安価・コンマのオリジナルスレです。
>>1は安価スレ初心者です。
主人公は社会から排斥される側の存在なので暗い話となります。
ゾロ目ボーナスがあります。
主人公が死んだ場合生存権を消費して都合のいい所まで続行するか、別主人公を1から作るか選べます。
良さそうな終わり方をした場合>>1の判断で話を終わる可能性があります。地の文多めの亀更新予定です。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1624336071
1950年、第二次世界大戦終了後しばらくして。
日本国民の中に、僅かながらテレキネシスを使える者が現れるようになった。
そして数年後、2030年の日本で貴方は生きていた。
目覚めてしまった己の力という絶望と共に―――。
主人公の性別を決めます
1少年
2少女
下1
後一つだけ安価で決めてそこから開始となります
1 一般人
2 反政府勢力に所属
下1
1時間が経過したので初代主人公は最初の世界観が掴みやすい1でいきます
零 落ちたもの、余り物、無に等しいもの 静かに降る雨
「夢見が悪い方、物を浮かび上がらせる悪夢を見てしまう方はご気軽にご相談下さい」
下校途中。
俺は電化製品で流れているテレビからのコマーシャルを聞き流しつつ友達と共に自宅に歩みを進めていた。
慌ただしかった高校受験が終わってほっとし学校生活に慣れた。
親しい学友もできた。俺の生活は充実していると言えるだろう。
「物を浮かび上がらせる悪夢ねえ、俺は昨日見ちまったんだよな」
「大丈夫だろ、1日2日ぐらいはよくあるって聞いたし」
友達が少し顔色を青ざめていたので俺は励ましてやる。
テレビ以外で見たことがないためあまり俺自身が『ゼロ』を信じていないということもあった。
「『ゼロ』なんて本当に居るのかどうか分かんねえよ、俺見たことないし」
「それもそっか!」
にかっと笑ってあっさり立ち直ったあたり友達はお気楽というか、単純な面がある。
とはいえ人柄はよさそうなため、俺はこの友達に好感を持っている。
「ゼロ……ねえ」
先程は友達にああ言ったが、ゼロが存在しているという事実は今までの歴史上間違いはない。
ピンとこないのは俺にとって現実味がないからだろう。
物を浮かせる超能力者……。
人の形をした化け物が存在しているという実感を、この時の俺は持っていなかった。
11以上 普通の夢を見る
10以下 物を浮かせる夢を見る(主人公がゼロに目覚める)
下1
「アンケートに昨日見た夢を記入できたか?授業を始めるぞ」
先生が軽く手を叩いた。
学校から渡されるプリントに俺は夢の内容を書いていく。
友達と違って、俺は物を浮かせる夢を見なかった。
噂では3日目ぐらいで怪しいと思われるらしいが、どうなのだろうか。
後ろから生徒がプリントを渡してくるので、俺も前にプリントを回す。
アンケートは回収されていった。
(1時限目は歴史だったな)
「前回の授業の復習だ。1972年の事件の詳細を……お前は覚えているか?」
あてられてしまったので、しょうがなく答える。
「ゼロの超能力により、大木が突如として線路に投げ込まれました」
「その結果進行中の電車が横転し、四十名の死者が出ました。犯人のゼロはその場で射殺されました」
高校の受験問題にも出た有名な事件だ。テレキネシスを持つゼロが社会の敵と見なされた切っ掛けになった事件でもある。
「ありがとう、そこまでだ」
ゼロの危険性を知らしめるため、子供でもこの事件の詳細はある程度周知されている。
一般常識のため間違える訳にはいかない。俺はほっと息を吐き安心した。
先生が俺の言葉を補足するように授業を続けていく。
「当時はゼロに対する警戒が薄かったために起こった惨劇だな」
「お前たちも知っていると思うがゼロは人間ではない。人の形をした怪物に過ぎないんだ」
最近はなくなったが、テレビでゼロがアイマスクをつけられ拘束され処刑されるという番組が少し前までは流れていた。
ゼロは社会から排除されるべきであり、弾圧されるべき存在なんだと俺も理解していた。
「起立、礼」
学校のチャイムと共に授業が終了し休み時間になったので、俺と友達は軽く雑談を始めた。
「俺、歴史の授業は嫌いなんだよな……暗い話多いし」
「一番ゼロについて語られるのが歴史だしな」
「だよな……言われなくても分かってるっつーの、敵だの悪だの気持ちのいい話じゃないわな」
友達のぼやきに俺も肩をすくめる。
人類史は戦争など暗い話の繰り返しである故にある程度は仕方ないが
ゼロに対する恐怖は俺には過剰に思えた。
「隣の人間が実は超能力者かもしれないなんてなったら誰でも怖いだろうし仕方ねえよ」
「そういえば、俺の物を浮かす夢の話なんだけどよ……」
31以上 友達はゼロに目覚めなかった
30以下 友達がゼロに目覚めた
下1
「その夢見なくなった!やっぱり俺の勘違いだったみたいだわ!」
「だから言っただろ、気のせいだって……そもそも10万に1人って噂だし」
「他人事だと思いやがって……このこの!」
友達が頬っぺたをつついてくる、かなりうっとおしい。
俺は友達と違って小さいころから物を浮かせる超能力の夢は一度も見たことがない。
「まあ他人事だからな」
「真面目か!もっとノリよくしていこうぜ……モテねえぞ」
「それは嫌だな」
「だろ?」
俺もクラスに気になる女の子が居る。
友達程じゃないがある程度はノリをみにつけないと女子受けはしづらいのかもしれない。
少しはこのお調子者の友達を見習ってもいいのかもしれないと思いつつも1日の学業を終え、俺は帰路についた。
21以上 普通の夢を見る
20以下 物を浮かせる夢を見る
主人公の判定は7回で終了します、目覚めなかった場合世界観だけ見て終わります
下1
「今日は友達と遊ばないの兄貴?」
「土曜にかなり遊んだし、今日はあいつ用事あるみたいだから」
「ふーん」
友達や妹との仲はかなりいいが、居心地のいい距離感は保っていられている。
俺と違って妹は化粧をして出かける気満々のようだった。
この気合の入れっぷりはもしや。
「お前はもしかして恋人とデートか?」
「まあそんなトコ。兄貴も出かけないと太るよ?」
「俺はお前と違ってそんなに体重気にしてねえよ」
「そんなこと言うんだ、せっかく幼馴染と兄貴の関係取り持ってあげようと思ってたのに」
「なんだそれ、詳しく聞かせろ!」
自然と声が大きくなる。こいつがこんなに気が利くとは思わなかった。
「だって幼馴染とクラスメイトなのに兄貴は友達と話してばっかりじゃん」
「高校になったし、中学みたいには話しかけれねえよ」
「体験談だけど、そのままだとチャラ男とかに取られるよ」
「私が付き合ったのもイケメンに告白されてなびいたからだし」
何も言い返せない。こいつも幼馴染も美人だし、妹の忠告は受け入れるべきかもしれない。
「兄貴も素材はいいし、メンズサロンで髪整えてもらったら?」
「行ってくる!」
「……友達がアレって言ってるけど兄貴も大概単純じゃん」
妹を受け流しつつ、俺は意気揚々と床屋に向かった。
帰宅後、デートから帰った妹が俺の髪型や容姿をチェックしてくれた。
「いい感じじゃない、そこそこ見れるようにはなったよ」
「お前が言うんだからある程度は大丈夫なんだろうな」
「そこの基準を私に任せるあたりやっぱりイケてなかったわ」
生意気な奴だが恋人とデートして帰ってきたこいつと今の俺ではスペックが違いすぎる。
ここで憎まれ口を叩いたところで負け犬の遠吠えにしかならない。
「で、幼馴染の件はどうなったんだよ?」
「SNSで確認したら、明日学校が終わったらどこかで会ってもいいって言ってた」
「二人きりで会ってもいいなんて脈アリだね」
「おおお!」
「獣みたいな声上げないでようっさい。短い時間だけらしいから、ちゃんとデートの約束とりつけなよ?」
休日の俺は興奮して、中々眠れなかった。
31以上 普通の夢を見る
30以下 物を浮かせる夢を見る
俺が見た夢は、いつもと違うものだった。
夢の中で鉛筆に手をかざして力をこめ続けると、だんだん浮いてくる。
そこに爽快感も万能感もなく、ただただ気味の悪さしかない。
この世界でだれがこんな悪夢なんて見たいと思うだろうか。
ゼロになりたいなんて誰が思うだろうか。
俺は普通に勉強して、普通に卒業して、普通に就職したかった。超能力なんていらなかった。
幼馴染と結婚はできないかもしれないけど、人並みに普通の人生を歩みたかっただけだ。
それなのに、不条理というものはいつも突然やってくる。
俺が大汗をかいて飛び起きると、近くにある鉛筆に手をかざしてみる。
鉛筆がぴくりと動いたような気がした。
「嘘だろ……やめてくれ……!」
鉛筆が、宙に浮く。
俺が絶望に落ちる窯は、静かに開かれた―――。
プロローグ終了
ここからはゼロになった主人公の行動が選択安価で決まります。選択やコンマによって展開が変化していきます
ヒントを右に表示しますか?
1する
2しない
下1
ゼロ1日目 精神状態 悪
鉛筆を持ち上げてしまった俺は、頭を真っ白にさせながらも必死に考えようとする。
明確に社会の敵となってしまった以上、できる行動は限られている。
このまま学校に通い続けてもいずれバレる、そしてバレたら銃でうたれて殺される。
「……落ち着け!こういう時こそ冷静に行動しないとダメだ」
真っ先に思いついたのは自殺だった。
俺がゼロだと分かれば両親や妹がどうなるか分からない。
少なくともロクな目に合わないことは想像できた。
「学校に通わなければ怪しまれるかもしれない、何食わぬ顔をすれば」
「でも幼馴染まで巻き込むことになってしまうかもしれない、本当にバレないのか?」
「家に居る場合どうすればいい……?インターネットで情報を集めるか?」
「都市伝説ではゼロを集めた反政府組織があるって噂だが」
「それともテレキネシスを鍛えたほうがいいのか?」
独り言を絞りだして頭を無理やり回す。それが今の俺にできることだった。
とにかく朝方の今のうちに行動を決めなければならない。
1 自殺する(次の主人公へ)
2 学校へ行く(リスク小、見返り小)
3 学校を休んで念動力を鍛える(リスク小、見返り小)
4 休んでインターネットで反政府組織ゼロウスについて調べる(リスク中、見返り中)
5 外を出歩いてリフレッシュする(精神状態良へ回復しコンマ緩和。学校を休みすぎると先生が様子を見に来る)
リスク中はコンマ21以上、リスク小はコンマ11以上が必要となります
下1
「兄貴、顔色悪いけど大丈夫?」
妹が心配してくれるが、今の俺はあいにく構っている余裕がない。
このまま家に居ても自殺など悪いことを考え気分が沈んでいくだけだ。
それならばまだ外を出歩いて気を紛らわせたほうがましだろう。
「大丈夫じゃないから今日は学校サボって外出するわ、幼馴染にもそう伝えてくれ」
「兄貴が不良になっちゃった……!まあそういう時もあるよねーいってら」
幼馴染との約束をセッティングして貰った妹に文句を言われると思ったがすんなり受け入れてくれた。
余程俺の顔色が悪かったのだろう。
この状態のまま学校に行ったらバレていたかもしれない、助かったと言っていいかもしれない。
俺は無心で町中を、山の中を1日中歩いた。
なにも解決していないが、少しだけ気分が楽になり自殺しようという考えはなくなった。
「……こうなったらとことん生き抜いてやる」
(ゼロ1日目終了)
精神状態がよくなると主人公の考える判断がよくなります
ゼロ2日目 精神状態 良
生きていくと決めたからには計画をしっかり練らないといけない。
「生きていくためにはどうしても味方がいる、ならいずれゼロウスに接触し所属する必要はある」
「同じ境遇の人が集まっているはず、ゼロウスなら俺の家族をどうにかする方法も知ってるんじゃないか?」
「変わりにテロリストになるかもしれないが、このまま一人で抱え込んでいてもいずれバレて殺される気がする」
「リスクはあるけど、学校へ行ったり念動力を鍛えるよりも優先すべきことかもしれない」
1、遠くの町のインターネットカフェでゼロウスについて調べる(リスク小、見返り中)
2、学校へいく(見返り小)
3、念動力を鍛える(見返り小)
学校は5日累計で休むと探られます
下1
俺は行動を開始することにした。
ある程度のリスクを負わなければ反政府組織と接触することはできない。
今まで俺はゼロについて興味が薄かったが、ゼロについての知識も得る必要がある。
自分や家族の命がかかっているため泣き言は言っていられない。
「近場のネットや俺の個人端末で探ると足がつきやすいだろうな」
俺は一旦電車で県外に出た後、全く今まで使用してこなかったインターネットカフェのパソコンを使い情報を集めることとした。
今の自分の立場からしてみると、これぐらい慎重に行動しなければ危険だと感じていた。
「いらっしゃいませ」
「1時間でお願いします」
カフェでは綺麗な女店員さんが出迎えてくれたが、俺はぶっきらぼうに返事をした。
一分一秒も無駄にできない。隠語でゼロについて書かれている掲示板でもなんでもいい。
俺はゼロについて、最終的にはゼロウスという反政府組織の情報が知りたかった。
カフェのパソコンを立ち上げ、俺はゼロについて様々なことを調べ始める。その結果は……。
コンマ判定 10以下 大した情報も得られず、俺の行動が店員に不信がられた
11以上70以下ゼロとゼロウスについての情報を大量に取得した(ゼロウス所属フラグ中)
71以上実は凄腕ハッカーだった俺はゼロウスを特定し接触する約束まで取り付けた(数日後ゼロウスに所属できる)
ゾロ 実は女店員さんがゼロウス幹部だった
下1
「裏サイト掲示板セロ。セロはドイツ語でゼロって意味か」
かなり露骨なようだが、このくらい分かりやすい方が見つけやすくていいのだろう。
俺がアクセスしてみると、そこではゼロ同士と思われる話し合いが行われているようだった。
政府によるダミー掲示板かもしれないが、ある程度は信用していいかもしれない。
元々こちらは藁にもすがる思いでここを訪れた。
しばらく書きこまずに掲示板を辿って行った結果、様々なことが分かった。
(ゼロのテレキネシスは少年少女……中学3年から高校3年生にのみ発現する)
(一度発現したテレキネシスは、訓練で強くなる。本人の意思で消し去ることができないので大人のゼロはいる)
「つまり、大人のゼロのテレキネシスは強力な訳か」
(政府のゼロに対する嗅覚はかなり鋭いため潜伏を続けるのは難しい)
(警戒が少年少女にのみ向けられているため、高校生の行動に異変があった場合専門の訓練を受けた教師が探ってくる)
(皆モノを持ち上げる夢を見た後にゼロになるが、ゼロは成った瞬間に自分がゼロだと分かるため実は夢を見た回数は関係ない)
「少年少女にしかならない、ゼロは自分がゼロだと分かるんなら教師の発表は嘘か」
「テレビで処刑されているのは大体が大人だったけど、あれも俺達子供を油断させるためのもの」
「こうなるとおとといまで元気だった俺が学校を休み続けているのはまずいかもしれないな」
「反政府組織ゼロウスに関しては詳しく語られてないけど何回かスレ住人がよく分からないことを言っているな」
「某組織に所属した場合死体が発見されることになるとあるが……」
1掲示板に新入りだと書き込んでみる(さらにリスク中、ゼロウス所属チャンス中)
2掲示板に無言で書き込んでみる(さらにリスク小、ゼロウス所属チャンス小)
3深追いは危険だと帰る(二日目終了)
チャンス小は51以上、チャンス中は31以上で数日後ゼロウスの団員が接触してきます
判定は選ばれてから行います
下1
「この死体の意味が俺が殺されるという意味か、こちらが死ぬことによって家族が安全になるという意味なのか判断がつかない……」
「普通は後者の意味で捉えるべきだけど、この掲示板自体が政府の罠の可能性は十分にある」
俺が死んだら終わりなことに違いはないため、慎重に行動する必要があると俺は判断した。
とはいえ手がかりが少なすぎるため掲示板の情報はある程度は信用していかなければならないだろう。
「少し慎重になりすぎたかもしれないが、帰ろう」
「あんまり俺に残された時間はないことは分かったな、教師が本格的に探ってきたらアウトと考えた方がいい」
恐らく教師はプロだ、誤魔化しは通用するとは考えないほうがいい。
明日からはより1回1回の行動が重要となるだろう。
俺は覚悟を決めて帰路についた(二日目終了)
ゼロ3日目 精神状態普通
「俺がゼロウスに所属することによって社会から抹殺されるのは構わないが、両親と妹だけは助かってほしい……」
「今日の行動は大事だ、どうするか決めよう」
「学校にいくのはむしろ後手に回る気がするが、ゼロウスについて探ってもあたりが引ける保証はない……大胆に行動するべきか、慎重に行動するべきか」
「こうなると念動力を鍛える余裕はないかもしれない」
1学校に行く(リスク中、メリット小)
2昨日と似たような方法で慎重にゼロウスについて探る(リスク小、メリット小から中)
3掲示板にあった暗号を解読してみる(なにもできずに1日が終わる可能性があるがリスクなしでコンマ51以上でゼロウス所属確定)
4念動力を鍛える (リスク極小メリット極小)
下1
「確かあの掲示板では、一定の間隔が置かれて書き込みが行われていた」
「不必要な場面で空白が空いていたり、IDが切り取られていたり……」
「これって暗号になっていてゼロのどこかの集合場所を示してるんじゃないか?」
コンマ30以下俺には解読は無理そうだ
31以上 解読は今日中にできなかったが、明日までにはできるかもしれない(次回挑戦可能コンマ緩和)
51以上解読できた(2日後にゼロの仲間と合流)
下1
「学校を3日も続けて休むなんて、どういうことなの!」
「悪かったよ母さん」
「何かあったのなら相談してみろ」
母さんと父さんから大目玉を食らってしまったが仕方ない。
今まで真面目に学校に通ってきたんだ、いきなり3日続けて休んだらこうなるのは当然だ。
むしろこれは愛されている証拠だ。
「相談はできない、ごめん父さん」
「そんな息子に育てた覚えはない!いいかげんにしろ!じゃあ明日から学校にしっかり通え!」
「……」
心が痛いが誰にも相談できない。むしろゼロになったと明かせば両親も喜んで俺を政府に売り渡すだろう。俺だって自分がならずに妹や幼馴染がゼロになったら同じことをした。
ゼロは邪悪な存在であり、人の形をした化け物。今までずっとそれが当たり前でそう教わってきたからだ。
それでもなってみると、普段と何も変わらないというのに……。
(ゼロウスの手がかりも掴めなかった、どうしてこんなことになってしまったんだ……)
俺は自室で声を押し殺して泣いた(3日目終了)
ゼロ4日目 精神状態悪
「……」
1 学校に行く(60以下でバレる、メリット小)
2 一昨日と同じ方法でゼロについて探る(30以下でバレる、メリット小から中)
3カラオケで気分転換する(精神状態良に)
教師が自宅に探りにきた場合コンマ70以下でバレてその場で撃ち殺されます
余裕はありません
下1
今日は終わります
世界が変わった訳ではない。
俺が社会から排除される側になった、それだけのこと。
この国の犯罪発生率は先進国の中でもかなり低い。
皆が少数のゼロを敵視し、共通の敵を作ることによって治安が保たれている。
「理不尽だよな、でも抗うしかねえんだ」
俺は電車を乗り継ぎ、フラフラと県外のインターネットカフェに向かった。
駅員はそんな俺の様子をじっと見ていた。
31以上寝起きだからと思われただけ
30以下不審がられ然るべき場所に連絡された(主人公死亡。次の主人公へ)
下1
なんとか無事に県外のインターネットカフェに着くことができていた。
今思えば行動が不審だったかもしれない、危機的状況だからこそ外面だけでも普通に見せかけなければならない。
「そろそろ教師が探りにくるだろうから、それまでに手立てを考えるしかない」
俺は決意を決めて個室のパソコンを立ち上げた。
今日中にゼロウスへ辿り着く手がかりが必要になる。
セロ掲示板のどこかにヒントがあるはずだと今の俺は願うしかなかった。
「頼んだぞ」
俺は神に祈るようにそう呟いていた。
コンマ20以下 手がかりを掴めなかった
21以上 機転を利かせた結果シエント掲示板に辿り着いた(翌日コンマ11以上でゼロウス所属確定)
71以上コンマ判定なしでゼロウス所属確定
下1
「そもそもゼロとセロじゃ分かりやすすぎるんだ、この掲示板自体が大きなヒント」
「なら他の数字から辿り着けばいい、0がスペイン語でセロなら100や1000をスペイン語に直してみれば!」
1000のミルでは当たらなかったが、100のシエントで根気よく探してみると。
「個人ブログシエント、なにも書き込まれていない」
「ここの管理人にメールを送ってみよう」
タスケテ シヌ
「どうなる……!」
固唾を飲んで画面を見守る。一秒、二秒……そして。
結果は出た。
アス ゴゼン クジ トウキョウ 〇〇ソウコ
管理人からのメールが俺に届く。
「糸が繋がった……!」
俺は返信をせずに、大きく安堵の息を吐いた。
「金はかかるけど、今日はこのカフェにそのまま泊まろう」
「昨日両親と喧嘩したんだし、このまま家出したことにすればいい」
「恐らく罠じゃない、というよりもこれが罠ならどうしようもない」
俺は明日への希望を抱いて眠った。(4日目終了)
セロ5日目 精神状態 普通
「集合場所の倉庫に行こう……!」
11以上倉庫でゼロの仲間と合流し無事ゼロウスに
10以下カフェの店員から不審がられて通報された(俺死亡、次の主人公へ)
下1
指定時間から15分前の8時45分。俺が指定された倉庫付近は人気がなく寂れていた。
外はまだ肌寒い。罠なのか、それともと思いながら俺は待ち続けた。
暫くした後に、目的の人物はやってきた。
黒のジャケットを着た目つきが鋭い少年だ。高校2、3年ぐらいの年齢だろう。
少年は俺をじろりと頭から爪先まで見るとゆっくりと口を開く。
「お前以外に人気はないか。つけられてはねえようだな」
「必死で逃げのびてきたんだ、俺と家族の身の安全は保障できるのか?」
「もう少し声を抑えろ……その前に確認だ」
少年が軽く地面に手をかざすと、砂利が少し持ち上がる。
この事件で罠の可能性はほぼ消えた。
「この程度ならお前もできるよな?」
「まともに動かしてないから、時間がかかるかもしれないが」
「かまわない、時間をかけてもいいからそこから動かず地面に手を伸ばせ」
俺は手を砂利にかざすと、砂利がわずかに数センチ分だけ浮き上がった。
それを確認した途端に少年はやっと雰囲気を和らげてくれた。
「全くテレキネシスを使っていなかったのか」
「力が強くなったところで、俺の問題が解決すると思わなかった」
「利口だな、それなりに頭は回るらしい」
「合格だ、俺はロホと呼ばれてる。ついてこい」
「俺の名前は……」
「今は言わないほうがいいだろう、どうせ捨てることになるだろうしな」
どうやら徹底しているらしい。俺はむしろ安堵した。
俺はロホの後ろをついていき、僅かな希望へと歩みを進めた―――。
ゼロウスと接触しました
俺とロホは徒歩だった。寂れた倉庫が立ち並ぶエリアを抜け、人がまばらに見え始めると
ロホが唐突に意味の分からない話を振ってくる。
「今日の部活楽しかったよな、スパルタだったけど」
なるほど、過敏に周囲を警戒するよりかは自然に話せということらしい。
こちらも適当に合わせて話をすることにした。
「正直俺も部活のしごきはきついしやめてえと思ってるな」
「明日も地獄みたいじゃん?サボってもよくね?」
ロホの目つきは鋭いが、サボっても良くねという言葉を発している時のロホは年相応の少年に見える。
「佐藤と一緒にサボるのなら安心だな」
意味のない会話を繰り広げながら、俺達は再び人気のない場所に入り
最終的に目立つところがない小さな建物前についた。
周りに住居は立っていないが、少し歩くと人気がある場所に出るような絶妙な位置だ。
「アジトについたぞ、部活の話題に対して聞き返してくるバカじゃなくて助かった」
「一瞬焦ったけどな」
「入るぞ、ボスのお出迎えだ」
「ボス、新入りを連れてきたぞ」
「お帰りなさいロホ、はじめまして新入りさん」
扉をいくつか開けるとにこやかな表情をした、長髪の金髪の女性が出迎えてくれた。
年は20代後半から30といった所だろうか。
ロホとは対照的にそこそこ赤い服を着た、少し露出多めの派手目の恰好をしている。
「私が東京区のゼロのリーダーをしているディエスね、ボスでもディエスでも好きに呼んで頂戴な」
「ロホもそうだけど、基本スペイン語から取ってるんですね」
「まあね。リーダーは数字の名前、メンバーは色の名前……私の上にシエントもいるわよ」
「敬語を使う必要はねえがボスには敬意をはらえよ、かなり修羅場潜り抜けてるからな」
「分かった」
大人のゼロのためテレキネシスが覚醒してからそれなりに年数が経っているのは間違いなさそうだ。
「ちなみに他の東京メンバーの3人のことなんだが」
「面白そうだし黙っていましょう。ちなみに残りの3人とも女の子よ、良かったわね」
ゼロが数万人から数十万人に1人となると性別が固まるのは納得できるが、この濃さげな女性リーダーに加えてゼロの女の子が3人居るのならロホはさぞ肩身が狭かったことだろう。
「ロホ、大変だったんじゃないか?」
「お前を迎えに行かされているという雑用を任されている時点で察してくれ」
「……」
俺はなんとなくロホと仲良くなれる気がした。
「じゃあ新入りから詳しい話を聞こうじゃないの、まだゼロウスに入るって決めてる訳じゃなさそうだけど」
「分かった」
俺はこれまでのいきさつを話しはじめた。
「立ち回りとしては悪くねえな、慎重すぎるのも含めて丁度いい。普通ならダミーの掲示板に引っかかるからな」
「ここに辿り着くのも早かった。両親と喧嘩して家出した形になるなら死体を偽装する必要はないわね」
「整形をしてもらって、後は行方不明って形を取りましょう」
「これで家族が死ぬなら、相当についてねえと思うぜ」
どうやら俺の立ち回りの評価は上々のようだ。果たして家族は無事だろうか?
21以上無事だった
20以下両親も妹も拷問されて死んだ
下1
「仕方ねえしそれしか方法がなかったが懸念点があるとすれば2回外出しちまったことだな」
「2回目の外出はかなり挙動不審だったみてえだし、それにお前の親も家族もかなり人が良いようだ」
「政府やゼロ専門の警察『キルタイム』の嗅覚はかなり鋭いわ。私もロホも家族が死んでる。やれるだけのことはやるけど、私達にあまり期待はしないで頂戴」
「分かった」
確実な安全を保証せず、素直に言ってくれるだけ好感が持てた。
ゼロを産んだ、ゼロの家族というだけで政府に危害が加えられることは想像できた。
あの時自殺していれば、そう俺が思うのは少し後のことになる。
「ゼロウスに入るなら、私達の理念目的を話す必要があるわね」
「貴方はゼロウスの行動理念を知らない、このまま組織に入る訳にもいかないでしょう」
「けっこう鋭いみたいだし当てられるんじゃないかしら、当たったらすごいけれど」
「当ててみようか」
(ロホとディエスは家族を殺されてる。復讐か?それとも政府の掌握?それとも……?)
1、民衆の虐殺
2、日本政府への復讐
3、ゼロの人権を認めさせること
4、超能力を解明し、最終的にゼロという概念そのものを消し去る
下3までで主人公の返答が決まります、多数決クイズ安価
最初が4だったのでサービスします
「ゼロという概念を消滅させること……これなんじゃないか」
「ふうん、どうしてそう思ったのかしら」
「ディエスは意外な答えだと言っていた」
「つまり目的は単純なものじゃない。復讐でも政府の掌握でもないことは分かった」
(へえ、やるじゃない)
「それがどうしてゼロという概念を消滅すること、となるのかしら?」
「政権を乗っ取ったところで、ゼロの虐殺がテレビに流れているような現状で今更国民の意識を変えることはできないだろう。ゼロはもう国民全員の共通の敵になってしまっている」
「ならばどうにかするべきは国じゃない。俺達自身のほうだと思ったからだ」
「大正解!あんたやるじゃない。参謀にしてあげようかしら」
ディエスもロホも目を丸くしてかなり驚いている様子だ、当てられると思っていなかったのだろう。ロホは俺の言葉を補足するように言葉を続ける。
「俺達ゼロが国の意識を変えようとしたところで手遅れなのは明白だ」
「新入りみたいにゼロはそこら中から生まれてくる。そうなれば結局差別は起こるから根本的な解決にはなっていない」
「でも、そもそもゼロという概念が消滅すれば?世界は変わらざるをえないでしょうね」
自分たちが自分たちの特殊能力をなくすために動いているというのも妙な話だが、こちらが少数の排斥される側という意識は常に持つ必要がある。
「ゼロの存在が確認されてから80年近くが経っている。科学者たちの中にはある程度超能力を解明する者も現れ始めた」
「完全に解明され、国民がゼロにならなくなれば国も変わらざるをえない」
「私達ゼロウスはテロリストというよりは自分と同じ境遇の『人間』を、被害者を増やしたくない。そのために行動しているの」
「整形が終わって手続きが済んだらここに所属しなくてもいいの、でも頭が切れる貴方が仲間になってくれるのなら歓迎するわ」
「ゼロの仲間は多くない……私達の行動理念を知った上で、できれば協力してもらえないかしら」
多数決下3まで
1ゼロウスに入る
2断って第二の平穏な人生を送る(ENDへ、主人公交代)
「同じ境遇の『人間』を増やしたくない、か」
「俺はどこかで諦めていたのかもしれない。自分がゼロであり、社会の敵であるからだと」
「いや、実際諦めていたんだ」
ゼロウスに入る覚悟をしたのも家族を守るため、しょうがなくという意味合いが強かった。
だけどロホもディエスも俺も、怪物ではなくテレキネシスを使えるだけの人間だった。
夢の中で初めてモノを浮かせた時の言いようのない不快感を俺は忘れたことがない。
それが無くなるというのなら。誰も俺のような思いをしなくてすむのなら、とても素晴らしいことだろう。
「俺のような存在が今後生み出されなくなるというのなら、俺はゼロウスに入る!いや入らせて下さい!」
俺はロホとディエスに大きく頭を下げると、ディエスは手を差し伸べてくれた。
「貴方は顔も本当の名前も捨てることになるけれど……それでよければ歓迎するわ!」
俺はディエスの手を握り、こうして自ら進んで第一歩を踏み出した―――。
今日は終わります
「自力でよく俺たちの目的が分かったな」
「そうね。普通は復讐やゼロの人権の獲得を考えるものだと思ったのだけど」
「褒めて貰えるのは嬉しいが、そうでもないぞ」
関心するロホとディエスに俺は根拠を述べる。
ディエスが目的を当てられたら凄いと言ってきたのも大きなヒントになったが、他にも理由があった。
「ロホもボスも噂に聞くテロリストという雰囲気じゃなかった。復讐を考えているだけにしてはゼロウスは理知的すぎる」
「そして日本の総人口が一億と数千万人なのに対してゼロの数は千人少しだろ?そんな少数の人間達が政権を握ったところで良いものになる筈がない」
「なら俺たちの問題の方をどうにかするしかないからな、単なる消去法だ」
俺がそう締めくくるとディエスとロホは大きく頷いた。
「私達ゼロウスは、自分のテレキネシスを呪われた力のように思っているわ」
「モノを浮かせるだけでこれだけ迫害されるんだからたまったもんじゃねえ、お前もここに辿り着くまで苦労しただろ?」
「苦労したおかげで正解が分かったってのも皮肉な話だけどな」
思わず苦笑すると、二人は頬を緩める。
「私達のやり方は消極的なものでもあるからゼロウスに所属しないゼロも多いけれど、貴方の理解が得られて助かったわ」
「お前は信頼できる外科の元で整形手術を受け次第、他のメンバーと合流してもらうことになるだろう」
「赤の他人みたいな顔とまではいかないけれどだいぶ変わるわ、痛いけれど我慢はしてもらうわよ」
「覚悟はしてるぜ」
気はすすまないが仕方がないことでもある。俺は小さく頷いて答えた。
「2つ、大きな注意を忘れていたぜ」
ロホは2本の指を立てた。
「お前の警戒心が強いのはいいことだが、ある程度人がいる中では警戒をといて自然体で振舞え。さっき俺達がやったことだな」
「政府は鋭い。今は難しくても、意識してるかしてないかでバレるかはだいぶ違うことになってくる」
ロホの言う事は最もなので俺はこれにも軽く頷いた。
「もう一つは、テレキネシスは人がいない屋内でもあまり使うなってことだ」
「どういうことだ?」
「これが厄介なことでな、重要な設備がある場所は勿論、今は普通の民家に感知システムかなにかが備わっているらしい」
「テレキネシスを長時間使い、人の手が加わらずにモノが浮き上がり続けるとある時点で政府にばれ、『キルタイム』がやってくる」
「力を手に入れたばかりのゼロは、大体引っかかってすぐ死ぬのよね」
「地雷しかないな!」
「俺達がお前を評価した大きな理由の一つだ。普通手に入れた力なら試したくなる」
どこもかしこも罠だらけなことが分かる。テレキネシスを試さなくてよかったと思った。
「じゃあ俺が整形外科に連れて行くぜ」
「いってらっしゃいロホ、無事に帰ってきてね新入りさん」
扉が閉まると、ディエスは煙草に火をつけて小さく呟いた。
「ロホが気に入ったなんて頼もしい新人が入ってきてくれたわね。これで何か変わるかしら」
ゼロウスの目的が超能力の消滅、キルタイムと政府の目的がゼロの維持と管理。
アニメや漫画では普通逆だろうが、いざ力を手に入れてみるとこれである。
現実とはわからないものだ。
「後は戦力として鍛えることができるかが大事になってくるわね。やることは多いけど楽しそうだし頑張りましょう」
「こんなくそったれな世界だからこそ―――楽しいってことは大事よね」
ディエスは誰もいない室内で微笑を浮かべ続けていたのだった。
下1
11以上 整形手術は無事終わった
10以下 手術に失敗して大きな傷跡が顔に残った
手術が無事終わり、俺は鏡を前にして自分の顔を確認していた。
「あんまり変わってるようには見えないがこのままで大丈夫か?」
「今は不安かもしれねえが鼻や顎のライン、目の大きさが変わるだけで印象はガラリとちげえ。俺から見ている分には十分別人だな」
「そうか、少し安心できた」
「無事に終わってよかったぜ、怪我する可能性は『れい』じゃないからな」
「……」
ゼロという言葉が差別用語としても使われるようになったため、ゼロ戦はれいせんと呼ばれるようになった。ゼロは常にれいと口に出されるようになってだいぶ経つ。
俺はぽつりと呟いた。
「俺達が変われば、国も変わるよな」
「ああ、必ずな。ゼロがいなくなれば民衆の敵がなくなり、犯罪件数は増えるだろうがそこは俺達が考えることじゃねえ」
「そういう意味では、ゼロウスはテロリストではある訳か」
「まあな。女どもと合流するぞ」
「確か3人居るって言ってたが」
「他のメンバーは気の強い奴一人、無口な奴一人、没落したお嬢様が一人だ」
「……俺達マジで肩身狭そうだな」
「言いたいことはガンガン言っていけ、そうしねえと生き残れねえぞ」
ロホの忠告をしっかり受け入れつつ俺達は再びアジトに戻っていった。
早朝にアジトに着いた俺とロホは一人の少女と対面していた。
中学3年生から高校1年生の間という感じだろうか?ロホと似た、黒いシャツを基本とした地味な服装をした少女だ。
体の線は細く、黒い前髪は目にかかりそうな所まで伸ばされている。ロホが先に少女に声をかけてくれた。
「朝から早いなオーロ」
「……ブランカとロサが話あってるから、戻ってきたの」
「オーロって言うのか、初めまして」
「……!」
俺が挨拶をすると、オーロは俺を見つめたまま涙目で固まってしまった。
そのまま1秒、2秒と気まずい時間が流れる。
「あー、俺達は先にボスの所に向かうぞ」
見かねたロホが助け舟を出してくれたので、俺もボスのほうに向かうことにした。
「……またね」
「ああ」
別れ際にオーロの最後の言葉が耳に入ったので、力強く返すことはできた。
「ちょっと人見知りはするけど、オーロは悪い奴じゃねえから」
「それは最後の一言でなんとなく分かったよ」
「なによりだ、後はお前の新しい名前と訓練をどうするかだな。ボスも少しは要望を聞き入れてくれるはずだ」
ゼロウスの目的を考えると、肉体もテレキネシスも鍛えなければならない。
名前もしばらく付き合っていくものになるため大事だ。
「科学者の護衛任務が中心になるんだろ?」
「その認識で間違ってねえが戦いは起こっちまう。きつい仕事になることは覚悟しとけ」
「おはようボス」
俺とロホが部屋に入ると、ディエスはパソコンを操作して何かをやっているようだった。
本部からの連絡でも受け取っているのだろうか?
「ん、おはよう」
パソコンから顔を上げたディエスは相変わらず温和な表情で出迎えてくれた。
「おかえり二人とも、新入りくんの顔も別人になったことだし色々決めていきましょうか」
「早速だけど、呼びやすいように貴方のコードネームを決めましょう。スペイン語の色の名前になるけれど候補は考えてきたかしら?」
付き合う名前になる。慎重に決めなければならないが、どうしようか?
下3まで候補
頻繁に出てくる主人公の名前なので安価を取らざるを得ませんでした
15分まで待ち改めて多数決取ります
「緑のベルデか、白のブランコを候補として考えてきた」
「白はもう居るけど、伝えなかった私達が悪いし区別はできてるわね」
「ブランカに嚙みつかれそうだが、ボス風に言えば色かぶりも面白そうだな。あいつ怒らせたら怖いけど」
1、ベルデ
2、ブランコ
多数決下3まで
「ややこしいし、色かぶりはない方が無難だな」
「緑は新入りのイメージにも似合っているし、ベルデでいきましょう」
「俺もそれがいいと思っていた、これから俺のことはベルデと呼んでくれ」
「ブランカは問題児だからそうなるよな」
その時、会話をしている俺達を遮るように扉がバン!と強く音を立てて開いた。
上から下まで真っ白の服装のお嬢様然とした少女だ。高校2年ぐらいだろうか。ゼロにしては目立ちすぎていないだろうか……?
「賢明ですわね!白はわたくしだけのものです。新入りと被ったらブン殴っていましたわ」
「殴られかけるところだったのか……よろしく、ブランカ」
「よろしくして差し上げますわベルデさん。ボスが認めたのですから期待はしています」
瞳を細めたブランカの眼差しは、猛獣を思わせる鋭いものだった。
「お前とボスはゼロなのに普段着が派手すぎなんだよ……むしろバレてねえ理由がそれなんだろうが」
「あらロホさん。ちゃんと任務の時は着替えますから、問題はないでしょう?」
「もしかして俺を迎えにこさせたのもブランカの命令で……?」
「ブランカもオーロも初対面相手に問題があるからな、任務の時は切り替えてるんだが」
色々と苦労してそうなことが分かったのでやっぱりロホとは仲良くなれそうだ。
ガヤガヤ言い合っているブランカとロホを無視してパソコンをカタカタといわせていたディエスは、表情を険しくさせて深くため息をついた。
「ベルデ、貴方の妹さんとご両親のことなんだけど」
二人の喧騒がピタリと止まる。俺は沈黙の中、唾を飲み込んで続きの言葉を待った。
「残念ながらキルタイムに拷問されて、亡くなったという知らせが届いたわ」
その残酷な真実は、俺を絶望に叩き込むには十分で。
俺はただただ立ちつくして何も言葉を発することができなかった。
「父さんも母さんも優しい人だった。妹は最近彼氏ができて、幸せそうにデートに出かけていったんだ」
「その未来を俺が奪った。俺が、俺があの時死んでいれば……!」
「そうですわね。貴方が自殺していたら、ご家族は助かったかもしれませんわね」
「……!」
他人事のような声に激高した俺は思わずブランカに掴みかかっていた。
しかしブランカは掴みかかられても、俺を見上げて冷酷に言葉を続けようとする。
「おい二人とも……!」
「止めないで下さいまし!」
ロホのなだめる声をピシャリとブランカが遮る。
「ゼロウスを抜けて本格的に反政府組織に入りたいのなら、止めませんわ」
「殆どの男のゼロはわたくしたちのやり方は遠回りすぎる、ヌルすぎるという理由で抜けていきました」
「家族を失っているのです、当然でしょう。自らの手で復讐したいという考えも間違っていません」
見抜かれている。今の俺の内側に燃え盛っているマグマは、間違いなく復讐心に近しいものだ。
「私達の目的が達成されたところで、国そのものは良くなりません。ゼロという存在が生み出されなくなるだけですわ」
「東京のメンバーの中でも家族を失っていないのは、ロサだけです……貴方はどうしますか?」
ブランカはこう言っているのだ。
この出来事で揺らいで復讐を考えるようなら、いずれここを抜けることになるからやめてしまえと。
今まで傲慢なこいつが生き残ってきた理由が分かった気がする。
ブランカの精神は強すぎる。そして他人にまでその強さを求める。
それがブランカの一つのポリシーなのだろう。
「……」
1、ゼロウスを抜けて政府への復讐を考える
2、それでもゼロウスに残る
多数決下3まで
「ゼロウスは抜けねえよ、完全に復讐心を捨てることはできねえけど切り替える」
「そうですか、貴方の覚悟を試して悪かったですわね」
「なら、わたくしを好きなだけ殴りなさい。死ぬまででもかまいません。他の人に邪魔はさせませんわ」
こいつは何を言っているのだろう?
「このまま殺されても文句はいいませんわ。家族を失った痛みを踏みにじってまでわたくしはベルデを試しました」
「ベルデは覚悟を示してくれました。ならわたくしは、自分の言葉に対する責任を負う必要があります。女だからと言って遠慮する必要はありません」
「……」
下3まで
1、殴らず許す
2、1発だけ殴る
3 ボコボコに殴る(ブランカ死亡判定あり)
106もありとします、その場合4で
これから連取りは20分で解禁します
「それなら、遠慮なく殴らせて貰うぜ……!」
「ええ」
ブランカは俺が拳を振り上げて下げ、勢いをつけて頬に近づけても怖がらなかった。
全く目をそらさない。本当に殴られる覚悟をしていたのだろう。
俺が寸止めしても、ブランカは震えなかった。
「殴らないのですか?」
「ブランカこそ、怖がらないんだな」
「ゼロになって家族を失う痛みも怒りも、わたくしにも分かりますから」
「それをさっきまで言わなかったあたり、ブランカの性格は分かった」
家族が死んだばかりだ。理性は納得できないが切り替えなければならないことがある。
ブランカを殴っても、死んだ家族が帰ってくる訳ではない。
よく見ると僅かに露出したブランカの肌には、あちこちに拳の跡のような痣ができている。
今まで仲間が加入されるたびに同じことを繰り返してきたのだろうか。
それを見て俺の怒りは次第に収まっていき、最後には悲しみだけが残った。
「今日は訓練どころじゃねえから、1日時間をくれ。明日には切り替える」
「分かったわ、部屋は用意してるから行ってらっしゃい」
ディエスも察してくれたのだろう、気を利かせてくれた。
ロホもブランカも、俺を引き止めない。
扉を閉めると、静かに用意された自室に向かった。
俺はその夜、声を押し殺すことなく泣いた―――。
今日は終わります
早朝、ノックの音と共に部屋のドアが叩かれる。
「どうぞ」
俺が呼び掛けると、ブランカがドアを開けて顔を覗かせた。
「ディエスにベルデの様子を見てくるように命令されましたわ」
「訓練は今日から始まります、体調が悪いようでしたら」
「いやこれ以上甘えてられない、切り替えはできた」
「ベルデは強いですわね、わたくしは切りかえるのにかなり時間がかかりましたわ」
「むしろゼロウスの使命を必ず達成しないといけないと思えた」
「何よりです、訓練の計画をたてましょう」
ブランカと共にボスの元へ向かうと、途中で最後の女メンバーとも顔を合わせることができた。
高校1年ぐらいだろうか。渋谷によくいるような、ラフな服装をしているショートヘアの女の子だ。
「アンタがベルデ?アタシがロサよ」
ロホが言った気の強い奴ってのはロサのことだろう。
「ベルデがアタシ達の足を引っ張るようならおいていくから、そこのところヨロシク」
「……分かった」
遠慮せずに踏み込んでくる。女性メンバーの中で最初に話をしたオーロが一番性格的にマシというのはどうなのだろう。
俺が戦慄していると、ブランカが俺を庇うように1歩前に出た。
「少なくとも覚悟はあるようですから、長い目で見ましょう」
「アンタが新人を庇うなんて珍しいわね」
「これまでの男よりかは見込みはあります」
嫌われるのを恐れずに俺の覚悟を試したり、俺が殴るふりを止めるまで目を逸らさなかったり
躊躇わせるようなことを言わなかったりと、ブランカは上から目線だが自分の振舞いに責任を持っているのだろう。
だから俺は昨日あんなことを言われたのにも関わらず、嫌いになりきれなかった。
「へえ、じゃあ期待しましょうか」
ロサがジロリと俺を睨み付けてくる。
先行きは不安だが、これからこの仲間たちと頑張っていこう。
「切り替えはできたみたいね」
会議室に6人全員が集まると、ディエスは俺の顔色を見てある程度安心したようだった。
「ベルデの訓練だけど、方法は2種類あるのよね」
「銃撃戦の訓練を主に行うか、テレキネシスの訓練を主に行うかの2つよ」
「どう違うんだ?」
「テレキネシスの訓練を中心に行う場合後衛中心になるって考えたらいいわ」
「私達の戦い方ははブランカとロホが前衛での銃撃戦闘を主としていて、オーロとロサが落ちた銃弾を念動力で操って相手の体を打ち抜く」
「なるほど、合理的だな」
「ベルデは全く念動力を鍛えてないから、後衛を希望する場合は戦えるようになるまで時間はかかるでしょうけど」
テレキネシスを使用する際は手の動きと連動させる必要がある。
それなら銃で敵を撃ち殺す方が早いというのは夢のない話だが納得できた。
「どっちも訓練はしてもらうけど、ベルデはどうしたいの?」
1、銃撃中心に特訓を考える(特訓で銃の腕前が上がりやすくなる)
2、テレキネシス中心に特訓を考える(特訓で超能力が上がりやすくなる)
安定した戦闘を行えるのは1、強敵相手にしぶとく勝ちを狙いやすいのは2と考えて下さい
多数決下3まで
「自分のことは後衛向きだと思う、前衛の援護をしたい」
「ベルデは視野が広いし頭も回るから、悪くねえと思うぜ。俺とブランカの責任は重くなるが」
「ロホとわたくしが一人も敵を通さなければいいだけの話ですわ」
「……同じ後衛だね、がんばろ」
「天才のアタシにしっかりついてきなさいよ?」
皆アクの強い連中だが互いの仲はそれほど悪くないようだ。
全員ゼロであり似たような境遇ということも大きいだろう。
「それじゃ、ベルデはテレキネシスを中心に鍛えることにしましょう」
「このアジトは大きな地下室があって、そこでは念動力が察知されないようになってるの」
「完全防音だから銃もいくら撃っても大丈夫。いざとなればそこから外にも脱出できるわ」
ディエスも他のメンバーも納得したところで、これから俺の訓練が始まる!
テレキネシス初期判定+5
「皆ベルデ一人の特訓に構う訳にはいかないから、暫く日替わりでベルデに誰か一人を選んでもらって地下室に入ってもらうことになるわね」
「ベルデ、誰か希望はあるかしら?」
(ロホとブランカ以外はあんまりどんな奴か掴めてねえけど、どうしようか)
自由コミュ1回目、3回でひとまず終了
1、ロホ
2、オーロ
3、ブランカ
4、ロサ
親しくなると色々なことを話してくれます。
親友になったり彼女になったりするかもしれません。
3回同じキャラクターとコミュニケーションし中コンマを取ると振り直しもしくは生存権2つが貰えます。
選択多数決安価下3まで
「同じ後衛がいいな、オーロに任せていいか?」
「……私?」
どこかキョトンとした表情のオーロは自分が選ばれると思っていなかったのだろう。
「まあ、他の連中2人は普段気が強いし分からなくもねえが」
「オーロがアタシ達に喋らなすぎなのよ」
「確かに最初だし、ここはベテランに頼みましょうか。オーロ、ベルデの教育頼めるかしら?」
「……がんばる」
ディエスが頼むと何やら気合が入った様子のオーロ。今教育って言われただろうか、嫌な予感がしてきた。
「音は聞こえなくなるけど、ベルデにエロいことしちゃだめよオーロ」
「……しない!」
俺がオーロを襲う心配をされないあたり、もしかしてオーロは相当強いのだろうか?
とにかく地下室へ二人で降りると、オーロはこちらに質問してきた。
「……どちらかに集中。銃の扱いと超能力の特訓、どっちにする?」
仕草の一つ一つがどことなく可愛らしく、小動物を連想させる。
ベテランという風には見えないが、どうなのだろうか。
1、片手の銃を使ってみる
2、テレキネシスを鍛える
下1 テレキネシスが優先のため1がここで選ばれた場合は次回と次々回が強制的に2になります
「せっかく後衛同士なんだし、テレキネシスからだろうな」
「……得意分野、任せて」
俺は軽く唾を飲み込む。オーロのテレキネシスはどんなものなんだろうか?
オーロに手招きされて案内されたのは、小さなビー玉が沢山ある部屋だった。
どうやら地下室も相当広く複雑な作りになっているらしく地上の家より広いかもしれない。
「……最初はここで練習。これぐらいなら持ち上げられるはず。両手で別々にビー玉を操作して、空中で軽くぶつける。壊しちゃだめ」
オーロが言うにはテレキネシスは脳から指へ指令が飛び、指から動力が伸び物体へ、という仕組みらしい。
案外テレキネシスのシステムは単純なのだそうだ。
オーロは空中でビー玉とビー玉をぶつけ、赤い方を駒のように回して青い方を弾きとばしている。弾き飛ばされた青いビー玉は立っているオーロが差し出した手の中に綺麗に納まった。
「……こんな感じ。まだここまでは無理だろうけど精神力も肉体にも、丁度いい負荷がかかる。やってみて」
「分かった」
実質初めてのゼロの力の使用だろう。うまくいくだろうか?
10以下 うまくいかなかった(変化なし)
11以上80以下 持ち上げるのが精一杯(+2)
81以上 空中で2つのビー玉をうまくぶつけることができた(+3)
ゾロ オーロのように扱えた(+5)
下1
「これは厳しいな」
なんとかビー玉を持ち上げることはできたが、両手同時というのが相当に体力を削られる。
例えるならばジョギングをしながら腕立て伏せをしているような、無酸素運動と有酸素運動を同時にこなしている感覚に近い。
「……甘いものと水を持ってきた」
「ありがとよ」
なにやら生き生きとしているオーロが途中で果物と水を持ってきてくれなければ倒れていたかもしれない。実は俺の指導をやりたかったのだろうか。
「……倒れる寸前のギリギリを見極めるから、頑張って」
「おう……」
俺は脂汗をかきながら、これはとんでもないスパルタ教師を引いてしまったかもしれないと感じていた。
「テレキネシスは鍛えれば鍛えるほど強さが増す。筋肉と違って壊れる心配はないから」
「限界を超えてなくなるような能力ならゼロウスがそうしてる、か」
こくりと頷くオーロは何を思ってゼロウスに入ったのだろうか。
今はまだ俺にはなにも分からなかった。
現在テレキネシス+7
20以下 追加会話なし
21以上80以下 オーロの色の由来について聞けた
81以上 色の由来に加えてオーロが今まで経験してきたことを聞けた
下1
「そういえばオーロって、スペイン語で金色って意味だよな?」
俺は気になっていたので聞いてみた。寡黙気味なオーロには金色のイメージはない。
本人が決めたコードネームなのだろうが、シアンなどの方が似合いそうなものだ。
オーロは少しの間沈黙していたが、恐る恐る答えてくれた。
「……私は口下手だから、色々なことがうまく言えなくて。名前だけでも目立とうとしたの」
「金色のように、光輝きたいって」
「そうか。オーロが俺のことを心配して鍛えてくれたのは伝わってきたぜ、ありがとうな!」
「……ベルデは未熟。同じゼロの仲間だから、あまり死んでほしくない。それだけ」
オーロの口元は、僅かに緩んでいた。
オーロコミュ(3/1)終了
俺とオーロが地下から帰ってくると、ディエスがからかってきた。
「二人きりでどうだったかしら?」
「特訓しただけで何もねえよ」
「……仕方ないけどまだ未熟。後衛は任せられない」
「何か面白いことがあったら、私に報告よろしくね」
「しねえよ」
本当にいい性格をしているリーダーだと思いつつ、俺の特訓1日目は終わった。
「二日目ね。今日のベルデの希望はあるかしら」
1、ロホ
2、オーロ
3、ブランカ
4、ロサ
多数決下3まで
「じゃあ、今日はロサに頼むぜ」
「天才のアタシを選ぶなんて、見る目あるわね」
俺に指名されてなにやら嬉し気なロサだが、他のメンバーの表情は良くない。
ロホとディエスの反応はこうだった。
「ロサか、大丈夫か不安になってきたな」
「ロサ、ベルデに襲われないように気を付けてね」
「昨日のオーロとどうしてこんなに違うのよ!行ってくるわ!」
もしかするとロサは、ゼロウスに所属して間もないのかもしれない。
俺は昨日とは逆の意味で不安になりつつも、頬を膨らませたロサと共に地下室に入って行った。
「アタシは銃の扱いもテレキネシスの扱いもどんとこいよ!」
「どっちを鍛えるのかしら?」
ロサは自慢げなようだが、このまま任せて大丈夫なんだろうか……?
1、片手の銃の扱い
2,テレキネシス
下1
俺がロサに連れられてきたのは沢山物がおいてある部屋だった。
左端に前回のビー玉があり、右に向かうにつれて重い物体が置かれている。
一番右にあるのは数百キロのダンベルだった。
「前回ベルデがオーロに学んだのがテレキネシスの精度を上げる訓練なら、これは純粋に能力強度を高める訓練よ」
「アタシが今持ち上げられるのは真ん中から少し左の、ドラム缶ぐらい」
そう言いながら、ロサは片手をドラム缶にかざして数センチ持ち上げてみせた。
「ちなみにボスは物が色々入っているタンスを片手で持ち上げることができるから、一段階違うわね」
「なるほどな、ロサのレベルまで行くのも大変そうだ」
俺がビー玉二つを持ち上げるのに苦労しているぐらいなので、ロサとの今の力量差がよく分かった。ベテランと言われているオーロはどれぐらいなのだろうか?
「アンタの今日の目標は、この薄い本ね」
能力を使わなくても片手で持てそうな本だが、今の俺ではこれを持ち上げるのも大変だろう。
「最終的には銃弾を敵にブチこめることができるようになる必要があるけれど、テレキネシスは急に強くなるものじゃないわ。地道に鍛えていきましょう」
はたしてうまくいくだろうか?
10以下 薄い本も持ち上げられなかった
11以上80以下 薄い本を持ち上げることができた(+2)
81以上 厚い本も持ち上げられた(+3)
ゾロ 辞書を持ち上げられた(+5)
下1
「……よし!」
数時間後、俺は薄い本の持ち上げに成功し両手では厚い本の持ち上げにも成功していた。
満足げに頷いた俺と違って、ロサは僅かに驚いている。
「アタシの過去の上昇具合から薄い本が精一杯と計算したのだけれど、先に昨日精密性を高めたのがよかったのかしら……?」
「悔しいけれど、オーロのおかげでしょうね。アタシもうかうかしてられないわ」
うまくいった俺の様子を見てロサはどことなく不満そうだが、素直に喜んではくれた。
プライドが高そうな分、なにやら思うことがあるのだろう。
現在テレキネシス+10
20以下 追加会話なし
21以上80以下ロサが天才であるということ
81以上 上+ロサの家族について
下1
「……お邪魔するね」
俺とロサが部屋から出ようとすると、オーロが入れ替わりで入ってきた。
テレキネシスの強度が積み重ねであるものであることは分かっている。オーロもこれから地道に訓練するのだろう。
「ふーん」
ロサはそんなオーロを見て思う所があるらしく俺にふりかえる。
「ベルデがもう少し頑張りたいのなら止めないけど、アンタはどうしたい?」
1 もう少し能力特訓をする(銃新米級で描写カット、テレキネシス上昇再度判定。オーロとロサ二人にコミュ判定小)
2 明日の銃撃練習に備えて休む
新米級は普通の特訓で11以上80以下なのでメリットはあります
下1
「オーロがどうなるか気になるし、もう少し訓練してみるぜ」
「アタシもライバル心燃やされてたのよ、ここに後衛3人が揃ってるんだし有意義な訓練をしましょうか!」
「……無理は禁物だよ」
30以下 精神力が持たず失敗
31以上90以下 辞書を持ち上げられた(+2)
96以上 片手で辞書を持ち上げられた(+3)
下1
「オーロの言う通り、無理しすぎちまったか」
そううまくはいかない。精神力と体力の使い過ぎで俺は座り込んでしまった。
休憩しながらオーロがどうなるのか見てみる。
「……今はこれぐらいが、限度」
オーロは両手をかざしてタンスを持ち上げていた。
「リサが言ってたボスとあんまり変わりないんだな」
「……ディエスは片手だし、タンスに物がギッシリ入ってる」
「一定の所まで行くと全然上がらなくなるから、やっぱりボスはレベルが違うわよ」
「なるほどな」
鍛えれば鍛える程上がりづらくなる。やはり壁というものはあるらしい。
「この持ち上げるチカラを一点に集中させることで銃弾で敵を打ち抜くことができるようになる訳」
「……精密性と能力強度、両方大事。日々の鍛錬を忘れないこと」
「覚えておくぜ」
俺は昨日今日と教えてくれた二人にグッと親指を立てた。
ロサ追加会話60以下なし
61以上 ロサが天才であるということ
オーロ追加会話60以下なし
61以上オーロが今まで経験してきたこと
下1、2で判定
初ゾロなので特別に振り直し1枚プレゼントします
訓練が終わると、ロサが話しかけてきた。
「アタシが自分のことを天才って言っている理由が分かるかしら?」
「ロサのプライドが高いからか?」
「それも間違っちゃいないけど、自分自身を追い込むためよ」
自分にプレッシャーをかけることによって背水の陣の精神状態を保っているということだろうか。それは負担を考えるとあまりよくない気がするのだが。
「アタシはベルデ以外のメンバーの中だと一番最後に入ってきたけれど、それでも2人メンバーが死ぬ所を見てきたわ」
「……」
直接仲間の死を見ていない俺には想像ができない。その時ロサは何を思ったのだろうか。
「天才のアタシがもっとしっかりしていたら、仲間が死ななくてすんだかもしれない」
「だから足手まといはいらないし、アタシが皆の足手まといになる訳にはいかないのよ」
「そのために自分が天才であると周りの人間に言っているのか」
「ええ」
「……あまり自分を追い詰めちゃだめ」
ロサの独白を聞いていたのだろう、オーロが横から入ってきた。
「ロサが死んでも、皆は悲しむから」
「こういう時はハッキリ言うのね、オーロは」
口ごもらずに自分の意見を主張するオーロに、苦笑するロサ。
(みんな、死んでほしくねえな)
俺はそんな二人を見て、決意を新たにするのだった。
訓練終了、1つ目のミッションへと移ります
「皆、作戦会議室に集合して」
その後も数日間しばらく訓練をこなしていると、ディエスからの招集がかかった。
皆が集まるとディエスはゆっくりと語り始める。
声色は低い。いつもの温和な表情はなく、眼光はロホのように鋭かった。
俺はディエスの切り替えに背筋が凍るものを感じた。
「ベルデも十分戦えるようになったところで、ついに初任務よ」
「任務は久しぶりだな、ベルデは死なねえように気を付けろよ?」
「初陣は危険ってのは本当なんだな」
流石に緊張せざるを得ない。これからはキルタイムとの殺し合いになるだろう。
「最近一般民家に隠されているテレキネシスの感知システムがあがってきたというのは知っているわね?」
「話には聞いていますわね。精度が向上し、ゼロが政府に見つかりやすくなってしまったと」
「実はこれは、ベルデの件が切っ掛けで分かったことなのだけどね」
「そうか。俺が情報をあまり残してないのに、両親と妹は殺されてしまった」
強く拳を握りしめる。客観視しても確かに違和感があった事件だ。
「証拠がないのにベルデの親族を拷問して殺したってことは、間違いなく確信があったってことか」
「そうでなければ拷問後の殺害は間違いなく反感を買うでしょうからね」
ゼロの有無に関係なく冤罪で一般人が殺されるようなら、ゼロウスがゼロをなくそうと行動している意味がない。
「鉛筆を浮かしたぐらいでもベルデのようにバレちまうなら、今後俺達が活動する上で大きな脅威だ。最悪アジトも特定されかねえからな」
「このままではわたくし達の目的が達成される前に、ゼロが全滅しかねませんわね」
話は掴めてきた。どうやら護衛任務ということではないらしい。
「諜報部からの情報によれば民家から集められているテレキネシスの情報は、どうやら一つの大きな機械で管理されているということが分かったわ」
「機械の製作者の確保は?」
「それは別チームが担当することになるわね。つまり今回の任務は破壊工作」
「任務内容は俺の家族が死ぬ元凶になった、ゼロ感知システムを管理している機械の破壊。そういうことだな」
「それで、それだけじゃねえだろ。作戦内容が俺達5人でどうにかできる範囲を超えてる」
ロホが鋭く作戦に突っ込みを入れた。
製作者や機械の図面は別チームが確保するとしても、攻めの要ならば警備は厳重だろう。
ゼロウスは暗殺集団ではない。キルタイムもいるし、新入りの俺を含めてうまくいくとは思えない。
「ええ、だから陽動として、全ての敵の目を引きつけるカードが来るわ」
「そんなカードがあるのか?」
「ええ、ディエスミィ。そう呼ばれている最強のゼロが居るの」
数字としてはスペイン語で1万。ボスがディエスという10なのだから、実質的なリーダーか特別職に匹敵するのだろうか。
オーロが皆を代表するように呟く。
「……頼もしい、ディエスミィとの合同任務は久しぶり」
「ぶっちゃけディエスミィ一人でいいんじゃねえか?」
「わたくしはその方を知らないのですが」
「そんなに凄いの、ディエスミィって?」
どうやら4人の中ではオーロとロホだけ知っているらしい。これでこの4人がゼロウスに所属した順番がほぼ分かった。オーロとロホのどちらが早いかが不明なぐらいか。
ディエスは俺に向けてまたもやクイズを出してきた。
「ディエスミィは自他共に認める最強のゼロなんだけど、ベルデはどんな人物だと思う?」
「最強のゼロか……」
今まで集まったゼロのヒントを考えれば、答えはこうだろう。
1 屈強な男
2 サディスティックな女戦士
3 エリート少年
4 年をとった感じが良さそうなおばあちゃん
クイズ安価下1
「幼少期から鍛えられたエリート少年がたまたまゼロになったってのはどうだ?」
「ゼロになる確立は少年期で数万から十万人に一人だから、そういう話じゃないわね」
「むしろ発想を逆にしてみたらどうかしら」
「ゼロの存在が確認されたのは大体80年前。鍛えれば鍛えるだけテレキネシスの強度が上がるってことは……そうか!」
固定観念に惑わされていた。俺の予想は間違っていたが、肉体が強靭であるか能力が強靭であるかの違いでしかない。そもそも誰もが認めるゼロということは、テレキネシス能力もかなり強大であるはず。つまり同年代の子供はありえない。
「ええ、いるのよ。ゼロが確認されてから今まで生き残り続けている、老兵のゼロがね」
「感じのいいおばあちゃんだけどな。過激思想じゃねえゼロウスが組織としての形態を維持し続けることができているのは、ディエスミィの存在が大きい。『最強』にゼロが皆惹かれてるんだよ」
「百歳近いんでしょう?本当に最強なのかしら。というより戦えるの?」
ロサの言う事ももっともだし、俺も疑問しか浮かばなかった。
「……ディエスミィの戦いを一度見れば、その疑問はなくなる。何事にも例外はいるもの」
「手を使わずにテレキネシスを発動できるのはディエスミィだけよ。余命が短い筈なんだけど、いざという時には本人が戦いたがるのよね」
タイムラグが起こらずに物を動かせるなら、確かに最強と呼ばれるのも頷ける。
「問題は体力ぐらいだが、それもゼロにしては鍛えられてるからな。無茶はできねえが」
「……私達全員でかかってもかてない」
「流石にそれは言いすぎではありませんこと?」
オーバーではないかと俺が言おうとしたが、ブランカも同じようなことを思っていたようだ。
「それがね、テレキネシスが強すぎて撃った銃弾が本人に当たる前に弾かれるのよ。正に規格外」
「私達が戦っても能力強度の差で圧殺されるわ」
ディエスの呆れるような溜息に俺はディエスミィが最強であることに納得できた。
「逆に言うと、それでもゼロは絶滅寸前まで追い詰められてるってことだよな」
「ディエスミィもお年だからね。怪獣みたいな力を持っていても肉体の限界はあるし長期戦は無理だわ。個人の力ではどうにもできないことはあるってこと」
とにかくそのディエスミィが陽動に動いてくれるのなら、チーム東京も別方向から突撃して機械の破壊に集中できる。
「他に疑問がないようなら、改めて作戦実行日の詳細決めに移りましょう」
俺達は配られたテレキネシス感知の機械が設置されている施設内部の見取り図を片手に、初任務の内容を確認するのであった。
今日は終わります
次回初任務と初戦闘です
夜の9時頃。東京のとあるホテルで、二人の男性が話をしていた。
一人は20代後半で、黒い髪を肩までかけた聡明そうな男である。
穏やかな笑みを浮かべながら分厚い聖書を読んでいるようだが、その姿は高貴な貴族を思わせる風格があり知性が滲み出ている。
もう一人は少し若い20代前半。髪を赤く染めた、粗暴な顔つきの男だ。
風貌が正反対の両者は椅子に座り、向かい合って話をしている。
「宗教に興味があるんですかい?」
「僕は今では神がいないと思っているけれど、興味深くはある。運命の存在は信じているからね」
本をパタンと閉じた男は、朗らかな笑みを浮かべた。
「この前拷問した娘、美人でしたし可哀そうでしたね」
「そう言いつつも悪くない気分だろう、ハマンは。興奮しているのが分かる」
「バレちまいましたか。ゼロは所詮人外ですからね、その身内である時点でこうなるべきっした」
ハマンと呼び掛けられた男は躊躇いなく言い切り、知的そうなもう一人の男は微笑を崩さないままだ。
「一昔前、大物芸能人の娘がゼロになったことがあったよね」
「そんなこともありやしたね」
「その俳優は必死で隠そうとしたけれど、平等な裁きからは逃れることができなかった。ゼロと俳優の処刑は全国で流されて、国民の皆は惨殺に拍手喝采したものさ」
起こった出来事を淡々と喋りながら、男はコーヒーを口の中に流し込んだ。
「いい苦みだね」
「僕は小さいころから物を浮かせる夢をよく見てね、名前も名前だし幼いころはゼロになると意味もなく確信していたんだ」
「それがどうだろう。僕をイジメていた女はゼロになり、家族と共に死んだ。そして今僕はキルタイムというゼロを駆除する組織の長となっている」
「運命ってやつですかい?」
男は軽く頷くと、自然な仕草で自らの髪に軽く手をあてて撫で下ろした。
「ギリシア神話ではアテナの力により、美しい女だったメデューサの髪は蛇へと変えられ、怪物と化してしまった」
「そしてメデューサはアテナから盾を受け取ったペルセウスにより首をはねられてしまったんだ」
「メデューサの姉妹も、同様に怪物となった。メデューサがアテナの怒りを買ったせいでね」
「何がいいたいのかよくわかりやせんが」
首を傾げるハマンを気にせずに、男は語りかける。
「ゼロへの裁きは、なった時点でどんな者にも平等に下されるということさ」
「アテナと違って、そこには私情の挟む余地は一切ない」
「……相変わらず恐ろしいですね」
「玲の兄貴は」
そうかな、と苦笑を浮かべた『れい』と呼ばれた男は、照らされた街の光を眺めながらコーヒーを静かに飲み干していくのだった。
作戦当日、ベルデの精神状態
20以下 硬くなっている 悪
21以上80以下 普通の精神状態
81以上 いい感じの気合 良
下1
作戦開始当日の俺の調子は普通だった。
多少緊張はしているがむしろこれから戦場に赴くなら、ある程度緊張を保つ必要はある。
「それぐらいの方がいいと思うぜ。戦場ってのは緊張感を保つ必要があるし気合が入りすぎてもよくねえ。ベルデにとって因縁の任務ならなおさらだ」
「ああ、普段通りの力を出せそうだ」
ロホは何かと俺を気にかけてくれる。ベテランの頼もしさに少しだけ安心した。
「作戦会議で言った通りこれを着けておけ。俺たちにとって顔バレは致命的だ」
ロホから渡されたのは防弾チョッキと緑の仮面だ。
仮面はマジックミラーのようにこちらから向こう側を鮮明に見ることができるが、他の人間からは緑の仮面にしか見えない仕組みになっている。
俺は仮面を顔に当てて装着した。
「ディエスミィが表で騒ぎを起こしたら、俺達は施設の裏口から侵入し、警備員を迎撃。ターゲットの機械を叩く」
「言葉にしてみれば分かりやすい任務だな」
「作戦なんてものはシンプルなものさ。現場の状況が複雑だがな」
どうやらディエスミィと会えるのは、任務完了後のようだ。
それも年齢を考えると納得できる。仕事である陽動に集中したいのだろう。
「今回の任務はキルタイムのヤバい隊長と副隊長はいないそうだから、過度に警戒する必要はねえ」
「隊長と副隊長……」
「仲間が何人も殺されてる、あの二人は別格だ」
生身でゼロ複数人と渡り合う人間がいるというのも恐ろしい話だが、今回戦わないのは幸いだろう。
「わたくしとロホが先に施設に突入いたしますわ。後衛の3人は少し遅れてついてきて下さいまし」
「おう」
「……おっけー」
「アタシ達が後方から戦局を見るようにするわ。背後も気を付ける」
同じく白の仮面を被ったブランカの呼びかけに黄色の仮面を被ったオーロ、ピンク色のロサが返事をする。
仲間同士の連携に問題はなさそうだ。
仮面をつけ銃を持った俺達は警備員にバレないように、裏側から少しずつ施設に近づいていく。
糸などの感知トラップは前衛の2人が察知し警戒を促してくれた。
作戦開始の時は近い―――。
「眠ぃな」
「ちゃんと警戒しろよ……誰か来るぞ!」
「なに!?」
欠伸をしながら見張りをしていた警備員2人は、遠くの茂みの中で小さな人影を発見した。
この秘密基地は立ち入り禁止表示の遥か奥に隠されている。部外者に発見された場合は相手が何者であってもただちに撃ち殺せという命令がこの二人には課せられていた。
双眼鏡を覗くと、どこか困ったような表情をした、人のよさそうな老婆が一人だけだった。
大方ボケて迷い込んできたのだろう。
「どうする?流石に殺すのは罪悪感があるが」
「俺が注意をしに行ってくる」
同僚も似たような考えだったのだろう。この施設さえ見られなければ問題はないはずだ。
見張りの同僚は、老婆にゆっくりと近づいていき。
音もたてずに膝から崩れ落ちた。
「なに!?」
もう一人の警備員は銃を構える。明らかに異常事態だ。
老婆は武器を持っていないようだが、なにかされたに違いない。
躊躇いなく銃の引き金を、老婆に向かって引こうとした次の瞬間。
「ああああ!」
警備員が叫び銃を取り落とす。彼の腕を小さな鉄球が貫通していた。
筋がきれたのだろう。腕からは大量の血が飛び散り、だらりとぶら下がっている。
警備員は痛みと恐怖にかられて無線機に叫んでいた。
「ゼロの襲撃だ!見張りが瞬殺され俺も負傷!東に300メートル前方、老婆が一名!かなりの使い手と推測される!」
その報告が終わると同時に、警備員の意識は途切れる。
脳天を鉄球に貫かれた男は、訳も分からずに脳梁を地面にぶちまけて倒れて死んだ。
「さて、これで警備の警戒がこっちに向くかねえ」
ディエスミィは基地から離れた場所で、小さな大量の鉄球を服につけて静かに独り言を呟いていた。
鉄球1つ1つが銃弾のように敵を貫けるようになっている。
テレキネシスの精度や威力は、他のゼロとは比べ物にならない。
「足りないのなら、もう少し派手に行く必要があるのだけれど」
植わっている木が、メキメキと音を立てて地面から飛び出していく。
気が付けば大木が6本ほど、宙に浮いていた。
「これでどうかね」
ディエスミィは軽い感じで言うと大木が杭打機のような勢いで発射され、基地を囲っていた鉄網を軽々と破壊してコンクリートの壁にブチ当たる。
ズカン!という凄まじい轟音が基地内部に響いた。それが6ヵ所なのだから今頃基地内部は大混乱になっているに違いない。
「これでどうかね……?」
81以上大部分の警備の目がディエスミィに引き寄せられた
11以上80以下 内部にそこそこの数の兵士が残っている
6以上10以下 警戒を強め、兵士は出てこない
5以下 ディエスミィに心臓の発作が起こる
下1でベルデの今回の任務の難易度が決まります。コンマ5以下だと作戦成功は無理に近いですし、ゼロウス解体の危機です
「え……?」
基地の反対側の俺、ロサ、ブランカは開いた口が塞がらなかった。
「おい、大木が根ごと宙に浮きあがってるのが見えたぞ。どれだけの力なんだ」
「……ディエスの言った通り、ディエスミィは怪獣に近い」
「同じ年数を重ねてもあそこまでは到達できねえ。理不尽だと思え、気にすんな」
ディエスミィだけでいいんじゃないかとロホが言った意味がようやく分かった。
銃声が何度も響いているが、これで銃弾まで弾き返せるのなら心臓の発作以外では死なないだろう。
どうやら陽動は成功したようで基地から大部分の警備兵が出撃し、ディエスミィの方に向かったようだった。
明らかにとびぬけている。他のゼロがゼロウスに入る理由がよく分かってしまった。
とにかく気を取り直した俺達は、無人となった裏口から基地内部に突入することにした。
(難易度小。3回でターゲットの機械にまで到達)
俺達は銃を持ったまま基地内部に無事侵入できた。
内部も事前に入手した見取り図通りだ。警報は鳴っているが、ディエスミィのおかげか人の気配が全くない。
「これなら邪魔されずにターゲットまで辿り着けるかもしれねえ」
「油断はいたしませんが、慎重に進みすぎるのもよくないですし大胆さも肝要ですわね」
前衛の二人もスイスイ奥へと進んでいけているようだ。
30以下 敵に見つかる(人数判定)
31以上81以下 何事もなく進む(1回+)
71以上スムーズに進む(2回+)
下1
範囲ミスですがこれは+2です
どうやら、警備兵は本当にディエスミィの迎撃に集中しているらしい。
あのままでは基地が外部から破壊されかねないだろうし、納得できたが順調すぎる。
「流石にターゲット近くは護衛の兵士が何人か残っている筈だ、5人以上残っている可能性もある。油断はするんじゃねえ」
俺はロホの警告に、浮かれ気味になっていた自分を戒めた。
30以下 敵に見つかる
31以上 ターゲットの部屋に到達
下1
前衛のロホとブランカが、ダーゲットの部屋の扉に到着した。
内側から鍵がかかっているが、ゼロの力を使えば鍵を部屋の外から開くことができる。
(ここでテレキネシスの精密性が関わってくるわけか)
俺が関心していると、オーロが両手を前に突き出し扉の隙間から念動力を通らせて鍵を開けようとする。ロホが突入前に小声で合図した。
「3、2、1……!」
ロホのカウントダウンがなくなったと同時に俺達は扉を開き、銃を構えた兵士と目が合った。
兵士の数10以下 6人
11以上30以下5人
31以上60以下4人
61以上 3人
下1
ボーナス小のため次の判定のみ+10です
「残っていて正解だったな……別動隊か!」
突入した俺達を目にした警備兵たちが身構える。
ターゲットを守る敵の人数は5人。銃の打ち合いになるのならほぼ互角だがこちらにはテレキネシスがある分僅かに有利な筈だ。
(人数5対5、テレキネシス現在10)
初戦闘に入ります。基本戦闘は下3までコンマで一気に判定します。連取り大丈夫です。
今回は互角なのでこのようになります。
91以上 敵3体撃破
71以上90以下 敵2体撃破
51以上70以下 敵1体撃破
31以上50以下 ロホ負傷
11以上30以下 ロホ、ブランカ負傷
10以下 ブランカ瀕死
下1で判定、今回はゾロ目の効果で+10されます。結果により優勢指数が変わります。
どこかで見たような戦闘システムかもしれませんが気にしないで下さい。
さらにテレキネシスが今10で相手側にゼロが存在しないため追加でチャンスがあります。
下2、3でコンマ90以上出た場合敵が1体ずつ、最大2体撃破されます。
下1、下2、下3で判定します
「ディエスミィの陽動にも限界はある。急いで全員倒して撤退するぞ!」
ロホの命令と共に広々とした部屋の中で敵味方合わせて10人の銃声が鳴り響く。
俺たちの初実戦は超能力者と警備兵が銃を撃ちあうという構図だった。
とはいえ軽装の警備員と違って頑丈な防弾チョッキを着ている分俺達の方が耐性はある。
「……!」
まず音もたてずに警備員一人の脳がロホに打ち抜かれた。
「ゼロ共め!」
「……ん!」
口調が荒い警備員の一人も、オーロの片手からテレキネシスの力で飛び出していった銃弾に打ち抜かれ膝をついた。
やはりこの二人はチーム東京の中でも凄腕だ。
頼もしい味方が敵でなくてよかったと言ったところだろう。
俺も初陣なりにがんばらなければならない。
81以上 ベルデが活躍し敵全滅
71以上80以下 敵全滅(ターゲット破壊、ミッションクリア)
51以上70以下 敵2人撃破
31以上50以下 敵1人撃破
11以上30以下 ロサ負傷
2以上10以下 ロサ、オーロ負傷
1 ベルデ瀕死
下1
テレキネシス判定下2、3
同一人物のコンマ連取りありなので下3まで同じ方に取って貰ってかまいません
俺の射撃は敵に当たらなかったが、敵の二人が簡単に死んだ。
初陣だと勝てるとどこかで甘く見てはいなかっただろうか。
そんな俺の油断は、すぐに消え去ることとなる。
敵も人間なのだ、必死で戦っている。
狙われたのは、オーロとロサ、後衛二人だった。
「ゼロのくせに!」
「……っ!」
防弾チョッキの上から大量の銃弾を叩きこまれたオーロは、銃を取り落とした。
腕の骨が折れたようで険しい表情をしている。
テレキネシスの使用には精神力を使用しなければならない。
これで念動力で敵を倒すことも難しくなくなってしまった。
「このアタシが……!」
ロサも同じく銃を取り落としていた。右肩の骨にヒビが入ったらしく左手で抑えている。
これで実質3対3となってしまった。
ロサとオーロが訓練中に言った、仲間が今まで沢山任務で死んできたという言葉が脳裏をよぎる。
そうだ、ゼロであっても人は撃たれれば簡単に死ぬんだ……!
死神の鎌が、静かに持ち上がった気がした。
コンマ51以上 次に狙われたのは前衛
コンマ50以下 ベルデ、オーロ、ロサの後衛がこのまま狙われる
(次50以下で後衛チーム死亡判定と即死あり)
下1
91以上 敵3体撃破、ミッションクリア
71以上90以下 敵2体撃破
51以上70以下 敵1体撃破
31以上50以下 ブランカ負傷
11以上30以下 ロホ瀕死、ブランカ負傷
10以下 ブランカ死亡、ロホ瀕死(後衛3人撤退判定へ)
下1
下2、3がコンマ90以上でテレキネシス判定、敵撃破
連取りはレス直後から20分で解放、その後は個人制限なしです
「……!」
ブランカが動揺した隙をつかれて利き腕を撃たれ、銃は弾き飛ばされる。
鈍い音が屋内に響いた。
防弾チョッキがあるとはいえ限界がある。今までこちらに死人が出ていないのが奇跡だろう。
「こいつら、強え!」
ロホが冷や汗を垂らす中で俺はオーロとロサと共にテレキネシスを特訓した時の決意を改めて思い出していた。
「誰も死なせねえ、死なせてなるものかよ……!!」
獣のように叫ぶと銃を持っていない左手を大きく振った。ブランカの弾かれた銃からこぼれた銃弾が浮き出ると、敵の一人の眉間に突き刺さる!
「この化け物どもめ……!」
忌々しそうに口走る警備兵を、俺は睨み返した。
人を殺すのは初めてだが、今は罪悪感を覚えるどころではない。
「俺達は社会の敵だ、好きなように言えばいいさ。勝手にお前たちを殺してゼロ感知機は壊させてもらう!」
戦う力を失ったブランカ、オーロ、ロサはうかつに動けない。
戦闘と任務が成功するか否かの行く末は俺とロホの二人に委ねられた―――。
71以上 敵2人撃破、ミッション終了
51以上70以下 敵1人撃破
31以上50以下 ロホ瀕死
11以上30以下 ロホ負傷、ブランカ、ロサ瀕死
10以下 ベルデ、ブランカ、オーロ、ロサ死亡
下1
下2、3が90以上で敵撃破だが下1の結果優先
判定なしです、死人なしで初任務達成できたところで今日は終わります
夕方やるかは分かりません、お疲れ様でした
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