【艦これ】愛宕「パンパカさん」 (108)

キャラ崩壊注意



提督「それじゃ、遠征頑張ってね」

愛宕「いってらっしゃーい♪」ノ



朝潮「はっ! お任せを!」ビシッ!

文月「はぁい、頑張ってきまぁす♪」

皐月「まっかせてよ!」

長月「司令官! お土産、期待してるんだな」フフン

荒潮「パンパカさん、司令官にセクハラされちゃダメよ~♪」

鬼怒「それじゃ提督、パンパカさん、みんなを預かるね~♪」ノ



ゾロゾロ……

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提督「……ふう」

愛宕「お疲れ様。はい、お茶よ」

提督「おう、ありがと」

愛宕「ここの鎮守府もとても大きくなったわね」

提督「みんなが頑張ってくれたおかげさ」

提督「もちろん愛宕、君もね」

愛宕「ウフフ……お世辞が上手になったんだから♪」

提督「実際、愛宕にはお世話になりっぱなしだったな」

愛宕「そうねえ……私が着任するまで、初期艦の吹雪ちゃんと2人きりだったのよね?」

提督「ああ、あの頃が一番大変だったよ」

提督「俺も吹雪も、まだ右も左も分からないド新人でさ」

提督「朝起きて、任務をこなして、演習を受けて、出撃して……」

提督「それだけで夜遅くまで働く毎日だったな」

愛宕「あの頃の提督ったら、疲れ気味だったものね」

愛宕「それに吹雪ちゃんなんか、すごい目のクマができてたもの」

提督「まさかあそこまで疲労がたまるとは思わなかったんだよ……」

提督「さすがに悪い事しちゃったな」

愛宕「あの子も、あなたと働けるのが嬉しったのよ」

愛宕「書類整理とか、資材管理とか、楽しそうにしていたわ」

提督「え? 俺の時は、いつも嫌そうな顔をしていたが……」

愛宕「女の子は不思議な生き物なの」

提督「……そういうことにしておくよ」

提督「だから、次に来たのが愛宕だったのが、本当に嬉しかったんだ」

提督「火力の高い君が一緒に出撃してくれたことで、昼戦の吹雪の負担が減ったからな」

愛宕「それに2人の仕事も、たくさん引き受けたものね♪」

提督「まったく……あれには頭が上がらないよ」

愛宕「気にしないで、それが私たちの仕事なんだから」

愛宕「みんなでみんなを支え合う――それが艦娘でしょう?」

提督「ああ、その通りだ!」

提督「今も順調に、海域を攻略し続けている」

提督「この調子でどんどん深海棲艦たちから、平和な海を取り戻すんだ!」

提督「だから愛宕……これからも俺たちのために、戦ってくれないか?」

愛宕「あ、あら……もしかして、愛の告白……?」ニコリ

提督「……えっ、あ、いや、これは、その……!」アタフタ

愛宕「……」

愛宕「……ウフッ」

愛宕「ごめんなさい、ちょっとからかっちゃった♪」

提督「まったく……お前というやつは」ハァ...

提督(改二きたら結婚しよ)ウッヒョオォォォォ...!!

提督「君のその人柄のおかげだろうな、新しい艦娘たちも、とても心優しい子たちばかりだ」

提督「上下関係に縛られず、しかし軽視せず、自由と規律に満ちた、素晴らしい空気が漂っている」

愛宕「そうね……私だけに限らず、愛称で呼び合う子も多いわね」

提督「それがいい例だよ」

提督「あれは、お互いが尊敬の念をもっているからこそ実現可能なんだ」

提督「そしてその精神こそが、一丸となって戦うのに必要な絆だと考えている」

愛宕「……あなたが、あなたでいる限り」

愛宕「私はずっと、あなたのもとにいるつもりよ?」

提督「ありがとう」

提督「ならば俺は、最期まで戦い続けられる」

愛宕「フフフ……立派になっちゃって」

提督「君たち艦娘のおかげさ」

愛宕「ん……」

愛宕「私からも……ありがとう」

提督「さーて……と!」ノビー

提督「朝一に仕事の大部分を終わらせると、ヒマで仕方ないんだよなあ~……」

愛宕「贅沢な悩みね」

提督「とはいえ、ボーっとしているのは性分じゃないし……」ウーン

提督「……」

提督「……」ティン

提督「……そうだ、思い出した」

提督「なあ、何か気になることはないか?」

愛宕「気になること?」

提督「そ、気になること」

提督「大きな仕事がないなら、小さな仕事をこなそうと思ってな」

提督「あいにくうちには、よその鎮守府みたいな目安箱制度をとっていない」

提督「でも、うちも大所帯になってきたことだし、そろそろ導入を考えていてさ」

提督「その第一号にお前を選んだわけだ、光栄だろう?」

愛宕「本当? それは嬉しいわ~♪」

提督「さあ! 遠慮なく言ってみたまえ!」

愛宕「それじゃあ、えっとぉ~……」

愛宕「……あ、あったわ!」

愛宕「私、ずっと気になってたんだけど……」










愛宕「どうして私『パンパカさん』って呼ばれてるのかしら……?」








提督「……」

提督「え、そんなこと?」

提督「いやいや、だってお前、初対面の相手にいつも『パンパカパーン♪』って言ってるじゃん」

提督「それがニックネームになるのは自然な流れだろ」

愛宕「あ、いえ、そういう意味じゃ無くて……」

愛宕「たとえば、出撃して、敵艦隊と交戦するでしょ?」

提督「うん」

愛宕「お互い余裕がなくなる戦闘中は敬称略が許されているでしょ?」

提督「ああ、無礼講だな」

愛宕「それでもみんな、私のことを『パンパカさん』って呼ぶのよ」

提督「!?」

提督「なん……だと……!?」

提督「『愛宕』と『パンパカ』なら、どう考えても前者を選ぶだろ普通!?」

愛宕「それだけ『パンパカ』が浸透しているのかなって、ずっと思ってたんだけど……」

愛宕「ここまで頑なだと、何か理由があるような気がしてきて……」

提督「うーん……これは一度確認する必要があるな」

提督「よし! これからパンパカを調査するぞ!」ノ

愛宕「おー♪」ノ

廊下――



提督「お、いたいた」

吹雪「司令官、何ですか?」

提督「お前はうちの初期艦で最古参だよな?」

吹雪「はい、その通りですよ」

提督「そんなお前に尋ねたいことがあるんだ」

吹雪「分かりました、なんでもきいてください!」

提督「この人の名前は?」

愛宕「私よー」

吹雪「パンパカさんです」

提督「いやいやーw そっちじゃなくてさーw」

愛宕「私の名前よーw」

吹雪「え? パンパカさんですよね?」

提督「いやいやーww」

愛宕「いやいやいやーww」

提督「お前が言ってるのは愛称だろー?」

提督「俺がいってるのは、正確な名称のことだってw」

愛宕「ちなみに、私は何型?」

吹雪「高雄型です」

愛宕「わーい」パチパチ

提督「ちゃんと覚えてるじゃないか」パチパチ

吹雪「勉強しましたから」エヘヘ

提督「高雄型1番艦は?」

吹雪「高雄さんです。当り前じゃないですかw」

提督「3番艦は?」

吹雪「摩耶さんです」

愛宕「ちゃんと摩耶ちゃんも覚えてて偉いわー♪」

提督「4番艦は?」

吹雪「鳥海さんです」

提督「5番艦は?」

吹雪「えっ!? い、いなかったと思いますけど……?」

提督「引っ掛け問題にも引っ掛からないな」

愛宕「バッチリね♪」

吹雪「もう! ズルいじゃないですかー!」プンスカ!

提督「ハッハッハ! メンゴメンゴ!」

提督「じゃあ2番艦は?」

吹雪「パンパカさんです!」

提督「……」

愛宕「……」

提督「え? お前、それマジで言ってるの?」

吹雪「仲間の名前なのに、ふざけるワケありません!」プンスカ!

提督「いやー……」

愛宕「ひ、ひどいわ吹雪ちゃん……」シクシク

吹雪「ええ!?」

提督「愛宕は愛宕に決まってるだろ」

吹雪「……え、誰がですか?」

提督「だーかーらー!」

提督「高雄型2番艦は愛宕だって言ってるの!」

吹雪「……」

吹雪「えっ」

提督「えっ」

愛宕「えっ」

提督「え、お前、何? どういうこと?」

提督「愛宕だぞ? お前、愛宕を知らないのか?」

吹雪「私、パンパカさんは知ってますけど……」

吹雪「その……あた、ご……? さんは、ちょっと……」

提督「ええ!?」ビクッ!

提督「お前愛宕を知らないの!?」

吹雪「ごめんなさい、まだお会いしたことは……」

愛宕「ええ!?」ビクッ!

提督「何言ってるんだお前!?」

提督「この人が愛宕だぞ!? 高雄型2番艦の愛宕!!」

吹雪「ええ!?」

吹雪「パンパカさんってパンパカさんじゃなかったんですか!?」

提督「パンパカさんって何だよ!?」

吹雪「パンパカさんですよ!! パンパカさんはパンパカさんですよ!?」

愛宕「私は愛宕よ!?」

吹雪「パンパカさんってパンパカさんじゃなかったんですか!?」

愛宕「愛宕よー!?」

吹雪「愛宕さん!? 初耳なんですけど!!」

愛宕「ええー!?」

提督「ええー!?」

提督「……つまり、吹雪の話を整理すると……」

提督「吹雪は愛宕のことを、完全に『パンパカ』だと思っていた……と」

吹雪「ご、ごめんなさい!!」orz

愛宕「まさか、名前を知られていなかったなんて……」

吹雪「いえ、知らなかったのではなくて、名前が『パンパカ』だと思っていたわけでして……」orz

提督「それでいつも愛宕のことを『パンパカ』と呼んでいたのか……」

吹雪「ごめんなさい!! 私、なんて失礼なことを……!!」orz

愛宕「でも、それが本名だと思っていたなら……」

提督「吹雪が頑なに愛宕を『パンパカ』と呼んでいたことの辻褄が合うな」

愛宕「……あの、提督……これってもしかして……」

提督「ああ、俺も同じこと考えてると思う……」










提督「うちの艦娘全員、愛宕の名前を『パンパカ』だと勘違いしている説――!!」








吹雪「いや、さすがに全員なわけないと思うんですけど……」

提督「しかし最古参の初期艦がそうだったんだぞ?」

提督「これまでに気付く機会が無かったんだから、他の奴らも同じって考えるのが普通だろ?」

吹雪「た、確かに……!」

提督「いくぞ愛宕! これから全員に聞いて回るぞ!」ダダダッ

愛宕「はい!」ダダダッ

――――
――――――――



白雪「え? パンパカさんはパンパカさんですよね?」



扶桑「あら、提督。それにパンパカさん」ニッコリ



赤城「提督とパンパカさんも(朝飯前の食事を)ご一緒しますか?」モグモグ



川内「眠い……パンパカさんのお願いでも、起きれない……無理……」zzz



睦月「あ、パンパカさんなのね!」

五十鈴「あら提督、それにパンパカじゃない」



加賀「提督、パンパカ……あなたたち、仕事は良いのかしら?」ジロリ



佐渡「お、パンパカ! 今日もパンパカ楽しみにしてるからな!」ニコニコ



鳳翔「パンパカさん、いつものお酒が入りましたよ」



大淀「ええ!? 『愛宕』と書いて『パンパカ』と読むキラキラネームじゃないんですか!?」



――――――――
――――

提督「ウソだろ……!?」

提督「マジで全員、愛宕をパンパカだと信じ切っていたぞ……!?」

愛宕「だ、大丈夫! ちゃんと分かってる子はいるはず……!」

提督「いやこれもう無理だろ」

提督「完全にパンパカ汚染してるから」

愛宕「あの子たちなら……絶対大丈夫なはず……!」

高雄型部屋――



高雄「あら? 二人とも、どうしたの?」

摩耶「出撃の予定でもあったっけ?」

鳥海「いえ、今日はオフよ」

愛宕「みんなー!!」ウワーン

提督「実はかくかくしかじかでな」

高雄「それでまるまるうまうまでしたか……」

高雄「安心して! 私たちなら間違えないわ!」

摩耶「姉貴の名前を間違えるとか、ありえないからな!」

鳥海「私たちなら、姉さんを救えます!」

愛宕「みんな~ありがとう~!」エグエグ

提督「では皆さんに質問です」

提督「この人の名前は何でしょう?」

「「せーの……」」

高雄「パンパカよ!」

摩耶「パンパカだ!」

鳥海「パンパカね!」



愛宕「」









愛宕「」

提督「……は? お前ら正気か?」

鳥海「ええ!? 違うの!?」

高雄「だってパンパカはパンパカでしょ!?」

愛宕「ま、摩耶ちゃん……!」

摩耶「……姉貴……」

摩耶「あたしも『パンパカ』だと思ってた……」

愛宕「……摩耶ちゃんに……間違えられてたなんて……」グスッ

愛宕「うわあぁぁ~~~ん!!」ダダダダッ...!!

提督「愛宕ー!!」ダダダッ

高雄「あた……ご……?」

鳥海「あれ『あたご』って読むんですか!?」

摩耶「し、知らなかった……!」



……………………
…………

愛宕「うう……」ズーン

提督「まさか姉妹艦ですら知らなかったとは……」

愛宕「もうダメ……私のライフは0よ……」

提督「とっくに0だった気もするけどな」

愛宕「私の体はボロボロだわ……」

提督「嘘だそんなこと」

提督「まだ誰か分かっている奴がいるはずだ」

愛宕「……1人だけ……」

提督「お! 希望が残っていたか!?」

愛宕「いえ……」

愛宕「あの子も知らなかったら私、もう生きていけない……」

提督「最期の希望だったとは……」

提督「でも、希望は希望だ、行ってみよう」

提督「無理なら、俺が聞きに行く」

愛宕「……いえ、私も行くわ……」ス...

提督「愛宕……」

愛宕「そこが死地になるなら、ちゃんと下見しなくちゃ……うふふ……」フラフラ...

提督「愛宕……!!」ブワッ



――――――――
――――

海外艦寮――



ガリバルディ「え? パンパカの名前?」

提督「悪いな、急な話で」

ガリ「いや、あたしは構わないけどさ……」

愛宕「うふふふ……ガリちゃんでダメなら……うふふふふ……」ズーン...

ガリ「……どう見てもヤバい空気なんだけど?」

提督「気にしないでくれると嬉しい」

ガリ「無茶なこと言うなあ……ま、頑張るよ」

提督「それでは尋ねます」

提督「このパンパカの名前は何ですか?」

愛宕「うふふ……うふふふ……」

ガリ「パンパカの名前だな?」

ガリ「……えーっと……」










ガリ「確か……『At A Go』……だっけ? 発音自信ないけど……」









提督「!?!?!?!?」

愛宕「!!!!!!!!」

ガリ「……え? あたし、間違ってたか?」

愛宕「間違ってないわ!!!!!!!!」ガバッ!!

ガリ「わあ!?」

愛宕「そう!!!!!!!! 私は愛宕よ!!!!!!!!」ギュー!!

ガリ「あー『Atago』かー」

ガリ「『At A Go』か『アタゴン』かで迷ってたんだけど……」

愛宕「どっちも正解よー!!!!!!!!」ギュー!!

提督「正解じゃないけど本人的には大正解です」

ガリ「く、苦しい……!」グエー

提督(愛宕が凄い力で抱き着いているせいで、4つのお山が凄いことになってる……写真撮っとこ)

スマホ「永久保存版でっせ!!」ピロリーン♪

提督「それにしても、よく分かったな」

ガリ「え? いや、普通に分かるだろ」

ガリ「初めて会った時に、ちゃんと挨拶したんだから」

提督「うんうん、ちゃんと挨拶できるガリバルディは偉いぞ!」ナデナデ

愛宕「偉いわガリちゃん!!」ナデナデ

ガリ「あ、あぁ……どうも……///」

提督「そうだよな、普通はそうなんだよな」

提督「愛宕は新しい艦娘が来たら、毎回挨拶しに行ってるんだから」

提督「普通はそこで覚えるなずなんだが……」

提督「お前、自己紹介適当なんじゃないの?」

愛宕「ちゃんとしてるわよ~!」プンスカ!

ガリ「……え? もしかして、覚えていたのあたしだけなのか?」

提督「日本艦娘は全滅だ」

ガリ「うそだろ……!?」

ガリ「あたしはハッキリと『アタゴ』って聞いたぞ!?」

愛宕「そうよね!? 私、ちゃんと言ったわよね!?」

ガリ「安心しろって、あたしはちゃんと聞いてたから」

ガリ「な?」

愛宕「うぅぅ~……ガリちゃ~ん……!」ギュー

ガリ「はいはい、よしよし」ナデナデ

提督(ガリバルディが愛宕を慰める光景があまりにも尊すぎる……写真撮っとこ)

スマホ「今晩が愉しみやで!!」ピロリーン♪

提督「……もしかして、海外艦なら愛宕の名前を把握しているんじゃないか?」

愛宕「ハッ!! そ、そうかも知れないわ!!」

愛宕「すぐに海外の子たちに確認しなくちゃ!!」

愛宕「ありがとうガリちゃん!! 後でパンパカしてあげるわ~!!」ダダダダッ

ガリ「え、あ、うん……分かった……」ポカーン

提督「その様子撮らせてもらうからな~!」ダダダダッ

ガリ「いやダメに決まってるだろ(冷静)」

提督「ところで、どうしてガリバルディにご執心なんだ?」

愛宕「あの子、摩耶ちゃんに似てるでしょ?」

提督「お前あいつのこと大好きだもんな」

愛宕「でも摩耶ちゃんは摩耶ちゃんではありませんでした」

愛宕「摩耶さんでした」

提督「崩れる姉妹の絆」

提督「クソッ……深海棲艦どもめ……!」ギリッ...!

――――
――――――――



Z1「パンパカがアタゴ? 知ってるけど……え、どうして?」



グラーフ「パンパカ? アタゴだろう?」ンフー



リベッチオ「提督さん! アタゴ! Ciao~!」



ジョンストン「あら、アタゴも一緒なの? ベーコン食べる?」



ポーラ「アタゴさんですよね~? 当たりですか~なら飲むしかないです~♪」グビグビ

ガンビアベイ「え? アタゴですよね? ま、まさか、間違ってた!? S、Sorry~!!」ベーイ...!



リシュリュー「パンパカはアタゴって……当然でしょ? 何言ってるのあなたたち?」



アイオワ「パンパカ? オフコース! アタゴのことよ!」



ジャービス「Hi、アタゴ♪」トテトテ

ジェーナス「アタゴ、Good Morning♪」トテトテ



ゴトランド「パンパカがアタゴだなんて……そんなの、昔から知ってるわよ」ウフフ



――――――――
――――

提督「いやあ~全員理解していたな」

提督「マジで海外艦娘のみ愛宕を理解してた説が実証されるとは……」

愛宕「……私、海外艦なんじゃ……」

提督「落ち着け高雄型2番艦」

提督「こうなると原因は、やっぱり最初の挨拶なんじゃないか?」

愛宕「あの完璧な挨拶が……そんな……!」

大淀「あ、提督! ここにいたんですね!」スタスタ

提督「大淀か、どうした?」

大淀「今日付けで着任する新しい艦娘が到着しましたよ」

提督「そうか、もう到着したのか」

提督「分かった、すぐ執務室に戻るよ」

大淀「パンパカさんも――じゃなかった」

大淀「アタゴさんもお願いしますね」

愛宕「はい……」

提督「崩れる仲間の絆」

提督「クソッ……深海棲艦どもめ……!!」ギリッ...!!

執務室――



提督「……というわけで」

提督「みんなには、今まで通りの反応をお願いしたい」

吹雪「あの……本当に今まで通りでいいんですか?」

漣「全員、パンパカさんだと思い込んでたのに……」

提督「そうじゃないと、原因解明にならないからな」

五月雨「でも……」チラリ

愛宕「私からもお願いするわ」

愛宕「これ以上、私の名前を正しく知らない子を増やすわけにはいかないの」

愛宕「外で恥をかかせてしまうかもしれないし……」

愛宕「なにより私が悲しくて死んじゃうわ……!」

叢雲「素直すぎて心が苦しい……!」

愛宕「だから、ちゃんと私のことを覚えてもらいたいの」

愛宕「上辺だけじゃない……ちゃんと私のことを理解してもらいたい……」

愛宕「そして私の名前を呼んでもらいたい……!」

愛宕「そのためにも、原因を突き止めて改善したいの」

愛宕「だからみんな……協力してちょうだい……!」

叢雲「p――アタゴ……!」

電「パn――アタゴさん……!」

漣「パンp――アタゴさん……!」

吹雪「パンパk――アタゴさん……!」

五月雨「パンパカさん……!」

五月雨「じゃない! アタゴさん……!」

吹雪「分かりました! 私たちにお任せください!」

叢雲「バッチリいつも通りの反応を見せてあげるわ!」

電「電たちにお任せなのです!」

漣「最後までパンパカさん扱いしてみせますよ!」

五月雨「任せてくださいね、パンパk――あ、アタゴさ――じゃなかった、パンパカさん!」

提督「いや五月雨はむしろ治ってないやんけ!(ツッコミ)」

「「HAHAHAHA」」

愛宕(心配過ぎる……!)キリキリ

そして――



秋月「秋月型防空駆逐艦! 一番艦! 秋月! ここに推参いたしました!」

秋月「まだ右も左も分からない若輩者ですが! 先輩方のご指導のもと! すぐに最前線で活躍できるよう努力する次第です!」

秋月「どうぞ! よろしくお願い致します!」ビシッ!!

提督「君が秋月か、よろしくね」

秋月「はい! よろしくお願い致します!」ビシッ!!

吹雪「吹雪です、よろしくね」

秋月「吹雪さんですね! よろしくお願い致します!」ビシッ!!

叢雲「叢雲よ、よろしく」

秋月「叢雲さんですね! よろしくお願い致します!」ビシッ!!

漣「こう書いて『さざなみ』です」

秋月「漣さんですね! よろしくお願い致します!」ビシッ!!

電「電なのです、電じゃないのです」

秋月「電さんですね! よろしくお願い致します!」ビシッ!!

五月雨「私、五月雨っていいます」

秋月「五月雨さんですね! よろしくお願い致します!」ビシッ!!

漣「うーん、かたい」

吹雪「もっと気楽でいいのにねー」

叢雲「いやあんたも初対面はあんな感じだったわよ?」

五月雨「ふふふ、もっとリラックスしても大丈夫なのに」

電「そんなだから何かの拍子にいつもお茶を零すのです(毒舌)」





愛宕「うーん……」

愛宕「秋月ちゃん、ちょっと良いかしら?」

秋月「え? あ、はい、なんでしょうか?」

愛宕「ちょっとお手てを拝借……」

秋月「あの、何を……?」

秋月(わわっ! この人……すごい美人です!)ドキッ

秋月(それにこの手も、すごく細くてきれい……!)ドキドキ///

愛宕「両手を握った後は……」










愛宕「パンパカパーン♪」ガバッ



秋月「わあ!?」ガバッ

秋月(両手を上げさせられてます!?)








愛宕「緊張するのは分かるけれど、私たちはあなたの味方よ?」

愛宕「あなたの頑張りたいという気持ちは、私たちも理解できるわ」

愛宕「だから、もっと肩の力を抜きましょう?」

愛宕「力まない方が、どんなことも受け入れられるものよ」

秋月「……そうすれば、私は強くなれますか?」

愛宕「うふふ♪ 愛宕よ、よろしく」つ

秋月「よ……よろしくお願いします」つ

吹雪「パンパカさん! 急にボディタッチなんてしたら、驚くじゃないですかー!」

愛宕「あ、あらら……?」

叢雲「ごめんなさい、この人こういう人だから」

秋月「いえ、おかげで緊張がほぐれました!」

秋月「これなら私、皆さんと頑張っていけそうです!」

秋月「不束者ですが、よろしくお願いします!」ピシッ!

漣「はいはい、よろしく~♪」

電「よろしくなのです」

五月雨「よろしくお願いします!」










提督「はいカット!!」



秋月「えっ」








吹雪「いつも通りでしたね」

漣「大体こんな感じでしょ?」

愛宕「ええ、いつも通りだったわ!」

秋月「あの、えっと……どういうことでしょうか?」

電「実は、ちょっとしたテストというか、なんといえば……」ハワワ

提督「秋月、1つ質問をさせてくれ」

秋月「あ、はい、何でしょう?」

提督「ここにいる艦娘の名前を答えてもらいたいんだ」

秋月「ええ!?」

秋月「まさか……この問いに答えられなかったら、採用取り消しとか……!?」ガクブル

提督「あー大丈夫、そんなつもりはないから」

提督「ただ純粋に、どういう名前と認識したか、確認するだけだ」

秋月「わ、分かりました……」

提督「まず、この子は?」

秋月「吹雪さんです」

吹雪「正解です」

提督「じゃあ、この子は?」

秋月「五月雨さんです」

五月雨「すごい、正解!」

提督「なら、この子は?」

秋月「叢雲さんです」

叢雲「やるじゃない」

提督「この子は?」

秋月「電じゃなくて電さんです!」

電「合ってるのです!」

提督「この子は?」

秋月「こう書いて漣さんです」

漣「ご主人様! この子、優秀ですよ!?」

提督「凄いじゃないか、1回しか聞いてないのに」

秋月「記憶力には自信がありますから!」フフーン

提督「……では、この人は?」










秋月「パンパカさんです!!」









愛宕「あ……あぁ……」ガクッ...!

提督「おい! しっかりしろ! しっかりするんだ!」ユサユサ

愛宕「も、もうダメ……この世界を信じられないわ……」

五月雨「パンパカさん! しっかりしてくださいパンパカさん!」

五月雨「パンパカさああああああああああああん!!」

電「もう間違えてやがるなのです(毒舌)」

秋月「あわわわ……!」ガクブル

秋月「ご、ごめんなさい!! 私、何か粗相をしたようで……!!」orz

秋月「でも……あの、何をしてしまったのか、皆目見当がつかなくて……!!」orz

叢雲「いいえ、あんたは悪くないわ」

漣「実は、これを知りたかったんだよねえ」

秋月「えっと……どういうことでしょうか?」

提督「実は、この人……みんながパンパカさんと呼んでた艦娘はな……」

提督「パンパカという名前じゃないんだ」

秋月「……」

秋月「えっ」

提督「彼女には『愛宕』という名前があるんだよ」

秋月「あ、た……え? あた、ご? あたごさん?」

愛宕「そうよぉ」シクシク

秋月「えっ」

秋月「えええええええええええええええ!?!?!?!?」ガビーン!!

秋月「も、申し訳ありません!!」orz

秋月「初対面なのに、名前を勘違いしていたなんて……!!」orz

提督「そのことなんだが……秋月」

提督「『愛宕』という言葉に聞き覚えはあるか?」

秋月「あ……ありません……」

愛宕「えっ!?」

提督「つまり愛宕から自己紹介を受けていない、ということだな」

愛宕「ええええええええええええええええ!?」

愛宕「わ、私、ちゃんと自己紹介しましたー!」プンスカ!

秋月「えええ!? い、いつの間に!?」

提督「分からん……これはどういうことなんだ……?」

電「私たちも、見当がつかないのです!」

漣「さっぱりわかんねー!」

五月雨「いつも通りの会話で、こんなことが起こっちゃうなんて……!」

叢雲「うーん……全然気付かなかったわ……」

叢雲「吹雪はどう思う?」






吹雪「……」ダラダラ

叢雲「吹雪?」




吹雪「司令官……私、気付いちゃったかもしれません……」

提督「本当か!?」

愛宕「どこ、どこ!? どこが問題だったの!?」

吹雪「秋月ちゃんが、アタゴさんと会話してた時……」

吹雪「名前を、返事だと勘違いしたんじゃないかな? ……って」

提督「? どういう意味だ?」

吹雪「つまり、あの時は秋月ちゃんが――」



秋月『……そうすれば、私は強くなれますか?』



吹雪「――って尋ねて、それに対してアタゴさんが――」



愛宕『うふふ♪ 愛宕よ、よろしく』



吹雪「――って言ってましたけど、もしかしてその言葉――」

愛宕『うふふ……あたぼうよ♪ よろしく』



吹雪「――って勘違いしたんじゃ……?」

秋月「ああ!! それです!! 私、確かにそう聞きました!!」

提督「えええええええええええええええええええええ!?!?!?!?」

愛宕「えええええええええええええええええええええ!?!?!?!?」

愛宕「『あたぼう』!? え、本当に『あたぼう』って聞いたの!?」

秋月「はい!! 間違いありません!!」

秋月「その言葉を聞いて『私、ちゃんと強くなれるんだ……頑張らないと!』って思いましたから!!」

秋月「忘れるはずがありません!!」

提督「マジかよ……」

愛宕「でも、どうして私のことを、パンパカさんだと勘違いしたの……!?」

愛宕「自分で名乗ったことないのに……」

吹雪「それは秋月さんに責任はありません」

吹雪「だって私たちが『パンパカさん』と呼びましたから」

叢雲「なるほどね……アタゴがまだ名乗ってない状態で、私たちが全員『パンパカ』と呼ぶ光景を見たのなら……」

電「絶対に勘違いするに決まってるのです!」ハッ...!!

提督「た、確かに」

漣「あーでも言われてみれば……」

漣「漣もアタゴさんの『あたぼうよ』って言葉、聞いた覚えあるかも」

五月雨「わ、私も同じです……!」

電「電も同じなのです!」

愛宕「ええー!?」

叢雲「あんた……話し方がまずいんじゃないの?」

叢雲「会話中に突然自己紹介するから、きっと名前だと思われなかったのよ」

愛宕「そうだったのね……」

愛宕「……でも、海外の子たちは全員、ちゃんと理解していたわ!」

愛宕「あれは一体……!?」

漣「いやー海外の人は『あたぼうよ』なんて言葉、知らないと思いますけどねー?」

愛宕「あっ……」

提督「なるほど、だから日本艦娘は『あたぼうよ』と勘違いしたのに、海外艦娘たちは『atagoよ』と正しく聞き取れたのか」

叢雲「あの紹介の裏で、そんな勘違いが起こっていたなんて……」

五月雨「あっでもビスマルクさんは勘違いしそうな気g――」

電「それ以上言ってはいけないのです(戒め)」

愛宕「私、ちゃんと自己紹介していたつもりだったのに……」

愛宕「みんなに勘違いさせてしまっていたのね」

提督「愛宕……」

愛宕「でも、それも今日でおしまい」

愛宕「私は自分の手で間違いを正してみせる……!」

愛宕「秋月ちゃん」

秋月「は、はい」

愛宕「私は愛宕よ」

秋月「愛宕、愛宕……はい! 愛宕さんですね?!」

愛宕「ええ! そうよ! 私は愛宕よ!」

秋月「今度こそバッチリです! よろしくお願いします、愛宕さん!!」ビシッ!!

愛宕「あ……ああ……!」ウルウル

愛宕「秋月ちゃああああああん!!」ギュー!!

秋月「むぎゅっ!?」

愛宕「お姉さん、とっても嬉しい!!」ギュー!!

愛宕「名前を呼ばれるだけなのに、これほど嬉しいことはないわ!!」ギュー!!

愛宕「もうね!! あなたのこと、とことん贔屓しちゃう!!」ギュー!!

秋月「く、くるしい……!」グエー

提督(愛宕と秋月という美少女2人の抱擁シーンの尻まわりがえげつなさ過ぎる……写真撮っとこ)

スマホ「提督やってて良かったなホンマ!!」ピロリーン♪

提督「……というわけで秋月には、愛宕の名前を定着させる任務を与える」

提督「早速愛宕のために頑張ってくれ」

秋月「はい! お任せを!」ビシッ!

愛宕「あ~ん♥ この子、本当に可愛いわァ~♥!」スリスリ

秋月「あ、あの……距離が、その……」

提督「愛宕はパーソナルスペースが狭いタイプなんだ、我慢してくれ」

提督「まあ、姉が出来たと思えばいいじゃないか」

秋月「なるほど! さすがは司令官ですね!」

秋月「よろしくお願いします、愛宕姉さん!」

愛宕「!!!!!!!!」

愛宕「ええ!!!!!!!! なんでも頼ってね!!!!!!!!」

五月雨「あ、あの!」

五月雨「せっかくだから、食堂に行きませんか!?」

漣「お、それ良いねー!」

叢雲「確かに、この時間ならまだ朝食を食べてる子も多いはずだわ」

電「では、秋月さんの案内ついでに、アタゴさんを布教するのです!」

吹雪「せっかくですし、司令官もどうですか?」

提督「え? いやいや、俺はいいよ」

提督「これでも仕事中だし……」

吹雪「でも司令官も一緒なら、アタゴさんの間違いもすぐ直ると思います」

提督「……そうか、なら俺も同席しようかな」スクッ...

漣「メシウマ展開キタコレ!」

五月雨「食堂なだけに」

漣「それでは、さっそく食堂にのりこめー^^」スタスタ

五月雨「ああ、待ってくださいよー!」トテトテ

提督「あんまり急ぐとまたこけるぞー?」スタスタ

電「そろそろそのロングヘアーをまとめろなのです(正論)」テクテク

愛宕「それじゃ、まずは食堂から案内するわね」スタスタ

秋月「分かりました!」スタスタ

叢雲「……あら、吹雪は来ないの?」

吹雪「あ、うん、ちょっと用事を済ませてから行くね」

叢雲「そう、早く来るのよ?」スタスタ

吹雪「分かった」ノ

吹雪「……」

廊下――



提督「そうかー、周りがそう呼んでたら、間違えちゃうよなあ」

秋月「はい。全員がパンパカさんと呼んでいたので、すっかり勘違いしてしまいました」

五月雨「きっとみんなも同じだと思います」

漣「うへ~……これ、凄い人数に注意する必要があるんじゃ……」

叢雲「まあ、それくらいは頑張らないとね」

電「あははは……」

電(……うーん……)

電(確かに、周りに影響されることは、原因として考えられるけれど……)

電(ここまで影響するなんて、何かおかしいような……)

電(……それに)

電(だとしたら、どうして初期艦の吹雪さんまで、間違えたのかな……?)

電(司令官さんはちゃんと分かっているから、影響されたことは無いはずなのに……)

電(うーん……気のせいかもなのです……)



……………………
…………

執務室――



吹雪「……」

吹雪「……」

吹雪「フ……」

吹雪「フフ……」

吹雪「フフフ……」










吹雪「そっかあ……もうバレちゃったかあ……」








吹雪「艦娘の名前をわざと間違えさせて、内部から崩壊させる作戦だったのに……」

吹雪「これは失敗かな」

吹雪「でも、他の作戦はどれも継続中……」

吹雪「よその鎮守府の仲間たちも、まだ正体はバレてない……」

吹雪「依然、計画に支障無し」

吹雪「今回の作戦も、あくまでサブイベントに過ぎない……」

吹雪「私たちの最大の目標は、ただ1つ――」ズズズ...!

ゴゴゴゴゴ……



深海吹雪「艦娘ノ抹殺――」

深海吹雪「最後ニ嘲笑(わら)ウノハ、ワレワレダ……!!」ニタァ



ゴゴゴゴゴ……









(深海棲艦との戦いは)つづく

以上です、ありがとうございました。

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