白雪千夜は朝に弱い (13)

ちとせ(千夜ちゃん。私の僕ちゃん)

ちとせ(本当は朝弱いのに、私のために毎朝頑張って早起きしてくれていることは感謝しているよ)

ちとせ(だからね、千夜ちゃん)

ピピピッピピピッ←目覚まし時計の音

ジリリリリリ←目覚まし時計の音(2つ目)

ガンゴンガンゴンガンゴン←目覚まし時計の音(3つ目)

千夜「zzz」

ちとせ(早く起きて)


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ちとせ(私の朝は千夜ちゃんの甘く優しい声で始まる)

ちとせ(とみせかけて、実は千夜ちゃん用の爆音目覚まし音ですでに始まっているんだ)

ちとせ(毎朝)

ちとせ(いや、いいんだよ。早朝ではあるけど非常識な時間でもないし、そんな時間に千夜ちゃんはいつも起きてくれてるわけだし)

ちとせ(起きないけど)

ちとせ(逆にどうして寝てられるのかわからないレベルで起きないけど)

ちとせ(そもそもこの爆音は全部隣の部屋から聞こえている音だからね。寝室は別だし)

ちとせ(隣の部屋でも叩き起こされる音量。もとい騒音。うちがお屋敷で本当に良かったね)

ピピピッピピピッ←目覚まし時計の音

ジリリリリリ←目覚まし時計の音(2つ目)

ガンゴンガンゴンガンゴン←目覚まし時計の音(3つ目)

バリバリバリバリ←目覚まし時計の音(NEW)

千夜「……すぅ」

ちとせ(増えた……。というか千夜ちゃんすごい音の目覚まし持ってるね。それで起きない千夜ちゃんもすごいけど)

ちとせ(お願い千夜ちゃん早く起きて。それか起きなくてもいいから音を止めて)

ちとせ(うん。自分でやれ、って声が聞こえた気がする。でもそれは無理なんだ)

ちとせ(かなり前、千夜ちゃんがうちにきたばかりの頃)

ちとせ(先に起きた私が千夜ちゃんを起こしたことがあったの)

ちとせ(そしたら千夜ちゃん、べつにいいのにすごく低く頭を下げて「二度とお嬢さまの手をわずらわせません」って謝って)

ちとせ(新しい目覚まし時計を買ってきちゃった)

ちとせ(それからも私が先に起きていようものなら、千夜ちゃんは新しい目覚まし時計を買うようになっちゃってね)

ちとせ(もうあんな悲劇を繰り返さないために、なによりこれ以上騒音を増やされないために)

ちとせ(私は千夜ちゃんに起こされるまで起きるわけにはいかないの)

ピピピッピピピッ←目覚まし時計の音

ジリリリリリ←目覚まし時計の音(2つ目)

ガンゴンガンゴンガンゴン←目覚まし時計の音(3つ目)

バリバリバリバリ←目覚まし時計の音(4つ目)

『千夜ちゃん、起きて、遅刻しちゃうよ、千夜ちゃん、起き』←目覚まし時計の音(NEW)

ちとせ(え?これ、私の声?私こんなこと言った覚えないけど、合成?)

ちとせ(そういえば事務所には機械に強かったり、妙にすごい特技を持った子がたくさんいるらしいね)

ちとせ(千夜ちゃんその子たちに頼んだのかな?ふふっ、千夜ちゃんが誰かを頼るなんて)

ちとせ(千夜ちゃんもアイドルにしたのはやっぱり正解だったみたい。嬉しい)

ちとせ(……絶対技術力の無駄遣いだと思うけど。これぐらい誰かに頼まれれば声吹き込んだよ)

『千夜ちゃん、起きて、遅刻しちゃうよ、千夜ちゃ』

ちとせ(それにしても千夜ちゃん、私の声を目覚ましにするなんて)

『千夜ちゃん、起きて、大好き千夜ちゃん、千夜ちゃ』

ちとせ(セリフも千夜ちゃんが考えたのかな?千夜ちゃんはやっぱり可愛いなあ)

『千夜ちゃん、起きて、今なら私の好きなとこ触っていいよ、千夜ちゃん、起』

ちとせ(千夜ちゃん。私、主従をやっていく自信なくなってきたよ?)

『千夜ちゃん、起きて、はやく私に目覚めのキスを、千夜ちゃん、起き』

ちとせ(というかさ)

千夜「……すやぁ」

ちとせ(千夜ちゃん、起きて)

ピピピッピピピッ←目覚まし時計の音

ジリリリリリ←目覚まし時計の音(2つ目)

ガンゴンガンゴンガンゴン←目覚まし時計の音(3つ目)

バリバリバリバリ←目覚まし時計の音(4つ目)

『千夜ちゃん、起きて、もうめちゃくちゃにして、千夜ちゃん、起き』←目覚まし時計の音(5つ目)

ズガガガガガガ←目覚まし時計の音(6つ目)

ちとせ(うるさい……毛布で頭を包んでてもうるさい……)

ちとせ(逆にこれで起きない千夜ちゃん、何かの病気を疑うよ)

ちとせ(今度私の主治医さんに診てもらわなくちゃ)

トゥルルルル←(?)

ちとせ(また新しい目覚まし?って違う、これ私のスマホだ。魔法使いからの着信音)

ちとせ(スマホは机の上だっけ?取りに行かないと……足音がする!)

ガチャ ピッ

千夜「おはようございます。はい、白雪千夜です。それでお前、お嬢さまの就寝中に電話するとはどういう了見ですか」

ちとせ(危なかった、慌ててベッドに戻ってよかったみたい)

千夜「今日の仕事の時間変更?学校に行く前に伝えようとした?そういう用件は私に伝えてください。お前のせいでお嬢さまが起きたらどうする」

ちとせ(もう起きてるよ)

千夜「はい。それでは。……まったく油断も隙もない」

ちとせ(千夜ちゃん、魔法使いからの電話なら起きるんだ。そっかあ)

ちとせ(えぇー……私の苦労……)

ちとせ(とりあえず今日魔法使いに頼んで目覚まし時計に声吹き込んでもらおう)

千夜「お嬢さまは……まだ寝ていますか。もう少ししたら起こすとしましょう」

ちとせ(千夜ちゃんは恥ずかしがるだろうけど、これも必要な措置だから許してね千夜ちゃん)

千夜「しかし、たまには起こされる経験もしたいものです。……なんて」

ちとせ(よし、モーニングコールも追加で頼もう)

おしまい!

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