【艦これ】望月「あちゃーこれは大変だなー」 (19)

執務室――



提督「突然入ってきたと思ったら、何を言い出すんだ?」

望月「何をって、私が大変なことになった話に決まってるじゃん」ゴロゴロ

提督「ソファでだらけてるやつが、なんでそんなことになるんだよ」

望月「そう、そこなんだよね」

望月「あたしって働きたくないじゃん?」

提督「おい艦娘」

望月「まーまー、とりあえず話だけでも聞いてよ」

提督「まったく……わかったよ」フゥ...

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望月「そもそもあたしって、面倒なの嫌いじゃん?」

提督「そうだな」

望月「働きたくないんだよねー」ゴロゴロ

提督「しかし生きていく以上は働かなければならない、違うか?」

望月「仰る通りで」ゴロゴロ









望月「だから『専業主婦になったら全部解決だー』って思って――」

提督「まてまてまてまて」

提督「え、なに急に?」

提督「お前結婚したいの!?」

望月「カッコカリじゃない方ね」

望月「結婚したら、適当に家事して可愛い顔を見せときゃ安泰なんでしょ?」

提督「お前のようなやつが婚活の立場を貶めるんだよなあ」

望月「でも実際そうじゃない?」

提督「否めねえ」

提督「とにかく……望月は結婚願望があるんだな?」

提督「なにさー、あたしが結婚したがるのがおかしいって言うつもり?」

提督「……応援はするさ」

望月「ふふっ……司令官のそういうところ、嫌いじゃないよー♪」

提督「調子が良いんだから……」ヤレヤレ









望月「それで婚活アプリに登録して――」

提督「まてまてまてまて」

提督「はあ!? お前、婚活アプリ使ってんの!?」

望月「正確には、使い始めたところだけどね」

提督「いやでも、ああいうのって、個人情報登録したりするんじゃないのか?!」

提督「お前、自分が国家の機密情報そのものだって自覚ある?!」

望月「大丈夫だって、大本営が運営してるアプリだし」

提督「なにやってんの大本営!?」

提督「まあ……機密情報の漏洩が無いのなら、グダグダ文句言うつもりはない」

望月「アプリを使ったことは、もう良いの?」

提督「大本営が乗り出したくらいだ、艦娘に必要なものなんだろう?」

提督「こういう日常くらい、お前たちの好きにさせてやりたいからな」

望月「よっ将来の大元帥っ」パチパチ

提督「よせやい照れるだろ」









望月「で、その艦娘専用婚活アプリがさー――」

提督「まてまてまてまて」

提督「え? 艦娘専用? ええ?!」

提督「提督とか技師とか憲兵とかは?!」

望月「ダメに決まってるじゃん」

提督「決まってるんだ!?」

望月「さすがに艦娘を民間人と付き合わせるわけにいかないでしょ?」

望月「でもそうすると、海軍を辞めた人の扱いが難しいよね?」

提督「なるほど、それで最初から艦娘限定にしたということか」

提督「でもお前はそれで良いのか?」

望月「なにが?」

提督「その、だって……艦娘だけなんだろ?」

望月「そうだよ?」

提督「男……いないんだぞ?」

望月「それのなにが問題なのさ?」

提督「……」

提督「ま、まあ! 人それぞれだしな! うんうん!」

望月「? よく分かんないこと言うなあ……」









望月「まあ睦月型オンリーのアプリを落としたまでは良いんだけど――」

提督「まてまてまてまて」

提督「睦月型オンリー!?」

提督「睦月型しか使わないアプリってこと!?」

望月「それ以外になにがあるって言うのさー?」

提督「じゃあ睦月型としか出会えなくね!?」

望月「そうだけど、それが何?」

提督「お前……性癖拗らせてたりする?」

望月「バッ――!?」カァァ///

望月「急に何言い出すんだよこのアホバカ司令官~///!」テシテシ!!

提督「うわパンチがぜんぜん痛くないゴメンゴメン俺が悪かった!」

提督「もしかして艦娘専用アプリは型で専用のを使うのが一般的なのか?」

望月「そりゃそうでしょ」

提督「そりゃそうなのか」

望月「使ってる身としては、けっこう安心できるんだよ?」

提督「なるほど、赤の他人でも姉妹艦なら気兼ねなく会話できるだろう」

望月「お、分かってるじゃんか」









望月「だからあたしも、とりあえず範囲をこの鎮守府に設定して――」

提督「まてまてまてまて」

提督「この鎮守府だけで範囲絞ったってこと!?」

望月「うん」

提督「それ壁新聞と変わらなくないか!?」

望月「違うよ! 全然違う!」

望月「このアプリを落とした人じゃないと見れないでしょ?」

提督「そ、それはそうだが……」

提督「それで、何人検索に引っ掛かったんだ?」

望月「十人」

提督「その中からメッセージを送ったのは?」

望月「十人」

提督「壁新聞じゃねーか!!」

提督「というかお前、うちの睦月型全員にラブコールするとか、やり手だな」

望月「そりゃー今のあたしは結婚願望が強いからねー」

望月「専業主婦になるためならなんだってやるし」

提督「それを上司の俺に平然としゃべる魂胆よ」

提督「まあ……もういいや、それ以上はプライベートだし、グダグダ言わないでおく」

提督「で? 何に困ってるんだ?」

望月「うん、十人全員にメッセージを送ったらさー」










「十人同時に返事が来ちゃって……」

提督「」








望月「文面を見てるとさ、みんな本気だってのが分かるんだよ」

望月「結婚式の段取りを確認してきた睦月とか」

望月「欲しい子供の数を確認してきた如月とか」

望月「熱心に食いついて離れる気配のない弥生とか」

望月「誰よりも丁寧で奥ゆかしい返事の卯月とか」

望月「家事すら全部してあげると言ってくる皐月とか」

望月「あたしの胃袋を掴もうとする水無月とか」

望月「どこをとっても可愛い文章しか書けない文月とか」

望月「誤字多いけど熱い求婚してきた長月とか」

望月「厨二全開の文面の方が気になる菊月とか」

望月「第一印象から決めていたと告白してきた三日月とか」

望月「本当にさ、困るんだよ」

望月「一体あたしは誰と結婚すれば良いと思う?」

提督「……」

提督「全員と同時にデートして最後まで諦めなかった子と結婚すれば?(やけくそ)」

望月「て、天才か……!!」









ネタバレ:全員娶った





おわり

以上です、ありがとうございました。

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