あれからのラブライブ (20)

ミーンミンミンミン。

カランコロンカラン

絵里「ごめんね。待ったかしら」

海未「いえ、私も今来た所です。何か頼みますか?」

絵里「アイスティーで。そう。他のみんなは?」

海未「皆んな忙しいようで」

絵里「そうなの。希も今日は来れないらしいの。穂乃果も?」

海未「いえ。穂乃果は来ると言ってましたが…」

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絵里「あら、本当!穂乃果ともしばらくぶりよ」

海未「毎日会ってましたからね」

絵里「そうなのよ。早いわよね。もう、あれから3年か…」

私達がμ'sだった頃。あれから、もう3年も経ちました。

カランコロンカラン

穂乃果「ごっめ~ん」

海未「騒がしい…」

絵里「ふふっ、相変わらずね」

穂乃果「ごめん、ごめん。いや~目覚まし時計が鳴らなくてさぁ」

海未「だとしても…今何時だと思ってます?」

穂乃果「あはは。いや~。久しぶりだねぇ。絵里ちゃんとは同じ学校なのに全然会わないんだよね」

絵里「学年が違うとなかなかね」

穂乃果「さてと、何を飲もうかな」

絵里「そう言えば、穂乃果」

穂乃果「ん~?」

絵里「こないだツバサさんに会ったわよ」

穂乃果「あ~そうなの?何か言ってた?」

絵里「うん。もう歌わないのって」

穂乃果「アイドルとしてって事?」

絵里「さあ?」

プルルル

穂乃果「ん?電話…」

ガチャ

穂乃果「もしもし。へ?あれ…そうだっけ?うわ~うそ?そうだったっけ…これはまずい。うん。ありがとう」

ガチャ

海未「どうしたんですか?」

穂乃果「ごめん二人とも。大学の友達からで…今日バイト入れてるの忘れてた…。あの…この埋め合わせは…」

海未「はあ…もういいから。バイト先に迷惑かかりますよ」

穂乃果「ごめんなさい。それじゃあ」

絵里「穂乃果らしいわね」

海未「そうですね」

絵里「もう、やめたのかしら。穂乃果は」

海未「へ?」

絵里「歌う事」

海未「ああ…さあ。特に聞かないので。それにそれは絵里だって同じでは?」

絵里「歌は好きよ。でもね…やっぱり」

海未「そうですね」

絵里「結局、今も続けているのは一人だけか。なかなか順風満帆とはいかないみたいだけど」

海未「そうですね」

ー夜ー

海未「ただ今帰りました」

と言いながら靴を脱いでいると私の家の物ではない靴が置いてあるのに気がつきました。

海未「誰か来てるでしょうか」

海未母「お帰り、海未。穂乃果ちゃんが来てるよ」

海未「穂乃果が?」

ガチャ

穂乃果「おっ!帰ってきた」

海未「バイトは大丈夫でした?」

穂乃果「まあね。やっぱり持つべきものは友だよ」

海未「バイトなら穂むらですればいいのに」

穂乃果「少しは外の世界を知るのも大事だからね」

海未「そうですか」

穂乃果「なんか…海未ちゃんの部屋も大分変わったね」

海未「遠征が多いですからね。最近じゃこの部屋にも寝に帰ってくるだけになってますから」

穂乃果「そっかぁ。昔はこの部屋で三人で勉強したのになぁ。寂しい…」

海未「勉強してたのは二人だけでしょう?後の一人はすぐにサボるんですから」

穂乃果「そうだっけか?」

海未「そうです」

穂乃果「絵里ちゃんは何か言ってた?」

海未「特別な事は何も」

穂乃果「ふ~ん。男の影もないのかね」

海未「知りません」

穂乃果「さて」

海未「もう行くのですか?」

穂乃果「今日の事を謝りに来ただけだからね」

海未「一度も謝ってませんが…」

穂乃果「あはは。そうだっけ」

海未「まあ、いいですけど」

穂乃果「それじゃあ…行くよ」

海未「はい」

ガチャ

穂乃果「そう言えば。やっと慣れて来たよ」

海未「何が?」

穂乃果「隣に海未ちゃんとことりちゃんが居ない事」

海未「もう二年生ですけど」

穂乃果「居るのが当たり前だったからさ」

海未「高校も中学も小学校もずっと一緒でしたからね」

穂乃果「うん」

その前からずっと。

穂乃果『見つけた!次、あなたが鬼』

ことり『あーーー』

海未『ふぇぇ』

海未「行けたんですよ」

穂乃果「ん?」

海未「一緒の大学。遅刻なんてしなければ」

穂乃果「あれは…仕方ないじゃん。子供が泣いてたんだし。海未ちゃんだって良くやったって」

海未「そうですけど」

穂乃果「どっちにしろ落ちてたよ。私の学力じゃ」

海未「そんな事ありませんよ。あれだけ頑張ったんですから。きっと…」

穂乃果「……気に入ってるんだよね。今の大学」

海未「…そうですか」

穂乃果「うん」



ー翌日ー

海未「ごめんください。海未です」

雪穂「あっ、海未ちゃんだ。いらっしゃい」

亜里沙「いらっしゃいませ、海未さん」

海未「亜里沙…。どうしたんですか?」

亜里沙「バイト始めたんです」

海未「バイトですか。しばらく来ないうちに…」

雪穂「部費だけだと中々活動が厳しくて。少人数だからさ」

海未「なるほど。外の世界を知る為に…要するに追い出されたって事じゃないですか」

雪穂「え?何が?」

海未「いえ…こっちの話です」

雪穂「それにしても海未ちゃん。本当久々だよね、うちに来るの。今日はどうしたの?お姉ちゃんなら大学に行ってるよ」

海未「いえ、ただ久々に穂むらのお饅頭を食べたいなぁと」

亜里沙「あっ!それならお勧めがあります!私が考えたお饅頭があるんです。シュークリーム饅頭」

海未「そ、そうなんですか。じゃあ、それを一つ」

亜里沙「はーい」

雪穂「海未ちゃんなんか忙しんでしょ?大学でも弓道続けて。お姉ちゃんなんか大学で勉強してるのか遊んでるのか分からないけどさ」

海未「そうなんですか」

雪穂「そうなの」

穂乃果母「雪穂ーーー?っとあら、海未ちゃん。いらっしゃい」

海未「お邪魔してます」

雪穂「どうしたの?」

穂乃果母「穂乃果ったらお財布を忘れたみたいで」

雪穂「あらら。お昼抜きだね」

穂乃果母「それも可哀想だから。ちょっとお姉ちゃんの大学まで届けてくれない?」

雪穂「えー。私が?」

穂乃果母「お店は亜里沙ちゃんが居るから大丈夫でしょ?」

雪穂「けど…」

亜里沙「私一人で大丈夫だよ」

雪穂「え~…」

穂乃果母「自分のお姉ちゃんなんだから」

海未「あの…私届けましょうか?」

穂乃果母「え?でも…悪いわよ」

雪穂「そうだよ。海未ちゃん忙しいんだから」

海未「大丈夫ですよ。実は今日何も予定がなくて暇を持て余していた所なんです。行って来ますよ。穂乃果の大学も見てみたいですし」

穂乃果母「じゃあ…お願いしちゃおうかしら」

雪穂「なんだったらお昼奢って貰った方がいいよ」

海未「ふふっ、そうですね」


わいわい ガヤガヤ

海未「ここが穂乃果の…」

「ねえねえ君?」

海未「え?」

「今日、夜にうちのサークルでイベントあんだけど来ない?」

海未「いえ…あの…私はこの学校の者ではないので」

「え?そうなの?でも、君みたいな可愛い子なら…」

海未「失礼します」

「ああ…ちょっと…」

海未「5号館の3階…」

「あれ?あの子…どこかで…」

「だよな?見た事あるよな?」

「有名人?」

「モデルかな?」

海未「早く見つけないと…」

穂乃果「昨日はありがとうね。連絡してくれて」

女の子「ううん。全然」

穂乃果「お陰で店長にどやされなくて済んだよ」

女の子「それは良かった」

「何?二人とも同じ所でバイトしてるの?」

「知らなかった~」

穂乃果「いや~最近ね」

女の子「私が後から入ったの。だって、私達大親友だもんね?」

「え~そうなの?」

女の子「ねー?」

穂乃果「え?ああ…うん」

「高坂さん。これ」

穂乃果「へ?あっ!?私の財布!なんで?」

「なんか女の人が…凄い美人だったけど。俺、どこかで見た事ある様な気がするんだよなぁ。もしかして…」

穂乃果「ああ…どうだろ?」

タッタッタッ

海未「はあ…何やってるんでしょう…私。別に逃げる必要なんてなかったのに…」

女の子『大親友だもんねー』ギュー

穂乃果『え?ああ…うん』

海未「楽しそうにやっていて何よりなのに…」

キーンコーンカーンコーン

わいわい がやがや

穂乃果「いやーんまい」

友人A「良かったねぇ、財布があって」

穂乃果「本当だよ。助かったぁ」

女の子「でも、誰だったんだろうね?凄い美人だったんでしょ?」

友人B「あっ!森嶋さんも気になる?」

森嶋「うん」

友人B「美人の友達かぁ。いいなぁ…今度紹介してよ。なあ?」

友人C「おう」

穂乃果「なに言ってんのさ。美人を目の前にして君達は…」

友人B「いや~穂乃果ちゃんも可愛いけど…ねえ?」

穂乃果「けどは余計だよ!けどは!そんな事言う連中に紹介する友達はいません」

友人B「え~」

友人「つれないなぁ」

森嶋「うふふ。でも、本当に誰だったんだろうね?」

穂乃果「さあね。さて、私はご飯食べたから帰るよ」

森嶋「え、もう?なら私も」

穂乃果「ごめんね。一人で寄るところあるからさ。また明日」





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