【シャニマス】合同ライブ、それぞれの前夜 (36)

灯織「……眠れない」

灯織(明日は大事な合同ライブなのに……寝不足でステージになんて立てない……)

灯織(寝不足ならまだいい。もし、寝坊なんてしたら……)


灯織「……忘れ物、ないかな」

灯織(衣装は会場だから、それほど多くはないけど)

灯織(タオル、飲み物、のど飴、財布……ICカードの残高いくら残ってたっけ……)

灯織(あとは、お守りも……うん)

灯織「って、さっきから何回持ち物確認してるんだろ……」

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ピロン

真乃『まだ、起きてる?』


灯織「真乃……」


灯織『起きてるよ』

めぐる『起きてるー!』

真乃『よかった。なんだ寝付けなくて』

灯織『私も、ライブのこと考えてた』

めぐる『私も!』

真乃『ふふっ、みんなで夜更かしさんだね』

めぐる『明日のこと考えると、ワクワクして眠れないよね!』

真乃『うん!』


灯織「ワクワクして……」


灯織『私も


灯織「……」


灯織『私は、それ以上に不安』

めぐる『不安?』

灯織『合同ライブはイルミネーションスターズのファンじゃない人も、たくさん来るってことだから』

灯織『他ユニットファンの人は、私たちの曲も聞いたことないかも』

灯織『そんな人たちを前に、盛り上げられるんだろうかって……』


灯織「言っちゃった……」

真乃『灯織ちゃん……』

めぐる『そっかぁ……うん、そうだよね』

真乃『私も不安なのも、あるよ。ひとりだったら、もっと不安になってたと思う』

真乃『でも、私には灯織ちゃんとめぐるちゃんがいるから、大丈夫』

めぐる『私たちだけじゃないよ。283プロみんなで、同じステージに立つんだもん!』

めぐる『みんな、灯織の味方で、仲間だよ!』


灯織「仲間がいる……」

灯織『うん、そうだね……ごめん、前日にこんなこと話して』

めぐる『謝ることないよー!』

真乃『うん!』

灯織『真乃、めぐる、ありがとう。いまなら眠れそう』

真乃『私も、なんだかほわほわしてきたよ』

めぐる『じゃあ、明日のためにも寝なきゃだね!』



『お休みなさい』
『おやすみ』
『おやすみ!』

*****


果穂「夏葉さん、お風呂あがりましたっ!」

夏葉「おかえりなさい、何か飲む?」

果穂「じゃあ、お水にしますっ!」

夏葉「樹里、冷蔵庫からミネラルウォーター取ってちょうだい」

樹里「はいはい。ほらよ、果穂」

果穂「ありがとうございます!」

樹里「寝る前にあんま飲み過ぎるなよ?」

智代子「お風呂つぎは誰が入るー?」

凛世「では、いただきます……」

樹里「しかし、前日に全員泊まりとはなぁ」

智代子「これなら寝坊の心配もなくていいよね!」

果穂「ピザ、美味しかったです! 上に乗せた生ハム? も、初めて食べました!」

夏葉「たまたま冷蔵庫にあっただけよ、でも、喜んでもらえて良かったわ」

智代子「たまたま生ハムがあるってのも凄いね」

樹里「ちょこの持ってきたチョコも美味かったな」

智代子「あれ話題のお店の新作なんだよ。並んでやっと買えたの!」

樹里「ライブ前日なのに行列に並んでスイーツを買うアイドルか……」

夏葉「ふふ、変に意識し過ぎるのも良くないわ。平常心は大切よ」

果穂「いつも通りってことですね!」

凛世「あの……」

樹里「おわ! びっくりした!」

果穂「あーっ! 凛世さん、タオル一枚ですっ!」

夏葉「凛世、どうかしたの?」

凛世「髪を洗おうと……ボトルの種類が多く、勝手がわからず……」

夏葉「ええと、一番右がシャンプーで……」

果穂「えっ! あたし、順番変えちゃったかもです!」

智代子「あーなら私が教えるね。ついでに凛世ちゃんと一緒に入っちゃうよ」

樹里「二人一緒に入れるか?」

智代子「私ちっこいし大丈夫でしょ! じゃあ凛世ちゃん、行こっか」

凛世「ご迷惑を、おかけします……」

智代子「全然迷惑じゃないってー。そうだ!洗いっこしよう♪」


樹里「やれやれ」

夏葉「さぁ、今のうちに布団敷きましょう」

果穂「はーい!」

夏葉「それじゃあ電気消すわね?」

智代子「夏葉ちゃん待って、充電挿したい!」

樹里「あ、アタシも」

夏葉「はいはい……いい? 今度こそ消すわよ」



樹里「つか、なんで家主までリビングで寝るんだよ」

夏葉「仲間外れみたいで寂しいじゃない」

智代子「うん! 私は、ちょっと狭くてもこの方がいいなぁ」

樹里「べ、別に嫌とは言ってねぇよ」

凛世「こうして、枕を並べると……いつぞやの合宿のようですね……」

果穂「凛世さんと同じこと思いましたっ!」

夏葉「懐かしいわね」

樹里「懐かしいってほど昔でもねぇけどな」

智代子「それでも、その間にも色々あったねぇ」

果穂「明日の合同ライブ、楽しみです!」

樹里「あぁ……絶対成功させてやろうぜ」

智代子「で、終わったら打ち上げしちゃう?」

夏葉「始まる前から気が早いわよ」

凛世「ふふ……楽しみが、また増えましたね……」

果穂「この先も、たっくさん楽しいことが待ってますよ!」

夏葉「……そうね。一歩ずつ、楽しみながら進みましょう」

智代子「話込むと遅くなっちゃうし、今日はここまでってことで……それじゃ」



「おやすみなさいっ!」
「お休みなさい」
「おやすみー」
「おやすみ」
「お休みなさいませ……」

*****


恋鐘「神社、貸切みたいやね~!」

結華「まぁ普通の人にとっては、何でもない週末の夜中だからねぇ」

咲耶「人気のない境内というのも、雰囲気があるね」

摩美々「早くお参りしちゃおー」

霧子「みんなごめんね、私のわがままに付き合ってもらって……」

恋鐘「気にせんでよかよ~。ライブの成功祈願なら、アンティーカ全員でした方がご利益ありそうたい!」

摩美々「……水、冷たい」

咲耶「大丈夫かい?」

摩美々「咲耶の手も濡れてるからぁ、握られても温かくないんだけどー」

咲耶「しばらくこうしていれば、すぐ温かくなるさ」

結華「さくやーん、まみみーん、後つかえてるんだからねー」

霧子「はい咲耶さん……ハンカチどうぞ」

咲耶「あぁ、ありがとう霧子」

摩美々「そもそもぉ、私もハンカチくらい持ち歩いてるんだケド」

恋鐘「ほらほら、みんな早うお参りしよ~!」

恋鐘「五円玉がちょうど無か……」

結華「お、三峰二枚持ってるよー。はい、こがたん」

恋鐘「結華、ありがとうね!」

霧子「あ……私も、ないみたい……」

咲耶「うーん、残念ながら一枚しか持ち合わせがないみたいだ」

摩美々「右に同じくー」

恋鐘「結華、この五円は霧子にあげてよか?」

結華「そりゃ構わないけど……それじゃ結局こがたんのが無いよ?」

恋鐘「うちがユニットのリーダーやもん! ライブの成功祈願のためなら……これくらい出して当然たい!」

結華「そ、それは我々の百倍の力を持つという幻の硬貨、五百円玉!」

摩美々「へぇー、恋鐘のライブへの気持ちはそれっぽちなのー?」

結華「ちょ、まみみん!?」

摩美々「ふふー。リーダーの、ちょっといいとこ見てみたいー」

恋鐘「そ、それなら樋口、いや諭吉ば出すばい! リーダーとして当然ばい!」

咲耶「摩美々、あんまり恋鐘をからかってはいけないよ」

……


摩美々「おみくじ引けなかったねー」

三峰「誰もいなかったからね。仕方ないっしょ」

霧子「お参りできて嬉しい……みんな、ありがとう」

咲耶「霧子のおかげで、ファンのみんなが喜んでもらえるような、そんなライブにする決意が一層高まったよ。身が引き締まる思いさ」

恋鐘「せやね! みんなもちゃんと神様にお願いしたと?」

摩美々「お願いしたよー。健康に過ごせますようにって」

結華「って明日のことじゃないんかーい!」

咲耶「ライブの無事を祈るという意味では、間違っていないのかもね」

摩美々「カミサマも、ちゃんと分かってくれるでしょー」

結華「そこまでフレキシブルな対応を求められる神様も大変だなぁ」

恋鐘「う~、それにしても今夜は冷えるばい」

霧子「お日様が出てるうちは、少しずつ春らしくなってるけど……朝や夜はまだ寒いね」

結華「冬の物販列は本当に辛いんだよねー。明日は暖かいといいけど」

咲耶「天気予報では二日間とも晴れだったかな。今だって……ほらご覧よ」

霧子「わぁ……お星さまがいっぱい……」

恋鐘「これなら明日もよく晴れそうやね!」


結華「……あれ、そういえばまみみんは?」

咲耶「確かに、いつのまにかいなくなってる……みんなして星空に目を奪われてしまったか」

霧子「摩美々ちゃんは、どこ……?」


恋鐘「あ、見んね霧子! あそこ!」

結華「コンビニで雑誌立ち読みしてるし!」

恋鐘「こら摩美々~! 勝手にいなくなったら心配するけん!」

摩美々「だって寒かったし」

咲耶「やれやれ、おてんばなお姫様だ」

結華「ちゃっかりカップ麺まで買って……まぁ釣られてみんな買っちゃたけど」

霧子「ふー、ふー……はぁ、あったまるね」

恋鐘「最近はインスタントも馬鹿にできんたい」

結華「外で食べると余計に美味しく感じる七不思議ですなー」

摩美々「咲耶ー、おあげひとくちー」

咲耶「あぁ、どうぞ」

摩美々「ありがとぉ。お返しに謎肉あげるー」

結華「うーん、この感じ……なんか、明日がライブとは思えないなぁ」

恋鐘「ズゾゾ……んむ、っぷは~! でも気合は入っとるけん、アンティーカは宇宙一クールなユニットたい!」

摩美々「いまの姿からじゃ、クールとは程遠いんじゃないー?」

恋鐘「そ、そげんことはなか!」

結華「まぁまぁ、オンオフがしっかりしてるってことで」

霧子「私たちだけじゃなくて、他のみんなも……」

咲耶「イルミネーションスターズ、アルストロメリア、放課後クライマックスガールズ……良きライバルであり、それ以上に、同じ事務所の大切な仲間たちだ」

恋鐘「せやね! 合同ライブ、うちらも全力で楽しむばい!」

結華「お腹も膨れたし、これで解散ってことで」

咲耶「名残惜しいけれど、今夜は早めに休んで英気を養おうか」

恋鐘「みんな、明日は遅刻厳禁ばい!」

摩美々「わかってるよー」

霧子「みんな、今日はありがとう……それじゃあ、また明日」



「おやすみっ」
「おやすみなさい」
「いい夢を」
「おやすみ」
「おやすみー」

*****


甘奈「はい、甜花ちゃん。髪洗うからこっち来て」

甜花「う、うん……」

甘奈「痒いところはございませんかー?」

甜花「だいじょうぶ……気持ちいい……にへへ」

甘奈「よし、流すから目つぶっててね」

甜花「ぎゅー……」

甘奈「次はトリートメントだよ。それそれー☆」

甜花「はふぅ……」

甘奈「ちゃんと肩まで浸かってね。はぁ、気持ちいいね」

甜花「……」

甘奈「……どうかした? お湯、熱かったかな?」

甜花「えっ、ううん……そうじゃなくて……明日、ライブだなって……」

甘奈「あ、もう緊張しちゃってる?」

甜花「うん……緊張、してる……」

甘奈「大丈夫だよ。事務所のみんなも一緒だもん」

甜花「一緒だから……余計に……」

甜花「全員の曲とか、合同レッスンして……みんな、すごい上手だった……」

甜花「甜花、ダンスは苦手……みんなに、迷惑かけちゃう……かも……」

甘奈「そんなことないよ! 甜花ちゃん頑張ったもん!」

甜花「うん。甜花、頑張った……頑張ったけど、でも……みんなも頑張ってる……」

甜花「みんなと同じステージ……立って、いいのかな……」

甘奈「甜花ちゃん……」

……


甘奈「髪、乾かすね」

甜花「うん……」

甘奈「……」

甜花「……」

甘奈「――甜花ちゃんは、甜花ちゃん。比べることなんて、ないよ」

甜花「えっ……?」

甘奈「それに、甜花ちゃん可愛いもん!」

甜花「でも……みんな、可愛い……」

甘奈「みんなも可愛いよ。でも、甜花ちゃんだって可愛いんだから」

甜花「うん……」

甜花「うーん……なんて言ったらいいのかなぁ」

ピロン

甘奈「ん、メッセージ?」

甜花「甜花にも……じゃあ、千雪さんかな」


千雪『いよいよ本番。甜花ちゃん、甘奈ちゃん、明日は頑張ろうね』

甘奈「……あ、もしもし千雪さん?」

甜花「なーちゃん、電話……?」

甘奈「ちょっと待ってね、いまスピーカーにするから……うん。甜花ちゃんもいるよ」

甜花「こ、こんばんは、千雪さん」

千雪『はい、こんばんは甜花ちゃん。えっと、どうしたの?』

甘奈「ちょっと相談したいことがあって……いいかな、甜花ちゃん?」

甜花「……うん、千雪さんなら、いいよ……あの、ね――」

……


千雪『――うん。甜花ちゃん、話してくれてありがとう』

甘奈「それで、千雪さんはどう思う?」

千雪『……実は、私も不安になるの。私が同じ舞台に立ってもいいのかなって』

甜花「えっ……なんで……?」

千雪『私が、事務所で一番お姉さんだから。周りはみんな年下で、やっぱりファンの人も、若い子の方がいいでしょうから』

甘奈「そんなことないよ!」

甜花「うん……千雪さんは、千雪さん……年は関係ない……!」

千雪『ふふ、ありがとう……ねぇ、甜花ちゃん。甘奈ちゃんに似たようなこと言われなかった?』

甜花「あ、言われた……甜花は、甜花だって」

千雪『多分だけど、これってみんな当てはまることなんじゃないかしら?』

甘奈「みんなにも?」

千雪『例えば甘奈ちゃんは、事務所の中で歌もダンスもトークもお洒落も、全部自分が一番だと思う?』

甘奈「え? そんなの思えないよ。めぐるちゃんはすっごいダンス上手いし、摩美々ちゃんの服装いつもセンス良いし」

千雪『じゃあ、そんなめぐるちゃんや摩美々ちゃんは、自分が全部一番だと思ってると思う?』

甜花「それは……多分、違う……」

千雪『そんな風に、みんな得意な事も苦手な事もバラバラで……だからこそ、みんなで力を合わせるんじゃないかなって、思うの。ひとりで全部出来るなら、それで事足りるのだから』

千雪『ダンスが苦手でも、甜花ちゃんなりに頑張ってるなら、それで大丈夫』

甜花「そう、なのかな……」

千雪『アルストロメリアのファンの人たちも、甜花ちゃんのファンの人だって沢山いるでしょ?』

甜花「う、うん……」

千雪『それは、甜花ちゃんが苦手なことも努力してることが伝わってるから、みんな甜花ちゃんのことを応援したくなるんじゃないかしら。だから、甜花ちゃんは大丈夫です♪』

甘奈「ほら、千雪さんもこう言ってるよ?」

甜花「……うん。甜花、明日のステージ、みんなと一緒に、立ちたい……」

甘奈「甜花ちゃーん!」

甜花「わぷ、なーちゃ、苦しい……!」

千雪『うふふ』

甘奈「千雪さん、ありがとー! 甘奈の言いたいこと全部言ってくれた!」

千雪『どういたしまして。力になれてよかった』

甜花「にへへ……千雪さん、ありがと……明日、頑張ろうね」

千雪『ええ、頑張りましょう。二人とも、また明日ね』



「おやすみー」
「おやすみ……」
『お休みなさい』

*****


シャニP(以下、P)「手配関係も全て確認、と」

はづき「すみません、遅くまでお付き合いさせて」

P「事務処理だけでもこの量ですからね、構わないですよ」

はづき「彼女たちを輝かせるための嬉しい悲鳴ですね」

P「はは、違いないです。必ず成功させてみせますよ」

天井「お前たち、まだ残っていたのか」

P「おつかれ様です」

はづき「社長こそ、どうしてこんな時間に事務所に?」

天井「たまたま近くを通ったら明かりが点いていたのでな。首尾はどうだ?」

P「諸々の最終確認をしてたところです。それも、もうすぐ終わります」

天井「そうか、では私はコーヒーでも淹れてくる」

はづき「コーヒーなら私が用意しますから、座って待っててください」

天井「もうすぐ終わるんだろ? たまには私が淹れてやる、茶菓子もあるぞ。ほら、さっさと仕事に戻れ」


P「社長、ああ言ってるけど……」

はづき「お茶菓子持ってたまたま事務所の前を通るなんて、素直じゃないですよね~」

……


P「社長、いただきます」

はづき「わぁ、このチョコレートとっても美味しいです~」

天井「園田が話していた店があってな。ふむ、確かに美味い。チョコ関する情報網は流石だな」

P「なんだか三人で事務所にいるのが、随分久しぶりに感じます」

はづき「最近は社長もプロデューサーさんも外に出てることがほとんどでしたからねぇ」

P「社長は、本日はどちらに?」

天井「私か? 同業の知己に会ってきた」

はづき「同業……あ、別のプロダクションの社長の方とか?」

天井「あぁ、283プロ新設の時も挨拶に行ったがね。今回は、ある種の宣戦布告だな」

P「というと?」

天井「事務所創設から、単独ライブを行うまでに至ったからな……プロデューサー時代から良き先輩方であり、同時にライバルでもあった」

P「社長のプロデューサー時代ですか。当時のお知り合いが今も業界を牽引してるんですね」

天井「後にプロデュース方針の違いから、袂を分かつことになったがな。それでも、各々の信念に基づいたプロデュースは受け継がれているのだろう」

はづき「その方々はどんな方針だったんですか?」

天井「そうだな……ひとりは『仲間との絆が強さを生む』とし、もうひとりは『王者とは孤高。馴れ合いは弱さ』とした」

P「それは、随分極端な」

はづき「前の方の方針が283プロに近いですねぇ」

天井「あぁ、過度な馴れ合いは緩みを生むが、苦楽を共にすることで互いに目指せる高みもあると私は信じている」

P「まさに切磋琢磨ですね」

はづき「彼女たちなら、きっと大丈夫ですよ♪」

……


はづき「鍵、閉めますよー」

P「社長、ご馳走様でした」

天井「なに、食べた分はしっかり働いてもらうぞ」

P「ええ、精一杯頑張ります。ひとまずは明日の晴れ舞台ですね」

天井「そういえば、例の三人は?」

はづき「関係者チケットを全員に渡してますよ。ステージには上がりませんが、発表の時間は設けるとも伝えてあります」

天井「よろしい。観客の反応を肌で感じて、これからの己の活動の糧にしてもらいたいものだな」

はづき「逆に委縮しちゃったりしないですかね?」

P「自分が見込んだ子たちです。きっと良い刺激になってくれますよ」

天井「私は甘くはない、期待しているぞ」

はづき「そんなこと言って社長、明日の為に厚手のハンカチまで用意してるんですよ」

天井「こら、はづき! 余計なことは言わなくてもいい!」

天井「……コホン! とにかく、我が社のヒナたちが大空へ羽ばたく様を、見届けさせてもらおう」

P「はい。彼女たちの成長をご覧になってください」

はづき「ふふ、それじゃあ」


「お疲れ様でした、お休みなさい~」
「お疲れ様でした」
「明日も頼むぞ」

*****


【翌朝】

灯織「忘れ物もなし。あとはお守りを――」

灯織「ううん、お守りは置いていこう……いってきます!」

朗読劇がライブ前日の話だと書いてから知りました。
弊社283プロではこういうことです。Pの数だけ事務所があってもいいじゃないか。

ここまで読んでくださった方に、感謝を。

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