安価とコンマで武器娘を従える (285)

武器でありながらも人として生活している武器娘(ウェポナ)を従えていくスレ

ざっくりと用語説明

☆武器娘(ウェポナ)

現世、異世界に存在している武器の本来の姿。彼女らが存在するから、武器として世界に在ることが出来る。
例えるならば、形として存在する武器はウェポナの虚像のようなもので、武器が粉砕されようと溶鉱炉に突っ込まれようと、ウェポナにダメージは無い。
だが、ウェポナが負傷すれば世界に存在する武器にも破損が見られ、ウェポナが死亡すれば、彼女らを映した武器も消滅する。

普段は人間たちと変わらない生活をしており、自身がウェポナだと自覚している場合が多いが、自覚していない場合も度々見られる。
何故、ウェポナが生まれるのか。その真相は不明とされている。


☆真視(アナライズ)

ウェポナがどういう武器の基なのかを知る能力。現在所有しているのは主人公である『アルメス』のみ。

アルメスの血統が原因とされ、ウェポナを従えることが可能なのも、その血統によるものだと推察されている。

☆隷有(パーソナライズ)

ウェポナを従える能力。絶対的なものらしいが、胆力で拒絶する者もいるらしく割とガバガバ。

本人に忌避的な意思が無ければ、魔力の消費は殆ど無いが、拒絶の意思があれば消費は増える。
ウェポナからすれば、アルメスは所有者(マスター)となる。

☆魔力(マナ)

どこにでも漂う不可思議パワー。人間たちが魔法を使う時に消費したりする。
もちろん自然の中にもたっぷりと存在し、自然現象が発生する度に消費、生成される。
マナが多いほど、トンデモ環境が形成されてヤバみが深くなるとか何とか。

ウェポナはこれを消費することで、常人を凌駕する戦闘能力を発揮する。
しかし、効率良く使うにはマスターの支援が必須。結局は武器なので、使い手がいないと駄目らしい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1565715438

募集するウェポナのテンプレはこんな感じ
別に使わなくても構いませんが、項目は埋めてくれると助かります

名前:武器としての、本来の名前。 例:聖剣・エクスカリバー。
人名:人として振る舞う際の名前。武器の名前そのままだと混乱されるから仕方ないんじゃい。
能力:武器としてどういう能力を持っているか。 例:ビームをぶっ放せる。
概要:今までの来歴とか何でも書いて?

綺麗な小川のせせらぎの音がこだまする。

そこで顔を洗う青少年が一人。

「…血が止まらない。どうすれば良いんだろうか」

何度顔を洗えども、鼻から垂れる血の量は変わらない。

木の根に足を取られ、大岩に顔をぶつけたのが悪かったんだろう。

「もったいないけど、使うしかないか。結構高いポーションなんだけど」

緑色の液体をグビリと一口。

苦くて甘い、変な味。

「…ふぅ。これで治った」

鼻をすすり、もう一度顔を洗う。

すると、赤々としていた顔が、素肌の色を見せていた。

その代償か、綺麗だった川は赤く濁っていた。

自分と同じ武器を作り出す(虚像を取り出す感じ)、身体の一部を武器に変える(虚像を身に纏う感じ)、などをして戦います
ここでいう使い手は指示役としての意味合いで、言葉通りとしての意味はまっっっったくありません
ぶっちゃけるならメギド72のソロモンくんとメギドの関係です

続きは起きてからやります
下5までにウェポナぼしう、オリジナルでも全然かまへんで

立場的には『武器』、実際には『人間』として戦います

ゲームが解らない人がいると思うので、別の説明を付けとかなきゃ

指示が無ければ、使い手がいなければ実力は発揮出来ないので『武器』という立場ですが、指示さえあれば自律行動してくれるので『人間』として戦うって感じですかね
分かりにくくてすみません

範囲は下にずらーす

おはようございます!良い朝ですね!
ごめんなさい完全に爆睡してました


「血は止まったかな?我らの主、マスターよ」

木陰から姿を現すのは、両目を閉じた女性。

彼女は『応報するフラガラッハ』のウェポナである。

虚(うつろ)の逸装:壱之剣--応報するフラガラッハ--

人として生きる彼女らは、自身の真名を明かすことは悪手だと捉えている。

そのため、ウェポナは皆仮初めの名を持っており、彼女の場合は『アンサラー・ルーラ』がそれに当たる。

「ポーションを飲めばどうにかなるもんでしょ。まあ、たかが鼻血に使うことは無かっただろうけど」

「治ったのなら、それで良いじゃないか。私に言ってくれれば、つきっきりで看病していたのにね」

「フラガラッハ?ルーラさん?顔近いですよ?俺の手に指絡めないでくれます?」

「ふふふ…。困惑している表情も可愛らしい…」

偶に、彼女の考えが読めないところがある。

悪い人ではないはずだが、ちょっと怖かったりする。

「フラガラッハー!何アルメスにベタベタひっついてんのよ~!」

「おや、ヤキモチかい?」

「また血が出たりしたらどうすんのよ!看病するのは面倒なのよー!」

「私が見るから、フライクーゲルは気にしないで良いさ」

「一人じゃ大変でしょうがー!!!」

虚の逸装:壱之銃--死銃・フライクーゲル--

如何にもといったお嬢様的衣装に身を包むフライクーゲルは、半ば無理矢理フラガラッハをひっぺがす。

「アルメスも不注意が過ぎるわ!足元はよーーーーく見ておきなさいよ!!!」

「申し訳ございません、『ロクサーヌ・アーデリンデ』お嬢」

何気なく放った一言が、フライクーゲルを傷付けた。

「…私はフライクーゲル!可能な限りそう呼べと言ったじゃないのよ!」

「ウェポナであることを隠すのは、然るべき時だけで良いの!ウェポナとして生を受けたこと、私は誇りに思ってるんだから!!!」

「ご、ごめん。口には気をつけるよ」

「ふんっ!次は許さないんだからねっ!」

そう言って、フライクーゲルは豪華な椅子に座った。

「災難だねーますたぁ様。ほら、ミスっちのミルクを飲んで一息つこう!」

「もう少し言い方を考えてね?」

コップになみなみと注がれたミルクを差し出す少女と、薄手の民族衣装を纏った少女が両隣の岩に座り込む。

前者は『天之尾羽張』のウェポナで、人名は『火産霊 灯之夏(ほむすび ひのか)』。

虚の逸装:弐之剣--雷火剣(らいかのつるぎ)・天之尾羽張(あめのおはばり)--

後者は『ミストルテイン』のウェポナで、人名は『ミスティ・ホワイト』という。

虚の逸装:壱之弓--非力なる小枝の矢・ミストルテイン--

「…羊のミルクです。勘違いしないでくださいね」

「そもそも出るほど出てないしねー」

「まだ成長期ですもん…別に大きくなくても良いですもん…!」

「私のを揉んでも大きくならないぞー!!!?!?」

仲睦まじい二人をよそに、アルメスはミルクを飲む。

これで背が伸びればめっけもんなんだけど。

そんなことを思いながら、美味しくいただいたアルメスだった。

「九十九…百!」

野営地から少し離れたところにある河原で、刀の素振りをする女性が一人。

彼女は『胴太貫』のウェポナであり、人名は『拝 一刃(おがみ かずは)』という。

『カチウ』なる東洋の鎧に身を包む、『ブライ』という職業の人らしい。

「胴太貫、ご飯出来たって」

「…む、態々呼びに来てくれたでござるか。かたじけない」

刀はフッと姿を消し、胴太貫は髪留めを外す。

長く艶やかな黒髪が、フワリと揺れた。

「今日の夕餉は何でござろうなぁ」

「ミルク鍋だって。そこら辺で取った雑草とかぶち込んでるらしい」

「ふむ、菜食も悪くない」

「俺は肉食べたいなぁ」

「その手の知識を持つ者が居らぬ故、今暫く我慢くだされ」

そう都合良く、解体の技術を持つ人と出会えるとは思えないが。

「ますたぁ様、これからどうするの?」

彼女らと旅を始めて数週間。

実を言うと、これといった目的を持たず、ダラダラと人助けをして暮らしてきた。

これからもそうするわけにはいかず、何か明確な目標を設定する必要がある。

また、直近の目標も用意しなければならない。

近くにある街は、綺麗な街並みが特徴的な『ベリルヌス』と、闘技場が名物の『ロマンダ』の二つ。

近頃は戦争が起きたという話も聞かず、情勢が悪いという話も無い。

THE・平和な世の中で、どう過ごそうか。

ごめんなさい、今日はもう無理です
更新グダグダの助でほんとごめんなさい

どっちの街に行くかは下2、目的は下4に安価を出します

というわけでおやすみなさいすみません


クソ雑な世界観

複数の世界が存在し、アルメスたちがいるのは『衡界(エピーク)(均衡が保たれた世界的な意味)』。
他には神様とかが住んでる『天界(エデン)』、悪魔とか魔王とかが住んでる『魔界(ディセデン)』、死者の集う『冥界(シェオル)』があり、どれも今は仲良しこよしです。

どうやって行き来するか?天高く飛んだり地下掘れば着くと思う(鼻ホジ)
ってのは半分冗談で、境界(ギャップ)に設置されているワープゲートを通過すれば簡単に移動出来ます。
普通に国とかに管理されてるので、入界費を払えばすんなり通れます。

これは天界と魔界の話で、流石に冥界は無理です。
冥界に行くには、死ぬか冥界の渡し守や番人の許可を得るしかありません。

あっ、質問とかあったらガンガン投げて大丈夫です
答えられるものなら全部答えます、はい

依頼を済ませた翌日。

宿屋の一室で眠っていたアルメスは、物音に反応して目を覚ます。

「おはよう、マスター」

「おはよう…フラガラッハ…」

鍵を掛けていたのに、さも当然と居座るフラガラッハ。

敢えて何も言うまい。

「本日採れたての果物を使ったスムージーだそうだよ。ほら、ご賞味あれ」

「んー…うめぇ…」

寝惚けた表情のまま、コップに注がれているスムージーに口を付ける。

普通に甘くて、普通に美味い。

アルメスがお食事中の間、フラガラッハはアルメスの髪を整える。

手櫛でボサついた寝癖を直し、指を通して絡まりを取り除く。

数分後、二人の作業は同時に終了した。

「今日の依頼は…っと…」

前日と同じように、掲示板に目を通す。

半分近くが前と変わらない依頼だが、それ以外は新規で届いたものに置き換わっている。

「なんか、思いっきり戦える依頼がやりたいわね」

「フライクーゲル…お前後ろからパンパン撃つだけだろ?」

「銃に近接戦闘のスキルを求めないでよ」

ごもっとも、と返し、再度掲示板を確認する。

一度掲示板が裏返り、少ししたらまた元に戻る。

すると、依頼の内容がまた変わっていた。

「…ますたぁ様、あれ」

「ん、特例か…」

天之尾羽張の指差す先には、赤い紙が一枚。

特例は、種類によって色が異なる。

赤は『猶予が残されていない、救出関係の依頼』、青は『本来であれば存在するはずのない、外来種の討伐』。

黒は『死亡率の推定すら不可能な、非常に危険度の高い依頼』をそれぞれ表している。

他にも、いくつかの色があるらしいが、それは割愛する。

今回の赤紙、特例の内容は『失踪した騎士団の捜索』だった。

どんな依頼を受けるかを下1に
キャンセルも勿論可能

「これ、受けます」

赤紙を掲示板から取り、カウンターに提出する。

こちらの顔を見てなのか、連れのウェポナを見てなのか。

キョトンとした表情のまま、受付嬢は数秒固まる。

「…あの、手続きをお願いします」

「…あっ!はいぃっ!」

アルメスの声で漸く意識が戻されたのか、ワタワタとしながら大急ぎで手続きを終わらせる。

受付嬢は一本の短剣をカウンター上に置き、契約書をその隣に置いた。

「捺印をお願いします。こればかりは、沢山の方々の人命が懸かっていますので…」

「分かってますよ」

指を軽く斬りつけ、血を絞り出す。

ポタポタと垂れた血液を、親指につけて血判を押す。

すると、血判から黒い線が出て、書類の枠を形作った。

「これで、手続きは完了しました。改めて、説明に入りますね」

今回失踪した騎士団は、南の大国『アガスティア連邦』が抱える『ソル・ブレイヴス』。

『アルバ渓谷』の猛獣を討伐するため、ベリルヌスに最も近い『シェード』という町から出発したそうだが、数日経っても帰還しないことから、失踪したと判断されたそうだ。

「で、一番近くて人の多いベリルヌスから、救援に向かわせよう…ってわけですね」

「そうなります…。今回の討伐作戦には、新米の方が多く参加していたみたいで、連邦の上層部も、かなり事を重く見ていると…」

「ふむ…」

とは言うが、こちらの持つ情報は微々たるものだ。

失踪したと思しき場所も、結局は分からない。

何か情報を引き出せれば、もう少し対策は練れるものを。

質問とかがあれば下2までに
70以上で情報が入手出来ます

「二つ、質問いいですか?」

「答えられるものなら…」

「一つは、討伐対象の猛獣の情報」

「もう一つは、騎士団が失踪したと思しき場所」

アルメスの問いに、受付嬢は険しい表情で返答する。

「討伐対象は『リュクスベヒーモス』。突然変異で光属性になった猛獣『ベヒーモス』の亜種です」

「太古の戦争では、エデンの民がディセデンの群勢へのカウンターフォースとして保有していたそうですね」

「飼い慣らしていた、ということですか」

「はい。圧倒的な武勇を示せば忠誠を誓う、とのことですが…。そんな人間は、今時いませんよ」

「…それと、騎士団の失踪ポイントは全くもって不明です。アルバ渓谷とシェードの間で、何かがあったと思われますが…」

「…充分です。ありがとうございました」

ぺこりとお礼をし、アルメスたちはギルドを出た。

「さて、これから大仕事をやるわけですが」

「一筋縄ではいきそうにないでござるな…」

今現在、騎士団がどういう状況にあるのか。

それさえ分からないから、時間的猶予の予測すらままならない。

どこかの本で見た記憶によると、物資の補給無しでは保って一週間らしいが。

騎士というのなら、鈍重な装備をしているに違いない。

もっと短く見積もっておいた方が良いだろう。

「…ここからシェード、アルバ渓谷までは何時間掛かる?」

「うーんと。ギルドが貸し出してる馬を使えば、半日でアルバ渓谷に到着するね!」

「シェードは20時間くらいかな?道中に渓谷があるから、ちょっと遠回りしなきゃならないけど」

「突っ切った場合は?」

「15時間。何も問題が無ければの話だよ」

「………」

少々、手強いか。

どんな行動をするかを下1に
制限時間も書いておきますが、これははっきり言ってあてになりません

☆Time limit 《4 Days》

「な…何言ってんのよアルメスーーーーーッッッッッッ!!?!??!」

「うるっさい。話は最後まで聞いてくれよ」

アルメスの出した提案を聞くや否や、喧しい大声で叫ぶフライクーゲル。

ほれ見ろ、めっちゃ注目浴びてんじゃん。

「…どういうことですか?助けに行くでもなく、アルバイトなんて」

見るからに不機嫌そうなミストルテイン。

お願いだから、最後まで聞いてからそういう態度を取ってください。

こう見えて傷付きやすいんです。

こけて血が出るくらいには脆いんですよ、俺。

「まあ、理由としては単純なものさ」

「俺たちは圧倒的に情報が不足してる。地理的なものもそうだし、猛獣、連邦についての知識も不十分だ」

「そんなんで助けに行ったって、どこにいるのか目星が付いて無ければ無駄骨に終わる」

「だから、ここで仕込んでおくんだよ。騎士団の救出ってゴールに辿り着くためにな」

「つまり、マスターが言いたいことは、だ」

「『今から数時間程度人の多い場所で働いて、必要な資金と情報を入手する』…ということなんだよ」

「解説ありがとさん」

「………」

「無言で頭下げられても。お前の早とちりは今に始まった話じゃないから、慣れてるよ」

「うぅ~~~……!」

それから暫くの間、フライクーゲルはハンカチの端っこを噛み締めていた。

Aチーム(アルメス、フライクーゲル、胴太貫)とBチーム(フラガラッハ、天之尾羽張、ミストルテイン)に分かれて行動を開始します
AチームとBチームの判定を下1と下2でします

成功基準は40以上で、70以上だと非モブの人物、90以上でウェポナと繋がりが出来ます
その場合、対応するキャラ募集が発生します
下3と下4に、上段の判定で70以上が出ていたら対応するキャラ募集を出します

「いらっしゃいませー!」

「い、いらっしゃいませ」

「ほぉ、姉ちゃんは『ジパンギア』から来たのか!道理で、ここらじゃ見かけない綺麗な顔してるわけだ」

「き、綺麗、でござるか」

「ってことはアレか?姉ちゃんはブライ…なのか?」

「如何にも。拙者はブライの一刃でござる」

「っかぁ~!こいつぁ珍しいもんが見れた!姉ちゃん、ラム酒三本追加だ!」

「相分かり申した」

大繁盛の居酒屋で大忙しのアルメス、フライクーゲル、胴太貫。

これから数時間もの間働きっぱなしだったのだが、目ぼしい情報は得られなかった。

「灯之夏さん、6番テーブルに『ロマンダ鶏の香味焼き』と『ブレイズフィッシュスープ』をお願いします」

「はいはーい!私にお任せっ!」

「では、僭越ながら一曲披露させて頂きます」

恭しく礼をしたフラガラッハは、ゆったりとした動きで椅子に腰掛ける。

一度の深呼吸で精神を集中させ、慣れた手つきで鍵盤を弾く。

「な、なんだこの曲はぁ!?」

「…『月下の狂詩曲(ラプソディ)、か。この曲を知ってるだなんて…」

歓声に沸く酒場の中でただ一人、興味を示す女性がいた。

「ご静聴、ありがとうございました」

「フゥー!!!アンコール頼むぜぇ!」

「アンコールにお応えしたいのは山々なのですが…。少し疲れましたので再開までの間、食事やお酒をお楽しみくださいませ」

「商売上手だなぁおい!」

ワイワイと騒がしいフロアを抜け、裏口に出るフラガラッハ。

ゆらりと黒いローブに身を包んだ女性が歩み寄る。

「無銭飲食とは、感心しないね」

「あらぁ、代金は全額置いてるわ。お姉さんはそんなこと気にしないで、ね?」

「…何が訊きたいのかな?」

「これからも関係は続くだろうから、その前に自己紹介。私は『ソピアー・メーティス』。ただの物知りよ」

「…メーティス。貴女が私に尋ねたいことは、いったい何だい?」

彼女の考えていることは、手に取るように分かる。

それは、フラガラッハの持つ能力の一部。

本来は使い手を対象としているものを、限定的に範囲を広げているのだ。

「訊きたいこと、ねぇ。ウェポナのお姉さんにそんなものありはしないわよぉ~」

嘘は言っていない。

「…はて、何のことやら」

「うふふ、惚けちゃって。まあ、いいわ」

「気が変わっちゃった。お姉さんのこと、私に教えて?代わりに、と言ったら何だけど。私の知ってることなら、何でも教えるわ」

「…じゃあ、私の質問に答えてほしい」

「かしこまりました~♪」

歓楽街の喧騒の中で、密談が始まった。

「…ありがとう。有益な情報が得られたよ」

「こちらこそ、面白い話が聞けたわぁ」

「このことは他言無用でお願いするよ。それを拒むのなら、実力行使も視野に入れる」

「解ってるわよぉ~。じゃ、バイバーイ」

ソピアー・メーティスは、夜の街に消えていった。

「…少し、不利な交換だったかな」

得られた情報は二つ。

一つは、アルバ渓谷にはゴブリンの巣が存在すること。

もう一つは、そのアルバ渓谷にいるリュクスベヒーモスが特異個体だということ。

その代価として、フラガラッハは自身の情報を質に入れた。

アルメスたちのことは伏せているとはいえ、過去を洗いざらい話したのは不味かったかもしれない。

あの場所には。

「…過ぎたことを考える必要は無い。仕事に戻らないと」

浮かない表情のフラガラッハは、酒場へと戻った。

「なーるほど。ゴブリンの巣、ねぇ」

「猛獣討伐のついでに、ゴブリンを退治に向かったのだろうか…」

「そうだとしたら、その騎士団は弱者の集まりということになるね」

「或いは、ゴブリン側が相当の手練れの可能性もありますよ」

明らかにきな臭い場所ではあるが、何かが引っかかる。

ベヒーモスの発見された場所と、ゴブリンの巣があると噂されている場所は、かなり離れている。

そんな場所に、職務をほっぽり出して態々向かうのだろうか。

何にせよ、面倒なことになっているようだ。

どんな行動をするかを下1に

☆Time limit 《3 Days 18 Hour》

蹄鉄の音が響く暗闇の草原。

駆け抜けるは、6つの灯り。

灯籠を吊るした馬が、疾風の如く駆けている。

「アルメス!この方角で合ってるの!?」

「コンパスも地図もフル活用してる、問題ない」

夜、というよりも暗い場所では、危険な化け物がうようよと沸いてくる。

インフェクター。

死を伝染させると謳われている、太古から存在する化け物。

なぜ生まれ、なぜ生物を襲うのか。

全てが謎に包まれた、摩訶不思議な存在。

彼らにも警戒しなければならないのが、夜の移動が控えられる理由だ。

そんなことを言ってられる状況ではないが。

下1コンマで魔物との遭遇判定を行います
21以上で成功です

「マスター、前にゴブリンが数体いるよ」

「種類は?」

「インフェクターだね」

ゴブリンには小人型の魔物と、インフェクターの二種類があってややこしい。

集落を作るパターンは、例外なく魔物の方だ。

しかし、今接近しているのはインフェクター。

今回の事件との関連性は一切無い。

「フライクーゲル、やれるな?」

「私を誰だと思ってるの?」

アルメスの右手が輝き、光がフライクーゲルへと流れ込む。

「私はっ!死銃・フライクーゲルよっ!!!」

指鉄砲の構えをして、前へと向ける。

パリパリと指先から紫電が散り始める。

「脳天ぶち抜いてあげるわ…!」

そして、視認したゴブリンと同じ回数、指鉄砲を放つ。

「ギ……!?」

極小の弾丸は、蛇のようにうねってゴブリンの頭蓋を貫いた。

力無く倒れ臥すゴブリンの横を、馬が通り過ぎる。

「まっ、私に掛かればこんなものよ!!!」

「さっすがぁ!私もやるぞー!!」

「…ちょっと、アルメスは何か言うことないの?」

「ナイッシュー」

「…ふふん」

ドヤ顔を見せるフライクーゲルだが、全力疾走中に手綱から手を離すのはいかがなものか。

アルメスの予想に違わず、フライクーゲルは馬から振り落とされそうになった。

下1コンマで魔物との遭遇判定を行います
21以上で成功です

クッソ今更な胴太貫さんの称号的なやつ載せておきます
忘れててごめんなさい

虚の逸装:参之剣--必斬の刃・胴太貫--


「この洞窟の先か…?」

見るからに手が加えられた小さな洞窟が、目の前に広がっている。

地図を見ると、この先には広い敷地が広がってそうだ。

「警戒しているゴブリンはいないでござるな」

「ゴブリンって狡猾で卑怯な魔物って聞いたことあるけどなぁ」

天之尾羽張の言葉に同調する。

今まで読んできた書物の中では、ゴブリンは等しく邪悪な存在だった。

今回も、騎士団を誘拐したのが彼らだとしたら。

「許せない、かい?」

アルメスは頷き、少し離れた位置の崖崩れに視線を移した。

どんな行動をするかを下1に

☆Time limit 《3 Days 6 Hours》

偵察メンバーを下1に
最低二人、最高四人で、アルメスも参加出来ます

ベヒーモスが偵察組の方に出現したならば、彼女らは間違いなく撤退の選択をする。

理知的に判断出来るフラガラッハがいるなら尚更、戦闘することはしないだろう。

もしするにしても、足止め程度で済ませてその場から逃れようとするはずだ。

ならば、ウェポナの使い手、マスターとしての自分がやるべきことは。

「馬に乗れ。皆と合流しに向かうぞ」

「了解です」

「おーっ!」

可及的速やかにウェポナの元に向かい、支援すること。

それ以外にない。

馬に跨り、所有者と剣たちは仲間の元に駆けた。

「…何をしようと、今の音に反応したゴブリンがこちらに向かう」

「なら、アレの後ろから抜け出すしかないね。マスターの助けがあれば、倒せるはずだ」

「どうすんのよ…。あんなムキムキだと、私の弾丸は効力が薄いわよ」

「この中で一番火力が高いのは胴太貫、君だ」

「…少しの間、気を引くだけで充分だ。頼めるかい?」

「拙者に任せよ」

胴太貫は刀を下段に構え、腰を屈める。

その姿はまるで、獲物を前にした獰猛な獣の、襲い掛かる直前の姿のようだ。

フライクーゲルは小瓶を取り出し、栓を開けた。

漏れ出た光は刀に纏わり付き、ブライの全身を包んだ。

「我が刃、不可視にして不可避の一撃」

「艱難辛苦を斬り伏せ、道を切り拓かん!」

「終之型(ついのかた)…」

脚に力を込め、地面を蹴る。

マナによる筋力増強と、マナの放出による推力の強化が、人智を超えた疾さを生み出す。

瞬きの間に、胴太貫はベヒーモスの足元に迫った。

野生の獣たるベヒーモスも、反射神経は並外れている。

当然、脅威たる存在を排除するために、攻撃を加える。

大きく振り下ろされた右腕は白電に染まり、矮小な人間を叩き潰そうとした。

が、遅かった。

「桜舞(さくらまい)!」

下段の構えから脇構えに移行しつつ、一閃。

剛腕を掻い潜り、懐をすり抜け。

放たれた一撃は、胴体を一文字に斬り裂く。

斬撃で一瞬蹌踉るベヒーモス。

その隙に、ベヒーモスが拓いた道から離脱するウェポナたち。

「グルァァァッッ!」

負傷に躊躇する様子もなく、ベヒーモスは反転、逃げる人間を追うが。

「ガ…ァッ…!?」

胴体の傷とは全く違う、無数の斬撃が全身を斬り刻む。

傷口から飛び散った血は、鮮やかに宙を舞う。

それはまるで、風に吹かれる桜の花びらのようだった。

不測の事態に、ベヒーモスは追撃を中断する。

全身のそれも、胴体の傷と変わらず深々と肉を斬り裂いている。

普通の生き物であれば、この時点で致命傷。

普通の生き物であればの話だが。

「グルルルル………」

動きを止め縮こまると、傷口を光が包む。

すると、傷は全て塞がり、素の状態に戻った。

「ガァッ!!」

そして、エトランゼの元へ急行した。

「ひっでえなこれ…」

岩で塞がっていたはずの場所は無惨に蹂躙され、ぽっかりと空いていた。

どうやら一直線に突っ切ったわけではなく、くの字に道が曲がっているためゴールは見えない。

それが余計に、尋常ではないパワーがあることを示していた。

「…ますたぁ様。私が行こうか?」

「駄目だ。覚装(アーミング)は俺がしんどい」

「…それに、お前も相当キツいぞ。ドーピングと変わらないからな」

「む…」

何が問題かというと、覚装を使ったところで勝つ保証が無いことだ。

助けに向かうだけなら、それだけでも充分かもしれないが。

喪失するリスクがあるのは否めない。

それなら、数的優位のある集団戦の方が良い。

「…うん、分かった。今回は自重するよ」

「そう重く考えるな。これは俺のミスでもあるんだから」

マスターとウェポナが離れることのリスク。

それを考えておくべきだったと反省する。

(なんて未熟だよ、俺は…)

まだまだマスターとしてはひよっこだと、実感するアルメスだった。

「主殿!」

「胴太貫っ!フライクーゲルとフラガラッハも…!」

「死ぬかと思ったわ」

「時間が無いから、掻い摘んで説明するよ」

フラガラッハから事の顛末を聴き、状況を整理する。

洞窟を抜けて間もなく、リュクスベヒーモスと遭遇したこと。

マナを消費して撤退には成功したこと。

そして、追ってこなかったことからベヒーモスはゴブリンの巣へと向かったであろうこと。

「どうすんのよアルメス。私たちの目的は騎士団の救出でしょ?」

「…でもその場合、間違いなくリュクスベヒーモスと戦うよね」

今回相見えたのは、特異個体のリュクスベヒーモス。

獰猛と有名な猛獣の亜種の上、特異個体というスペシャルな存在だ。

特異個体が何を意味しているのかは分からないがそんな大層な名前が付いていることから、碌でもないものだということは分かる。

さて、どうする。

アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆Time limit 《3 Days 4 Hours》

規模は小さくなりますがここからならシェードが一番近いです
どちらに向かうかを下1に

シェード:アルバ渓谷から3時間。町なので規模は小さめ。
ベリルヌス:アルバ渓谷から12時間。街なので規模は大きい。

「今回助ける騎士団…ソル・ブレイヴスだっけ。確か、新米が多いんだったよな」

「ええ。受付嬢はそう言ってたわ」

ベヒーモスの危険性は、その手の者に限らず民間人にも広く伝わっている。

その亜種ともなれば、危険性は跳ね上がっている。

だというのに、新米を多く配備したということは。

それだけ、指揮するリーダーが優れているということ。

そして、確実に対象を仕留められるという自信があることの証左となる。

「…なら、持ち堪えるよな。隊長さんを信じよう」

「俺たちは一度シェードに向かう。準備が整い次第、またアルバ渓谷に戻ってくるぞ」

「ここからなら3時間程度で済む。それくらいなら、騎士団だって耐えるはずだ」

そもそも、何故失踪したのか。

それが不明な以上、下手に手を出すのは良くなさそうだ。

どうにか耐えてくれることを祈りながら、アルメスたちはアルバ渓谷を発った。

下1コンマで魔物との遭遇判定を行います
21以上で成功です

『名は体を表す』というが、こうも名前そのまんまだと、些か面食らう。

シェードの名の通り、風で侵食された岩が天を隠し、巨大な影が町全体をすっぽりと覆っている。

カールした大岩に包まれ、朝と夕方以外は太陽に照らされないその町は、インフェクターに襲われないように無数の照明を点けている。

町の規模としては、面積はベリルヌスの半分。

建築物も、ベリルヌスと比べるとかなり見劣りする。

が、他の街やダンジョンを繋ぐ中継拠点としては、充分な規模なのだろう。

「それで、どうするのますたぁ様。準備って言ったって、どうしたら良いのかは分かってるの?」

「…戦力を増やすってのは、先に言うと無理だ。俺の能力じゃ、5人以上のウェポナは扱えない」

だから、仲間にしたとしてもその時は、一時的に誰かに離脱してもらう必要がある。

こればかりは、どうしようもない問題だ。

解決策の存在しない、無理難題。

「…まあ、今はそれを考えてもしょうがないわな」

今は、やれることだけを考えよう。

アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆Time limit 《3 Days 1 Hours》

「…一回寝る」

「…何言ってるのよ」

「お前な…俺の役目はマナタンクだ。ウェポナの燃料なんだよ。最大効率で戦うなら、休まないとマナ不足になるんだよ」

「マナ不足になったら、長期戦になる。そうなったら、犠牲が増えるんだよ」

分かっている。

休むにせよ直接戦うにせよ、犠牲が増えることは。

どちらを選ぼうと、どれだけの犠牲が出るか、どれだけ犠牲を減らせるか、分からないことは。

でも、だからこそ。

俺は安全策を取りたい。

どれだけ強いのか知らない騎士団よりも、信頼してる仲間に任せたい。

「…やれやれ」

そんな思いを汲み取ってくれたのか、フラガラッハがフライクーゲルに耳打ちをする。

(迷惑を掛けるな、フラガラッハ…)

いつもフォローに回ってくれることに感謝しながら、アルメスは宿屋に入っていった。

睡眠で疲れを取るには、最低でも6時間の睡眠が必要だと言う。

午後1時に就寝し、目覚めたのがその6時間後。

つまり、午後7時に起床したことになる。

「…気分は悪くない。マナも回復した。これなら、戦闘でも大丈夫なはずだ」

「…起きたわね。ほら、ご飯」

仏頂面のフライクーゲルは、出来立てのおにぎりを皿に置いていた。

形はかなり不恰好で、台形とも言えない変な形状をしている。

「ああ、ありがと」

「ふん…いざ戦いってなった時にへばられちゃ困るのよっ」

素直に感謝を述べるが、フライクーゲルは顔を背ける。

相変わらず難儀な性格をしている。

「…美味い」

形が悪いから、味も良くないと思っていたが、なるほど。

程よい塩加減が舌に合う、良い味だ。

母親の料理など滅多に食べたことは無いが、これがお袋の味と言うのだろうか。

「……あっそ…」

「…ふふっ…」

アルメスが呟いた数秒後、フライクーゲルは小さく笑った。

アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆Time limit 《2 Days 17 Hours》

「作戦会議、ですか」

「無策に突っ込んでも、勝機はないでござるからな」

「むー。ひたすら攻撃すれば勝てそうだけどね」

「それで済むなら、とっくに終わっておる」

軽く調べたところ、リュクスベヒーモスの特徴は主に四つ。

一つ目は、その強靭な肉体が齎す圧倒的な攻撃力と防御力。

二つ目は、肉体の変性によって得た異常な回復力。

三つ目は、白電の圧縮、放出による広範囲攻撃。

そして四つ目は、体力が著しく減少した時、角を引き抜いて形態を変え体力を最大まで回復、攻撃力を更に強化する。

「…四つ目は、ベヒーモス種特有の能力よね」

「抜いた角を剣として使うのも、ベヒーモス種に共通した特徴だね」

「剣にマナを纏わせることで威力を上げるのが、攻撃力強化のカラクリだな」

こうして特徴を並べると、とんでもない化け物なのが良く分かる。

こんなものを倒そうとしているのか、あの騎士団は。

その勇気に、素直に感嘆するアルメスだった。

どういう対策をするかを下2まで

「騎士団との合流を優先する、ね。了解」

「もし戦うとしたら、地形と個々の能力を活かす戦術を使う」

「具体的には、谷に誘い込んで動きを制限させた上で、ミスティの『無敵殺し』を用いるんだ」

「殺せはしないだろうが、弱らせればあとは、人海戦術で押し切れる…はず」

「…現状では、それ以上の戦術は無いね。あとは、適宜調整を加えていこう」

話を纏め、馬を待機させている厩舎に向かう。

徹底的に調教されているからなのか、逃げ出す様子は微塵も見せない。

餌の野菜を与え、鐙に跨った。

下1コンマで魔物との遭遇判定を行います
21以上で成功です

アルバ渓谷に帰還したのは午後11時。

もうすぐ日が変わる時間で、空で存在を示している満月が眩しい。

「静かだな…」

「それが、本来の姿なのだろうね」

小鳥の囀りと虫の鳴き声のオーケストラが奏でられる渓谷。

動物の気配はあまりなく、心なしか植物の元気が無くなっているようにも見えた。

「…周囲にベヒーモス、ゴブリン、人間はいないね」

「まだ入ったばかりだからな…。さて、どこから探そうか…」

現時点での目ぼしい場所は主に三つ。

一つ目は、ゴブリンの巣。

二つ目は、サーラ川の上流の湖『レキシス湖』。

三つ目は、ベヒーモスが目撃された『アルバの碑』。

こうも不測の事態に襲われていては、どこにいるのかも分からない。

アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆Time limit 《2 Days 16 Hours》

「騎士団ってことは、野営とかの技術もあるわけだよな」

「ならば、レキシス湖に向かってみるでござるか?」

「湖は氾濫しない時期であれば、野営地としては有用でござる。魚も取れ、水も得られる」

安定した水源の確保。

これが、拠点設営に最も重要なものだ。

ノウハウがある人なら、真っ先にそれを気にするだろう。

胴太貫の言葉に頷き、馬を走らせた。

下1コンマと下2コンマで判定をします
選択肢ボーナスで合流率アップです

下1の方

01~05:時すでに遅し。騎士団全滅。
06~15:ここには拠点を置いていないようだ。
16~30:負傷者、犠牲者が半数ほど出ているが健在。
31~99:騎士団と合流。

下2の方

01~10:リュクスベヒーモス襲来。
11~20:奇数でベリルヌス、偶数でシェードに向かったようだ。
21~99:アルバ渓谷のどっかで爆睡中。

「綺麗なものだなぁ…」

馬を走らせ、小高い丘に到着する。

見下ろす先には、大きな湖がある。

それこそ、目指していたレキシス湖。

湖の畔では黄緑色とオレンジ色の明かりが、自身の存在を主張するように光っている。

オレンジ色は焚き火の色だとして、黄緑色はいったい。

そんな疑問は、湖に近付くと氷解した。

黄緑色の明かりの正体。

それは、蛍の生み出す光だったのだ。

蛍の輪舞曲を見届けながら、オレンジ色の明かりの下に向かう。

近付くほど、人の声が聞こえ始めてきた。

「団長!この薬草はどうすれば良いでありますか!?」

「ふむ。随分と摘み取ってきたようだな」

「彼らに指示を仰ぎたまえ。その手の知識は、あちらの方々の方が有しているだろう」

「…ですが、彼らは…」

はあと溜め息を吐き、団長と呼ばれた男は肩を叩く。

「ミルキィ。私たちは彼らに助けられた。今もそうだ」

「過去の文献に記されていたもの…それに恐怖を覚えているのは、私にも理解出来る」

「だが、過去は過去。今は今だ。そう警戒する方ではないよ」

「もう一度言おう。彼らの指示を仰ぎ、負傷者の治療に当たれ」

「はっ!」

敬礼をし、ミルキィという名の青年は走り去っていった。

その先には、影しか見えないが小人らしきものがいた。

アルメスたちがどんな行動をするかを下1に
合流を果たしたため、タイムリミットは消滅しました

「団長、で合ってますか?」

「君は、いったい…?」

申し遅れましたと、アルメスは依頼書を見せる。

それを読んだ団長は、苦々しい表情をした。

「…伝令を出しておくべきだったか…」

「済まない、手間を掛けさせたようだな。ソル・ブレイヴス団長として、お詫び申し上げる」

「私はソル・ブレイヴス団長『ビリー・グラハム』。ご覧の通り、ブライだ」

「キシダロ、ビリーサン」

「………!?」

突然会話に割って入ったのは、アルメスの腰ほどの身長をした緑色の小人。

これは、もしかしなくてもあの。

「…訂正しよう。私はブライではなく騎士だ。そして、彼は」

「ニンゲンニハゴブリントヨバレテイルシュゾクノモノダ」

「オレノナマエハ『ピドム』。ヨロシク」

理解が追い付かない。

「…まず、何故我らが失踪したのかを説明しなければな」

彼ら曰く、突然襲撃してきたリュクスベヒーモスによって、崖崩れに遭ったらしい。

岩場の頂点に立ったベヒーモスが、岩を片っ端から砕いて投げつけたそうだ。

崖崩れから皆を守ったビリー団長だが、流石に全ての岩を破壊することは叶わず、何十名か負傷したらしい。

そこに現れたのが、彼らゴブリン集団。

負傷者問わず騎士団全員を巣に避難させ、治療に当たってくれたそうだ。

そして昨日。

突然の轟音の後、リュクスベヒーモスに巣は襲撃され全壊。

ゴブリンと騎士団も、命からがらレキシス湖まで逃げてきた。

これが、今までに起きたことだそうだ。

「今後の方針だが、ある程度の治療が終わり次第、リュクスベヒーモスの討伐に向かう」

「…それが、私たちの受けた命令だ。背くわけにはいかんよ」

険しい表情で、はっきりとビリー団長はそう告げた。

質問、提案があれば下2まで

「…その討伐、俺たちも加勢して良いでしょうか?」

「何故だ?君たちの任務は、我々の無事を確認することだろう」

わざとらしく問うビリー団長。

余計な犠牲は生みたくないという感情が、こちらを見つめる視線から感じ取れた。

「俺たちの任務は、騎士団の救出です。それを達成するには、脅威であるリュクスベヒーモスの討伐が必要不可欠です」

「それを出来るだけの力はあるのか?」

「あります」

即答。

それだけが、彼を説得する手段だと、アルメスは判断した。

下手に言い淀んだり、流暢に説明するのは、却って悪手な予感がしたのだ。

有無を言わさず言い切る方が、押し切れそうな気がした。

「…では、君の戦術を聞こうか」

「はい。まずは…」

リュクスベヒーモス討伐に向けた会議は、太陽が顔を見せるまで続いた。

「良い朝だな。この光景を見るだけで、心が安らぐ」

「ビリー団長は、ブライについて詳しいんですか?」

「いえ、説明の際にブライだと一度嘘を言っていたので、気になって…」

「詳しくない、と言えば嘘になるな。それに、ブライというのも嘘ではない」

「私は、親友の叔父上に教授を受け、ブライとして認められている」

何故だ、急に胡散臭くなってきたぞ。

「…では、ブライのどこに感銘を受けたのか、教えてもらえるでござるか?」

「その語尾…もしや、貴殿もブライで?」

「いかにも。拙者は拝 一刃。ジパンギアのブライでござる」

「…カチウに身を包んではおられない様子だが…」

「…リュクスベヒーモスと交戦する前に、諸事情で脱いだのでござる。後ほど回収する予定でござる故、お気になさらず」

今の胴太貫の格好は、かなり破廉恥である。

機動性のみを考慮した黒い半袖と、スパッツのようなインナーしか着用していない。

ヘソは丸見え、太腿も思いっきり露出していると、痴女と思われても仕方のない格好をしている。

黒い襤褸切れで隠してはいるが、それが逆に破廉恥度を引き上げている可能性も否めない。

「…それより、拙者の質問にお答えしていただきたい」

「ああ、そうでしたな。私が感銘を受けたのは『ブライの道は死ぬことと見つけたり』ですな」

「『死』こそが、ブライの道の終着点。その終末の時を如何にして迎えるか…」

「それこそがブライの真髄だと、そう思いました」

「…ただのブライ被れでござったか」

「なんとっ!?!」

どうやら、ビリー団長のブライ観は大間違いのようだ。

「皆、ちょっと聞いてくれ。騎士団の団長と話をして、ベヒーモスとの決戦は翌日に行うことに決定した」

「勝算は?」

「あるに決まってるだろ?」

ニヤリと笑い、アルメスはフライクーゲルを見やる。

フライクーゲルも同じように笑い、紅茶を嗜んだ。

「じゃ、それまでは自由行動ってこと?」

「そうなるけど、消耗するような行動は避けろよ。明日は殺し合いをするんだから」

「綺麗な湖だから、泳いだりしたいんだけどなぁ」

「服乾かすのに時間掛かるじゃん」

パタパタと足をばたつかせる天之尾羽張を宥めると、ゴブリンのピドムが木皿を持ってきた。

「サカナノスープ、ウマイゾ」

「…ご丁寧にどうも」

礼をして受け取ると、ピドムも礼を返す。

「オレタチモ、ニンゲンニハタスケラレテバカリダッタ」

「ダカラ、キニシナクテイイ」

何というか、文献と全然違うな。

アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆決戦まで 24 Hours

「フラガラッハとビリー団長の話を擦り合わせて分かったことがある」

「ふむ、言ってみたまえ」

ウェポナしかこの場にいなかったはずだが、まあいい。

「…あのベヒーモス、強い奴を積極的に狙ってますね」

ウェポナのマナは普通の人間と然程変わらないがその体質上、普段から凡百の人間よりも身体能力が高い。

マナを行使すると、その身体能力は跳ね上がる。

だが今回充てていたマナは、非常に短い間、8割程度の力を引き出す量のマナだった。

故に、一撃を浴びせてそこで能力強化が終わってしまった。

自身に傷を負わせた者が逃げれば、それを追うのが野生の獣の本能。

しかし、ベヒーモスは追わなかった。

それは何故か。

その原因は、ビリー・グラハムの存在だ。

彼の戦闘能力を嗅ぎ取り、惹かれ、屠りに向かったのだ。

自分こそが頂点だと示すために。

「そこにつけ込めば、誘き寄せるのは容易でしょう」

「…問題は、攻撃のタイミングだな」

話し合いと予行演習は、数時間続いた。

アルメスたちがどんな行動をするかを下1に
ベヒーモス戦に補正が僅かに掛かります

☆決戦まで 《24 Hours》

あ、決戦までは18時間です
安価は下ずらし

決戦前とはいえ、四六時中気を張り詰めていたら疲弊してしまう。

その辺りは全員解っているのか、釣りや談笑をして時間を潰している。

「よっ」

釣竿を振り、針を飛ばす。

水音が立ち、水紋が広がる。

待てども待てども、魚が掛かる様子は無かった。

「エサガワルイ。コノ『デブミミズ』をツカッテミロ」

「うぇ…。気持ち悪い見た目してるなぁ」

ピドムが握っているのは、直径5センチ、全長10センチの気色悪いミミズ。

デブと言われるだけあって、長さはそのままにブクブクと太っている。

「フンッ」

それを一切の躊躇なく、針に通す。

頭を貫く異物に悶え、跳ね回るミミズ。

見た目はよろしくないが、活きが良いのは伝わってくる。

「ソレヲ…ソウダナァ。アソコノミズクサフキンニトバセ」

「こう、かな?」

少し強めに竿を振る。

放物線を描いて飛んで行った針は、綺麗に指定ポイントに落ちた。

「オォ、ウマイジャナイカ」

「どうも」

「あっ、ますたぁ様が釣りしてるー!」

「灯之夏っ!早く次のカードを引きなさーい!」

「ごめーん!後で続きしようねー!」

皆、自分なりに決戦に備えているようだ。

休養中にやることがあれば下2まで

「………!」

「ほう…なかなかやるようだな」

模擬戦に興じていたフラガラッハとビリー団長。

当然と言うべきか、やはりと言うべきか。

ビリー団長の方が圧倒的に上手で、フラガラッハは首元に刀を添えられていた。

「…参ったね。それなりには戦れるんだけど」

「私も驚いたさ。二振り目を抜かせられるとは思わなんだ」

そんなことを言うビリー団長だが、汗の一つもかいていない。

世辞を受け流し、フラガラッハは剣を仕舞った。

「何と…!武器が消滅するとは。空間魔法か、それとも錬成魔法か」

「そんな大層なものじゃない」

全力は出していないとはいえ、ウェポナをこうも簡単に打ち負かすとは。

彼は本当に人間なのか。

二人に聞きたいこととかあれば下2まで

そういえば、彼は騎士なのにどうして刀を武器として使っているのだろう。

胴太貫が言うにはブライに憧れているだけで、きちんとした知識は全く無いらしいが。

「それ、刀ですよね。どうして、騎士なのに刀を持っているのですか?」

「これは…そうだな。親友の残した餞別、とでも言おうか」

「名は『不知火』と『雲龍』。この世に二つと無い、名刀だ」

「…その、親友の方はお亡くなりに?」

「はは、言い方が悪かったな。彼はまだ死んではいないよ」

「ただ、長い休暇を取っているだけ、さ…」

悲しげに微笑み、ビリー団長は空を見上げた。

太陽は照らす。

貴族も、貧民も、動物も、植物も、建物も、命も、亡骸も、信念も、怨念も。

平等に、照らすのだ。

「…今回の討伐作戦、二人には『リュクスベヒーモスの誘引』に当たってもらいます」

最前線で、ひたすらに攻撃を受けながら誘い込む、最も危険な役目。

それを、彼らに託した。

彼らにしか託せなかった。

「危険な役目を任せた分際で烏滸がましくて、矛盾していることですが、無茶だけはしないでほしいんです」

死ぬことは、勇敢なこととは限らない。

逃げることは、愚かなこととは限らない。

逃げることを選ぶのもまた、勇気ある行動だ。

名誉と未来を秤に掛け、未来を選び取る勇気があるから、逃げることが出来るのだから。

「…少し、蘊蓄を語らせてもらおうか」

「我が騎士団『ソル・ブレイヴス』…。何故、そのような名前が付けられたと思う?」

その問いに、アルメスは答えられない。

何があって設立されたのか、その一切を知らないが故に。

「ソル・ブレイヴス。又の名を『太陽の勇者』と言う」

「『命を脅かし、民を虐げるものに立ち向かう勇気を持ち、太陽のように人々を、未来を照らす存在として在り続ける』」

「…それこそが、初代団長殿の掲げた『ソル・ブレイヴス』の理念だ」

「その理念に沿い、民を守るのが我々だ。そのような命の危険など、百も承知」

「疾うに、命を捨てる覚悟など出来ている。民を守れ、希望を未来に繋ぎ逝けるなら、本望だ」

曇りなき微笑みを浮かべるビリー団長。

アルメスは口を噤み、沈黙しているしかなかった。

「…だから、君が気にする必要は無い。遠慮なく私を使うといいさ」

気遣いのつもりか、そんな言葉が投げ掛けられる。

答えることなど、出来るはずもなかった。

それから時間が経過し、太陽は地平線に沈み始める。

あと数時間で決戦が開始される。

「…皆、どんな感じで暮らしてたのかな」

無意識のうちに口から出た疑問。

それに怪訝な表情で、フライクーゲルは問い詰める。

「なにそれ。これから死ぬから、最期に知っておこう~みたいに言わないでくれる?」

「あ…ごめん」

もしかすると、本能が察知したのかもしれない。

この戦いで、誰かが犠牲になる、もう二度と言葉を交わすことすら出来なくなると。

「んー…。まあ、仲良くなるなら色々と知っておいた方が良いよねっ」

「これからも旅をするわけだからね」

「…まあ、私の優雅な暮らしとか言ってなかったものね。いいわ」

思いのほか、皆乗り気のようだ。

生い立ちを聞きたいウェポナを下2まで
一レスにつき一人しか選べません

「私の名前はロクサーヌ・アーテリンデ…皆知ってるわよね」

「ああ。どっかの国の『アーテリンデ家』の御令嬢だろ」

「…『ヴァジュラ共和国』よ。ちゃんと勉強しなさいよ」

「つってもなぁ…。俺はそんな、外の知識に触れることなんか無かったし」

ヴァジュラ共和国。

アガスティア連邦に加盟している小国で、国力自体は大したことない。

彼女と出会ったのは、そのヴァジュラ共和国議会の議員『ユリウス・アーテリンデ』の娘としての公務に携わっていた時のことだ。

ウェポナ捜しに奔走していた時に『顔も名前も知らない男の家に嫁ぐのはまっぴら御免だ』と愚痴を吐かれ、色々あって。

一騒動あった結果、彼女とこうして旅をしている。

何を隠そう、彼女『フライクーゲル』こそが、初めて仲間になったウェポナなのだ。

「『アーテリンデ家』に生まれて、まあ愛されてたわね。肩車もしてくれたし、誕生日ケーキもいっぱい貰ったし」

「それに酬いる義務があるのは分かるわ。親孝行をするのは、当然のこと」

「でも…親に決められた結婚は嫌よ。お父様やお母様の事情も解る。けど、それだけは譲れなかった」

「私の人生を決めるのは、私。他人が好き勝手に敷いたレールの上を進むなんて、絶対に嫌だった」

「私は人間である前にウェポナなの。『ロクサーヌ・アーテリンデ』でもあるけど、私は『死銃・フライクーゲル』なんだから」

だから、両親と袂を分かった。

元より、この縁談は『アーテリンデ家』の地位を上げるための手段としての政略結婚だった。

それを拒んだところで、悪化するわけではない。

そもそもの話、フライクーゲルが拒んだ縁談自体は『そういう話が出た』だけで、結婚する前提で進んでいたものでは無いのだ。

当の本人は知る由も無いが。

「…はあ。優雅も何もないわね。こんな話」

落ち込む気分を誤魔化すように、フライクーゲルは紅茶を飲んだ。

私には、過去が無い。

正確に言えば、過去を知らない、憶えていない。

どこで産まれたのか、何をしていたのか。

全てが箱に詰められ、鍵を閉めているように、何も浮かばない。

ただ一つ、憶えているものは。

私が、ウェポナだということだけ。

ますたぁ様と出会う前を思い出そうとすると、頭が割れるように痛くなる。

まるで、嫌な記憶ばかりだから心が拒んでいるようで、怖い。

他人の過去に興味があるのに、自分の過去を提示出来ないのは、卑怯だけど。










『私』が嫌がっているなら、仕方ないよね?

「………」

「天之尾羽張?」

「あはは…ごめんね、忘れちゃってるみたい」

「ますたぁ様と出会ってから、楽しいことがいっぱいあったからかなぁ。全然出てこないや」

「ごめんねっ」

「…まあ、絶対に言わなきゃいけないわけじゃないしいいよ。嫌な記憶だってあるだろうし」

コップの水を掛け、焚き火の火を消す。

チラリと視線を景色に移す。

遠くの山で、白電が躍っていた。

アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆決戦まで 《6 Hours》

「ここがこうなって、この広場を寝床としてるなら…」

「私たちはここで待ち構えてたら良いんだね」

「…私は、この高台で狙撃の準備をするんですね」

作戦前にもう一度、地形の確認をしておく。

チャンスは一度しかない以上、失敗は許されない。

陽動、封鎖、狙撃、総攻撃。

何れが失敗すると、そこから総崩れになる可能性がある。

「フラガラッハ、実際ベヒーモスの探知は出来るのか?」

「このエリアの魔物が弱いお陰でね。あれだけ強烈なマナを放っているのは、奴だけさ」

今回ばかりは、簡単に破壊される脆弱な生態系が有利に働くようだ。

「…ただ、君の支援無しで後退するのは、些か厳しいね」

「…悪いな。作戦上、俺はミストルテインにマナを供給しなきゃならない」

そして、狙撃が済み次第、攻撃隊に合流して再度マナ供給をする必要がある。

死ぬことは無いだろうが、何だかんだで一番負担が大きいのだ。

「…ま、やるしかねぇわな」

それが、今回の任務なのだから。

せいぜい、果たすべきは果たさせていただくさ。

「ビリーサン、コレヲ」

「ピドム殿。これは…ポーションですか」

「アア。オシエテモラッタトオリニツクッタダケダカラ、コウカハホショウデキナイガ…」

「…いえ、助かります」

数本の小瓶を受け取り、ポーチに収納する。

「…タノンダゾ。コノチニ、フタタビヘイワヲモタラシテホシイ…」

「ええ。必ず」

刀と石剣が、甲高い音を立てた。

深夜の渓谷を、二人の戦士が駆ける。

一人は金色の髪を靡かせ、一人は黒い鎧に身を包む。

「アンサラー殿、もうじきアルバの碑に到着するが」

「…分かっています。もう少し近付かないと、感知出来ませんよ」

フラガラッハの能力はアルメスの支援が無ければ、そこまで広範囲をカバーすることは出来ない。

結局はウェポナなので、真価を発揮するには、マスターであるアルメスがサポートするのが必須だ。

だが、今回はそれを望めない。

だから、リスクを冒してでも接近しなければならない。

元より、陽動をするなら姿を見せる必要があるのだから。

「いました」

フラガラッハの指差す先には、5メートル程度の石碑が建っている。

その根元に丸まるように、奴は眠っていた。

「…では、作戦を開始する。閃光弾と馬を出すの準備を」

「了解」

馬を降りたビリー団長は、二刀を抜く。

紅を纏い、それは爆ぜた。

「グ…オォォォォォオンン!!!」

一刀必滅。

そう念じたビリー団長の一閃は、遠く離れたベヒーモスを斬り伏せる。

だが、その肉を両断するまでは行かず、直ちに傷が癒えてしまう。

「よし、これで注意はこちらに向いた。このまま作戦ポイントまで誘引する!」

「っ!」

素早く馬に乗り、走り出したビリー団長。

続けて、フラガラッハも馬を出す。

同時に放った閃光弾は、空で太陽と変わる。

賽は既に投げられた。

後は、運を手繰り寄せるだけだ。

下1でコンマ判定です

01~20:ベヒーモスくん何かに気付く。
21~99:誘引に成功。

「フッ!」

「ゴアァァァッッッ!!!」

凶悪な一撃を、跳躍することで回避する。

何度攻撃を避けても追ってきていることから、作戦に感付かれてはいないようだ。

こうして今もなお、涎を垂らしながら地面を砕き、走っている。

「…あと10秒で作戦ポイントに到達する。手筈通り、回避するようにな」

「ええ、分かってますよ」

仲間の攻撃で死んでは敵わない。

『爆撃』だけは、絶対に回避しなければ。

「………!」

待機していた騎士と目が合った。

「今だッ!ミルキィッ!」

「了解…ッ!」

ミルキィ・ウェイは直剣を抜き、天に掲げる。

地面に一筋の光が刻まれ、裂け目から光が溢れ出す。

その上を二人が駆け抜け、その直後に怪物が線の上に乗る。

同時に、光は奔流となり空へと伸び、弾けた。

「光が…!」

高台からでも確認出来るほど、眩い光が弾け飛ぶ。

合図があった。

ならば、次に打つ手は。

「マナは充分に送った…!やれ、ミストルテイン!」

「はい!」

髪を一本引き抜き、マナを込める。

髪は木の枝へと形を変え、サイズが小さくなる。

掌サイズの小さな枝は、ミストルテインの手の中で弱々しく光っていた。

それを小型ボウガンに装填し、狙いを付ける。

魔法に類似する攻撃のため、風力や風向を気にする必要は、無い。

重要なのは、コントロールだ。

この一撃が、全てを決める。

「弱きに宿り、強きを穿て…。汝は、最弱にして最強の一矢!」

「『無敵殺しの矢(ミストルテイン)』!!!」

小さな枝は、強きを喰らいに空を駆けた。

特性と作戦ボーナスと準備ボーナスで成功率アップです
下1コンマで判定です

01~05:回避された。
06~45:直撃。ある程度のダメージ。
46~85:クリティカルヒット。痛烈な一撃。
86~99:その枝は、絶死の矢と変わる。

(ミルキィの魔法で、ほんの一瞬だが奴は怯んだ。さて、狙撃の方は…)

ベヒーモスは魔法に警戒し、足を止めた。

今は、何から仕留めるか考えているのだろう。

(ッ!来たか…だが、この微弱なマナで奴を…?)

小動物にも劣る、僅かなマナが接近する。

あまりにも弱いそれは、歴戦の勇士でなければ気付けない。

しかし、怪物は手練れとはいえ所詮は獣。

弱者の存在など、眼中にも無い。

故に、その一撃に気付くことは出来ず。

「ゴ………ァッ………!?」

「なんっ…という……ッ!!!」

ヤドリギの枝は、心の臓を撃ち抜き、実った。

最終判定です
下1コンマで判定します

01~20:特異個体の本領発揮。
21~99:流石に死ぬ。

「オ…ギ……ゥゥゥゥッ………」

痛みに悶え身動ぎするベヒーモス。

その身を、ヤドリギは蝕み続ける。

血を吸い、栄養を奪い、成長を続けるヤドリギは。

全身を食い破り、か弱い花を咲かせた。

「…上手くいったか。良くやった、マスター、ミストルテイン」

「まあ、皆無事で終わったならそれで良いわ」

「拙者たちは何もしていないでござるが…」

「ア、ソコノブライノヒト。コレ」

「これは、拙者が置きっ放しにしていたカチウ!」

「………」

ビリー団長はベヒーモスの遺体に寄り、枝を折る。

何の変哲も無い、ただのヤドリギだ。

(…そこらに生えてる植物と変わらない。マナを微かに帯びているだけだ)

(どんな魔法を使えば、あのような芸当が出来るのだ…?)

疑念が一つ、ビリー団長の中で沸いた。

「今回は本当に助かった。国を代表して、感謝を申し上げよう」

「…それと、ロクサーヌ様。父上が嘆いておりましたよ」

「…ふんっ。『早く娘離れしろ』って伝えておきなさい」

「かしこまりました」

ビリー団長はベヒーモスの皮を少しだけ剥ぎ取る。

彼が言うには、討伐の証拠として対象の一部を提出する必要があるそうだ。

これは依頼でも変わらないみたいなので、憶えておいて損はないだろう。

今回は救出が目的であって、討伐することは考えられていないので、こちらが提出する必要は無いはずだ。

「残りは好きに使って良い。それが、今出来るせめてもの礼だ」

「君たちのことは上の者にも伝達しておくよ。もし我が国を訪ねることがあれば、丁重にもてなそう」

「あはは。どうも…」

「では失礼!吉報を早急に届けねばならないのでなっ!」

敬礼をし、騎士団とゴブリンは足早に去っていった。

「…それで、どうするの?これ、?ぎ取っちゃう?」

ベヒーモス種自体、素材として優秀だと聞く。

その亜種ともなれば、価値は桁違いだろう。

剥ぎ取るかを下1に
報酬はこちらで決めたもので固定です

「剥ぎ取りじゃー。良い武器とか防具を作るには、良い素材が必要だからな」

純粋な戦力強化が望める上、ウェポナであることを隠すことも可能だ。

その上、新しい武器が生み出されたら、ウェポナに覚醒する人が出てくることもあり得る。

武器よりもウェポナが先に存在するのはそうなのだが、それはその武器が人為的に生み出されていない場合だ。

そうでなければ、人が作り出した物なら、その限りではない。

「というわけで、頼んだわよ」

「はーい。剣じゃないと皮とか剥ぐの無理だもんね」

天之尾羽張が、手際良くベヒーモスの解体を行う。

元々大きな魔物だからか、相当数の素材が入手出来た。

☆以下のアイテムを入手しました

『断罪の聖剣角』

リュクスベヒーモスの頭部に生えている一歩の大角。
ピンチの時にはこれを引き抜き、命を刈り取る剣として扱う。
亜種のためか一般的な物に比べて大きく、白電を纏っているため持つとピリピリする。

『断罪の滅爪』×2

リュクスベヒーモスの前脚から獲れる、荒々しい爪。
見かけの割に非常に軽く、硬い。
例によって白電を纏っており、加工すれば強力な短剣と変わるだろう。

『白電纏う聖毛』×8

リュクスベヒーモスを守る、手触りの良いふわふわな毛。
白電が常に放出されており、雷属性に強い耐性を持つ。
これのお陰で、物理攻撃にも耐性を持っているようだ。

『命喰む大牙』×3

リュクスベヒーモスの口から獲れる大きな牙。
その鋭利な牙で肉を裂き、命を喰らう。

『大きな純白骨』×4

大型の魔物から獲れる骨…よりも白く、軽い。
軽量化が施された肉体をしているなら、あの素早さも頷ける。

『穢れを映す眼』×2

リュクスベヒーモスの目玉。
凶暴な顔をしているが、結構目はクリクリしてて可愛い。
磨り潰して薬として用いることが出来る、かもしれない。

『麗しき白尾』

図体の割に細い尻尾。
薬として使えるかもしれないが、防具のアクセントにも使えるも!

「はい…。はい!確認しました!」

ビリー団長が既に伝令を出していたようで、任務達成の確認はスムーズに終わった。

また、リュクスベヒーモスを討伐したことも伝わっていたらしく、証拠となる素材を見せるようにも言われた。

「本当にありがとうございました!これで、アルバ渓谷も少しずつ元に戻るはずです!」

結局、特異個体とは何だったのか。

何があってベヒーモスが出没したのか。

謎は幾つか残っているが、恙無く終わったなら気にすることはないだろう。

そう思いながら、任務達成を示す印鑑が押されるのを眺めていた。

アルメスたちの行動を下1に

「打ち上げ…って…。確かに大仕事が終わったけど、浮かれ過ぎじゃないの…?」

「まあ、良いんじゃないかな?働いてばかりでは疲れるだろう」

「偶には、自身を労って休養を取るのも必要だよ」

「…拙者は主殿の命に従おう」

「私はますたぁ様が楽しいならそれで!」

「…ノーコメント、です」

何故だ、思ったよりも好意的じゃないな。

「み、皆のお陰で勝てたんだからさ!皆を労うためなんだよ!」

それが本質であって、馬鹿騒ぎしたいわけではないのだ。

ホントですよ?

「それじゃ、乾杯!」

好みの飲み物を片手に乾杯をする。

アルメスと天之尾羽張、ミストルテインは未成年なのでジュース、他の三人は成人済みなので、ワインやジパンギア酒をチョイスしている。

「…少し質が悪いでござるな。輸送中に発酵が進んだか、粗悪な模造品か」

「ジパンギアは遠いから、しょうがない部分もあるでしょ」

「………」

「せっかくの宴なんだから、そういうのは言わないでほしいなぁ」

「マスター、この煮込みは美味だよ」

「むぐぐ。あ、ホントだ」

「…このミルク、美味しい…」

女性ばかりだからか、馬鹿騒ぎとはいかないようだ。

仲間の痴態など見たくもないので、それで良いのだが。

何があったとかどんな話をしたとかを下2まで

「アルメス!もっとお野菜も食べなさい!」

「お前は俺の母親かぁ!?」

「マスター、デザートのプリンは如何かな?」

「ください」

「アルメスくん、私とお話ししましょお?」

「はいはい。ちょっと待って…」

ふと、思う。

こんな色っぽい声を、仲間が出せただろうか。

そもそも、俺を『アルメスくん』と呼ぶ人などいたのだろうか。

声のした方を見ると、いた。

知らない人が。

「…あんた、誰です?」

「通りすがりの物知りお姉さんよ~」

手をヒラヒラと振る女性。

ローブからチラリと見える唇が艶めかしい。

「アルメスくん、君のことは聞いてるわぁ」

「…誰からです?」

「さて、誰でしょうね」

指を唇に当て、妖艶に笑う女性。

仲間の誰かが漏らしたとは考えにくい。

だが、幾ら追及しようと情報を吐きそうにない。

諦めて、話を続けることにする。

「…で、あんたは何用ですか?」

「興味があるのよぉ。君に、ね♪」

そう言って、女性はペロリと舌舐めずりをする。

背筋がゾワっとした。

「その能力…凄いわよねぇ。血統によるものかしら?それとも、その身体に何か秘密が…」

「ああ…想像するだけでゾクゾクしちゃう…?」

「ヒェ…」

「…メーティス。貴女はここから立ち去ってくれないかな」

「水入らずで過ごしたい時間だ。だから…」

「…ね?」

フラガラッハの目が開いた。

瞼の奥に隠されていた、蒼い瞳が女性を射抜く。

「はぁい。アルメスくん、また逢いましょ?」

チュッと頬に口付けをして、女性は去っていった。

女性の唇って柔らかいんすね。

「…はあ。何を話してたっけ」

「…何も話してないわよ」

えらく不機嫌なフライクーゲル。

少し不穏な空気だったので、それを変えるべく話題を提供する。

「これからどうする?」

「どうするも何も、ウェポナを増やすとしたら拠点が必要じゃないかな?」

アルメスにはどうしようも出来ない問題として、6人以上のウェポナは直接使役出来ない問題がある。

マナの限界量によるものかは定かではないが、これはおそらく成長しようと変わりそうにない。

これを解決するには、有事の際に集まることが可能な拠点を持つ必要がある。

特定の場所に瞬時に移動する道具は存在するので、それを使えばいい。

かなり値は張るが、それを持っていれば利便性は相当向上する。

また、拠点があるなら使役出来ないウェポナに指示を出し、集合するのも容易となる。

「私は色々な場所を旅したいわね」

この世には、まだまだ未知の領域が沢山ある。

それを解き明かすのもまた、一興だ。

「ふむ…」

目的を決めるというのも、悩ましいものだ。

ハートに変換出来ない、何故じゃ

下2までに今後の目標とかを

「…仮定の話をしてもしょうがない。その時になったら、改めて話をすりゃいいさ」

「じゃ、今まで通りに旅をするってことね」

「ああ」

実際に起こるかどうかも分からない話だ。

一々気にすることもないだろう。

それより、剥ぎ取った素材をどう使うかの方が気になってたりする。

俺でも使える武器とか作れるのかな。

「…マスターにその手の心得は無いから、あまり期待は出来ないよ」

「うるせぃ」

夢くらいは見たっていいじゃないか。

アルメスたちの行動を下1に

ベリルヌスは、商業の盛んな街。

他国と他国を繋ぐ要衝にして、祈りの集う聖地であるこの街に、人が集まらないはずがない。

人が集まれば、商いが始まる。

商いが始まれば、人が集う。

集まり、交わり、集まり、交わり。

いつしか、ベリルヌスは世界有数の大都市となっていた。

その根幹には、メチアロイフ大聖堂の存在があった。

「こんだけ人が集まりゃ、嫌でも産業が発展するよな」

旅人で大繁盛のメインストリート。

そこには、旅人や冒険者たちを引き入れようと、無数の店が軒を連ねている。

ここは、ベリルヌスの中でも選りすぐりの店しか出店出来ない一等地。

「ここなら、例の素材も加工出来るでござろう」

「なら良いけどねぇ」

金は掛かるが、こういう店でないとマトモな対応をしてもらえなそうだ。

店の名前を下1、店員などを下3まで募集します
店名と店員は併記可能です

メインストリートを歩くこと数分。

ふと、人でごった返している鍛冶屋が目に入る。

名は『ヘーパイストス』。

ショーウィンドウには美麗な武器や防具が飾られていた。

素人目にも分かるほど、精巧に作られたそれは、眩いくらいに輝いて見えた。

人だかりの視線は全て、展示品に向けられている。

無理もないことだと、アルメスたちは一様に感じた。

「ここにしようぜ。これだけ綺麗な展示品があるなら、もしかすると…」

「了解。中に入る面子は…誰にする?」

「ルーラとますたぁ様で良くない?」

「武器のことなんて分かるわけないし」

「ウェポナなのにね」

「ねー」

「…分かったよ。じゃ、行こうかマスター」

「ん」

はあと溜め息を吐き、フラガラッハは話を纏め、店へと入った。

「『ヘーパイストス』へようこそ!本日はご来店誠に有難うございます!」

「ご所望の武具はお有りでしたか?素材の持ち込みも大歓迎ですよっ!」

「あ、その件なんですけど」

アルメスは鞄から、剥ぎ取った素材を取り出し、店員に見せた。

「これ、加工したいんです。出来ますかね?」

「わぁ…立派な爪ですね…。師匠に訊いてきますっ!」

パタパタと走り、店員は裏へと消えた。

「マスター。あの角は、取り出せるのかい?」

「まあ、な。人目につく場所ではしたくないけど」

数メートルもある角や数十センチの目玉を、持ち歩くわけにはいかない。

だからといって、鞄に入るような物でも、簡単に預けられるような物でもない。

そこで、アルメスは自身の力を使い、ある場所に『保管』している。

その場所は、アルメス以外は決して触れることは叶わない、隔絶された領域。

マナの消費はあれど、安全性を考慮すればそこに保管するのが最善だった。

「…そうだね。君の力は、その悉くがイレギュラーだ」

「あまり見せびらかすものじゃない。それは、自覚しておいてくれ」

「…解ってるよ」

耳打ちするフラガラッハに、頷いて返すアルメス。

程なくして、店員は筋骨隆々な老人を連れて戻ってきた。

「…キルデアが迷惑を掛けた。こいつはまだ新米でな」

「…話は聞いている。ついてきてくれ」

老人に言われるがままに、アルメスたちは鍛冶屋の工房に進む。

ハンマーや竃、様々な工具が所狭しと存在する、無骨な工房だった。

後で店員に聞いた話だが、彼の名は『ヴァルカン』。

この『ヘーパイストス』の店長らしい。

「そこに掛けてくれ。用件を聞こう」

先程話は聞いていると言っていた気がするが。

人伝てではなく、直接確認しておきたいのだろうか。

「えっと。素材を加工してほしいんですけど…」

アルメスは、素材を書き記した紙を渡す。

それを見たヴァルカンは、険しい表情をした。

「師匠が言うには、この素材で武具を作ろうとしたら、幾つか素材が足りないみたいです」

「プランにもよるんですけど、足りない要素は主に3つです」

「素材を削り、性質強化に必要な鉱石、素材を繋ぐ木材。そして、補強を行うために必要な追加アイテムですね」

「この店に在庫とかは?」

「…ありません。そもそも、リュクスベヒーモスが素材として持ち込まれるなんて初めてらしくて」

つまり、武具が欲しいなら自力で採集してこいと言うことか。

☆製作可能品


『罪断ち裁くマズラ』

断罪の聖剣角を加工して作り出した大剣。
軽く扱いやすいその剣は、罪を断ち切り命で償いをさせる。

消費アイテム

断罪の聖剣角
白電纏う聖毛×4
大きな純白骨×3
麗しき尻尾
ディーヴァ鉱石×10
霊峰の木材×3
極光珠×2


『雷光の双刃・ディルバミス』

断罪の滅爪を加工し作り出した二振りの短剣。
刃に纏う白電と光で、悪しきを滅し未来を切り拓く。

消費アイテム

断罪の滅爪×2
白電纏う聖毛×2
大きな純白骨×2
追憶の隕鉄×2
霊峰の木材×2
極光珠
征雷珠


『煌牙』

光が生まれ、闇は死ぬ。
正しい道を往く者よ、闇に染まらず只進め。
今、剣を取れ。
今、悪を断て。
混沌を制すのは、勇者(あなた)だ。

消費アイテム

命喰む大牙
白電纏う聖毛
大きな純白骨
穢れた外殻×4
アガスティアメタル×4


『死拒む聖鎧・デビアス』

リュクスベヒーモスから取れた素材をふんだんに使い、製作した鎧。
鈍重な外見に反して、その機動性は抜群。
物理、雷、光に高い耐性を持ち、迫り来る死を否定する。

消費アイテム

白電纏う聖毛×6
麗しき尻尾
追憶の隕鉄×6
世界樹の樹皮×4
聖女の布×3

以上の装備か皆様が考えた装備から、製作(というか予約)する武具を決定します
日が変わるまで質問等を受け付けますので、何でも訊いてちょ

皆様が投稿した武具は、こちらで素材を取り決めます

冷静に考えたら、時間的に質問とか出来るわけないですよね
やっぱ再開するまで募集します
グダグダで申し訳ありません

『混沌槍斧・バルムード』
?断罪の聖剣角をニードル部分に、断罪の滅爪を斧頭に使用した槍斧(ハルバード)。
?その名の通り、圧倒的な性能で戦場に『混沌』をもたらす。

備考:端材で太刀が一つ作られる。

消費アイテム

断罪の聖剣角
断罪の滅爪
白電纏う聖毛×6
大きな純白骨×2
世界樹の樹皮×4
追憶の隕鉄×4


『雷光・聖義(らいこう・せいぎ)』
?断罪の滅爪と征雷珠を加工して作り出した直刀。
とても軽く、折れることがない。
刃に白雷を縫うことができ、切ったり雷での攻撃が可能。

消費アイテム

断罪の滅爪×2
命喰む大牙×2
大きな純白骨×2
征雷珠×3?
霊峰の木材×2


?『弾劾の鉄槌・ミョルニル』

?リュクスベヒーモスの素材と硬度の高い鉱石を組み合わせて造られた戦鎚(ウォーハンマー)。
?強固な鎚頭に雷が加わることにより、直撃した瞬間に鎚の衝撃と放電が二重に作用する構造になっている。 ?
その破壊力はすさまじく、文字通り一撃で敵を粉砕する。

消費アイテム

命喰む大牙×3
白電纏う聖毛×4
大きな純白骨×2
霊峰の木材×4
アダマンタイト×2
アガスティアメタル×4
征雷珠×2


?『妖刀 血吸丸』

?鞘は真紅で、刀身は鮮やかに赤みがかっている。
この刀を一度抜き放つと己の中に眠る闘争本能が掻き立てられ、好戦的になる。
しかし、心が弱い者が持つとたちまち精神を乗っ取られて動く者すべてを斬りふせるようになってしまう。
その為、この刀を取り扱う店は万国共通の法律により特に厳重な保管が義務付けられており、購入者は適性があるかどうかのテストを受ける必要がある。
?また刀身は血を浴びる程に切れ味を増し、血を吸わせないと、刀が血を吸おうと更に所有者の闘争本能を掻き立てるが、限界に達すると一人でに持ち主を襲いだす。

消費アイテム

汚染された刀
負想の赫核×2
追憶の隕鉄×2
穢れた外殻×6
アダマンタイト
聖女の布×6

空白が変換されたのかな?


Q.ウェポナ募集はしないの?
アルメスと一緒旅するメンバー(ウェポナ)は増えたりするの?

A.製作した武器を司るウェポナに誰かが覚醒する『可能性がある』だけですので、ウェポナ募集は行いません。
募集や判定を行うのは『アルメスと遭遇する可能性がある』場合に限ります。
今回は遭遇確率が0に限りなく近いため、判定や募集は行いませんでした。

旅メンバーはウェポナ枠は5名で固定されております。
これは誓約(ルール)みたいなもので、決して変わることがありません。
他のウェポナと交代したり、死亡や諸事情で離脱したウェポナの穴埋めが起きる可能性はありますが、同行するウェポナが増えることはありません。
ウェポナでない(人間や亜人とか)場合はその限りではなく、普通に増えます。
ウェポナのパーソナライズ(仲間にすること)自体は行えます。
ただ、同行させる人数に制限があるだけです。


Q.盾や籠手はウェポナになりえますか?

A.大昔は防具のウェポナ(アーマ)が存在していたそうですが、守ること以外出来ないため淘汰されてしまったようです。
アルメスの能力が開花すれば、もしかすると…?
アーマを従えるマスターも嘗ては存在していましたが、血筋が途絶えるか埋没してしまったとか。

以上の装備から製作する武具を決定します
下1に製作したい装備を
複数選択可能で、選択しないのも可能です

数あるプランの中から、アルメスが選んだのは『罪断ち裁くマズラ』と『煌牙』の二つ。

純粋な力比べになれば、大剣の存在は極めて重要となり、シンプルな刀はどんな状況にも対応出来るオールラウンダーとなる。

また、リュクスベヒーモスの素材を無駄無く使えるのも大きい。

「マズラと煌牙ですねっ!現時点で足りないのは、ディーヴァ鉱石、霊峰の木材、極光珠、穢れた外殻、アガスティアメタルの五種類です」

「ディーヴァ鉱石は鉱山跡や採掘遺跡、洞窟の深部で採掘出来ます。ピッケル類の持参はお忘れなく」

「霊峰の木材は…近辺で採取出来る場所はありません。大陸を渡る必要があるかもしれませんね」

「極光珠は『ディバインクリスタル』を加工して作る宝石です。もし見つけたら、お近くの工房で加工してください」

「穢れた外殻は中型インフェクターから剥ぎ取れます。暗い場所や夜の時間帯に探索すれば、姿を現すかもしれません」

「アガスティアメタルはアガスティア連邦でのみ販売している合金です。正規ルートでの入手が困難なので、これが一番難しいかも…」

あ、たぶんこれが一番簡単に手に入るわ。

先日のことを思い出しながら、アルメスはそんなことを思った。

「…儂は待っている。焦るなよ」

「死んだら元も子もないから、命を大事にしてくれ!ですって!」

「ど、どうも」

見かけによらず、優しいんだなぁ。

いつの間にか淹れられていたコーヒーを飲み、アルメスは工房を出る。

「そこの人、ちょっといいかい?」

「はい?」

工房を出て売り場に移動したアルメスたちだが、帳簿をつけていた青年に引き止められる。

「爺さんに武具、作ってもらうんだろ?いつ受け取る予定だい?」

「それはまだ分かりません。素材が足りないもので」

「そうかぃ。ま、死なない程度に頑張りな」

「…爺さんは優しいから、いつまでも待つよ。だから、絶対に受け取りに来いよな」

「あの人は望まれた物を作って、それを受け取ってもらうのが、生き甲斐なんだからさ」

「死んで受け取り相手がいなくなったら、爺さんも武具も悲しんじまう」

「死にませんよ、俺たちは」

自分の死に様は、自分で決めるものだ。

こんなところじゃ、終われない。

「…で、素材集めしなきゃならないのね」

ケーキに舌鼓を打ちながら、不満気に漏らす。

アガスティアメタル以外の素材集めは、手探りに近い状態だ。

正直言って、面倒くさい。

それはよく分かる、非常によく分かる。

だが、先人たちもそうやって力を付けてきた。

それに倣うのが、後世を生きる者の務めのはずだ。

創り、受け継ぎ、託し。

今を形作るのは、過去から受け継いだ全て。

泣き言なんて言ってられない。

面倒でも、辛くても、苦しくても。

それを乗り越え、進まなくてはならない。

素材集めなのにこんなに覚悟する必要は無い気がする。

もう少し気楽に行こう。

空回りして、台無しになったら困る。

アルメスたちの行動を下1に

「ピッケル何本買うのー?」

「とりあえず三セット」

「らじゃ!!」

天之尾羽張とミストルテイン、胴太貫におつかいを任せ、残りの三人で目的地を決める。

地図を見る限り、アプローチ出来る採掘スポットは三つ。

一つ目はアルバ渓谷の採掘遺跡。

数百年前に打ち捨てられた採掘場跡地があるので、もしかしたら何か手に入るかもしれない。

こちらは最も近い場所でもある。

二つ目は『ドルメキア鉱山跡』。

数年前に発見、採掘が開始されたが、インフェクターの大量発生で泣く泣く閉鎖された鉱山だ。

有毒ガスが発生している噂が立っており、時たま冒険者が挑む所謂迷宮(ダンジョン)にも分類されている。

こちらは、シェードから丸一日徒歩で移動する必要がある。

そして三つ目は『ペルマナク洞窟』。

こちらはロマンダ方面に真っ直ぐ、ただひたすらに進んだ先にある洞窟だ。

大陸のほぼ東端に位置しており、交通の便が悪いため人は滅多に向かわないそうだ。

鉱石も高価な物は採れないらしく、目ぼしい物は最深部の石碑だけだとか。

どの採掘スポットに向かうかを下2に

アルバ渓谷:一番近く安全性の高い場所だが、資源が枯渇している可能性がある。
ドルメキア鉱山跡:二番目に近い場所だが、インフェクターとの連続戦闘が予想される。
有毒ガスが発生している可能性もあるが、資源は大量に残っている。
ペルマナク洞窟:一番遠く、目的の鉱石が採掘出来ない可能性がある。
危険性は低く、何かが眠っているかもしれない。
自力で探索:未発見の採掘スポットを探索する。成功するかは運次第。

今日は寝ます
質問等あれば適当にお投げくだしあ

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