穂乃果「へ?隠し事?」 (19)
アイドル研究部、いつもの部室。
にこ「最近、夜中ふと目が覚めちゃうのよね」
穂乃果「へ~。私は朝になっても目が覚めなくて海未ちゃんに叱られるのに」
ガチャ
海未「穂乃果は居ますか?」
穂乃果「ん?何かあったの?」
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海未「穂乃果…」
穂乃果「何?」
海未「あなた…私に何か黙ってる事ありませんか?」
穂乃果「へ?海未ちゃんに?」
海未「あるでしょう?」
穂乃果「え~……何も…」
にこ「あんた何したのよ」
穂乃果「さあ?」
海未「今正直に言えば大目に見ます」
穂乃果「ん~……あっ!もしかして……ケーキの話?」
海未「ケーキ?」
穂乃果「ことりちゃんが作って来てくれたケーキを私とにこちゃんで食べ過ぎちゃって…海未ちゃんと絵里ちゃんの分がなくなっちゃった…」
にこ「あっ、バカ」
海未「そんな事があったのですか?」
穂乃果「違うの?」
海未「違います。それではありません。その話は後日たっぷり聞きます」
穂乃果「え~」
海未「他にあるでしょう?」
穂乃果「他に……。海未ちゃんの宿題をコッソリ写して…」
海未「何をやってるんですか!」
穂乃果「えっ?違う?」
海未「人の荷物を勝手に覗いたのですか?」
穂乃果「ち、違うよ。休憩の時に机の上に出してあったからで…」
海未「だからって言い訳ないでしょう!!」
穂乃果「いや…うん。ごめんなさい」
海未「まあいいです。今はその話は置いておきます」
穂乃果「違うの?」
海未「違います」
にこ「頼むから余計な事を言わないでよ」
穂乃果「結構昔のはなし?」
海未「心当たりありますか?」
穂乃果「えっ…中学の時、海未ちゃんのポエムノートのコピーを取ってた事とか…」
海未「え?」
にこ「ポエムノート?何それ?」
穂乃果「いや…海未ちゃんが中学の時に書いてたポエムノートのコピーを取らせて貰ってさ」
海未「何勝手な事してるんですか!」
穂乃果「でも当時良いって言ってたじゃん」
海未「私がですか?」
穂乃果「うん。良い詩を書くなぁと思ってコピー取ったんだけど。紛失しちゃって。それを怒ってるのかと…」
海未「私が知るはずないでしょう!」
穂乃果「違った?」
海未「違います!」
にこ「あんた…中学の時そんな事してたのね。まあ…意外じゃないけど」
海未「くっ…。とにかく。その話ではありません」
穂乃果「え~…違うの?」
海未「違います」
穂乃果「何だろ…体重が増えた事とか…」
海未「増えたんですか?」
穂乃果「いや…あの…うん」
海未「何キロ?」
穂乃果「200グラムくらい…?」
海未「0.2キロですか?」
穂乃果「200グラムってそうなの?」
にこ「私に聞かないでよ」
海未「0.2キロです」
穂乃果「じゃあ2000グラムかも」
海未「2キロ増えたんですか?」
穂乃果「2000グラムが0.2キロならね」
海未「2キロです…何してるんですか!!あれ程気をつけろと言ったのに!!!」
穂乃果「き、気を付けてても体重は増えるんだよ。ね?」
にこ「いや、増えない」
海未「全く。まあ、その話も後で聞きます」
穂乃果「え?また違うの?」
海未「違います。他に心当たりがあるでしょう?」
穂乃果「いや~…え~…にこちゃんと凛ちゃんと絵里ちゃんにイタズラした話?あれは私はむしろ巻き込まれた感じだからね?」
海未「何をしたのですか?」
穂乃果「何をって。絵里ちゃんにブーブークッションを仕掛けただけだよ。凛ちゃんとにこちゃんの提案でね」
にこ「凛の提案よ!私を巻き込まないでよ!」
海未「誰の提案でも良いですが。何をしてるんです」
穂乃果「いや…だから…」
海未「全く。バカな事ばかりして。今やあなたは生徒会長なんですよ?生徒の手本にならなければいけないんですからね」
穂乃果「わ、分かってるよ」
海未「本当に分かってますか?」
穂乃果「うん」
海未「それで?」
穂乃果「へ?」
海未「隠し事は?」
穂乃果「え?違うの…」
海未「絵里の事は関係ありませんから」
穂乃果「え~…なんだろう。本当に分からないんだけど」
海未「よく思い出してごらんなさい」
穂乃果「えっと…ピーマンを海未ちゃんのお皿にこっそり移した事?」
海未「子供ですかっ!!」
穂乃果「え?まあ…扶養されてるうちは…」
海未「そう言う事を言ってるんではなくて」
穂乃果「え~なんだろう。海未ちゃんに言ってない事…こないだ初めてラブレター貰った事とか?」
海未「は?」
にこ「え?」
穂乃果「いや…怒られる理由にはならないし。何だろう。海未ちゃんの消しゴムの角使った事かな…」
海未「ちょっと待って下さい。さっきの話詳しく」
穂乃果「消しゴムの角?あのね、本当に悪気はなくて」
にこ「ラブレターの話でしょ!」
穂乃果「あぁ…ラブレターの話ね。他校の子に貰ったんだよ」
海未「女の子?相手は女の子なんですよね?ファンレター的な」
穂乃果「いや…違うよ。相手は男のだよ」
にこ「な、な、それで?どうしたの?」
穂乃果「断ったよ。あなたとはお付き合い出来ませんって」
海未「そ、そうですか」
にこ「そりゃあそうよね。私達アイドルだし当たり前よね」
穂乃果「いや…まあ。それもあるんだけどさ」
海未「なんですか?他に理由が…」
穂乃果「他に好きな人がいるからって。そっか…海未ちゃんに言ってない事って。これかもしれない」
海未「ちょっと?」
穂乃果「私は…好きな人がいるんだ」
海未「あの…えっと…」
穂乃果「私、海未ちゃんの事が好き。もう隠さない」
海未「え?」
穂乃果「ずっと隠してたけど…海未ちゃんの事が好きなの」
海未「あの…私ももちろん穂乃果の事は好きですよ。穂乃果もことりもにこの事も」
にこ「…あんがと」
穂乃果「違うよ。そう言う好きじゃない。私の好きは友達としてじゃない。恋愛対象として海未ちゃんの事が好きなの」
海未「そ、そんな…いつから…」
穂乃果「忘れちゃったよ。それくらい前から…好きだった」
にこ「うわっ…」
穂乃果「海未ちゃん。海未ちゃんの返事を聞かせて」
海未「えっ!?私は…」
穂乃果「うん」
海未「私は…穂乃果の事をその様に見た事はありません。だって…私達は…友達で…」
穂乃果「そっか。もう…今まで通りなんて無理だね。でも、これで良かったんだ。これ以上自分の気持ちを隠し通して付き合っていくよりずっと良かった」
海未「穂乃果…」
穂乃果「海未ちゃん。最後に私のお願い聞いてくれるかな?」
海未「最後?待って下さい。最後だなんて…」
穂乃果「お願い。最後に…最後に私の事を強く抱きしめて。海未ちゃんとの思い出が壊れるくらい強く」
海未「そ、そんな事出来る訳…」
穂乃果「お願い!!!」
海未「うっ…はい…」ギュゥゥゥゥ
穂乃果「もっと強く。もう二度と希望を抱かない様に…」
海未「……」ギュゥゥゥゥ
穂乃果「もっと早く…こうして欲しかった」ドサッ
にこ「え?絞め落としたの?」
海未「…………穂乃果」
テッテレ~
海未「………ん?」
にこ「ドッキリ大成功~。いや~上手く言ったわね」
海未「は?」
にこ「あんた、仕掛け人のつもりだったんでしょ?残念。逆ドッキリだったのよ~」
海未「……」
にこ「いや~…穂乃果。早く起きなさいよ」
穂乃果「………」
海未「あの…」
にこ「何よ?」
海未「本当に絞め落としちゃったんですが…」
にこ「え?」
海未「……」
にこ「えぇ…。これはドッキリじゃ?」
海未「ないです」
完
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