【アイマス 】双子の魂 (35)

亜美「うーん…」

真美「うーん…」

やよい「どうしたの?」

亜美「やよいっち!」

真美「国語の宿題が激ムズなんだYO!」

やよい「国語の宿題?」


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亜美「うん!これ!」

真美「どくしょかんそーぶん!」

やよい「うーん、私も苦手かも…」

亜美「でもやよいっちは去年やってるっしょ?」

真美「何か面白い本とか知らない?」

やよい「うーん…そうだなぁ…それじゃあ家から持ってくるよ」

亜美「そう言って持ってきてくれたのが…」

真美「これかあ!」

『双子の魂』

亜美「双子の魂だって!」

真美「真美たちにぴったりだね!」

亜美「さてさて…」

真美「どんなお話なのかな…」

『双子の魂』

むかしむかし、今よりずーっとむかし

あるところに双子の魂がありました

双子の魂は姉と弟になりました

姉と弟は一緒に暮らしたいと思いましたが、周りの大人がそれを許しませんでした

姉は国の王女になりました

弟は姉を守るために召使になりました

けれども、姉は悪い大人に騙されて、どんどん心を黒くされていきました

弟は姉を守れぬ自分を恥じました

姉はどんどん横暴になっていきました。そして、ある時、王女である姉の横暴に耐えきれず国に革命が起こりました

弟は処刑される姉の身代わりになりました

そこでようやく姉の目は覚めたのです

「もしも生まれ変われたのならば、その時はまた遊んでね」

その弟の言葉でようやく

姉はその後も後悔を胸にして生き、死んでいきました

双子の魂は思いました

「こんな人生はあんまりだ」と

そして姉の魂は

「次は私があの子を守る」と誓いました

次に双子の魂は兄と妹に分かれました

しかし、やっぱり今度も生まれてすぐに離れ離れになりました

兄が妹のことを知ったのは、彼女からのSOSを受け取ったときでした

厳密には妹は兄に助けを求めたわけではありませんでしたが、兄は何故か

「助けに行かなくては」

と思いました

「あら?貴方背が低いわね…チビッコ部隊?」

と妹に言われても兄は絶対に妹を守りました

それから二人は、様々な戦いに身を投じました

二人は激しい戦いの中から抜け出すことはできませんでした

前と違って心が通じ合うというのは何とも心地よいものでした

しかし、最前線に立つのはいつも兄

妹は直接兄を支えられないのを不満に思っていました

そして、兄妹はやはり激しい戦いの中で命を落としていきました

けれども、二人は前回よりも満ち足りていました

そして、妹はこっそりと願いました

「次は自分も一緒に戦えますように…」

そして、出来れば平和な世界で一緒に遊べるように…と

次に双子の魂は兄と弟に分かれました

しかし、今度も上手くいきません

兄は弟の物心がつく前に心臓の病でこの世を去ったのです

けれど、兄は諦めませんでした

魂だけになっても弟と共にありました

魂になっても、兄は弟と一緒に戦いました

時には世界を救うことさえありました

けれども、一番嬉しかったのは一緒に学校に行って勉強し、一緒に遊ぶことができたことでした

そうして、その世界を六度ほど救った後、弟は科学者になり、更に世界を助けました

魂だけになった兄はそんな弟を誇らしく思いましたが、弟と違っていつまでも少年のままの自分の姿を見て、時たま悲しくなりました

そうして彼らは三度目の人生を終えました

亜美「な、何これ…」

真美「うあうあー!?悲しいYO!」

亜美「なんでやよいっちはこんなのオススメすんのさー!」

亜美真美「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!?」」

伊織「うるさいわね!?どうしたのよ!」

亜美「うあうあー!?いおりーん!」

真美「助けてぇ!」

伊織「は?」

あずさ「あらあら?どうしたのかしら…」

春香「なんかおかしいですよね?」

亜美「はるるーん!」

真美「あずさお姉ちゃーん!ギュッてしてYO!悲しいYO!」

響「絵本くらいで大げさだなぁ…」

真美「そんなこと言って…ひびきんも怖いくせに!」

響「ここここ怖くなんてないぞ!」

貴音「響…」

亜美「大丈夫だよね!?お姫ちん!」

真美「真美たちも双子だけど、こんな風にはならないよね!?」

貴音「はて?あんな風にとは?」

亜美「この絵本みたいに…」

真「絵本?」

雪歩「あ、この絵本…」

真美「知ってるの!?」

雪歩「うん、最近話題だよ?」

亜美「こんなに悲しいのに?」

雪歩「悲しい?あっ…もしかして…」

真「最後まで読んでないの?」

亜美「最後までって…」

真美「だって…悲しいんだもん…」

美希「あふぅ…じゃあ読まないとダメなの」

亜美「ミキミキ!?」

真美「いたの!?」

美希「失礼なの…ソファで寝てただけなの」

亜美「ソファで寝るのいい加減やめなよ…」

真美「ミキミキはこのお話知ってるの?」

美希「知らないよ?」

亜美真美「「おい!」」

美希「でも、やよいがそんな悲しいだけのお話を2人に渡すわけないって思うな」

亜美「た、確かに…」

真美「でも怖いよぉ…」

美希「…それなら怖くない方法教えてあげるの」

亜美「怖くない?」

真美「方法?」

美希「それはね…」

数分後

律子「ふぅ…」

千早「あ、律子、終わったの?」

律子「えぇ、全く美希ったら、他人任せなんだから…」

美希「でもこれ以外に方法はないって思うな」

春香「ふふふ、確かにね♪」

律子「全く…読み聞かせなんて久しぶりにしたわ…」

響「それで、二人はどこに行ったんだ?」

律子「ん?あぁ、寝ちゃったわよ」

雪歩「ふふふ、安心しちゃったのかな?」

真「あの二人らしいや…」

貴音「しかし、その絵本とやらどんなお話なのでしょうか?」

律子「あれ?貴音も知らないの?」

千早「私も知らないわ…」

春香「私も…」

美希「ミキもなの」

響「ねえねえ、最後はどうなるの?」

律子「最後はね…」

最後に双子の魂は姉と妹に分かれました

上手くいかないことはたくさんありました

二人で一つにまとめられることもありました

片方だけが得をすることもありました

だからたくさんたくさんケンカをしました

もしかすると今までで一番ケンカをしたかもしれません

でも、二人はいつも一緒にいました

二人で一緒にたくさん遊びました

もうお姫さまではないので、素敵な王子様もたくさんのお金もありません

もう戦士ではないので、戦う力もありません

科学者になるほどの頭の良さももしかしたら無いのかもしれません

けれども二人は幸せでした

亜美「んっふっふっ~…」スヤスヤ

真美「えへへへ…」スヤスヤ

真「ほんと、幸せそうな顔しちゃって…」

千早「普段はイタズラ好きで困ることもあるけれど…」

春香「こうしてると本当に可愛いよね」

響「ほーんと、得してるよなぁ」

貴音「おや?響も可愛らしいですが?」

響「うぎゃー!?いきなり何を言うんだぁ!」

アハハハハ

双子の魂は仲良しでした

二人で一人だった時も

一人っきりになった時も

時にはロボットに乗って戦う時もあったけれど…

双子の魂は、いつまでも仲良しでした

そして、双子の魂は皆に愛されてその一生を終えるのでしょう

亜美「真美ぃ…」スヤスヤ

真美「うーん…亜美ぃ…」スヤスヤ

亜美真美「「大好き…」」スヤスヤ

おしまい

ちょっと無茶なことやったのは自覚してる

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