キョン「コイズミがつちからはえてくるんだ」 (10)

「イワシがつちからはえてくるんだ、いい曲よねぇ」
「確かにメロディに中毒性があるな」
「歌詞に共感しましゅ〜」
「ユニーク」
「…」

「裏歌詞が隠されているってのもそそるわねぇ」
「ファミコンみたいな絵が逆に新しいだろ?」
「おいしいでしゅ〜」
「ユニーク」
「…」

「古泉くんー?今どんな感じー?」
「おい、今古泉は集中してるんだから静かにしとけよ」
「古泉くんのお尻の毛苦いでしゅ〜」
「ユニーク」
「…」

「うっさいわねバカキョン!」
「お前なぁ…」
「オエッ!クッサ!クッッッサ!ウンコクッサ!」
「ユニーク」
「…」

「おい、古泉大丈夫か?」
「古泉くん、勝手に埋めたから拗ねちゃったのかしら」
「コイツ出る液全部出してね?クッセぇんだけど」
「ユニーク」
「…」

「もう長いこと土の中にいるわけだが」
「SOS団副団長として10分20分ぐらいの息止め程度できて当然よ!」
「海女かよ(笑)」
「…」
「…」


「古泉一樹の生命活動は752秒前に停止している」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1611684069

え…

「有希も冗談いうのね〜」
「冗談ではない」

古泉が…?なぜ…!

俺は小声で長門に聞いた。

「長門、古泉の死因はなんだ?ハルヒの不思議パワーか?それとも天蓋領域か?」
「窒息」

意味がわからない。
超次元的な力を食らったことは明らかだった。

「有希?」

あまりに唐突すぎてハルヒも困惑している。
そうだよな…急にそんな…

「嘘でしょ…」
「現実を見ろ…露出した下半身が土色だ…しかも色んなものを垂れ流してる」
「土だけに(笑)」

「プッww」
「草」
「(笑)」
「ユニーク」



「絶対死なせない、そんなの許すもんですか!」
「有希!そっちの足掴んで!あたし反対やるから!キョンは真ん中の!みくるちゃんは社会科の池上呼んできて!」

「そうだ…まだ間に合うかもしれない…ッ!諦めたらそこで試合終了、夜廻り先生も言っていただろ!!」
「それは銀髪先生よ!」
「あんみつぜんざいでしゅ〜」
「正確にはANZEN漫才」

たしかにそうだったかもしれない。

「古泉の真ん中の足掴んだぞ!」
「準備は完了している」
「オッケー…」

「じゃあ行くわよ!せーのっ!」

古泉!!戻ってこい!!!

ブチッ!!!



「こんなことって…ありえるの…」

嘘だろ…

「古泉が…」
「古泉くんが…」

「「2人!?」」

「ユニーク」

俺がちぎった古泉の真ん中の足。
その足はもう一人の古泉だった。

「どうするんだよこれ…どっちが本物かわからねぇじゃねぇか!!!」

ここまで来て…
神はどこまで残酷なんだよ!!!

「ちくしょおおおおおおおおおお!!!古泉いいいいいいいいいい!!!」

「キョン、落ち着いて。」
「ハルヒ…?」
「よく見て。大きい方の古泉くん。お股に何もついてないわ」

本当だ。
古泉は男だ。それは以前朝比奈さんと古泉でキメラを作ったときに確認済みだ。

「ということはつまり…?」
「そうよ!小さい方が本物ってことっ!」

ハルヒ…お前が団長で本当に良かった。

「病院まで運ぶわよ!」
「おうっ!」

「ユニーク」

よくみたら小さい方の古泉は手も足もなくまるで陰茎のような形状をしていたが、些細な問題だろう。

「ちょっと待ちなさい」
「どうした、自体は一刻を争うぞ!」
「見て、この古泉くん…持つところがないわ…」

!!!
たしかにそうだ。手も足も付いていない…一体どうすればいいんだ…

「考えてる暇なんてない!ハルヒ!長門!保健室まで担架取りに行くぞ!」
「わかったわ」
「わかった」

急げ!古泉は絶対死なさない!

「長門!今何時だ!?」
「午後4時42分19.4秒」

なんだと!?今日はポンカンの特売が5時からあるっていうのに!?

「すまない…ハルヒ…俺はここまでみたいだ…」

「あんたっ!!……わかったわ」
「すまない…」
「どーせなんか事情があるんでしょ」
「ああ…」

「あたしと有希で行くわ」
「現在膝小僧に悪性の腫瘍が発生しているため歩行が困難」
「…あたし一人で行くわ」

ハルヒは走って保健室の無い棟へ向かった。

「転ぶなよー!」

「さて、長門…特売行くか」
「分かった」

俺たちは校門へ走った。



学校外へ出て数分立った頃、異変が起こった。

(まずいな…やけにムラムラする…)

一緒にいたのが長門でなければ今すぐ襲っていただろう。
昔聞いたことがあるのだが、手術を執刀した医者や付き添った看護師は、生命の危機を身に感じ取り本能が活性化して性欲が強くなるらしい。
古泉の死に立ち会ったことで俺にも同じことが起こっているのだろう。

「長門…今朝倉の再構成をしてもらうことってできるか?」
「可能。しかしなぜ。」
「あの眉毛に〇〇たい。」
「やはり不可能。しかしわたしの眉毛を朝倉涼子のものに再構成することは可能。」
「いや、それはしなくていい。」

まずいぞ…このままでは長門が爆発してしまう。

ん…?あの後ろ姿は…

「佐々木!」

「…キョン?」

僥倖だ。

荒い息を整えて佐々木を見る。
うん、最高だ。

「キョン、君がそこまで慌てるなとは…何か事情がありそうだね」

実に紳士的な笑みを浮かべる佐々木。
コイツにもあんなものやこんなものが付いているのだと思うと…
みなぎってきたぞ…
問答無用!圧倒的体格差で組み伏せてくれる。

「佐々木!伏せろ!!!」




ゴツンッ!!!




次の瞬間俺の体は地面に叩きつけられていた。

「先にやったのはキョンの方だからね…」

佐々木は「ゴウホウ…セイトウボウエイ」などど呟きながら…
あ!なにをする貴様!やめっ!ちょっ!
あっ、アーーーーーッ!

なんやかんやあって俺はスーパーに着いたが、もう特売は終わっていた。
うんちを出したり入れたりする穴がヒリヒリする。


you got a mail ! you got a mail !


どうやら電話のようだ。

「はいもしもし、こちら葛飾区亀有公園‥」
「遅い!!」
「…ハルヒか」
「そ。あ、古泉くん死んだわ。それだけ。じゃーねー。」

ブチッ

はぁ全く勝手な奴だ。

隣の長門を見る。今日はくだらないことばかりで長門も疲れただろう。

「長門、図書館でも行くか?」

「今日は休館日。」


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