なつは、ナツハ。 (25)


……あら。プロデューサー、起きたの?

…プロデューサー? 私はここよ。顔を上げて…そう…ふふ。おはよう、プロデューサー。

もう、まだ寝ぼけているの? よく見てご覧なさい。アナタが頭を載せているのは枕じゃないわ。
私の膝よ。…どうしてってそんなの、アナタが疲れて寝てしまったからじゃない。……で?

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…じれったいわね。感想よ。膝枕の感想。果穂にはたまにしてあげているけどアナタにしてあげたのははじめてでしょう? どう? 気持ちいい?

…それは、鍛えてるもの。確かに、例えば智代子の膝枕なんかは柔らかくて気持ち良さそうだけど…

あ……そう、そうよね。この膝だって、私が努力した証だもの。少々硬くてもアナタは喜んでくれるわよね。……ありがとう。


え? …ふふ、もう。気がつくのがもっと遅いわ。そうなの。今日の為に買った浴衣なの。凛世に見繕ってもらってね。素敵でしょう? 鮮やかな色で…

…ええ。アナタならそう言ってくれると思ったわ。「似合ってる」「綺麗だ」…前にも言ったかもしれないけど、アナタに言われると私、世界一の美女になった気分になれるわ。

そうかもしれないわね。たくさんの男の視線を釘付けにしてしまうかも。…でも、私が見ているのはアナタだけよ? ……ん。



んっ……ん…れろ…んぅ……



……もう。ご家族に見られたらどうするの?

そうよ。忘れてしまったのかしら。ここはアナタのご実家でしょう? …幸い、今はみんなお祭りに出かけてしまったからいいものの。
…まあ、私は見られても構わないけれど、アナタは困るんじゃないかしら? ふふっ。

大丈夫よ。まだ花火までは時間があるわ。さて、アナタも起きたことだし、私たちも行きましょうか……きゃっ!


……ご、ごめんなさい。その、足が、痺れて…わ、笑わないでったら!

もう…。そうね。じゃあ、もう少しだけふたりでお話ししてから出発しましょうか。
そういえば、ここに来てからアナタとゆっくりふたりきりで話すのははじめてだものね。

ふふ、いいのよ。アナタの親戚の子たち、みんないい子で元気があって一緒にいてとっても楽しいわ。


そうそう、今日のお昼、山でこんな大きなクワガタを捕まえたのよ! 後で一緒に見せてもらいましょう!

それに、鬼ごっこもたくさんしたわ。フィジカルでは優位な私に対して山の傾斜や死角の地の利を活かして逃げるあの子たち…とても高度な駆け引きだったわ!

え? …ふふっ、確かに! あの子、少し樹里に似ているかもしれないわね。子どもの樹里もあんな感じだったのかしら? ふふっ。


そして、たくさん運動した後に食べるアナタのお母様の手料理……最高ね。あのお漬物も、お味噌汁も、とっても美味しかったわ。

確かに、凝ったことは何もしていないのかもしれないけれど…そういうんじゃないのよ。あのお料理は、アナタのお母様にしか作れないものだと思うわ。
あれが「愛情を込める」ということなのかしら。

……私も、あんな料理をアナタに食べさせてあげたいわ。


…ありがとう。でも、まだまだよ! アナタには、最高の私の料理を食べさせてあげたいもの! 帰ったらまた研究するわ。楽しみにしててちょうだい!

ふふ、当たり前よ。大好きなアナタの為だもの。……プロデューサー。改めて、ありがとう。私をここに連れてきてくれて。

アナタが育ったこの街も、アナタが親しんでいる人たちも、私、本当に大好きになったわ!
…彼らも、私のことを好きになってくれていたら嬉しいのだけれど…

……ありがとう。アナタは本当に。いつも私の欲しい言葉をっ…



んっ……



…もう。今日は随分と積極的ね。他愛もない話をしているだけなのに、浴衣姿の私に興奮してしまったのかしら? ふふっ。ほら、プロデューサー。汗、すごいわよ。じっとして。今、拭いてあげるから…

え? …わ、私は汗っかきなだけよ。ほら、扇子で扇いであげるからじっとしてなさい。もう少しこっちに寄って。
そうしたら一緒に風を浴びられるでしょう?

ほら…ぱたぱた、ぱたぱた…


…気がついたかしら? これ、香り付きの扇子なのよ。上品で、いい匂いね…

…? 違う? それじゃあ、何の? ……っ! 離れて! 離れなさい! ちょ、ちょっと…!



ん…んんっ…!…ちゅっ…はむっ……ぷはっ……んー…! …あっ、やっ…首筋、舐めちゃダメっ…!



はぁ……はぁ……ばかぁ……しょっぱいに、決まってるじゃない…

いい匂いなんてそんなわけ、ないじゃない…汗の、匂いなのよ…?

あ、アナタの汗の匂いは……き、嫌いでは、ないかもしれない、けれど…


…っあ! …プロデューサー…! ダメ、よ…! 脱がせちゃ…誰かに見つかったら…み、見られても構わないとは言ったけどそれとこれとは別よ…! あ……

…? ど、どうしたの…?

……あのね、プロデューサー。「浴衣は下着をつけない」なんて、そんなわけないでしょう。和装用のインナーがちゃんとあるのよ。

……「夏葉なら着けないと思ってた」というのは、私はどう返せばいいのかしら。


…くすっ。

もう、せっかく色っぽいムードになったのに…

え? ……もう、そんなこと聞かないで。私だって、ここまでされたら……疼いてしまうわ。

…でも、いいの? アナタ、「うっすら香る夏葉の汗の匂いが好き」と言っていたけれど…私、きっと、たくさん汗をかくと思うわよ?
それこそ…滴るくらい。



ひゃっ…! んっ…っあ……あぁ…っ…



…もう、キスマークを付ける気? こんなに汗が滲んだ首筋を舐めるようにキスして…プロデューサー、アナタ、変態ね?

……ふふ、そうね。それに付き合う私も、かしらね。

それじゃあ、はじめましょうか。少し待ってちょうだい。ん…

…ええ。暑いんだもの。せっかく結ったけど今は髪の毛はほどくことにするわ。


浴衣も……え? えっと、こう、かしら? ……こういうのが、いいの? 胸元まではだけさせるならもう脱がせてしまった方が…

「男のロマン」…? そ、そうなの…。よくわからないけれど…アナタが喜んでくれるのなら…

あ、あと、ゴムがないから……え。

……プロデューサー? どうして、一緒にアナタのご実家に私が挨拶するのにそんなものが必要なのかしら。


…くすっ、ふふっ…! 冗談よ。怒ってないわ。私も…心のどこかで期待してたもの。

あ……。花火、はじまってしまったわね。綺麗…。

……お祭りからみんなが帰ってくるまで、1時間というところかしら。いつもより時間はないけれど…それまでたくさん、楽しみましょう…?



プロデューサー…Pさん…んぅ…ちゅぅ…



……さあ、横になって?

いつもアナタが主導権を握ってるんだもの。今日は私の番よ♪ えいっ。…ふふ、押し倒してしまったわ。

…花火の音が全部かき消してくれる、わよね。……Pさん。

夏は私の、有栖川夏葉の季節よ。だからー



ー今が旬の私を、たくさん、たくさん味わってちょうだい! …ふふっ♪



続きは有償ジュエルにて。夏葉誕生日おめでとう!

それでは、またの機会に。


前に書いたの。

ピローなトーク ー有栖川夏葉編ー
ピローなトーク ー有栖川夏葉編ー - SSまとめ速報
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