「ぱんちゃん」
このまちにはいろんなひとがいます
やおやさんのやおくん、くりーにんぐやさんのくりちゃん、おもちゃやさんのおっくん
でもぼくがいちばんすきなのは、ぱんやのぱんちゃんなのです。
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みんなはぼくのことをさけるけど、ぱんちゃんはぼくをさけません
だからぼくはぱんちゃんがすきなのです
きょうはにちようびなので、ぱんちゃんのおうちにあそびにいきます
ぱんちゃんがいました
ぱんちゃんはきょうもぱじゃまです
もうおひるなのにぱじゃまです
ぱんちゃんがぱんをやいてるところをぼくはみたことがありません
でもおみせはあるので、たぶんぱんやさんなのです
ぱんちゃんはぼくをみつけていいます
「おはよう、今日も元気だねぇ」
そういってあたまをわしゃわしゃしてきます。
ぼくはそれがきもちよくてもういっかい、もういっかいといいます。
ぼくはずっときになっていたことをききます
「ぱんちゃんはどうしていつもおうちにいるの?どうしてぱんやさんなのにぱんをやかないの?どうしておひるにぱじゃまをきているの?」
いっぱいききたいことがあると、ついいっかいでたくさんきいちゃうのはぼくのわるいくせです
ぱんちゃんはすこしこまったかおをします。
しばらくかんがえごとをするぽーずをして、ぱんちゃんは言いました
「んー、あたしはね、今長ーーーーーいお休みに入ってるんだ。パンなんていくら焼いても今どきお金にならないし、あたしには腕もないようだしねぇ、疲れちゃったのさ」
ぱんちゃんのいったことはむずかしくてぜんぶはわからなかったのですが、おやすみなのはぼくにもわかりました。
つまり、たくさんあそんでもらえるということです
「じゃあおやすみのあいだ、ぼくといっぱいあそびましょう」
そういうとぱんちゃんはにっこりわらってくれます
「いいよ。あたしはいつでもここにいるから、好きな時に来な」
ぼくはおなかがすいたので、まだもんげんまでにはよゆうがありましたがかえることにします
はやめのこうどうがだいじ、とせんせいはまいにちいっているのでだいじなのです
ぱんちゃんにばいばいをしてかえろうとすると、ぱんちゃんはいいました。
「君はまだ、人の名前を覚えられないのかい?」
ぼくはぱんちゃんのいっていることがよくわかりません
だってぱんちゃんはぱんちゃんだから
ふしぎそうにくびをかしげるぼくをみて、ぱんちゃんはいいます
「ごめんごめん、なんでもない!またね」
にっこりわらっててをふってくれます
ぼくもそれにこたえるようにできるかぎりのえがおでてをふりました
きょうのごはんはきっとおいしいです。
それからまいにちまいにち、ぼくはぱんちゃんのおうちにあそびにいきました
ぱんちゃんはいつでもやさしいのです
ぱんちゃんとおはなししなからのむほっとみるくはせかいいちおいしいとおもいます
おとうさんはいつもにがーーーいきんいろのじゅーすやちゃいろのじゅーすをのんで「これが世界で1番うまいんだよ」とぼくにいってくるのですが、おとうさんもぱんちゃんとおはなししてほっとみるくをのめばにどとそんなことはいえないでしょう
おとうさんとぱんちゃんがおはなししてるのをそうぞうしてみると、なんだかいやなきもちになりました
なぜでしょう
あるひ、がっこうにいくとみんながぼくのほうへちかづいてきました。
そしてそのなかのひとり、ふくやのふくちゃんがいいます。
「お前、気持ち悪いよ」
しょっくでした。
しばらくはことばもでません。
「ふくちゃん、なんでそんなにひどいことをいうの?」
いいおわらないうちにふくちゃんはおおきなこえでいいます。
「俺はふくちゃんじゃねえ!こいつだってやおくんじゃねえし、あいつもくりちゃんじゃねえ!俺たちには全員、ちゃんとした名前があるんだよ!頭おかしいんじゃねえの?」
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