ナサニエル「もう一度リスタート切ろう」バーティミアス「お前もよくやるな」 (96)


このスレは

ナサニエル「安価で行動しろ」 バーティミアス「」
>>1とは違う>>1が書いたスレ)


の雑談兼避難所スレの3スレ目兼>>1のSSを書いていく。


・何でも許せる人向け。
>>1以外のどなたでも自由にバーティミアスSS書いてくれて良し。(但し判別がつくように。)
・バーティミアスやその他ファンタジー小説について語りやしょう
・前スレ等のように絵でも記念日ケーキ等のupも有り。


過去スレ
1
【バーティ安価スレ】ナサ「>>1が失踪したらしいな」バーティ「召喚に失敗したんだろ?」【避難所】

2
【バーティ安価スレ】ナサ「>>1を召喚したい」バーティ「ちょっと待て」【避難所】




なお、話が繋がってたり繋がってなかったり時系列もテキトーでギャグもセンチもイフもクロスも何でも有り有りで書く短編集。とりあえず今までのスレで>>1が書いてきたヤツだけを載せとくよ。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1551725194

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バーティミアス「おい」イライラ ??

ナサニエル(24)「なんだよ」





??バーティミアス「もう3週間だ」

??ナサニエル「何がさ」

??バーティミアス「最後に解放されてから、だ」 ??

ナサニエル「…30秒くらいでよければ解放するけど」 ??

バーティミアス「砂漠に生き埋めにされてラクダ糞にまみれろ。どんだけ俺が好きなんだ小僧死ね」

??ナサニエル「好きなワケないだろ死ね」 ??

バーティミアス「なあ、おい。おい、だマンドレイクくんよ。そんなに束縛気質だと愛しの彼女に嫌われるぞ?」

??ナサニエル「は?ファーラーさん?別にー?彼女はそんなに器小さくないんでね」 ??

バーティミアス「俺はキティの方を言ったつもりなんだがな」

??ナサニエル「キティ?はっ、ないよ。ないない」 ??

ナサニエル「別に彼女の事をそう見た事ないし?嫌われたとしても特に何も感じないね」

??キティ「……」

??ナサニエル「大体、それ言うならあいつの方が束縛気味だと思うね」

??ナサニエル「じゃなきゃほぼ毎日僕のとこに差し入れ持ってくるはずないさ」 ??



キティ「……」 ??






バーティミアス「マンドレイク、うしろうしろー」

ナサニエル「は?またからかうつも、」

キティ「あら、ごめんなさい。私またあなたを束縛してたかしら?」

ナサニエル「……違う。違うんだキティあれだよいつものバーティミアスのあれだって」

キティ「ごめんなさいね?単にこの前のお礼とかついでとかを含めた差し入れだったんだけどあなたがそんな閉塞感感じてたとか思わなくて」

ナサニエル「違うって!違うんだ!ごめんて!」

キティ「じゃ、私もう行くから。ファーラーさんには私みたいに差し入れとかしちゃダメよ」スタスタ

ナサニエル「だから違うって!ごめんて!ていうか君どんだけ最初からいたんだよ───



バタン。



バーティミアス「…で、また小僧のご機嫌とりが始まるわけか」ハァ…

バーティミアス「いい加減学習しろ。どんだけループすれば理解するんだ?」

バーティミアス「…って、俺の解放は?!おい待て!話はまだ終わっちゃいないぞ!!」



??バタン。



赤ちゃんインプ『……』スゥッ…




赤ちゃんインプ『…あんたもそのループに組み込まれてるんだけど?もう何度目だよ、バーティミアス』





2巻ナサニエル「僕、めっちゃオサレですけど?"マンドレイク・スタイル"とか、流行らせましたけど?」ドヤ?

キティ「やだ手が滑ってペンキが」バシャアッ

ナサニエル「?!」ベッチャリ

ナサニエル「誰も彼もが見つけられなかった敵の本拠地、突き止めちゃいましたけど?」ドドヤァ?!

キティ「…」クイッ

バーティミアス「悪いな、マンドレイクくん。今の主人はアイツなんだ」つ火球

ナサニエル「?!」


─────

───────────


巻?3巻ジョン「僕はジョン・マンドレイクじゃない…」


ナサニエル「ナサニエルだ」


ドヤ!!



キティ「…」


ナサニエル「…」ドヤァ…!



?キティ「…ちゃんと、帰ってきなさいよ。」

ナサニエル「!」





??キティ「バーティミアスだけ。」クルッ

ナサニエル「?!」





小物師匠「マンドレイク」

??ナサニエル「…」

小物師匠「…私さぁ、売られてた君を弟子に取ってたあげたじゃん?」

ナサニエル「……」

小物師匠「魔術師になる上での洗礼や態度とかもさぁ、別に悪意があったわけじゃないじゃん?魔術師界では普通のことじゃん?」

ナサニエル「…」

小物師匠「いやお前が予想以上にデキる子だったのは見抜けなかったけどさ、普通わかんないって」

ナサニエル「…」


小物師匠「というかさ、順と段階をちゃんと踏ませてあげようとしてたのにお前何やってんの」

ナサニエル「……すみません」

??小物師匠「しかも『バーティミアス』を召喚して何やるかと思えば私よりヤバイ奴に喧嘩売るって…おまけにその後がノープランとか…」

小物師匠「そんなんされたら何かあってもそりゃ私は庇ってやれないよ?死ぬもの。つーか死んだけどな」

ナサニエル「……」

小物師匠「お前の軽はずみで妻もろとも死んだんだけどな」

ナサニエル「…ごめんなさい」

小物師匠「あとさぁ、一番言いたいのはだな」




小物師匠「……何故きちんと大人になる前に私の所に来た」

ナサニエル「……」




小物師匠「私なんかよりずーっと優秀で。力も技術も頭もよかったのに」

小物師匠「お前が立派になってからこっちに来るのをずっと楽しみにしていたのに」


小物師匠「……お前はっ、……どこまでっ、師匠不幸者なんだ………!」ポロポロ

ナサニエル「………ごめんなさい。師匠」


シンプキン「ッチ、誰だ?このシンプキン様を呼び出しやがったのは」

ピン「シンプキン」

シンプキン「あぁ?んだよクソ野郎」

ピン「最初に言っておこう。私はお前が仕事を失敗しても『罰しない』」

シンプキン「……………ハァ?」

ピン「但し、 『ああ、こいつはこの程度の仕事すら満足にできない程のバカなのか』と軽蔑はする」

シンプキン「……」

ピン「シンプキン」

ピン「お前が、私に『有能だ』と言わせることができる"仕事人"である事を期待する」


シンプキン(…変なやつ。)




ピン「シンプキン」

シンプキン「あいよ」



ピン「シンプキン。」

シンプキン「これだろ?好きだね、アンタも」



ピン「………シンプキン。」

シンプキン「…申し訳、ございません」



──────
───────
───────────



ピン「シンプキン、」

??シンプキン「はい。」

ピン「お前は『有能だ』な」

シンプキン「……!」

ピン「次からはお前に難しい仕事を回す。…できるな?」

シンプキン「はいっ!お任せください!」

ピン「ああ…そうだ、褒美をやろう。何がいい」

シンプキン「…でしたら!」



────────

───────────

────────────────


シンプキン「オルァ!そこのバイト1号!テメェそれはあっちの棚だろぉがダボがぁ!」

バイト1「サーセン!」インプ「ピンさんに手紙でーす。ピンさんいます?」つ

シンプキン「やぁ!お疲れ様!配達インプ!その手紙はこの店のリーダーであるシンプキン様が預かろう!」



バイト1「あいつ、ピンさんに『バイトリーダーやりたい』って頼んだらしいぜ」ヒソヒソ

バイト2「え?マジで?いや確かにシンプキンさんは一番デキる人だけどさ」ヒソヒソ



シンプキン「聞こえてんぞ?」ニッコリ


バイト1「」

バイト2「」


・・・・。


シンプキン「ふぅ」パンパン

バイト1「

bqjw2「



シンプキン「この店を、世界一にしてみせる!このシンプキン様がな!」





バーティミアスが乗り込む、少し前の話。



ダメだちょっとバグ酷いから続きはまた明日。



ラブレース「ハーッハッハハハ!!さぁ、殺れ!『ラムスラ』!この場にいる私以外の人間を全員殺せッ!」

ラムスラ『……?」

ラブレース「フハハハハ!!………どうした?『ラムスラ』」

ラムスラ『ニンゲン?』

ラブレース「そうだ!ここにいる…」

ラムスラ『ココニ、ニンゲンハオマエシカイナイ。ニヤケタ「ジン」がイルダケダ』

ラブレース「え?」

ナサニエル(バーティミアス)「ニヤニヤ」

首相(フェイキアール)「ニヤニヤ」

アマンダ(アスコーボル)「ニヤニヤ」

他(ジン達)「ニヤニヤ」


ラブレース「なん………だと……?」

ラブレース「くっ、だが『アミュレット』と『ラムスラ』があれば……!」バッ

ラムスラ『……』ビリビリ

ラムスラ→アンダーウッド「ニヤニヤ」

ラブレース「ファッ?!」

首相「…」スッ つ中

ホプキンス「…」スッ つ中


ピン「…」スッ つ中

シーラー「…」スッ つ中

アンダーウッド「…」スッ つ中

「「「「「「今までのはぜーんぶ!ドッキリでしたー!!」」」」」」


ラブレース「 ( Д) ゜゜」




ナサニエル「今日は師匠の帰りが遅いなー」

夫人「大事なお仕事なんですって」


ラブレース「ほーらナサニエルくんお年玉だぞー♪」

ショタニエル「わーい!ありがとうございますラブレースおじさん!」

師匠「すみませんね、ありがとうございますラブレースさん」

ラブレース「いやいやいいんですよアンダーウッドさん!」hahaha!

ラブレース「よーし、おじさんとサッカーするか!」

ショタニエル「はい!」


バーティミアス「」←縛られてる

ラブレース「じゃ、あの的目掛けてサッカーボールを蹴ってごらん?」フフフハハハ←黒い笑い

ショタニエル「はい!」←黒い笑み

バーティミアス「妖霊虐待反たぶげっ?!」

?『皆様いつもお疲れ様です!ボーナスとしてお好きな魔術師を一人プレゼントさせていただきます! 食べるなりボコるなり[ピーーー]なりお好きにどうぞ!』




バーティミアス「小z……いや、誰でもいい」ウン

フェイキアール「私達の革命を邪魔したマンドレイク」ウム

ジャーボウ「インプうめぇ」モグモグ

アスコーボル「美男師なら誰でも」ハァハァハァハァ

クィーズル「別に恨んでないからいらないわ」

緑猿「もう食われっちまったよ」


フェイキアール「さて、」コホン。


フェイキアール「フェイキアール兄さんの!簡単3分間クッキングー!!」

フェイキアール「タララッタタッタッタ♪タララッタタッタッタ♪」

フェイキアール「タララッタタッタッタタッタッタタータッ♪」


※QP3分クッキ〇グのアレ



フェイキアール「今日はラブレース御主人様にカレーをお作りします」

フェイキアール「まず各種スパイスと人参じゃがいも、肉に玉葱を鍋にぶちこみ煮込みます」

フェイキアール「そしてオリーブオイル」トパパパ

フェイキアール「煮込んでいる間に米を炊きます。」

フェイキアール「そしてオリーブオイル」トパパ

フェイキアール「米が炊けたらその上にカレールーをかけます」

フェイキアール「そしてすかさずオリーブオイル!!」トパパパ






フェイキアール「いかがですか?」

ラブレース「お前クビ」モグモグ


ナサニエル「命令を下す…!僕の晩御飯を作れ!」

バーティ「おらよ」→カップ麺

コーモコドラン「どうぞ」→イノシシの頭料理

アスコーボル「食べてん♪」→自分の上に刺身盛り合わせ



ナサニエル「『宇宙の万力』」


「「「ほぎゃあああああ?!」」」




~番外編~

クィーズル「どうぞ」ニコッ→サラダスパ

ヌーダ「むしろお前が晩御飯」ジュルリ






ジャーボウ「……」…モグ

ジャーボウ「…」スッ つ今まで食ってたフォリットの足



ナサニエル(ショタ)「ピーマン嫌い…」グスッ

ラッチェンズ&夫人「「我慢よ、ナサニエル。我慢よ……――」」グイグイ

ナサニエル「やめてよ!僕のお皿にピーマン乗せないでよ!」

師匠「だらしないヤツめ」フン←ピーマン食べられない人




バーティミアス(イケメソ)「皆!今日は俺達、違法妖霊(イホウジン)のライヴに集まってくれてありがとう!」





\ワー!キャー!/




バーティミアス「じゃあまずメンバーを紹介するぜ!」

バーティミアス「木琴担当、コーモコドラン!」

コーモコドラン「…」コンコッココッココッコッコ!

バーティミアス「カスタネット担当、ジャーボウ!」

??ジャーボウ「カスタネット美味い」モグモグ

バーティミアス「……」

バーティミアス「木魚担当、フェイキアール!」

フェイキアール「はっ!」ポクポクポクポクポクポクポクポクポクポク!! ??」

バーティミアス「太鼓、アスコーボル!」

アスコーボル「よっ」ダカダカダカダカダカダカダカダカ!

バーティミアス「そして俺、マラカス兼ボーカル!バーティミアス!!」シャカシャカシャカ!

バーティミアス「じゃあ聴いてくれ!1曲目……」


バーティミアス「『早くくたばれ魔術師野郎』!」

\ワー!キャー!/

バーティミアス「っ」シャカシャカシャカ

ジャーボウ「…」モグモグ

フェイキアール「はっ」ポクポクポクポクポクポクポクポク

アスコーボル「ぬっ」ダカダカダカダカダカダカ!

コーモコドラン「…」コンコッココッココンコッココッコ!

キティ「…何コレ」

ナサニエル「妖霊はイケメンも美女になるのも自由自在、あと金属に弱いからそういうの使ってない楽器持たせたの」

ナサニエル「これが僕が新しく立ち上げた事業なんだ!」フンス!

キティ「盛大にコケればいいのに」



~10月31日、ナサニエル宅~

ナサニエル「……」ソワソワ

<ピンポーン♪

ナサニエル「!」ガチャ

近所のガキ達「「「Trick or treat!」」」

ナサニエル「悪いが御菓子なんて用意してない」ピシャリ

バーティミアス「おいおい…幼気な子供に随分な仕打ちじゃないか?」

ナサニエル「何言ってるんだ。僕が子供の時に師匠とやったハロウィンは大体毎年こんな感じだったぞ」

バーティミアス「…まあその辺りは同情してやらなくもないが」

ナサニエル「まったく…」

<ピンポーン♪

ナサニエル「!」ガチャ

パイパー「大臣、大臣宛にハロウィンの御菓子が大量に届いておりましたので」

ナサニエル「君に全部あげるよ」バタン!

バーティミアス「…お前、甘いのはそんなに嫌いだったか?」

ナサニエル「いや?」

バーティミアス(いやわかるさ。わかってる。明らかに誰かを待ってるくらいはな)

バーティミアス(んー…誰だ?) <ピンポーン♪

ナサニエル「!」ガチャ!

キティ「ハァイ。…その、ちょっと近くまで来たから」

ナサニエル「 ! 」パァッ…!

ナサニエル「……」ゴソゴソ…ガポン

ナサニエル(カボチャ頭)「Trick or treat!」

キティ「なんかそんな感じのをやってくると思ってたわ。…はい」つキャンディ

ナサニエル「…ありがとう」ニコッ

キティ「中に入っても?」

ナサニエル「勿論」

ナサニエル「~♪」

キティ「…ねぇ、私も『Trick or treat!』って言ったらお菓子くれるのかしら?」クス

ナサニエル「いや、残念ながらお菓子は用意してないんだ」

キティ「あら、どうして?あなたなら用意してくれてると思ったのに」

ナサニエル「違う方が欲しいからね」

キティ「?」

ナサニエル「イタズラするんだろ?やれよ」

キティ「」

ナサニエル「イタズラしてくれるんだろ?!さあ早く!!!」

ナサニエル「ずっと待ってたんだ!さあさあ!キティカモン!イタズラカモン!」



\ばちーん!/


ナサニエル(頬もみじ)「………」

バーティミアス「……キティの菓子、まだ残ってるぞ」

ナサニエル「……今は……いい……」グス


バーティミアス「で、だ」

フリタング「おう」

コーモコドラン「我らが御主人様が休日に何をしてるかだろ?」

ピューリップ「仕事、仕事…彼にはもう少しガンジス川の流れのように緩やかになる時間が必要だろう」

アスコーボル「でもホント何をしてんのかしらねぇ」

バーティミアス「だからアレだろ。小僧も年相応なんだ、自分で自分を慰めてんだろ」

アスコーボル「それならあたしちょっと盗見みしにいくわ」キリッ

??コーモコドラン「そうか?御主人なら仕事関連の根回しなんかをしてそうだが」

フリタング「案外彼女とデートしてたりかもよ?」

「「「ないない」」」

ピューリップ「まあ彼の堅物っぷりでは女どころかガンジス川付近にいる牛も口説けない気はしますが」

フリタング「お前ガンジス川好きだね」



・・・・・。






バーティミアス「Q:で、結局どうなんだよ?」

ナサニエル「聞いてどうする。わたしは任務の報告をさせるために呼んだんだぞ」

バーティミアス「まあまあ。いいだろ?ちょっとくらいは」

ナサニエル「…まあ、」

ナサニエル「大体は疲れて寝てるよ。それから本を読んだり力をつけたり、夫人の墓参りしたり」

ナサニエル「あとは次の仕事の準備だね」

バーティミアス(つっまんねぇ~~)

ナサニエル「ほら答えてやっただろ。ほれ任務報告任務報告」

バーティミアス「……」

バーティミアス「Q:もう二年も全く解放されてないんですがそれは?」

ナサニエル「A:もう少し頑張ってくれたらね」





バーティミアス「アッハッハッ。俺より先に過労死しちまえばいいのにな~」

ナサニエル「アッハッハッ。絶対死なねぇから安心しろよ」



ナサニエル「バーティミアス、命令を下す…!」

バーティミアス「…なんなりと」




ナサニエル(2巻時)「僕と今日中にポッキーゲームしてくれる可愛い女の子を連れてこい…!」

バーティミアス「堕ちたな、お前」





ナサニエル「黙れ!僕は多忙なんだ!だから仕事以外で女の子と接する機会がないだけで」

バーティミアス「いや…無理だろ」

ナサニエル「無理じゃない!」

バーティミアス「いや…無理だろ」

ナサニエル「二回も言うな!」

バーティミアス「あー…その、だな?お前ももう十うんたら才なんだ、そういうのは自分で、な?」

ナサニエル「僕はゴーレムの件で忙しいんだよ!」プイ!

バーティミアス「…わかった、数人連れてきてやるが文句言うなよ?俺には他に心当たりがいない」

ナサニエル「じゃあ新しい心当たりも探してこいよ」プンプン!

バーティミアス(コイツ殴りてぇ~)



・・・・・。



バーティミアス「ほら、連れてきてやったぞ」

アスコーボル「ハァーイ♪」

ナサニエル「しね」

インプ「マジ勘弁」

ナサニエル「帰れ」

アマンダ「あら可愛い子ね。私はどう?」

ナサニエル「ラブレース・THE・うんこたれ野郎のお下がりなぞいらん」ペッ

バーティミアス「…しょうがないな」

バーティミアス「今から女装しろ。そしたら鏡を持ってきてやるから存分にポッキーゲームを楽し」

ナサニエル「ふざけるな!!『焼尽の呪文』使うぞ!それくらい用意しろよぉ!」

バーティミアス(あー殴りてぇー。早く精神年齢上がってくれねぇかなぁ…)



キティ「ハッピバースデー♪なっしぃ♪」

キティ「あなたって本当に素敵よね…」

キティ「聡明で利発で非凡で秀才で…機転はきくし。肩書きはカッコイイし、見た目もいい」

キティ「そんなあなたに。私からハッピーバースデー!」つ

キティ「その…あなたの事を思って決めたんだけど…」

ナサニエル「……」

キティ「もぉ~!ホントに大好き!!」

キティ「エル・オー・ブイ・イー!I LOVEなっしぃ♪」

ナサニエル「……ごめん。僕が悪かったバーティミアス」

キティ(バーティミアス)「んだよお前が俺に命令したんだろうが」

ナサニエル「いやホントマジでキツい」

ポン。

バーティミアス「だから言っただろ、『虚しい上にキモいだけだぞ』ってな」

ナサニエル「…だって今日はキティ用事あるからって」

バーティミアス「…まあなんだ、俺からでよけりゃおめでとうの一言くらい」

ナサニエル「いらない」グス

バーティミアス「そう遠慮するな」

バーティミアス「…まあアレだ、産まれてきちまったもんはしょうがない」

バーティミアス「お前という妖霊を痛めつけて奴隷労働を強いるだけの生命体も今年で26年目を迎えたワケだが、」

バーティミアス「今度からは俺をなるべく召喚しないようにして"罰"を使わず敬意と賛辞を送るように日々心がけつつキティを大事にして生きるようにしとけよ小僧」



ナサニエル「『死のコンパス』」



             \ギャアアアアアア/


~夜~

ガチャ。


キティ「あら?」

ナサニエル「ZZZ…」グス

キティ「…何があったか知らないけど…まさか泣いたの?」

スゥッ…

バーティミアス「よう」

キティ「バーティミアス」

バーティミアス「そうとも。俺こそがバーティミアスだ」

バーティミアス「ジン族のサカル、強者ヌゴーソにして銀の翼を持つヘビ────」

キティ「はいはい。それで?彼は何故泣いたわけ?」

バーティミアス「…さあな、答える気はない。クソムカつく奴だが一応名誉ってもんは守ってやるべきだと思うからな」

キティ「そう。ところでこんな所に銀のナイフがあるんだけど…?」チャキ

バーティミアス「お前が誕生日祝ってくれないって幼児みたいに半泣きで駄々をこねただけだ」サラリ

キティ「はー…あっそ。ホントに情けないわね?呆れたわ」

バーティミアス「呆れたついでに顔にイタズラ書きでもしておくか?丁度そこに小僧の羽根ペンがある」

キティ「…そうね」

キティ「…」カキカキ

バーティミアス「…お?意外だな。まさか本当にやるとは思わなかった」

キティ「私だってイタズラくらいするわよ」

バーティミアス「そりゃ知らなかった」

キティ「じゃ。私帰るから」ヒラヒラ

バーティミアス「おう。タチの悪いインプに絡まれるなよ」ヒラヒラ


~朝~

ナサニエル「……バーティミアス」

バーティミアス「なんだ?ようやく解放する気にでもなったか?」

ナサニエル「…包装されたプレゼントがある」

バーティミアス「そうか、よかったな。お前みたいな泣き虫おこちゃま魔術師を喜ばせてやろうとする殊勝な奴がいたらしいぞ」

ナサニエル「…侵入者だぞ、何で起こさなかった」

バーティミアス「確かにお前から『許可していないモノの侵入があったら知らせ、排除せよ』と命令を受けてる」

バーティミアス「だが何事にも例外ってのはあるだろ?」

ナサニエル「…まさか、」

バーティミアス「…あー、アレだ。まずは顔を洗うべきじゃないのか?」

バーティミアス「モウラーに汁でもぶっかけられたみたいなツラしてるぞ」

ナサニエル「どんな顔だよ…」

バーティミアス「確かめてこい。今なら鏡にそんな顔が映る」

ナサニエル「………」

ナサニエル「……全く」ハフゥ

ナサニエル「来たんなら起こしてくれよ、キティ」


・・・・・。



パイパー「…大臣?その、お顔に」

ナサニエル「いいんだ。今日はこのまま仕事する」





『 Happy birthday! Crybaby♪ Kitty. 』
(誕生日おめでとう!泣き虫くん♪ キティ)





赤ちゃんインプ『あのさ、さっそく誕プレの銀チョーカーをつけるのはわかるけどさ、落書きそのまんまはおかしくない?』

ナサニエル「『宇宙の万力』」






\ホギャアアア!!!/



・・・。



バーティミアス「───というわけなんだがな?」

キティ「ふぅん。…で?私にクリスマスパーティーでも開けって?」アキレ

「ジョーンズさん!この件はどうします?」

キティ「ぶん殴ってお尻の穴に『四元素の霊の玉』でも詰め込んでおいて」

「わかりました!」タタタ…


キティ「それとも彼とクリスマスディナーを食べろって?」

バーティミアス「今……いや、まあいい。そのあたりはお前に任せる。気持ちが大事だからな」

キティ「いやよ、私忙しいの」

キティ「大体。あなた彼と食事した事ある?」

バーティミアス「幸運にもそんな機会はなかった」?

キティ「話とかがね、もう本っ当に面倒臭いのよ。一々鼻にかかってくるし…楽しくないもの」

バーティミアス「一度は食事したんだな、お前達」?

キティ「というか聞いて!この前の食事の時だって『君とよく行く店より美味い店を見つけた』って言うから行ったら」?

バーティミアス「…楽しくない上に嫌ならなぜそんなに頻繁に小僧と飯を」

キティ「ともかく!私は忙しいの!」

キティ「クリスマスプレゼントなら宅配で頼んであるから今年はそれで我慢しなさいって言っておいて」

バーティミアス「なあ、お前ら絶対仲いいよな?」


バーティミアス「ったく…そんなに忙しそうには見えなかったんだがな」

バーティミアス「これはアレか、何か事情でもあるのか」



バーティミアス「…ちょいっと探ってみるか」



・・・・。


フリタング「ああ、アレじゃねーの?御主人が愛しの君怒らせたってやつ」

バーティミアス「飯の件か?」??フリタング「え?いやそこまでは」

バーティミアス「そうか悪いな」??フリタング「あいよ。んじゃ俺は仕事戻るから」ヒラヒラ

アスコーボル「あら…それならアレじゃないかしら?」

バーティミアス「アレ?」

アスコーボル「ほら、御主人様が件の彼女と食事に行ったら飲みすぎて吐いたってやつ」

バーティミアス「酒は付き合い方間違えると爆弾に早変わりするが…小僧も間違えたか」

アスコーボル「しかも彼女の顔面に」

バーティミアス「むしろどうやって…噴射か?噴射したのか小僧」

ピューリップ「ああ、それはそれは見事なゲロの滝だったと聞き及んでおりますよ」ニコッ

バーティミアス「小僧の預かり知らぬところで大失態が広まってるのを聞くと嬉しくなってくるな」

ピューリップ「まるでガンジス川のように勢いがあるのにどこか緩やかで、雄大で、そこはかとなく大胆なゲロだったと」

バーティミアス「お前はもうガンジス川で新宗教でも興したらいいんじゃないか?」

コーモコドラン「ああ。それでまだ謝ってないから彼女と連絡が取れなくなったらしい」

バーティミアス「俺が小僧なら即座に頭を下げて気づかいの言葉と謝罪の言葉を捧げるんだがな」

コーモコドラン「御主人は中々にプライドが高いから…」

バーティミアス「人間は大体そうだが、小僧みたいな温室育ちの甘やかされは特にな…」

コーモコドラン「しかし、何故そんなわだかまり解消のために動いているんだ?」

バーティミアス「あ?あー…気まぐれだ気まぐれ」

バーティミアス「俺の株を上げとけば褒美で解放してくれるかもしれないだろう?」

コーモコドラン「…そうか」



グイッ。


バーティミアス(痛っ、また"召喚"か?!あの野郎また何か仕事を)



ギュルルルルル!



バーティミアス(まあいい。ちょうど小僧には嫌味と説教、小言や罵詈雑言に愚痴と主張と謎かけの一つや二つはぶつけてやろうと思っていたところだ)




ピシャーン!!



ナサニエル「…きたな、バーティミアス。命令を下す…!」

バーティミアス「ヘイ、ゲロ吐き小僧。ご機嫌麗しゅう!」ニカッ!

ナサニエル「おい誰から聞いた?それ誰から聞いたコノヤロー」



・・・・。



ナサニエル「…まあいい」

バーティミアス「おい、大丈夫か?!今は吐きそうじゃないか?!」

バーティミアス「なんなら今すぐお前の鞄という名のエチケット袋でお前の嘔吐物を受け止めてやるぞ!」

ナサニエル「うるさい黙れ!やったら本当に消し炭にするからな!」

バーティミアス「へーへー」ニヤニヤ

ナサニエル「チッ…キティ・ジョーンズにこの手紙を運んでこい」

バーティミアス「謝罪のか?それとも懲りずにクリスマスパーティーへの招待か?」

ナサニエル「…」プイ

バーティミアス「…というかお前、今更ながらガールフレンドの顔を吐瀉物まみれにして謝りもせずによく誘ったな?」

ナサニエル「………」プルプル

バーティミアス「いやー、ないな。さ、す、が、に、それはないわー」

ナサニエル「ちがうし。ちゃんと誘う前に謝ったし」プルプル

バーティミアス「誘う前?会う前にか?」

ナサニエル「……誘う直前」

バーティミアス「…お前、お前…」

ナサニエル「うるさい!いいだろ!キティだって…いや、トゲの上に座ったブルドッグみたいな顔してたけど…」

バーティミアス「それ完ッ全にアウトじゃねぇか」

ナサニエル「うっさい!いいから!とっとと運べよ!」

ナサニエル「もちろん運ぶ手紙の中身を読む、見る、人や機械、妖霊に読ませる、見せる、記録させるのは禁止だ!」

ナサニエル「キティ以外の誰かの手に渡る事も全力で防げ!いいな!」

バーティミアス「ちっ(抜かりねーやつだ)」



バーティミアス「───で、これが小僧からのラブレターなんだが」

キティ「…」

キティ「ふん」ビリビリビリ

バーティミアス(黒髪さんたら読まずに破いた)

キティ「ねぇ、バーティミアス。伝えてくれない?」

バーティミアス「ああ?そりゃ命令か?ならペンタクルを」

キティ「『お願い』よ。それに私、できれば友達には枷なんてつけたくないわ」

バーティミアス(ほー…いつから俺達って友人になったんだろうな?)

キティ「『手紙じゃなくて、直接謝りに来なさい』って」ニッコリ

バーティミアス「はぁ…オーケィ、そのお願い、聞いてやるよ」

バーティミアス「───というワケなんだが(って言うのも何回目だこれ)」

ナサニエル「よ、読む事すらしなかったってのか!?」

バーティミアス「おう」

ナサニエル「信じられないよ!あれ書くのにどれだけ辞書片手に時間をかけて…」ブツブツ

バーティミアス「中身なんて読んじゃいねぇが、十中八九辞書片手に書くほどの手紙なら読まれなくてよかったな」

バーティミアス(小僧の事だ。歩けば5秒でつく道を1ミリ感覚の蛇腹状に進むような表現だらけだったに違いない)

バーティミアス(ちょうど今俺が言ったみたいな、な)

ナサニエル「…出掛ける」

バーティミアス「お、やっと完膚なきまでにフラれにいく決心がついたか」

ナサニエル「別に彼女とはそんな関係じゃない」

バーティミアス(あ?俺は今寝言を聞かされたか?)

ナサニエル「コート取ってくれ」

バーティミアス「おらよ」

ナサニエル「そっちじゃない。高くていいやつの方」

バーティミアス「…おらよ」

ナサニエル「ありがとう」

バーティミアス(わざわざおめかしして会う…ああ、わかっちゃいたがコイツら死ぬほど面倒臭ェな)

~大きい公園~

バーティミアス(さて。)

バーティミアス(俺は小僧のボディーガード役を仰せつかったワケなんだが)

ナサニエル「──!」

キティ「──」ムスー

バーティミアス(まあ、こっからじゃ会話内容は聞こえん)

バーティミアス(というか距離制限つけられた)チッ

バーティミアス(できればインプでもスナック代わりにつまみながら特等席で見たいんだがな)

バーティミアス(今俺は黒服サングラスのイケメンに変身した状態でチラ見しながら警備中だ)

バーティミアス(…今んとこは異常なし。ああ、小僧とキティの様子もな)



ナサニエル「────?!」

キティ「──────」カチン


バーティミアス(残念ながら小僧はまだやらかしてない)

キティ「───!」バシィーン!

ナサニエル「?!」ズシャアアア!

バーティミアス(いい右フックだ。世界も狙えそうだな)

キティ「────」

ナサニエル「~~!」

バーティミアス(小僧が半泣きで頭を下げてやがるだと!?貴重なシーンだな、いいもん見た)

バーティミアス(まあ小僧くらいのまだまだケツの青いガキにはああいうのが必要だ)


バーティミアス(特に頭良くて普段怒られるタイプじゃない奴ほどな)



キティ「───」テギュ

ナサニエル「……」

キティ「───///」

ナサニエル「──────///」

バーティミアス(あ?なんか奴等の間に桃色の空気が流れ始めたぞ?)

ナサニエル「───」テクテク

キティ「──────」テクテク

バーティミアス(ん?おい?なんでだ?なんであいつら手を繋いでどこかに消えようとしてやがる?)

バーティミアス(何があった?この数十秒の間に何があった?)

バーティミアス(あーくそ。俺もついていかなきゃならないな)タッタッタッ




・・・・・・。





バーティミアス(…そんであいつらなんだが)

ナサニエル「───」ニヘー

キティ「───」

バーティミアス(自宅でクリパ始めやがった)

バーティミアス(小僧?仕事どうした?小僧?)

キティ「……」つ

ナサニエル「!」

バーティミアス(アレ?キティがプレゼント渡して…?)

バーティミアス(宅配じゃなかったのか?オイ)

ナサニエル「♪」

キティ「////」

バーティミアス(中身はマフラー…お揃いの?!おい!)

ナサニエル「───///」

キティ「///」

バーティミアス(小僧が嬉しそうにマフラーを巻いてもらっている)

バーティミアス(こいつは驚いたな。"クリスマスの奇跡"なんて妄想は本当にあったらしい)

バーティミアス(…これ以上は野暮かね。真面目に仕事でも)

・・・。

バーティミアス(異常なし。)

バーティミアス(クリスマスの寒空で一人警備とは寂しいもんだ)

バーティミアス「……ちっ」

バーティミアス(どうせならピンの店のフォリットでも襲来してくれれば面白、)



チクッ。


バーティミアス(…ん?)


グイッ!


バーティミアス(?! イテテテテ?!いだだだ?!)


ギャルルルル…!


バーティミアス("召喚"?小僧か?襲撃でもされたか?!)


・・・。


パァン!パァン!パパーン!


バーティミアス「………あ?」

ナサニエル「ヘーイ!バーティ!メリークリスマース!///」

キティ「メリークリスマス!////」つ∠※ パーン!

バーティミアス「」

ナサニエル「あははは!お前だけ除け者は可哀想だから呼んでやったぞ?感謝しろー!」ウヘヘ

キティ「しろー!///」

バーティミアス(こいつら酔ってやがる……)

ナサニエル「ハッピーバースデーディアキリスト!///」チン☆

キティ「私…あなた達とクリスマスの夜過ごせて嬉しいっ!////」

バーティミアス(失敗したばかりでよく飲もうなんて気になるな)

バーティミアス(喉元過ぎればなんとやら、か?)

ナサニエルキティ「「あはははは!////」」

ナサニエル「バーティ!お前も飲めよ!///」

バーティミアス「いや妖霊は」

キティ「何よ!プトレマイオスになれるんならお酒くらい飲めるでしょ?!////」

バーティミアス「いやプトレマイオスも酒はそんなに」

キティ「のーめーっ♪////」

バーティミアス「だからな、」

ナサニエル「のーめーっ♪」

バーティミアス「あああウゼェェェェェ!!俺に触れるなへべれけどもが!」

ナサニエル「『宇宙の万り、」

バーティミアス「だぁあああ!お前その罰好きだな?!やめろ!さすがに理不尽だ!」

ナサニエル「ならばバーティミアス。…命令を下す…!」

バーティミアス(最悪な拒否不可アルハラが来やがった…)



<ギャーギャー!


スゥッ…


赤ちゃんインプ「君たちまたやってるの?よく飽きないね」



<オロロロロロロ!!



赤ちゃんインプ「…へぇ。妖霊もお酒で嘔吐ってするんだ」


赤ちゃんインプ「汚い花火だね、バーティミアス」クスクス


赤ちゃんインプ「僕からもメリークリスマス!…と、言っても聞こえてないか」



ナサニエル「あはははは!///」

キティ「やだー!////」クスクス

バーティミアス(コイツらいつか死なす…)グッタリ…






赤ちゃんインプ「…まあ、見てて飽きないけどさ」クスクス



ン千年前

アズマイラ「”ソロモンの指輪”げっちゅー!」イエーイ!

バーティミアス「ああ、お前の命令通り海に沈めた。んでまた拾ってきた」

バーティミアス「この”指輪”を沈めた所で無意味だからな。でだ、お前はどうし────」

アズマイラ「今日からこの国はアズマイラたん帝国よ!」スポッ

バーティミアス「?!」

ソロモン「?!」

バーティミアス「お、おい?」

アズマイラ「私…主君を求めるのは、もうやめるわ。バーティミアス」ニコッ

バーティミアス「お、おう」

アズマイラ「私ね、これから世界一の帝国の女王になろうと思う」

バーティミアス「それはやめとけ。”指輪”はお前程度じゃ使えな」

アズマイラ「召☆喚!」クルリ

バーティミアス「やってもうた―――!!?」

ソロモン「あ゙ッ────!?」




そして十年後。





アズマイラ「さあぶひぶひ泣いて!」ピシンッピシンッ

アズマイラの椅子「ぶひぃい!」

アズマイラ「かつてのソロモン王も形無しね!今じゃただの私の椅子!」

アズマイラの椅子「ぶっひぃいいい!」

アズマイラ「ほら!足置きがサボってはいけないわ?」

足置き「すみません…」

アズマイラ「かつてのシバの女王、バルキス。かつての私の主君。今は私の可愛い足置きです」

足置き「くっ」

カーバ(扇ぎ係)「おのれ…」

アメット(扇ぎ係)「すみません、御主人たま」

アズマイラ「それもこれも、バーティミアスと指輪のお陰よ!」

バーティミアス「やめろその言い方やめろやめやがれ割りとマジで」

アズマイラ「シャーシャッシャッシャ!!」

バーティミアス「違うからな?お前が勝手やっただけで俺無関係だからな?汚名に巻き込まなないでくれねぇか?なあ?」



アズマイラ「これから遥か未来。あなたの武勇伝の一つとして語ってくれてもいいわよ?」

アズマイラ「『アズマイラたん帝国の建国に手を貸し、アズマイラ女王と話した事もある』ってね☆」

バーティミアス「…お前はもうちょっとまともな奴だと思ってたんだがな」


───────

──────────

───────────────



バーティミアス「────っていう女王が昔居てだな?」

バーティミアス「まあなんだ、強大な力を持つと人は変わるってありがたい話をだな」

ナサニエル「ダウト」

キティ「ハズレ」ピラッ

ナサニエル「いや違っ!違うよ!今やってるトランプの方じゃなくてバーティミアスに」

キティ「もういいでしょ。カードはきられたの」

ナサニエル「君が勝手にきったんじゃないか!」

バーティミアス「聞けよお前ら」

ナサニエル「バーティミアスおじいちゃんのつまんない嘘昔話は飽きたよ」

バーティミアス「誰が『バーティミアスおじいちゃん』?!」

バーティミアス「おい小僧!今のは侮辱だ!いいか、言っていい事と悪い事ってぇのがこの世にはあって」



「そうね」



アズマイラ「あなたもね?」ガシッ

バーティミアス「?!」バッ



アズマイラ(2※才)「おかしいわね。私はいつそんな愚かな選択をしたのかしら?」

バーティミアス「待て、何故お前、いやどういう──」

アズマイラ「言いたい事はそれだけかしら?」バキボキ

バーティミアス「…、…あー、懐かしいな!どうやって若々しいまま生き返った?さすがにアレだけ前なら死んでいるハズだが」

アズマイラ「関係ない」ゴキゴキ

バーティミアス「…いやな、ほんの出来心という奴だ」

バーティミアス「ほらお前にもたまにしたくなる時があるだろう?」

バーティミアス「出来の悪い、幼稚でバカで頭空っぽになるような物語を作り、人に話したくなる───」

アズマイラ「奴隷への罰(物理)!!」つ銀ナイフ

バーティミアス「銀痛ァッ─────ッ?!」ザシュー!


ナサニエル「で、君が連れてきた彼女は?」

キティ「拾った壺を開けたら彼女が出てきたの」

キティ「彼女の話によると、砂漠の商人護衛した時にカーバって魔術師に壺に封印されたんだって」

キティ「アレね、SF小説でよくある一種のコールドスリープね」

ナサニエル「へー…妖霊ならともかく、ヒトを?すごい技術だな」

キティ「そうね。後世に伝わらなくてよかったわ」

キティ「聞けばその魔術師によって、ずいぶん長い間閉じ込められていたそうよ」

ナサニエル「へー…悪い魔術師もいたもんだね」

ナサキティ「「ねー」」

赤ちゃんインプ(仲良しか)



アズマイラ「罰(物理)!罰!(物理)!」

バーティミアス「やめろ!今のお前は俺の主人じゃないだろう!筋が通らない!」

アズマイラ「ええ!だからこれは大臣からの罰執行代理よ!」ブンッブンッ!

バーティミアス「?! おい小僧!お前の大事な部下が」

ナサニエル「まあちょっと鬱陶しかったし。いいよアズマイラ、罰の代行を許可する」

アズマイラ「よし!」つ銀ナイフ

バーティミアス「くそ、小僧の『命令以外で誰も傷つけるな』さえなけりゃ!」

\ザシュー!バーティミアス「アッ―――――!!!/


~マンドレイク大臣執務室~

アズマイラ「はっぷ。もっふもっふ!」ムグムグ

赤ちゃんインプ『…何食べてるの?』

アズマイラ「ん?”ましゅまろ”というお菓子よ」モッキュモッキュ

アズマイラ「マンドレイクからもらったの」

赤ちゃんインプ『ふーん?なんか綺麗に包装されてたみたいだけど良かったの?』

赤ちゃんインプ『別に君がどうなってもいいけどさ』

アズマイラ「大丈夫よ。『必要なかったみたいだ…』って」

赤ちゃんインプ『ふーん?』

アズマイラ「随分落ち込んでたわ」

赤ちゃんインプ『そいつは重畳』

アズマイラ「”ばれんたいん”とやらで何かを手に入れられなかったからみたいなの」

赤ちゃんインプ『…ふーん。まーたなんかやらかしたのか。じゃなきゃ今頃ご主人さまはそのマシュマロ渡してただろうしね』

アズマイラ「?」

赤ちゃんインプ『ああ、こっちの話。気にしないで』

アズマイラ「そう?」

赤ちゃんインプ『ところでさ』

アズマイラ「何かしら?」

赤ちゃんインプ『なんで際どいミニスカメイド服着てんの』

アズマイラ(メイド)「これ?マンドレイクが2月14日頃にくれたの」

アズマイラ「『働き口欲しいよね?暫く僕の身の回りの雑務を頼むよ。あ、これが制服ね』って」

赤ちゃんインプ『ああ…それが原因か…』

アズマイラ「そういえばキティが丁度その時見に来て口論に」

赤ちゃんインプ『ひょっとして彼らはコントか何かでも僕らに見せてくれてるのかな?』

アズマイラ「混沌?口論直後に殴られたマンドレイクの裂傷と痣は確かに混沌とした色だったけど」




赤ちゃんインプ『…バレンタイン・デェイ♪傷(キス)♪』

アズマイラ「?」



ホワイトデー

~マンドレイク執務室~


バーティミアス「小僧」

ナサニエル「なんだよ」

バーティミアス「あの制服なんだがな」

ナサニエル「何か?」

バーティミアス「いや、あれだ。キティに『本当はお前に着せたかった』とか言って渡してみたらどうだ」

バーティミアス「案外機嫌が直るかもしれな」

ナサニエル「はぁ?なんでキティなんだよ?僕は彼女の際どいミニスカが見たくて」

キティ「…へぇ」

ナサニエル「?!」ガタッ

キティ「…ふーん」

ナサニエル「…あのさ、君はなんでいつも知らない内に入って来てるんだよ」

キティ「あーらー?私、今日もキチンとノックしてから入って来てるのだけど?いえ別にあなたが誰に劣情をもよおしててもどうでもいいのだけどね?」

ナサニエル「なんなんだよ!最近何をそんな怒ってるっていうんだ!」

キティ「はぁ?怒ってなんかいないわよ?ご高名なマンドレイク大臣のキモい性癖を軽蔑してるだけ」

ナサニエル「キモくない!大体じゃあなんでそんな軽蔑してるやつのとこにほぼ毎日来てるんだよ!」

キティ「あなたが私の友達にセクハラするのを防ぐためってだけですわ?大臣?」

ナサニエル「しないよ!」

キティ「へー?なら約束できる?」

ナサニエル「なにを」

キティ「絶対に彼女に指一本触れないこと。もし少しでも触れたらあなたの本名をそこら中にバラまくわ」

キティ「約束、できるわよね?」ズイッ

キティ「……まぁ、その。代替案として。なんなら私が」

ナサニエル「………」

キティ「……」

ナサニエル「……」

キティ「…約束、できるわよね?」

ナサニエル「………」

キティ「……」

ナサニエル「……」

キティ「…ちょっと?」

ナサニエル「キティ、僕は」ガシッ

キティ「?」



ナサニエル「僕は!守れもしない約束をするような男じゃないッッ!!」

キティ「最低!!!」





ばちーん!!!



バーティミアス(俺はそろそろ小僧が実はわざと言っているんじゃないかと思い始めている。)

バーティミアス(そういえばジャーボウの仕事風景を見てた時もこんな気持ちだったんだが、奴と違って小僧が真性でない事を祈るばかりだ)

バーティミアス(事態の収拾?小僧次第だろう。俺の出る幕じゃないな)

バーティミアス(…お、キティのいいデンプシーロールが小僧の腹に決まったな)





アズマイラ「なんだ、キティも着たかったのね?」

赤ちゃんインプ『まぁ、ある意味間違ってはいないけどさぁ』



なぁー、サニエル?"無限の封じ込め"を食らった妖霊みたいに随分しょげこんじまってるようだが、あの女に一体どんな間抜けっぷりを晒しちまったんだ?

へ?「美しい女性に一番似合う花を、特別な日に」?

「僕からの気持ちですアイラブユー」キリッ?

…ああ、そりゃお前が悪いな。

むしろそんな呪いの言葉(☆1)を吐かれた女のほうに同情する。


☆1(いっぱしのロマンチスト気取りなフェイキアール並みだな。いや俺も直接フェイキアールがそんな言葉を吐いたのは聞いたことはないんだが、あいつが語る自分の武勇伝の台詞の臭さはラクダの糞級だ)




ラブレース「伏せカード、オープン!!」

ラブレース「『召喚の角笛』!!!」


ドン☆


ナサニエル「な、なんDAって?!」


ドクン☆


ラブレース「このカードが発動した時、手札にある八ツ星以上の妖霊をフィールドに特殊召喚する事ができるのだ!!」

ラブレース「フハハハハハハ!!!出でよ!!『ラムスラ』!!」

ナサニエル「くっ、それなら!」

ナサニエル「物理破壊」ビリッ

ラブレース「私の『召喚の角笛』───ッッ!?」



バーティミアス「本日より入社しました、バーティミアスです」

バーティミアス「ジン族のサカル強者ヌゴーソにして銀の翼を持つヘビです!」

バーティミアス「力技と舌先三寸系が得意です!」

バーティミアス「まだ未熟であるためご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします!」

ナサニエル「うん、うん。そーいうのいいから。それじゃ簡単に説明する」

ナサニエル「えー、まず、我が社に入社したからには全てにおいて君に拒否権はない」

バーティミアス「」

ナサニエル「ミス、不誠実、その他の私に不利益になる事が発覚した場合にはドギツイ体罰だ」

バーティミアス「」

ナサニエル「そして君に給与、食事、昇格、昇給、福利厚生も保険も休日や家、保証等々は一切与えない」

バーティミアス「」

ナサニエル「死ぬまで馬車馬のように働け」

バーティミアス「…あの、自分やっぱりこの会社に入るの止め、」

ナサニエル「貴様に拒否権はねぇ!」つ死のコンパス

バーティミアス「うわぁ────あああああ?!」



コーモコドラン「────ようこそ、このクソッタレな労働天国へ」


バーティミアス「小僧」

ナサニエル「なんだよ」ペラ、ペラ...

バーティミアス「俺の第一の目から第7の目にはお前がさっきから呪文しか書かれていない暗記本を読んでいるように見えるんだが」

ナサニエル「だったら?いつも通りの僕だろう?」

ナサニエル「僕が何をしようと自由だろ。興味持つな」

バーティミアス「ああ、別にお前に興味なんてのは1ミクロンたりともないんだがな、」

ナサニエル「…だから、なんなんだよ。煮え切らない答え方されるとイラつくんだけど」

バーティミアス「呪文以外は何も書かれていないのを読んでいるにも関わらず、さっきからニタニタニタニタ気持ち悪い笑顔で読んでいるのは何故だ?」

ナサニエル「…」

バーティミアス「…それの表紙を外してみろ、小僧」

ナサニエル「やだね。僕は表紙は外さない派なんだ」

バーティミアス「ああ、わかった。じゃあ今読んでいるページを見せてくれるだけでいい。それなら構わないだろう」

ナサニエル「ダメだ。これは妖霊が見ると死ぬ呪文が書いてあるからね」

バーティミアス「そうか。この前苦戦したヤツにでも見せてやれたらよかったな」

バーティミアス「お前が嬉々として本を見せびらかしたら俺たちは死にかけなくて済んだ」

ナサニエル「ね」ペラ...ペラ...

ナサニエル「…」

ナサニエル「…ぐふっ…くっくっ…」

??バーティミアス「…」

ナサニエル「…」ペラ

バーティミアス「…」

ナサニエル「でゅふふふ…ドゥフフ…!」

バーティミアス「…」ソロ-..

ナサニエル「…」





バーティミアス「…『も、もうっ!ジョナサンの事なんか知らないんだから!』」

ナサニエル「?!」バッ!



バーティミアス「ほうほう、『なんだよ全く…ケティのヤツ、なんだってあんなに顔を真っ赤に』」

ナサニエル「な、何を勝手に見ているんだよ!」

バーティミアス「『…鈍感。』………なるほどなぁ?」

ナサニエル「やめろ!そのニヤケ面を即刻早急速やかにやめろ!!///」

バーティミアス「まぁ待て。確かにお前は自己投影感丸出しな気色の悪い毒々しい笑顔でラノベを読んでいたのを俺に見られたが」

ナサニエル「バーティミアス!!命令を下す!今すぐ今まで見た事聞いた事を忘れろ!!」

バーティミアス「安心しろ。お前の言うことが正しければ、本の呪文を見た俺は死ぬんだろう?」

ナサニエル「お前!!///」

バーティミアス「ああ、だからまぁそんなに気にするな。ああ!!なんて可哀想なんだ俺は!!」

ナサニエル「黙れ!言うなよ!!絶対誰にも言うなよ!!」

バーティミアス「あ?そりゃ『言いふらしてくれ』って前フリか?」

ナサニエル「違うに決まってんだろ!」プンスコ!

バーティミアス「そうかそうか。わかった。お前の望み通りさっきの事は忘れよう」

ナサニエル「…ならいい」

バーティミアス「ところでこれは今の話とは全く関係ないんだがな、俺を3週間ほど解放しろ」

ナサニエル「はぁ?いきなり何を言ってるんだ?ダメに決まって」

バーティミアス「おいおい、何も今後ずっとなんて言ってないだろう?」

バーティミアス「いやな?さすがに俺も疲労が限界でな?」

バーティミアス「このまま解放してくれないと疲れがピークになって意識が朦朧として忘れなきゃいけない事をうっかり忘れて」

バーティミアス「ついつい誰かにさっきの事を、ああキティにでも話しちまうかもしれん」

ナサニエル「な?!なら───」

バーティミアス「じゃあそういうことで」

ナサニエル「命令を下す、バーティミアス!いいか?いかなる方法でもキティや妖霊、他人に知らせるのを禁止す、ああもういねぇ!!」





バーティミアス(小僧が最後に何か喚いていたようだが、命令を聞いてないんだからアレは無効だよな?)



キティ「───で?」

バーティミアス「ん?」

キティ「ん?じゃないわよ。私は『彼の好きな女性のタイプを調査して』って”お願い”したのよ?」

キティ「なのになんで彼の趣味を暴いた事を報告してるのかしら?」

キティ「え?何?二次元?二次元によくいる痛い系が好きってこと?」

バーティミアス「いや、そうじゃない」

バーティミアス「アレだ。ヒント、小僧が読んでいた小説の好きなキャラクターはツンデレだ」

キティ「そうね。それで?」

バーティミアス「ちなみにだが、お前は自分のキャラクターをどんな風に捉えている?」

キティ「えっ?そうね…いつでも凛としていてプライドと信念を持って大胆さと繊細さを兼ね備えたパーフェクト美少女?」

バーティミアス「…そうか。お前がそう思うんならそうなんだろうな」

キティ「で?」

バーティミアス「今お前が言った属性にもう一つ追加するべきだって事だ。お前、結構ツンデレなとこがあったりとかするだろう?」

キティ「しないわよ。私は創られた人間じゃないしあんな痛い人間じゃないわ」

バーティミアス「ほう」

キティ「それに私はいつでも自分に正直に生きているし、変に意地を張らないし」

キティ「私は誰にもデレないから」キリッ

バーティミアス(最初に『自分で聞くの恥ずかしいからお願い』って、俺に調査をお願いしたヤツがなんか言っているな。なんだろうな)

キティ「…でも、そうね」

キティ「たまに『君ってツンデレだよね』と言われることもあるし…まぁツンデレと言ってもいいかもね」

キティ「とすると…参ったわねー私はナサニエルの理想の女性ってことかしら?」ハフ-

バーティミアス(ウッゼェェェエ!!面倒くせっ!この小娘面倒くせっ!)

キティ「いや別に惚れられても困るだけだけどね。ほら、私もモテるから。オトコなんて星の数ほどいるから?」ドヤァァアア!

バーティミアス(調子ぶっこきまくっている小娘が超ドヤ顔で何か言っているようだが俺にはよく聞こえなかった)


キティ「あ、そういえばなんだけど」

バーティミアス「あん?」

キティ「彼、自分の趣味の事とか今まで私に一回も言った事なかったのよ」

キティ「そんなに仲が悪いわけじゃなかったと思うのだけど。何故かしら?」

バーティミアス「そりゃあお前、お前にだけはいっちょ前にカッコイイ姿だけを見せたかったんじゃないのか?」

キティ「それを私にバラす辺りはあなたっておにちくよね」

バーティミアス「いいだろ。お前にそういう趣味を知られるのが一番小僧が嫌がる」

キティ「?なんで私だけに知られるのがイヤなのよ」

キティ「別に表立って人の趣味をバカにする気はないし、言いふらしたりなんかしないわ」

キティ「ぶっちゃけ素直に『キモっ』て思うだけよ」

バーティミアス「だからお前、お前にだけはそう思われたくなかったからだろ」

キティ「なんでよ?」

バーティミアス「あー、『…鈍感。』ってヤツだな」

キティ「?」

バーティミアス「まぁとにかく。あいつはツンデレが好みって事だ」

キティ「…ふーん?」


─────────

──────────────

───────────────────



~マンドレイク執務室~


キティ「別に私、暇つぶしにここに来てるわけじゃないんだからね!」

ナサニエル「じゃあ何しに来てんだよ。僕一応仕事してんだけど」

キティ「別に、貴方に会いに来たわけでもないわ!」

ナサニエル「あ、じゃあ急進派との仲介役を引き受けるって事でパイパーさんに会いに来たって事?」

ナサニエル「いやーパイパーさんも喜ぶよ。なにせストレスでその内一般人代表達に殴りかからんばかりで」

キティ「…」

ナサニエル「あ、バーティミアス?それかアズマイラに会いに?」

キティ「…」プク-!

ナサニエル「?」

キティ「鈍感!」ベシイッ!!

ナサニエル「なしてッ?!」

キティ「ふん!」バタン!

ナサニエル「えっ?何?今のは僕が悪いの?」

バーティミアス「あー…まぁ、ある意味?」



赤ちゃんインプ『やれやれ、またか』ハフゥ

「でもさ、ぼくは少し嬉しいよ」

赤ちゃんインプ『え?何で?』

「レカイトがあんなにも楽しそうだし。妖霊と人間との関係が少しは改善された」

「ヌーダとの戦いの時も、ぼくは見ていた」

「ぼくの遺志は彼だけじゃなく、彼女にも引き継がれた。…満足だよ」

赤ちゃんインプ『あれが~?結局奴隷と主人の関係は変わってないのにかい?』クルッ

アズマイラ「えっ?何?」

赤ちゃんインプ『…あれ?今僕と喋ってたのって君?』

アズマイラ「違うけど…どうしたの?」

赤ちゃんインプ『あー…』チラ



ナサニエル「あー!あの仕事やらなきゃ!バーティミアス!”合体”だ!」

バーティミアス「ああ?!お前またアレやる気か?」

ナサニエル「背に腹は変えられないんだよ!右側は僕、左はお前な!」

ナサニエル「報酬は3日間自由行動」

バーティミアス「ちぃっ」ヒュルン!

バーティミアス「おら、さっさと仕事しやがれ税金泥棒」

ナサニエル「失礼な!僕が一番働いてるだろう!」

バーティミアス「いいや、俺だな。いいか?俺は今ペンタクルに縛られてない。にも関わらず真面目に働き、お前よりも作業能率は上だ」

ナサニエル「妖霊と人間じゃ性能差あって当然だろ!」



ギャーギャー!





赤ちゃんインプ『……』

アズマイラ「?」

赤ちゃんインプ『…別に?誰かの宿願が果たされた気がしたってだけだよ』








受け継がれ、成就される願い。












プトレマイオス「やあ、レカイト」

バーティミアス「…」





プトレマイオス「元気かい?」ニコッ

バーティミアス「…ああ。元気だ」

プトレマイオス「僕の願いが成就したようで何よりだよ」

バーティミアス「おいおい…お前何を見たんだ?ひょっとして幻か蜃気楼を見ての感想か?」

プトレマイオス「違うよ」クックッ

プトレマイオス「君と君の今の友人達を見ての感想さ」

バーティミアス「友人達?おいおい!悪い冗談はよせ!」

バーティミアス「いいか、あの野郎は未だペンタクルの枷と体罰を俺に与えたりするし、相変わらず解放は中々されない!」

バーティミアス「キティはお願いという名の無償奉仕を要求してくる!」

バーティミアス「これでもやつらは友人と呼べるか?」

プトレマイオス「君が一番わかってるだろう?」

バーティミアス「…ああ、まあな」




バーティミアス「あいつらはお前を体現した」






プトレマイオス「そうとも」

プトレマイオス「彼女は僕の後に続いてくれた」

プトレマイオス「彼は僕と同じ事を君にしてくれた」

プトレマイオス「そして、何より彼らといる君は楽しそうだ。──君、よく笑うだろう?」

バーティミアス「そりゃ気のせいだな。知っての通り、俺は生まれつき顔に痙攣を起こしやすい」

バーティミアス「日差しに顔をしかめると妙なニヤケ面に見えてしまう厄介な病気でな」

プトレマイオス「ははっ。それはまた随分懐かしいネタを持ってきたね」クックッ

バーティミアス「くっくっ。お前さんの従兄弟殿が図書館に来た時のな」クックックッ

プトレマイオス「…信じられないよ。あれからもう数千年の途方もない時間が流れたなんて」

バーティミアス「何を。たかが数千年だろう?カウントできるくらいしか経ってない」

プトレマイオス「…」 スーッ…───

バーティミアス「…もう逝っちまうのか?」

プトレマイオス「うん。そうみたいだ」 フフ




プトレマイオス「────後世の魔術師達が僕の後に続いてくれなかったのは残念だけど、」




プトレマイオス「僕は満足さ」 ニコ…




プトレマイオス「バーティミアス」

バーティミアス「なんだ」





プトレマイオス「─────。」

バーティミアス「…ああ。お前も達者でな」






「────い、─────ミアス!」



バーティミアス「…?」パチ




ナサニエル「おい、起きろよ!」

バーティミアス「む…?」

ナサニエル「何?寝てたわけ?」

バーティミアス「…かもしれん」ゴシゴシ

ナサニエル「珍しいね。召喚酔い?」

バーティミアス「そんなもんがあるとは聞いた事がないがな」

ナサニエル「まぁいいや。それより仕事の話なんだけど」

バーティミアス「…」





ナサニエル「で、…って、なんで僕の姿になってんだよ」

バーティミアス(ナサニエル)「ん?ああ、」






バーティミアス「強いて言うなら、俺が未だにプトレマイオスの姿になるのと同じ理由だな」

ナサニエル「ふーん?」






バーティミアス「俺様はヴァーティムィアス!!」←巻き舌

バーティミアス「ジンのとこのサカル!強面ヤクザなヌゴーソで銀ピカりんな翼がある蛇さんだ!!」

キティ「マジでチョーヤバいって感じよ!」

キティ「このすっとこどっこい」

ナサニエル「地獄に落ちやがれラブレースファック野郎!」

ラブレース「我輩に勝てると思っているのかね?か弱き少年!」




~暴動最前線~


バーン!!バキューン!バキューン!パラタタタタタ…

「「「おりゃあああああ!!!」」」

フリタング「”地獄の業火”!!」

コーモコドラン「”爆破の魔法”!」

アスコーボル「”振動の魔法”!」

ホッジ「”盾の魔法”!」

ムワンバ「”闇の結び目”!!」

ピューリップ「”ガンジス川の流れ”!」

バーティミアス「そんな魔法ねぇだろ」

ズガガガガガ!!!

コーモコドラン「くっそ、相手も中々手強いな」

フリタング「こっちも成分が大分やられた!ヤツら銀弾を使ってきてる!」

アスコーボル「参ったわねー…アレ、敵側に魔術師が手を貸してるわ」

ホッジ「ああ、アフリートを召喚して暴動に協力する代わりに火事場泥棒させてる」

バーティミアス「おいおい…そりゃつまり小僧の愉快な同僚達どもの中に裏切り者がいるって事か?」

ピューリップ「ふっ、全く。にしてもやはり強い」

ピューリップ「アフリートの彼はまるでガンジス川のように頑強で、あらゆるものを飲み込み、潰していきますね」

フリタング「ガンジス川はいつからブラックホールになったんだ」

ホッジ「うー…インプでも食えたらやられた成分が少しでも回復できるんだが」

ムワンバ「ジリ貧だな。敵は強大。しかも倒すか死ぬかのどちらかしかないとは」

バーティミアス「まぁまぁ。やるしかねぇだろ?なぁに、召喚者の頭の上に巨岩でも一個落っことしてやれば済むことだ」

バーティミアス「誰でもできる簡単なお仕事だ。そうだろ?(ああ、ジャーボウは別で、な?)」

フリタング「おお、そうだ!アフリートなんか怖くねぇ!」

アスコーボル「やるしかないわね」ハァ

バーティミアス「よし…俺の合図で突撃するぞ」

バーティミアス「フリタングは右、コーモコドランは左。アスコーボルは正面からと見せかけて空から」

バーティミアス「ピューリップとムワンバとホッジは裏からまわれ」

ホッジ「ああ」

ムワンバ「む」

ピューリップ「承知しました」



バーティミアス(そして既に瀕死の俺は影に隠れて見てるだけ!!!)どん!




~首相官邸、ホール~



デバルー「それではクリスマスパーティーを始める!」



パチパチぱちぱちパチパチぱちパチパチぱちぱちぱち!!


ファーラー「…はぁ。呑気なものね。街じゃ今まさに暴動が起きてる上に戦争中だってのに」ヒソヒソ

ナサニエル「同意見ですよ。しかも私含め、実働部隊の長達も強制参加とは」ヒソヒソ

ファーラー「私、たまに首相の考えがわからない時があるわ」ハァ

ナサニエル「は、何も考えてないだけでしょう。そりゃわかりませんよ」

ファーラー「よね」フッ

ナサニエル「ええ」フッ




デバルー「やぁ、楽しんでるかい?」ヒョコ

ナサニエルファーラー「「ええ、とっても!」」ニッコリ!



~最前線~

フリタング「うわぁあああ!アスコーボルのアスコーボルに当たったァアアアア!!」

アスコーボル「問題ないわ!当たる前からついてないもの!」

コーモコドラン「いいから押せ!押せ押せぇええ!!戦線を押せェェェエエエエエ!!!!」

コーモコドラン「今ここでやらねば俺たちは皆死ぬぞ!!」

ピューリップ「破ァアアアア!!!”ガンジス川の激流”!!」

アフリート「ごばっ!?」

ムワンバ「だから何その新魔法」

壁|ティミアス(うーむ。俺も長期間拘束で瀕死じゃなけりゃ参戦したんだがな)




~首相官邸~

ウィットウェル「ビンゴ!ビンゴビンゴー!」

デバルー「おお!初ビンゴ者だ!」

デバルー「では景品の最新パソコンを!」

ウィットウェル「っしゃああああ!!!見たかゴラァァアアアア!!!」

ファーラー「よっぽど欲しかったのね…あの位のなら普通に買えるくらいの給料は貰ってるでしょうに」ヒソヒソ

ナサニエル「というかそんな高価な景品出せる金があるなら戦争経費に回して欲しいですね」ヒソヒソ

ファーラー「よね。大体このご馳走もかなりの額するわよ」モグモグ

ナサニエル「でしょうね」

ファーラー「全く。何がビンゴ大会よ。ふざけてるとしか言いようがないわよくっだらない」

ナサニエル「全くでs」



デバルー「どうだね、二人ともあとどのくらいでビンゴかな?」

ファーラー「ああん!あと一つなんですよ!あぁ~当たらないかしら!」

ナサニエル「私はまだ一つも!ああ一つだけでも当たらないかと祈っている最中なんですよぉ!」

デバルー「そうかねそうかね」ニコニコ



~最前線~

ホッジ「”爆破の魔法”!!」

アフリート「ぬん!!」

アスコーボル「オルゥアアアア!!!!」ガシッ

アフリート「な、貴様!!」

アスコーボル「今よ!!あたしが動きを止めてる隙に!」

コーモコドラン「”地獄の業火”!!!」

魔術師「ほぱぁあああああ!!!熱い!!あっぅつぅういっっ!」

ピューリップ「”ガンジス川でバカンス”!!」

魔術師「ぐぅあああああああ!!!バカンス気分になるぅううう!!」

フリタング「それ意味あるか?」



~首相官邸~


デバルー「なんと!特別ゲストにクェンティン・メイクピースさんをお呼びした!」

メイクピース「やぁ!どうもみなさんお久しぶりですね!」

ファーラー「いけ好かない男だわ。首相に取り入ろうって腹かしら?」ヒソヒソ

ナサニエル「あわよくば、レベルかもしれませんがね。まぁ私は彼と仲が良いですからある程度はわかります」ヒソヒソ

ファーラー「そうかしら?むしろ、自分が成り変わろうとしてるのかも」

ナサニエル「何故です?その根拠は?」

ファーラー「彼の目の奥が私達と同じだからよ」

ナサニエル「…私達と同じ、とは?」

ファーラー「野心ギラギラってこと」フッ

ナサニエル「…」クックックッ




デバルー「おーい、君たち!仲良く話してるとこすまない!彼がこの後新作を劇場で先行公開してくれるそうなんだが!」

ファーラー「まぁ!本当ですか?私『政府転覆!俺が世界の支配者になる!』楽しみにしてたんです!」

ナサニエル「なんだって!?是非!!是非行かせてください!」

デバルー「そうかねそうかね!」ニコッ



~最前線~

フリタング「はぁ、はぁ…!なんとか生き残った…!」

アスコーボル「全員満身創痍ね。でも、」

コーモコドラン「ああ。生きてりゃ勝ちだ!」

ホッジ「へっ、俺たちにかかればアフリートなんてイチコロさ」

ムワンバ「うむうむ」

バーティミアス「よし、凱旋だお前ら!」


ピューリップ「ふ、そうですね。ご主人様もこれで──────」



────────

─────

──


~ナサニエルの執務室~

ナサニエル「よし、来たな。任務報告をしろ」

バーティミアス「ああ、万事上手くやってやったぞ」

バーティミアス「それと報告事項で特筆するなら…暴動のメンバーの中に魔術師がいたってとこだな」

ナサニエル「なんだって?」ピク

バーティミアス「やつらの一人がアフリートを召喚してきた」

バーティミアス「だがまぁレジスタンスに便乗して火事場泥棒してただけだ」

ナサニエル「ふぅん」

バーティミアス「いやしかしさすがに今回は死ぬかと思ったな。なんせ凶暴で力もとんでもないアフリート相手にこっちは妖霊数人」

バーティミアス「まぁだがそこは精鋭の俺たち。そんなヤツ相手でもフルボッコにしてやったさ」

ナサニエル「…うーん、そうかそうか」

バーティミアス「どうした小僧。激ムズ任務を見事に遂行してやったんだから賛辞や感謝、労いと敬意の言葉をくれてもいいぞ?」

バーティミアス「ああ、任務遂行の褒美か?なら悩む必要は皆無だ。即座に俺を解放して一生俺を召喚しないでくれりゃあそれでいい」

ナサニエル「…」

バーティミアス「…おーい?小僧ー?」

ナサニエル「よし、バーティミアス。命令をくだす…」

ナサニエル「今から言う場所に潜行しt」

バーティミアス「はぁ?!おまっ、待て!俺はよくやっただろうが!」

ナサニエル「何言ってるんだよ。これから更に捜査しなきゃならないだろ」


バーティミアス「お前!俺がどんだけ長期間召喚させられてると思ってるんだ?」

バーティミアス「ボロボロだ!もう俺の成分は悲鳴も上げれない状態だぞ!」

ナサニエル「わかったわかった。その内解放するから」

バーティミアス「まともに聴けこの野郎!お前それ絶対やらないパターンだろうが!」

ナサニエル「すまないが私は次の仕事があるから失礼するよ」

バーティミアス「…一応聞いてやるが、それは俺の話と嘆願が無視される事に納得する程の激務なんだろうな?」

ナサニエル「まぁね。これからまたパーティーさ」

バーティミアス「ああそうかい。なんなら俺もお前をブラッドパーティーに招待してやろうか?」

ナサニエル「わかったわかった」

バーティミアス「俺の話を聴け!五分だけでもいい!」





ナサニエル「そう言えばそんな歌もあったな」

バーティミアス「やっとまともな返しをしたと思えばお前」



ナサニエル「僕は”例のあの妖霊”と呼ばれるヌーダの死の呪文を受けて生き残った男の子、ナサニエルだ」

ナサニエル「親戚のアーサー・アンダーウッド夫妻のとこに預けられてはや10年」

ナサニエル「僕の11才の誕生日に妖霊がやってきた」

???『喜べ。お前は魔術師の学校に入学する事ができる』

ナサニエル「魔術師は皆ペット代わりに悪魔を飼うらしいので赤ちゃんインプを召喚した」

ナサニエル「汽車の旅中で友達になったキティとアズマイラと共に魔法魔術学校ホグワーツへ」

ナサニエル「ソロモン校長の前で”組み分け帽子”という新入生の寮を仕分ける魔法の帽子をかぶったわけだが」

組み分けバーティミアス「スリザリン」

ナサニエル「まぁ待とうよ」

組み分けバーティミアス「よし、ウィットウェル先生。次のヤツを」

ウィットウェル「ええ。では次──」

ナサニエル「待てよ」

組み分けバーティミアス「なんだ小僧。何が気に入らない」

ナサニエル「スリザリンに仕分けられた事に決まってんだろ!」

組み分けバーティミアス「はー…いやまぁ、毎年たまーにお前みたいはヤツはいるんだがな?」

組み分けバーティ「自分が希望する所イコール適性があるわけじゃない。上手くやっていけるか、もな」

組み分けバーティ「適性判断基準ってのがあるんだ。お前の場合はスリザリン。それ以外はない」

ナサニエル「なんでだよ!自分が入る寮くらい自分で決めさせてよ!」

組み分けバーティ「悪いがこの学校のルールだ。イヤならお前だけアズカバンに仕分けてやろうか?」

ナサニエル「ふざけるな!グリフィンドールに入れろよ!」

組み分けバーティ「…ちなみになんだが、何でそんなにグリフィンドールに行きたがる?」

ナサニエル「…偉大な人を多く輩出してるじゃないか」

組み分けバーティ「おいおい。スリザリンだって負けてない。ちびっ子大好きグラッドストーンもスリザリン出身だぞ?」

ナサニエル「イヤだ」


バーティミアス(めんどいから以下バーティミアス表記)「…本当の理由は?」

ナサニエル「…」

ナサニエル「アズマイラもキティもグリフィンドールなんだ」

バーティミアス(ははあ、友達と離れたくないってか?随分ガキ染みた可愛い理由ではあるが)

ナサニエル「それに!!今まで散々ネガキャンされてきたスリザリンなんかに入れられたら僕の世間体イメージが悪くなるじゃないか!!」

バーティミアス「心配するな。お前の世間体イメージなんてスリザリンでもグリフィンドールでも関係なく悪いから」

ナサニエル「んだとコルァア!」

ウィットウェル「早くスリザリンの席に座りなさい!後がつかえてるのよ!」

ナサニエル「スリザリンはイヤだ!スリザリンはイヤだ!」

ナサニエル「せめてレイブンクローに!ソロモン校長と同じヤツで!」

バーティミアス「スゥウウウウルルルルウィズゥアアアアアルゥウウアウウゥウゥイィィィインンンンンヌッフ!!!!」

ナサニエル「巻き舌でダメ押しするなよぉおぉ!!」



そしてこの後、スリザリンでもハブられるナサニエルはその卓越した狡猾さと厨二病と才能と知能によってメキメキと実力を伸ばしていく。

毎年一年が終わる頃にステージボス的なのと闘っていくのだった。

尚ターバン巻いたタローの後頭部からヌーダが生えてたり、ラムスラと闘ったり、アズカバンのラッチェンズ先生救い出したりトライウィザーズトーナメントに参戦したりグレーバックス騎士団の連中に保護られたりファーラーとなんやかんやあったり魔法薬学教授のラブレース先生が裏切ったりバーティミアスと共闘して魔法戦争最終決戦に挑んだりするのはまた別の話。



バーティミアス「『知らん知らん。自分の事なんだから自分で決めて自分の好きな事をしろ。』それでいいだろうが」

ナサニエル「僕だって面倒だよ。だけど政府のイメージアップのためにって」

バーティミアス「はぁー…くっだらねぇな」



バーティミアス「そんな訳で、ロンドン街中道中の掘建小屋にいるわけだが」



「スンマセーン」

バーティミアス「…どーぞ」

バーティミアス(ったく、さっさと適当にやって終わらすか)





ラブレース「首相を倒して新政府作ろうと思うんだが…」

バーティミアス「そうか、頑張れよ。その倒した政府と同じ末路を辿らないようにな」





フェイキアール「ちょっとこの世から消したい妖霊がいるんだが」

バーティミアス「奇遇だな、俺もだ」




アンダーウッド師匠「弟子の頭の出来が良すぎてつい他所様のとこで自慢してしまうんですが」

バーティミアス「そうか。その弟子をもっと伸ばす事のみに従事しろ。他ごとには目もくれずな」




タロー「明日魔術師としてのテストみたいなのがあるんだけど、呪文の暗記がなかなかできなくて」

バーティミアス「カンペを上手く仕込むんだな」



ウィットウェル「花粉症が酷いのだけど」

バーティミアス「鼻の粘膜焼くと良いらしいぞ」




クィーズル「ハァイ、バーティミアス。調子はどう?」

バーティミアス「ボチボチだな」

クィーズル「差し入れ持ってきたのだけど…いるかしら?」つ

インプ「助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください」

バーティミアス「悪いな。ありがたくいただいとくぜ」

クィーズル「どういたしまして」ニコ


ファーラー「ライバルを蹴落として私の忠実な下僕にしたいのだけど」

バーティミアス「ここにマンドレイクが気になるあの娘へ綴った書きかけラブレターがある。これ使って脅迫でもするんだな」

キティ「なんとか一般人と魔術師を仲良くさせたいのだけど」

バーティミアス「無理だな。少なくともあと100年は」

キティ「私とあなたは、ナサニエルとあなたは妖霊と魔術師という関係を変えたじゃない」

バーティミアス「何を言ってる。本質的なとこは変わっちゃいないだろ?」

キティ「それでも。最初の一歩を踏み出せたのは大きな事よ」

キティ「私はそれのヒントが欲しいの」

バーティミアス「あー、ならチャリティでもやっとけよ」

バーティミアス「金と食物をタダで貰えれば『コイツとは仲良くしよう』って思うのが人間だからな」



ヤコブ「やっぱりどうしてもこの皮膚がコンプレックスで」

バーティミアス「整形しろ」

ヤコブ「それと太った体をなんとかしたくて」

バーティミアス「脂肪吸引しろ」




ラッチェンズ「仕事が見つからなくて」

バーティミアス「なら丁度よかった。俺と立場を取り替えあおうじゃないか」

バーティミアス「給料もボーナスも退職金も有給も休みも休憩も無くてミスや上司の機嫌を損なうと体罰食らうステキな職場だぞ」




ヴェロク「セブンリーグブーツを盗まれたんだが…」

バーティミアス「警察いけ」

フリタングに何か投げつけてたガキ「おっさん転ばしてくっさいブーツパクったんだけどあんた買わない?」

バーティミアス「テムズ川にでも投げ捨てときな」




バーティミアス「ふー…疲れたな」

バーティミアス「お、もう終わりだな。帰還して定時連絡の時間だ」


~マンドレイク執務室~



バーティミアス「よう小僧」

ファーラー「あらさっきの」

ナサニエル「あ!バーティミアスお前!」

ファーラー「あら?私の椅子は喋ってはダメでしょう?」ビシ-ン!

ナサニエル「はんっふぅっ?!」

ファーラー「あなたのおかげで楽しませてもらってるわ?」

バーティミアス「そうかい。悩みが解決してなによりだな」

ナサニエル「バーティミアス!!お前覚えてろよ!?」

ファーラー「しゃべんなっつってんでしょ」ベシ-ン!!

ナサニエル「あはんっ!?」


バーティミアス「ところで小僧。俺も悩みを相談したいんだがな?」

ナサニエル「ああ!?」

バーティミアス「連勤続きで成分がボロボロでな?1日ほどバカンスが欲しいんだが上司が休みをくれなくてな」

ナサニエル「この野郎!」




バーティミアス「休ませて貰えるなら何かしら手助けの1つはしようと思うんだがな?」ニヤニヤ

ナサニエル「くっそぉ!」




キティ「2巻の貴方って変な髪型よね変な服装よね中2よねしかもなんか口調もキモい」

ナサニエル(なんだコレ…!ハァハァハァハァキティに罵ってもらうとなんでこんなに胸の高鳴りが…?)




ナサニエル(まさか、これが…k)

バーティミアス(ああ、まごう事なきMへの目覚めだな)




ラブレース「ナサニエルは悪い子!ナサニエルは悪い子!」ベシ-ン!ベシ-ン!

ナサニエル「アッー!!ンギモッチィッ!!」



ウィットウェル「ジョン。あなたは優秀なんでしょうッ!?こんな事くらいすぐ覚えなさい!一回見ただけで全てを理解しなさい!」ベチ-ン!ベチ-ン!

ナサニエル「はぅふぅん!ご、ごめんなさい!師匠ォォォオオオ!!」




ファーラー「私の僕にならない?私、あなたみたいな高慢ちきの鼻ヘシ折るのとか大好物なの」

ナサニエル「な、ならなぃしぃ…///」





キティ「と、恐らくこんなような事があってもおかしくないと思うのよ」

バーティミアス「そうだな」

キティ「つまりね、彼らに特に意味はないけどボッコボッコにしたら彼も私も、気持ちいいと思うの」

バーティミアス「そうかもな」

キティ「は──…」

バーティミアス「…」



キティ「…ごめんなさい。連日仕事続きで私疲れてるわ」

バーティミアス「そうみたいだな。まぁ、休める時にしっかり休め。人間は俺たちと違ってあまりに脆い」

~キャスター陣営~

ナサニエル「クラスは?」

バーティミアス「一応キャスターだな」

ナサニエル「…魔力とかそこそこしかないのに?」

バーティミアス「ならお前が供給してくれ。俺の偉大な力の片鱗を使いたいなら、足りない部分はマスター側で補ってもらわないとな」

ナサニエル「うるさい!大した力ないクセに!」

バーティミアス(やれやれ、とんだガキに召喚されちまったな)

ナサニエル「…宝具は?」

バーティミアス「グラッドストーンの杖だな」

ナサニエル「マジで?!」


~セイバー陣営~

フェイキアール「宝具は肉切り包丁、クラスはセイバーだ」

キティ「あなたにはバーサーカー攻略時に足止めしてもらうわ」

フェイキアール「足止め?…別に、倒してしまっても構わんのだろう?」フッ...

キティ「…! ええ、ふふっ」


~バーサーカー&ランサー陣営~

ラムスラ『pkgyk@tvppob@g)mw!』

ラブレース「やっちゃえ!バーサーカー!」

ラブレース「宝具はサマルカンドのアミュレット!無敵無敵無敵!」

ヴェロク「油断したな…?」ザシュッ!

ラブレース「グハッ?!」

ヴェロク「…」

ヴェロク「おい!陽動担当はランサー、お前だろう!何インプ食ってる!」

ジャーボウ「そこにインプがいたからだ」モグモグ

ヴェロク「もういい!お前は要らん!令呪で命じる!自害しろ!」

ジャーボウ「ごばっ!」

ナサニエル「ランサーが死んだ!」

バーティミアス「この人でなし!」

ヴェロク「やかましい!」

~アサシン陣営~

緑猿「マスター?喰われた」

~ライダー陣営~


ホノリウス「ワガハイ自由!」

ファーラー「…ライダーって、あなた何に乗ってるのよ?」

ホノリウス「調子にのってるだろう?」

ファーラー「つまらないわね」ハフー


~アーチャー陣営~

アズマイラ「」

ピューリップ「ガンジス川を御存知ですかな?」






カーバ「フンッ!!」ムキムキッ!ムキッムキッ!

お抱え魔術師「ハァッ!!」ムキ-ン!

ソロモン「ホゥゥウゥゥゥゥウウウウウウァアアアァアアア!!!」ムキムキムキ-ン!

アズマイラ「イャァ────!!筋肉ダルマばっかぁ───!」




バーティミアス「…ヒトは、脆い」


老人「…」

バーティミアス「ハ、お前もそろそろお終いだな」

バーティミアス「…」

バーティミアス「しっかし、アレだな。俺を召喚してからもう何年経ったんだろうな」

老人「さあ…私ももう忘れたよ」

バーティミアス「…」

バーティミアス「数十年。それなりに退屈しない時間だったぞ?うん」

老人「バーティミアス…」

バーティミアス「なんだ?辞世の句なら残す相手が間違ってるぞ」

バーティミアス「残念だが俺はそんな命令にない事までサービスしてやる気にはならないからな」

老人「…お前は、いい召使いだった…」

バーティミアス「…あー、うむ。お前も中々かっこよかったぞ、うん」

老人「…彼女に、よろしく」

バーティミアス「…自分で言えよ。それくらい」

老人「………」

バーティミアス「…」スゥゥゥゥ...





バーティミアス「…悪いな。お前もわかってるだろうが主人が死んだら召使いは自動的に消える」

バーティミアス「お前の伝言は伝えてやれそうもないな」


───────
─────────
────────────
──────────────────


バーティミアス「…ぬっふぇ?」

ナサニエル「…よーやくお目覚めか?バーティミアス」

バーティミアス「あー…?ああ、すまん。少し召喚酔いしたらしい」

バーティミアス(何だ今の?あー、数百年前の主人の御臨終の時、だったか?)

バーティミアス(それとも、異世界じゃ時間の流れがアレだから…こっちでの未来、とかか?)

ナサニエル「また?お前死ぬとかそういうのやめろよ?」

バーティミアス「お?なんだ?心配してくれるのか。俺が死んだら寂しいのか?ナサげふん坊ちゃん」ニヤニヤ


ナサニエル「バーカ。仕事が滞るから困るって言ってるんだよ」

バーティミアス「…」

ナサニエル「?  なんだよ。こっち見つめて」

バーティミアス(…コイツも数十年後にはああなるんだよな…)

バーティミアス「ヒトは、すぐ死ぬんだよな…」

ナサニエル「何言ってんだよいきなり」

バーティミアス「別に?お前のその地位も若さも儚いモンだって思っただけだ」

ナサニエル「うるさいな。そんなのお前もだろ?」

バーティミアス「あ?」

ナサニエル「ヒトは、死ぬ。ジンも死ぬ。必ず死ぬ」

??ナサニエル「早いか遅いかの違い。いつかは君も僕も死ぬんだ」

バーティミアス「馬鹿か?その遅いか早いかは天と地ほども差があるだろうが」

ナサニエル「それでもだろ。永遠じゃない。感覚が違うだけだろ」

バーティミアス「そうだな、その理屈でいうと宇宙の果てまで行く距離も地球を一周する距離も大して変わらないな」

ナサニエル「と、とにかくだ。お前も他人事じゃないんだから精々気をつけろってコト」

バーティミアス「ああ、俺はいつまでも若くピチピチだが、お前は肌が荒れてハゲてシワ増えて肥えて臭くなって死ぬって事だろ?」

ナサニエル「僕、絶対一生スキンケアとヘアケアと自己管理怠らねえわ」



バーティミアス「まぁ、ちと思い出してな。昔の主人…?が老衰で亡くなった時に解放された時があってだな」

ナサニエル「…ふーん」

ナサニエル「ようは僕もいつかそうなるってわかってるから寂しいってんだろ?」

バーティミアス「ちがっ///」

ナサニエル「でもいつか必ずその日はやってくる。避けられないんだ」

ナサニエル「だったら、せめて生きてる間くらいは一緒にいればいいだろ」

バーティミアス「…」

ナサニエル「わかってるだろ?僕よりずっと長生きしてきたんだからさ」

バーティミアス「…まぁな」

ナサニエル「さ、仕事仕事。今度はね─────」

バーティミアス「…」




バーティミアス(そんな事くらいわかっていたつもりだったんだがな)





バーティミアス(柄でもないし年甲斐もないが)

バーティミアス(存外俺は小僧達とのこの時間を愛していたらしい)

バーティミアス「…」







バーティミアス「どうだ小僧。今から創作物のラスボスよろしく不老不死目指すってのは?」

ナサニエル「バカ言ってないでさっさと働けよ」



バーティミアス「あー、確かお前が昔中東とか行ってたからその辺りの風習か?」

アスコーボル「ピンポンピンポーン♪」

アスコーボル「フフッ!正解よバーティミアス!」

アスコーボル「今日はね、七夕と言って”タケ”と呼ばれる植物に”タンザク”っていう栞みたいな紙に願い事を書いて吊るすの!」

バーティミアス「はぁ?で?」

アスコーボル「そしたらね、星がその願い事を叶えてくれるのよ!」

バーティミアス「ほーう。そりゃ便利だな。全国どこでも毎日やったらいいんじゃないか?」

バーティミアス「そうすれば俺を含める全国の妖霊が魔術師達にこき使われなくて済むだろうに」

アスコーボル「ああんもう!ロマンがないわねバーティミアス!」プリプリ!

バーティミアス「…せめてサイクロプスの姿止めて、もっと見た目麗しい姿になっておくとかできないのか?」

アスコーボル「なんでよー?可愛いじゃない!サイクロプス!」

バーティミアス「あー、見た目と言動が一致しなすぎてな」

アスコーボル「あたしの可憐さとサイクロプスの筋骨隆々さのミスマッチがサイコーでしょ?」アハン

バーティミアス「すまんがそれについての共感は無理だな。その趣味の悪さは小僧と共通するとこがある」

アスコーボル「んもう!」プリプリ!




バーティミアス「…七夕、ねえ?」









バーティミアス「七夕?」アスコーボル「そうよ?」ウフン?








~アズマイラ&キティの場合~

キティ「ねぇ、アズマイラは何を願うの?」

アズマイラ「私?私はー、そうね…」

アズマイラ「『現状維持』」

キティ「…」

キティ「い、いい願い事よね。だって今が幸せじゃなかったら願わないものね」

アズマイラ「ええ!」ニコッ!

アズマイラ「キティは?」

キティ「私?『妖霊と人間、同じ人間同士の間で差別や喧嘩がなくなりますように』ね」

アズマイラ「フフッ。キティらしいね」

キティ「そう?」

アズマイラ「でもいいの?彼と結ばれたいと願わなくて?」

キティ「にゃ!?///」ボンッ

アズマイラ「だってあなたはいつも…、ああ、そうね。要らないわね」

キティ「そ、そうよ!?何言ってるのよ!突然!もー!?///」

アズマイラ「だって、わざわざ願わなくてもその内叶うものね」フフ

キティ「そそそそそんなことねーしゅっ!?///」

アズマイラ「どうしたのキティどうしたの」

~妖霊達の場合~



ピューリップ「私は」

フリタング「はいはいガンジス川ガンジス川」

ピューリップ「失礼な。まだ何も」

コーモコドラン「…今後は紛争地域はいかされませんように、と」

ムワンバ「無理だろーな」

ホッジ「あのご主人じゃーなー…」





「「「「ハァ」」」」





~ファーラーの場合~




『私は首相になる』ドン!!!



~ナサニエルの場合~

バーティミアス「よう、小僧」

ナサニエル「なにー?」

バーティミアス「他の奴等は皆吊るしたが」

ナサニエル「よかったじゃん。叶うかどうかは知らないけど」

バーティミアス「いやな、お前の恥ずかしいお願いしてないか見てやろうと思ったんだが」

バーティミアス「お前の分がなかったんだが?」

ナサニエル「書いてないからね」

バーティミアス「オイオイ。相変わらず空気が読めない奴だな?自ら進んで仲間外れになりに行ってるワケだがいいのか?」

ナサニエル「馬鹿馬鹿しい。星に願って望みが叶うなら妖霊は要らないよ」

バーティミアス「…なんだろうな、お前と同じことを言っていたやつを知っているんだが」

ナサニエル「へー」

バーティミアス「だが安心しろ。そいつはたった今それを聞いた瞬間に考えを改めるらしいぞ」

ナサニエル「お前じゃねーか」

ナサニエル「ちぇ。じゃあ僕もお前と考え一緒なんてイヤだから改めるよ」

バーティミアス「ったく」

バーティミアス「あー、じゃあ。じゃあなんだがな、」

ナサニエル「なにさ」

バーティミアス「もし。もし妖霊でも叶えられない願いが叶うなら」

バーティミアス「お前は一体何を願う?」

ナサニエル「……」

ナサニエル「…そうだなぁ、」



~バーティミアスの場合。~

アスコーボル「あらバーティミアス。あなたも吊るすの?」

バーティミアス「俺のじゃないがな」

アスコーボル「あら。じゃあ誰の?」

バーティミアス「小僧の分だ。書いといてやった」

アスコーボル「書いといてって…まぁいいけど」

バーティミアス「よっこらせ」つ

アスコーボル「ねぇ、なんて書いたの?」

バーティミアス「ん?『キティと[ピーーー]したい』だそうだ」

アスコーボル「あらやだお盛んね。皆も見るでしょうに」

バーティミアス「知らん知らん。恥をかくのは小僧だからな」

バーティミアス「…む?悪いな。”召喚”だ。」

バーティミアス「あとでな」


シュン。




アスコーボル「…」


アスコーボル「ほんとにあんな事書いたのかしら?」ヒョイ


アスコーボル「……」


アスコーボル「…ぷっ。」



アスコーボル「やぁね。照れる事なかったんじゃないかしら?バーティミアス?」クスッ












『小僧の「何時までもこの腐れ縁が続きますように」というふざけた願い事を叶えてやってくれ』












アスコーボル「~♪」


赤ちゃんインプ『あれ?なんか上機嫌だね。何かいい事あった?』 スゥッ…


アスコーボル「ううん。微笑ましいのを見たってだけよ」フフフ♪





<バタン

バーティミアス「小僧」

ナサニエル「…なに?」

バーティミアス「キティに誕生日を一ヶ月勘違いされてたなお前」

ナサニエル「うるさいな」

バーティミアス「いやぁキティはそういう所はきっちりしてると思っていたんだが」

バーティミアス「久々に面白かったな?」

バーティミアス「『はいっ!誕生日おめでとう!あなたもこれで……え?誕生日、今日じゃ、ない?』」

バーティミアス「『えっ…?一ヶ月、や、やだ私…勘違いしてた?!////ご、ゴメン!!』」

バーティミアス「人間の顔ってやつはあそこまで赤くなるもんなんだな」

バーティミアス「俺もそこそこ長く生きているがあそこまで赤くなった顔は俺が煽りに煽りまくってブチギレた魔術師ランキングでも上位に食い込めるぐらいだ」

バーティミアス「で?一ヶ月遅れでのバースデーを祝ってもらったお前のご感想は?」

ナサニエル「嬉しいさ。素直にね」

バーティミアス「ほう?」

ナサニエル「友達の誕生日がいつか、なんて結構忘れるものじゃないか。めちゃくちゃ仲が良くない限りプレゼントだって渡さないだろ」

ナサニエル「肝要なのは」

ナサニエル「祝ってくれる気持ちだろ」

バーティミアス「小僧、お前…」

ナサニエル「ふん…」

バーティミアス「…そこで悔しそうな半泣き顔じゃなけりゃ『お前でも成長できるんだな』って褒めてやったんだがなぁ」

ナサニエル「な、泣いてない!!デタラメ言うな!」

undefined


グイッ。


バーティミアス(おっと召喚か)

バーティミアス(やれやれ。今度は早く終わるといいんだがな)

────────
────────────
──────────────



魔術師「…」


ギュルルルルル…!


ズドーン!!!!ビャオオオオオオオオ!!!!


バーティミアス「ウォオオオオオオオオオ!!!!!」

バーティミアス(今回の登場は嵐と雷を渦巻き、ミノタウロスに腕を8本生やして全部の腕に武器を持ってみた)

魔術師「…」

バーティミアス(なんだかパッとしない奴だな…普通のスーツ姿のビジネスマンって出で立ちだ)

魔術師「…」

バーティミアス(なおノーリアクション。つまらん)

魔術師「初めまして。それではお名前を確認させていただきます。バーティミアス様でよろしいでしょうか」

バーティミアス「は?」

魔術師「…名前を確認します。バーティミアス様でよろしいでしょうか」

バーティミアス「あ?ああ。ウルクのバーティミアスだ。ジン族のサカル、強面ヌゴーソにして銀の翼を持つ蛇だ」

バーティミアス(なんだ!?わざわざ名前を確認するのは何千年も前から変わらん茶番だが、『バーティミアス“様“』だぁ?!何千年と生きて来たがそんな風に言われたのは初めてだぞ!?)

バーティミアス(自分からはよく言って来た口上だが他人から、それも魔術師から言われると寒気しかしないな!意味がわからないぞ!)

魔術師「ではどうぞそちらの椅子におかけになって話をお聞きください」

バーティミアス「…」

バーティミアス「はあ?」

魔術師「あっ、別に立っていていただいても」

バーティミアス「いやそうじゃない!そういうことじゃない!なんだお前!?」

魔術師「? 申し訳ありません。何かお気に触る事がありましたでしょうか?」

バーティミアス「やめろ!オイなんだその言葉使い!なんか気持ち悪い!」

魔術師「はぁ、左様でございますか」

バーティミアス「なんなんだ…全く…あーもう!ほら、早く仕事の内容を言ってくれ」

魔術師「ハイ。ではこちらの資料をお読み下さい」つ

バーティミアス「ああ?別に仕事内容くらい口で言ってくれれば憶えて…」

バーティミアス「ん?」


魔術師「どうなされました?」

バーティミアス「…ペンタクルに枷が無い?」

魔術師「え?ええ。そりゃあありませんよ?」

バーティミアス「」

バーティミアス「はぁ?!お前…食うぞ!?遠慮なく食うぞ?自殺志願者かお前!」

魔術師「その時は防御させていただきますが…」

バーティミアス「…意味がわからん。なんで枷をつけない?」

??魔術師「え?いやそりゃあ『枷』なんてつけたら妖霊労働基準法とか妖霊保護法とかに抵触しますし」

バーティミアス「なんだそのゲフンマイオニーな法律は」

魔術師「まぁ簡単に言うと『妖霊に酷いことしちゃダメ』って法律です」

魔術師「当然“罰“も禁止ですしセクハラやパワハラもアウトですね」

バーティミアス「俺が知らない内にそんなものが…?時代は変わったな」

バーティミアス(…フェイキアールなら小躍りしながら人間を襲ってたかもな)

魔術師「ええ。あ、その資料に此方に滞在していただく間の器と労働時間、休憩、休日、賃金等の取り決めが書いてありますので」

バーティミアス「は?」

魔術師「はい?」

バーティミアス「賃金?労働時間?オイオイ…なんの冗談だ?」

魔術師「な、何か問題が?」

バーティミアス「いや…いやそうじゃなくてだな、」

魔術師「えっと…もしお気に召さない点がありましたらお断りして帰宅していただいても」

バーティミアス「はぁ!?拒否できるだと!?帰っていいだと!?」

バーティミアス「だったら今すぐ本当に帰るぞ!?いいのか?!」

魔術師「ええ。当然此方が妖霊さん達の都合なんて御構い無しに勝手にお呼びしてますし」

魔術師「ただ、恐らくバーティミアス様が最後に召喚された時より待遇等がだいぶよくなっているかと思いますし、人間妖霊間の関係改善の為にもお話を聞いていただいてからの方が、と」



バーティミアス「…なんだコレ」

魔術師「どうされますか?」

バーティミアス「…」

バーティミアス「…まぁ、聞くが…」

?バーティミアス(…なんだろうな、この感覚)

バーティミアス(一抹の寂しさ、そして)

バーティミアス(プトレマイオスやキティが実現しようと努力してた事が本当になったのに素直に喜べん)

バーティミアス(俺は…“あいつらが“成し遂げたのが見たかったのか)

バーティミアス(それに…なんというか、自分の5千年分のキャリアとノウハウが一気に消滅した時の虚無感…)

バーティミアス「…」

魔術師「どうしました?」

バーティミアス「…ってくれ」

魔術師「はい?」

バーティミアス「罰してくれ!“宇宙の万力“でも“死のコンパス“でもいい!」ガシッ!

魔術師「!?」

バーティミアス「なんなら焼尽の呪文でも使え!」

魔術師「どうしたんですか!?」

バーティミアス「なんか違うんだよ!!!モヤモヤするんだよ!」

魔術師「えっと、それはマゾヒズムみたいな、」

バーティミアス「そうじゃなくて!!」

バーティミアス「ああああ!!!小僧ぉおおおお!!!カムバァァアアアッック!!!!」ドゴシャァアアアン!!

魔術師「お、落ち着いてぇぇえ!!」



ナサニエル「ハァイ!あたしナサ子!ピッチピチの28才!」ミ☆

バーティミアス「言葉も年齢ももうピチピチじゃないな」

ナサニエル「近年、そもそもバレンタインデーの渡し方は多様化したよねっ!」

ナサニエル「女→女とか、友チョコ、世話チョコ、社交辞令の塊チョコとか!」

バーティミアス「ああ、お前はゼロだったがな」

ナサニエル「だからね、従来の慣習に縛られず、男→男でとか、男→女へとか、友チョコとか世話チョコとかあってもいいと思うの!」

バーティミアス「受け入れずらい若干キモいって思っちまう俺は柔軟な考えが出来ない年寄りだからか?」

ナサニエル「そんなわけで今年はバレンタインの時、逆に渡してみたの!」

バーティミアス「なぁ小僧?ひょっとしてお前アスコーボルが中に入ってるとかじゃないよな?」

ナサニエル「せっかくだから女の子の気持ちになるために女言葉で話してるの☆」

ナサニエル「あっ、ちなみにバレンタインはこんな感じだったわ!」

バーティミアス「小僧?妖霊だって吐き気くらいはあるんだぞ?」


~キティの場合~

ナサニエル「はい。ハッピーバレンタイン」

キティ「え?」キョトン

ナサニエル「製菓会社は売れればいいんだし、結構バレンタインデーって渡す人の範囲って広がってるだろ?男から女の子へ渡すのもありかと思ってさ」

キティ「ふーん…?まぁ受け取るわ。ありがとうナサニエル」

ナサニエル「…なあ、君からはあったりしないのかい?」ソワソワ

キティ「ごめんなさい。今仕事が忙しくてそれどころじゃなかったのよ」

キティ「ホワイトデーで埋め合わせするわ」

ナサニエル「ほんと?楽しみにしてるからね」




パイパーの場合



ナサニエル「かくかくしかじか妖霊召喚」

パイパー「え!いいんですか?ありがとうございます大臣!」

パイパー「申し訳ございません。私も用意しておくべきでしたね」

パイパー「その、大臣はそういうイベントにはご興味がないかと思っておりましたので…」

ナサニエル「うん大丈夫気にしてない。来年から気をつけてくれ」

パイパー「あ、えっと…はい…来年こそは、渡します」

バーティミアス「…」

バーティミアス(憧れてる、んだったか?アイツは小僧に)

バーティミアス(だったら後ろ手に小包を抱えてるぐらいなら渡せよ。むしろ俺には渡さない理由がわからんぞ)

バーティミアス(だが小僧がいい思いするのも癪だし、パイパー自身が勇気出すまでは余計なお節介はしないがな)



ナサニエル「かくかくしかじか」

アズマイラ「マルマルモリモリというわけね」

ナサニエル「君には質より量かと思って…ほら、」

アズマイラ「?」

ナサニエル「業務用の袋いっぱい1口チョ───」

バーティミアス「よおぉし小僧ちょっと待てよ?」ガシッ

ナサニエル「なんだよ」ズルズルズルズル…

アズマイラ「?」

バーティミアス「お前、お前な?アイツだって女なんだぞ?」

ナサニエル「知ってるよ!見ればわかる!」

バーティミアス「いーや、お前はわかってない。たぶん本当にわかってない」

ナサニエル「何が言いたいんだよ」

バーティミアス「お前、『デリカシー』って言葉を知ってるか?」

ナサニエル「当たり前だろ」

バーティミアス「どこの世界にバレンタインで業務用チョコプレゼントする奴がいるんだよ」

ナサニエル「ここにだよ」

バーティミアス「なんでちょっとドヤ顔してるんだ殴っていいかコラ小僧」

ナサニエル「いやだって彼女が」

バーティミアス「おい!他にはないのか?まともなチョコだ!」

ナサニエル「あるにはあるけど…」

バーティミアス「よし、ならそれを出せ」

ナサニエル「なんでお前に指図されなきゃいけないんだよ!」

バーティミアス「あまりにもあんまりだろうが!」

ナサニエル「はー…もう、わかったよ」

アズマイラ「ねぇ何の話?」ヒョコ

ナサニエル「あ、えっと、」

ナサニエル「ハイ。ブラックチョコレートなんだけど」

アズマイラ「いいの?ありがとう!」

アズマイラ「でもマンドレイク。私、もっといっぱいあるのがよかったわ」ビリッバリッ!モッサモッサ

バーティミアス「…」

ナサニエル「だから言ったろ」


バーティミアス「…オイ」

アズマイラ「?」モッキュモッキュ

バーティミアス「あー、俺からもだ。食え」つ

ナサニエル「あっ!?おまっ」

アズマイラ「え?いいの?」

バーティミアス「ああ。食え。」

アズマイラ「ふふっ!ありがとうバーティミアス!大事に食べるわね!」ニコッ!

ナサニエル「…」ジト

バーティミアス「えっ゛ふん!げふん!」

>>90~アズマイラの場合~
を1番上につけて読んでね



~ファーラーの場合。 ~



ナサニエル「かくかくしかじか師匠師匠というわけでしてー」

ファーラー「あら毒入りかしら?」ニコッ

ナサニエル「まさか。入ってたとしたら買ったお店の管理に問題があったってことですよ」

ファーラー「ふぅん?あなた私に気でもあるの?」クスクス

ナサニエル「さぁ?でも私は恋人に後ろからさされるのはゴメンですね」

ファーラー「食えない人ね。…いただくわ。ありがと」















~女子トイレ~

ファーラー「うごぉおおおおお!!!!あ、あの野郎!!やっぱり一服盛ってやがったぁあああああ!!!」

ウィットウェル「ちょっと!早くトイレ出てくださる!?私も限界なのよ!?」ドンドンドン

ファーラー「覚えてなさいよ!!?マンドレイク!!!」

ウィットウェル「あっ…」プチッ






バーティミアス「お前ホント敵にはえげつないな」

ナサニエル「ライバルは潰せる時に潰しておかないとね」



~ラブレースの場合~

ナサニエル「お前の~♪お墓の~♪まーえでー♪」

ナサニエル「チョコ垂らしてやるよ~♪」ダパダパ

ナサニエル「そーらたんとお食べー」

バーティミアス「あーあ。墓がチョコフォンデュだな。」

ナサニエル「こんな小さな復讐をする僕は器が小さいかな」

バーティミアス「そうだな」



───────
────────────
───────────────────



ナサニエル「そんな感じでホワイトデーよっ!」

ナサニエル「ナサ子楽しみっ☆」

バーティミアス「まぁまず間違いなく2人からはお返ししてもらえるだろうな、ああ」

一応抽出完了。加筆修正をチラホラ。続きとかはその内。では。

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