白菊ほたる「つ?」 (16)


―女子寮玄関―

松尾千鶴「ほたるちゃん!右肘に『つ』ができてるよ?」

白菊ほたる「つ?」

千鶴「あっ!触っちゃダメ!」

ほたる「えっ?」

千鶴「バイキンとか入ってくるから、安静にしててね?それじゃ、また後でね。」

ほたる「は…はい…」

ほたる(…つ?)


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―事務所玄関―

ほたる(右肘…2日位前に不幸にも壁に擦っちゃった場所だけど…)

脇山珠美「あっほたる殿!ご機嫌いかがですか?」

ほたる「珠美さん。こんにちは」

珠美「おや?右肘に『つ』ができていますね?大事ないですか?」

ほたる「…つ?」

珠美「珠美も部活中に滑って膝などに作ることもありますが…」

珠美「この様子だと、もう数日で綺麗に剥がれると思います!」

ほたる「は…剥がれるんですか?」

珠美「そうです!下手に触ると痕になるので気をつけましょう!それでは!」

ほたる「は…はい…」


―自動販売機前―

ほたる(右肘に…何ができてるんでしょうか…?)

野々村そら「はろー♪ほたるちん!」

ほたる「そらさん…!今日も元気そうで嬉しいです」

そら「そらちんはえぶりでい元気まっくす!だよ!」

ほたる「そらさんを見ていると私まで元気になります♪」

そら「ぐっどぐっど♪そらちんすまいるでほたるちんもすまいるすまいる!」

ほたる「ふふっ」

そら「あれ?ほたるちん!右肘に『と』ができてる!」

ほたる「『と』?『つ』じゃなくてですか?」

そら「のーのー!『と』ができてる!お触りのんのん♪」

ほたる「さ…触らない方がいいんですね…」

そら「痒いかもだけど!のーぷろぶれむ!もうすぐきゅあーだよ!」

ほたる「もうじき治りはするんですね…」

そら「えぐざぐとりー♪それじゃそらちんはレッスンだから!ばい♪」


―レッスン場―

ほたる(…私の右肘にいったい何が起こってるのかな…?)

岡崎泰葉「こんにちは。ほたるちゃん」

ほたる「あっ泰葉ちゃん…」

泰葉「浮かない顔だね…何か不幸なことがあった?」

ほたる「いえ…不幸ではなくって…」

泰葉「私で良ければ相談にのるよ?」

ほたる「ありがとう…ちょっと、びっくりさせるかもしれないけど…」

泰葉「そんなに改まるような事があったの?」

ほたる「正直ちょっと怖いです…私の右肘に何かできてるのかな?」

泰葉「えっ?ほたるちゃん、最近擦りむいた?」

ほたる「はい、2日ほど前…たいしたことじゃないと思ったんだけど…」


泰葉「『つ』…じゃなかった、かさぶたができてるだけだよ。」

ほたる「『つ』って…かさぶたなんて普通のものじゃない『ナニカ』ができてるんですね…」

泰葉「えっと、そういうわけじゃ…」

ほたる「きっと私はこのまま全身が『つ』とか『と』とかに包まれてしまうんです!」(ダダッ)

泰葉「ほたるちゃん!?」

泰葉「行っちゃった…追いかけないと…」


―リフレッシュルーム―

ほたる(どうしましょう…軽く擦りむいただけだと思ったのに…)

関裕美「ほたるちゃん…ほたるちゃん!?」

ほたる「あっ裕美ちゃん…」

裕美「どうしたの?膝なんか抱えて座り込むなんて、わかりやすいくらいの落ち込みモードだよ?」

ほたる「裕美ちゃん…私の右肘、何ができてますか?」

裕美「何って…小さいかさぶた?」

ほたる「本当…?」

裕美「むしろ他に何ができるの?」

ほたる「何って…『つ』とか…『と』とか…」

裕美「『つ』?『と』?なにそれ?」


ほたる「わかりません…でも…何人にも言われて…」

裕美「私じゃわからない何かができてるのかな?ちょっと待ってね…はい、手鏡」

ほたる「はい…特に、何もできてない…」

裕美「かさぶた以外なにもない、いつもの可愛い肘だよね」

ほたる「肘が可愛いかどうかはわからないけど…」(照)

依田芳乃「おやー。ほたるさんー。裕美さんー。ごきげんようー」

裕美「芳乃さん!」

ほたる「芳乃さん…あの…聞きたいことがあって…」

芳乃「どうされましてー?」

裕美「ほたるちゃんの肘に、何かできてる?」


芳乃「ほほー。少し怪我をされたのですねー。ご安静になさるのがよろしいかとー」

ほたる「本当に…?」

芳乃「はいー。邪な気など入っておりませぬー」

ほたる「じゃあみんなが見たのは…」

芳乃「まもなくいらっしゃる方に聞くのがよろしいかとー」

ほたる「え…?」

芳乃「ではー、わたくしはーこれにてー」(スタスタ)

裕美「芳乃さん…行っちゃった…」

ほたる「誰が…くるのかな…」


―数分後―

大和亜季「おや?ほたる殿に裕美殿ではありませんか?」

斉藤洋子「こんにちは!レッスンの休憩中?」

裕美「亜季さん!洋子さん!こんにちは!」

ほたる「こ、こんにちは」

亜季「?どうかされたのでありますか?」

裕美「亜季さん、洋子さん、ほたるちゃんの右肘に何かできてる?」

洋子「右肘?あっ、小さい『つ』ができてるね!気にしないでももうすぐ治ると思うよ!」

亜季「おぉ、洋子殿のところでは”つ”と呼ぶのですね。私の故郷では『と』でした」


洋子「そう言えばこれ方言だよね。かさぶた、の方が通じるかな?」

亜季「そのようですな!小さなかさぶたでも無理やり剥がしては大事になります。あまり気にしないほうがよろしい!」

裕美「かさぶたが、『つ』とか、『と』とかって呼ばれるんだ」

洋子「そうだよ。九州以外だと珍しいみたいだね」

亜季「『と』と呼ぶのは福岡北部の一部だけのようですな」

裕美「ほたるちゃん。今日会った人は?」

ほたる「えっと、千鶴ちゃん、珠美さん、そらさん、泰葉ちゃん…あっ」

亜季「見事に福岡、佐賀、長崎出身者ですな」

洋子「聞き慣れない何かができてるって不安になっちゃった?」

ほたる「はい…泰葉ちゃんはかさぶたって言い直してたのに…」

裕美「そうだったんだ…良かったね、ほたるちゃん」

ほたる「はい…」


亜季「なにはともあれ一件落着ですな」

洋子「でも、触ったらひどくなるからそのままにしておくんだよ?」

ほたる「…はい!」

千鶴「…ちゃーん。ほたるちゃーん。」

裕美「あ、諸悪の眉毛が来たよ」

千鶴「あっ居た」

泰葉「ほたるちゃん!ここにいたんだ!」

ほたる「話をややこしくしたヘルメットも来ました」

泰葉「聞き捨てならない」


千鶴「ほたるちゃんが『つ』を触ってしまわないようにリバテープ持ってきたよ」

裕美「ここぞとばかりの地域特有名称アピールだね」

ほたる「ひょっとして、わざとだった?」

裕美「この眉毛にそんな意地悪ができるわけないから」

千鶴「心配でやって来たのにディスられてる」

裕美「そんなことないよ」

泰葉「ヘルメットについて弁解を聞こうか」

ほたる「かさぶたに被さった心配事に比べれば大したことじゃないよ」

裕美「被ってるだけあってね」

泰葉「その喧嘩買った」


千鶴「な、何でそんなにつっけんどんなの!?」

裕美「元はと言えば眉毛が悪い」

ほたる「眉毛より小さいかさぶたに呪われるところだったよ」

千鶴「あたりが激しい」

泰葉「今こそヨーコ流スチーム=テの奥義を…」

洋子「泰葉ちゃ~ん、ハグしてあげるから落ち着いて~♪」

亜季「元気があってよろしい!」

おしまい。地域特有の方言は他地方の人にすれば時に得体のしれないものですね。

翠「このやかん、ちんちんです」

颯「はーのちんちん?たくさんいたよ!」

千枝「おちんちんかかずに、たたせとけばいいんですか?」

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