【安価】非力なる者は世界に叛逆する (39)

力こそパワーの世界を生き延びるスレ


よーごかいせつ


妖精(Fairy)

自由気ままに生活する人ならざる存在。気に入った人間に力を提供したり、人間と契約して力を貸したりする。好物は人間の命や魂。
必要に応じて姿を現すが、特定の人物のみ見ることが出来る状態になったりする。


精霊(Spirit)

基本的には妖精と同じような感じだが、特定の場所の環境を支配している。
妖精と違ってかなり利己的で、自身の保身を目的として力を貸す場合が多い。普通に気に入った人間には力を与えたりする。
人間に協力的だったり排他的だったりするが、これは妖精と大して変わらない。
妖精よりも人間と関わる機会が多いので、逸話として情報が残されていることもしばしば。

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力があれば、全てを手にすることが出来る。それが、万人共通の認識だ。

逆を言えば、力が無ければ何も手にすることが出来ない。

この世界では、力が無ければ人としての価値すら無い。

どれだけの力を持っているのか。それが、個人の価値に直結する。

特に精霊、妖精と呼ばれる上位存在の力を借りた者は、各所で持て囃され偉人となる。

ここは、力持つ者にとっての楽園にして、力持たぬ者にとっての地獄。

「…水が…美味ぇ…」

大雨の中、路地裏で横たわる少年。襤褸切れで身体を守っているが、傷だらけの肌が姿を見せている。

全身に刻まれた刺青は、独特な紋様を描いている。本人も刺青がある理由は分からないが、気にする余裕は無かった。

屋根を伝い滴り落ちる水滴を、口を開いて迎え入れる。腹が空いているが、それよりも水分を身体が欲していた。

飲めども飲めども、腹は膨れない。が、冷たい水が全身に染み渡る。

--これなら、当分は保つか。

身体を起こし、残飯を漁りにゴミ捨て場へと足を運ぶ。そこで食べカスを貪り、命を繋ぐ。

昔と変わらない日課を今日も、明日も繰り返すだけ。力が無い自分が、それ以外を望んではならない。

--こんな世界に、なんで俺は生まれたんだ。

そう呟きながら、刺青を指でなぞった。

他の孤児に連れられ、少年は廃材ばかりの広場に移動する。

そこには、その場に相応しくない服装の大人たちがいた。

清潔な衣類を身に付けた大人たちと、綺麗な毛並みの馬と華美な装飾の馬車が広場を囲む。

「光栄に思え、家畜以下の存在よ」

使用人に傘を差させている青年が、髪を弄りながら演説のように声を上げる。

「これより、貴様たちに意味を与えてやろう」

この日、数十人の孤児はラム酒一本にも劣る値段で買い叩かれた。

木漏れ日の差す樹林の中。水溜まりに買われた人が入っていく。

足首が浸かる程度の水溜まり。しかし、そこにいるだけで力が抜ける。

所狭しと立ち並ぶ子供たち。それを背に、貴族の青年は高らかに叫ぶ。

「さあ妖精よ!君の好物である人間を連れてきた!」

「私に力を貸したまえ!そうしたら、望む時に供物を捧げよう!」

小さな白い火の玉が、水溜まりから空に向かって飛んでいく。

手を伸ばして触れてみるも、手をすり抜け天へと昇る。

「………ッ!?」

視界が黒に染まり、地面に這い蹲る。他の子供も同じ症状が出たようで、激しい水音が耳に入った。

「いいぞ!さあ、もっと喰らえッ!そして、私に隷属せよッッ!!!」

興奮した声が耳に響く。人が死んでいく光景を目にして、昂ぶっている。

--ああ、五月蝿え男だ。

貴族の青年に対する不満をぶちまける。力さえあれば、とっくに殺しているというのに。

--ああ、クソみたいな世界だ。

生き方を選ぶことも許されず。生きることすら許されず。人の道楽のために消費される物資になるとは。

--妖精、お前はそれで良いのか?

疑問を呟き、目を閉じた。

『何が良いのか』と妖精は問う。妖精が供物である、嗜好品である自分に反応したことに面食らいながらも、言葉を選ぶ。

--あの男が欲しがってるのは、お前の力だ。妖精の存在なんて、本当はどうでも良いんだよ。

『君は違うのか』と再び問われる。違うと言い切り、言葉を続ける。

--俺が欲しいのは、お前の全てだ。生き延びるために、あの男を殺すために、お前が欲しい。

--今の俺には力が無い。まずは、この状況を切り抜ける力が必要だ。

--だから俺に力を寄越せ。この掃き溜めみたいな地獄を生き延びる力を。

返事は無い。

--あんな人間に力を与えても、飼い殺されるだけだ。

--そんなの、つまらないだろ?

妖精の悩む声が反響し、頭蓋を揺らす。

--俺は殺すと決めたんだ。俺自身のために、世界を殺すと。

--だから死ねない。こんなところじゃ終われないんだよ。

--少しでも興味が湧いたなら、俺を選べ。妖精ッ!!!

失意に暮れる子供ばかりの中。一人の心からとめどなく溢れ出す憎悪と生への渇望が、妖精の心を射止めた。

--感謝するぜ。

どこからともなく伸ばされた手。それを強引に引き寄せ、受け入れた。

力を与えてくれる妖精を下3まで
最大コンマのレス採用で、ゾロ目が出たら結果に関係なく追加で力を与えてくれます

最低でも名前とどういう能力を持ってるかを記載してくださいネ

一番上は分かりますけど、他の二つは分からないですね…
荒らしなら再安価かな、同じ条件で下3までです

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