『オリジナル』勇者と山賊 (1)

勇者1:ボリス(♂)。類稀なる剣の才能を買われ、王国に選ばれた勇者。

勇者2:ダリア(♀)。類稀なる魔法の才能を買われ、帝国に選ばれた勇者。



 様々な魔物や蛮族が生息している危険度の高い山。その中腹に、大昔に王族か貴族が住んでいたであろう石造りの古城がある。2人の勇者が、拘束した山賊達から聞き出したアジトである。


ボリス「此処が山賊のアジトか」

ダリア「私達には魔王討伐という使命がある。早く終わらせよう」


 2人が門に近づくと、ギギッと重い音を立てながら木製の門が開く。


ボリス「……」

ダリア「……」


 門の向こうには、1人の男が立っていた。身長は2mを軽く超え、人間離れした筋肉の鎧を纏った大男だ。肌は浅黒く、髪と眼は鮮血のように赤い。


ゼル「俺の子分達が世話になったらしいじゃねえか」

ボリス「お前が山賊達の言ってたボスか」

ゼル「おうよ、俺はゼルギウスってんだ。お前等は?」

ボリス「俺はボリス。魔王討伐の旅をしている、王国に選ばれた勇者だ」

ダリア「……」

ゼル「ほう、そりゃ大物だ。んで?そっちの女は」

ダリア「炎よ爆ぜよ!エクスプロード!!」(このセリフは、ゼルギウスの「そっちの女は」に被せるように)


 ダリアが対象を爆発させる魔法を放つ。その威力は高く、門が破壊されゼルギウスは煙に包まれる。

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