福山舞「え?」
莉嘉「アタシ、お姉ちゃんを見損なったよ!」プンプン
若林智香「えーっと」
莉嘉「昨日、ウチにサンタが来たんだ。メリークリスマスって言って」
及川雫「それってー……」
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イヴ・サンタクロース「わ、私じゃないですよ!?」
智香「莉嘉ちゃんっ! そのサンタさんってトナカイのソリに乗って来た?」
莉嘉「ううん。トヨタのスプリンタートレノ、AE86型だったよ。Pくんのとおんなじ車」
雫「それってー……」
智香「間違いなく、Pさんだねっ☆」ヒソヒソ
舞「そ、それで美嘉さんとPさ……じゃなくてサンタさんが、き……キスを?」
莉嘉「うん。アタシの欲しかったメイクセットをプレゼントに持ってきてくれて、クリスマスパーティーにも参加してくれたんだけど」
智香「パーティーに参加したの? サンタさんはっ?」
莉嘉「うん。時々、ヒゲを外してチキンとか食べてた」
雫「つまりそのヒゲってー……」
莉嘉「アタシも『それ、外せるんだ?』って聞いたら『5秒以内なら大丈夫だ』って言ってた」
智香(どんなルールなんですかPさん……)
莉嘉「大人用にワインとかも用意してあって、アタシお酌してあげようかって言ったんだけど『飲酒運転になってしまうから』って言って飲まなかったな」
智香「良かった。社会のルールは守ってたっ☆」
舞「あの、言いにくいんですけど……」
莉嘉「なに? 舞ちゃん」
舞「その……サンタさんってPさんじゃないんですか?」
莉嘉「え?」
舞「サンタさんのかっこをしたPさんじゃ……」
莉嘉「違うよ?」
舞「え?」
莉嘉「『今夜は俺はサンタだ』って名乗ってたよ」
智香「うーん。今夜は、ってことはいつもは違うってことじゃあ……」
莉嘉「だってサンタさんがサンタさんなのは、イブの夜だけなんじゃないの? 普段は別の仕事とかして」
雫「確かに年に1日しか働かないわけはないですよねー」
舞「どうなんですか? ほんもののサンタの人!」
イヴ「えーっと……普段はアイドルとかしています」
智香「で、でもほら、一番忙しい夜にパーティーに来てくれるのはちょっと変じゃないかなっ?」
莉嘉「それはね、アタシが手紙を書いたからなんだ」
舞「手紙?」
莉嘉「どうしたらサンタさんに会えるかな、って考えてて思いついたの。そうだ手紙書いたらいいじゃんアタシ天才☆」
智香「でも手紙を書いても、住所とかは……」
莉嘉「アタシの家のクリスマスパーティーに来てね☆って書いたてたら、そしたらお姉ちゃんも面白がって、アタシがデコってポストに入れといてあげるって言ってくれて」
雫「それってー……」
智香「美嘉ちゃん、きっとPさんに渡したんだねっ☆」ヒソヒソ
莉嘉「その手紙を見たから、きっと予定をあけてくれたんだよ」
舞「で、でもそれにしても、プレゼントを配らないといけないんじゃないかなー」
莉嘉「うん。だから1時間ぐらいしたら、帰っちゃったんだ」
智香「Pさん忙しい人だもんなあ。それでも莉嘉ちゃんと美嘉ちゃんの為に時間をあけてくれたんだねっ☆」
莉嘉「そんでそんで、もう帰らないといけないっていうからお見送りしようとしたんだけど、外は寒いからってお姉ちゃんだけお見送りしようとしたから」
智香「ほうほう。それでそれでっ?」
莉嘉「アタシ、勝手口からコッソリ出たんだけど……」
~~以下、昨夜のシーン~~
美嘉「アリガト★ 今日は来てくれて」
サンタ「嬉しかったよ。美嘉が誘ってくれて」
美嘉「……ホントに来てくれると思ってなか……ううん、ちょっとだけ期待してた」
サンタ「……美嘉にはまだ、プレゼント渡してなかったな」
美嘉「来てくれたのが、一番のプレゼントだよ」
サンタ「今年いっぱいは忙しくて、この1時間しか取れなかったけど」
美嘉「?」
サンタ「年が明けたら……一緒に、初詣にでも行かないか?」
美嘉「ウソ……そんな時間あるの?」
サンタ「美嘉の為に作った。1日、つき合うよ。美嘉に」
美嘉「プロデューサーの1日……ゼータクなプレゼントだね」
サンタ「俺にとっては、美嘉と1日一緒にいられるという、贅沢なプレゼントさ」
美嘉「アタシからも、別にプレゼントあるんだけど」
サンタ「プレゼント?」
美嘉「……目、つぶって」
サンタ「? あ……」
チュッ
美嘉「今はこれが……せいいっぱい★」
サンタ「……ありがとう。美嘉」
莉嘉「なに話してるかはよくわかんなかったけど、お姉ちゃんがサンタにキスしてたんだ……」
イヴ「お、おおおー」
智香「美嘉ちゃん、すごいねっ☆」
雫「大胆ですー」
舞「きっとクリスマスイブの夜が、そうさせたんですよ」
莉嘉「?」
智香「ともかく、これはおめでたいことだよ」
雫「お赤飯、炊きましょうかー?」
舞「私もそういう女子力、勉強になります」
イヴ「めでたしめでたしですね」
莉嘉「めでたくないよ!」
イヴ「え?」
莉嘉「お姉ちゃん……サンタにキスするなんて……」
舞「?」
莉嘉「アタシ、お姉ちゃんはPくんのことが好きだと思ってたのに! 違う人にキスするなんて!!」
雫「そ、それはー……」
智香「そうなんだけど……」
莉嘉「きっといつかはPくんに告白して、Pくんはアタシのお兄ちゃんになると思ってたのにー!!!」プンスコ
舞「あ、あのねそれは」
莉嘉「アタシ、お姉ちゃんを見損なったよ!」プンプン
イヴ「えっとそれは、なんて言いますかー……」
莉嘉「お姉ちゃんの、うわきものーーー!!!」
智香「り、莉嘉ちゃん! そうじゃなくてね」
雫「そのサンタさんはー……」
莉嘉「こうなったら」
舞「Pさんなんで……え?」
莉嘉「アタシがPくんと、けっこんしてあげる☆」
イヴ「……え?」
莉嘉「しょーしんのPくんを、アタシがなぐさめてあげるの」
智香「えっと……うん」
莉嘉「きめたー☆ アタシ、Pくんとけっこんする」
美嘉「……え?」
舞「あ、美嘉さん」
智香「丁度ややこしいところに」
莉嘉「うわきもののお姉ちゃんの代わりに、アタシがPくんとけっこんするの」
美嘉「な! アタシがなんで浮気者なの!? そ、それに結婚とか……////」
莉嘉「だってお姉ちゃんは、サンタさんとキスしてたでしょ?」
美嘉「り、莉嘉! 見てた……の?」
智香「アタシ達も、なにがあったか聞いちゃいましたけど……」
美嘉「いやあああ!!! 忘れてーーー!!!」
雫「美嘉さん大胆ですねー」
舞「私、尊敬します」
イヴ「そして、おめでとうございます」
美嘉「は、恥ずかしいけど……あ、ありがとう……ございます」
莉嘉「?」
智香「あのね、サンタさんはPさんだよ」
莉嘉「???」
P「なんだ? ずいぶん騒がしいな」
智香「はいはいほらほらPさん。ここに来てください」
P「ん? なんだ」
イヴ「そして美嘉さんは、ここに」
美嘉「え? な、なに?」
智香「昨夜の再現をどうぞ」
P「え? な、ななな、なんのことだ!?」
美嘉「あ、あの……莉嘉が夕べのあれを見てて……それでアタシに浮気者って」
P「え?」
美嘉「莉嘉は昨夜のサンタ、プロデューサーだと思ってないの」
P「そうなのか!?」
イヴ「なので、夕べと同じ事をしてみてください」
雫「そうじゃないと、莉嘉ちゃんの疑いは晴れませんよー?」
莉嘉「……」ジー
P「い、いや、そんな、み、みんなの前で」
美嘉「……プロデューサー」
P「美嘉からも……え?」
チュッ
舞「ひゃあああ~~~ぁぁぁ////」
雫「美嘉さん大胆ですねー」
智香「アタシ、尊敬するよっ☆」
イヴ「そして、おめでとうございます」
莉嘉「ホントだ……」
美嘉「わ、わかった? 莉嘉」
莉嘉「夕べのお姉ちゃんとサンタさんだ……サンタさんは、Pくんだったんだ」
美嘉「こ、これでわかったでしょ? は、恥ずかしい……////」
莉嘉「うん。でも……」
美嘉「?」
莉嘉「それはそれで、なんかアタシ納得いかない!」
美嘉「え?」
莉嘉「アタシやっぱりPくんとけっこんしたい!」
美嘉「えええーーー!?」
莉嘉「アタシもやっぱりPくんが好き☆」
美嘉「ちょっとおおおぉぉぉおおおぉぉぉ!!!」
雫「おおーこれは」
舞「意外な展開ですね」
イヴ「あらまあ」
智香「えへへっ☆ 美嘉ちゃんも莉嘉ちゃんもがんばれーっ!」
美嘉「プロデューサー、アタシと!」
莉嘉「ううん、アタシとけっこんしてよ」
P「えええええええ!?!?!?」
お わ り
以上で終わりです。おつき合いいただきまして、ありがとうございました。
メリークリスマス!
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