【アイマス】小鳥「キス我慢選手権!」 (66)
伊織「…って、何なのよ?」
小鳥「よく聞いてくれたわね、伊織ちゃん」
伊織「聞くしかないじゃない」
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小鳥「うちの事務所って仲が良い…いや、良すぎると思わない?」
伊織「良くないよりはいいじゃないの…」
小鳥「もちろんよ!でも、それにしても仲良すぎると思うの!」
伊織「まあね、普通はもっとギスギスするのかもしれないけど」
小鳥「となると…スキャンダルに発展したり…」
伊織「するかぁ!?女同士でどうなるってのよ!」
小鳥「そうならないとは限らないじゃない!このジェンダーレスの時代に!」
伊織「…まあ何人か怪しいやつはいるけど」
小鳥「だからこその『キス我慢選手権』よ!」
伊織「だからその『キス我慢選手権』ってなんなのよ?」
小鳥「その名の通り、10分間『キスを我慢する』だけの大会よ。スキャンダルの心配がないならキスを我慢するのなんて簡単でしょ?」
伊織「そもそも『我慢』するのかしら?」
小鳥「というわけで、最初の挑戦者はこちらの方です!どうぞ!」
ガチャ
千早「え?もう入っていいんですか?」
伊織「…あぁ」
千早「どうしたの?水瀬さん」
伊織「いや、ちょっと危ないかもって…」
千早「危ない?何がかしら?」
小鳥「実はね…」
カクカクシカジカトカトカチッチッ
千早「なるほど、『キス我慢選手権』ね…」
伊織「意外とあっさり納得するのね…」
千早「相手は高槻さんではないのなら余裕よ」
伊織「やよい相手に何する気よ!」
千早「冗談じゃない」
伊織「冗談に聞こえないのよ!」
小鳥「そうと決まれば千早ちゃん、となりの部屋に向かって。相手の子が待ってるわ」
千早「はぁ…まぁなんでもいいですけれど」
小鳥「因みに10分間我慢しきれたら、プロデューサーさんにお願いして好きな番組にキャスティングしてもらえるわよ」
千早「本当ですか!?『とときら学園』に出られるんですか!?」
伊織「そこは『オールドホイッスル』とかじゃないの!?」
千早「あ、そっちは実力で出るから…」
伊織「本当に腹立つわね!」
千早「それでは、行ってきます!」
ガチャッ
伊織「行っちゃった…」
小鳥「それじゃあ後はこっちのモニターで…」
伊織「なんでそんなに準備万端なのよ…」
小鳥「因みに千早ちゃんのお相手は…」
ガチャッ
千早「失礼しま…」
美希「あふぅ…あれ?千早さん?」
千早「美希?」
小鳥「美希ちゃんでーす」
伊織「意外ね…千早の言う通り、やよい、もしくは春香が相手かと思ったけど…」
小鳥「あ、その二人とは多分普通にキスしてるから今回は外しました」
伊織「いや、そんなわけ…ないとも言い切れないわね…」
千早「美希はどうしてここに?」
美希「なんか小鳥にここにいるように言われたの」
千早「ふぅん…そう…」(ということは美希が相手なのね)
伊織「でも美希で大丈夫なの?千早が興奮する対象って、春香みたいな包み込む母性のあるやつかやよいみたいに小さい子じゃない?」
小鳥「伊織ちゃんも言うわね…確かにそうなんだけど、まあ見てみて」
千早「…」
美希「…」
伊織「いや、気まず!?」
千早「…」スッ
伊織「出会って1分も経たないうちから音楽聴き始めるんじゃないわよ!?コミュニケーション能力どうなってんのよ!?」
小鳥「ふふ、ここまでは予想通りよ」
美希「千早さーん!」ピトッ
千早「え、え?な、何かしら?」
美希「何聴いてるの?」
千早「え、えっと…次の新曲の…」
美希「新曲!?千早さん新曲出すの!?」
千早「え、えぇ、来月だけど…」
美希「いいなぁ!絶対聴くの!」
千早(ち、近い…)
伊織「なんで美希はこんなに千早に積極的なの?もしかして、あんたが指示を…」
小鳥「いいえ、そんなことしたら拍子抜けじゃない。ただ直前に一週間泊まり込みのロケに行ってもらって、人肌恋しくしただけよ」
伊織「やることが一々ゲスいわね…」
美希「ミキにもイヤホン貸してほしいの!」
千早「じゃあ…はい、どうぞ」
美希「ありがとうなの!」
千早(しまった!イヤホンを半分こするということは…)
美希「ふんふふんふふふーん♪」スリスリ
千早(更に距離が…というか、頬を擦り付けているような気が…)
小鳥「流石765プロ一の小悪魔ね…こんなのもうガッとやってチュッと吸ってはぁぁぁあんじゃない…」
伊織「そうはならないでしょ」
千早(くっ…悔しいけど当たる胸の柔らかさもなんだか変な気分になるわね…)
美希「…にへへ」
千早「ど、どうしたの?」
美希「ん~?千早さんの髪の毛くすぐったいの」
千早 ドキッ
小鳥「近い近い近ぁぁぁあい!ちょうど美希ちゃんの顔が少し下にあるポジショニングも完璧ぃぃぃぃい!」
伊織「…ちょっと美希も心配ね」
千早(何!?何のドキッなの!?さっきからなんかいい匂いするし!)
小鳥「因みに仕掛け人側の子たちには直前にお風呂に入ってもらってます。いわゆる『後はヤルだけ』の状況…」
伊織「アイドルにさせる企画じゃないってことは確かね」
美希「ん~♪んへへへ♪」
千早「も、もう、どうしたのよ美希?」
美希「ん~♪ミキね、千早さん好きなの~」
千早「えっ?」ドキッ
美希「にへへ~♪千早さんがお姉ちゃんならな~」
千早 チュッ
美希「ん?」
小鳥「ありがとうございまぁぁぁあす!」(はい、アウトぉぉぉお!)
伊織「多分だけど、逆よ。あ、すいません警察ですか?」
小鳥「ちょ、それはやめてあげて!」
伊織「だったら早く回収してきなさい!手遅れになる前に!」
小鳥「は、はいぃい!」
伊織「全く…危ないところよ、事務所から逮捕者が出るところだったわ」
小鳥「でもこれで私の説の正しさが立証されたでしょう?」
伊織「たまたま事務所に変態が一人いただけよ。他のメンバーは大丈夫…」
小鳥「そういうと思って、二人目は…」
ガチャッ
雪歩「おはようございますぅ」
伊織「あっ…」
雪歩「今日は小鳥さんに呼ばれたんだけど…」
伊織「帰りなさい!いや、お願いだから帰って雪歩!」
小鳥「よく来てくれたわね、雪歩ちゃん。今日はね…」
カクカクシカジカトカトカチッチッ
雪歩「なるほど、『キス我慢選手権』…まぁ、真ちゃんじゃなければ余裕かな…」
伊織「そうやって限定する時点でダメじゃない!」
小鳥「その点はこっちも流石に考慮してるから大丈夫よ!因みに10分間我慢できたらプロデューサーさんにお願いして好きな仕事を入れてもらえるようにするわよ」
雪歩「え!?それじゃあ待望の私プロデュースの真ちゃん写真集を作ることができるんですか!?」
伊織「裏方!?自分の仕事ですら無いの!?」
雪歩「私頑張りますぅ!」
ガチャッ
伊織「…行っちゃった」
小鳥「さあ、モニターを見るわよ!」
ガチャッ
雪歩「し、失礼しま~す」
小鳥「雪歩ちゃんのお相手は…」
真美「…」
小鳥「真美ちゃんでーす!」
雪歩「ま、真美ちゃん?」
真美「…」
小鳥「あれ?」
真美「…」
雪歩「真美ちゃーん?」
真美「…」
伊織「ちょっと、何かおかしく…」
真美「zzz…」
雪歩「もしかして…寝てる?」
小鳥「しまった!?待機時間が長すぎたから寝ちゃった!」
伊織「バカじゃないの!?」
小鳥「今思えば美希ちゃんも千早ちゃんが入ってくるまでは昼寝してたし…」
伊織「そら一週間のロケ終わりにお風呂入れられたら寝るわよ!」
真美「すぅ…すぅ…」
雪歩「ふふふ、気持ち良さそうに寝てる…」
伊織「まあこの状態じゃあキスは…」
雪歩「可愛い…」
伊織「は?」
小鳥「おっと、これは…?」
真美「すぅ…すぅ…」
雪歩 プニッ
伊織「ちょっと!?あの女触ったわよ!真美の頬を!」
真美「んへへ…」
雪歩「ふ、ふふ…」
小鳥「これは予想外ね…美希ちゃんと同様、小悪魔的な『攻め』を意識したキャスティングだったけれど、意図せず眠りに入ったことで、純粋な可愛らしさ、無垢さ、つまり『受け』で勝負に出ている…」
伊織「いや、真美に勝負してる自覚無いでしょ」
雪歩「うわぁ、ぷにぷにだぁ…」
真美「んっ…」
小鳥「いつも悪戯されて、どちらかというと『受け』のイメージの強い雪歩ちゃんだけど、いつもの仕返しとばかりに『攻め』てるわね…」
伊織「それだけ聞いたら最低だけどね」
真美「うーん…」
雪歩「あ、真美ちゃん、お腹がはだけて…はだ…けて…」
伊織「危ない!危ない!あいつ、キスする前に手出すんじゃないの!?」
小鳥「さ、流石にそれは…」
雪歩 ゴクリッ
伊織「ゴクリッ…じゃないのよ!」
小鳥「え?ちょっとこれ、大丈夫よね?まだ大丈夫なのよね?法は犯してないのよね?」
雪歩「これは合法これは合法これは合法これは合法これは合法…」
伊織「怖い怖い怖い怖い!?」
小鳥「普通に服を直してあげてるだけなのに、目がキマってるわね…」
真美「ん~」グイッ
雪歩「え、ちょっ…うわぁ!?」
小鳥「おっと!?ここでまさかの真美ちゃんからのアクションが!?」
真美「ん~…」
雪歩「ちょ、ちょっと、真美ちゃん?」
真美「zzz…」
伊織「寝ぼけて雪歩に抱きついたまま寝てるわね…」
真美「すぅ…すぅ…」
雪歩「…可愛い」
伊織「危ない危ない危ない危ない!?」
小鳥「もうこれ止めた方が…」
雪歩 ペロッ
伊織「ちょっと!?舐めたわよ!この女!?」
小鳥「あぁぁ!?そっち!?そっちなのね!?」
雪歩「…甘い」
伊織「『…甘い』じゃないのよ!?止めなさい!変態!」
雪歩 ペロッペロッ
小鳥「連続でいった!?」
雪歩 ペロッペロッ
真美「うひひ…んっ…」
雪歩 ペロペロペロペロペロ
伊織「スピードが上がった!小鳥!」
小鳥「今止めます!」
ガチャッ
小鳥「雪歩ちゃん!」
雪歩「ペロペロペ…はっ!?私は…何を…?」
伊織「いや、白々しいわ!」
小鳥「寝ている女子中学生に…無理矢理…」
雪歩「ち、違うんですぅ!?」
伊織「はい、はい、いつかやるとは思ってました…」
雪歩「やめて、インタビューに答える練習しないで!」
真美「ん、ん~」
雪歩「ダメ!真美ちゃんが起きちゃう!?」
伊織「起きて困るようなことするんじゃないわよ」
真美「んー…ほぇ?」
雪歩「ま、真美ちゃん、あのね、これは、その、違うの…」
真美「あ~、ゆきぴょんだ~」
小鳥「これは、ひょっとして…まだ寝ぼけてる?」
真美「ゆきぴょ~ん」スリスリ
雪歩「はぅ!?な、何かな?真美ちゃん…」
真美「しゅき~」ギュウッ
雪歩「はへ?」
真美「zzz…」
雪歩 プツンッ
伊織「止めなさい!犠牲者が出る前に!」
小鳥「はい!」
雪歩「マミチャン、イマイクヨ」
小鳥「つ、強…い…」
ポパピプペ
伊織「あ、真!?早く事務所に来て!いいから早く!」
しばらくお待ちください
伊織「ふぅ、なんとか抑えられたわね…」
雪歩「ちゃん…ま…み…ちゃ…ん」
小鳥「うわ言が…」
伊織「これ以上この企画を続けるのは危険よ!逮捕者が出る前にやめましょう!」
小鳥「まさかこんなことになるなんて…」
伊織「早くカメラも全部回収して…あれ?」
小鳥「どうかしたの?伊織ちゃん」
伊織「この画面に映ってるの…どこ?」
小鳥「え、どこって…765プロじゃない!?」
伊織「どこよここ!?見覚えないわよ、こんな場所!?」
ガチャッ
小鳥「ドアが開いた…」
伊織「一体誰が…」
貴音「ただいま戻りました」
響「お邪魔しまーす」
伊織「貴音と響!?」
小鳥「と言うことはここは貴音ちゃんの家?」
伊織「一体誰がこんなことを…」
ピロンッ
小鳥「あら?携帯にメッセージが…」
伊織「私にも…貴音から?」
貴音『私がせっとしました』
伊織「いや、自分でやったんかい!?」
小鳥「でもどうしてこんなことを…」
貴音『千早から、なんでも大切な仲間と接吻をする企画をしていると耳にしました』
伊織「情報がねじ曲がってるじゃない!?」
貴音『それならば私は響をてご…仲を深めようと思いまして』
伊織「手籠って言いかけたわよ、こいつ!?」
響「貴音ー!携帯ばっかり触ってないで、相手してよー」
貴音「ふふふ、それは失礼しました」
貴音『すまほにすら嫉妬する響、まこと愛らしい』
伊織「あいつ、あんな涼しい顔の下でこんなこと考えてるの?」
貴音「おや?響、えぷろんを代えましたか?」
響「うん、新しいの買ったんだ!似合う」
貴音「ええ、まこと可愛らしいです」
貴音『もうこの場で襲ってしまいたい』
伊織「誰か!?あの性の化け物を止めなさい!?」
小鳥「でも、貴音ちゃんの家は誰も…」
貴音『とっぷしーくれっとですので』
伊織「えぇ!?ど、どうするのよ!?」
貴音「時に響、響は夜は電気を消す派ですか?点けたままですか?」
響「うーん、普通消すんじゃないかな?」
貴音「ふふふ、わかりました」
貴音『なるほど、響は見られるのは恥ずかしいのですね…』
伊織「何するつもりなのよ!?」
響「なぁ、貴音、今日は…」
貴音 ズキュゥゥゥウン
小鳥「いったぁぁぁぁぁあ!?」
伊織「急に!?」
貴音「んっ…んっ…」
小鳥「え、エロい…」
貴音「はぁ…」
響「ぷはぁ!?ちょっ!?貴音!」
伊織「そうよね、そりゃそうなるわよね…」
響「料理中は危ないからダメって言ってるだろ?」
伊織「ん?」
小鳥「へ?」
貴音「ふふふ、そうでしたね…」
響「そういうのは後で…ね?」
貴音「おや?珍しく響からのおねだりですか?」
響「ち、違うぞ!?そ、そんなんじゃ…」
伊織「え?何?同意の上なの?え?どういうこと?ちょっと小鳥…」
小鳥「…」
小鳥「…」
伊織「ちょっと、鼻血が凄いけど、大丈夫?」
小鳥「…」
伊織「し、死んでる…?」
小鳥さんの鼻血は、『ひびたかとおとい』という文字を象っていた。
終わり
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