サシャ「ミカサのパンツ、すごく強いです」 クリスタ「早く捨てなきゃ」ミカ (109)

ギャグ、友情、百合。
頭悪いssの練習です。
暇つぶしにどうぞ。


サシャ「ミカサ、何か落としましたよ」

ミカサ「ああ、パンツを落としたみたい」

サシャ「うっかりさんですね、はい」サッ

ミカサ「ありがとう。お礼にそれはあげる」

サシャ「え」

ミカサ「あげる」

サシャ(いりませんよ……と私の心の声は言っていますが)

クリスタ「どうしたの、二人とも。こんな狭い廊下ででかいのが二人いたら通れないでしょ」

サシャ「クリスタ、可愛い顔してひどいじゃないですか」

クリスタ「ご、ごめんね。ユミルがもっと強気な態度で生きていけっていうからこんな感じかと思って」

サシャ「ただの暴言になってますよ……」

ミカサ「とりあえず、ここにパンツ置いていく」

パサ

サシャ「ちょ、ミカサ……えーと」

クリスタ「よくわからないけど、今ミカサパンツ履いてないの……?」

ヒョイ

クリスタ「ちょっと、温かい……」ドキドキ

サシャ「あ」

サシャ(私のパンツを渡せば良かったんでしょうか? いや、むしろ私のパンツが欲しかったのかも? だとしたら、やるべきことは一つですね)



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ヌギヌギ

クリスタ「きゃあ!? サシャ、なにして!?」

ジャン「うわあ!? サシャ、お前なんで脱ぎだすんだよ!?」

クリスタ「……」

ジャン「……よ、お」

クリスタ「ジャンのエッチ!」

ポクウッ!!

ジャン「ぐぼば?!」ガクッ

クリスタ(ミカサのパンツを嗅ぎ付けてきたのかな……やだ怖い)

サシャ「……クリスタ……あなた、そんなに腕力ありましたっけ?」

クリスタ「え? や、これはたぶんジャンが冗談で倒れてるだけだよ……ジャン?」

フミフミ

ジャン「……ぐぼッ」

サシャ「軽く踏んでいるように見せかけて、致死率を上げている……?」

クリスタ「わ、私ジャンに恨みなんて……」

サシャ「いや、別に恨みがあるなんて思ってはいませんが」

クリスタ「ジャン、起きて、起きてってば」グラグラ

ジャン「……」ガクガク

サシャ「クリスタ! 揺すりすぎですよ!? ジャンの頭がもげてしまいます!!」

クリスタ「そ、そんなつもりは……ないのに」

サシャ「もしかして、そのパンツがいけないんじゃないですか……?」

クリスタ「何言ってるのサシャ。パンツがいけないって……」

サシャ「だって、それミカサのパンツですよ。伊達に、あの筋肉質なお尻を包んでいないと思うんです」

クリスタ「どういう理屈なの……?」

サシャ「その、パンツはじっくり調べる必要がありそうですね。……クリスタ、それを私に貸してください」

クリスタ「え、いいけど。というか、もともとサシャがもらったものだよね」

ファサ

サシャ「……」ぼー

クリスタ「サシャ? パンツを頭に被るのは人類の尊厳が損なわれると思うんだけど……」

サシャ「はッ……私は何を……」

クリスタ「日ごろの訓練で疲れてるんじゃないのかな? もう、消灯時間になるし私たちも部屋に戻ろうよ」

サシャ「ええ……」

サシャ達の部屋


ユミル「ぶッ……くくくッ。おい、お前なんでパンツ被ってぎゃははは!?」

サシャ「あ、忘れてました」ヌギヌギ

クリスタ「ユミル、そんなに笑わなくても」

ミカサ「そんなに気にいってくれるとは思わなかった」

サシャ「いや、全然気に入ってたとかそういうわけでは……」

ミカサ「え」

サシャ「そ、そんな子羊みたいな目でこっち見ないで下さいよ……嬉しいですすごく」

ミカサ「良かった」ニコ

サシャ「……なんだか、これを持っているとミカサの気持ちがわかるようなミカサになったような気分がします」

ユミル「パンツ真剣に握りしめておまえ何言ってッく、くくッ」バンバン!

クリスタ「もう! サシャが何しようとサシャの勝手でしょ! 笑わないの!」頭突き

ユミル「いで!?」

サシャ「ミカサ、ちょっと腕相撲しませんか?」

ミカサ「いいけど……」

ガシッ!

ユミル「……」

クリスタ「……」

サシャ「クリスタお願いします」

クリスタ「え、えーと、用意始め」

サシャ「でええい!」

ミカサ「……ッ」プルプル

ユミル「おお? ミカサ、おまえ手加減して……るわけじゃないよな」

クリスタ「ミカサと互角に渡り合ってるなんて……」


サシャ「す、すごい!? やっぱりこのミカサのパンツ、略してミカパンはもしかしたら人類の希望になり得るかもしれません!」

ミカサ「それほどでも」テレ

クリスタ「このパンツ1枚で、非凡な兵士100人に相当するって言うこと……?」

サシャ「そうですよ! 世紀の大発見! いや、これって量産すれば……」チラ

ミカサ「それは無理」

サシャ「なんで!?」

ミカサ「パンツを3枚しか持っていない」

クリスタ「ええ?!」

ユミル「だっはははは!? おまえら、私を笑い殺す気かッくくッッ……ッ」

ミカサ「だから、これ以上一枚だって渡せない」

サシャ「あなたにはこれを増やす義務がありますよ。人間として!」

ミカサ「いや」

サシャ「いや、じゃないですよ!」

ミカサ「いや」

サシャ「ぐぬうッ」

クリスタ「ど、どうしたのサシャ? 落ち着いてよ。だいたい、ミカサのパンツにそんな効力があるなんておかしいよ」

サシャ「でも、現にこうして……」

クリスタ「たまたま、偶然が重なったってこともあるだろうし、ねえユミル」

ユミル「すーすー」

ミカサ「笑いつかれて寝たみたい」

クリスタ「子どもめ……」

サシャ「と・に・か・く! さあ、今履いているミカパンをよこすんです! さあ!」

ミカサ「サシャ、何をそんなに執拗になる必要があるの」

クリスタ「そうだよ。そんなことよりミカサのパンツが3枚しかないことの方が問題だよ」

ミカサ「どこで買えばいいの?」

クリスタ「……明日、買いに行こうね」

サシャ「……こうなれば、手段は選びません。お覚悟を!」

バッ!

ミカサ「サシャ……力づくでパンツを剥ごうとするとは……」

スコン!

サシャ「グッ!?」ガク

ミカサ「少し、頭を冷やして」

サシャ「……」バタ

クリスタ「……やっぱり、パンツなんて関係ないんだよ」

ミカサ「よっと、クリスタ。サシャを寝かすから、足を持って」

クリスタ「うん、よいせ」

次の日——


サシャ「……すーすー」

ユミル「……」スッ

スルスル

サシャ「ユミル……? あなた、何をしているんですか?」

ユミル「いや、このアホらしいパンツをもうちょっとよく見ておこうかと思ってな」

サシャ「させませんよ。これは、私がもらったものです」

ユミル「そう固いこと言うなよ。ちょっとだけ見せてくれって言ってんだ」

サシャ「そう言って、これを奪って逃げる気なんでしょ」

ユミル「何言ってんだよ」

サシャ「私にはあなたの考えが手に取るようにわかります」

ユミル「そのパンツのおかげってか」

サシャ「ええ」

ユミル「そりゃあ、ぜひとも私もその恩恵に預かりたいものなんだが、ね」ニヤ

サシャ「やはり、あなたもこのパンツの魅力に取りつかれたようですね……」

チュンチュン——

クリスタ「ふわあ。おはよう……ユミ……ル? サシャ?」

ミカサ「また、パンツで争っている。朝からお盛ん」

クリスタ「うわ、ミカサなんでベッドの上にいるの?」

ミカサ「サシャが襲ってきそうだったから避難」

クリスタ「ど、どこも一緒だと思うけど」

ミカサ「お腹が空いた。エレンももう行っている。あの二人は放っておいてご飯に行こう」

クリスタ「うん、そうだね……」

エレン「ミカサ、お前遅いからもう食べちまったよ」

ミカサ「え」ガク

アルミン「ごめんね、一応待ってたんだけど」

エレン「んじゃ、先行くな」

ミカサ「エレン……」シュン

クリスタ「元気出してミカサ。あ、そうだ。エレンのパンツをもらえばいいんじゃないかな」

ミカサ「何度も挑戦している」

クリスタ「そっか……」

クリスタ(冗談だったのに。もう実践済みだったんだ)

ザワザワ

クリスタ「なに、なんだか騒がしいね」

ミカサ「視線が痛い」

クリスタ「え?」

ミカサ「あの人だかりからかなり注目されている気がする」

ザワザワ。チラチラ。

コニー「おい、例の噂って……」コソコソ

ベルトルト「うーん、一概にはどうにも……」コソコソ

ライナー「いらんだろ……そもそも。クリスタのは別として」コソコソ

ジャン「はあ? おまえ、喧嘩売ってんのか」コソコソ

クリスタ「なんだか分からないけど、嫌な予感がしかしないね」

ミカサ「ちょっと黙らせてくる」

クリスタ「ミ、ミカサ穏便に」

テクテク

ミカサ「あなたたち」

コニー「お、おう」ビク

ジャン「なんだ、ミカサ」

ミカサ「コソコソと人の事をどうこう言うのはどうかと思う。口の動きでミカサ、パンツくらいは分かる。知ってることを白状して」

ベルトルト「そこまで分かってるなら、言わなくてもいいんじゃないかな……」

コニー「そうだぜ。まあ、だからって、ミカサのパンツとかいらねえけどな」

ミカサ「は?」

ジャン「コニーおまえちょっと黙れ」

ミカサ「頼るも頼らないも、そもそも渡さないから」

ライナー「だが、そうも言ってられないぞ。すぐに上層部の連中からお呼びがかかる」

ミカサ「どういうこと」

ジャン「昨日の件を他にも見ていた奴がいてだな。そいつがチクったらしい」

ベルトルト「ホントなのかい。君のパンツを持っていると100人の非凡な兵士並の力が授かれるって」

ミカサ「知らない」

コニー「とぼけても無駄だぜ」

ミカサ「正直に言っている」イラ

ジャン「おまえ、マジで止めてコニー」

眠いのでここまでです

何も考えてなかったから、みんなのネタで吹いた。
参考にする。
非凡→平凡に脳内変換しといてくれ


ベルトルト「まあまあ、とりあえずそのパンツを見ればみんな納得するはずだよ」

ミカサ「……」

コニー「……」

ジャン「……」

ライナー「……」

ベルトルト「え?」

ジャン「嘆かわしいなあ。大の男が女のパンツを見たいだなんてよ」

コニー「そうだぜ、故郷の母ちゃんが泣くぜ?」

ライナー「ベルトルト、お前ってやつは……」

ベルトルト「え」

ミカサ「帰れ」

ベルトルト「ぐふッ……」ドシャッ

ジャン(これでライバルが一人減った……)

コニー(パンツさえありゃ、俺は英雄になれる)

ライナー(クリスタのパンツが欲しい)

ミカサ「あなたたちが、どうしてそんなにパンツを欲しがっているのかわからない。理解する気もないので、他を当たって」

クルッ——ドン

ミカサ「あいた……」

ハンジ「あなたが理解する気はなくても私にはあるんだよね」

リヴァイ「お前ら、寄ってたかって女のケツを追いかけてるとは、そんなに暇なのか? ああ?」

ミカサ「なぜチビがここに……」

リヴァイ「……ちょっと待てこら」

ミカサ「何か」

リヴァイ「目上のもんに対する態度がなってねえんじゃねえか?」

ミカサ「目上? 目下の間違い」

リヴァイ「よっぽど俺のことが気に入らないみたいだな」

ミカサ「はい」

リヴァイ「上等だこら。ヤル気満々か?」

ミカサ「ヤルと決めたらまっすぐ☆ なので」

ハンジ「はい、ストップストップ。めんどくさいことしない。ミカサ以外用はないから、みんな解散して」

ブーブー

クリスタ「ミカサ……」

ミカサ「クリスタ、後で買い物に付き合ってほしい」

クリスタ「それはいいけど、大丈夫?」

ミカサ(大丈夫。今、パンツ履いてない)コソコソ

クリスタ(そっか、それなら奪われる心配もないね)

クリスタ「じゃあ、また後でね」

タタタ——

ハンジ「はーい、じゃあまずパンツ脱いでくれるかな」

ミカサ「ないです」

リヴァイ「はあ?」

ハンジ「ノーパン健康法?」

ミカサ「パンツならすでにサシャに譲渡しました」

リヴァイ「バカかお前は。お腹冷やして風邪引いたらどうすんだ」

ミカサ「チビに心配されるようなやわなお腹ではないです」

リヴァイ「なあ、俺そんなにお前に恨まれるようなことしたのか?」

ミカサ(エレンを踏んだことを覚えてないなんて。万死に値する)

ミカサ「いえ、別に」

ハンジ「ミカサ、あなたの履いたパンツがもしかしたら人類の希望になるかもしれない」


ミカサ「そんなことを言われても困ります」

リヴァイ「ないです。で、すむ話じゃねえんだよ」

ハンジ「そうだねえ、とりあえずリヴァイ」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「ミカサと一緒にパンツ買ってきて、はいこれお金」

チャリン

リヴァイ「な・ん・で俺がこいつと一緒に買いにいかなきゃなんねえんだよ」

ハンジ(今の内にミカサと仲良くなっておいたほうが、後々の作戦で便利じゃない?)コソコソ

リヴァイ(お前完全に楽しんでやってるだろ)

ギュウッ

ハンジ(首締まってる締まってる!?)

リヴァイ(おまえが買いにいけ)

ハンジ(き、聞いてくれる? 女型の巨人と戦った時、あなたがケガを負ったのはミカサと意思の疎通が上手くいってなかったせいだと思うんだよね)

リヴァイ(即席のコンビだ、仕方ないだろうが)

ハンジ(互いに背中を預けあえるくらいになれば、大型巨人にも対抗しうると思うし)

リヴァイ(この女にか? 逆に刺されそうなんだが。だいたい、この女が自分を抑制できてないのにも問題がある)

ハンジ(でしょ? だから、とにかくこのままだと扱いにくいったらない。それなら、パンツの価値を確かめて量産する方がいいでしょ? 下手に出てパンツを履かすようにしてくれるかな? リヴァイ、君のエスコートに人類の命運がかかってる)

リヴァイ(ちッ)

リヴァイ「おい、ミカサ」

ミカサ「なんですか?」

リヴァイ「午後の訓練はなしだ。俺とパンツを買いに行くぞ」

ミカサ「命令ですか?」

リヴァイ「……ああ」

ミカサ(クリスタに後で謝らないと)

ミカサ「了解です……チッ」

リヴァイ「今のは聞かなかったことにしてやる。行くぞ」

ミカサ「はい」

スタスタ——

ハンジ「……さて、サシャとか言ったかな」

クル——スタスタ



商店街

リヴァイ「で、どこに行けばいいんだ」

ミカサ「さあ」

リヴァイ「おまえ、普段どこで仕入れてる?」

ミカサ「支給品で十分間に合ってます」

眠いんでここまでです

リヴァイ「じゃあ、なんでそれを履いてないんだ」

ミカサ「洗濯中です」

リヴァイ「それを足りてないって言うんじゃねえのか」

ミカサ「ふう……」

リヴァイ「溜息付きたいのはこっちなんだがねえ?」

ミカサ「じゃあ、兵士長のをいただけませんか?」

リヴァイ「ば、お前、何をいきなり!?」

ミカサ「冗談です」

リヴァイ「怒るぞいい加減……」

ミカサ「今ここで、決着をつけてもいいですよ……」

リヴァイ「こんな街中、人前でするつもりなんざねえよ。つーか、決着ってなんだ?」

ミカサ「裁判でエレンのことをタコ殴りにしましたよね」

リヴァイ「ああ」

ミカサ「その恨みを晴らしておこうかと」

リヴァイ「……」

リヴァイ(あれって、誰もが納得してたと思ったんだが。こんなキチガイ女のことまで考慮してなかったわ……)

リヴァイ「……はいはい、じゃあパンツを買ったら、気が済むまで付き合ってやる。今日の夜暇なら一戦交えてやるが、どうだ?」

ミカサ「十分です」

リヴァイ「オーケー。取引完了だ」

ミカサ「で、どこで買えばいいんですか?」

リヴァイ「……」

ミカサ「……」

訓練場———


ユミル「サシャ、ちょっとジャンプしてみな」

サシャ「え? こうですか」

ピョンピョン

ポト——

コニー「ん? サシャ、お前なんか落ちたって!? そ、そいつは!?」

ユミル「やっぱり肌身離さず持ってやがったな」

ヒョイ

ユミル「これさえあれば、私はどこにだっていける……」

サシャ「返してください!」

ガバ!

ユミル「おっと」

ヒョイ

サシャ「人のパンツに手を出した罪は大きいですよ?」

コニー「ちょおっと待ちな! そんなすげえパンツを独り占めしようってのはどうなんだ?」

ジャン「おい、バカども……一つのパンツに寄ってたかって……まったく、公平にじゃんけんすべきじゃねえのか?」

コニー・サシャ「なるほど」

ユミル「まあ、それでもいいけどよ」

クリスタ「ユミル……」

ユミル「なんだ?」

クリスタ「そんなにミカサのパンツが欲しいの?」

ユミル「ああ……」

クリスタ「……」

ユミル「あんだよ」

クリスタ「わ、私のじゃだめなのかな……?」グッ

ユミル「いらねえ」

クリスタ「……ユ、ユミルの……」

ユミル「んあ?」

クリスタ「白状者おおお!」

ダダダダ———!

ユミル「なんだ、クリスタ……思春期か?」

ジャン「いや、嫉妬だろ」

ユミル「パンツに?」

ジャン「お前意外と鈍感なんだな……俺の知ったこっちゃねえけど」

ザ、ザ、ザ——

アルミン「話は聞かせてもらったよ……!」

コニー「な、なんだよこれ以上増えんなよ」

サシャ「あ、あなたもパンツ狙いですか?! 渡しませんよ!」

アルミン「まあ、聞いてよ。一人で一つのパンツを使ったとしても、必ず我慢できない奴が現れるんじゃないかな」

ジャン「まあ、それはそうだな。だが、数が足りない」

アルミン「そこで、三つ思いつきがあるんだけど聞くかい?」

ジャン「言ってみろよ」

アルミン「一つはパンツのローテーション。交代制だ。二つ目は、パンツの量産。つまりミカサにパンツを履いては脱いでもらう。三つ目は他のパンツの可能性。みんなの中にもしかしたら同じように不思議な力を持つものがあるかもしれないってこと」












アルミン「まあ、3つ目は難しいかもしれないけど……二つ目なら」

ザッ——

上官「ごほん!!」

アルミン「ひいッ」

ジャン「げ」

ハンジ「やあ、アルミン良い話を聞かせてもらったよ」

アルミン「ハンジさん!? ど、どうして訓練場に」

ハンジ「いや、サシャって子を訪ねてきたんだけどね……アルミン、君の言葉が私の探求心に火をつけてしまったみたい」

アルミン「ええと……と、言いますと?」

ハンジ「やろう! みんなのパンツを検証してみようじゃないか! とりあえず、104期からね!」

アルミン「あ、いやそれは半分冗談で……」

ハンジ「半分は本気だったのかい? すごいじゃない!」

アルミン「え、ええ?」

コニー「おい、なあ」

サシャ「さて?」

ユミル「……じゃ、私はクリスタ所に行ってくるわ」

ダダダダ———!

ジャン「はやッ!?」

アルミン「うそうそ……そんな」

ハンジ「とりあえず、104期はここに全員いるようだし……とりあえず片っ端から脱がせていきましょうか。アルミン、手伝ってくれる?」

アルミン「……はッ……はい!」

アルミン(ぼ、僕はやらずに済むかもしれない)

ハンジ「だから、最後に私が君のを検証するよ」

アルミン「あ……」

ジャン(やべえことになった……今日のパンツはババアのオリジナル……ピンクのクマたん……みんなに見せるわけにはいかねえ)

ジャン「お、俺も手伝います! この人数だったらもう少し数が多い方がいいでしょう?」

ハンジ「ありがとう。まあ、さすがに全員は日が暮れるから、今日は優先順位を指定するよ……」

アルミン「と、言いますと……?」

ハンジ「可能性として高い者からいこう。まずは訓練成績の良かった主席のミカサに続く10番内からだ」

アルミン「と言うことは……ライナー、ベルトルト、アニ、エレン、ジャン、サシャ、コニー、クリスタ……と」

コニー「なあなあ、つまりどういうことなんだよ」

アルミン「そうだね、とりあえずパンツを脱げばいいと思う……」

コニー「は?」

ハンジ「ジャン、アルミン取り押さえて」

ジャン・アルミン「はい!」

ガシッ!

コニー「え? え? え?」

ハンジ「はい、失礼するよ!」

コニー「ア———!」

検証中———


ハンジ「どうも、コニーの褌からは何も感じられないようだね」

アルミン「そうですね。引き寄せられる感じもないですし。魅力はないですね……」

コニー「もう、お婿にいけない……」ドサ

ジャン「お前、褌派だったのか……」

コニー「気が引き締まるんだよ……」

ハンジ「はい、この調子でどんどんいこう。次は……サシャ、とか言う子だね」

サシャ「……へ?」両手で目を隠していた

アルミン(あ、やっぱり分かってなかった)

ジャン「こいつは一応女の子なんで……人前でって言うのは」

ハンジ「んー、そうだね。じゃあ、とりあえず女子は最後にして、男子からだ」

ジャン「おーい、ライナー! エレン!」


やや離れた所


エレン「おい、ライナー」

ライナー「なんだ?」

エレン「ジャンがこっちに向かって何か叫んでる」

ライナー「あ? 呼んでるみたいだな」

エレン(なんで、ハンジさんがいるんだ?)

タタタ——



エレン・ライナー「ア——!」

ジャン「なんかエレンのパンツやたら伸びてねえか……」

アルミン「それは……夜な夜なミカサが引っ張るからかな……」

ジャン「どういうことだ? ちょっと詳しく聞かせてもらえるか?」

アルミン「あ、いや、こ、これは」

ジャン「つまり、ミカサに毎晩パンツをぬ、ぬ、脱がさせてるってことか!?」

エレン「ちげえよ!? するかよそんなこと! ミカサが勝手にだな」

ジャン「ミカサが自然にするように調教しただと!? てめえ、うらやまけしからん!!」

エレン「どっちだよ! いや、誤解だし!?」

ハンジ「はいはい、次の人誘導してきてくれるかな」

ジャン「ベルトルト! ちょっとこっち来てくれ!」

ベルトルト「一部始終見てたよ!!」

ライナー「お前もこっち来いよ!!」

ベルトルト「さすがに、はい、いいですと素直に行けないんだけど」

ライナー「すぐに慣れる」

ベルトルト「昔の君は、もっと戦士の目をしていたのに……」

ライナー「な、俺は今でも……」

ベルトルト「……ううん、そこはかとなく満足した顔つきだ」

ライナー「ち、違う」

ベルトルト「故郷に帰るんだろ?」

ライナー「ああ……そうだ、そうだった。」

眠いのでここまでです

ベルトルト「僕たちの故郷へ錦じゃなくてパンツを飾るつもりなのかい? ライナー」

ライナー「違う……俺は……だがあのパンツと同じ効力のものがあれば故郷を救えるはず……」

ベルトルト「君は、戦士なのか? 兵士なのか? パンツなのか? どれなんだ? ライナー」

ライナー「お、俺は……ただ、パンツを」

ベルトルト「しっかりしてくれライナー!」

ガシッ

ベルトルト「あ」

ジャン・アルミン「はい4人目」

ベルトルト「ちょ、ちょっとまアー!?」

検証中———


ハンジ「なかなかいいモノをお持ちで」

ジャン「……でけえ」

アルミン「まさかベルトルトのベルトルトがこんなことになっていたとはね……」

ライナー「すまねえ、ベルトルト……」

ベルトルト「だから、嫌だったんだよ……ッ」

ライナー「隠すことねえ。自分に正直に生きろよ」

ジャン「公衆の面前で晒すもんでもねえけどな……」ぼそ

アルミン「しょうがないよ。マッドサイエンティストもとい上官命令だし……」ぼそ

ハンジ「聞こえてるぞ☆」

アルミン「ひい」びくッ


ハンジ「次、持ってきてくれるかな?」

アルミン「つ、次はもう女性の方々になります……」

ジャン「さすがに外で脱がすのマズいんじゃないっすか……」

ハンジ「そうだね……というか、はいどうぞと脱ぐかどうかも問題だ」

アルミン「一歩間違えれば、僕ら完全に犯罪者ですよ」

ハンジ「適任者とかいないかな?」

アルミン「適任……脱がす方のですか?」

ハンジ「そうそう」

ジャン「女性同士とかなら……」

アルミン「そうだね……」

ジャン「……サシャでいいんじゃねえか」チラ

アルミン「ジャン、考えるのを放棄したね?」チラ

ジャン「食い物で釣りゃあ大人しく言うこと聞いてくれるはずだ」

アルミン「で、その食べ物はどこから調達するんだい?」

ジャン「俺とお前の今日の晩飯しかねえだろ……」

アルミン「……だよね」


ダダダダ——


憲兵「ハンジさん、巨人のクリケットちゃんが暴れてるんで至急戻ってきてください!」

ハンジ「クリちゃんが?! 大変だ、そりゃ急いでいかないと!」

アルミン「は、ハンジさん、僕らどうすれば……?」

ハンジ「とりあえず、アルミン君をこのパンツ検証作戦の隊長に任命するから! あとは任せたよ!」

アルミン「え……」

憲兵「ハンジさん急いでください!」

ハンジ「はいはい! じゃあ、後よろしくパンツ隊長!」




アルミン「パンツ隊長って……」

ジャン「とにかくこんなやばそうなこと、さっさと片付けちまおうぜ」

アルミン「ああ……えっと、サシャはどこに行ったんだろう?」

ジャン「さっきまでその辺に居たよな」

アルミン「エレン! サシャ見なかった?」

エレン「サシャならコニーがどっか連れて行ってたぜ?」

アルミン「え、本当かい?」

ジャン「コニーのやつサシャのナイト気取りか……?」

アルミン「だとしたらコニーには気が引けるね……」

ジャン「……なあアルミン」

アルミン「なんだい」

ジャン「さっきからずっとわかってたんだがな……」

アルミン「うん……」

ジャン「アニ……あそこにいるよな……」

アルミン「う、うん……」

ジャン「……ちょっと、説得してみねえか」

アルミン「ど、どうやって?」

ジャン「お前の頭脳で」

アルミン「い、いやさすがにそれは……無理というか」

ジャン「だが、アニは確実にサシャじゃ脱がせねえと思うんだが……」

アルミン「……そうだけど」

ジャン「……じゃあ、二手に分かれよう。俺はサシャを探す。お前はアニを説得」

アルミン「僕のハードル高すぎやしないかい……?」

ジャン「俺が、アニのをしてもいいのか?」

アルミン「……む、いや……」

ジャン「ほれみろ、んじゃ頼んだぞ」

ッタッタッタ

アルミン「……くそ、やってやるよ!」

ッタッタッタ

訓練場の隅っこ

アニ「……」ピク

ッタッタ

アルミン「や、やあアニ」

アニ「何の用?」

眠いんでここまで!

アルミン「えっと、今日なんだか暑くない?」

アニ「そうかもね」

アルミン「だよね、あ、あのさアニ」

アニ「?」

アルミン「汗で、パンツのラインが見えちゃってるんだ……」ぼそぼそ

アニ「な?!」

サッ

アルミン(恥ずかしがってる……案外可愛い所あるんだね)

アニ「……あんた、ずっと見てたわけ?」

アルミン「ち、違うよ……偶然分かっただけさ!」

アニ「ちょっと……後ろに来てもらえる?」

アルミン「う、うん」

サササッ

アニ「そのままそこらへんにいてもらえるとありがたいんだけど」

アルミン「い、いつまで?」

アニ「訓練が終わるまで」

アルミン「僕に見られるのは大丈夫なの……?」

アニ「あんたは……まあ、なんというか」

アルミン「なんというか……?」

アニ「……人畜無害そうだから」

アルミン(僕の評価って……)

アニ「いやなら、別に構わないよ」

アルミン「い、いやあそんなことないさ」

アルミン(好都合だ。このままアニの部屋まで、彼女のお尻を守ろう)

アニ「あんたさ……」

アルミン「うん?」

アニ「パンツ隊長なんじゃないの? あたしのパンツ奪いに来たんだろ」

アルミン「ぶッ!?」

アニ「耳がいいんでね……入れたくないことも入ってくるんだよ」

アルミン(し、しまった……暑いから後でパンツ脱げばいいよ作戦が早くも頓挫してしまいそうだ……ん、でも?)

アルミン「それを分かってて、どうして僕に君の背中を任せたんだい?」

アニ「だから、言ったじゃんか。人畜無害そうだって……」

アルミン(先にそんなこと言われてたら、手を出しにくいじゃないか……)

アニ「それからさあ、一つだけ教えといてあげるよ」

アルミン「な、何かな?」

アニ「私さあ、今日履いてないから」

アルミン(……誘ってる?)

アルミン「あ、うん……」

アルミン(は?! じゃなくて……)

アニ「あんた、いったい何のラインが透けてるって?」

アルミン「や、あの、ね、うん」

アニ「くすくす……」

アルミン「わ、笑わないでくれよ……今日の僕はどうせパンツ隊長さ……」

アニ「バカだねえ……クスクスッ」

アルミン「君がそんなに笑う所初めて見るよ」

アルミン(背中越しだけど……)

アニ「アルミンが笑わせてるんだって」

アルミン「……悪かったよ。正直に下さいって言ったって、くれるもんじゃないだろ?」

アニ「別にあげないとは言ってないさ」

アルミン「だよね……え?!」

アニ「命令なんでしょ?」

アルミン「そ、そうだけど……でも、君も女の子だし」

アニ「ああ、そんな配慮はいらない」

アルミン「え、じゃあ」

アニ「……私に対人格闘で勝てたら……ね」シュッシュ

アルミン「……」

アニ「来な……」シュッシュ

アルミン(……当たって砕けるのみ……)

アルミン「……う……うおおおお!!」

アニ「あんたの、意外とバカ正直な所嫌いじゃないよ……」ニコ

ドシュ——ー!

ところ変わって、商店街——


ミカサ「あの、パンツってどこに売っていますか?」

ばあさん「んあ?」

ミカサ「パ・ン・ツって、どこに、売って、いますか?」

ばあさん「うん、うん。ここいらも、昔は何にも無くてなあ。私らの母ちゃんも良く出稼ぎになあ、出とってなあ」

ミカサ「……」

リヴァイ「……聞いた相手が悪かったな」

ミカサ「この辺り若者がほとんどいない」

リヴァイ「いや、いるだろ、ほれ」

ミカサ「若者と喋るのは疲れる」

リヴァイ「お前も十分若いだろおが」

ミカサ「さらに、パンツの話をするなんて気が重い」

リヴァイ「じゃあ、何か? 俺が女物のパンツどこに売ってるか聞けって言うのか」

ミカサ「……」

リヴァイ「なんなんだ、その当たり前感一色の視線は」

今日はここまでです!

今日はここまでです!

普通にクリスタにきけばよかったんじゃね?

>>51,52

ご想像にお任せします。直感で書いてます

ミカサ「……」

リヴァイ「なんだ」

ミカサ「いえ、どうして私は、あなたとパンツの話をしているのだろうと……」

リヴァイ「1にも2にも命令だからだ。後は、ハンジの趣味……まあいい。しょうがない、俺が聞く。戦闘以外はからきしだなおまえは……たくっそこで待ってろ」

ミカサ「はい」

タタタタ——

ミカサ「……」


キャアー!リヴァイ兵長ヨオオオ!!
ウソオオ!! ドコドコ!?
アソコヨオオ!!


ミカサ「……」


ナ、ナンダオマエラ!?

イタワアアア!?
ミンナアアイタアア!

バ、ヤメ! ニンムチュウダ!! コラ!


ミカサ「……」


ダレダ!? イマズボンツカンダノハ!?

アラヘイチョウ! キョウハオミセヨッテカナイノ!
ヘイチョウ! ヘイチョウ! ヘイチョウ!


ミカサ「……」

子猫「にゃあ」

てとてと

ミカサ「……」

子猫「にゃあにゃあ」

すりすり

ミカサ「可愛い……エレンみたい」

子猫「にゃあ?」

ミカサ「エレン……おいで」

子猫「にゃー」

てとてと

ミカサ「今日は、そう言えばエレンと全然喋ってない」ヨシヨシ

子猫「ゴロゴロ」


ヘイチョウッテ、イガイトホソイイイ!

コラ、サワンナ!?

サインオネガイシマスウウウ!
ボクネオッキクナッタラ、ヘイチョウニナル!
ジャアワタシオヨメサン!

バッカ、ムリニキマッテルデショオ!
ナニヨオ、ヨッチャンノイジワルウ!


ミカサ「ここは、少し騒がしい。あの人も、捕まってるし……エレン、散歩でも行こうか」

子猫「にゃあ?」

ッぴょん!

テトトト

ミカサ「……どこへ行くの?」

タタタタ——


細い路地——

子猫「みゃー」

テトトト

ミカサ「この通りに、こんな抜け道があったなんて……どこに繋がってるんだろう」

子猫「……っ」

ピタ

ミカサ「?」

子猫「にゃあ!」

ミカサ「何?」

小さな巨人「……」

ミカサ「巨人?!」バッ!

小さな巨人「……」

ミカサ「……にしては、小さい……? 恥ずかしげもなく全裸で、雌雄の区別もつかない……からたぶん巨人だろうけど」

子猫「ニャア!」

すりすり

小さな巨人「……」ヨシヨシ

ミカサ「……生き物と関係性を築いている……?」

子猫「ゴロゴロ」

ミカサ「エレンが懐いている……うらやま……いや、そうではなくて」

ミカサ(こいつは……ここで何を。仲間の手引き? そんなことが可能なのか……。いや、でもここで始末しなければ)

ミカサ「何か、武器になるもの……」キョロキョロ

テクテク

ガシッ

パリン

ミカサ「花瓶の破片……できる」

子猫「フウウ!!」

ミカサ「……エレン」

小さな巨人「……」

ミカサ「エレン……そこどいて、じゃないとそいつ殺せない」

子猫「フシャア——!」

ミカサ(私の殺気を感じたのか……)

小さな巨人「……ア……テ」

ミカサ「!? 喋った!?」

小さな巨人「……ッ」ボソ

子猫「にゃあ……」

テトトトト

ゴソゴソ

ミカサ(何か……支持を出しているようにも見て取れた)

ゴソゴソ

ハムッ

テトトト

子猫「……」

ミカサ「……これは」

ポトリ

ミカサ「……パンツ」

小さな巨人「……ゲ……ル」

ミカサ「……え?」

小さな巨人「ア…………ル」

ミカサ「い、いらない」フルフル

小さな巨人「……」ポロポロ

ミカサ(……涙……!?)

ミカサ(……私は、今何と対峙している? 巨人? 巨人ではないのか?)

カラン——(花瓶の破片を落とした音)

ミカサ「言葉がわかるなら、聞いて……」

小さな巨人「……」ポロポロ

ミカサ「あなたは、何者なの?」

小さな巨人「ワタシ……シシャ…アナタ……ハ……パン……マモル……エラバレタ……マモッテ」

ミカサ「シシャ? 守る? 何を?」

小さな巨人「パンツ……カラ……」


オイコラー!? ミカサ・アッカーマン!? ドコイッターー!?


ミカサ「は?! やばい、チビがこっちに来る……」

小さな巨人「……モウヒトリ……ニ……ワタシテ……キット……ミチビク」

ミカサ「もうひとり? 誰のこと?」


カクレンボシテンジャンネエゾ!


ミカサ「くッ……あなたは見つかれば、モルモットにされるはず……でも、エレンがこうも懐くのにはきっと理由があるんだろう」

子猫「にゃあ」

ミカサ「このパンツを誰に渡せば、どうにかなるの?」

小さな巨人「イケバ……ワカル……パンツ……スベテシル」

ミカサ「……分かった……分からないが、分かったことにする」



ココカー!?


クル——

ッサ!


ミカサ(近いな……)


クル——


ミカサ「隠れた方が……」

子猫「にゃあ」

ミカサ「あれ……」

子猫「……」

ガサガサ

ミカサ「……え……いない?」

—————


リヴァイ「おい、ミカサ!」

ミカサ「……」

リヴァイ「捕まった俺も悪かったが、待ってろって言わなかったか?」

ミカサ「ええ……」

リヴァイ「たくッ……ん? なんだ、一人でパンツ買えるんじゃねえか……俺が着いて来た意味ねえな」

ミカサ「あ、これは……」

リヴァイ「任務終了だ。帰るぞ」

スタスタスタ

ミカサ「……」

リヴァイ「何、ボケっと突っ立ってる。行くぞ」

ミカサ「はい……」

スポッ

ミカサ(ポケットの感触は嘘ではない。じゃあ、さっきのも幻ではないのか……)

ミカサ(帰ってエレンとアルミンに相談してみよう……)

再び——訓練所

エレン「アルミン、大丈夫か?」

アルミン「いたた……酷い目にあったよ」

エレン「お前もだけど、アニも容赦ねえな」

アルミン「ははッ、でも、ホントの所アニじゃなくて良かったかな。それに、君のパンツが特殊なものじゃなくて良かったよ」

エレン「ただでさえなのに、これ以上好奇の目で見られるのはごめんだぜ」

アルミン「ああ、とは言ってもやはり人類の希望になり得る……」

エレン「ジャンは? サシャを追いかけて行ったんだろ?」

アルミン「戻ってこない所を見ると、失敗した可能性が高いね」

エレン「女の尻を追いかけまわすってのは、嫌なもんだな」

アルミン「ははッ……」

エレン「だがな、俺も手伝うぜ」

アルミン「エレン……」

エレン「おまえばかりに、汚い仕事をさせられねえ」

アルミン「いいんだよ、普段僕は何も貢献できてないんだから……こんな時くらい頑張らないと」

エレン「ばっかだな。お前がいるから、俺はこうやって夢を持って生きてんだぞ? 感謝してる」

アルミン「エレン、ありがとう……じゃあ、一緒にユミル達を探しに行こう!」

エレン「ああ!」

アルミン「やることは二つ! クリスタのパンツの確保! それと、ユミルが持っているミカサのパンツの奪取だ!」

エレン「ああ! ちなみに、そのパンツって脱がさなきゃ効果は分からないのか?」

アルミン「何の研究もされてないからね。五感で判断するしかないし、そうなると脱いでもらうしかない」

エレン「わかった、クリスタのパンツを脱がせばいいんだな。任せろ」

グ!

アルミン「エレン……君ってやつは男の中の男だよ」

エレン「話し合いで解決してみせるさ」

アルミン「ああ……そうだね」

所変わって———


サシャ「ジャン、地の利の有利な所を選ぶのは狩りの基本ですよ……」

ジャン「……いつの間に、こんな技を」

サシャ「昔からですよ」

ジャン「……ぐッ」ガク

サシャ「さて」パンパン

サシャ(クンクン……ミカサのパンツは北西の方角ですね……)

サシャ(私の鼻から逃れようとしても無駄ですよ……ユミル)


ダダダダ——

訓練場付近——

クリスタ「……ユ、ユミルこんな所で」

ユミル「いやあ、私も自制できてるつもりだったんだが」

クリスタ「嬉しいけど……だ、ダメだよ」

ユミル「止まらないんだ、クリスタ」

クリスタ「……ま、待って……だって、外だよ……?」

ユミル「……外いや?」

クリスタ「う……いや、とかそういう問題じゃなくてね」

ユミル「クリスタはさ……押さないと答えてくれないじゃん?」

クリスタ「べ、別に押しに弱いとかじゃないんだよ……?」

ユミル「でも、押せばなんとかなるかなって」ニコ

クリスタ「ユミルのそういう強引な所……き、嫌いなんだから」

ユミル「嫌いでけっこう。私は好きだ」

クリスタ「ユミル、もう!」

ユミル「!」

ザッ!

サシャ「そこまででです!」

ユミル「イチャイチャタイムが? 残念、私はクリスタ一本だ」

サシャ「違いますよ! パアアアンツ! のことです!」

ユミル「叫ぶなって。上官どもに気づかれるだろ」

サシャ「あ、すいません」

ユミル「じゃ、そういうことで」

サシャ「おっと、そうはいきません!」

ガシッ

クリスタ「きゃあ?!」

サシャ「クリスタを解放して欲しくば、ミカパンを寄越しなさい!」

クリスタ「ちょ、冗談は止めてよサシャ!」

ユミル「……おいおい、私のクリスタと何じゃれあってんだよ」ニコ

サシャ「私は本気です」

ユミル「人質とってる時点で、自分に自信がないって言ってるようなもんだぜ?」

サシャ「対人でユミルに勝てた試しがありませんからね!」ニコ

ユミル「純粋そうな面して、汚い手覚えやがってよ」

クリスタ「もう、二人とも止めてよ!」

ユミル「サシャのやつは本気だ。くくくッ、じゃあ、私も本気で答えないとなあ」

サシャ「……パンツのご加護がありますように」

ユミル「ほお、手に入れてもいない神に祈るってか?」

サシャ「すぐ私の元に戻ってきます」

クリスタ(全部……あのパンツのせいだ……あんなものがあるから……こんなことになったんだ……仲間内で争ったり疑念を抱かせたり……)

クリスタ「ユミル、サシャ……二人ともあのパンツがそんなに欲しいの?」

ユミル・サシャ「「ああ」ええ」

クリスタ(もう、パンツしか考えられない……パンツ脳状態なんだ)

ユミル「あのパンツを手に入れて、クリスタ、お前と末永く暮らしたい」

クリスタ「……ユ、ユミル」

サシャ「私だって、あのパンツで巨人を倒して、外の世界の美味しい物いっぱい食べたいです」

ユミル「お前らしいな」

サシャ「あなたも」

ユミル・サシャ「ふッ」

サシャ「クリスタ……すいません。解放します」

ぱッ

クリスタ「サシャ……」

ユミル「ほお」

サシャ「行きます!」

ユミル「来な……!」

ダダダダ——

サシャ「フンヌバアアア!」

ユミル「ッリャアアアア!」




クリスタ(戦いの火蓋が切られました——その時、私は思ったのです。私はそれを見ることしかできない)


クリスタ(二人の女が、互いの夢を懸けて戦おうとしている。止めることなどできるわけもないのでした)


クリスタ(せめて二人が傷つかぬようにと、願います)


クリスタ(ああ——私にはわからない。伝わらない。あのパンツの魅力が)


クリスタ「……よいしょ」トサリ

クリスタ(あのパンツ、もしもの時のためにって渡されたけど)ポンポン

クリスタ(ユミルが負けたら、逃げた方がいいのかなあ)

ツンツン

クリスタ「ん?」

ミカサ(クリスタこっち)

クリスタ「あ、えっと」

ミカサ(二人とも気が付いてない。今の内)

クリスタ「う……うん」

クリスタ(長引きそうだし、いっか)

————

ミカサ「クリスタ、パンツ履いてる?」

クリスタ「うん、大丈夫だよ。心配してくれたの? ありがとう、ミカサ」ニコ

ミカサ「う……うん」

クリスタ「?」

ガサガサ

エレン「助かったよミカサ」

アルミン「ごめんねクリスタ、こんな形で呼び出しちゃって」

クリスタ「エレン・アルミン?! ミカサ、どういうこと……?」

ミカサ「……ごめん」

クリスタ「そ、そんな……」

クリスタ(私、ここで公開処刑されちゃうの……? そんなの嫌だ……)

アルミン「大丈夫痛いのは最初だけだから。すぐに良くなる」

エレン「痛いことなんてしないけどな」

ミカサ「アルミン……手荒な真似は」

アルミン「じょ、冗談だよ」

アルミン(で、でも怯えてるクリスタの顔を見てるとつ、つい……いけない気持ちが、これもパンツのせいなのかな? パンツを持ってるクリスタが欲しいのか。パンツが欲しいのか、理性が追いつかないや……)

エレン(とは言ったものの、なんだこの疼きは? 衝動は? 早く早く……ああ、アルミンが邪魔だ……な)

ミカサ「……?」

モゾ

ミカサ(右ポケットのパンツが動いてる……?)

クリスタ「や、やだやだ! み、ミカサ! 助けて!」

ミカサ「クリスタ……実は一緒に、パンツ買いに行けなくなった……ごめん」

クリスタ「謝るとこそこじゃないよ……!?」

ミカサ(……エレンのため、エレンのため)

ミカサ「エレンのため……エレンのためなの」

エレン「ごめんなクリスタ……」

ガシッ

クリスタ「や、やだ……エレン痛いよ……ッ」

アルミン「じゃあ、僕は足を持っておくから」

ガシッ

クリスタ「あ、ちょ……う、動けない」

アルミン「今のうちに……ミカサ頼んだ。僕らは目を瞑っておくから」ドキドキ

エレン「ああ、しっかり目を閉じておくから」ドキドキ

ミカサ「分かった……」


————


リヴァイ「……ミカサのやつエレンを見かけた途端飛んで行きやがって」

ハンジ「……で、パンツ履かせてくれたのかい?」

リヴァイ「ああ。その後脱がせたけど、なんの効力もなさそうだったが」

ハンジ「ふーん……じゃあ、問題はあの一枚だったってこと?」

リヴァイ「さあな……」

ハンジ「所で、あなたは大丈夫?」

リヴァイ「何が?」

ハンジ「パンツ欲しくない?」

リヴァイ「まだ……そこまでじゃねえよ」

ハンジ「そ、良かった」

リヴァイ「意地でもあいつのパンツが欲しいなんて、思いたくないんでね」

ハンジ「さすが……私なんか、今にも駆け出していきたいくらいなんだよ」

リヴァイ「そん時は俺がぶん殴るから、安心しな」

ハンジ「おー怖い怖い」


————

クリスタ「ミ、ミカサ……ダ、ダメ……」

ミカサ「……」ズキ

モゾ

アルミン「やるんだミカサ」

エレン「ぐずってると、クリスタもその分しんどいんだぞ。やれ、ミカサ」

ミカサ「うん……」ズキズキ

モゾゾ

ミカサ(エレンが私を頼ってくれている。嬉しい。嬉しいのに……)

クリスタ「ミカサ…ッ」

ミカサ(クリスタに名前を呼ばれると……ここが痛い)

エレン「ちッ……しょうがない、俺がやる!」

アルミン「あ、エレン……抜け駆けは!」

エレン「クリスタ……ごめんよ!」ドキドキ

クリスタ「い、いやああ!?」

ミカサ「だ、ダメ!!」


ピカ————!


エレン「な、なんだ眩しい!?」

アルミン「こ、これは?!」

ミカサ「うッ……はッ?! ポケットのパンツが光ってる……」

クリスタ「……私のポケットのも光って……」


ミカサ「痛みが引いて……力が湧いてくる……この光は、このパンツはいったい……」

クリスタ「……うッ! 頭の中に何か流れ込んでくる……ッ」


—————


クリスタ(……)パチ

クリスタ(ここはどこ?)

パンツの主よ。
ヒストリアよ

クリスタ(どうして……)

ヒストリア、パンツには巨人の魂が宿っています。
その魂を鎮めるためには、主よ、あなたがそのパンツを神に返さなければなりません。
あなたにはその義務があります。

クリスタ(なんで……)

あなたがパンツの主だからです。ヒストリア。

クリスタ(そんなの……)

ずっと南方に、巨人の生まれる場所があります。
そこは人の目には見えません。
しかし、あなただけは見ることができます。
あなたしか見ることができません。

ヒストリア、そこにいる小さな巨人にパンツを履かせるのです。
さもなくば、人々は争いを繰り返すでしょう。

クリスタ(ま、待って……!)

さようなら、ヒストリア。
また、会いましょう。

クリスタ(そ、そんな……)

今日はここまでです。お付き合いありがとう


面白いけど何がなんだか分からないww
続き期待!

本気のパンツ(勝負下着)だな…

なぜこんな内容でシリアスに持ってけるんだ
いやシリアスじゃなかったか

乙乙!
期待

ミカパン

>>71
分からない所は感じてください

>>72
パンツが本気を出しました

>>73
はい、ただのパンツのお話です

>>74
ありがとう

>>75
あなたのパンツにもぜひ略称をつけてください。ちょっと可愛いですよ

パチ

クリスタ「待って! パンツの主とか嫌だ!」

アルミン「と、突然光ったと思ったら……クリスタ、君は何を言って……?」

エレン「なんだったんだ?」

ミカサ(……パンツが共鳴している……心が何かに包まれているよう……そう、まるでパンツに)

アルミン「や、やっぱりクリスタのパンツにも何か秘めたる力が宿ってるんだ」

エレン「そうだな……!」

ミカサ「……」

アルミン「何が光ったかはさておいて、クリスタ、君のパンツを……」スッ

ボゴンッ!

アルミン「ぐぼお!?」

ドサッ———

アルミン「……ミ、ミカサ君は何を」

エレン「ミカサ!? 何、アルミン殴ってんだよ?!」

クリスタ「ミカサ……?」

ミカサ「……ご、ごめんなさいアルミン、エレン……で、でも手が勝手に」シュッシュッ

アルミン「そんなにしっかり腰を落として、戦闘態勢を整えてるのにかい……?」

エレン「ミカサ、おまえ……パンツを独り占めしようとしてるのか?」

ミカサ「ち、違う! ホントに手が勝手に!」

エレン「俺だって信じてえよ!? でも、現にアルミンはお前に腹パンされてるじゃねえか?!」

ミカサ「殴りたくて殴ったんじゃない!」シュッシュッ

ブオ!!

エレン「うおッ!?」サッ

ミカサ「ど、どうして? なんで……?」

アルミン「エレン……離れて。もしかしたら、パンツに操られているのかもしれない……」

エレン「ちッ……なんだってんだ?!」

アルミン「と、とにかく僕がクリスタを調べるから君はミカサを止めてくれ!」

エレン「お、おいちょっと待てよ! 不可能だ!」

アルミン「なんですぐに諦めるんだよ!?」

エレン「対人であいつに勝ったことねえんだよ!」

アルミン「君って奴は……じゃあ、僕はなおさら勝ち目なしだよ」

エレン「分かってる……だがな、二人なら……俺たちなら越えられる」

アルミン「はッ! そ、そうだねごめん。僕の判断ミスだ……」

エレン「ああ、お前の頭脳が必要だ。俺、ちょうど人一人縛れるくらいの紐を持ってたんだ。作戦を与えてくれ……!」

アルミン「わかった! 二人でミカサを止めよう」

エレン「ああ」

アルミン「よし、じゃあエレン脱いで!」

エレン「ああ!」

ヌギヌギ———

エレン「脱いだぞ!」

クリスタ「きゃあ!?」

アルミン「よし!」

クルクルクル——

エレン「なぜ縛るんだ!?」

アルミン「ミカサ! さあ、脱ぎたてほかほかの裸一貫エレンだ! パンツもあるよ! これでも食らえ!」

ペシッ(ミカサのほっぺたに当たった音)

ポトッ

ミカサ「……」

ヒョイ——

ミカサ「……エレンのパンツ」ごくり

エレン「……ば、こんなの効くわけ」

ミカサ「……」ユラ

フラフラ——

エレン「ちょ、や、迫って来んなって!?」ジタバタ

ミカサ(私があと3歩近づけば、エレンは胸の中。これまで幾度となく阻まれてきた。これが、大きな一歩になるだろう……)

クリスタ「ミカサ!」

ミカサ「……クリスタ」

ミカサ(私はエレンと共にある。エレンのために生きる。エレンとずっと一緒……死ぬまで一緒)

フラフラ——

アルミン「さて、クリスタ」

ジリッ

クリスタ「はッ」ビク

ガシッ

クリスタ「ァ、アルミン……離して」

アルミン「人類のためなんだ……」

クリスタ「やッ……痛い……よ」

アルミン「みんなのために、ひとパンツ脱いでくれええええ!!!」ガバッ!

クリスタ「キャアァアアアア!?」

エレン「アルミン避けろ!?」

アルミン「へッ!? エレンなんでこっちに飛んでぬふぉ?!」ドゴ!!

クリスタ「すごい……人ひとり投げられるなんて……」

ミカサ「……ごめんなさい。ごめんなさい……本当に手が勝手に……動いて……」ポロポロ

クリスタ「ミカサ……!?」

タタタタ——

クリスタ「大丈夫だよッ。二人とも気を失ってるだけだし……」ヨシヨシ

ミカサ「でも……二人の信頼を裏切ってしまった。エレンに迷惑をかけてしまった……」ポロポロ


クリスタ「……」

ミカサ「クリスタ……慰めはいらない。あなたには合わせる顔がない……」ポロポロ

クリスタ「いいよ……ミカサを泣かせてしまうくらいなら、パンツくらい……パンツくらい……パ」

ミカサ「無理しないで……」

クリスタ「……うん、ごめんやっぱり脱げないや……」

ミカサ「いい、それが普通……クリスタ……あなた、私のパンツを持ってるはず」

クリスタ「うん……さっき光を放ったのって……」ゴソゴソ

ミカサ「そう……それがあなたを守れと私に訴えて来た……逆らおうとしたのに無理だった」

クリスタ(さ、逆らおうとしたんだ……)

クリスタ「パンツが……?」

クリスタ(そういえば、さっきあり得ない何かを聞いたような……)

ミカサ「うん……それから、これ」ゴソゴソ

スッ——

クリスタ「……パンツ?」

ミカサ「これを渡せと言われた……巨人に。すごく小さい巨人」

クリスタ「は、話が飲み込めないんだけど……どういう」

ミカサ「誰に渡せとは言われなかった。ただ、あなたに渡すことを直感した……」

クリスタ「い、いらないよ……」

ミカサ「私も正直いらない」

クリスタ「捨てれないの?」

ミカサ「私には捨てれない……きっと、あなたにも捨てれない」


クリスタ(……何を言っているのか訳が分からない……のにどうして納得してしまっているんだろう、私……)

クリスタ「……さっき、白昼夢みたいなものを見たの」

ミカサ「……」

クリスタ「誰かが、パンツを南にいる小さい巨人に履かせろって。そうしたら、人々の争いも治まるって……」

ミカサ「それは、きっと私のパンツではなく、この渡されたパンツのことなんだと思う」

クリスタ「た、確かにこんなパンツ捨てなくちゃとは思ったけど、どこにいるかもわからない、しかも巨人にパンツを履かせるなんて……無理だよ」

ミカサ「……」

クリスタ「ミカサ……もし、からかってるなら」

ミカサ「……」ブンブン

クリスタ「……そうだね、冗談言うよう人じゃないもんね」

ミカサ「……今日はもう考えるのは止めよう。私も裸エレンをお持ち帰りしなくてはならないから……」

クリスタ「うん、分かった」

ミカサ「それじゃあ……」

ズルズルズル———

クリスタ「うん……」

クリスタ(アルミンは置いていくんだね……)

クリスタ「……無理……だよか」

クリスタ(本当は人類のために死ぬいい機会くらいに考えてる……ううん、死ぬには絶好の機会くらいには思ってる)

クリスタ「………」


クリスタは空を仰いだ。遠くには高く高くそびえる壁が見えた。



ちょろっと抜けます

その日の夜———


クリスタ「サシャ……そこをどいてくれると嬉しいんだけど……」

サシャ「ここから先は通せませんね!」

クリスタ「じゃあ、私が別の道から行くね」

クル

スタスタ——

サシャ「ああ!? ちょっと、待ってくださいよ!」

クリスタ「つ、ついてこないで」

スタスタ——

サシャ「なんでですか?」

クリスタ「だって、またパンツ狙いなんでしょ?」

サシャ「その通りですよ!」ニコ

クリスタ「じゃあ、全力で逃げるねッ」

ダダダ——ピタ

サシャ「へぶッ!?」ドンッ

クリスタ(待てよ……もしかしてパンツの力が私にも宿っているかもしれないんだよね……あ、でもミカサのパンツじゃないけど……このまま、追いかけられても体力が持たないし、いちかばちかで……)

サシャ「やっと渡す気になったんですね。感心感心」ニギニギ

クリスタ「……と、トオ!」

ペチコン

サシャ「?」

クリスタ「……てい!」

ペチコン

サシャ「ま、まさかクリスタ……殴っているつもりなんですか?」

ガシッ

クリスタ「……ッえへ」ニ、ニコ

クリスタ(ミ、ミカサに渡されたパンツ全然何の力もないよ……ど、どうしよう)

サシャ「はい、じゃあ失礼します」

サワサワゴソゴソ

クリスタ「ひゃッ……ははッやめッくすぐったい……ッ」

サシャ「もう! どこに隠してるんですか?」

クリスタ「しら……ッつ……ッんないよ」

サシャ「匂いはあるんですけどねえ……はッ、まさか、履いてるんですか!?」

クリスタ「……は、履いてないよ」

サシャ「嘘ですね!」

カチャカチャ

クリスタ「なんでベルト外そうとしてるの?!」

サシャ「何言ってるんですか。ズボンを脱がさないとパンツも下せないじゃないですか」

クリスタ「ひいいい……!?」ジタバタ

サシャ「抵抗しないでください……ッ」グググッ

クリスタ「やめッ……」グググッ

サシャ「恥ずかしいのは一瞬です。脱いだ後はヒヤッとしてちょっと快感ですから」

クリスタ「いらないよそんなのッ」

サシャ「……お願いです」ウル

カツン——

クリスタ「あ」

サシャ「へ?」

ポクッ

サシャ「へぶう!?」ドサッ

アニ「……」

クリスタ「アニ……?」

クリスタ「よ、良かった助かったわ、アニ」

アニ「いや、かまやしないよ」ヒラヒラ

ガシッ

クリスタ「え?」

アニ「あたしも同類だし」

クリスタ「……い」ゾワ

パシッ

アニ「……叫ばせないよ」

クリスタ「んんッ!?」

アニ「……アルミンの奴が欲しそうにしてたんでね」クス

クリスタ「んー!? ん?!」

アニ「癪に障るってのもある……」

クリスタ「ん!?」

アニ「まあ、それはついで。なにより、人類にそのパンツはまだ早すぎる……」

スル———ストン(クリスタのズボンが落ちる音)

クリスタ「!?」

アニ「……」ピク

ミカサ「そこまでよ、アニ」

アニ「なに?」

ミカサ「クリスタを解放して。彼女には大切な使命がある。パンツを南の巨人へ履かせるという」

アニ「……何だって? こいつが、選ばれたのか?」

ミカサ「その口ぶり、何か知っているの?」

アニ「なあに、聞きかじった知識さ……」

ミカサ「それなら話は早い。一緒に南まで来て」

クリスタ「え?」

アニ「使命感に燃えてるのは主人じゃなくてお供の方でしたってわけ?」

ミカサ「彼女を守る……ように力が働いている」

アニ「へえ……あんたがねえ」

ミカサ「私のパンツは完全に誰も寄り付かなくなった。代わりにクリスタが狙われている……このままではエレンがまたパンツ欲しさにクリスタに近づく……それは阻止したい」

アニ「エレンだけじゃない。他のやつもこぞって狙てくるだろうさ」

ミカサ「だから、理解者が必要」

アニ「私は理解しちゃいるが援護はできない。なにせ、そのパンツがある限り人類は勝手に自滅してくれるからね。手間が省ける」

ミカサ「何を言って……」

アニ「なるほど、パンツはもう第二次性徴を迎えていたわけだ……」ニヤッ

ミカサ「は?」

アニ「じゃあ、次も早いね……ミカサ」

ミカサ「?」

アニ「忠告だけはしといてあげるよ……パンツには気をつけな。守るだけじゃ、あんたがパンツに被り殺されるよ」

ミカサ「どういうこと……」

アニ「……それと」

ミカサ「……」

アニ「あんたたちのパンツは希望なんかじゃないよ」

クリスタ「……」

アニ「人類に絶望を振りまくだろうね」ニヤッ

ドゴオオオオオン!!!

ミカサ「何の音?!」

クリスタ「巨人?!」

ミカサ「こんな夜中に!?」

アニ「……」

クルッ——タタタタ

ミカサ「アニ、待って?!」

アニ「巨人じゃない。これは中だ」

ミカサ「中?」

アニ「敵は巨人だけじゃないってことだよ……」



眠いのでここまでです。ではまた

アルミンのパンツを履いたら皆頭が良くなるね...怖いよ...(震え声)

>>89

じゃあ、サシャのパンツはもらっていきますね

———————


クリスタ「と、とにかく指示を仰ぎに行こ?」

ミカサ「いや、これは……チャンス」

クリスタ「何の……?」

ミカサ「そのパンツをさっさと南の巨人に履かせるための」

クリスタ「……でも、どこにいるか分からないよ」

ミカサ「ホントに?」

クリスタ「そうだよだって……」

ミカサ「ううん。クリスタは分かるはず。それを分かっていないだけ」

クリスタ「そんなこと言われても」

ミカサ「渡したパンツは履いてる?」

クリスタ「うん……」

ミカサ「それが道しるべになる」

クリスタ「えー……っと」

ミカサ「人類のために巨人にパンツを履かせに行くなんて誰も信じない。エレンもパンツがある限りあなたを追いかける。ならば行くしかない」

クリスタ「それって、ミカサの独り善がりなんじゃあ……」

ミカサ「そんなことはない。すぐに行って帰ってくればいい話」

クリスタ「カンタンに言わないでよお……」


パアーン!

パリイン!


ミカサ「!?」

クリスタ「なに?!」

兵士「パンツ寄越せえええ!!」

パンパンパン!!

訓練兵「な、なんだあんたぐわあああ!?」

兵士「もっと、もっと力が必要なんだよ! 食い殺されるわけにゃあいかねえんだ!」

パンパン!

ガシャアアン———!

ミカサ「クリスタ下がって物陰に隠れて!」

クリスタ「え、あ、うんツ……!」

兵士「俺にはもうすぐ3歳になる娘がいるんだよ。娘に次の調査の後は帰ってやるって約束したんだ……!」

ミカサ「……」

兵士「パンツがありゃ強くなれるツ……生き残れるんだ……」

ミカサ「何かに頼ろうとしている時点で……あなたは強くなれない」

兵士「……なんだてめえ?!」

パアン!

ミカサ「!」バッ

ゴロゴロゴロ———!

ミカサ(ガラスの破片……)

ヒョイ——ひゅつ!

プスッ

兵士「ってええええ?!」

ミカサ「……」

タタタタ———

ゴス!!

兵士「ぐッ……」

グラ———ドサッ


兵士「ミラ……ジューン……父さん、女の子にやられちゃったよ……でも、なんだろう……この快感は……」ガクッ

クリスタ「……ひッ」

ミカサ「分かったクリスタ?」

クリスタ「……ッ」

ミカサ「これがあなたを取り巻いている今の現状……壁の中にいても命が足りない」

クリスタ「私……は、それで誰かの気が済むなら……」

ミカサ「はあッ……それでは私が困るの。それにそのパンツはあなた以外には宝の持ち腐れ。百害あって一利なし」

クリスタ「行くしかない……の?」

ミカサ「そう」

クリスタ「ユ、ユミルに……」

ミカサ「どうやらその暇はない」

ザッザッザッザ——

憲兵1「お前ら、ここで一体何が……ぐああ?!」

ドサリッ

クリスタ「ミカサ!? 手荒な真似は……はあああん!」

憲兵2「ミカサ・アッカーマン何をぐふうう!? ありがとうございますううう!」

バタリッ

クリスタ「や、やめてよ。ミカサ! これ以上関係ない人に変な志向を植え付けないで!」

ミカサ「あなたもこれ以上手間をかけさせるなら、今のよりすごいのをお見舞いする羽目になる……私のパンツの力はまだまだこんなものではない」

クリスタ「うッ……」

憲兵3「そこの二人さっきの物音ははあああん?!」

トサッ

ミカサ「ちょうどいい。この人たちの服を借りていこう」

クリスタ「……う、ん」

クリスタ(ごめんねユミル……すぐに、戻ってくるから)




——————

馬小屋


ミカサ「ヨシヨシ」

ブルルルンッ

馬「フシュー……」

ミカサ「クリスタのおかげでいつも私を怖がる馬たちが大人しい」

クリスタ「ごめんねウマ……少しだけ付き合ってくれるかな?」

ウマ「ブルルルンッ!」

ミカサ「そのネーミングはどうかと思う……さあ、乗って」

ヒョイッ

クリスタ「うんッ……」

ミカサ「壁まで一直線に抜ける……?!」

ッタッタッタ!

エレン「待てよ!? 何やってんだ!!」

アルミン「ミカサ! 気は確かか?!」

クリスタ「……ミカサ、どうしよう!?」

ミカサ「ちょっと待って、魔法の呪文を唱える。……エレンのためエレンのためエレンのため……よし、突っ切る」

パカラッパカラッ!

ブヒヒヒイイン!

エレン「うおお?!」バッ

アルミン「うわあ……だ、だめだ! パンツをオイテイクンダアアア!」バッ

エレン「や、止めろアルミン、あぶねえ!」

ゴロゴロ——

クリスタ「わ、私も……ッあ」

———ジャリッ

ユミル「クリスタ……」

クリスタ「ユミル……」

ユミル「ごめんなさい。ごめんねユミル!!」

パカラッ!

ユミル「パンツウウウウ!」

クリスタ「……!」

パカラッパカラッ!

ブヒヒヒイイン!

クリスタ「ユミルのバカアア!」


———壁の外


ボオッ!(松明が付く音)


クリスタ「何も見えない……」

ミカサ「ええ……パンツ1枚も見えない」

クリスタ「当たり前じゃない……」


ザアアア———


クリスタ「……」

ミカサ「……」


ザアアア———


ミカサ「……今日の夜は風がよく吹いている。北からの追い風」

クリスタ「祝福の風……だったらいいね」

ミカサ「そうだったらいいけれど……」

クリスタ「真っ暗な大地……怖い、飲み込まれそう」

ミカサ「奇行種に出くわすかもしれない……」ゾク

クリスタ「怖い事言わないでよ……」ビクビク

ミカサ「あなたは必ず南にいる小さな巨人の所へ届ける。エレンのためにも……」

クリスタ「ミカサ、あなた怖くないの」

ミカサ「そんなことを思っている程余裕はない。それに、悩むだけ時間の無駄……やるべきことは分かり切っている。どう?南への針路は思い出せた?」

クリスタ「……う、うんなんとなくこっちって言うのは」

ミカサ「よし……行こう」

クリスタ「……あの、約束してミカサ」

ミカサ「?」

クリスタ「危険なこと……ただでさえ危険だけど、私を助けるために自分を犠牲にしたりしないでね……」

ミカサ「……エレンのためだから、言われなくても外で死ぬわけにはいかない」

クリスタ「そう、良かった」

ミカサ「……第一、それはこっちの台詞」

クリスタ「え?」

ミカサ「あなたこそ、死に急がないで。道しるべとしての使命を全うするまでは」

クリスタ「う、うん」

ミカサ「さあ……」

クリスタ「ええ……」

パカラッ———


互いに死なないようにと交わした約束でした。でも、それはとても空虚で、悲しい約束なのでした。






1章っぽいの、完

1です

ここまでこんなアホなssにお付き合いくださってありがとうございます
ゆるゆりみたいなのしたかったのに……どうしてこうなった

引き続き遅筆ですが、お楽しみください


次の日——


会議室

カツカツカツ


リヴァイ「あー……昨夜遅く、第104期訓練兵団所属の2名がいわくつきパンツを所持して、門外に出たとの報告があった。その際、何人かの同朋を再起不能にしたと……証人……エレン、アルミン、ユミル前へ」

エレン「は、はい。自分は昨夜、馬小屋でミカサとクリスタが一緒にいるのを見ました……立体起動装置をつけていたので、外に出ようとしていたと判断しました」

アルミン「断定はできませんが、例のパンツを所持していると思われます。また、あの手のパンツは2枚ある可能性も示唆されます。これは同じ104期のサシャの証言ですが」

ユミル「……特に付け足すことはありません」

リヴァイ「商業用の扉がぶっ壊されて、朝からひやひやさせられちまったが……」

ハンジ「さて、パンツを片っ端から調べてたら、こんなことになっちゃったのか、それとも、元々こういう予定だったのか」

リヴァイ「おまえら、何か心当たりとかねえのか」

エレン「ミカサは、特にクリスタと親しい関係ではなかったと思いますが」

アルミン「二人が言葉を交わすところを普段見た者はほとんどいません。ただ、昨日クリスタのパンツを検証しようとした所、ミカサが彼女を庇う発言と行動をとっていました。それも何か関係があったと思われます」

ユミル「クリスタは自分から何かを起こす人物ではありません。大方、ミカサにそそのかされたのでは」

エレン「おい、ユミル。断定はできないだろうが」

ユミル「ミカサは自分のパンツ欲しさにクリスタに近づいた、そしたらクリスタのパンツも同じような効力があった。まとめて頂き……へッ大方そんなところじゃねえのか」

アルミン「それはこっちの台詞だ。ミカサは自分のパンツに価値なんて見出していなかった。なにせエレンのパンツ以外眼中にないくらいだ」

ユミル「演技だったんじゃねえのか。疑いを晴らすための」

アルミン「それを言うなら、クリスタだって……そもそもパンツを彼女に渡したのはユミル、君だったんじゃないのかい?」

ユミル「クソガキ……行ってくれるじゃん……」

やっぱついていけない

>>100
オーケー

リヴァイ「あー、黙れ黙れ……どちらにしてもひっ捕らえて聞いてみないとわかんねえってことだな」

ハンジ「こういう時のための僕達ってね」

リヴァイ「……こんなくだらねえことに使う兵の余力があるか?」

ハンジ「くだらなくなんかないさ。真相解明で人類はまた一歩世界の真実に近づく」

リヴァイ「精鋭共を連れてくのか」

ハンジ「班の構成に関しては、君に一任するよ。上からの許可は取ってある。志願でも、推薦でもかまわないってさ」

リヴァイ「……あん? つまり、どこから間引いてきてもいいってことか?」

ハンジ「そういうこと」

リヴァイ(食いぶち減らしっつーわけか……)

リヴァイ「それだったら……」

エレン「行かせてください! 確かクリスタが昨日南に行くとかなんとか呟いていた気がします!」

アルミン「僕もお願いします!」

ユミル「私も行かせてください!」

リヴァイ「おーお、死に急ぎやがって……ただなあ、親交の深かった者はむしろ邪魔になる可能性の方が高けえんだよ。つうわけでお前ら全員却下」

今日はここまでです

エレン「じゃあ、誰を連れて行くって言うんですか……?」

アルミン「ミカサを止められるような人なんてそういませんよ……」

ハンジ「まあ、リヴァイがいればなんとかるでしょ」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「白兵戦かー、どっちが勝つんだろうね?」ゾクゾク

リヴァイ「誰がやるつった……」

ハンジ「あれ? じゃあ、いかない?」

リヴァイ「行くがよ……あの女と戦うとか嫌すぎる……」

ハンジ「女性には手を挙げたくないってこと?」

リヴァイ「性別的なもんじゃなくてな……生理的にきつい」

ハンジ「いつになく、弱気だね。あの子、可愛い顔してるじゃん」

リヴァイ「止めてくれ……顔は知らん、女として見たことはない」

ハンジ「じゃあ、何?」

リヴァイ「二足歩行する筋肉」

ハンジ「……えー」

リヴァイ「ま、相手が人間である以上やりようはいくらでもある。ハンジ、速い馬を3頭用意しておいてくれ」

ハンジ「私も行くの?」

リヴァイ「いや、お前はこっちでパンツでも調べてろ」

ハンジ「じゃあ……?」

リヴァイ「目星はつけてある」

——————


ジャン「……なんだこの白い羽根の矢は……?」

ベルトルト「……ジャン、それ頭に刺さってるけど大丈夫かい?」

ジャン「ああ……平気だ」

キュポッ

ブシュッ

ベルトルト「ジャン血が……」

ジャン「問題ない。心配するな」

ライナー「おい、なんか矢にくくりつけてあるぞ」

ジャン「なんだこりゃ……」

カサカサ

『この度は「ミカサ・アッカーマン頭の天辺からつま先まで切り落としファンクラブ」、入会おめでとうございます!
付きましては』

ジャン「うおおおお!?」

グシャグシャグシャ!!

ライナー「なんだ、なんで丸めた?」

ジャン「な、なんでもねえ!」

グシャグシャ!

ベルトルト「ジャンにだって見られたくないものがあるさ」

ライナー「必死に隠されると気になるもんだ」

ベルトルト「止めなよ。誰も自分がミカサのファンクラブに入ってるなんて知られたくないさ」

ジャン「いやああああ?!」

ライナー「……へー」

ベルトルト「しかも、会員の初回特典にミカサが使ったブレードの端切れ贈呈だなんて、知られたくないよね」

ジャン「ひゃああああ!?」

ライナー「……」

ガタッ

ジャン「……ぐうッ」ポロポロ

ベルトルト「どうしたんだいジャン?!」

ジャン「もういぎでいげねええ!!」

ダダダダダ————!!!

ベルトルト「ジャアアアアン!?」

ライナー(こういう世界もあるんだな……)

——————

サシャ「ふんふんふん」

テクテクテク

サシャ「ふんふふふん……う?」チラ

眠いんでここまで、また明日です

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