アテム「使えないカードなんてない」 (84)
アテム「相棒。新しいデッキを作るのか?」
アテム「相棒。また新しいデッキを作るのか?」
遊星「遊戯さんに謝らないと…」
アテム「理想VS現実」
の続きになります。
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遊戯(──もうひとりのボク。またデッキの調整をしてるの?)
アテム「ああ。俺達が使う【ブラック・マジシャン】の新規カードが来たからな」スッ
【対峙する宿命】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分フィールドに「青眼の白龍」または「ブラック・マジシャン」が存在する場合に発動できる。相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果はターン終了時まで無効化される。
遊戯(…なるほど。対象を取らない、相手モンスターの効果を無効にする罠か)
アテム「そうだ。罠だから若干遅いかもしれないが、中々強力な効果だし──」
アテム「このカードは結構使えると思うぜ?相棒」フッ
遊戯(そうだね。それにこのカードの他にも新規カードはあるみたいだし、色々と試してみようよ)
アテム「ああ。そうだな相棒」
アテム(……よし。ある程度デッキはまとまってきたが、他に何かいいカードはないか?)スッスッスッ
ポロッ
アテム「!おっと、大事なカードを床に落としてしまったぜ──」ペラッ
【沈黙の魔導剣士─サイレント・パラディン】
アテム「……このカードは?」スッ
アテム(沈黙の魔導剣士サイレント・パラディン。見たことのないカードだが…)
アテム(いや、待てよ?前に相棒が“サイレント”と名を持つモンスターを使っていたような──)
アテム「──相棒」
遊戯(どうしたの?もうひとりのボク)
アテム「お前はこのカードを知ってるか?」
遊戯(……ああ。サイレント・パラディンね)
アテム「確か相棒のデッキには“サイレント”モンスターが入っていたはずだが、このカードは使わないのか?」
遊戯(……うん。ボクもそのカードを使いたい気持ちはあるんだけどね)
アテム「?使いたいなら使えばいいんじゃないか」
遊戯(…それがこのカードは“使いたくても使えない”カードなんだ)
アテム「使いたくても使えない?どういうことだ?」
遊戯(そのカードには色々と問題があって、どうしても採用できないんだ)
アテム「……らしくないぜ。この世に使えないカードなんてない。そうだろ?相棒」フッ
遊戯(…)
アテム「あれ?相棒…?」
遊戯(…うん。これはいい機会かもしれないね)
アテム「え?」
遊戯(もうひとりのボク。君は“使えないカードなんてない”って本気で信じてるんだね?)
アテム「ああ。決闘者はカードとの絆さえあれば、どんな相手にだって勝利することができるはずだ」
遊戯(わかった。君がそこまで言うのなら“そのカード”を使いこなしてみてよ。もうひとりのボク──)
アテム「──俺は一人の決闘者として、相棒に“使えないカードなんてない”ことを証明しなければならない」
アテム「だから、今回も俺に力を貸してくれないか?」
十代「今度はそういう話ですか…まあ協力しますけど」ハァ
遊星「それではさっそく、そのモンスターの効果を見てみましょう──」
【沈黙の魔導剣士─サイレント・パラディン】
①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「サイレント・ソードマン LV3」または「サイレント・マジシャン LV4」1体を手札に加える。②:このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、自分フィールドのモンスター1体のみを対象とする魔法カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にする。③:フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、自分の墓地の光属性の「LV」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。
アテム「サーチに魔法を無効にする効果、そしてサルベージ…」
アテム「なんだ。普通に使えそうなカードじゃないか」
十代「…」
遊星「…」
アテム「?どうした?ふたりとも…」
遊星「…十代さん。どう思いますか?」
十代「なんだろうな?何か効果に違和感があると言うか…」
アテム「効果に違和感?どういうことだ?」
遊星「実際に動かしてみましょう。まずはサイレント・パラディンを召喚します」スッ
遊星「そして、パラディンの召喚時効果で【サイレント・マジシャン レベル4】か【サイレント・ソードマン レベル3】を手札に加えますが──」
遊星「このどちらかを手札に加えたとして、その後はどうするんですか?」
【サイレント・マジシャン レベル4】
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手がカードをドローする度に、このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大5つまで)。②:このカードの攻撃力は、このカードの魔力カウンターの数×500アップする。③:このカードに5つ目の魔力カウンターが置かれた次の自分ターンのスタンバイフェイズに、魔力カウンターが5つ置かれているこのカードを墓地へ送って発動できる。手札・デッキから「サイレント・マジシャン LV8」1体を特殊召喚する。
【サイレント・ソードマン レベル3】
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードを対象とする相手の魔法カードの効果は無効化される。②:自分スタンバイフェイズにフィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。手札・デッキから「サイレント・ソードマン LV5」1体を特殊召喚する。この効果はこのカードが召喚・特殊召喚・リバースしたターンには発動できない。
アテム「……」
十代「しかもパラディンの攻撃力は500しかないですし、最初からすげえ不利な状況ですよ。これ…」
アテム「…だが、このモンスターは破壊された場合に墓地のレベルモンスターを回収できる──」
遊星「ですが、その回収可能なモンスターは今手札にあるわけですから、パラディンが次のターンに破壊されたとしても特に意味がありません」
アテム「……」
十代「後はこの②の効果ですけど──これ使うタイミングあります?」
アテム「…それは【禁じられた聖杯】とか【精神操作】を発動された場合に使えるんじゃないか?」
十代「いや、このモンスターに対して聖杯とか精神操作を使う人はいないと思うんですが…」
アテム「……」
十代「うーん。思ったよりヤバいですねこのカード…」
アテム「そう判断を焦るなよ十代。相棒に渡された“サイレント”カードはまだあるんだぜ?」スッ
【沈黙の魔術師─サイレント・マジシャン】
このカードは通常召喚できない。自分フィールドの魔法使い族モンスター1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。①:このカードの攻撃力は、自分の手札の数×500アップする。②:1ターンに1度、魔法カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にする。③:フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。手札・デッキから「沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン」以外の「サイレント・マジシャン」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
【沈黙の剣士─サイレント・ソードマン】
このカードは通常召喚できない。自分フィールドの戦士族モンスター1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。①:自分・相手のスタンバイフェイズに発動する。このカードの攻撃力は500アップする。②:1ターンに1度、魔法カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にする。③:フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。手札・デッキから「沈黙の剣士-サイレント・ソードマン」以外の「サイレント・ソードマン」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
十代「おお!こっちは結構いい感じじゃないですか!」
アテム「ああ。こいつらが【サイレント】デッキの要であり、切り札だ」フッ
遊星「マジシャンは魔法使い族、ソードマンは戦士族をリリースして特殊召喚か…」
十代「そう言えば、パラディンの種族は魔法使いと戦士のどっちなんだ?」ハテ
遊星「パラディンの種族は──っ!?」
十代「ん?どうした遊星?」
遊星「……十代さん。このカードの種族は“てんし”です」
十代「そうか戦士か。じゃあパラディンを召喚したら沈黙のソードマンを──」
遊星「十代さん。違います」
十代「?何が違うんだよ?」
遊星「サイレント・パラディンは戦士族ではなく“天使族”なんです」
十代「え、天使?魔導剣士なのに…?」
遊星「…はい。魔導剣士なのに天使みたいです」
十代「なんで?全然噛み合ってなくね?」
遊星「まあ…そうですね」
十代「遊戯さん。多分このカード使えないやつですよ?」
アテム「そ、そんなことはない!俺達が気づいてないだけで、きっと何か上手い方法があるはずだ!」
十代「上手い方法ですか…」
アテム「くっ…!」
アテム(まずい。もはや十代はパラディンを使えないカードとしてしか見ていない…!)
アテム(何か…何かいい方法は──そうだ!)
アテム「十代!お前のHEROデッキならソードマンとの相性もいいし、パラディンも上手く使いこなせるんじゃないか?」
十代「まあ遊戯さんの言う通り、ソードマンとは相性がいいとは思いますけど、パラディンはちょっと…」
アテム「──それなら遊星!お前のシンクロデッキならどうだ!?」
遊星「…確かに俺のデッキならシンクロモンスターの素材として使えなくはないと思います」
アテム「よし!それなら──」
遊星「ですが、パラディンを無理矢理シンクロ素材にしたとして、それが遊戯さんの言う“使いこなした”ことになるのかどうか…」
アテム「!」
アテム(──そうだ。相棒は俺にサイレント・パラディンを“使いこなす”ように言ったんだ…!)
アテム(だからきっと相棒はパラディンを何かの素材やコストにすることを認めてはくれないだろう──)
十代「あの…遊戯さん。今回ばかりは流石に無理なんじゃないですか?」
アテム「…いや、俺はここで諦めるわけにはいかない」
アテム(そう…これはあの時──理想と現実を懸けて闘った時と同じだ)
アテム(俺はあの時と同じように、相棒にこの思いを伝えなければならない──!)
アテム「俺は決闘者としての誇りを賭けて、絶対にこのカードを使いこなしてみせるぜ!」ドン☆
~遊戯の自室~
アテム(あれから数日。俺が考えつく手段、方法を全て試してみた)
アテム(…そう。試してみたんだが──)
アテム「なんだこれ全然噛み合わない…!!」ギリッ
アテム(俺が作るのはこのカードの効果を最大限引き出せるような【サイレント】デッキ)
アテム(だが、このデッキは魔法使いを多くするとソードマンが、戦士を多くするとマジシャンがデッキから浮いてしまう──)
アテム「くそっ…それを上手く調整するのがこのカードなんじゃないのか?」スッ
【沈黙の魔導剣士─サイレント・パラディン】
①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「サイレント・ソードマン LV3」または「サイレント・マジシャン LV4」1体を手札に加える。②:このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、自分フィールドのモンスター1体のみを対象とする魔法カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にする。③:フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、自分の墓地の光属性の「LV」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。
アテム(このカード…見れば見るほど効果や種族が浮いている)
アテム(ただでさえ【サイレント】デッキは2つの種族が混合し、なおかつ魔法カードに依存する扱いづらいデッキだ)
アテム(にも関わらず、パラディンのようなカードを作ることに一体何の意味が──)
アテム「──っ!!まさか…!?」
アテム(普通に考えれば、ここまで噛み合わない効果のカードが生まれることはない)
アテム(ならば、このカードは意図せず作られたものなのかもしれない──)
アテム「ここは直接“あの男”に確かめるしかないぜ──!!」
~インダストリアル・イリュージョン社~
アテム「──来たぜ!ペガサス!!」
ペガサス「ワッツ!?いったい私に何の用デスか遊戯ボーイ!?」
アテム「ペガサス!このカードを知っているな?」スッ
ペガサス「沈黙の魔導剣士サイレント・パラディンデスか?」ハテ
アテム「ああ!お前が“効果を間違えて作った”カードだ!」
ペガサス「…効果を間違えて作った?全く話が読めまセーン!説明してくだサーイ!?」
アテム「ハッ!しらばっくれても無駄だ!ここまで噛み合わない効果は作る側のミスに決まってる──」
アテム「つまりはお前の失態だぜペガサス──!!」ドン☆
ペガサス「…なるほど。遊戯ボーイの言いたいことはわかりました」
ペガサス「ユーはこのカードを“生まれながらのエラーカード”と言いたいわけデスね?」
アテム「そうだ。わかったなら早くこいつの種族を魔法使いか戦士に──」
ペガサス「つまり諦めるのデスか」
アテム「…何?」ピクッ
ペガサス「ユーの言う通り、確かにこのカードは強くありまセーン…」
ペガサス「また“魔導剣士”という名前でありながら、天使族と種族からしておかしいカードなのかもしれません」
ペガサス「──ですが、それがどうしたのデスか?」
アテム「!」
ペガサス「遊戯ボーイ。ここであなたに一つクエスチョンデース──」
ペガサス「決闘者にとって一番大切なものはなんデスか?」
アテム「決闘者にとって大切なもの…?」
ペガサス「遊戯ボーイ。私と闘った時を思い出してくだサーイ。そこに活路があるはずデース」
アテム「俺とペガサスとの闘い…」
アテム(俺はあの時、相棒や城之内くんたちと力を合わせて──)
ペガサス「…そう。デュエルとは“より強いマインド”を持つ方が制するのデス」
アテム「!より強いマインド…!!」
ペガサス「そうデース!私を倒したユーならば、絶対にこのカードを使いこなすことができマース!」
アテム「…だが、本当にこのカードには使い道が…」
ペガサス「遊戯ボーイ。思い出してください。このカードを使うのなら“あのカード”が使えるはずデース!」
アテム「あのカード?──そうかっ!!」
アテム(俺はあの時“あのカード”を…!!)
アテム「サンキューなペガサス。お前のおかげでなんとかなりそうだぜ」
ペガサス「ふっ…いいのデスよ。あなたのそのマインドがあれば、必ず勝利することができマース!」
アテム「ああ!お前の言う強いマインドで必ず勝ってみせるぜ…!!」
……
…
【遊戯の精神世界】
遊戯「──待ってたよ。もうひとりのボク」
アテム「ああ。待たせたな相棒」
遊戯「キミは本当にサイレント・パラディンを使いこなせると思ってるの?」
アテム「…相棒。闘うことを決意した決闘者に“言葉”は必要ないんじゃないか?」フッ
遊戯「!」
アテム「行くぜ相棒!俺の答え──俺の沈黙を見せてやる!」カシャッ
遊戯「…うん!受けて立つよ!もうひとりのボク──!!」カシャッ
アテム・遊戯「「デュエル!」」LP8000
アテム「先行は譲るぜ!相棒!」ドン☆
遊戯「あ、うん──それならボクのターン!」
遊戯「ボクは手札から通常魔法【融合派兵】を発動!」
【融合派兵】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:EXデッキの融合モンスター1体を相手に見せ、そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体を手札・デッキから特殊召喚する。このカードを発動するターン、自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
遊戯「エクストラデッキの【竜騎士ブラック・マジシャン】をキミに見せ、デッキからこのカードを特殊召喚する──」
遊戯「来い!ブラック・マジシャン!」
ブラック・マジシャン「ハァ!」ATK2500
アテム(!いきなり来たか…ブラック・マジシャン…!)
遊戯「まだまだいくよ!さらにボクは魔法カード【ティマイオスの眼】を発動!」
【ティマイオスの眼】
このカード名はルール上「伝説の竜 ティマイオス」としても扱う。このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分フィールドの「ブラック・マジシャン」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを融合素材として墓地へ送り、そのカード名が融合素材として記されている融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
遊戯「このカードの効果により、ボクのブラック・マジシャンは進化する──」
遊戯「現れろ!超魔導剣士ブラック・パラディン!」
ブラック・パラディン「ふっ!」ATK2900
【超魔導剣士―ブラック・パラディン】
「ブラック・マジシャン」+「バスター・ブレイダー」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。①:このカードの攻撃力は、お互いのフィールド・墓地のドラゴン族モンスターの数×500アップする。②:魔法カードが発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、その発動を無効にし破壊する。
アテム「ブラック・パラディン…」
遊戯「──そしてボクはカードを1枚セットしてターンエンド!」
【武藤遊戯】LP8000
超魔導剣士ブラック・パラディン
伏せ1枚
遊星「ようやくデュエルが始まりましたね?」
十代「ああ。全然遊戯さんからの連絡がなかったから、もうサイパラのことは諦めたのかと思ったぜ」
アテム「──俺のターン…」シュッ
アテム(今の動きを見るに、相棒のデッキはいつも俺達が使っているブラマジデッキ…)
アテム(そして、フィールドには魔法の発動を無効にすることができるブラック・パラディン…)
アテム「ふっ…」
アテム(いいぜ相棒。ならばこちらも見せてやる…俺のデッキの“魔導剣士”を──!!)
アテム「俺は手札からこのモンスターを召喚する──」
アテム「現れろ!沈黙の魔導剣士サイレント・パラディン!」
サイレント・パラディン「…」ATK500
遊戯「サイレント・パラディン…」
遊戯(本当にデッキに入れたんだね。もうひとりのボク…)
遊星「…場に互いの魔導剣士が並んだ」
十代「ま、効果やステータスは段違いだけどな!」
アテム「パラディンの召喚時効果により、俺はデッキから【サイレント・ソードマンLV3】を手札に加えるぜ」スッ
遊戯(…もうひとりのボクは既に召喚権を使っている)
遊戯(だから、ソードマンを手札に加えたとしても、このターンに動くことはない──)
アテム「──それは違うぜ?相棒」
遊戯「!」
アテム「俺はフィールドのパラディンをリリース!」
サイレント・パラディン「…」スゥウウ
十代「な、サイパラをリリース!?」
遊星「いったい何をする気なんだ…?」
アテム「──行くぜ相棒!これが俺の答えだ!現れろ!ヤタノミサキ!」
ヤタノミサキ「!」ATK2050
?【機巧嘴-八咫御先(ヤタノミサキ)】
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードは自分フィールドの通常召喚されたモンスター1体をリリースして手札から特殊召喚できる。②:このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに発動できる。モンスター1体を召喚する。自分はこの効果で召喚したターン、そのモンスターと元々の種族が同じモンスターしか特殊召喚できない。③:このカードの①の方法で特殊召喚したこのカードがリリースされた場合に発動する。自分は2050LP回復する。
遊戯「ヤタノミサキ…そんなカードを…!」
アテム「ああ。このカードにたどり着くまで2週間かかったぜ──」
アテム「俺はヤタノミサキの効果発動!このターン、俺はモンスターをもう一度召喚することができる!」
アテム「来い!サイレント・ソードマンLV3!」
ソードマンLV3「…」ATK1000
アテム「そして通常魔法【レベルアップ!】を発動する!」ピカー
遊戯(…ボクのパラディンの効果でレベルアップは無効にできるけど、ここは──)
遊戯「うん、いいよ。もうひとりのボク」
アテム「よし!ならば今こそ進化しろ!サイレント・ソードマン!」
ソードマンLV5「!」ATK2300
遊星「これで遊戯さんのフィールドにはレベル5のモンスターが2体…」
十代「!まさかエクシーズ召喚を──!?」
アテム「いいや、ここはバトルだ!ソードマンで相棒のパラディンに攻撃!」
遊戯「!」
十代「ソードマンでパラディンに攻撃だって!?」
遊戯(ここで攻撃力の低いソードマンでの攻撃。ということは──)
アテム「この瞬間!俺は速攻魔法【沈黙の剣】発動!ソードマンの攻撃力をアップさせる!」
遊戯「そうはさせない!ボクはパラディンの効果を発動して──っ!?」
アテム「……そう、お前なら知ってるはずだぜ。この【沈黙の剣】の効果は無効にすることはできない」
【沈黙の剣】
①:自分フィールドの「サイレント・ソードマン」モンスター1体を対象として発動できる。その自分のモンスターの攻撃力・守備力は1500アップし、ターン終了時まで相手の効果を受けない。このカードの発動と効果は無効化されない。②:自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「サイレント・ソードマン」モンスター1体を手札に加える。
遊戯「くっ…」
遊戯(しまった。レベルアップの時点で止めておくべきだった…!)
アテム「──やれ!ソードマン!相棒のパラディンを粉砕しろ!」
ソードマンLV5「!」ATK2300→3800
ブラック・パラディン「!?」ATK2900
遊戯「っ!!」LP8000→7100
アテム「さらにヤタノミサキで相棒にダイレクトアタック!」
遊戯「ぐわぁあああ!?」LP7100→5050
遊星「!攻撃が通った…!」
十代「すげえ!まさかの大ダメージだぜ!」
アテム「そしてメイン2──俺は墓地の【沈黙の剣】を除外し、デッキから【沈黙の剣士サイレント・ソードマン】を手札に加える…」スッ
アテム(相棒の場にはリバースカードが1枚。ここは普通のソードマンを場に残すよりは──)
アテム「俺はフィールドのソードマンをリリースし“沈黙の剣士”を特殊召喚する!」
沈黙の剣士サイレント・ソードマン「…」ATK1000
【沈黙の剣士サイレント・ソードマン】
このカードは通常召喚できない。自分フィールドの戦士族モンスター1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。①:自分・相手のスタンバイフェイズに発動する。このカードの攻撃力は500アップする。②:1ターンに1度、魔法カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にする。③:フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。手札・デッキから「沈黙の剣士-サイレント・ソードマン」以外の「サイレント・ソードマン」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
アテム「──そしてカードを1枚セットし、ターンエンド!」
【アテム】LP8000
沈黙の剣士サイレント・ソードマン
機巧嘴-八咫御先
伏せ1枚
ふり絞れ 自分の生命
呼吸合わせて 無限の力
太陽(かれ)が僕を照らすから
前に進めんだ
ほら いきあたりばったりじゃなく
厳しき軌道外さず進め
太陽(かれ)は世界中照らして 今 生きてる
遊戯「ボクのターン、ドロー!」シュッ
遊戯「!」
アテム「!相棒の目付きが変わった…?」
遊戯「──ボクは【マジシャンズ・ロッド】を召喚!」
マジシャンズ・ロッド「…」ATK1600
遊戯「ロッドの召喚時効果発動!デッキから【黒の魔導陣】を手札に加え、そのまま発動──」ピカー
アテム(黒の魔導陣はブラマジデッキにとって要となるカード。ならばここは──)
アテム「そうはさせないぜ!ソードマンの効果を発動し、魔導陣の発動を無効にする!」
黒の魔導陣「」シュゥウウ
十代「よし!陣が止まった!」
遊星「あのカードは厄介ですからね…」
遊戯「──だけど、これでボクはこのカードを発動することができる!」
遊戯「リバース・カードオープン!【交差する魂】!」
【交差する魂】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分・相手のメインフェイズに発動できる。幻神獣族モンスター1体をアドバンス召喚する。その際、自分フィールドのモンスターの代わりに相手フィールドのモンスターをリリースする事もできる。相手フィールドのモンスターをリリースしてアドバンス召喚した場合、以下の効果を適用する。
●このカードの発動後、次のターンの終了時まで自分は幻神獣族モンスター以外の魔法・罠・モンスターの効果を1ターンに1度しか発動できない。
ゴゴゴゴゴ
遊星「!この揺れは…!?」
十代「ま、まさか…!!」
アテム(交差する魂……来るのか…!!)
遊戯「──このカードの効果により、ボクは君の場のモンスターを生け贄にすることができる!」
遊戯「ボクは場のマジシャンズ・ロッド、ヤタノミサキ、そしてソードマンを生け贄に捧げ──」
遊戯「オベリスクの巨神兵召喚!」
オベリスクの巨神兵「!!!!!」ATK4000
【オベリスクの巨神兵】
このカードを通常召喚する場合、3体をリリースして召喚しなければならない。①:このカードの召喚は無効化されない。②:このカードの召喚成功時には、魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。③:このカードは効果の対象にならない。④:自分フィールドのモンスター2体をリリースして発動できる。相手フィールドのモンスターを全て破壊する。この効果を発動するターン、このカードは攻撃宣言できない。⑤:このカードが特殊召喚されている場合、エンドフェイズに発動する。このカードを墓地へ送る。
アテム(オベリスク……!!)
遊星「相手のモンスターを一掃しながら、自身の場に神を降臨させるとは…!」
十代「わかってはいたけど、徹底的に遊戯さんを倒すつもりだぜ…」
遊戯「……オベリスクの召喚でリリースされたヤタノミサキの効果で、君はライフを2050回復するけど、関係ない──」
遊戯「オベリスクの攻撃!ゴッドハンドクラッシャー!」
オベリスクの巨神兵「!!!」ブゥウン
アテム「ぐわぁああああ!?!?!?」LP10050→6050
十代「オベリスクの攻撃をまともにくらった!?」
遊星「普通に痛そうですね…」
アテム「ぐっ……だが俺はこの瞬間、ライフを1000払い【活路への希望】を発動!」LP6050→5050
【活路への希望】
①:自分のLPが相手より1000以上少ない場合、1000LPを払って発動できる。お互いのLPの差2000につき1枚、自分はデッキからドローする。
遊星「……遊戯さんのライフは7100。つまり、ライフの差は2050」
十代「ってことはドローは1枚?なんかしょっぱいな?」
遊星「いえ…相手の場に神が存在する以上、ここは1ターンでも早く手札を増やすべきです」
アテム「ドロー…」シュッ
アテム「!このカードは…」
アテム(この手札ならいけるか?だが、相棒の手札は──)
遊戯「ボクはカードを1枚伏せ、ターンエンド!」
【武藤遊戯】LP7100
オベリスクの巨神兵
黒の魔導陣
伏せ1枚 手札0枚
アテム「俺のターン、ドロー!」シュッ
遊星「【サイレント】デッキでは遊戯さんの神を倒すことは難しいはず…」
十代「けど、今のドローで遊戯さんの手札は3枚。まだまだ可能性はあるぜ!」
アテム(──よし。これでカードは揃った)
アテム(いくぜ相棒。サイレントの必殺コンボを見せてやる…!!)
アテム「──俺は手札から【サイレント・マジシャンLV4】召喚!」
サイレント・マジシャンLV4「…」ATK1000
遊星「攻撃力の低いサイレント・マジシャンを攻撃表示…」
十代「やっぱり遊戯さんは何か仕掛けるつもりだぜ!」
アテム「さらに、場のマジシャンをリリースし【沈黙の魔導師サイレント・マジシャン】を特殊召喚する!」
沈黙の魔導師サイレント・マジシャン「…」ATK1000
遊戯(サイマジを攻撃表示──まさかあの手札のカードは…!!)
アテム「さあ、いくぜ相棒!サイレント・マジシャンでオベリスクに攻撃──」
サイレント・マジシャン「!」ATK1000
アテム「──する瞬間!手札から速攻魔法【サイレント・バーニング】を発動!」
【サイレント・バーニング】
①:自分フィールドに「サイレント・マジシャン」モンスターが存在し、自分の手札が相手より多い場合、自分・相手のバトルフェイズに発動できる。お互いのプレイヤーは、それぞれ手札が6枚になるようにデッキからドローする。このカードの発動と効果は無効化されない。②:自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「サイレント・マジシャン」モンスター1体を手札に加える。
アテム「このカードの効果により、互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにデッキからカードをドローする──」
遊戯「……っ!!」
アテム「そう。サイレント・マジシャンは俺の手札1枚につき攻撃力を500アップさせる」
アテム「よって、サイレント・マジシャンの攻撃力は──」
サイレント・マジシャン「!!!」ATK4000
アテム「これでサイレント・マジシャンとオベリスクの攻撃翌力は互角!」
アテム「やれ!サイレント・マジシャン!サイレント・バーニング!」
サイレント・マジシャン「!!!」ATK4000
オベリスクの巨神兵「!!!」ATK4000
十代「すげえ!相討ちだけど、神を倒したぜ!」
アテム「──まだだ!!」
遊戯「!」
アテム「沈黙の魔導師サイレント・マジシャンが戦闘によって破壊力されたことにより、デッキから新たなサイレント・マジシャンを呼び出すことができる──」
アテム「現れろ!サイレント・マジシャンLV8!」
サイマジLV8「…」ATK3500
遊星「レベル8!それに──」
遊戯(攻撃翌力3500……!!)
アテム「サイレント・マジシャンで、相棒にダイレクトアタック!」
遊戯「うわぁあああ!!??」LP7100→3600
十代「遊戯さんの攻撃が通ったぜ!」
遊星「神を倒し、更に大ダメージを与えるとは…さすが遊戯さんだ」
アテム「メイン2──俺は手札を1枚捨て、手札から速攻魔法【ツイン・ツイスター】を発動!相棒の黒の魔導陣とセットカードを破壊するぜ!」
遊戯「くっ…」
アテム「そしてカードを3枚セットし、ターンエンド!」
【アテム】LP5050
サイレント・マジシャンLV8
伏せ3枚
遊戯「ボクのターン、ドロー!」シュッ
遊戯(そのデッキで正面から神を倒したのはさすがだよ。もうひとりのボク…)
遊戯(でも、ボクにも意地がある。だからこのターンで終わりにしてみせるよ…!)
遊戯「──ボクは手札から【魂のしもべ】を発動!デッキトップに【ブラック・マジシャン・ガール】をセットする!」スッ
遊戯「そして【真実の名】を発動!」
【真実の名】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:カード名を1つ宣言して発動できる。自分のデッキの一番上のカードをめくり、宣言したカードだった場合、そのカードを手札に加える。さらに、デッキから神属性モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚できる。違った場合、めくったカードを墓地へ送る。
遊星「……なるほど。遊戯さんはあらかじめガールをデッキトップにセットしてあるから──」
遊戯「そう。このカードでボクは確実に神を呼ぶことができる!」
遊戯「ボクはカード名を【ブラック・マジシャン・ガール】と宣言し、デッキトップのガールを手札に加え──」
遊戯「その後、デッキから神属性のモンスターを特殊召喚する!」
ゴゴゴゴゴ
遊戯「──来い!オシリスの天空竜!」
オシリスの天空竜「!!!」ATK???
アテム(2体目の神……!!)
十代「出た!オシリスの天空竜!」
遊星「裁定が難しいカード…!」
遊戯「更にボクは手札のガールを捨て【幻想の見習い魔導師】を特殊召喚!効果でデッキから【ブラック・マジシャン】を手札に加える!」スッ
幻想の見習い魔導師「どーも!」ATK2000
遊戯「そして墓地の【魂のしもべ】を除外し、デッキからカードを2枚ドロー!」シュッ
遊戯「最後に手札から【死者蘇生】を発動!墓地から再び現れよ──」
遊戯「オベリスクの巨神兵!」
オベリスクの巨神兵「!!!」ATK4000
オシリスの天空竜「…」ATK6000
オベリスクの巨神兵「…」ATK4000
幻想の見習い魔導師「場違い感半端ないじゃん…」ATK2000
遊星「…なんてことだ。神が並んでいる…」
十代「なんか1体足りなくね?」
遊星「?そうですか?」
遊戯(──もうひとりのボクの場にはセットカードが3枚。そして手札は1枚…)
遊戯(この状況なら絶対何か仕掛けてくるよね?もうひとりのボク…)フッ
アテム「……フッ…」
アテム(そうだぜ相棒。俺は神が相手だろうが、勝利を諦めるつもりはない──)
アテム(最後の賭けに挑んで来い!相棒!)
遊戯「──バトル!オベリスクでサイレント・マジシャンを攻撃!」
遊戯「ゴッドハンドクラッシャー!」
オベリスクの巨神兵「!!!」ATK4000
サイレント・マジシャン「…っ」ATK3500
アテム「くっ…」LP5050→4550
遊戯「続けて見習い魔導師でダイレクトアタック!」
アテム「この瞬間!リバースカード【戦線復帰】を発動!」カチッ
【戦線復帰】
①:自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
アテム「──俺は戦線復帰の効果により、このカードを復活させる!」
アテム「墓地より蘇れ──沈黙の魔導剣士サイレント・パラディン!」
サイレント・パラディン「ハッ!」DEF1500
十代「ここでサイパラが来た!?」ガーン!!
遊星「遊戯さんはいったい何を考えているんだ…?」
遊戯「も、もうひとりのボク…?」
アテム「……相棒。俺はこの数ヶ月、サイレント・パラディンについて考えてきた」
アテム「相棒や皆に“使えないカードなんてない”ことを教えるためにも、ずっと考えてきたんだ」
アテム「種族、レベル、属性、攻撃力や守備力──相性の良さそうな魔法、罠、モンスター、他には融合、シンクロ、エクシーズ、ペンデュラムやリンク召喚についてまで考えた」
アテム「──だが、俺には最後までサイパラの有効な活用法を見つけることができなかった」
アテム「何度もカードを入れ替えデッキを組んだが、そのどれもが最終的には『あれ?これサイパラいらないんじゃね?』ってなるんだ」
十代「追い詰められ過ぎて口調変わっちゃってるじゃん…」
遊星(遊戯さんのあの目……どこかZ-ONEに似ている…)
アテム「──しかし相棒。好きなカードをデッキに入れちゃいけない理由があるのか?」
遊戯「え?」
アテム「俺はこのカードが好きだからデッキに入れる。それじゃダメか?」
十代「いや、でも遊戯さん?遊戯さんは“使えないカードなんてない”ことを俺達に教えてくれるって…」
アテム「好きなカードがデッキに入ってたら嬉しい。だから“使えてる”。そうだろ?」フッ
十代「まずい…サイパラについて考え過ぎて遊戯さんがおかしくなってる…!?」ガーン!!
遊星「遊戯さん…!」
遊戯「う、うん!見習い魔導師でサイパラに攻撃!」
幻想の見習い魔導師「なんかすいません!」ATK2000
サイレント・パラディン「!?」DEF1500
アテム「サイパラァアアア!?!?」
十代「よし!これで場はがら空きだぜ!」
遊星「あとは攻撃力6000のオシリスで──」
アテム「まだだ!戦闘によって破壊されたサイパラの効果を発動!墓地から【サイレント・マジシャンLV4】を手札に加える!」スッ
遊戯「手札が1枚増えたところで、オシリスの前には──」
アテム「それはどうかな!」ドン☆
遊戯「!?」
アテム「リバース・カードオープン【クリボーを呼ぶ笛】!」ピッピー
【クリボーを呼ぶ笛】
自分のデッキから「クリボー」または「ハネクリボー」1体を選択し、手札に加えるか自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
アテム「このカードの効果で、俺はデッキから【ハネクリボー】を守備表示で特殊召喚するぜ!」
ハネクリボー「クリクリ~」DEF200
十代「な、相棒!?どうして遊戯さんのデッキに…!?」
アテム「ハッ!最近再販されてたからな──!!」
アテム「そして俺は場のハネクリボーと手札を2枚墓地に送り、最後のリバースカード【進化する翼】発動!」ピカー
【進化する翼】
自分フィールド上に存在する「ハネクリボー」1体と手札2枚を墓地に送る。「ハネクリボー LV10」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。
十代「!進化する翼ってことはまさか…!!」
アテム「ああ!これがレベルモンスターの頂点──」
アテム「現れろ!ハネクリボーLV10!!」
ハネクリボーLV10「クリクリー!!」DEF200
【ハネクリボーLV10】
このカードは通常召喚できない。このカードは「進化する翼」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを生け贄に捧げる事で、相手フィールド上の攻撃表示モンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力の合計分のダメージを相手ライフに与える。この効果は相手バトルフェイズ中のみ発動する事ができる。
十代「まさかハネクリボーまでデッキに入れてるなんて…」
遊星「……それに、ああ見えて遊戯さんはしっかりとサイパラを使いこなしてるみたいです」
十代「!そうか、進化する翼のコストのために、わざとサイパラを破壊させてサイマジを回収し、手札を補充したのか…?」
遊星「もしかすると、あのタイミングで訳のわからない話を始めたのも…」
十代「全部遊戯さんの作戦ってことか!?怖っ!!遊戯さん怖!?」
遊戯「……もうひとりのボク。それが君の切り札なんだね?」
アテム「ああ。これが俺の出した“答え”だ」
遊戯「……そっか」
アテム「さあ、いくぜ相棒!」
アテム「俺はハネクリボーLV10を生け贄に捧げ、効果を発動──!」
アテム「相棒の場の攻撃表示モンスターを全て破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを与えるぜ!」
ハネクリボーLV10「クリクリー!!」ピカー
アテム「──俺の勝ちだ!相棒!」
遊戯「…………ごめんね。もうひとりのボク」
アテム「え?」
遊戯「ボクは手札から速攻魔法【墓穴の指名者】を発動!」
【墓穴の指名者】
①:相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及びそのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される。
アテム「墓穴……マジで…?」
遊戯「……うん。墓穴の指名者の効果でハネクリボーLV10の効果は無効化される」
十代「うわぁ…」
遊星「これは…さすがに可哀想ですね…」
アテム「……」
アテム(相棒は俺の最後の切り札を読んでいた)
アテム(俺を…越えたんだ…)
遊戯「…っ…」
アテム「何をしてるんだ。俺の場はがら空きだぜ?」フッ
遊戯「くっ……オシリスの天空竜でプレイヤーにダイレクトアタック!」
オシリスの天空竜「!!!」ATK5000
アテム「……」LP4550→0 ピー!!
……
…
アテム「──俺の負けだ。相棒」
遊戯「本当にごめん。ボクはキミの努力を…」
アテム「…いいや。礼を言いたいのはこっちの方だぜ。相棒」
遊戯「え?」
アテム「お前が俺に勝ってくれたおかげで、俺はようやく前に進める──サイパラから解放されるんだ」
遊戯「……本気でサイパラのことを考えていたんだね。もうひとりのボク」
アテム「ああ。だがこれで──」
十代「遊戯さん!」
アテム「?どうした十代」
十代「さっきのデュエル、すげえ感動しました!」
アテム「十代…」
十代「途中少し変な感じにはなりましたけど、あのデュエルを見て“使えないカード”なんてないんじゃないかって、俺も思いました!」
アテム「…そうか。ほんの少しでも俺の気持ちが伝わっているなら嬉しいぜ」フッ
十代「それで、あのカードを使いこなした遊戯さんなら、俺が充分に使いこなせないカードでも、しっかりと使ってくれる思います──」
十代「だからこれ!次はこのカードを“使いこなして”下さい!」スッ
アテム「え?」チラッ
【カードエクスクルーダー】
相手の墓地に存在するカード1枚を選択しゲームから除外する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
アテム「……え?」
一応またこれで終わりです。
いやマジで最近忙しいのとサイパラの使い道がなくて心折れそうになってたんですけど、皆さんのコメントのおかげでなんとか踏ん張れました。
読んでくれてありがとうございました。
一条もありがとう。めっちゃ笑いました。
遊星「──これはっ!?」ガタッ
十代「ん?どうした遊星」
遊星「…………いや、なんでもありません」
十代「?らしくないな。本当にどうしたんだよ」ハテ
遊星「……その、先ほどの決闘を思い出してみたんですが──」
ホワンホワンホワーン
アテム『──やれ!ソードマン!相棒のパラディンを粉砕しろ!』
ソードマンLV5『!』ATK2300→3800
ブラック・パラディン『!?』ATK2900
遊戯『っ!!』LP8000→7100
アテム『さらにヤタノミサキで相棒にダイレクトアタック!』
遊戯『ぐわぁあああ!?』LP7100→5050
遊星『!攻撃が通った…!』
十代『すげえ!まさかの大ダメージだぜ!』
ホワンホワンワホーン
十代「?最初のターンの出来事だな。それがどうした?」
遊星「……これが“あの時”の龍可の気持ちなのか」ボソッ
十代「?」
遊星「……問題はここです」
ホワンホワンホワーン
アテム『ぐっ……だが俺はこの瞬間、ライフを1000払い【活路への希望】を発動!』LP6050→5050
【活路への希望】
①:自分のLPが相手より1000以上少ない場合、1000LPを払って発動できる。お互いのLPの差2000につき1枚、自分はデッキからドローする。
遊星『……遊戯さんのライフは7100。つまり、ライフの差は2050』
十代『ってことはドローは1枚?なんかしょっぱいな?』
遊星『いえ…相手の場に神が存在する以上、ここは1ターンでも早く手札を増やすべきです』
ホワンホワンワホーン
十代「え?まさかライフ計算のミス?」
遊星「…………はい」
十代「しかもこれ、がっつりお前が解説してない?遊戯さんのライフ…」
遊星「…………はい」
十代「……どうすんの?」
遊星「……」
遊星「……遊戯さんに謝ってきます」
今度こそ終わりです。
いやまあ今回も終わりにはならなそうですけど、一旦終わらせます。
ただマジでわざとじゃありません。ごめんなさい
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