【艦これ】 筑摩と結婚したいので利根になりすますことにした (29)

真剣に愛している


容姿やスタイルなど即物的なものだけに惹かれたわけではなく
最大の要因はその身に纏っているもの

利根 「ちくまー ちくまー」
筑摩「あらあらこんなに口の回りを汚して」

穏やかな雰囲気と聖母のような笑みを纏いながら
少女の口を拭う彼女を見て思った

「いいお母さんになるんだろうな」

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思った瞬間、恋愛感情が芽生えてしまったのは必然
とても抑えがたい気持ちで心が一杯
下心などではない純粋な気持ち

結婚したい

真摯にそう思えた

利根「ちくまー 昨日な 間宮でな」
筑摩「うん? ごめんなさい耳元の鈴で聞き取りずらくて」

トナカイ姿を見た瞬間
あの衝撃は忘れることはできない

その日から全身全霊をかけ、筑摩との距離を縮めることにする
具体的には 常時秘書艦に任命

初日、いきなりあの格好で現れ
「今日はよろしくお願いします」とニッコリ微笑み

どう見てもコスデリ呼んだら当たり引いた光景にしか見えない職場でどんなマニアックな注文してんだ
書類の添削を頼むと近づいてきてアッ ヤバい アッ谷間が
誘われてるのかなこれ

昼食や夕食もできるだけ共にする

味もわかりマナーも良好
なぜか利根を連れてくるのは不満点であったが甲斐甲斐しく世話する姿は尊く
これも一層好感度が増した

そんな日々を1ヶ月も続けた後 、休日に利根の希望に答える名目で三人で遊園地デート

利根「ちくまー  次はあれに乗るのだ」

筑摩「あらあら 姉さんたらあんなにはしゃいじゃって」
僕の隣に咲くの白合のような笑み
他人から見たらやたらデカイ子を連れた新婚夫婦に見えることに間違いはなく今が チャンスと確信
手を掴み、結婚を前提とした交際を申し込む

私には大切な姉さんが」
回答はまさかの轟沈

その晩は失意に沈み
翌朝、 決意を新たに工房の門を叩いた
具体的には「夕張えもんに泣きついた」

夕張「ふむふむ 筑摩さんに振られたと」

夕張「それで?  なにが欲しいんです?」

夕張「例えば一吹きで意識を失わせるこの催眠スプレー」

提督「単にウチャヌしたいわけではない 」

結婚して幸せな家庭を築きたい旨をこんこんと説明する
体だけではない
心も欲しい
利根に向けるような全面的な愛が欲しい

夕張「うーん。よりによって筑摩さんかぁ」
夕張「なんで一番難しそうなところに行くんですかぁ」

提督「そうか? 常に優しいし、触っても怒らない」
夕張「それは まぁいいや。皆まで言うまい」
夕張「じゃこんなのはどうですか?」

夕張「なーりーすーまーし マスクー」
提督「ナニコレ」
夕張「被るとあらビックリ 利根さんの顔にそっくり」
夕張「ルパンとかコナンでよくみるやつですね」
夕張「で、利根さんの服着る 提督=利根 愛され放題  ok?」

提督「…」

提督「天才かよ」
これであれば…

夕張「利根のように愛されたいなら提督が利根になればいい」
提督「さっすが頼りになるなぁいょっ夕張様、筑摩の次に愛してる」 
夕張「えっ、私160センチ代の男性はちょっと」
提督「おい」
夕張「まぁまぁお陰で利根さんに成りすませる訳ですし」
提督「確かに」

意外に高身長な利根だが180センチとかあったらバレバレである

提督「ではマスクを被って」
提督「服を着て」
提督「鏡を見ると」

そこには利根がいた
どういう仕組みかは知らないがとにかく凄い

提督「夕張 君に特別ボーナスを申請しよう」
夕張「ホント!?」
提督「ことが成功した暁には昇進も約束する」
夕張「よっしゃぁ 孕ませるまで面倒見るでぇ」
提督「孕ませ あの体を好きなように ぐへへ」
夕張「うえっ」
提督「?」

顔をしかめた夕張が指差す先を見ると
スリットを持ち上げる我が息子

提督「パンツ穿いちゃだめかな?」
夕張「穿いちゃうとなぁ 横から見た時に違和感が」
提督「大体ノーパン前提の服ってどうなんだろう」

筑摩もあんなすました顔して常時ノーパン
もし仮に前の布を上げるとそこにあるのは

ムクムクムクッ
想像したらもう

夕張「やぁだあ」
夕張「勃丸不能薬でも飲みます?」
提督「鉄の意思でどうにかする」

ことに及べた時に服薬中だったら困るだろう
提督「では技官見習いを命ずるという名目で利根を工房に 引き留めておいてくれ」
夕張「いえっさー」
提督「では行ってくる」

利根の仮面を被り、利根の服を着て工房を出
途中会う艦娘がお菓子とかくれる
変装は完璧なようだ

さて緊張しつつ、利根型の部屋に入る
筑摩「姉さんおかえ   ん?」

筑摩「なにか体型が違うような」
くそっ、やはり男女では骨格の差があるのは否めないか

筑摩「あと身長が三ミリ縮んだ?」
細かいなおい

だけれども用意しておいた台詞を言えばこのとおり
利根(提督)「限定グラのフィッティングでな」
筑摩「ああ」

これを言われたら年齢が10歳は変わろうが、 カップが4つ5つ上下しても文句は言えぬ

筑摩もあっさり引き下がる

それからの夢のような日々

三度の食事を作り配膳し、調味料までかけてくれる
掃除に洗濯は完璧
アイロンかかった服が出てくることの素晴らしさよ

まるで新婚生活のようで幸せで
でもそんな幸せは長くは続かなくて

自分の秘密はあっさりとバレてしまいました…


利根(提督)「あっ」
筑摩「…えっ?」

具体的にはトイレで立ちションしている瞬間にドアが開いた瞬間に

筑摩「ね。ねねねねね 姉さん?」

「えーっ?」
「ええーっ?」
「ええええぇー?」

さしもの筑摩も混乱しているようで上体を左右に揺らし、頭にはクエッションマーク
その豊満な体がプルプル震えていてもうたまらず用意しておいた台詞を叫んだ

「筑摩のためにつけたのじゃ!!」

夕張が 「ひっひっひ これで最悪体だけはイケるっすよ」と親指を卑猥に動かして言った台詞

「最悪だよ!!」とあの時は馬鹿にした
でも現実問題もしバレたらと考えると最善の選択で

「だから試させてください!!」
と叫び頭を下げる
もうホント最低だけど最善の選択だよね

……30秒待って さて 反応が返ってこない
えっと
どうしようかな
とりあえず
頭を上げて
見ると

黒髪を振り乱した夜叉がいた

…あれっ?

想定外の反応に硬直していると筑摩の口元からブツブツとなにか声がする

よく聞こえないから耳を近づけてみると
「そうじゃないそうじゃないそうじゃないそうじゃないそうじゃない」

…?

「ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうがうちがうちがう」

…えっ?

筑摩「愛されたいんじゃない 愛したいのぉおおおおおお!!!!」

知り合って5年 筑摩の絶叫なんて初めて聞いたと思う

筑摩「愛されたいんじゃない愛したい」

筑摩「戦後に付けようと思っていたのに!! 私が!!」

聞きたくなかった魂の叫びが聞こえた

利根(提督)「……筑摩?」

筑摩「服を脱げ」

利根(提督)「…ち、筑摩?」

筑摩「最低限の案であるが仕方ない」

と言うや否や、筑摩は僕の腕を掴むと僕を押さえつけて

利根(提督)「ち、筑摩ぁ?」

筑摩「愛されるより愛したかった」

涙をボロボロと流しながら筑摩は
「だから仕方ないですよね?」と言って

懐から魚雷を取り出して

筑摩「せめて目的だけは果たします」

僕の大事なところに押し当ててそのまま強引に

ンアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

筑摩「穴は二つありますものね   ねっ? 姉さん」

差し込まれたのは魚雷
感じるものは痛み
そして筑摩の手のひらの感触
僕の頭を押さえつけている

筑摩「うふふ 血が やっぱり姉さんは清い体で」

利根(提督)「 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」

なぜトイレの鍵を閉めないという愚行を犯したのか
そんなことを考えながら痛みに耐えているとまたしてもトイレのドアが開く ああ筑摩も同じ愚行を繰り返し

利根「ち、筑摩? わ、我輩? えっ? え?」

ていたようで入ってきたのはよりによって利根

利根「筑摩が 我輩 我輩 え? えっ? 筑摩?」

利根「な、なぁ筑摩? 我輩は 我輩は …わからん だがお前なら」

利根「……筑摩?」

ドアを開けたら妹が自分と同じ顔をしていた女を組み伏せて肛門に魚雷を差し込んでいた
とても説明しようがない状況
己の常識を超えた状況

その説明を加害者であろう妹に求めたことが姉妹の絆を改めて自覚させた

筑摩「えっ…… 姉さん? 姉さん? 姉さん?」

だが利根の縋る様な希望に対して当然に筑摩はなにも言えず硬直する

だって答えようがない
今、全てを捨てて貫いたはずの姉が背後から現れて答えを求めてくるなんて
さしもの筑摩と言えども

理解を超えた状況だったのだから…

利根と筑摩が答えるべくもない状況だったので当然に説明責任はその場にいる唯一の存在

自分にあった
だから痛みに耐えつつ一連の経緯を告白する

筑摩を愛してしまったことと振られたこと
利根になりすますことで再チャレンジを図ったこと
バレたことと肛門の痛みについて

全てを語り終えある意味清々しい気分で頭を下げるとその反動で魚雷が抜けた

「ゴーン」という魚雷が地面に落ちた音

さて、通報されて刑務所か
もう関わりたくないと言われるか

覚悟を決めた自分に下された判決は

利根「……と、とりあえず責任は取ってくれよ」

「えっ?」

それから一年

筑摩「はい利根姉さん 夕餉の支度ができましたよ」

利根「おお これはうまそうだ」

時間は全てを解決

利根はトラウマを克服し、僕らを路上の汚物を見るような目で見なくなりました
筑摩の目にも光が戻りました
姉妹の仲も完全修復

ただ一つ変わったのは

筑摩「はい あなたも」

提督「ありがとう」

利根「おや? 我輩よりお魚大きくないか?」

僕と筑摩が正式に結婚をしたこと

「だってその未婚の娘と…その…ごにょごにょしたのだから…せ、責任を」
という利根理論によりその日のうちに無事入籍

確かに未婚の娘と血が流れるようなことはしたが
果たしてその要求は正しいのか今でも疑問

利根「ところでのぉ もう一年になるのだからして早く甥か姪の顔を」

筑摩「あらっ」

だが頬を赤らめる筑摩の顔を見るとそんな疑問は吹き飛んでしまう

ただ一つ問題があるとすれば

利根(提督)「 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」

魚雷は太すぎることくらいかな?


夕張様 利根マスクの追加発注お願いします

終わり

一年中トナカイ姿でいてくれないかな

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