ｷｰﾝ　ｺｰﾝ　ｶｰﾝ　ｺｰﾝ　…


　　　ｷｰﾝ　ｺｰﾝ　ｶｰﾝ　ｺｰﾝ　…





「きりーつ！」




　ｶﾞﾀ　ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ！




「れいっ！」





｢　せ　ん　せ　い　、お　は　よ　う　、ご　ざ　い　ま　す　！　｣

「　み　な　さ　ん　、お　は　よ　う　、 ご　ざ　い　ま　す　！　」





「ちゃくせきっ！」




　ｶﾞﾀ　ｶﾞﾀ　ｶﾞﾀ…





（・・・・・・よかった、ちゃんといえた）…ｶﾞﾀﾝ

（・・・ドキドキしちゃったなー。　でも、ちゃんとできた！）

（おとうさんおかあさん、ほめてくれるかな・・・　　？？）




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




（・・・なんだろ、あのこ）

（うしろむいてこっちみてる・・・）




「　　！　　」　ﾊﾟ　ｯ　！




（あ、まえむいちゃった）

（・・・・・・・・・・・・へんなのー）





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ﾁﾗｯ　ﾁﾗｯ





（・・・また、こっちみてる）

（なんなんだろ？？？？）

　ｷｰﾝ　ｺｰﾝ　ｶｰﾝ　ｺｰﾝ …




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ﾁﾗ　ﾁﾗｯ

「・・・ねえ」

「　！　」ﾄﾞｷｯ！！

「あなた、なあに？」

「・・・・・・・・・・・・」…ﾄﾞｷﾝ

「なんでわたしのことみてるの？」

「・・・・・・・・・・・・！」ﾄﾞｷﾝ　ﾄﾞｷﾝ　ﾄﾞｷﾝ…！




　ガ　タ　ッ　！




「あっ」

「みてないもん！！」 ﾀ ﾀ ｯ

「え？？」

「あんたなんかみてないもん！　きもちわるいーー！！」ﾀﾀﾀﾀﾀｯ




　ﾀ　ﾀ　ﾀ　ﾀ　ﾀ　ﾀ　ﾀ　ﾀ　…




「・・・いっちゃった。　へんなの」

　ｶﾞﾀ　ｶﾞﾀ　ｶﾞﾀｯ　！




「「「「　い　た　ー　だ　き　ー　ま　す　！　」」」」

「はい、めしあがれ」




　ｶﾞﾀ　ｶﾞﾀ　ｶﾞﾀ　ｶﾞﾀ　…




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ﾁﾗ ﾁﾗ

「・・・ねえ」

「な、なあに？」

「あなた、わたしと、おともだちになりたいの？」

「な、なに？　きもちわるい！」

「やなの？」

「・・・・・・・・・・・・」ｶｰｯ////

「いっしょにたべよ」

「・・・・・・・・・・・・うん」




　　ｶﾁｬ　　　ｶﾁｬ　ｶﾁｬ

　　　ｶ ﾀ ﾝ　　　ｶ ﾀ ｯ

　　ﾓｸﾞ　ﾓｸﾞ　　　ﾊﾑ　ﾊﾑ

　　　ﾓﾑ　ﾓﾑ　　　ｱﾑ　ｱﾑ




「おいしいね」ｱﾑｱﾑ

「・・・・・・・・・・・・うん」ﾓﾑﾓﾑ

「わたしこれ、すき」

「・・・・・・・・・・・・あげる」ﾋｮｲ

「いいの？」

「うん」




　　ﾓｸﾞ　ﾓｸﾞ　　　ﾊﾑ　ﾊﾑ　…




「えー？　ちがうよー」

「ちがわないー。　・・・ちゃんといえてて、かっこよかった」

「ちがうのに・・・　えへっ」

「・・・・・・・・・・・・ね、わたしのおともだちになってくれる？」

「いいよー」ﾆｯｺﾘ

「・・・・・・・・・・・・！」




　…　ｸﾞ　ｽ　ｯ

「えっ？」

「ぐ、ぐずっ、ぐす・・・」

「え？！　お、おこっちゃった？！」

「・・・・・・・・・・・・ちがう、ちがう！」

「そ、そうなの・・・？」

「・・・うれしいの、うれしいのっ・・・・」

「・・・・・そうなの」

「うれしい、うれしいよう・・・　ありがと・・・・・・・・」

「・・・・ううん。　ありがとね」…ｸﾞｽｯ




ｷｰﾝ　ｺｰﾝ　ｶｰﾝ　ｺｰﾝ　…




「ね、いっしょにいこ？」…ｷﾞｭ

「・・・・・・・・・・・・うん」ｷﾞｭｯ

「おともだちできた、うれしいな」

「・・・・・・・・・・・・えへへ」

「あははっ」

「・・・・・・・・・・・・よろしくね、みやちゃん」

「よろしくね、うっちー！」





　ﾀ　ﾀ　ﾀ　ﾀ　ﾀ　ﾀ　…

【1年後】



みやちゃん「うっちー？　うっちーーー？」

うっちー「・・・・・・・・・・・・」

みやちゃん「うっちー？　・・・どこいっちゃったんだろ」

うっちー「・・・・・・・・・・・・」

みやちゃん「あ、あんなとこにいた。　うっちー・・・・・・・・・・・・」




「いち、に！　いち、に！」　ﾋﾟｯ　ﾋﾟｯ　ﾋﾟｯ　ﾋﾟ




みやちゃん「・・・？」

うっちー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ｼﾞｰｯ




「いち、に！　さん、し！」　ﾋﾟｯ　ﾋﾟｯ　ﾋﾟｯ　ﾋﾟ！




みやちゃん「うっちー？」

うっちー「・・・・・・・・・・・・」

みやちゃん「うっちーってば」ﾕｻﾕｻ

うっちー「ひゃっ？！」ﾄﾞｷｯ！！

みやちゃん「もう、うっちーったら」

うっちー「み、みやちゃん！　なんで？！」

みやちゃん「・・・・・・・・・・・・」




「ぜんたーい、とまれー！」ﾋﾟ ｰ ｰ ｰ ｰ ｯ　　ﾋﾟｯ　ﾋﾟｯ　！




みやちゃん「うっちー。　いちばんまえのこ、かっこいーね」

うっちー「　　　　」ｷﾞｸｯ

みやちゃん「こんどはあのこと、おともだちになりたいの？」

うっちー「そ、そんなことないもん、きもちわるい！　みやちゃんきもちわるい！！」

みやちゃん「まっててね」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

うっちー「あ・・・　まって・・・」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「みやちゃん、わたしのおともだちになりたいって、そのこ？」

みやちゃん「うん」

うっちー「・・・・・・・・・・・・」ｶ ｰ ｯ////

「なんにもしゃべんないよ」

みやちゃん「だけど、そうなんだよね？　うっちー」

うっちー「ちがうもん・・・　きもちわるい・・・」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

「・・・あっそ、じゃーね」　ﾀ　ｯ　！

うっちー「あ！」



　ﾀｯ　ﾀｯ　ﾀｯ　ﾀｯ　…



うっちー「なんで？！」

みやちゃん「あたりまえでしょ、もう」

うっちー「なんでぇ・・・」ｸﾞｽｯ

みやちゃん「うっちー。　いますぐ、ごめんなさいしてきて」

うっちー「えっ」

みやちゃん「きもちわるいなんていったら、だめでしょ」

うっちー「・・・・でも、でも」ｳｼﾞｳｼﾞ

みやちゃん「もう、しーらない」ﾌﾟｲｯ！

うっちー「なんで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞ




うっちー「ごめんなさい、ごめんなさあい・・・」ｸﾞｽﾝ

「わたしもごめんね。　おともだちになろ、うっちー」

うっちー「・・・ありがとね、かよちゃん」

かよちゃん「うん、いいよ。　うっちー」

【2年後】



　ｻﾞﾜ　ｻﾞﾜ　ｻﾞﾜ　…



みやちゃん「・・・・・・・・・・・・」



　ｶﾞﾔ　ｶﾞﾔ　ｶﾞﾔ



かよちゃん「・・・・・・・・・・・・」ﾄﾞｷ　ﾄﾞｷ

みやちゃん「・・・・・・・・・・・・」ﾄﾞｸﾝ　ﾄﾞｸﾝ

うっちー「・・・・・・・・・・・・」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ…

かよちゃん「あっ！」





[　１ねん２くみ　]



[ いしみね　さん ]

[ うち　さん ]

[ みやざき　さん ]



かよちゃん「あった！　あったよ！」

みやちゃん「え、どこ・・・　あっ！」

かよちゃん「いっしょだよ！　みんないっしょ！」

みやちゃん「すごいすごーい！　よかったあ・・・」

うっちー「・・・」

みやちゃん「よかったね、うっちー！」

うっちー「・・・・・・・・・・・・」

かよちゃん「うっちー？？」

うっちー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっ」ﾌﾞﾙｯ




「うわああああああああああああーーーん！！！」




かよちゃん「え？！？！」

うっちー「なんで？！　なんでーーーー？！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

みやちゃん「うっちー？！」

うっちー「やだ！！　やだあーーーー！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

かよちゃん「うっちー！　うっちーってば！！」

うっちー「うわあーーん！　なんでなんでなんでー？！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



うっちー「ひっく・・・　ひっく・・・　ぐずっ・・・」

みやちゃん「うっちー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

かよちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

みやちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





「ようい　どん！」ﾊﾟｱﾝ！

「　　　　　」ﾀﾞｯ！





うっちー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ｼﾞｰｯ





「　　　　　　」ﾀﾞ　ﾀﾞ　ﾀﾞ　ﾀﾞ　ﾀﾞ　ﾀﾞ　ｯ　！

「なっちゃーん！　がんばれーっ！」

「すごーい！　はやーい！！」





かよちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

みやちゃん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「かずくーん、やったよー！　いっとうしょうだよー！」



うっちー「・・・・・・・・・・・・」ｷﾞﾘｯ

みやちゃん「・・・・・・・・・・・・」

「やったじゃん、ナツ！」

「ありがと、かずくん！」

うっちー「・・・・・・・・・・・・」ｷﾞﾘｷﾞﾘｷﾞﾘ

かよちゃん「・・・ねえみやちゃん、こんどはあのこ？」

みやちゃん「そうみたい」

うっちー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ｼｮﾝﾎﾞﾘ

かよちゃん「・・・わたしのときも、ああだったの？」

みやちゃん「うん」

かよちゃん「うっちーってへんなの」

みやちゃん「ほーんと、もう」

うっちー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ｸﾞｽﾝ




「「・・・・・・・・・・・・しょうがないなあ」」






うっちー「な、なに？！　きもちわるい！！！」

みやちゃん「・・・なっちゃん、きにしないでね」

かよちゃん「うっちーのこれ、『すき』ってことだから」

なっちゃん「そうなの？　ふふっ、おもしろーい」

うっちー「きもちわるい、きもちわるいっ・・・」ｶｰｯ////

【6年後】


うっちー「やだやだやだ！！　気持ち悪い！！」

みやちゃん「こういう子なの、気にしないでね」

なっちゃん「とってもいい子なんだよ？　ね、かよちゃん」

かよちゃん「・・・嫌だったら、しかたないけど」

「嫌なんかじゃないよ、よろしくね」

うっちー「えっ・・・　あ、ありがと・・・」ｸﾞｽﾞｯ


【8年後】


宮崎「そういうことなんだけど・・・」

内「なんなのもう！気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い！」

かよ「素直になれば？　もう」

内「気持ち悪い気持ち悪っ・・・　　　キ　モ　い　！！」

「ふふふ。　・・・わたしもずっと、内さんと友だちになりたかった」

内「えっ！！！！！」ﾌﾟ　ｼ　ｬ　ｰ

ナツ「うっちー？！」


【10年後】


内「やだもう！　きもいきもいきもい！」

「ほんとにキモいっていうんだ、うふふふふ」

内「キモいよっ・・・　みんな、キモい・・・　だいキモい・・・・・」 ｸﾞ ｽ …

宮崎「なにそれ、もう。　うっちーのバカ」…ｸﾞ ｽ ｯ

【現在】



　…　ﾋ　ｯ　ｸ　　ﾋ　ｯ　ｸ

　　　　　ｸﾞ　ｽ　ｯ　…




内「・・・う、ううっ・・・　なんで、なんでえ・・・」ﾋｯｸ ﾋｯｸ

「・・・なんでも何もないでしょ、もう」

内「なんでなんでなんでぇ・・・」ｸﾞｽ ｸﾞｽｯ

「いきなりキモいなんて言われたら誰だって怒るよ」




[ いや、こんなキモいやつなんとも思ってないから！！ ]


[ ……うるせー！　せっかく気をつかったのに！

[ 　こ　の　絵　文　字　が　！！　 ]




内「だって・・・・・・・・・・・・だってえ・・・・・・・・・・・・」 ｸﾞ ｽﾞ …

「何度おんなじことやったら気が済むの」

内「う、うぐっ、ひぐっ・・・　うぇぇぇぇぇ・・・」

「だから、泣かないの、ね？」

「うっちー、いっしょに謝りに行こ？」

「きっと許してくれるよ」

内「やだ・・・　やだ、怖い・・・」

「大丈夫だよ、黒木さんだっていい人だもん」

「まだよくわからないけど、でもきっとそう」

内「・・・・・・・・・・・・うん」 ｺ ｸ ﾘ

「うっちーがキモいって言った人に悪い人いないし」

「意外とお似合いのカップルかもよ？」ｸｽｸｽ

内「うっさい・・・　みんなキモい、だいキモい・・・」

かよ「・・・変わらないね、うっちーは」

ナツ「ほんっと、ぜんぜん変わらない」

宮崎「うん。　・・・・・・・・・・・・今でもずっと、あのときのまま」




きもちわるい！　きもちわるい！


なんで？！　なんでぇーーーー？！


・・・ありがと。　ありがと、うれしいよう・・・・・・・・・・・・




宮崎「だから、わたしたちもずっと変わらずにいられた」

かよ「・・・うん」

「さあうっちー、そろそろ帰るよ」

内「やだ・・・　もっと飲む・・・」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

「飲みすぎると太っちゃうよ、もう」

内「いいもん・・・　[ピザ]になる・・・　嫌われてやる・・・」ｹﾞｯﾌﾟ

「続きはうちでやろ？　今日はとことん付き合うから」

内「・・・・・・・・・・・・ごめんね」

「・・・・・・・・・・・・いまさらなによ、もう。　はい立って立って」

かよ「それじゃ会計するから、みや」

宮崎「・・・・・・・・・・・・」

ナツ「・・・・・・・・・・・・みー？」

宮崎「（・・・・・・・・・・・・でも、ね）」ｷﾞｭｯ





でもね、うっちー。　あなた、何人新しい子連れてくれば気が済むの？


わたしだってずっと泣きたかったんだからね？





かよ「・・・みや」

宮崎「・・・ごめん、行こう」

かよ「（・・・・・・・・・・・・ったく、うっちーのバカ）」





※おしまい※

「さあうっちー、そろそろ帰るよ」

内「やだ・・・　もっと飲む・・・」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

「飲みすぎると太っちゃうよ、もう」

内「いいもん・・・　デブになる・・・　嫌われてやる・・・」ｹﾞｯﾌﾟ

「続きはうちでやろ？　今日はとことん付き合うから」

内「・・・・・・・・・・・・ごめんね」

「・・・・・・・・・・・・いまさらなによ、もう。　はい立って立って」

かよ「それじゃ会計するから、みや」

宮崎「・・・・・・・・・・・・」

ナツ「・・・・・・・・・・・・みー？」

宮崎「（・・・・・・・・・・・・でも、ね）」ｷﾞｭｯ





でもね、うっちー。　あなた、何人新しい子連れてくれば気が済むの？


わたしだってずっと泣きたかったんだからね？





かよ「・・・みや」

宮崎「・・・ごめん、行こう」

かよ「（・・・・・・・・・・・・ったく、うっちーのバカ）」



※おしまい※