【安価】精霊アンカと異世界 (167)

そこは石造りの壁に覆われた薄暗い部屋だった。

光源は部屋の四方に灯された蝋燭のみ。

ひんやりとした空気が漂っている。

恐らく地下室だろう。

そこでは老婆と若い女性が話し合っていた。

服装こそ普通の村娘と老婆のようだが、手にする指揮棒のような杖がやけに本格的だった。

見る人が見れば、彼女らのことを「魔術師」と呼んだだろう。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1623757018

弟子「お師匠、私は何を召喚してしまったんでしょうか」

師匠「ううむ、見たところ唯のエクトプラズムの塊」

弟子「砂のようで、水のようで、煙のような、よく見る霊質ですね」

師匠「……しかし、なるほどこれは」

弟子「わかるんですか?」

師匠「わしも文献でしか見たことがないが」

弟子「ごくり」

師匠「集合意識の精霊、アンカに違いない」

弟子「集合意識の、精霊……?」

師匠「この世界とは異なる次元に存在する、特殊な意思決定を行う集合意識が概念化した……」

弟子「かいつまんで言うと?」

師匠「思い通りには動いてくれない精霊じゃ」

弟子「そんなっ……!」

師匠「精霊を使役して一生楽したいというお前さんとは相性最悪の精霊じゃな」

弟子「救いは、無いんですかっ!」

師匠「扱いは難しかろう。じゃが内包する力は別格じゃな」

弟子「お師匠の精霊くらい?」

師匠「それ以上やもしれん」

弟子「!!!」

弟子「どうやったらこの精霊を扱えるんですか!?」

師匠「アンカは安価と呼ばれる特殊な判断基準で行動する」

弟子「安価、とは?」

師匠「簡単に言えば意見を募りそのうち一つを採用するというものじゃ」

弟子「……? よくわかりません」

師匠「やってみれば分かる。アンカに問いかけてみよ」

弟子「え、アンカって言葉が通じる精霊なんですか? それってかなり高位の精霊じゃ……」

師匠「返事があるかも、言葉が通じるかも安価によるのぉ」

弟子「コミュニケーションから不安定なのか……。えっと、じゃあ、こんにちは?」

アンカはどうする↓1

アンカ「こんにちは! 私はアンカ」

弟子「っ! 喋った! 何処から声出してるのかも分かんないけど! お師匠、この子挨拶返してくれましたよ!」

師匠「うむ、友好的なレスが付いたようじゃ」

弟子「もー、びっくりしたじゃないですか。この子きっといい子ですよ!」

師匠「偶然、という可能性もなくはないが」

弟子「疑ってるんですか?」

師匠「安価とはそういうものじゃ。良くも悪くも不安定なモノ」

弟子「そんなことないですって、ね?アンカちゃん!」

アンカはどうする↓1

アンカ「へい、らっしゃい!」

弟子「えっと、これは?」

師匠「魔術を扱いおったな、系統は召喚じゃろう」

弟子「食べ物? が出てきましたが」

師匠「ここより遥か東、海を渡った先の大陸で食される料理じゃな。スシという」

弟子「アンカちゃんの故郷なんですかね」

師匠「わしに聞かれても分からんよ」

弟子「何はともあれ歓迎されているに違いありません。スシ、貰いますね」

師匠「わしも一つ」

パク

師匠・弟子「「う、上手い!」」

師匠「この様子なら使役できそうじゃな」

弟子「一時はどうなるかと思いましたが、ホッとしました」

師匠「うむ、お主は永続使役の術を扱うまでになった。もうワシの教えることはない」

弟子「今まで、お世話になりました」

師匠「では、ワシはまた放浪の旅に出るとするかの」

弟子「いつかまた、お会いしましょう」

師匠が杖を一振りすると、窓一つない地下にそよ風が吹いた。

一体、いつの間に現れたのか。

師匠の背後には寄り添うようにして一体の精霊がいた。

半透明の美しい女性だ。

弟子「風の大精霊シルフィード、やっぱり師匠はすごいです」

師匠「ホッホ、褒めても何も出んよ」

師匠とはここでお別れらしい、アンカは何かする?↓1

アンカ「甘やかさないので安心してくだされ」

弟子「いや、甘やかしてよ。それ目的で呼んだんだから」

師匠「これはこれは、頼もしいことじゃ」

シルフィード「お弟子さんはずぼらですからね」

弟子「シルさんまで……」

師匠「こんなでも私の可愛い弟子じゃ。よろしく頼む」

弟子「まあ、お世話してくれるなら大歓迎だけど」

そんなやり取りを挟み、お師匠とはお別れとなった。

お師匠は風に巻かれてどこかへ吹き抜けていった。

薄暗い地下室に弟子と二人になった。

アンカは何かする?↓1

アンカ「プロレスラーになりましょう。ファイトマネーで悠々自適に暮らしましょう」

弟子「プ、プロレスラーって?」

アンカ「プロレスラーとはかくかくしかじか」

弟子「つまり、闘技場の剣闘士って感じね。でもあれって儲かるのかしら」

弟子「と言うか、私は今楽したいの。楽をするための努力はあなたを召喚するまでに十分してきたの」

弟子「剣闘士で稼ぐというなら止めはしないけど、アンカちゃんだけで頑張るのよ」

弟子「いいことアンカちゃん!あなたは私を養い!甘やかし!一生面倒を見るの!」


目の前の彼女はドヤ顔でアンカに言い放った。

アンカはどうする?↓1

アンカ「ご褒美として毎日踏んでいただけるなら」

弟子「えっ、ん? はぇ?」

アンカ「毎日踏んでいただけますな?」

弟子「急にどうして……、いや、それはいいんだけど」

弟子「あなた、エクトプラズムじゃない。実体のないエネルギー」

弟子「それとも変身みたいなことが出来るのかしら?」

アンカは変身や実体化が出来る?
出来るとしたらどんな見た目?↓1

アンカ「実体化でしたらお手の物です」

弟子「へえ、石灰岩がいくつも群れて浮いてる感じになるのね」

アンカ「中心の一番大きな岩を踏んでいただければ」

弟子「この岩がなんか特別なの?」

アンカ「……」

弟子「黙られると怖いんだけど。ま、いいわ、踏んであげる」

弟子が簡素なローブの裾をまくって足を上げた。

始めはおっかなびっくり足の甲でアンカをつついていたが、なんともないと分かると遠慮なく足裏をぐりぐりした。

弟子「これでいいかしら」

アンカ「素晴らしい」

弟子(やっぱりお師匠の云った通りちょっと変かも)

弟子(まあ対価に血肉を捧げろとか言うデーモンよりは全然ましだけど)

弟子「さて、いつまでもこんな地下室にいるわけにはいかないわね」


弟子は地下室から上に上がるらしき階段へ歩を進めた。

そこでふと、振り返る。


弟子「そういえば、私の名前言ってなかったわね」

弟子「ジル、よ。あなたのご主人様の名前、ちゃんと覚えておいてね」


こうして、アンカの使役される生活が始まった。

今日は寝るんじゃ。
とりあえず実体化は岩ということで、変身が出来るかは別の機会があれば再安価する予定。

弟子改め、ジルの後を追って階段を昇った先は、狭い家だった。

低い木組みの天井と年季の入った石造りの壁。

キッチンとリビングでほとんど部屋が埋まっている。

使い古されたソファーや安楽椅子が寝室の代わりを果たしているようだ。

部屋全体を香草や根菜、鉱石の標本、由来の分からぬ生き物の一部などが飾っている。

魔術師の隠れ家があったらこんな見た目だろうと思わせる部屋だった。

ジル「さ、私たちも旅の準備をしましょ」

ジル「私、修行が終わって一人前の術師になったら、世界中を旅してみたかったのよね」

ジル「美味しいもの食べて―、綺麗な景色を見て―」

ジル「街で買い物したり―、何日も宿屋でグータラしたりー」

ジル「で、その間の護衛、資金調達、身の回りのお世話はアンカちゃんに頼むからね」

ジル「手始めに旅支度おねがいね。剣闘士になるなら近場で闘技場のある町は歩いて一月ってとこかしら」

ジル「私はこっちで本読んでるけど、聞きたいことがあったら声かけていいわよ」


旅支度を頼まれたアンカはどうする↓1

アンカ「食料と水は好きに頂いても?」

ジル「それだけじゃなくてこの家にあるヤツ好きに使っていいわよ。もともとこの隠れ家は引き払う予定だったし」

ジルの許可を得たアンカは革水筒に水を入れ、干し肉や堅パン、岩塩など、日持ちのする食料を集めて袋に詰めた。

数日の食料には困らなそうだ。

次のアンカの行動はどうする?
↓1

ごめん寝落ちしてた。明日続きやる。

アンカ「う~む」

ジル「ちょっとー、私のクローゼットで何してんの」

アンカ「いえ、色味の薄い服が多いなと思いまして」

ジル「どうせ調合なり修行なりで汚れるんだからいいでしょ」

アンカ「ですがもう修行は終わったのですよね」

ジル「まあ、そうね」

アンカ「さらに言うなら、これから街に繰り出すのですよね」

ジル「……ええ」

アンカ「では洒落た服の一つでも必要なのでは?」

ジル「私そんな服持ってないわよ?」

アンカ「こちらで用意いたしますよ」

ジル「便利ねアンカちゃん。じゃあお任せするわ」

アンカ「かしこまりました」


アンカは肩やへその露出しているローブ、布面積の少ない下着をこっそり背嚢につめた。

アンカは他にやりたいことがある?↓1

アンカ「家の規模のわりに換金できそうなものがありますね」

ジル「魔術の研究って意外と素材が馬鹿にならないのよ」

アンカ「こちらも必要が無いなら換金してしまいましょう」

ジル「でも魔術に触れてる人間じゃないと価値が分からない物も多いわよ?」

アンカ「街へ行けばそういうお店もあるでしょう。それまではこのへそくりのようなお金でやりくりします」

ジル「へそくりで悪かったわね。辺鄙なところに住んでるからお金はほとんどいらないのよ」

アンカは魔術的に価値の高そうな鉱石や爪牙、草花をまとめた。

ついでに銀と銅の通貨を小袋にしまった。

アンカは他にやりたいことがある?↓1、2、3

※実験的に安価を三つ同時に取ってみます

アンカ「天馬召喚」

天馬「ヒヒーン」

ジル「わっ、急に何? なんで天馬?」

アンカ「召喚したくなったのです」

ジル「突然ね。てか部屋が狭いんだから外でやってよ」

アンカ「仕方ありません。天馬、外で待機」

天馬「ヒヒン」

ジル「もう、あんなの呼び出してどうするのよ」

アンカ「移動手段にでも荷物持ちにでも使えます」

ジル「仮にも天馬って高位の幻獣よね。それを駄馬扱いって……」

アンカ「どうせワンウィークの使い捨てです」

ジル「私が言えた義理じゃないけど、使い魔の扱いが雑ね」


アンカは他にやりたいことがある?
(特にないなら出発でもいいです)
↓1、2


今日はもう寝るでよ。おやすみ。

アンカ「ジル、一度外に出てもらえませんか」

ジル「ん-、どうしてよ。もう出発するの」

アンカ「まあそのようなものです」

ジル「はっきりしないのね。まあいいわ、任せたのは私だし。よっこせ」

アンカ「では、外に出たら少しだけ離れて」

ジル「この位かしら」

アンカ「ありがとうございます。――家を収納」

ジル「!?」

アンカ「やはり家ごと持ち運ぶのが一番楽ですね」

ジル「いや、え!? 家が消えたんだけど!」

アンカ「家を召喚対象として契約を結び、亜空間へ待機させました」

ジル「さらっととんでもないことを。てか言ってる意味がちょっと分からないわ」

アンカ「空間の召喚は身近にもあります。聖域の展開や冥府の顕現など」

ジル「原理はわかったかも。身近には無いと思うけどね」

アンカ「今後必要とあらば召喚しますよ」

ジル「それが出来るなら今までゴソゴソ準備してたのは何だったのよ」

アンカ「始めは真面目に旅支度するつもりだったのです」

ジル「なんでやめちゃったのよ」

アンカ「面倒くさくなっちゃいまして」

ジル「……精霊って召喚師に似るのかしら」

アンカ「最後に持ち物の確認をお願いいたします」

ジル「家ごと持ち運ぶなら確認も何もないじゃない」

アンカ「家を内装含めて召喚物として契約しましたので」

ジル「何が問題なのよ」

アンカ「簡単に言うと家の中のものは家の中でしか使えなくなりました」

ジル「ピンとこないわね」

アンカ「例えばクローゼットの中にある服は着たまま外に出ると消えます」

ジル「なるほどね」


アンカ「そういうわけで確認を」

ジル「わかったわ」

アンカ「……」

ジル「食料と水はあるのね。良かった」

アンカ「……」

ジル「お金もあると、って、何この服!?」

アンカ「可愛らしいでしょう?」

ジル「無理なんだけど! 私、こんな服着れないけど!」

アンカ「似合うと思いますが」

ジル「似合うとかじゃなくてさ! 恥ずかしいのよ!」

アンカ「私に任せたのですから、私の趣味だって混じります」

ジル「……うう、変態」

旅の支度が整ったアンカ達。

屋外に出るとそこは木漏れ日の射す森の中だった。

風にそよぐ枝葉。

遠くを流れる小川の音。

召喚したきり放置していた天馬が草を食んでいる。

倒木の影から小動物が顔を出し、アンカたちのやり取りを眺めていた。

闘技場のある街は南らしいが、正直どこに行こうと自由だ。

ジルは文句言うかもしれないけどね。

アンカはどうする?↓1


アンカ「では出発しましょう」

ジル「今のところ目的地は闘技場のある街でいいのかしら」

アンカ「その予定ですが、行きたいところがおありで?」

ジル「確かお師匠が南の街道から外れた森にエルフがいると言っていたわ。折角だし会って見ましょ」

アンカ「彼らの集落があるのですか?」

ジル「そこまでは聞いてないの。隠者みたいなエルフが一人かもしれないし、森全体が街になってるのかも」

アンカ「どちらにせよ尋ねてみる価値はありそうです」


アンカたちは森を南下し、街道に出て、さらに脇にそれてエルフがいるという森へ向かった。

エルフのいる森はどんな景色で、エルフの規模(隠れ家一つ、集落、街など)はどのくらいだった?
↓1

エルフの森でひとまとまりの話になりそうだし一旦区切ります。
グッナイ。

アンカ「霧が濃くなってきましたね」

ジル「植生も緯度や気候で説明付かないくらい変わってきてるわね」

アンカ「ええ、この巨木の並ぶ様、森というより塔の並ぶ平原ですね」

ジル「そうね。……で、もしかしてだけど私たち」

アンカ「エルフの迷いの結界に阻まれていますね。どうも同じ場所を歩かされているようで」

ジル「言っとくけど私、精霊使役以外の魔術なんてほとんど知らないからね」


エルフの森に来たはいいが、迷いの結界に阻まれてしまった。
アンカはどうする?↓1

トリテスト

アンカ「おや、この気配は」

ジル「間違いなく精霊のものね。今までどこにいたのかしら」

アンカ「図ったようなタイミングですね」

ジル「全くの偶然かもしれないわ。なんにせよ丁度いいじゃない」

アンカ「そうですね。この森に住まう精霊なら結界の突破方法も知っているかもしれません」

ジル「会いに行きましょ。えーっと、気配はこっちね」

……少し歩いて……

アンカ「これはこれは、樹木の精霊ドライアードですね」

ジル「緑の肌。樹木に埋まった下半身と、豊かな女性的上半身。うん、ドライアードね」

アンカ「大きいですね」

ジル「まさか巨木そのままのサイズのドライアードがいるなんて思ってなかったわ」

ドライアード「うふふ、お客さんなんて珍しわね。森に迷ったなら出口はあっちよ?」


精霊の気配を追ってみれば、巨木に勝るとも劣らない、見上げるほどのドライアードがいた。
アンカたちはどうする?↓1

アンカ「始めましてドライアード。実はエルフの集落をさがしてまして」

ジル「どうも結界に阻まれてるみたいなの。抜け道とか知らない?」

ドライアード「あら、結構率直に聞いてくるのね」

ジル「だってその方が手っ取り早いし」

アンカ「それで、ご存じなのでしょうか」

ドライアード「知ってるわ。だって私が結界の門番みたいなものだし」

ジル「ホントに!? じゃああなたに頼めばエルフの集落に入れるの?」

ドライアード「そういうこと。で、この世には入市税というものがあるのだけど」

アンカ「人間の街では税と言えばお金ですが、ドライアードだと何になるのでしょうか」

ドライアード「もちろん、↓1よ」

ドライアード「もちろん、上質な魔力よ」

ジル「上質って言っても色んな基準があるわよね」

ドライアード「ドライアードにとって上質って言ったら、高純度で清らかものよ」

ジル「霊峰の雪解け水とか、透明な宝石が孕んでいる魔力ね」

アンカ「例えば私などはいかがでしょうか」

ドライアード「悪くないとは思うけど、いまいち食指が動かないのよね」

ジル「家から持ってきた素材に丁度いい者無かったかしら」

ドライアード「……ありもので代用しようとしないでよ」

アンカたちはどうする↓1

1、ドライアドの満足するものを探しに行く
2、アンカの魔力を渡す 【コンマ60以上で成功】
3、家から持ってきたもので丁度いいのがないか試す 【コンマ80以上で成功】
4、その他、自由 

アンカ「少々お待ちください。私にいい考えが」

ジル「いいじゃないアンカちゃん、やってみるといいわ」

アンカ「天使召喚」リンゴーン

ジル「え、なにこの荘厳な鐘の音は」

ドライアード「木洩れ日とは違う光が差し込んできましたね」

ジル「キトンを纏った美女が降りてきた……」

ドライアード「とても聖なる力を感じます」

アンカ「ご紹介いたします。私の知り合いの天使です」



天使を召喚したアンカ
天使の見た目と性格は?↓1
天使でどうやって問題を解決する?↓2

天使「やあ皆さん、初めまして! 天使だ!」ムキッ

ジル「うっわ、美女かと思ったら中性的なだけだったわ。凄い筋肉だし」

ドライアード「私と同程度の体躯とあってインパクトが強いですね」

天使「上腕二頭筋、触るかい?」

ジル・ドラ「「遠慮しときます」」

アンカ「天使殿、折り入って頼みが」

天使「何でも言ってくれよ。僕と君の仲だからね」

アンカ「ここで本気の筋トレをしてください」


天使「頼まれるまでもないね!」

フン!フン!フン!

ジル「えっと、なんで急に筋トレ?」

アンカ「まあ見ていてください」

フン!フン!フン!

ジル「なんか、むわっとしてきたわね」

アンカ「森の霧に紛れてわかりづらいですが、彼から放たれる熱気が立ち込め始めましたね」

ドライアード「んっ……!? こ、この感じは……!?」

ジル「どうかしたの? 大丈夫?」

ドライアード「認めがたい。大変認めがたいですが、上質な魔力が満ちて来ています」

ジル「うそ、それってつまり」

ドライアード「彼の気化した汗は霊峰の雪解け水に勝るとも劣らない高純度の魔力を含んでいます」

ドライアード「悔しい、でも吸収しちゃう」

ジル「釈然としないけど、これで通れるようになるなら文句ないわ」

アンカ「さあ、迷いの結界の抜け道を教えてきただけますね?」

ドライアード「ええ、約束ですもの。どうぞ」


ドライアードが根と一体化したような太ももを上げると、そこには巨木の内側に続く小道があった。

どうやらそこが結界を抜ける正しい道らしい。


ジル「まさか目の前に抜け道があったなんてね」

アンカ「灯台下暗しと言います」

ジル「何それ、聞いたことない格言ね。でも的を射た言い回しだわ」

天使「また会おう、友よ」

天馬「ヒヒーン」

アンカ「ええ、いずれ」



アンカたちは天使とすっかり忘れられていた天馬に別れを告げ小道へ入った。

小道は薄暗く、土と気の匂いに包まれていた。

アンカたちは光る苔の灯りを頼りに進み、ついに小道を抜けた。


ジル「ここがエルフの集落なのね」

アンカ「素晴らしい光景ですね」


集落は巨木の森をそのまま街にしたような作りをしていた。

巨木の幹には巻き付くように階段が取り付けられ、ウロを利用した部屋がいくつもある。

枝と枝の間を繋ぐ吊り橋は往来するエルフで賑わっている。

そしてエルフの営みに混じり、数多くの精霊たちが飛び交っていた。

続きは明日にしますん。


アンカ「思っていた以上に賑やかですね」

ジル「エルフ以外の種族もいるじゃない」

アンカ「ほとんどが商人のようですから、何かしら交易の許可を得ているのでしょう」

ジル「エルフって聞いてたほど閉鎖的じゃないのね」

アンカ「それにしても活気があります」


ジルたちはエルフの集落を当てもなく歩いた。

誰もが穏やかな表情をして、明るい雰囲気を纏っている。

露店では千差万別の品が売りに出され、ビアガーデンならぬミードガーデンでは酒宴が開かれていた。

活気だけを見れば交易都市の市場にも勝るとも劣らない。


アンカ「この浮かれた雰囲気は、常のものではなさそうですね」

ジル「お祭りでもあるのかしら。こっちまで楽しくなってきたわね」

アンカ「どこか寄りますか?」

ジル「そうね、折角だもの」



アンカたちはどこで何をする?↓1

ジル「魔術師としてはまず魔術関連の店に行かないとね」

アンカ「目当てのものでもあるのですか?」

ジル「特にないけど、エルフの扱う魔術って気になるじゃない」

アンカ「そういうものなんですかね」


ジルたちは魔術関連のお店を冷やかした。

市場に無数に並ぶ天幕を這っただけの露店。

ウロの中に作られた個人店。

巨木一本を店舗に改装し、根の又に両開きの扉を付けた商会の大店。

魔法の店は取り扱う専門分野や立地、規模など多種多様で見るに飽きなかった。


アンカ「随分回りましたが、お気に召したものはありませんでしたか」

ジル「いくつかあったけど、最初は一通りお店を回りたいじゃない?」

アンカ「ではこれから本格的に買い物ですね」

ジル「ええ、目を付けたお店があるからそこまで戻るわよ」



ジルが目を付けたお店は、どんな魔術を専門に扱う、どんな立地のお店か
↓1

アンカ「ここがお目当てのお店ですか」

ジル「そ、雰囲気もいいし、何より漂う魔力の質がいいのよね」


ジルが扉を潜ったのは巨木の根元を利用した半地下のアクセサリーショップだった。

短い階段を降ると、薄暗い店内だ。

照明を当てられた陳列棚が暗がりの中に浮かび、その周囲を客の影が動いている。

お洒落で落ち着いた雰囲気のお店だった。


ジル「装飾のセンスもいいし、魔術的な処理も丁寧なのが見てわかるわ」

アンカ「なるほど」

ジル「いくつか欲しいのがあるけど、手持ちが足りるかしら」




ジルたちの手持ちは?
↓1 隠れ家から持ってきた小銭 コンマ×1000(00は100)

隠れ家から持ってきた魔術の素材を売り払うか?
↓2 売り払うコンマ×2000 もしくは売らない


ジル「199000コンマね。それなりの金額になったんじゃないかしら」

アンカ「隠れ家から持ってきた魔術媒体が高値で売れました」

ジル「ちゃんと見る目もあるんだから、やっぱりこのお店はアタリね」

アンカ「それで、どの品物がお目当てなのですか?」

ジル「えーっとねえ……」



どんな見た目でどんな効果のアクセサリーを買ったか
↓1 所持金からコンマ×1000お支払い

悪意のある攻撃を反らす効果のある指輪(回数は有限)

ジル「これとか気に入ったわ」

アンカ「♂と♀の意匠が組み合わさったペンダントですか。赤い宝石がワンポイントですね」

ジル「効果も使い勝手がよさそうよ。性転換するの」

アンカ「ほほう」

ジル「女の一人旅だとトラブルも多そうだし、いいものを見つけたわ」

【性転換ペンダントお買い上げ】

【所持金199000→194000】

ジル「所持金が結構余ったわね。もう少し買おうかしら」


まだ買い物を続けるか。
↓1
①新しい候補のアクセを買う(見た目と効果記述、コンマ×1000お支払い)
>>80のアクセを買う(83000消費)
③買わない

ジル「奮発してこっちも買ってしまいましょう」

アンカ「シンプルな銀の指輪に見えますが」

ジル「これは悪意に反応して脅威を反らす効果があるわね」

アンカ「わかりやすく強力ですね」

ジル「でも回数有限で使い切りみたい」

アンカ「使い切りですらこのお値段とは、効果を思えば打倒なのでしょうか」

【悪意反らしの指輪をお買い下げ194000→111000】

ジル「これで安心して旅ができるわね」

安価入れるの忘れた。
ジルは性転換の指輪を使うか?
使う対象はアンカでもいい。
使った後の見た目はどんな感じか。
↓1

ジルの元の見た目描写してなかった。

なので安価します。

ジルの元の見た目↓1

今夜はここまでで。
ジルの見た目の安価は「このまま描写しない」というのも選択肢に入れてください。
おやすみ。

ジル「どう? 性転換の指輪を使ってみたんだけど」

アンカ「筋骨隆々で実に頼りになりそうですね。服も男性のものに変わったのは驚きです」

ジル「鏡ないかしら。私も見たい」

アンカ「こちらに姿鏡がありますよ」

ジル「……え、思ってたよりおっさんじゃない」

アンカ「髭がチャーミングでよいと思いますが」

ジル「うぅ……、まあこの見た目なら厄介ごとの方から避けてくれそうだからいいけど」

アンカ「どうせなら喋り方も変えてみては?」

ジル♂「む、こうか?」

アンカ「完璧です」

ジル♂「買い物はこんなものか」

アンカ「次はどこへ行くのですか?」

ジル♂「ん~、特に考えてはいない。お店を出てから考えるとしよう」


ジル♂たちは根元の宝飾品店を退店することにした。

短い階段を昇り、薄暗い店内から木漏れ日の射すエルフの集落へ出た。


アンカ「おや、何やら盛り上がっていますね」

ジル♂「そう言えば、なぜ集落が盛り上がっているのか知らぬままだったな」

アンカ「何の催しが行われているのでしょうか」



エルフの集落が盛り上がっている理由は?
(収穫祭、誰かの結婚式、何かの大会など)
↓1

ジルたちの会話を小耳にはさんだのか、エルフの男性が話しかけてきた。


エルフ「おや、旅人さん、知らずにいたのですか?」

ジル♂「ああ、何か祝祭でもあるのか?」

エルフ「私たちエルフの信奉する神に感謝を捧げる日です。年に一度の大祭ですよ」

アンカ「丁度いい時期に訪れたようです」

ジル♂「そのようだな。失礼だが私はエルフの神についてよく知らん。ご教授願えるか」

エルフ「もちろんですとも。私たちエルフの神は……」



エルフの神の名前や見た目、権能など
↓1

さっき性転換の指輪って描写したけど正しくはペンダントです

エルフ「私たちの神はエリュシオン。3対6枚の翼を持つ生命の神です」

ジル♂「エリュシオン……。確か楽園の名前がそうだった気がするが」

エルフ「博識なのですね。そうです、エリュシオンは存在するだけで清浄な領域を作ります」

アンカ「存在そのものが楽園なのですね」

エルフ「ええ、そしてエリュシオンの恩恵を受けた我々は死を遠ざけ長い寿命を得たと伝えられています」

ジル♂「なるほどな。それで、エリュシオンを讃える祭りとは何をするのだ」

アンカ「神を奉じる儀式なども執り行うのでしょうか」

ジル♂「一般人でも参加できるのならぜひ参加したいが」



エルフのお祭りの日程は?
前夜祭、儀式、供物、巫女など祭りの内容と関わるものは?
↓1

エルフ「エルフの祭り、エリュシオン奉神祭は1週間かけて執り行われます」

エルフ「始めの三日は前夜祭。街を飾り音楽を奏で集落全体で楽しみます」

エルフ「四日目から六日目まではメインイベントである舞闘祭」

エルフ「エリュシオンは英雄を好むため、舞闘祭の優勝者はその年の神子として祭祀の重要な役割を担う栄誉を得ます」

エルフ「ちなみに舞闘祭はエルフでなくとも参加可能です」

ジル♂「それだと部外者が神子になってしまうのではないか?」

エルフ「洗礼を行い、エルフの一族として認めるのです。僅かですがエリュシオンの加護も得られますよ」

アンカ「もしやエルフの一族に選ばれたものは、エルフの結界も素通りできる、とか」

エルフ「それどころか、神子を務めたものとしてエルフの尊敬を集めますよ」

ジル♂「ほお。舞闘祭に参加するにはどうしたらよい」

エルフ「集落の中心に聳える御神木の根元で受付を行っていますよ。ちなみに締め切りがもうすぐです」



ジルたちは舞闘祭に出場するか↓1
今日はこれで終わり

エリュシオンの御神木は集落のほぼ中心にあった。

周りの巨木と比べて一回り大きい。

巨木の前に開けた空間があり、結界魔術の準備もされていることからここが会場なのだと分かる




アンカ「どうやら受け付けはあちらの様です」

ジル♂「他種族の参加者も意外と多いが、やはりエルフが一番比率が高いな」

アンカ「私たちも申込に向かいましょう」

ジル♂「ああ、だが少し待て」

アンカ「いかがされました?」

ジル「男口調で喋るの疲れた。もとに戻すわ」

アンカ「男の見た目のが周囲を威嚇できましたのに」

ジル「見た目だけ強そうでも意味ないじゃない」



ジルたちは申し込みの列に並んだ。

申込の列で、注目すべき参加者の噂を聞けた。

注目すべき参加者の情報は?↓1,2,3
名前、見た目、得意戦術など

今日は短くて悪いけどこれだけで。また明日

アンカ「どうやら注目すべき選手が三人ほどいるようですね」

ジル「ニノン、チカ、クロード。覚えたわ」

アンカ「っと、そうこうしてるうちに順番周ってきましたよ」

受付「大会への参加希望でしたら、こちらへ記名の上、10000コンマのお布施を」

ジル「お金取るのね。ま、いいけど」

【所持金 111000→101000】

受付「上位入賞を果たせば賞金が出ますから、頑張ってくださいね」

ジル「図らずとも当初の目的が果たせそうね」

アンカ「任せてください。ファイトマネーは私がいただきます」


申込を終える頃には夜の帳が降りていた。
エルフの集落に繁茂する苔や菌糸類が淡い光を放ち、幻想的な光景を作り出していた。
集落を探索してもいいし、明日に備えて宿を取ってもいい。


アンカたちはどうする?
↓1

ジル「それにしても、エルフの集落の夜って綺麗ね」

アンカ「結界で外界と壁があるからでしょうか。どこか浮世離れしていますよね」

ジル「ねえ、探せば絶景が見れる場所とかあるんじゃない?」

アンカ「エルフの集落に来たのですからすぐに宿へ戻るのも味気ないですしね」

ジル「じゃ、夜の散歩がてら景勝地探索と行きましょうか」


アンカたちが見つけた絶景とは↓1

集落から少し離れた場所まできたアンカたちは、まさに絶景というべき光景を目の当たりにしていた。

湖、それも透き通った青い湖だ。

湖畔に打ち付ける水の音だけが聞こえる静寂の空間で、ほのかに甘い香りがするのは、宙にゆったりと浮かぶ花の所為だろうか。

花はそれ自体が光を放ち、舞った花粉が燐光となって空間を輝かせる。

ジルがおもむろに裸足になって、誘われるように湖へ足を向けた。


ジル「……冷たくて気持ちいわね」

アンカ「ええ」

ジル「……」

アンカ「……」

ジル「アンカちゃん、私に使役されて、どう?」

アンカ「どう、とは」

ジル「ほら、私ってグータラするために精霊召喚を会得したけど、精霊的にはどうなのかなって」

アンカ「目的はともかく、選択を丸投げしてくれるのは安価の精霊たる私としてはありがたいですね」

ジル「だったら、よかったわ」



しばらく湖に浸っていたアンカたち。
少しだけ本音で語り合い、一人と一体の絆が少し強まった気がした。


湖では他にイベントが起こる?
もしくはやりたいことがある?
↓1


ジル「…………」

アンカ「おや、眠ってしまったようですね」


気が付くとジルは眠っていた。

湖畔で半身を水にさらした状態で穏やかな寝息を立てている。


アンカ「気持ちはいいでしょうが、流石に風邪をひいてしまいますね」


アンカは実体化すると、ジルを起こさないように抱え上げた。

そして、魔法でジルの服を乾かすと、近場で部屋の開いていた宿に泊まった。

【宿代2000コンマ 所持金101000→91000】


ジル「私、いつのまにベッドに戻ったんだっけ」

アンカ「僭越ながら私が運びました」

ジル「そうなのね、ありがと」

アンカ「礼には及びません。毎日踏んでいただけるという約束さえ守って下されば」

ジル「その約束まだ生きてたのね……」

アンカ「さあ」

ジル「ほら、これで満足?」

アンカ「ああ、良い」

朝の一幕を終え、宿で朝食をとる。

エルフの森で取れた果実を乾燥させたものと、小麦粉をカリカリに焼き固めたチップ。

それを乳に浸しただけの料理だったが、朝でも食べやすく、意外にもお腹に溜まった。



ジル「さて、今日は舞闘祭初日ね」

アンカ「さしずめ予選と言ったところ。難なく突破したいものです」



ジルたちは昨日訪れた巨木の前に赴いた。

既に結界魔法で区切られた舞台が出来上がっており、周囲を観客が囲んでいる。

そしれ群がる観客を狙って、露店や売り子も活動していた。

舞闘祭は滞りなく進み、ついにアンカたちの番がやってきた。


助祭エルフ「予選n試合目、ジル対青年エルフ!」

アンカ「ついに私たちの番ですね」

ジル「アンカちゃん頼んだからね。戦う術がないわけじゃないけど、私そんな強くないから」

青年エルフ「よ、よーし、頑張るぞ」


【青年エルフ】
体力:1
装備:なし
特殊能力:ビギナーズラック
コンマ1~9の場合10倍の数字として判定する。

【ジル&アンカ】
体力:3
装備:性転換ペンダント、悪意反らしの指輪(試合では"悪意"は無いので作動しない)
特殊能力:?



ジル「相手はほとんど素人みたいね。どうやって戦うか予定はあるの?」

アンカ「軽く準備運動できればよいかと」


アンカはどうやって戦う?
特殊能力の名前、効果↓1

青年エルフのビギナーズラックみたいに、コンマ判定勝負するときに使う効果を考えて欲しい。

あと、戦闘ルールを説明している描写を抜いちゃってたから>>112>>113の間に脳内補完しといてください。




司祭エルフ「豊かな実りと常の安寧をもたらすエリュシオンへ感謝を……」

長い神官エルフの語りを聞き、厳粛な雰囲気の中、儀礼を見守ると、ついに舞闘祭の始まりである。

助祭エルフ「舞闘祭のルールを説明させていただきます」


戦闘のルール

1,コンマの大小を競い、値の低い方に1ダメージ
2,先に体力がゼロになったら負け
3,特殊能力はすべての判定に優先する

コンマ判定時の効果だけ再安価します↓1

アンカ「万全を期して分割行動します」

ジル「体を分割して動かすなんて器用な事出来たのね」

青年エルフ「自在に動くこぶし大の岩が二つ、術者を守るように本体。厄介だ」

助祭エルフ「両者、位置について。エリュシオンの御名の元、正々堂々戦うように」


助祭エルフ「……始め!」



アンカのコンマ↓1
青年エルフのコンマ↓2

【アンカ51 青年エルフ22】
【青年エルフ 体力0】


青年エルフ「クッ……、ち、近づけない!」

アンカ「方々から迫る岩を捌くので精いっぱいのようですね」

青年エルフ「はあ、はあ、魔法をっ、唱えるっ、暇もない!」

ジル「獲物はエルフ特有の短剣なのに、よくあの速度の岩を弾けるわね」

アンカ「エルフは目がいいですからね、うまく刃の上を滑らしているのでしょう」

ジル「素人だと思ってたけど、奥の手とかあったらいやね」

アンカ「早めに終わらせましょう」

青年エルフ「っ!! ぐふぅ!!」


腹部に岩が直撃した青年エルフは、悶絶し立ち上がれなくなった。


助祭エルフ「勝負あり! 勝者ジル!」

今日は青年エルフとのチュートリアル戦闘で終わり。
明日は安価で募集したキャラと戦闘しようと思います。

猛者三人の得意戦術(特殊能力)の効果を安価しておくのでよかったら踏んでおいてください。

名前:ニノン
容姿:エルフ耳に銀の三つ編み、巨乳
得意戦術:魔法砲台
特殊効果の名称、効果↓1

名前:チカ
容姿:ミニスカメイド服猫耳獣人ロリ巨乳
得意戦術:水魔法を応用した幻術による撹乱を用いた双短剣術
特殊効果の名称、効果↓2

名前:クロード
容姿:人間の青年、騎士の着るようなかっちりとした鎧を着ている
得意戦術:2本槍+魔法
特殊効果の名称、効果↓3

水鏡
自分のコンマの1の位が5以上(5,6,7,8,9)で相手コンマ優位だった場合、追加判定を行い
30以下だった場合は相手の攻撃が外れる

二回判定は試しにやってみる。冗長になるようなら次からは考えます。
今回は>>126のままで。

あと、対戦相手はコンマの低い順に出すことにします。
チカ、ニノン、クロードの順ですね。


初日を難なく勝ち上がったジルたちは、宿屋で食事をとっていた。

献立はキノコのクリームスープと癖のないパン。

メインは草食獣の肉を焼き香草をまぶしたものだった。


ジル「初日はあっさりしたものだったわね」

アンカ「初戦の青年エルフが一番強かったくらいですね」

ジル「賑やかしとか腕試しって感じでの参加者も多かったから、初日は祭りの続きって感じなのかしら」

アンカ「今日で素人は振り落とされたでしょうから、二日目は油断できないでしょう」

ジル「そういえば、もう明日の対戦相手は決まったんだっけ」

アンカ「たしか……」

チカ「……私」

会話に割り込んできたのは、メイド服を着た少女だった。

頭上の三角形の耳を見るに、猫人(ミアキス)だ。


チカ「……あと、デザートの果実タルト、お待たせ」

ジル「あ、どうも」

アンカ「先ほどの対戦相手があなた、というのは?」

チカ「……そのままの意味、私が明日の初戦の対戦相手」

ジル「子供の給仕さんにしか見え……、なくはないわね、その胸」

チカ「……そう、私は立派な大人。……ただ身長に回す栄養を胸にとられただけ」

アンカ「見たところ猫人のようですが、エルフの里で働いているのですか?」

チカ「……普段は、メイド。……日銭を稼ぐために短期労働してる」

ジル「舞闘祭に出るためにわざわざ主人に暇を貰って来たってこと?」

チカ「そう、私は舞闘祭で勝つために来た」

ジル「メイドならお給金は十分よね。じゃあ目的はファイトマネー以外かしら」

チカ「私の目的は……」


チカが舞闘祭に出る目的とは?↓1


チカ「……私の目的は強者を倒し、這いつくばらせること」

ジル「何この子、やばい子じゃん」

アンカ「それにこういっては何ですが、あんまり戦えるようには見えません」

チカ「……ふっ、今日戦った人たちは、皆わたしを侮って負けた」

ジル「うわ、悪い笑顔。もしかしなくても楽しんでるでしょ」

チカ「……正解。……信じられないって表情で見上げる顔を踏んでやるのが快感」

アンカ「ごくり」

ジル「アンカちゃん、『ちょっといいかも』とか思ってないでしょうね」

アンカ「……まさか」

チカ「?」

チカ「そういうわけだから。明日はよろしく」

アンカ「こちらこそ、対戦よろしくお願いいたします」

ジル「いつもより張り切ってる……」


その日は早めに宿で眠り、次の日を迎えた。

舞闘祭、二日目。

素人の振るい落とされた舞闘祭は初日とは打って変わって見ごたえのある試合が多かった。

いくつかの試合が終わり、ジルたちの名前が呼ばれる。


助祭エルフ「両者、位置について」

チカ「……あなた達は強い。きっと踏んだら気持ちいい」

ジル「性癖の歪みっぷりがすさまじいわね。アンカちゃん、手加減しちゃだめよ」

アンカ「……はい」

ジル「なんで葛藤したのよ」

助祭エルフ「……はじめ!」



アンカのコンマ↓1
チカのコンマ↓2


ステータス表記忘れてた。


名前:チカ
体力:2
特殊能力:水鏡
自分のコンマの1の位が5以上(5,6,7,8,9)で相手コンマ優位だった場合、追加判定を行い
30以下だった場合は相手の攻撃が外れる

チカ「……水鏡」

アンカ「これは? チカさんが増えましたね」

ジル「水系の魔術を応用した攪乱ね。言うだけの実力はあるようだわ」

チカ「私を捉えられないと、あなた達に勝ち目はない」


水鏡判定↓1

31以上で成功

【アンカ79 チカ45】
【チカの体力 2→1】


アンカ「増えたのなら全て倒せばいいのです」

チカ「!? ……この岩、凄い速度っ。分身がっ」

アンカ「一撃当てれば霧散する分身で助かりました。あなたが本体ですね」

チカ「くっ、ううぅ。……まだ、これからっ」

アンカ「なるほど、青年エルフよりは体も鍛えているようです」

チカ「……猫人(ミアキス)の身体能力を舐めないで」


アンカのコンマ↓1
チカのコンマ↓2

【アンカ55 チカ86】
【ジル&アンカの体力 3→2】


チカ「ふっ!」

アンカ「早い!」

チカ「精霊術師の弱点は、術師本体」

ジル「ま、そう来るわよね!」

チカ「……へえ、思ったより、動ける」

ジル「伊達に、修行してないから!」

チカ「でも、甘い」

ジル「きゃあ!」

アンカ「大丈夫ですか!」

ジル「いったーい! 剣先かすったぁ!」

アンカ「すみません、不覚を」


アンカのコンマ↓1
チカのコンマ↓2

【アンカ28 チカ59】
【ジル&アンカの体力 2→1】

チカ「隙が増えてきた。そろそろ降参したら?」

アンカ「く、縦横無尽の動きについてゆけません」

ジル「空気中の水分を足場にして、立体的機動とか、信じられない!」

チカ「ほら、こっち」

アンカ「!?」

ジル「アンカちゃん、そっちは水鏡の分身よ!」

アンカ「ぐぅ!」

チカ「おしい。ギリギリで術師をかばわれた」


アンカのコンマ↓1
チカのコンマ↓2

【アンカ99 チカ10】
【チカの体力 1→0】

チカ「そろそろ終わらせる」

アンカ「なんと、さらに分身の量が増えて……」

ジル「移動速度も、肉眼じゃ追いきれないくらい!」

チカ「あなた達は強かった。だから、踏ませてもらう」

ジル「構えて、アンカちゃん!」

チカ「もう遅い」

アンカ「……そうでもありませんよ」

チカ「!?」

アンカ「ようやく捉えました」

チカ「そんな、私の最高速がっ……」

ジル「よくやったわ」

チカ「……放して! わっ、逆さにするとスカートが!」

ジル「散々双剣で刻んでくれちゃって、全身切り傷だらけよ」

アンカ「降参するなら今の内です」

チカ「……まだ負けてない。こんな拘束、すぐに抜け出せる!」

ジル「やっちゃって、アンカちゃん」

アンカ「はい」


実体化したアンカに足首を捕まえられたチカは、地面に叩きつけられて気を失った。


助祭エルフ「勝者、ジル!」

ジル「はぁ~、きつかったぁ」

アンカ「私ももっと成長しなければ」

キリがいいので今日はここまで。
折角ドラマチックなコンマだったのにストーリーに反映できない自分が恨めしいな。
文才欲しい。

それはそれとして、99だったし大きな勝負に勝ったからアンカの特殊能力を増やします。
コンマ勝負の時に使える能力を考えてくれたら幸い。


特殊能力の名前、効果↓1


チカ「きゅぅ~……」


完全にのびてしまった治癒術師に運ばれていった。

ジルも治癒術師に双剣でつけられた傷を塞いでもらった。


ジル「次の試合まで少し間があるのよね?」

アンカ「ええ。お昼を済ませて少し休むくらいには間があります」

ジル「どうやって暇をつぶそうかしら」



アンカたちは何かやりたいことある?
もしくは何かイベントが発生する?
無ければ次の試合へ。
↓1

ジル「これ美味しいわね」

アンカ「無発酵のパンに葉野菜と軽く火を通した肉を挟んだものですね」

ジル「エルフ特性の果実ソースが絶品なのよ。甘酸っぱくて」

アンカ「それはわかりますが、少し食べすぎでは?」

ジル「沢山血を流したからお腹が空いたのよ。体が求めてるの」

アンカ「であれば文句は言いますまい」

ジル「アンカちゃん、ちょっとミード買ってきてよ」

アンカ「今日はまだ試合が控えてますよ」


ジルたちがそんなやり取りをしていると、舞台の方から歓声が上がった。

どうやら人気の選手が白星を挙げたようだ。

その人物は美しい銀の髪を三つ編みにした女性だった。

ツンと尖った葉っぱのような耳はエルフの証だ。


ジル「へえ、あれが次の対戦相手でしょ?」

アンカ「そのようですね」

ジル「結構な魔術の使い手ね、彼女」

アンカ「わかるのですか?」

ジル「舞台に漂ってる魔力の残滓を見ればだいたいね」

アンカ「では挨拶がてら敵情視察でも行きますか?」

ジル「え~」

アンカ「行きましょう」

ジル「しょうがないわね」

アンカたちはなんと声をかける?↓1
続きは夜で


アンカ「お見事ですね」

ニノン「え、あっ、どうも……」

ジル「試合は見逃しちゃったけど、魔術の残滓を見ればその練度がわかるわ」

ニノン「あ、ありがとうございます。魔法だけは、昔から得意で……」

ジル「ちなみになんの魔術が一番得意なの?」

ニノン「えっと、それは……↓1」

ニノン「固めたり、柔らかくしたりする魔法、です」

ジル「珍しい魔法ね。変性術の一種かしら」

アンカ「シンプルながら応用力の高そうな魔法ですね」

ジル「確かにね。でも考えうる応用が全て実現できるかと言ったら別よね」

ニノン「そ、そうなんです! この魔法の難点ってまさにそこで!」

アンカ「急に声が大きくなりましたね」

ニノン「あ、う、すみません。私、魔法の話になるとつい」

ジル「気にしなくていいわよ。私も魔術師の端くれ。そういう話は好きだから」

ニノン「本当ですか?」

ジル「ええ、だからさっきの話、もっと聞かせて」

ニノン「はい!」



ニノン「という訳で、変性魔法の効果範囲に限界があることは理論上証明されてるんです」

アンカ「普通に興味深い話でしたね」

ジル「私は精霊術専門だけど、畑違いの分野の話も面白いわね」

ニノン「私もこんなに楽しく話せたのって初めてかもです」

アンカ「意外ですね。人によってはお金を払っても講義を受けたいと思うような内容でしたが」

ニノン「へへ、そう言ってくれると、嬉しいです」

ジル「じゃあ、また会ったらお話聞かせてね」

ニノン「はい!……あ、お名前聞かせてください」

ジル「私はジル。こっちの精霊はアンカよ」

アンカ「以後お見知りおきを」



ニノンと普通に魔法談議に興じ、情報収集もこなした二人
次は何をする?↓1
①自由安価
②ニノンとの試合へ

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