石、桜内3等軍曹は頭がキレるって話は伊達じゃないわね」
花丸「……?」
梨子「先程の迫撃砲の軌道から、ある程度敵前線基地の場所を割り出しました」
梨子「恐らく多町大通り方面……第25中央ビルか、神田アーバンビルディングの辺りでしょうか」
真姫「すご……」
あんじゅ「方角はともかく、場所まで逆算してたとは思わなかったわぁ」
梨子「あの辺りに穂乃果さん達普通科分隊を派遣しましょう、善子ちゃーーー」
あんじゅ「はい待った、優秀だけどひとつ忘れてる」
梨子「えっ」
あんじゅ「今すべき事は情報分隊の救援よ、むざむざこちらの戦力を減らす意味は無いわ。このまま梨子の予想地点まで普通科分隊を呼んでたら情報分隊は全滅でしょうしね。」
梨子「っ……」
あんじゅ「それに付け加えるなら、戦力の逐次投入は認められないわぁ。今はとにかく人員を救援し、音ノ木坂駐屯地への最終攻撃まで戦力の減少を極めて低くする必要があるでしょ」
あんじゅ「彼女達情報分隊の任務はあくまで偵察のみよ、先手を打たれたからこうなってるけど」
梨子「……申し訳ありません、ユウキ大尉」
あんじゅ「謝る事じゃないわよ、優秀であることに変わりは無いもの。今は、こちらの使える戦力が限られてしまっているだけ」
あんじゅ「って事でマッキー!!」ビシッ
真姫「マッキー言うな!!もう伝えてますよ!!」
あんじゅ「おっけー!では、よっしー!!」
善子「よっしーって何!?ヨハネ!!」
あんじゅ「ずら丸と屋上偵察!!梨子の言っていた辺りを重点的に!!何か見つけたらすぐ報告して!!」
善子「っ、了解!はなま、ずら丸行くわよっ」
花丸「何でわざわざ言い直すずらっ!?」
タタタッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
パラパラ…
果南「……くっ……皆……」
曜「…効いた…っ!」
ルビィ「……」
曜「ルビィちゃん……っ」
ルビィ「…う……」
曜「良かった、息はあるね……」
果南「にこ!!凛っ!!」
ガラガラ……
にこ「……」ポタッ
果南「ああ良かった、にこ………っ!?」
にこ「……私ったら、銀河ナンバーワンの兵士でしょ……っ」
曜「ごめん、私が動けなかったばっかりに…にこちゃん……っ!!」
果南「にこ、腕が……」
曜「……か、果南ちゃん!!凛、ちゃんが……!!」
凛「…」
ルビィ「…ルビィを……突き飛ばして、守ってくれたの……ごほっごほっ!!」ビシャッ
果南「……っ!!!」ドガァン!!
曜「果南ちゃん……」
果南「こんなんじゃ、分隊長失格だよ……っ!!!」
果南「ルビィ重傷、凛はKIA、曜もにこも……っ!!」
にこ「ちょっと、にこは元気よ……っ」
果南「んな訳無いでしょっ!?片腕吹っ飛んでんだよっ!?」
にこ「でも死んでない……まぁだ、生きてんのよ」
果南「っ!」
にこ「……天下の情報分隊長様が、隊のルール破って泣き言……っ!?あんたがそんなんじゃ、そこのチビ達に顔向け出来ないでしょうがッ!!」
ルビィ「……」
にこ「凛は……っ」ポロッ
曜「っ……」
にこ「凛は死んだ!!でも私達は生きてる!!じゃあ、あんたの役目は何!?」
果南「……私は」
曜「……入口も、さっきの爆発のガレキで塞がってるよ」
果南「分かった……全員、最上階まで行くよ」
果南「救助は絶対に来る、これ以上損害を出す訳にはいかない」
にこ「…よし、時間を稼ぎましょ……」
曜「ルビィちゃんごめんね、移動するよ」
ルビィ「……」
ピーッ
ザーッ……
『こちらーーガガガ……ーーーHQーーー』
果南「こちらブラボー、電波が悪い、感明おくれ」
『普通科ーーー20ーーでーーー……』
果南「……」
『耐えろーーー耐ーザーッーー耐えてーーーガガガ聞こえたーーー?!』
ザーッ……
果南「……了解」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー1425 万世橋方面前進中 普通科分隊ー
ブーン……
ツバサ「最後に電波が発信されたのはこの辺り、神田第3銀行付近ね」
ツバサ「万世橋での爆発を鑑みて地雷回避の為、橋と銀行前バンダレイ、1km手前で下車」
穂乃果「了解、各員装備点検。特にことりちゃんは救護物資の確実な点検ね」ガチャ
ことり「はいっ」
花陽「…実戦、かぁ」
千歌「情報の皆、無事だよね……っ!?」
花陽「きっと大丈夫だよ、凛ちゃんや曜ちゃんが倒れる所、想像出来る?」
穂乃果「にこちゃんも鬼だから大丈夫だね」
ツバサ「それはどういう理屈なの……?」
千歌「ルビィちゃん……果南さん……」
穂乃果「絶対、大丈夫だよ」
キキーッ
ツバサ「到着ね、下車!」
穂乃果「よっと」
ツバサ「私、穂乃果、ことり、千歌、花陽の順で1列縦隊」
千歌「……偉く静かだね」
ツバサ「奴等の目的はハッキリしてるからね」
花陽「と言いますと?」
ツバサ「駐屯地の占領、要求の明確さ、つまり"虐殺"は目標に無い」
ツバサ「住民避難の時点では静かに見守っているだけだったし、それが目的なら混乱のさ中で国民を撃ちまくる事も出来た……」
ツバサ「でも奴等はそれをしなかった。帝国陸軍の意地かしらね?国民に銃を向けないっていう」
千歌「でも小原大尉は、殺られました」
ツバサ「あくまで、反抗する、しそうな敵だけでしょうね……お陰で対応しにくいったら。虐殺でもすれば、音ノ木坂駐屯地に爆弾落として終わりよ」
花陽「……っ」
ツバサ「でも彼等はそれをしない、静かに要求が叶うのを待っているだけ……」
穂乃果「……」
ことり「…あっ、見えました、神田第3銀行です」
ツバサ「ん、穂乃果、見てみて」
穂乃果「うん……いるよ。銀行を取り囲む様に……約8名」ジーッ
ツバサ「わざわざ追い立てず、投降するのを待ってるのかしらね」
穂乃果「趣味悪いなぁ」
ことり「十中八九、周辺建物にもいるね」
花陽「敵がいるおかげで、あの銀行に皆いる事が判明して良かったです」
千歌「周辺の銀行を虱潰しにする時間は惜しいもんね」
ツバサ「さて、正面突破でもいいけど、周辺からの攻撃を受けるのは危険ね。そこで……」
穂乃果「どうする?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー神田第3銀行 5階ー
曜「ルビィちゃん……」
ルビィ「かひゅー……ごほっ」
果南「……」
にこ「周辺はどう?」
果南「囲まれてるね……一応入口は塞がってるからか、入ってこないけど」
曜「裏口とかはあるのかな」
にこ「あるにはあるわ。従業員専用の、カードキー認証で開く重たいドアが」
果南「奴等もわざわざ面倒な手を使う気は無いんだ」
にこ「私達が投降するのを待ってんじゃない?」
果南「する?」
曜「死んでもゴメンだね」
にこ「同意」
ルビィ「ルビィ…も……」
果南「……だね」
<パパパパ!!
果南「っ!!」スチャッ
にこ「救援かしら……!」
果南「多分、そうだね…奴等どんどん倒れてく」
<ドォォォォ……ン!!
曜「な、何?!」ガタガタ…
にこ「奴等、爆発物まで使いだしたの?」
果南「いや、外でそれらしい爆煙は見えない…」
曜「…まさか、入って来たんじゃ」
にこ「有り得るわね、救援に気づいて先に私達を消しに来たのかも」
曜「ったく、結局面倒な手ばっか使う奴らだな!!」
果南「……っ、にこ、ルビィを看ててね」
にこ「ええ…」
果南「曜、階段前と事務室前のバリケードを強化しよう」
曜「了解っ」
果南「よし、弾薬確認を怠らないで」
曜「……来るなら来い……っ!!」
果南「……っ」
<ダダダダダ……
果南「来た…射撃翌用意」チャキッ
曜「ふー……っ!!」チャキッ
ガシャァン!!
果南「っ!!」チャキッ
ツバサ「っ!!」チャキッ
ことり「動かないでっ……あっ、果南さん!!」
果南「……こ、ことり?」
曜「救助なんだね、ことりちゃん!!」
ことり「そうだよっ!良かった、作戦成功ですツバサさんっ!!」
ツバサ「外の戦いが終わるまで成功とは言えないわね!あなた達は動ける!?」
果南「私たち二人は、何とか!」
ツバサ「窓から側方射撃よ!!あとの3人が気を引いてるうちに!!」
曜「おっしゃあっ!!」スチャッ
ツバサ「ことり!!負傷兵の救護を!!」
曜「隣の事務室でにこちゃんがルビィちゃんを看てる!ことりちゃん、後はお願い!!」
ことり「了解っ!!」
ツバサ「果南!窓を割って!!」
果南「了解っ!!射撃するよ!!」
ツバサ「ええ、撃って!!」
ガシャァン
パパパパ……!!
パァン!!パァンパァン!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブーン……
「どういう手筈だったの?」
「穂乃果、千歌、花陽で引き付けてるうちに私達が銀行内へ突入」
「合流後、窓から援護射撃で掃討、って作戦」
「伝説の特殊部隊にしては、愚直な戦法ね」
「愚直でも堅実に、例えこちらが何人死のうが与えられた任務を全うする」
「今回はあなた達の救助が最優先事項だっただけよ、違う作戦ならそれに合った最善の計画で戦うわ」
「そんなことより、片腕で生き抜いたあなたの方が、余っ程伝説でしょ」
「……どーも」
「ことり、その子は」
「ルビィちゃんッ!!目を覚まして!!」
「ルビィちゃんっ!!」
「あまり動かさないで!!でも、穂乃果ちゃんごめん!飛ばして!!」
「分かってるよ!!」
「……穂乃果ごめん、凛は…」
「果南ちゃん、今は何も言わないで…っ!!運転が狂うから……っ!!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー1500 十条 F.O.B.ー
英玲奈「……報告を聞こう」
ツバサ「……キラ少佐以下普通科分隊、損耗無し」
果南「松浦2曹以下、情報分隊…星空上等兵、黒澤上等兵、KIA」
絵里「……Пошел ты……っ!!」バァン
穂乃果「……」
英玲奈「偵察は出来たか」
果南「万世橋には地雷、橋は崩落しかけ……我々は攻撃を避けるため銀行に避難、しかし奴等はそれ以上追撃をする事は無かった……です」
ツバサ「私達が救援に来てから奴等は攻撃を開始、銀行周辺の皇国軍は殲滅したわ」
英玲奈「…つまり、殆ど収穫は無しということか」
穂乃果「そんな言い方ッ!!」
絵里「穂乃果ッ!!」
穂乃果「っ!」
英玲奈「……」
絵里「事態は絶えず動いているのよ穂乃果、あと5時間以内に全てを解決しなければならないの」
絵里「無論、隊員の損耗は宜しくないけど、それでも私達は止まる訳にはいかない。分かるわよね」
英玲奈「……通信分隊からの情報で、奴等のFOBはグランド・セントラルホテルと断定された、部隊を再編し、速やかに向かえ」
穂乃果「……っ、はい……」
絵里「……」
英玲奈「高坂3曹を分隊長として、人員はーーー……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……私は?」
「お前は優秀な分、最後までいて貰わねば困る」
「それを、この子の前で言う?」
「絢瀬大尉、分かっているはずだな」
「……ええ……最終の決を与えるに相応しい攻撃翌力を、こちらはなるべく保持しなければならないから……」
「……」
「……でもねエレナ。私はあの子達に、死んで欲しく無いのよ」
「当然だろ」
「…!」
「死にに行かせる指揮官がどこにいる。無論、最終的にはツバサにいてもらわねば困るのは事実だが……」
「今組める最善の部隊を組み、且つ損耗を最小限に抑えられると判断した分隊だ」
「……私だって、誰にも死んで欲しくなんかないよ。奴等の様な、狂信的国粋主義者などとは違ってな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヒデコ「……発見しました」
海未「どうやら、反逆者が未だいるようですね」
ヒデコ「ここらでひとつ、掃除をしますか」
海未「まだ尚早です、ホテル内と周辺の警備を厳となさい」
ヒデコ「はっ」
海未「ですが……視界の隅のゴミほど、目立つ物ですよね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー1510 オノデン内 臨時指揮通信所屋上ー
善子「……あのホテル、家族と行ったことあるのよね」
花丸「そうなの?」
善子「ええ、いい所よ」
花丸「へえ、どんな所がいいずら?」
善子「全室有線LANがあるところ」
花丸「……もう自分で作ればいいずら、LANケーブル」
善子「そりゃ出来るけど……」
善子「……っ!!奴等動いた!!」
花丸「陣地転換する気ずらか?!」
善子「こちらがあたりつけたのがバレたのかしら……っ!」
花丸「奴らにそこまでの索敵能力は無いはずだよ!とにかく梨子さんに報告ずら、普通科の皆にも!!」ピーッ
善子「当然っ!!」ピーッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ブーン
穂乃果「……」
千歌「…はあ」
果南「花陽、今何時?」
花陽「えーと、1515です」
果南「あと約5時間か……」
千歌「あそこには誰がいるんだろ」
穂乃果「希ちゃんがいるとは思えないし、ダイヤさんか、海未ちゃんか」
千歌「……穂乃果ちゃん、海未ちゃんと…」
穂乃果「幼なじみ。でもまさか、こんな事しでかすなんて……」
果南「私だってそうだよ、ダイヤの奴……っ!!」ザーッ
『……こちらユウキよ!高坂3曹、聞こえる!?』
穂乃果「穂乃果だよ!どうしたの!?」
『奴等、車両に乗って音ノ木坂方面へ退却し始めたわ!!』
果南「勘づかれたってこと!?」
『そんな訳無い……だけどこちらも一時撤収を決定した』
『私はあなた達の指示の為に真姫と花丸と残るけど、梨子と善子は撤退させたわ』
花陽「大丈夫なんですか!?」
『私達はとりあえず良いから、あなた達はそのままグランド・セントラルホテルに向かって敵主力の拿捕、良いわね!』
千歌「……っ!!」
『頼んだわよ…ユウキ、アウト』
プツッ
穂乃果「何で急に……」
果南「ただ、好機ではあると思うよ。今なら手薄だ」
花陽「誰か上層部が残ってる可能性は……」
穂乃果「旧軍的思考があるなら、指揮官は逃げたりしないんじゃないかな」
千歌「逃げてもらっちゃ困るよ、ルビィちゃんや凛ちゃんの仇は返さなきゃ」
果南「…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キキーッ
「接敵!国防軍だ!」
「撃て!!ホテル内に入れさせるな!!」
パァンパァン!!
パラララ……!!
穂乃果「散らばり過ぎないで!」
花陽「勿論ですっ!!」
果南「っ!!」パパパパ!!
千歌「うわああああああっ!!!」ドドドドッ!!
「ぐわあっ!!」「ぎゃあああっ!!」
千歌「はあっはあっ、タンゴダウン!!弾倉交換っ!!」ガチャコンッ
穂乃果「今なら機関銃手も悪くないでしょ!?」
千歌「重いからもう二度とごめんだったけど、今が最高だから良いっ!!」シャキンッ
ドドドド……ッ!
果南「千歌が突破口を開いたっ!!花陽、先導するからついてきて!!」
花陽「はいっ!!」パラララ
穂乃果「千歌ちゃん前進っ!!後ろは任せて!!」パァンパァン
千歌「りょーかいっ!!」ズドドド…ッ
「くそっ、侵入されますっ!!」
「馬鹿者、食い止めろ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ドドドドド…
<パパパパ!!
海未「……」
ガチャッ
ヒデコ「園田中将殿」
海未「来ましたか」
ヒデコ「はい、敵は4人で我々50人を相手取っています」
海未「流石日本国防軍の手際と言った所ですか、敵ながら何と勇猛果敢な」
ヒデコ「このままでは、ここが攻略されるのも時間の問題です」
海未「そうですか」
海未「万事、手筈通りという事ですね」
<ツツーツツツ、ツツツーツー、ツツーツツーツー、ツツ、ツツーツツーツ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー10階 第2ロビー内ー
穂乃果「はあ……ここが最上階だ」
果南「千歌のMINIMIが無けりゃ、こんな早く来れなかったね……」
花陽「こちらはたった4人ですよ、A-RISEも顔負けです」
千歌「これであのお高く止まったトウドウ大尉の鼻を明かせれるのだ!!」
穂乃果「私怨コミコミだねっ、前進っ!!」
パァンパァン!!
ズドドド…!!
ギャッ!! グッ!? グホァッ!!
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
ー最上階 スイートルームー
海未「……」
バァン!!
穂乃果「動くなっ!!」チャキッ
果南「お前らだけかっ!?」
千歌「っ!!」
花陽「……っ」チャキッ
海未「……ヒデコ3曹、大人しくなさい」
ヒデコ「はっ」
穂乃果「……やっぱり海未ちゃん、なんだね」チャキッ
海未「穂乃果、花陽、久しいですね」
花陽「海未さん……お久しぶりです」
海未「朝霞駐屯地での訓練はいかがでしたか?計画したのは私ですが」
穂乃果「だからか……スケジュール過密で死ぬかと思ったよ」
海未「ふふふ、これもあなた達の為ですから」
千歌「どの口が言うんだッ!!」ジャキンッ!!
果南「海未さん、何故こんなことを」
海未「何故……?異な事を」
海未「我等が大日本帝国を、もう一度復活させるために決まっています」
穂乃果「……っ!!」
果南「……ダイヤも同じ考えか」
海未「ダイヤさんも我が東條閣下のお考えに深く賛同しています」
花陽「希ちゃん……」
千歌「…~~~っ!!!」プルプル
海未「今1度、叩き直すのですよ。見下げ果てざるを得ない現状の日本国を」
海未「自衛隊がアメリカに再編され国防軍と成り果てて、私達3人は深くこの事態を憂慮しました。我らの保有する武力まで完全なアメリカの手駒にされたのですから……」
海未「……それでもまだ、あなた達はあの時と同じ轍を踏む気ですかッ!!?あの大戦を、もう忘れ去ったのですか!?」チャキッ
千歌「動くなっ!!抜刀する気なら捕縛するよ!!」
穂乃果「千歌ちゃん、今は落ち着いて……!!」
海未「我等は大義の為、国家永遠の泰平の為、あえてカンフル剤となりましょう」
海未「……"撃ちてし止まむ"」
<ザーッ
<『了解しましたわ』
<プツッ
穂乃果「何!?何を伝えたの!?」
ヒデコ「……」チャキッ
パァン…!!
千歌「…っえ」
ドサッ…
花陽「……っ千歌ちゃ…………!!!」
果南「お前ェッ!!」パァンパァン!!
ヒデコ「ぐっ……!!」ドサッ
穂乃果「動かないで」チャキッ
海未「……」
花陽「千歌ちゃんっしっかりして!!今止血するから……っ!」
千歌「かはっ、ひゅー……」ポタポタ
果南「捕縛する、もう何もするな」ジリッ
海未「そうは行きません、あなたはわざわざ敵軍に捕まるのですか?」
クルッ
穂乃果「飛び降りる気?」
海未「そんな事はしませんよ」
穂乃果「じゃあ何を「穂乃果」
海未「ここからの眺めは、素晴らしいですね」
穂乃果「っ」
海未「我等、新日本皇国軍は……永遠となるでしょう」スラッ
果南「ばっ、動くなって!!!」
穂乃果「果南ちゃんっ!」
果南「っ!」
穂乃果「…もう、下ろしていいよ」
果南「……なんでっ」
穂乃果「千歌ちゃんの救護したげて」
果南「……っ!!」
海未「……さようなら、穂乃果、あなた達も」チャキッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あんじゅ「……」
花丸「アンジュさん、高坂さん達は……」
あんじゅ「主力の1人、園田がいたらしいわ」
あんじゅ「まあでも、そうすぐに事態が動く事は……な…い…!!?」
ゴォォォォォ…!!
真姫「……せ、戦闘機が……音ノ木坂から…っ!?」
ピーッ
『トウドウだ!!今すぐそこからーーー』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ドスッ
海未「うっ……ぐうっ…!!」グシュッ…
ポタッ ポタッ……
ドシュッ
海未「……ぅ」カラン…
ドサッ
果南「切、腹…っ!?」
穂乃果「……さよなら、海未ちゃん」
果南「…穂乃果、どうやらまずい事になったみたいだよ……」
穂乃果「…何あれ、戦闘機…!?」
果南「VTOL式の、旧軍爆撃機なんて…有り得ない…っ!!」
穂乃果「これじゃ、通信所も危な」
<……キィィィィィィィン!!
穂乃果「……もう、遅いかも」
花陽「穂乃果ちゃんッ!!」
穂乃果「…ん」
花陽「高海上等兵……KIAです」
千歌「…」
穂乃果「……了解」
果南「……」ガクッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー十条 FOBー
ザーッ…!!
英玲奈「音ノ木坂から爆撃機が発進した!!早くそこから離れろ!!」
英玲奈「おいアンジュ!!聞こえるか!?」
絵里「奴等、どこまで戦力を隠し持ってるわけ……っ!?」
英玲奈「くそ、電話も断線してる!!絵里、穂乃果達と無線を繋げっ!!指揮所には無線で伝えまくる!!」
絵里「もうやってるわよ!!穂乃果、聞こえる!?」
『聞こえるよ!』
絵里「1度撤退して!!指揮所にも撤退命令は出してるから!!」
『分かった、撤退するよ!?』
絵里「ええ、頼むわ!」
プツッ
英玲奈「何故あんな骨董品が、垂直離着陸で動いてるんだ!?」
絵里「97式重爆撃機ね、VTOL式に改造されてるけど!!」
ツバサ「多分ここも狙われるわね…あなた達、来たばっかで申し訳ないけど移動開始よ」
善子「花丸、真姫……っ!!!」
梨子「あんじゅさん……」
曜「でもどこに!?」
絵里「……とりあえず今は退避するしかない!!全員最低限の装備を持って車両へ!!」
英玲奈「負傷兵を優先して搬送しろ!!動ける者は動け!!」
ことり「負傷者はこっちへ!!」
にこ「なんて事よ……」
英玲奈「アンジュ!!応答してくれ、アンジュ……!!」
「トウドウ大尉!!」
英玲奈「何だ!?」
「敵機が…っ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「敵指揮所上空に到達」
「了解、爆撃を許可する」
「了解……投下」カチッ
<ヒュウウウゥ……!!
<ズドォォォォォ…ン!!
「…爆撃完了」
「了解、そのまま十条駐屯地まで向かえ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブーン……
花陽「千歌ちゃんまで……」
果南「……っ!!」
穂乃果「……もう、総攻撃をかけるしかないね」
花陽「……」
果南「…でも、音ノ木坂駐屯地周辺は防護壁が囲んでるから、突撃はかなり厳しい事になるよ」
穂乃果「かと言って航空国防軍に支援を頼もうにも、奴等の対空戦力がどれ程か未だ断定出来ない内は有効な打撃が出来ない」
穂乃果「しかも市街地のど真ん中だから、簡単にミサイル撃つのも難しいだろうしね……」
花陽「何とか残った人員で、作戦を立て直さないと……」
ブーン
果南「……おいおいおい、もう勘弁してよ……」
ゴォォォォォォ……!!
花陽「十条が……燃えてる……っ!?」
穂乃果「…恐らく皇国軍による、爆撃だね」
キキーッ
フミコ「高坂3曹、松浦2曹!花陽上等兵まで……!!ご無事でしたか!」
穂乃果「……良かった、全滅はしてないんだね」
フミコ「ええ、あくまで示威行動なのかと思われます。徹底的な爆撃は成されなかったので」
フミコ「……とするも、十条駐屯地は……ほぼ壊滅しましたが。指揮系統は生きていません」
花陽「絵里さん達は……?」
フミコ「皆さんは現在、"三宿駐屯地"に移動しました。トウドウ大尉による間一髪の指示でした」
果南「入れ違いだったか……」
フミコ「今、"97式重爆撃機改"はーーー便宜上、"改"と呼称していますがーーー……幸い、爆撃後は秋葉原上空を旋回しているだけです」
穂乃果「やっぱり民間人に無差別攻撃はしてないんだね」
果南「変なところ真面目なんだから。こっちは何人もやられてるってのに」
フミコ「早く三宿へ向かって下さい、ここもまた狙われない保証はありません」
穂乃果「わかった、ここも復旧を頼むね」
果南「それと人員に空きがいるなら、オノデン指揮通信所の捜索を頼むよ」
花陽「もしかしたら、通信分隊の人達がまだ生きているかも……」
フミコ「…分かりました、すぐに人員を派遣します。生存確認出来たら我々が三宿までお送りします」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー三宿駐屯地 F.O.B. 仮設『新日本皇国軍』緊急対策本部ー
英玲奈「お前達が生きていてくれて、よかった……」
穂乃果「高坂3等軍曹、松浦2等軍曹、小泉上等兵は損耗無し……ですが」
果南「高海上等兵が……KIAです」
絵里「……はい、はい……分かりました……っ!!」
ガチャァン
絵里「……」
英玲奈「…絵里」
絵里「ユウキ大尉以下、国木田特技兵と西木野特技兵の……死亡を確認」
ツバサ「……はあ」
英玲奈「戦友が消える悲しみだけは、全く慣れない」
ツバサ「だからそんなにいつも硬いの?」
英玲奈「お前のようには……なれんよ」
梨子「……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー人員資料ー
優木大尉 KIA(行方不明、戦死未確認)
(戦死確認)
国木田特技兵 KIA(行方不明、戦死未確認)
(戦死確認)
西木野特技兵 KIA(行方不明、戦死未確認)
(戦死確認)
星空上等兵 KIA(戦死)
黒澤上等兵 KIA(戦死)
高海上等兵 KIA(戦死)
ー残存兵力ー
キラ少佐
統堂大尉
絢瀬大尉
松浦2等軍曹
高坂3等軍曹
桜内3等軍曹
矢澤伍長
南特技兵
小泉特技兵
津島特技兵
渡辺上等兵
ー新日本皇国軍 勢力ー
東條大将
園田中将 (自害)
黒澤中将
ー音ノ木坂駐屯地 人質ー
南統合幕僚長
新兵、候補生合わせて200名
ー現在時、1650ー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダイヤ「ドローンとは、便利な物ですわね」
希「ほんまやねぇ」
ダイヤ「お陰で敵通信所と本部の排撃に成功しました」
ダイヤ「それもこれも、彼女達の協力のおかげですわ」
希「……園田中将は?」
ダイヤ「……園田中将は、皇国の責務を見事、全う致しました…」
希「……そっか」
ダイヤ「……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
https://youtu.be/QwqnapfmrKE
ー1700 三宿F.O.B. 作戦準備室ー
絵里「最後の戦いよ、これで音ノ木坂駐屯地の怨霊達を一掃する」
英玲奈「あと3時間しかない……だが幸いにも秋葉原周辺の皇国軍達は音ノ木坂に引き上げた、警戒が手薄な今が好機だろう。偵察班、突撃班に別れて作戦を実行する。各人員を掌握しろ」
絵里「今回は私も出撃する、最終的な指示はエレナがするわ」
英玲奈「敵爆撃機については攻撃してこない保証が無いが、時間も無い。この機を逃す訳にはいかん」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー突撃班ー
キラ少佐
高坂3等軍曹
南特技兵
津島上等兵
渡辺上等兵
ー偵察班ー
絢瀬大尉
松浦2等軍曹
桜内3等軍曹
小泉特技兵
ー作戦本部ー
統堂大尉
矢澤伍長(負傷の為、本部でドローン偵察)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「作戦はこうだ、単純明快で分かりやすい」
「裏門から突撃し、敵勢力の排除と人質の確保。そして東條希、黒澤ダイヤの捕縛。以上だ」
シュイーーーーン
にこ「……裏門、見張りは約4名…正門前は……10はいるわね」
にこ「99式機関銃手が2名ね、現代改修魔改造されてるけど」
英玲奈「穂乃果達の情報によれば、100式機関短銃もレールやフォアグリップ、光学機器が搭載されていたそうだ」
英玲奈「……しかし、片腕だけで器用なものだな。普通は起き上がれる傷じゃないだろ」
にこ「お褒めに預かり恐縮でーす、これでもドローンの操作だけは表彰もんなの」
英玲奈「素晴らしい腕前だぞ、誇れ」
「単純明快過ぎて楽勝ね」
「そして音ノ木坂駐屯地を裏側から見て、左側面に偵察班を展開する」
ー秋葉ビルディング 屋上ー
果南「……松浦、配置完了」
絵里「同じく絢瀬、配置完了」
花陽「了解、本部に報告します」
梨子「……11時方向、3名ですね」
花陽「裏門上窓からの監視……5から6名」
絵里「いつでも撃てるわよ」
果南「同じく」
梨子「了解、ゲットレディ」
「気づかれたらどうするの?」
「十中八九突入時点で気づかれるでしょうね、その為のにこと偵察班よ」
「突撃班の支援は勿論、正門前はにこのドローン偵察、裏門側は偵察班の支援攻撃ででネズミひとつ逃がさない様に行動しろ。奴等が逃亡しない可能性も無いからな。その場合人質確保班と追跡班に分ける」
「今までの行動上、奴等が無闇に人質に手は出さないと判断しての作戦よ。少し強引にでも打破しないと地獄絵図が日本で描かれるわ」
「爆撃機も音ノ木坂駐屯地に落とす事は無いだろう、敵の本拠地だからな」
「希望的観測ね」
ー音ノ木坂駐屯地 裏門ー
ツバサ「隊員点呼」
穂乃果「1!」
ことり「2!」
曜「3!」
善子「4、異常無しよ」
ツバサ「了解。曜、APC9からのM4は使えそう?」
曜「普段使いはSMGだけど、入隊時はアサルトライフル使ってたから大丈夫!」
善子「射撃訓練もライフルの方が得意だものね」
ことり「私はSMG苦手かも…」
穂乃果「……ツバサさん、穂乃果思ったんだけど…」ボソッ
ツバサ「なぁに?」
穂乃果「奴等の装備の潤沢さや各兵器の改造具合を見るに、確実に」
ツバサ「"バックボーン"がいるわね、しかも皇国軍兵士も充分な訓練がされてる」
ツバサ「十条本部もオノデン指揮通信所も何故かバレたのは…十中八九ドローンか無人機でしょうね。それを提供した後ろ盾がいるのかも」
ツバサ「まあこんなこと仕出かしてるからただのテロリストじゃないにしろ……色々矛盾がある」
穂乃果「攻撃意志を穂乃果達が見せた時点で、音ノ木坂の人質の安全は保証されないかもよ」
ツバサ「なら小原大尉の偵察や、情報分隊救援時のあなた達の攻撃で何かしらのアクションがあってもいいはずよね?でも何も無かった。それかあと3時間後の一斉蜂起で、余程全てをひっくり返す自信があるのか……」
ツバサ「今までの損害は全てこちらの油断よ、もうこんな事は許されない……ただ、向こうだって後手ばっかりだから現状打破のチャンスは大ありよ」
穂乃果「……わかった。現在時、1730」
ツバサ「…あとはもう、ボスを攻略すればいいだけ」ピッ
ツバサ「突撃班、準備完了」
『了解よ、果南、準備は?』
『OK絵里さん、宜しく梨子』
『了解……』
『オープン・ファイア』
パァン!!パァン!!
「ぐわあっ!!」
「狙撃手だ!!身を低くしろ!!!」
ツバサ「前進っ!!」パラララ
穂乃果「曜ちゃん、グレネード!!」
曜「りょーかいっ!!ふんっ!!」ブンッ
ことり「善子ちゃん2時方向!」
善子「ありがとっ!!」パパパ…!
「手榴弾だァッ!!!」
<ドカァァァン……!!
穂乃果「曜ちゃんのグレネードが道を開いた!!前へっ!!」
善子「ことりっ!!」
ことり「うん!」
パァンパァン!! パラララ……!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
英玲奈「……始まったな」
にこ「今のところ逃亡兵は無し……まあ奴等の考え的に、逃亡は死んでもしないでしょうけどね」
英玲奈「ああ、恐らくな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里「……」
梨子「…果南さん絵里さん、11時方向に機関銃手です」
果南「りょ、絵里さん右の奴で」
絵里「私は左ね……」
ドォンドォン!!
梨子「……ターゲットダウン、突撃班が音ノ木坂に侵入」
花陽「こちら偵察班です。突撃班、音ノ木坂に侵入成功しました」ピーッ
『こちら本部了解、引き続き頼む』
果南「……絵里さん」ガシャコンッ
絵里「なぁに?ってか同い年だからタメ口でいいわよ」ガシャッコン
果南「じゃあ絵里……3階奥から二番目の窓のとこさ」
絵里「ええ気づいてるわよ、あそこの兵士だけ全く動いていない」
果南「恐らく人質部屋だね、花陽」
花陽「はいっ」
果南「音ノ木坂駐屯地、3階奥から二番目の部屋に、にこの偵察ドローンを」
花陽「了解、要請します」ピーッ
ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー
英玲奈「にこ」
にこ「聞こえた、今向かってる」
シュイーーーーン
にこ「動画こっちに送るわよ」ピッ
『外でドンパチやり合ってるよ!』
『救助が来たのかも……!』
『貴様ら、静かにせんか!!』
にこ「……ビンゴ」
英玲奈「花陽、聞こえるか?ビンゴだ!その部屋に人質がいる!」
にこ「ただ数が少ないわね、多くても80人くらい」
にこ「ああ、知った顔の新兵もいるわ、多分ここは新兵オンリー部屋ね」
英玲奈「分かった、その旨伝える」
ーー
ーーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーー
ピーッ
花陽「……了解しました。梨子さん!」
梨子「あそこに人質?」
花陽「新兵のみではありますが、確定です!」
梨子「分かった、2人とも」
果南「おっけ、1人補足」
絵里「こちらも」
梨子「ゲットレディ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー音ノ木坂駐屯地 1F-2F階段ー
ピーッ
善子「……了解よ、ツバサさん!」
ツバサ「人質の場所判明かしら?」
善子「3階、大会議室よ!」
曜「このまま上に行こう!」
穂乃果「他の人質は!?」
善子「まだ捜索中!」
穂乃果「こっちの人員も少ないから、手分けする訳には……」
ツバサ「いいと思うわよ、私と善子と曜で残りの人質捜索と奴等の拿捕。穂乃果とことりで人質の掌握、いける?」
穂乃果「行きます!!」
曜「食い気味…」
ツバサ「おっけ、じゃあ先に2F行くわね。善子、曜、ついてきて」
曜「穂乃果ちゃん、ことりちゃん、気をつけてね!」
穂乃果「そっちもね!」
<タタタッ…
絵里「3Fにはキラ少佐、曜と善子が向かうそうよ」
果南「じもあいコンビと特殊部隊ね、おっけ」
梨子「2人とも、大会議室前の護衛を排除して下さい」
絵里「了解よ」ドォン!!
花陽「ターゲットダウン……あ、穂乃果ちゃん達が見えます」
果南「……はは、手ぇ降ってら」
ー3F 大会議室前廊下ー
ガラッ!!
「ひっ!」
穂乃果「そのまま!!国防軍だよ!!」
ことり「皆大丈夫!?怪我人はいる!?」
「高坂3曹!!」
「怪我人はいません、全員無事です!!」
穂乃果「よっしゃあ!!」
ことり「本部!まずは人質80名を確保!!」
『よしナイスだ!!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダイヤ「大体あの辺でしょうか」
「お馬鹿さんがいて安心ですね」
ダイヤ「狙撃手は早めに分断しましょう、展開準備を!!」
「はっ!!」
「……では、私達も」
ダイヤ「ええ、後はよろしく頼みます。好きにしてくれて構いません」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ゴゴゴゴゴ……
絵里「……何の音!?」
果南「…っ!!下だ!!防護壁!!」
<ウィーン、ガシャン!!
ゴォッ!!
絵里「……クソ、射線が遮断されたわ…」
梨子「まずい、これじゃ狙撃支援が……っ!!」
花陽「偵察も出来ません!!」
<キィィィィィィィン……!!
果南「……やっば」
絵里「爆撃機よッ!!全員退避!!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
https://youtu.be/vBTVJvANH8E
ー2F 廊下ー
曜「……あの辺りは偵察班がいるよね」
善子「これで狙撃支援は無しね」
ツバサ「ここまで侵入出来たらもう大丈夫よ、あとはとっとと偵察班に撤退して貰えば……」
「接敵!!」
ツバサ「っ!」パァン!!
「があっ!」
善子「タリホー!」
ツバサ「あそこも人質部屋かしら?」
曜「行こう!!」
<パリィン!!
ズサーッ……!!
ツバサ「なっ!?」
曜「ラペリング降下!!?」
善子「誰よッ!!」
「いかにも、この先が人質の皆さんがいる部屋です」
「危害は加えていないわよ、ひとまず」
ツバサ「……せい、ら?」
曜「ええっ!?A-RISEの!?」
善子「って事は……理亞ァッ!!」
聖良「少佐、お久しぶりです」
理亞「うるさ……聞こえてるわよ、ヨハネ」
ツバサ「……休暇はどうだった?」
聖良「久しぶりに北海道に里帰りしました、味噌ラーメン美味しかったです」
聖良「すいません、お土産は無いんですが……」
ツバサ「今貰ってるわよ、最低の土産を……」
善子「理亞っ!!アンタっ……何やってんのか分かってんの!?」
理亞「私は姉様についてくだけよ」
善子「ルビィもずら丸も、真姫だって!!あんたらのせいで死んだのよ!?アンタには同期のよしみってのが無いの!!?」
理亞「もう、分かるでしょ善子。これだけの事をやらかしておいて、今更許してなんて言わないわよ」
善子「……~~~こンのッ!!」チャキッ
曜「え、同期なの!?同期A-RISEなの!?」
ツバサ「ちょい待ち善子、落ち着いて」
聖良「……」
ツバサ「聖良、これって映画でも何でも無いのよね。何かっこよく正面切って出て来てる訳?」
聖良「ですね」
ツバサ「私達が来た時点で爆破するなり狙撃するなり出来たわよね?しないって事は余程素晴らしい作戦立ててるんでしょう?」
ツバサ「はぁ、全くA-RISEが聞いて呆れるわ。で、どうなの?」
聖良「はい、ありますよ作戦。これ見えますか?」スッ
曜「……起爆、装置」
聖良「そうです。後ろの部屋の人質達全員に括りつけてます」
ツバサ「……っ」
聖良「可愛い候補生達を諸共爆破されたくなければ、ここは大人しく引き下がって貰えませんか」
善子「…わざわざ新兵じゃなくて候補生狙ってるあたり、イカれてるわね」
聖良「そう、新兵でも国防軍兵士です。危険は受け入れて行動するものですよね」
聖良「ですが候補生は違う。『まだ』兵隊じゃない、ただの『一般人』なんですよ」
ツバサ「……」
聖良「引き下がって貰えないなら……ゲームをしましょう」
曜「はぁっ!?」
ツバサ「ふざけてるわね、今あなたの右手を起爆装置ごと撃ち抜けばそれで終わりよ」
聖良「確かにそうですね、では」スッ
ブワアッ!!
カランカランカラン……
善子「嘘…起爆装置が……」
ツバサ「…はあ、これじゃあどれが本物か分からないわね」
曜「偽物をばら撒くなんて……っ」
聖良「隠れんぼをしましょう。今から1分以内に私達が隠れますので見つけて下さい、理亞か私のどちらかが本物の起爆装置を持ってますので」
聖良「あ、先に人質部屋行って解除しようとしても無駄ですよ。入った時点で爆破しますので」
理亞「あなた達の中で爆弾解除の心得があるのはキラ少佐だけですよね」
ツバサ「お姉さんからよく聞いてるようで……」
曜「時間稼ぎが見え見えだよ…っ」
ツバサ「アンタ、二度と軍の敷居跨がせないわよ」
聖良「ええ、だから休暇を与えたんですよね?そのまま退職させる為に」
ツバサ「……」
聖良「…制限時間は5分です、では……」
善子「じゃああんたらが隠れる前に撃ち抜けば終わりよッ!!」ガチャン!!
聖良「理亞」
理亞「はい」カラン
<ピカァン!!
曜「うわっ!!」
善子「っ……理亞ァ……ッ!!」
ツバサ「フラッシュバン…!!」
<タタタッ……
曜「……いない」
善子「クソっ!!」
ツバサ「マジ面倒臭いわ……」
善子「取り敢えず、本部に報告するわよ」
ツバサ「ええ、お願い」
曜「ツバサさん、あの人達は何なんですか?」
ツバサ「……優秀なのよ。でも戦地で"目に余る"行為をしまくるから、上層部は退職させようとしてたんだけど」
ツバサ「その反動がこれか……さいっあく」
曜「目に余る行為って」
ツバサ「これみたいな事よ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダイヤ「閣下」
希「んー?」
ダイヤ「鹿角姉妹は行動を開始した模様です」
希「そっか、今何時?」
ダイヤ「……1800ですわ」
希「あと2時間か……政府は?」
ダイヤ「緊急会議をしてはいますが……時間稼ぎかと」
希「既に国防軍が入り込んで来てるからねぇ」
希「ま、別に民間人とか[ピーーー]気なんて無いから安心して欲しいんやけどね、南統合幕僚長?」
理事長「もう遅いわよ……被害が出てるじゃない」
希「あれは、軍事目的の為の致し方ない犠牲って奴やん」
理事長「その軍事目的とやらの為に、国民の血が流れて良いとでも!?いい加減にしなさい!!あなた達の目的は何!?」
希「……だから、何度も言ってますよね」スラッ
理事長「っ!!」
希「我等が大日本帝国の復活。あの強き日本を今1度甦らせる為に、新日本皇国軍は行動している」
理事長「……その割に、後手後手のようだけど?国防軍は、すぐにここまで来るわよ」
希「……これは意思表示やからな」チャキン
希「黒澤中将、我々の要求が通らなかった場合のこちらの行動を言ってみて」
ダイヤ「南統合幕僚長の殺害及び、各地域の同志達による一斉蜂起ですわ」
希「ん。あなたには死んでもらうけど、新兵候補生は別にどうでもいいんよ」
希「現に我々の電波ハイジャック時にいくらでも民間人虐殺のタイミングはあったやんね?でもしなかった……答えは簡単、別にやる意味無いから」
希「何度でも言うよ、これは意思表示。ただもう一度、同志達の手で大日本帝国軍を復活させることだけが目的なんよ」
理事長「それだけで、ここまでの事を」
希「…あ、あと鹿角姉妹の作戦なんやけどね?候補生全員を爆破させるっていう物なんやけど…」
理事長「何ですって!?さっきと話が違うじゃない!!」
希「いやあ、どうせ上は国防軍解体せんやろうから、こっちから解体の火種作ってあげよ思ってな」
ダイヤ「…」
希「爆破確認したら、アンタも[ピーーー]よ」
希「そしたら、2時間後が楽しみやんね」
理事長「…っ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー1810 三宿駐屯地作戦本部ー
英玲奈「鹿角姉妹が!?何を言ってるんだ!?」
『こっちも何言ってるか分かんないわよ、でもいるんだから仕方ないじゃない』
『部屋入らない様に確認したけど、マジで全員に爆弾付いてるわよ、120個』
英玲奈「……クソ、どうすれば……!!」
『今はかくれんぼの最中、チートだけど途中で穂乃果さん達を回収して当初の突撃班で捜索中よ』
『3Fは完全にクリアしてるから、人質は安全。はやく回収してあげて』
英玲奈「当然だ、だが回収はかなり難しい。爆撃機が近付いている為、輸送機が飛ばせないからな」
『うーん、多分大丈夫だと思うけど…』
ピーッ
にこ「はいこちら本部」
『こちら偵察班です、爆撃機退避と射線変更の為移動中』
にこ「取り敢えず大丈夫そうなのね?音ノ木坂の様子は?」
『見える敵は全員殺ったよ』
『私と果南を突撃班に増員させるわ、梨子と花陽で人質の護衛をさせる』
にこ「ですって?」
英玲奈「了解だ、速やかに合流してくれ」
英玲奈「……ツバサ、思ったんだが120個の同時爆破が可能な爆弾なんかあるか?」
『ないわよ』
英玲奈「なら!!」
『いや、それでももしその120個の中に本物混ざってたらどうすんのよ。全員は死なないけど何十人かは死ぬわよ』
英玲奈「っ」
『しかも候補生なんだから一般人でしょ、1人でも死んだら責任問題で国防軍終わり、分かる?』
英玲奈「ならどうすれば……」
『…残り3分ね、一応私に考えはあるけど、覚悟はしておいて』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー1F 図書資料室ー
理亞「はぁ、はぁっ…何でこんな面倒なことを…」
穂乃果「あぁぁぁぁいたー!!」
曜「ほんとだっ、とっ捕まえろー!!」
理亞「まずっ」
チャキッ
ことり「はい、ストップ?」
ツバサ「ナイスよことり、素晴らしい先読みだわ」
ことり「自慢の勘ですっ」
善子「もう逃がさないわよ、こっち来なさい」
理亞「……っち」
ツバサ「さて…」
理亞「どうぞ探してみて下さいキラ少佐、私が本物の起爆装置を持ってるかどうか、あと2分で」
ツバサ「いえ、面倒だからしないわ」
善子「はあっ!?何でよ!!!」
ツバサ「本部、こちらツバサよ」
『こちら本部、もう捕まえたのか?』
ツバサ「ええ、『餌』をね」スチャッ
パァン…!!
理亞「…っあ」
ドサッ
善子「ちょ、ツバサさん…!」
ツバサ「死んじゃいないわよ、穂乃果」
穂乃果「うん、すぅーーーっ…」
「鹿角2等陸尉ぃぃぃぃぃぃっ!!!!妹さんは捕まえたよぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!命惜しくば出て来てえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」
曜「うぅるっさ」
ツバサ「穂乃果さんの声はよく通るから」
<ザッ
聖良「……」
ツバサ「ほーら来た、ごきげんよう聖良」
聖良「…ええ、あと1分ですが?」
ツバサ「そうね」パァン!!
理亞「がっ…!!」
聖良「っ、辞めろ!!!」
ツバサ「辞めない、3秒以内に装置出して」
ツバサ「あなたがよく知りもしない候補生と妹の命、どっちが大事か考えてね。はいさーん」
聖良「ツバサ……さん…っ!!」
ツバサ「にーい、いーち…」スチャッ
<カランカラン…
ツバサ「確保っ!!!」
曜「っ!!」ダダッ!!
善子「っ、捕まえたわよ、聖良さん…!!」ガシッ
聖良「……っ」
ツバサ「ことり、理亞の救護を」
ことり「了解ですっ」
理亞「う…ごほっ」
穂乃果「えいっ、装置破壊っ」グシャッ
ツバサ「聖良、全部わかってるから安心して」
聖良「っ…何がですか」
ツバサ「あなたが目に余る行為をしたのは全て、戦地でゲリラに"色々"されそうになった妹の為だって」
聖良「っ!!」
ツバサ「上層部の奴らはその行為にしか目向けてないけど、同じ隊の私がその事知らない訳ないでしょ」
ツバサ「たった1人の妹の為にやったのに嫌なタイミングで休暇入れられたら、そりゃ勘違いもするわよね…ごめんなさい」
聖良「…あなたが謝る事ですか、少佐」
ツバサ「それに、これは一時の気の迷いでしょ?ま、流石に処分は免れないでしょうけど…」
聖良「…理亞は」
ことり「急所は全て外してます、何なら防弾ベストの上からなので目立った外傷はありません!」
聖良「…はぁ…」
理亞「ねえ、さま…」
聖良「早く行ったらどうですか」
ツバサ「もちろん。東條はどこ?」
聖良「地下の、旧軍防空壕です」
ツバサ「そう、ありがとう」
聖良「急いで下さい…」
穂乃果「…あれ随分親切だね。どんな風の吹き回しなの?」
聖良「皇国軍に協力はすると言っても思想に賛同した訳じゃありませんので。そんな事より…」
ツバサ「何なの?」
聖良「候補生につけた爆弾…あれは」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー1850 音ノ木坂駐屯地地下防空壕ー
ダイヤ「時間ですわ」
希「…爆発音は無い…しくじったってことやんな」
理事長「…」
ダイヤ「まあ、失敗を予想して爆弾は全て"時限式"にしてますが」
理事長「っ!!?」
希「うん、ウチからの指示。あと1時間かな、20時の蜂起への手向けに、デカい花火打ち上げるやん」
ダイヤ「それも聖良さんは理解してると思いますが?」
希「今頃国防軍に伝わってるやろうね、爆弾も、ここの事も」
<パァンパァン!!
<ギャアッ!! グワァッ!!
ダイヤ「来ましたわね、大人しくしててください統合幕僚長」スチャッ
理事長「くっ……!!」
希「さあ、迎え入れようやん」
ダイヤ「…」ボソッ
理事長「…っえ」
<バァン!!
ツバサ「全員動くな!!」スチャッ
穂乃果「統合幕僚長、ご無事ですか!?」
理事長「え、ええ」
絵里「希、あなただけ?」
果南「ダイヤ…っ!」
ダイヤ「どうぞ、幕僚長。行ってください」トンッ
理事長「…っ」タタタッ
果南「本部!統合幕僚長、確保っ!!」
『よし!ナイスよ果南!』
希「…えりち達、これで全員?少なくない?」
絵里「他の隊員は人質の確保と救護よ、鹿角姉妹も使わせて貰ってるわ」
希「あそ、20時まであと…約1時間やんな」
穂乃果「何もさせないよ、動かないで」
ダイヤ「…」
ツバサ「時間もない、2人を確保」
希「…」スッ
果南「起爆装置…っ!!」
希「聖良ちゃんから聞いてるね?時限式とはいえ、ウチがこのスイッチを押したら」
絵里「候補生達は吹っ飛ぶんでしょ」
希「んーん、このスイッチで吹っ飛ぶのはこの駐屯地」
穂乃果「っ!?」
ダイヤ「…」
希「要求、聞いてもらおか」
ツバサ「総辞職と政権樹立だっけ?そんなすぐには無理よ」
希「それもそうやね、じゃあ要求の更新をするよ」
カチッ
果南「お、押した…っ!!」
希「あと10分で音ノ木坂駐屯地はお空の上よ」
穂乃果「曜ちゃん!!人質を全員外に!!」ピーッ
『ええ!?でも部屋には…』
『聖良さんに部屋の爆弾は解除させたわ!!今なら外に出せる!!』
『穂乃果ちゃん、先に皆を連れて外に向かうよ!?』
穂乃果「うん、お願い!」
絵里「何が目的なのよッ、希ぃ!!」
希「新日本皇国軍を正規軍として認めて貰いたいんよ」
ツバサ「何を…」
希「10分以内に、政府に認めてもらって」
希「回答が得られないなら…この駐屯地は吹っ飛ばす、周辺の街諸共ね。神田と秋葉原は半分ずつ消えるよ」
希「その後私の死んで2000時になった時点で、全国の新日本皇国軍同志達が蜂起する」
希「……はよし、時間は無いやん」
ツバサ「…確保っ!!」
穂乃果「っ!!」ガシッ
絵里「とにかく、来てもらうわよ」
希「…」
ツバサ「あなたもよ、黒澤さん」
ダイヤ「どうぞ」スッ
果南「なんでそんな、淡々としてんのさ…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー音ノ木坂駐屯地、正門前ー
善子「動かないで、これで全員?」
梨子「他にいた所で、ここは爆破されるだけよ」
「全員だ、お前らが殆ど殺ったからな」
曜「負け惜しみ?」
「いいや…勝鬨だよ」
花陽「英玲奈さん!これで全員です!!」
英玲奈「了解だ、にこ」ピーッ
『はいはい』
英玲奈「先に練馬駐屯地に移動して、現地で人質と統合幕僚長の身柄を確保してくれ」
『それ、私の任務?私伍長よ?』
英玲奈「今は本部要員だろ、今だけ2曹とかにしてやろうか?」
『分かったわよ…3曹でいいわ』
ピッ
英玲奈「全く、可愛くない奴だ」
<バババババ…
ミカ「統堂大尉!各輸送機に人質、及び統合幕僚長の収容完了!!」
英玲奈「分かった!!飛ばせ!!」
ミカ「鹿角さんに言われて候補生全員の身体検査しましたが、爆弾は外面だけのハリボテに変えられてましたよ!!」
英玲奈「……そうか、僥倖だな!!やはり奴等に[ピーーー]意思は無かったんだな!!」
ミカ「しかし、爆撃機は静かなもんですね!!」
英玲奈「奴等は反抗する者だけを狙う!!今までの奴等の行動上、人質の為なら攻撃はしてこない!!」
ミカ「分かったけど大尉!他の人達は!?」
英玲奈「突撃班が東條、黒澤を確保した!!あと数分でここが爆破される!!」
英玲奈「その前にせめて人質は安全な場所まで運べ!!然るべき後、我々は車両で撤退する!!」
ミカ「…了解大尉、後は宜しく頼みます!!!」
英玲奈「ああ!!念の為、爆撃機とここの爆発の余波に気を付けておけ!!」
バババババ…!!
英玲奈「…貴様ら、何故喋らん」
「…指示を受けている、我々は無駄口を叩かない」
英玲奈「残存勢力全て武装解除されてもか、見上げた根性だな」
「…」
<英玲奈ぁ!!!
英玲奈「っ!ツバサっ!!」
ツバサ「はぁっ、人質達は!?」
英玲奈「今し方安全な場所まで送った、これで爆破には巻き込まれん」
穂乃果「良かった…!!」
英玲奈「よし、全員乗れ!!退避だ!!!」
希「あと、5分」
絵里「希っ早く乗りなさいっ!!こんな所で死なせないわよ!?」
ダイヤ「…」
曜「みんな早く乗った乗った!!あんたらもだよ!!」
「ああ」ゾロゾロ
善子「とっとと乗りなさい!!」
ことり「怪我人はいないね!?早く早く!!」
「おい、こいつは怪我人だ」
「うぐ…げほっごほっ」
ことり「分かった!後で車内で救護したげるから乗って!」
「了解だ」
「…おい」ボソッ
「ああ…ごほっ」ピッ
「乗車した…うぐっ」ボソッ
ことり「喋れるなら早く乗ってぇ!!」グイーッ
「わ、分かった、すまん」
花陽「全員乗りましたか!?」
善子「皆いるわ!!花陽も早く!」
英玲奈「穂乃果、運転を頼む!」
穂乃果「あいよ!後ろに東條、黒澤は乗ってるから!」
絵里「私と果南が後ろに乗っておく、さあ早く!」
果南「前進して!!」
ブーン…!!
英玲奈「…時間は!?」
希「あと1分やでー」
英玲奈「各員、衝撃に備えろ!!」ピッ
花陽『了解!!』
希「…」
ピッ
ピッ
ピーッ…!!
ー大型トラックー
曜「…っ」
善子「……」
ことり「……?」
花陽「…え?」
ー護送車ー
ツバサ「……え?」
穂乃果「っ…あれ?何もないよ?」
英玲奈「どういう、事だ?」
絵里「…希?」
果南「何、何なの?!」
希「…くくく…」
絵里「ちょっと、のぞ」
希「あーっはっはっは!!まさかここまで入り込んでたとはね!!」
穂乃果「!?」
希「ねええりち!もしかしたらだけど候補生達の爆弾も、ニセモノにすり替えられてたんじゃない!?」
絵里「そ、そうよ、全て偽物だったわ」
希「そっかー、CIAかな?それとも公安かな!?」
ダイヤ「どちらでもありませんわ」
果南「えっ」
ダイヤ「果南さん、お借りします」スチャッ
絵里「あなたーーー」
<パァン…!!
英玲奈「おい、何をしてる!?」
穂乃果「ツバサさん!!後ろの小窓開けて!」
ツバサ「もう見てるわよっ!!」
希「ぐっ……やっぱダイヤちゃんか…っ!!」
希「でもねダイヤちゃん、爆撃機の指示系統は独立させてるよ…っ、がはっ」
絵里「果南!!」
果南「馬鹿、何してんの!!?」ガシッ
ダイヤ「っ……そこだけは希さんの直轄ですものね」
ダイヤ「あとは引き受けましたわ、"閣下"」
希「じゃあ期待、していいの?」
ダイヤ「もちろんですわ」
希「なら、いいや…」
希「…」
絵里「あなた、一体何を」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「撃て」
バシュッ
ーー
ーーーー
ーーーーーー
ドォォォン!!
曜「わああああっ!!!」キキーッ!!
善子「何!?残党!?」
花陽「っ!!」
ことり「身を守って!!」
穂乃果「まずいっ、ことりちゃん達のトラックが!!」
英玲奈「回避だっ!!」
ドォォォン…!!
ツバサ「こっちも狙われたわよっ!!横転するわっ!!」
ガッシャアアアァァン…!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…う…絵里…」
「…果南…」
<ガチャッ
「黒澤"閣下"、こちらへ」
「派手にやりすぎですわ」スルッ
「失礼致しました」
「ダイヤ…ちゃん…」
「と、東條閣下…!?」
「…はい」
「…手向けやん…」
「…?」
「後で、分かるよ…」
「……黒澤閣下、お早く」
「ええ…それでは、お邪魔致しました」
「ま…て…っ、ダイヤ…っ!!」プルプル
「…さよなら、果南さん」
<ブーン…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
https://youtu.be/M7GC_TaJxMI
「爆発は無かったと」
「はい、総理」
「…つまり、問題解決か?」
「国防軍第9特殊作戦分隊の尽力により、駐屯地爆破を防ぎ、敵主力の拿捕に成功との情報が」
「人質と統合幕僚長の輸送機は?」
「先程、練馬駐屯地に到着しました」
「これで終わりだな、残党の始末を急がせろ」
「了解致しま」
ビーッビーッビーッ!!
「な、何事だ!!」
<バァン!!
「総理、こ、皇国軍の爆撃機が!!」
「何だ!?空襲ということか!?」
「違っ、違います!!」
「落ち着いて説明しろ!!」
「突っ込んできま」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「先程20時未明、『新日本皇国軍』を名乗る武装勢力が、全国の日本国防軍駐屯地を無差別に攻撃を開始」
「現在民間に被害は出ておりませんが、戦闘機の墜落により国会議事堂が壊滅、総理大臣以下数百名が死亡しました」
「○○農林水産大臣が臨時で総理大臣に就任し、全国に戒厳令を発令。総理はアメリカ政府に協力を要請し日本国防軍とアメリカ陸軍の正式な共同部隊をーーー……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブーン…
絵里「…」ガタン
穂乃果「今はどこに向かってるんだっけ?」
花陽「えぇと……滝ヶ原駐屯地ですね」
果南「静岡の方か、里帰りじゃん」
梨子「嬉しくないですよ」
ピーッ
『全くだよ、せめて実家の安全を確認させて』
『沼津の方なら大丈夫そうよ、未だ民間人には危害加えてないらしいから』
『富士病院と接触して、衛生関係の確立をしなきゃです』
ピーッピーッ
『こちら統堂、お前ら何してる』
ツバサ「次の"戦場"に向かってるんだけど」
『そういう事じゃない。確かに黒澤ダイヤ中将には逃げられたが、ろくに休息もとらず向かっているのかお前らは』
『あれー、何で皆現場にいるのー?にこわかんなーい』
『お前のせいだなにこォッ!!』
果南「当然でしょ、私達は兵士だよ」
絵里「一刻も早く日本の戦火を、消し止めなければならないの」
『…はぁ…』
『…絶対、死ぬなよ』
ピーッピーッピーッ
『こちら国防軍第3連隊第2中隊の平安名2等軍曹よ。皆元気かしら?』
『もちろん!あ、こっちは同じく国防軍第2連隊第4中隊の嵐3等軍曹!聞こえたら応答してくれYO!』
穂乃果「…ツバサさん」スッ
ツバサ「ん…」
ピッ
ツバサ「平安名3曹に嵐3曹、元気そうね」
ツバサ「こちら第9特殊作戦分隊長、キラ少佐」
ツバサ「……さあ、日本を救いに行くわよ」
プツッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーCASTー
高坂3等軍曹:高坂穂乃果
南特技兵:南ことり
星空上等兵:星空凛
小泉上等兵:小泉花陽
西木野特技兵:西木野真姫
絢瀬大尉:絢瀬絵里
矢澤伍長:矢澤にこ
小原大尉:小原鞠莉
松浦2等軍曹:松浦果南
桜内3等軍曹:桜内梨子
高海上等兵:高海千歌
渡辺上等兵:渡辺曜
黒澤1等兵:黒澤ルビィ
国木田特技兵:国木田花丸
津島上等兵:津島善子
東條大将:東條希
園田中将:園田海未
黒澤中将:黒澤ダイヤ
キラ少佐:綺羅ツバサ
トウドウ大尉:統堂英玲奈
ユウキ大尉:優木あんじゅ
ヒデコ3等軍曹:ヒデコ
フミコ3等軍曹:フミコ
ミカ3等軍曹:ミカ
ーMUSICー
https://youtu.be/vJjcCGGv4HE
(Ace Combat 4 - Operation)
https://youtu.be/NPrqIgVpYrk
(Call Of Duty Modern Warfare 2 - Main Theme)
https://youtu.be/QwqnapfmrKE
(Call Of Duty Modern Warfare - Main Theme)
https://youtu.be/vBTVJvANH8E
(Call Of Duty Modern Warfare 3 - Assault)
https://youtu.be/M7GC_TaJxMI
(Call Of Duty Black Ops ll - Main Theme)
ーBased On A Story byー
ラブライブ!
ラブライブ!サンシャイン!!
ラブライブ!スーパースター!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ピーッピーッ
ピッ
「はい」
「……ええ、全て作戦通りに」
「蜂起についても滞りなく」
「はい…東條希は処理しました」
「最後まで、信じてくれましたわ」
「ええ、かなり長い間、国防軍で信頼を作りましたから」
「……園田さんですか?ええ、彼女はただの東條さんの賛同者ですわ」
「彼女の事なので、帝国主義をチラつかせれば勝手にいなくなると思って、秋葉原前線基地に送ったのです……ええ、案の定でした」
「それよりも懸念すべき事は、第9特殊作戦分隊の者たちですわ」
「少なくとも綺羅ツバサ、絢瀬絵里……松浦果南には、色々勘づかれてるかと」
「ええ、ええ…あなたの事は梅雨程も。偽装はしたんですものね?」
「…成程了解しましたわ、私はまだ離れたままで宜しいので?」
「はい、"今は"皇国軍の大将なもので。ええ、"DIH"ではありませんから。あくまで皇国軍内部のシギント掌握ですわ」
「はい…かしこまりました……」
「…それでは」
「……ユウキ大尉」
プツッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
過去作抜粋
絵里「雨の日のコーヒー」
穂乃果「第一次音ノ木坂抗争」
絵里 「ゲームセンターに行きましょう!」 にこ 「拒否」 希 「話を聞こう」
絵里 「真夜中に」 にこ 「愚痴を肴に」 希「姦しく」
花陽「都市伝説!」 絵里「対決よ!」
絵里「ノッキン・オン」 にこ「ヘブンズ・ドア」
海未「ふぁ~あ・・・眠いな・・・」 ことほの「「!?」」
絵里「ただ、ありふれた夜」
聖良「夜も更けて」 ダイヤ「姉会ですわ」
聖良「私達の」 ダイヤ「日常」
絵里「壊れた世界で、ただ1人」
海未「あなたは」 ことり「サマーガール」
希「ライブ?」 真姫「そうよ」
LINEグループ 9人の女神達
ダイヤ「お休みは」 聖良「言わないで」
穂乃果「ここどこ!?」 カイマン「ん?ここは"ホール"だぜ」 ニカイドウ「ギョーザ、食うかい?」
にこ「あなたの目には」絵里「私たちの姿が」
かのん「雨の日のコーヒー」
穂乃果「もう自衛隊入るしかないよ」海未「何を言ってるんですか」
善子「覚えてる?9月の事」梨子「そう、あの夜の事」
恋「ひっぷほっぷを聞きます!」すみれ「良いんじゃない?」
曜「水飛沫が光って」 梨子「月の光が輝いて」
果南「やらせクレーマー撃退選手権!!」絵里「お陰様で生きております!!!」
すみれ「カップ焼きそばのヤサイ程美味しいものは無い」
かすみ「ブレイキング・ラブ?」
絵里「スモーク」聖良「インザ」かのん「ナイト」
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