叶翔「学園都市?」 【史上最強の弟子ケンイチ】 (10)

都内某所
叶翔「うーん。」

叶翔「先生が携帯で難しい話をし始めて5分。まだ、話し終わらないなー。」

叶翔「暇つぶしにその辺を探索に……ん?」

叶翔「ははっ、蟻が一生懸命地べたを這ってら。」

叶翔「……虫は可哀そうだ。生まれた時から地べたを這うことしかできない。」

叶翔「自由に空も飛べず、強者の餌になる運命。それならいっそ……」

本郷「翔!」

叶翔「はい、先生!」

本郷「行き先が決まった。遊んでいないで行くぞ。」

叶翔「はい、先生!」チラッ

叶翔「……」

叶翔「いっそ踏みつぶしてやるのが優しさだよね!」プチッ

叶翔「俺って優しいー!」

本郷「……」

叶翔「ところで先生。行き先はどこなんですか?」

本郷「学園都市だ」

叶翔「学園都市?」


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本郷「学園都市は最先端科学技術を集めた独立した研究都市。」

本郷「そこでは学生に授業の一環として超能力教育が施されているそうだ。」

叶翔「超能力……って、念力とか発火するとかってやつですか?」

本郷「そうだ」

叶翔「その学園都市が一体『闇』になんの用が?」

本郷「闇は広い。学園都市にも存在する。」

本郷「今、行っている研究が滞っているらしい。」

叶翔「そこで俺たちの手を借りたいと。」

本郷「そうだ……俺たち武術家の、な。」

学園都市外部

叶翔「ここが学園都市。」

叶翔(着いたはいいけど、セキュリティが厳重だな)

叶翔(どうやって中に)

本郷「もうすぐ学園都市内部の人間がセキュリティを解除する」

本郷「……が、あまり時間はない。解除されたら一気に突破するぞ。」

叶翔「はーい、先生」

叶翔(侵入も一筋縄には行かない、さすが最先端技術の独立機関ってとこか)

ピー、ピー

本郷「……合図だ、行くぞ」

叶翔「はい、先生」

学園都市内部
某研究施設

職員「お待ちしていました、本郷様」

本郷「……」

職員「時間を過ぎてもお見えにならなかったので迎えをやろうかと思っていたのですよ」

本郷「……」

職員「ところで……そちらの方は?」

叶翔「すげー!学園都市!ロボットいっぱいだ!美味しいそうなものも多いし!」

叶翔「さっき買ったこのジュースも面白い!ははっ、なんだよカツサンドドリンクって」

本郷「……翔」

叶翔「ほら、研究所の先生も、どーぞ」

職員「い、いや、私は……」

本郷「翔」

叶翔「はい、先生」ピシッ

本郷「弟子の叶翔だ」

叶翔「叶翔です、よろしく♡」

職員「よ、よろしく」

職員(人越拳神・本郷昌の弟子、ということはこいつが一なる継承者)

叶翔「んー?」にこー

職員(とてもそのようには見えないが……まぁいい)

職員「それではさっそく現状をご説明いたします」

本郷「ああ」

職員「以上が、我々の研究内容です」

本郷「……」

叶翔「絶対能力進化計画、って……かなりいかれてやがる」

本郷「それで……俺たちになにをしろと?」

職員「先ほど説明したように『妹達』はオリジナルの劣化版です」

職員「『樹形図の設計者』の演算では妹達を2万回〇〇することで」

職員「レベル5の第一位『一方通行』はレベル6に到達すると算出されている」

職員「しかし、しかし……」

職員「妹達が弱すぎるのです!」

職員「現時点で一方通行の戦力は妹達を遥かに上回る」

職員「2万回なんてあっという間に終わる」

職員「いくら樹形図の設計者の予測演算も、ミサカネットワークで情報を共有しても」

職員「2万回〇〇した時点でレベル6の誕生など信じられない!!」

本郷・叶翔「……」

職員「1%でもいい」

職員「たった1%でも成功率を上げたい」

職員「本郷様、これは私の独断による依頼です」

本郷「……」

職員「妹達・製造番号00001号をあなたの弟子にしてもらいたい」

本郷「……」

職員「……」

本郷「俺に弟子を取れ、だと……?」

本郷「ふ ざ け る な」ぎろっ

職員「ひぃっ!」

研究施設内
別室

職員A「な、なんだ」びくっ

職員B「きゅ、急に震えがっ」ぶるぶる

職員C「うっ」バタン

職員D「お、おいっ、大丈夫か?!」

職員E「な、なんなんだ、一体、なにが起きたんだ……」

職員「お、おろひ、おろひ、てぐ、ぐるじい」

本郷「貴様、一影九拳をなめるなよ?」ぐぐっ

本郷「貴様らのくだらん研究のために弟子を取れだと……」

本郷「しかも、わざわざ〇されるための人間を」ぐぐっ

職員(こ、この男っ、片手で私を持ち上げてっ、ば、化け物っ、こ、〇されるっ)

叶翔「……先生、もうそのくらいにしないと〇んじゃいますよー」

本郷「……ふんっ」どさっ

職員「ごほっ、ごほっ、げぇー、がはっ、がはっ、はっー、はー」

職員「し、〇ぬかと、お、おもった、ごほっ、ごほっ」

本郷「翔、帰るぞ」

叶翔「はーい、先生」

職員「ま、待ってくれ!」

職員「じ、実験のためといったが、これは妹達を助けることにもなる!」

本郷「……」ぴくっ

職員「実際に、ごほっ、会って確信した、やはり武術家は化け物だ」
本郷「……」

職員「そんな化け物が妹達を弟子に取ればどうなると思う?」

職員「能力者の武術家が誕生するんだ!」

職員「もし、一定の成果があれば妹達の実験に必要な個体数が減少し」

職員「実験に参加せず、助かる個体が増えるかもしれない!」

職員「いや、もしかしたら妹達の新たな活用方法が見つかるかもしれない!」

職員「そ、そうすれば――」

叶翔「あんた、うるさい」ぐいっ

職員(い、いつのまに後ろにっ)

叶翔「先生が帰るって言ってんだ、邪魔すんな」

叶翔「人越拳・ねじり貫手」ひゅっ

職員「ひっ」

本郷「待て、翔」

叶翔「……」ぴたっ

叶翔「はい、先生!」にこり

職員「ひ、た、たすかった」へたっ

本郷「……」

本郷「妹達に会わせろ。話はそれからだ。」

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