【ラブライブss】無限連鎖のワンダーゾーン (67)

ラブライブ x シュタゲ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1559415417

ラブライブ予備予選結果発表の日
スクールアイドル研究部 部室

花陽  「い、いよいよ発表です」

ことり 「緊張するね」

穂乃果 「うう、心臓が飛び出しちゃいそうだよ」

にこ  「あんた達、予備予選くらいで何ビビってんのよ」プルプル

希   「そうやね、カードによると……」

穂乃果 「聞きたくなーい!」

花陽  「来ました!」

みんな  ガタッ


花陽  「最終予選進出1チーム目は、A-Rise」

花陽  「2チーム目はEast Heart、3チーム目はMidnight Cats」

絵里  「最後は?」

花陽  「4チーム目は、み、みゅー」

みんな 「みゅー?」

花陽  「ミュータントガールズ」


穂乃果 「あっ」

海未  「終わりましたか? 終わりましたか?」

穂乃果 「終わっちゃったよ、海未ちゃん……予備予選突破できなかった」

ことり 「ホノカチャァン…」

みんな 「…」


絵里  「みんな、元気出して。私たちは頑張ったじゃない」

花陽   シクシク

凛   「かよちん泣かないで、凛も…」

真姫  「もう、別にアイドル辞めるわけじゃないでしょー」

花陽  「でも、3年生は……」

真姫  「あっ」

絵里  「気にしないで、私はみんなとここまで来られて良かったと思ってる」

にこ  「つ、続けなさいよ、あんたたちは」ウルウル

希   「……」

下校途中
ことほのうみ


海未  「こんな形で終わってしまって残念でした」


穂乃果 「もっといけると思ってたんだけどなー。
     世の中そんなに甘くない、か」


海未  「3年生のためにも優勝したかったですね」


ことり 「……ねえ。私たちはベストを尽くせたのかなあ」


穂乃果 「どういうこと?ことりちゃん」


ことり 「もっとできることはなかったのかなって、
     私がもっとちゃんと衣装のデザインを考えていれば……」

海未  「それを言ったら私ももっと歌詞を頑張れたかもしれません。でも……」


穂乃果 「しょうがないよ、合宿の時は色々有ったから」


ことり 「もし、やり直すことができたら……」



秋葉原にて


ことり 「じゃあ、私は今日バイトだからここで」


穂乃果 「うん、頑張ってね」


海未  「また明日ですよ、ことり」

メイドカフェ CURE MAID CAFE にて


チリン


ことり 「お帰りなさいませ、ご主人様。2名様でよろしいでしょうか?」


ダル  「た、ただいまでございまする」


オカリン「組織に追われている。隅の席に案内してくれ」


ことり 「はい。それではこちらのお席にどうぞ」


ダル  「は、はいい」


ことり 「ただいまお冷をお持ちします」

ダル  「あ、あれが今アキバで伝説のメイド、ミナリンスキーたん。はあはあ」


オカリン「ダルよ、お前はフェイリス一筋ではなかったのか?」


ダル  「フェ、フェイリスたんは僕の嫁。ミナリンスキーたんは妹なんだお。

     ネットの噂によればまだJKだとか。はあはあ」


オカリン「この店はメイクイーン ニャン2のライバルだろう。

     浮気したらフェイリスが怒るんじゃないか?」


ダル  「お、オカリン!フェイリスたんには内緒にしてくれよ。ミナリンスキーオムライスを奢るから。


     タイムリープマシーンを完成させた僕には新鮮な癒しが必要なんだお」

オカリン「そうだったなスーパーハカー。しかし過去に行って何をするか…?」


ことり (タイムリープ?過去に行く?)

    「お冷をお持ちしました。ご注文はお決まりですかあ?」


ダル  「あ、あの。ミナリンスキーオムライス2つください」


ことり 「はい。かしこまりましたご主人様」


ダル  「ミナリンスキーたん、いいなぁ。はあはあ」


オカリン「ミナリンスキー? そうかっ」


 携帯を取り出す。


オカリン「俺だ、ロシアのエーージェントを発見した。

     タイムリープマシンが完成したことをもう嗅ぎつけたようだ。

     大丈夫だ、捕まるヘマはしない。計画通り忌まわしき過去を改変する。

     エル プサイ コングルゥ」


ことり 「お待たせいたしましたあ。ミナリンスキーオムライスです」


オカリン「なっ、いつの間に! 水を持ってくるより早いではないか。作り置きか?」


ダル  「キター! ミナリンスキーたん直筆の(・8・)が書いてあるお!」


ことり 「あのー、ちょっとお話し、いいですかあ?」


ダル  「またキター! ミナリンスキーたん必殺の脳トロボイス!」


ことり 「今、過去を改変するって」


オカリン「さすがはロシアのエーージェント、優秀だな。

     しかしロシアにタイムリープマシーンの情報は渡せんのだ、第三次世界大戦が起こるからな、

     ワーッハッハッハ!」

ことり 「オネガァイ」ウルウル


オカリン「な、なんだ脳が溶けるうっ! 

     俺だっ、今精神攻撃を受けているっ 卑怯なっ、だめだ、抗えない! 

     くっ、いかにもこの鳳凰院凶真率いる未来ガジェット研究所はタイムリープマシンの開発に


     成功したのだっ!」


ことり 「私に使わせてください! どうしてもやり直したいことが有るんです!」

未来ガジェット研究所にて


紅莉栖 「それで連れてきちゃったわけ?」


オカリン「機密を守る為には仕方なかったのだ」


ことり 「突然すみません」


紅莉栖 「いいのよこいつらはHENTAIだから気にしないで。

     ことりさんだっけ、それで、タイムリープして何をしたいの?」


ことり 「ラブライブで… ラブライブで優勝したいんです!」


紅莉栖 「ラブラブ?」


ダル  「ラブライブは今日本で流行っているスクールアイドルの大会だお。

     全国のJKがミニスカートを履いて歌って踊るんだお。はあはあ」


紅莉栖 「HENTAI禁止」

ことり 「私たちはμ'sというグループでラブライブを目指していたんですが、

     東京の予備予選で敗退してしまって……」


オカリン「ミューズ? ギリシャ神話か」


ダル  「東京は前回優勝のA-Riseを筆頭に激戦区だから勝ち上がるのは難しいお、常考」


ことり 「μ’sは1年生3人、2年生3人、3年生3人の9人のグループなんですが、

     3年生にとっては最後の大会だったのに、こんな形で終わってしまって」

紅莉栖 「なるほどね、でも失礼だけど過去に戻れば勝てるの?」


オカリン「クリスティーナよ、ストレートすぎないか?」


紅莉栖 「厨二病には言われたくない。

     歌と踊りを上達させるには地道な練習しかなさそうだけど、

     タイムリープできる時間範囲は限られているから」


ことり 「あの、私たち山で合宿したんです。予備予選で歌う曲と歌詞と衣装を作る為に。

     でもうまくいかなくて。もしあの合宿をやり直せれば……」

オカリン「合宿はいつだったのだ?」


ことり 「先々週の土日です。」


紅莉栖 「現在のタイムリープマシンでは最大23000分前に記憶を飛ばすことができる。

     えーと、今出発すれば合宿初日の夕方になるわね」


ことり 「すぐ行かせてください!」


ダル  「イカせてください!? 南氏、今のセリフをもう一回」


紅莉栖 「HENTAI禁止って言ってるでしょ。

     ことりさん、このマシーンはまだ安全性を検証できていないの。

     現在の記憶をデジタルデータ化して携帯電話を介して過去の脳に転送するのだけど、

     最悪、脳に損傷を与える可能性も」

ことり 「オネガイシマァス」ウルウル


紅莉栖 「っ! 何なのこの脳が溶けるような声は?!」


オカリン「フハハハ、お前もかかったか、助手よ。

     これがリトルバードの特殊能力”脳トロボイス(メルティウェーブ)”だ」


紅莉栖 「エンドルフィンが強制分泌されてっ、多幸感が増していくぅ!」


ダル  「さすが脳科学專攻。解説乙」

紅莉栖 「はあはあ、わかったわ、ことりさん。

     タイムリープマシンを使ってあなたの記憶を過去に送ります」


ことり 「ありがとうございます!」


オカリン「リトルバードよ、これは狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真の勘からくるアドバイスなのだが」


紅莉栖 「サイエンティストなのに勘に頼るの?」


オカリン「うるさい。俺の頭の中に夢なのか現実なのかわからない記憶があるのだ。

     記憶によれば、歴史を大きく変える世界線の移動は一度だけで行えず、

     何度も繰り返す必要がある場合がある」


ことり 「はい」

オカリン「逆に何度繰り返しても同じ結末に収束する場合もある。

     それはシュタインズゲートの選択なのだ」


ことり 「シュタインズゲート……」


オカリン「時間の繰り返しは孤独で辛い旅だ。それでも良いのだなリトルバードよ」


ことり 「はい! 3年生のために、ううん、μ'sみんなの為に行きたいんです!」


ダル  「南氏……」


オカリン「フハハハハ! よく言ったリトルバードよ。

     お前は今から我が未来ガジェット研究所のラボメンNO.009だ!」


ことり 「ラボメン?ここでも9人なのかあ」

オカリン「もし改変に失敗したらまたここに来い。何度でも飛ばしてやる」


紅莉栖 「あ、でもその時の私たちはことりさんがループしたことを知らないから、

     私たちにことりさんが未来から来たことをわからせる必要が有るわね」


オカリン「ハハハハ、ではこの俺の真の名は鳳凰院凶真で有るという機密を教えよう!」


ダル  「それは誰でも知ってるお」


オカリン「ではダルがフェイリスに隠れてミナリンスキーに興味を持っている事実はどうだ?」


ダル  「そ、それは最高機密だお」


紅莉栖 「決まりね。ことりさん、もう一度このラボに来た時は、

     実は橋田至はミナリンスキーに萌えている。と言って」


ことり 「わかりました」

紅莉栖 「それじゃあことりさん、このヘッドギアを着けて」


ことり 「はい」


紅莉栖 「行くわよ」かちゃかちゃかちゃターン!

合宿 真姫の別荘にて


穂乃果 「ことりちゃん、大丈夫?」


ことり 「んうーん、あれ? 穂乃果ちゃん?」


花陽  「ことりちゃん、なんともない?」


ことり 「花陽ちゃんも、私どうしてたの?」


穂乃果 「ことりちゃんは別荘の2階で衣装を考えてくれていたんだけど

     なぜか別荘の外で寝てたんだよ」

ことり 「あっそうだ、今日は何日?」


希   「今日は9月18日土曜日や」


ことり  (合宿の初日だ。私本当にタイムリープしたんだ)

     (この時の私は部屋で一人で衣装を考えていて、プレッシャーから作業が進まなくて逃げ出そうとしたんだ)
にこ  「海未と真姫も見つけたわよ」


海未真姫「…」

絵里  「みんな、プレッシャーを感じてスランプになったの?」


真姫  「わ、私は作曲進んでたわよ。」


凛   「でも楽譜は真っ白にゃ」ペラペラ


真姫  「勝手に見ないの!」


希   「個人に頼りすぎたかもしれんね。9人みんなでアイデアを出し合っても良いかも」


にこ  「しょーがないわねー、やっぱり私が作詞した”にこにーにこちゃん”に曲を付けましょう」


希   「いや、9人いたらいつまでたっても意見がまとまらないか」


絵里  「それじゃあ、3人のユニットを3つ作って作業を進めるのはどう?」

くじ引きによって3つのユニットに分かれた。


 ことり、穂乃果、花陽の衣装デザイン担当チーム


 真姫、絵里、にこの作曲担当チーム


 海未、希、凛の作詞チーム


絵里  「それぞれことり、真姫、海未をリーダーとして作業に入って」


みんな 「おー!」


3ユニットはそれぞれ分かれて作業することとなった。

 ことり達衣装担当チームは河原にテントを設営した。



ことり (ここまでは前回と同じ展開だわ。

     ここから頑張って衣装をデザインしないと)



穂乃果 「ねえねえ、ことりちゃん」


ことり 「なあに、穂乃果ちゃん?」(きた)


穂乃果 「衣装なんだけど、インパクトが大事だと思うんだ!」


花陽  「いんぱくと?」


穂乃果 「うん! 予備予選では沢山のスクールアイドルがパフォーマンスするんだから

     インパクトが無いと覚えてもらえないよ!」

花陽  「でもインパクトって具体的にどうすれば……?」


穂乃果 「今までのμ’sのイメージを覆すような、アナーキーでパンクな衣装はどうかな?」


ことり (そうだ。前回はここで穂乃果ちゃんに押し切られてあのKISSみたいな衣装で予備予選に出たんだ。

     その結果観客はドン引きして、私達は敗退した)


ことり 「ううーん。インパクトも大事だけど、今までのμ'sのイメージから大きく離れないほうが

     良いんじゃ無いかなあ?」

穂乃果 「そうかなあ。花陽ちゃんはどう思う?」


花陽  「えっ、わ、私はアイドルっぽい衣装が良いかなあ」


ことり (花陽ちゃん、ナイスフォロー)


穂乃果 「そっかあ、良いアイデアだと思ったんだけどなあ」ゴロン


ことり 「とにかく、デザインをいくつか考えてみるね」


花陽  「私はデザインの参考になりそうなお花を探してきます」


ことり (よし。ここから頑張って衣装デザインしないと)



翌朝

真姫の別荘の広間にて



絵里  「みんなおはよう。作業は進んだ?」


ことり 「うん。羽衣をイメージしたデザインができたよ」(徹夜で)


真姫  「私はいくつかメロディを考えたけど、詞が無いとまとまらないわね」


花陽  「そういえば海未ちゃんチームが居ないけど」

海未  「ただいま戻りました!」


穂乃果 「海未ちゃん!」


花陽  「凛ちゃんも。その格好、どこに行ってたの?」


凛   「山頂アタックしてきたにゃー」フラフラーバタン


希   「素晴らしい景色やったね」


絵里  「よかったわね。それで、詞もできたの?」


海未凛希「あ」

真姫  「まさか忘れてたの?」


海未  「や、山を制覇し、成し遂げたという充実感が創作の源になると私は思うのです!」


絵里  「でも今から作詞してたら間に合わないんじゃ無い?」


みんな 「……」


にこ  「もーしょうがないわねえ。こうなったら私が作詞した”にっこにーにこちゃん”を使わせてあげるわ」


絵里  「すごく不安だけど、他に選択肢はなさそうね」




ことり  (こうして、衣装はそれなりのものが出来上がったものの、曲は”にっこにーにこちゃん”に

      即興で曲をつけたものを予備予選で演じることになった)

ラブライブ予備予選結果発表の日

スクールアイドル研究部 部室



花陽  「い、いよいよ発表です」


ことり (今度こそ)


穂乃果 「うう、心臓が飛び出しちゃいそうだよ」


にこ  「あんた達、予備予選くらいで何ビビってんのよ」プルプル


希   「そうやね、カードによると……」


穂乃果 「聞きたくなーい!」


花陽  「来ました!」


みんな  ガタッ

花陽  「最終予選進出1チーム目は、A-Rise」


花陽  「2チーム目はEast Heart、3チーム目はMidnight Cats」


絵里  「最後は?」


花陽  「4チーム目は、み、みゅー」


みんな 「みゅー?」


花陽  「ミュータントガールズ」



穂乃果 「あっ、」


ことり (またダメだった。どうして!)ダッ


穂乃果 「あ、ことりちゃん!」

未来ガジェット研究所にて



コンコンコン



オカリン 「む、誰だ」ガチャ


ことり  「凶真さん! 助けてください!」


オカリン 「誰だお前は? さては組織が送り込んだエーージェントかっ!」


ことり  「私、未来からタイムリープしてきラボメンです! ラボメンNo.009の南ことりです!」


オカリン 「な、なんだと」


ことり  「私にもう一度タイムリープさせてください。時を巻き戻させてください!」


紅莉栖  「落ち着いて。話を聞かせてくれる?」

研究所に通されると、ことりは手短に経緯を説明した。



紅莉栖  「驚くべき話だけれども、自分が設計したタイムリープマシンには自信があるわ」フフン


オカリン 「信じるのはまだ早い。組織が送り込んだエーー


紅莉栖  「うるさい。

      ねえことりさん。あなたがタイムリープしたことを証明できる情報は有る?

      本来あなたが知っているはずのない情報とか」


ことり  「あのそれは紅莉栖さん達と相談して決めました。えーと、

      橋田さんはフェイリスさん一筋と言いながら、ミ、ミナリンスキーにも興味がある」

オカリン 「ミナリンスキー? なんだそれは。知ってるかダル?」


ダル   「ななななな、なぜそれを」冷や汗


紅莉栖  「橋田。この情報は本当なの?」


ダル   「ほ本当です。ぼぼ僕はフェイリスたん一筋だけど最近ネットで噂のアキバメイド

      ミナリンスキーたんのお店にも行きたいと思っていた時期が僕にも有りました」


紅莉栖  「全くあきれたHENTAIね」


ダル   「フェイリスたんには内緒だお」

オカリン 「と言うことは我がタイムリープマシンは本当に完成していたのか。

      フフフフ、ハーハッハッハ!ついにっ、ついに世界は我が手にっ!」


ことり  「あの、時間がないんです! タイムリープさせてください!」


紅莉栖  「でもことりさん、でもあなたは一度タイムリープして過去の行いを変えた。

      でも結果は同じだった。もう一度戻って何か改変するアテはあるの?」

ことり  「今回は衣装を変えて、ライブでも手応えはあったんです。でも今度は曲に問題がある気がして」


ダル   「前回は奇抜なKISS衣装だったから顧客の関心が衣装に釘付けだったけれども、

      衣装が普通になったら今度は曲に目がついたっていうこと?」


ことり  「そう思っています」


オカリン 「よし 行くが良いリトルバードよっ! 未来を掴むのだ」


紅莉栖  「それじゃあことりさん、このヘッドギアを着けて」


ことり  「はい」


紅莉栖  「行くわよ」かちゃかちゃかちゃターン!

合宿 真姫の別荘にて



穂乃果 「ことりちゃん、大丈夫?」


ことり 「んうーん、あれ? 穂乃果ちゃん?」


花陽  「ことりちゃん、なんともない?」


ことり 「花陽ちゃんも、私どうしてたの?」


穂乃果 「ことりちゃんは別荘の2階で衣装を考えてくれていたんだけど

     なぜか別荘の外で寝てたんだよ」

ことり 「あっそうだ、今日は何日?」


希   「……今日は9月18日土曜日やけど」


ことり (よし、戻ってきた)



 そして前回と同じく、3ユニットに分かれて作業することとなった。

ことり (海未ちゃんたち歌詞グループに山頂アタックを止めさせて歌詞を書いてもらわないと。

     でもどうやって…)


希   「ことりちゃん」


ことり 「えっ、あ、希ちゃん」


希   「ちょっとええ?」

二人は別荘の裏へ



ことり 「な、なあに希ちゃん?」


希   「ことりちゃん。時間を周回してへん?」


ことり 「えっ!?」


希   「どうなん?」


ことり 「……なんで知ってるの? 希ちゃん」


希   「やっぱりそうやったか。カードがうちにそう告げたんや」



 希は運命の輪のカードを見せた。


ことり 「希ちゃんはこんなこと信じられるの?」


希   「世の中には不思議なことがたくさん有る。うちもいろんな体験をしてきた。

     今更時間移動くらいでは驚かんよ」


ことり 「そ、そうなんだ」


希   「それで、なんでことりちゃんは時間移動したん?」

 ことりは手短に経緯を話した。



希   「なるほど。そういうことうやっんたか。うーん。でもカードでは…」ブツブツ


ことり 「そうだ、希ちゃん歌詞チームだよね? 

     今日山頂アタックを止めて歌詞を書くように海未ちゃんを見張ってくれないかなあ?」


希   「おそらくそれだけでは世界線を跳躍するエネルギーは…」ブツブツ


ことり 「希ちゃん?」


希   「え、ああ、わかった。海未ちゃんにちゃんと歌詞書かせるわ。うちに任せとき!」



 そして歌詞チームは山を登っていった。

凛   「落ちるにゃー!!」


海未  「手を離してはいけません!凛!」




凛   「ハアハア、だめかと思ったにゃ」


希   「雲がかかってきた。山頂まで行くのは無理やね」


海未  「ここまで来たのに。仕方ありません。

     今日はここで明け方まで天候を待って翌日アタックをかけましょう」


海未  「山頂アタックです!」


凛   「まだ行くのー!?」


海未  「当然です。何しにここに来たと思ってるんですか」


凛   「作詞に来たはずにゃー!」


海未  「!」


凛   「まさか忘れてたのー!?」


海未  「そ、そんなことはありません。

     山を制覇し、成し遂げたという充実感が創作の源になると私は思うのです」


希   「まあまあ海未ちゃん気持ちはわかるけどここまでにしといたほうがいいよ」


海未  「ですが」


希   「山で一番大切なんは何か知ってる?チャレンジする勇気やない諦める勇気」


海未  「……」


希   「わかるやろ?」


希   「凛ちゃん下山の準備。晩御飯はラーメンにしよう」


凛   「ラーメン? I Loveニラにゃー!」


 こうして海未チームは下山。


 その夜。真姫、海未、ことりは別荘の広間に集まり作業を続けた。


 そして 楽曲ユメノトビラと衣装が完成した。

ラブライブ予備予選結果発表の日



花陽  「い、いよいよ発表です」


ことり (...今度こそ。)


穂乃果 「うう、心臓が飛び出しちゃいそうだよ」


にこ  「あんた達、予備予選くらいで何ビビってんのよ」プルプル


希   「そうやね、カードによると……」


穂乃果 「聞きたくなーい!」


花陽  「来ました!」


みんな  ガタッ

花陽  「最終予選進出1チーム目は、A-Rise」


花陽  「2チーム目はEast Heart、3チーム目はMidnight Cats」


絵里  「最後は?」


花陽  「4チーム目は、み、みゅー」


みんな 「みゅー?」


花陽  「ミュータントガールズ」



穂乃果 「あっ」


ことり (そんな、これでもダメなの?)ダッ


穂乃果 「あ、ことりちゃん!」


学校の屋上にて



ことり  シクシク


希   「ことりちゃん」


ことり 「希ちゃん。私頑張ったのにダメだった。

     やっぱり、μ’sはここまでの運命なの?それがシュタインズゲートの選択なの?」


希   「ねえ、ことりちゃん。運命を変えるのは時に犠牲を伴う。

     もうここらでええんちゃう?カードもそう言ってる。

     うちら三年生も心残りがないといえば嘘になるけれども、

     みんなと楽しい時間を過ごせて良かったと思ってる」


ことり 「希ちゃん…」



 その時、屋上が光に包まれた。


ことり 「えっ?なに?」



 光が消えて、ことりが目を開けると目の前に人工衛星のようなものが有った。



ことり 「え?何これ? こんなのあった?」


希   「…」



 人工衛星が開いて、中からことり達と同年代の女の子が出てきた。


女の子 「南ことりさんね?」


ことり 「は、はい。あなたは?」


女の子 「私は阿万音鈴羽。ラボメンよ」


ことり 「ラボメン、さん? あのその乗り物はなんですか?いつからそこに?なんでここに?」


鈴羽  「ことりさん落ち着いて聞いて。これはタイムマシーン。私は未来から来た」


ことり 「タイムマシーン?未来?え?え?」


希   「ことりちゃん行こう!話を聞いたらあかん」



 希はことりの手をとり屋上から出ようとした。


鈴羽  「待って。あなたは東條希ね。これは運命だってあなたにはわかっているはずよ」


希   「でも、だからと言ってことりちゃんを…」


ことり 「どういうこと?希ちゃん?」


鈴羽  「南さん。あなたはμ'sがラブライブ予備予選を突破する為に

     タイムリープをくり返したけれどもうまく行かなかった」


ことり 「そうです」


鈴羽  「μ’sが予備予選を突破して先に進むには、もう一つフラグを立てる必要があるの」


ことり 「μ’sが勝つ方法があるんですか!?教えてください!」


鈴羽  「南さん。あなたの学校、音乃木坂学園はμ'sの活動に肯定的?」


ことり 「あっ」



ことりはハッとした。



ことり 「どちらかといえば学校はμ'sの活動に否定的です。

     絵里ちゃんがμ'sに入った後でも講堂の使用許可は得られないし、

     正式な部活にも認められていません。練習場所も、屋上の使用は禁止されているので

     練習時間が十分取れていません」


鈴羽  「そう。μ’sは練習が足りていない。μ’sが飛躍するには学校の支援が必要なの」


ことり 「何度も学校に掛け合ったんです。でも理事長がうんと言ってくれなくて」


鈴羽  「理事長はどんな人?」


ことり 「おじいさんです。昔ながらの方で、スクールアイドルとかに理解が無くて」


希   「…」

鈴羽  「そう。その理事長が問題なの。彼がいる限りμ’sは全力で活動できない。だから大会で勝てない」


ことり 「ではどうしたら良いんですかっ?」


鈴羽  「南さん。あなたが理事長になるの」


ことり 「え? そんな、私まだ学生だし」


鈴羽  「”今”は学生だけど、このタイムマシーンで過去に行けばあなたは”今”大人になっている。

     私と一緒に25年前に行って」


ことり 「え?え???」


鈴羽  「今のあなたが25年前にタイムトラベルして、勉強して働いて、

     今の音乃木坂学園の理事長になるの。そしてμ’sを支援すれば、μ’sは勝てる」


希   「ことりちゃん、行ったらあかん!

     行ったらみんなと別れて一人で25年も、いやその後もずっと孤独と戦わなあかん。

     ことりちゃんがそこまでする必要はないんや!」


鈴羽  「これはμ'sだけの問題ではないの。

     私の居た未来ではエンターテイメントが無くなってディストピアになっている。

     人心は荒んで争いは絶えず、創造性も失われて世界は行き詰まっている」


鈴羽  「私のお父さんとおじさんはその原因はこの時代にあることを突き止めた。

     この時代からアイドル業界はコネや枕営業、いじめや搾取が横行してどんどん廃れていくの」


鈴羽  「その中でスクールアイドル違っていた。

     学生が主体の為、利害では無く、純粋に楽しもう、楽しませようという機運に満ちていた。

     でも結局は汚い芸能界に飲み込まれて、スクールアイドルという文化は消えてしまった」


鈴羽  「お父さん達は、μ’sがいればスクールアイドルはもっと輝けたと考えている。

     そして世界はもっと自由で創造性豊かになっていたと。

     だから私を送り込んだの。オペレーション:ミューズとして。

     お願い南さん。私と過去に行って!」


希   「だからって!」


ことり 「……他に方法は無いんですね?」


鈴羽  「ありません。お父さん達の計算によれば、ここが、いや今が世界線を越える唯一のポイントなの。」


ことり 「私にはディストピアとか難しいことはわからない。

     でも穂乃果ちゃんやμ’sのみんなにはもっと輝いて欲しいと思ってる。

     私、行きます」


鈴羽  「ありがとう」


希   「待って!せやったらうちが行く! うちは孤独に慣れとるし」


鈴羽  「東條さん。あなたの役割は別に有る。あなたもわかっているはずよ」


ことり 「希ちゃんありがとう。あのね、私なんの取り柄もないから、

     穂乃果ちゃんの為に、μ’sの為に何ができるかをいつも考えてた。

     そして今、これが私の役割だってわかった。」


希   「ことりちゃん」

ことり 「私が理事長になったらー、μ'sをいーっぱい支援するね。

     あと制服はもっと可愛くしてー。それと学校に可愛いマスコットが欲しいな。アルパカみたいな」


希   「うん」


ことり 「希ちゃん。今までありがとう。これからも穂乃果ちゃんのことよろしくね。

     穂乃果ちゃんって思い立ったらすぐに走り出しちゃうから……」


希   「うん……」

ことり 「あ、あと穂乃果ちゃんは食べるの大好きだからすぐ太っちゃって……」


希   「うん……うん。穂乃果ちゃん呼んでこようか?」


ことり 「ううん。穂乃果ちゃんに言うとまた絶対引き止められるから、このまま行くね」


希   「ことり ちゃん……」


ことり 「また、会おうね」



 ことりと鈴羽はタイムマシーンに乗り込んだ。そして、過去に旅立っていった。


ラブライブ予備予選結果発表の日

スクールアイドル研究部 部室



花陽  「い、いよいよ発表です」


ことり 「緊張するね」


穂乃果 「うう、心臓が飛び出しちゃいそうだよ。

     ってあれ?このシーン夢で見たような?」


にこ  「あんた達、予備予選くらいで何ビビってんのよ。」プルプル


希   「そうやね、カードによると……」


穂乃果 「聞きたくなーい!」


花陽  「来ました!」


みんな  ガタッ

花陽  「最終予選進出1チーム目は、A-Rise」


花陽  「2チーム目はEast Heart、3チーム目はMidnight Cats」


絵里  「最後は?」


花陽  「4チーム目は、み、みゅー」


みんな 「みゅー?」


花陽  「μ’s。音乃木坂学園高校スクールアイドル μ’sです」


穂乃果 「μ’sって私たちだよね。石鹸じゃないよね?」


真姫  「当たり前でしょー」


凛   「凛たち合格したの?」


絵里  「予選を突破した..」


みんな 「やったー!」



 部室から駆け出すμ's


理事長室にて



構内放送「お知らせします。たった今我が校のスクールアイドルμ'sがラブライブの予選に合格したと言う連絡が入りました。

     繰り返します。たった今我が校のスクールアイドルμ'sがラブライブの予選に合格したと言う連絡が入りました」



理事長 「…穂乃果ちゃん、私、成功したよ」



 コンコン ガチャ



ことり 「お母さん聞いて、私たち合格したの!

     もー、なんでお母さんの方が泣いてるの?」



LabLive 無限連鎖のワンダーゾーン 完

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom