【エスコン7】シュローデル「貴方がミハイ・ア・シラージですか?」 (27)

ミハイ「そうだが?」

シュローデル「私はEASAのシュローデルと申します。」

ミハイ「そうか、君がか、話は聞いている」

シュローデル「伝説のエースパイロットに出会えて光栄です。
ミスターシラージ。」

ミハイ「やめたまえ、そういうのは。私のことはミハイでいい。」

シュローデル「…わかりました。今後ともよろしく、ミハイ。」





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イオネラ「お爺様!」

シュローデル「?」

ミハイ「ああすまない、私の孫娘だ。」

イオネラ「イオネラ・ア・シラージです。」

アルマ「アルマ・ア・シラージです。」

シュローデル「よろしく。」

イオネラ「それで…この人が…///」

シュローデル「?」

ミハイ「そうだ。」

ミハイ「私の躰を隅々まで弄くり回すのが彼だ…///」

アルマ「///」

シュローデル「言い方」

シュローデル(彼はシラージの世継ぎだった。)

シュローデル(しかし共和制を求める運動やエルジアの国土拡張により彼の国は消えた。)

シュローデル(エルジアは彼と彼の一族を王族に準じるものに扱おうとしたが)

シュローデル(彼は一平民として徴兵される道を選んだ。)

シュローデル(そして彼の名は)

シュローデル「ミハイ・ドゥミトル・マルガレータ・コルネリウ・レオポルド・コシミズ・ブランカ・カロル・オルガ・イオン・イグナチウス・イツカ・ラファエル・マリア・サチコ・ニケタス・アルシャンジュ・シラージ」

ハーマン「ブブーッ!!!!」

ヘルマン「また間違えてる!!!!」

シーモア「貴様それでも科学者か!数式は覚えられても人名は覚えられないってか!!?」

シュローデル「ぬうぅ…」

ヴィト「そんなことでは、ミハイの躰を弄り回すことは許されないぞ!!!!」

シュローデル「言い方。」

~次の日~

シュローデル「では身体検査をします。」

ミハイ「や、優しくたのむよ…///」

シュローデル(何故顔を赤くするんだ…)

シュローデル「…」

シュローデル(すごい…同じ年齢の人間と比べて筋肉が柔軟で頑強だ…」

ミハイ「…」

シュローデル「すごい…」

ミハイ「ええっ…///」

ミハイ「…」

ヴィト「お疲れ様ですミハイ!」

シーモア「どうでした?」

アルマ「どんなことされたの?」

イオネラ「具体的に!」

ミハイ「な、なんかその…前哨戦みたいな…」

ヘルマン「前哨戦だと!?」

ハーマン「奴はじっくりとやるタイプなのか!?」

シュローデル「君達ちょっと座りなさい。正座で。」

~数日後~

シュローデル(誤解を解くためにみんなを正座させて説明してから数日…)

シュローデル(誤解が解けたとはいいがたい…)

シュローデル(まあそれはどうにかするとして、無人機だ。)

シュローデル(ミハイのデータを入れた無人機は、想定以上の成果をみせた。)

シュローデル(このまま研究を続けて…)

「お姉様のばか!!!!」

シュローデル「!?」

シュローデル「どうしたのですか?」

ハーマン「いや…それが」

アルマ「なんでこのぬいぐるみがダメなの!?」

ボコられグマのボコ「」

イオネラ「そんな満身創痍のクマなんか持ち歩いたら「何あの子、病んでるの?怖っ」ってなるじゃない!」

アルマ「ひどい!ボコはボコボコにされても何度でも立ち上がるんだよ!」

ミハイ「い、いいじゃないかイオネラ、アルマがいいって言ってるんだから…」

ヴィト「そ、そうですよイオネラお嬢様、そのクマもかわいいと思いますよ」

シーモア「不屈、不屈の闘志の表れですよ」

シュローデル(すごいオロオロしてる…)

イオネラ「こっちのほうがいいでしょう!」

ぴにゃこら太「」

アルマ「そんなやばい実験で変色したような生物なんていや!」

イオネラ「確かにドクターシュローデルがやらかしたような生物だけどかわいいじゃない!」

ヘルマン「そ、そうですよ、かわいいじゃないですかアルマお嬢様…」

ハーマン「ポジティブ、ポジティブですよ。」

シュローデル(こっちもか…)

ミハイ「しゅ、シュローデル君、君も何か言いたまえ!」

シュローデル「何故私を…」

アルマ「ドクター!ボコのほうがいいよね?」

イオネラ「ぴにゃこら太のほうがいいですよね?」

シュローデル「ええ…」

シュローデル(今、私を見ているのは)

シュローデル(自分の推しているキャラが上だと目で訴えている姉妹と)

シュローデル(普段からは想像できないほどに戸惑い、オロオロしている凄腕のパイロット達だった。)

シュローデル「…だ」

シュローデル「妥協して無難なテディベアにしては?」

みなさん「!!!!」

シュローデル(なんとかなりそうだ。)

~数日後~

シュローデル(無人機の被撃墜率が上がっていると聞いたミハイは)

シュローデル(僚機を連れて飛び立っていった。)

シュローデル(そして先ほど戻って来た。)

ミハイ「ハァ…ハァ…」

イオネラ「お爺様!大丈夫!?」

アルマ「ハイこれ、酸素!」

シュローデル(やはり肉体年齢があらわになっている…)

ミハイ(孫娘たちが私のことを心配してくれている…)

ミハイ(尊い…すき…)

シュローデル(ミハイの孫娘たちはひっそりとおとなしく、だが、ひそやかに咲く貴族の気品を漂わせていた。)

シュローデル(私は自分の目が時おり姉妹のほうに移ろってしまうことを禁じ得ない)

イオネラ(あの人、こんどはアルマをいやらしい目で…)

シュローデル(おそらく誤解されている…)

ミハイ「だが国とは何だ、君達は空から国境線を見たことがあるのかね。」

ヴィト「私の国では、もう故国の言葉を喋れません。」

シーモア「祖父母の言い回しがわからないのです。首をかしげると、悲しそうな顔をする。」

ミハイ(こいつら酒くせぇな)

ヴィト(こいつら酒くせぇな)

シーモア(こいつら酒くせぇな)

アルマ(みんな酒くさい…)

~次の日~

シュローデル(施設が、華やかな雰囲気に包まれる。)

シュローデル(今日はミハイの孫娘の学友である、エルジア国王の娘の、ローザ王女が訪れた。)

犬「ワン!!ワン!!」

シュローデル(王女と共に来たゴールデンレトリーバーの犬も、嬉しそうだ。)

ローザ王女「こら!落ち着きなさいjpg!おすわり!」

シュローデル(あの犬、jpgって名前なのか…)

ミハイ(王女と同じギブソンタックで紅茶飲みながら格言言う子…名前なんて言ったっけ…エルジアで大炎上したやつ)

シュローデル(ある日、ミハイの孫娘は歪んだ瞳で私を見た。)

シュローデル(まだ私の祖父を苦しめるのか、と)

イオネラ(この人はどれだけお爺様の身体を…!)

イオネラ(いや、待ちなさいよイオネラ、日本の腐女子系同人誌サークルに大金を払ってこのことを書いてもらってイベントで出せばバカ売れするのでは?)

シュローデル(何故だろう、彼女もろくなこと考えてない気がする。)

シュローデル(新型のスーツが出来上がった。)

シュローデル(スーツを着たミハイは、機体に乗り込み、飛び立って行った。)

シュローデル(その時、私は理解した。)

シュローデル(何故彼氏が、国だとか、地上のありとあらゆるものに興味がないのか)

シュローデル(それは、彼が、この大空の王なのだと)

~その後~

空を見上げるミハイ(高槻やよいちゃんかわいいよな…金銭的に支援したい…)

~なんやかんやでエルジア混乱中~

AI戦闘機「」

カウント「おい!なんで撃ってくるんだ!やめろ!」

シュローデル「…これは」

シュローデル「この戦闘機はAI制御で、どうやら君達を敵だと認識したようだ…」

カウント「なんだと!?」

シュローデル「欲が足りないのか…」

アルマ「よ、欲!?」

イオネラ「貴方こんな状況でいきなり何言ってるんですか!?」

イオネラ「相手は!?お爺様?アルマ?私?」

イオネラ「それとも…あの三本線のパイロット!!?」

トリガー「!?」

シュローデル「違う!そういう意味ではない!胸ぐらを掴むんじゃない!」

トリガー「あ、あの輸送機を撃ち落としても…」

ロングキャスター「落ち着けトリガー」

~無人機生産工場~

シュローデル「このデータをインストールすれば…」

イオネラ「!!」

シュローデル「!?」

イオネラ、看守から銃を奪う

タイラー島からやってきたみなさん「!!」

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!!!!

エイブリル(すごい撃ってる…)

イオネラ「ベルカのため?エルジアのため?」

イオネラ「祖父の望みはただ一つ、空で生き続けるためだった。」

イオネラ「その為なら貴方にいやらしい目に遭っても受け入れた…」

タイラー島からやってきたみなさん「ええ…」

シュローデル「待って」

イオネラ「私には空どころか、帰る国すらない。」

シュローデル「ちょっと」

イオネラ「なんだかんだで、私達はもっと大人にならなければならないの!」

シュローデル(いろいろ省いた…)


シュローデル(そう、わたしはベルカの民)

シュローデル(自国内で、7つの核を起爆させ、自らの領土を破壊してしまったベルカ)

シュローデル(それからは世界の裏側に存在し、ありとあらゆる厄災を引き起こし、ことごとく失敗した。)

シュローデル(私かミハイから絞り取ったデータも、孫娘に約束した戦争の終結には結びつかず)

シュローデル(ただ絶望的な混乱を作り出しただけだった。)

シュローデル「わたし達は混乱の源として恨まれ、捕らえられ、迫害の対象になっていた。)

シュローデル(味方してきたはずのエルジア人たちから)

シュローデル(私に至っては、研究という名目でいかがわしいことをする変態のゲイというイメージがついてしまった。)

シュローデル(ミハイの孫娘からそういった変なまなざしをむけるその前から)

シュローデル(わたしにはもう仕事を続ける理由などなくなっていた。)

シュローデル(イメージの払拭は、今となっては遠い)

ローザ王女「…」

シュローデル「?」

ローザ王女「あなたは…」

ローザ王女「どっち(受けと攻め)なのかしら?」

シュローデル「もう勘弁してくれ!!!!」



エイブリル(そんなこんなで、戦争は終わった。)

~戦後~

シュローデル(あれからミハイとは会っていない。)

シュローデル(私は彼に対して負い目を感じ、会うことに対して抵抗を感じていた。

シュローデル(だが、どうしても、私は彼には謝罪しなければならないと思い、こうして彼の家を訪れた。)

シュローデル(ドアノブをいつもより重い手で掴み、ドアを開ける)

ガチャ

窓から脱出しようとしているミハイ「あ」

シュローデル「あ」

ミハイ「…」

シュローデル「み、ミハイ…一体何を…」

「あーーーーーー!!!!」

シュローデル「!?」

ミハイ「!」

奇跡的に生きてたヴィト「またですかミハイ!!!!」

シュローデル「!?」

ミハイ「ちっ、来たか…」

外にいるトリガー「ミハイ!急いで!」

ミハイ「了解した!」

シュローデル「ええ…」

ヴィト「待ってください!!!!」

ミハイ「今日はどうする?」

トリガー「アイドルのライブがあるので、飛んでいきましょう。準備もしてますし。」

ミハイ「よし、捕まらないようにダッシュだ。」

トリガー「御意」

ヴィト「トリガーと結託して家を抜け出すのはやめてください!!!!アルマお嬢様も笑って見てないで!!!!」

イオネラ「お爺様ったら、今はあんな感じなんですよ。」

シュローデル(…あと10年は余裕で生きそうだな…)






~おまけ~

エイブリル「あ、バンドッグじゃないか、久しぶりだな。」

バンドッグ「お、お前は…」

エイブリル「退役したと聞いたが、今何をやってるんだ?」

バンドッグ「そ、それはだな…」

「プロデューサーさん!」

エイブリル「?」

バンドッグ「!」

アイドル1「着替え終わったでごぜーます。」

アイドル2「お待たせしました。」

バンドッグ「よし、終わったな。これから帰ろう。」

エイブリル「えっ、何だお前、未亡人と結婚したのか?」

バンドッグ「違う!アイドルのプロデューサーになった。」

エイブリル「プロデューサーだと!?」

バンドッグ「そうだ、軍が嫌になって辞めた時に、偶然スカウトされてな。」

バンドッグ「俺はAWACSで命令するより、こっちのほうが合ってるんだよ。」

エイブリル「そ、そうか…(笑いそうだ)」

アイドル1「でもプロデューサーはすげぇですよ」

アイドル2「この間テレビ局の人からセクハラのようなことを言われたんですが、ものすごい勢い剣幕で」

アイドル2「オーシア軍仕込みの鉄拳制裁をうけて独房にぶち込まれるか、謝るか選べって…」

アイドル1「相手の人、土下座してやがったです。」

エイブリル「ど、独房…グッ!」

バンドッグ「と、当然ですよ恥ずかしい…///」

エイブリル「そ、そうか…じゃあ私は用事があるから…」

エイブリル(奴らの姿が見えなくなってから、めちゃくちゃ笑った。こんどあの大馬鹿野郎達に聞かせてやろう。」




終わり

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