モバP「事務所総出でやりますね」 (13)

ある日の夜、仕事を終えて事務所を帰宅中のプロデューサーは偶然にも学生時代の同級生と再会した。意気投合した二人は近くの居酒屋に立ち寄り、飲み交わしていた。





モバP「ぬわああああん疲れたもおおおおん」

同級生「アイドルのプロデューサーって大変なんだな」

モバP「そりゃーいろいろとあるからね。お前の方はどう?今何の仕事してるの?」

同級生「実は俺、今度アダルドグッズ宣伝店を開くつもりなんだ」

モバP「えっ!?」

同級生「ははっ、おかしいだろ……。実は学生時代からアダルドグッズに興味があってな、ずっと周囲には言えなかったけど夢だったんだよ」

モバP「……いや、そんなことないさ。夢を追い求めて実現するんなら、それがアダルドグッズの店だろうと俺は笑わない」

同級生「…………ありがとよ」

モバP「店がオープンしたら教えてくれよ! 開店祝いの花でも贈るから」

同級生「おうっ!」



その後同級生は店をオープンさせ、プロデューサーは凛の実家の花屋さんに頼んで開店祝いの花を贈った。

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しかしオープンからしばらく経ち……


同級生「うえぇぇぇーーーーーんん!! プロデューサー助けてぇーーー!!」

モバP「おい! どうかしたのか?」

同級生「……バイト店員と揉めた」

モバP「え?」

同級生「バイト店員がギャルっぽい30代くらいの女の人で元ヤンキーなの。態度悪いからクビにしたらあーだこーだ言われたんだ……」

モバP「いや、なんでそんな人雇ったの。面接の段階で落とせよ」

同級生「んでさ、その人の妹さんがなんか勘違いしたのかわかんないけど、SNSで店のこと紹介したらしいんだ。別に紹介してくれるのはいいけど、どうやら妹さんはお姉さんが店をオープンさせたって投稿したのよ」

モバP「ふむふむ」

同級生「そのことでクレーム入れたら逆ギレされて、で態度も悪いからクビにしたんだ。んで今までの給料払うから取りに来いって行ってもなかなか来ないのよ」

モバP「振り込みじゃないのか?」

同級生「契約の時振り込みにしてなかったからな。でもなかなか来なくてSNSでも間違ったこと流されて……はぁ、俺どうすればいいんだよ」

モバP「うーむ……」

モバP(本当に困ってるようだな。何とかしてやりたいが、どうすればいい……あっ、そうだ!)

モバP「なあ? 向こうはヤンキーなんだろう? ならこっちはヤンキーよりもおっかない存在で威圧するのが一番じゃないのか?」

同級生「ん? 何するんだ?」

モバP「ヤンキーなんて可愛いもんさ。うちにも元々そういう感じだった子どもがいてさ、でも今は可愛いアイドルだよ。ヤンキーなんて根は弱いんだ。ガツンと言ってやれば大人しくなると思うぞ」

同級生「うーん、そういうもんかな」

モバP「俺に任せておけ!」

カタカタ

『同級生の知り合いのプロデューサーだけど。
色々言いたいことあるけどさ、ヤンキーだったか知らないけどうちの事務所にはマジでやばい人いますよwww 緑色の制服着て数々のプロデューサーをゲーム障害に追い込んで20万円の課金から抜け出せなくなるとかあるかんねー?
あと、弁護士たてて、法的処理、いくらでもできるからこれからの出方次第でこっちも事務所総出でやりますね。』






同級生「おいおい、これ言い過ぎじゃないのか?」

モバP「こんくらい言っときゃ向こうも黙るだろう」

同級生「だといいけど…」


それからしばらくして……


モバP「今日はひっさびさの休日だぁ~! 一日中家でのんびりしよーと!」



prprpr……


モバP「電話だ。相手は……ちひろさんからだたくっ、あの緑の悪魔め、休みの日くらい仕事の電話すんなよな」

ガチャッ

モバP「あ、もしもし~」

ちひろ『プロデューサーさん! あなた一体何してくれてんですかぁぁぁぁぁーーーーー!!?』

モバP「えっ!? そんなに大きな声出してどうしたんですか!?」ビクッ

ちひろ「自宅にテレビがあるなら今すぐニュース番組観てください!!」

モバP「え、ニュースを」




ポチッ

アナウンサー『薬物問題などで混乱の続く芸能界において、またしても大きな問題が起こりました。しかも今回は大手芸能プロダクションのアイドルプロデューサーがトラブルを起こしました』

モバP「………えっ」

アナウンサー『346プロダクションのアイドルプロデューサーが知人が経営するアダルトショップで働いていた元アルバイトの従業員に対して、反社会的勢力の存在をちらつかせて圧力をかける脅迫メールを送ったとして、メールを受け取った元従業員がそのスクリーンショットをネット上に公開し告発しました』

モバP「ファッ!?」

アナウンサー『こちらがその問題のスクリーンショットなのですが、これについてどう思いますか?』

コメンテーター『これは非常に悪質ですね。事務所総出でやると書かれていますが、一般の方に対して使う言葉ではないし、プロダクション全体がそういう勢力と繋がってることを示唆する内容を明かすことが非常に良くないですね』

アナウンサー『なお346プロダクションは取材に対して「担当者不在のため回答できない」とお決まりのパターンで居留守こいています』






モバP「…………」

その後プロデューサーの人生は、大きく荒れた。
事務所にはマスコミの取材が殺到し、この件について直接関係のない他のアイドルにも執拗な取材を求めるマスコミの姿勢が問題視され、批判が集まった。
小学生組にも取材を求めた記者もおり、ストレスからしばらく休養しなければならないアイドルも多数出てしまった。

そして346プロダクションのイメージは悪化し、反社会的勢力とのつながりを疑う声が世間でも大きくなった。事務所は当然それを否定するが、ネットでの炎上は止む気配がない。
この機に乗じてか、大手事務所である346プロを良く思わないあの事務所や勢力、アンチなどが呉越同舟的に団結して346プロダクションの疑惑を追求する運動を展開。
世間からの目は厳しくなり、業界からも346プロのアイドルを起用するなという空気が出来てしまった。




モバP「はぁ……俺の人生は終わった」

モバP「アイドルからも信頼を失い、同級生からも絶縁を言い渡された。しかも裁判で訴えてやるとか言われたし……事務所からも謹慎しろって言われて、俺もう生きてけねぇよ……」



prprpr…


モバP「電話……え、美城専務からだ」


ガチャッ

 
美城『私だ』

モバP「あ、美城専務。この度は本当に申し訳____」

美城『今から事務所に来なさい』

モバP「へっ……」


プロデューサーは呼び出しを受けて、事務上へと向かった。



美城「…………」

モバP「…………」

美城「私が言いたいことはわかるかね?」

モバP「……本当に、申し訳ございませんでしたぁぁぁぁーーーーーーーー!!!」ドゲザ

美城「……頭を上げなさい。私も鬼ではない」

モバP「へっ?」

美城「君が今回しでかしたことは本来であれば到底許されるべき行為ではない。しかし君の働きもある今まで多くのアイドルが輝いたのも事実だ」

モバP「そ、それでは……私を許してくださると!?」

美城「それは君の答え次第だ……」

モバP「へっ!?」

美城「もう一度問う。私が言いたいことはわかるかね?」

モバP「はっ……まさか、それだけはご勘弁を! 僕まだ童貞なんです!!」

美城「君はことの重大さを理解していないようだ。今回の件で事務所にどれだけの悪影響が及んだことか……」

モバP「ぐぬぬっ……」

モバP(確かに俺が今回招いたことは本当なら簡単に許されることじゃない。本当は卯月か由貴か美穂か舞か楓さんか美優さんか千枝か薫か唯あまりで卒業したかったけど……まあミッシーは美人ではあるしギリギリ許せるかな)

モバP「……許してください! なんでもしますから!」


美城「…………そうか。彼も喜ぶだろう」

モバP「彼……?」




ガシッ

同級生「……お前の気持ち、よくわかったぜ」

モバP「…………」






\ ノォォォォーーーーーーーーンンン!!!/



それからしばらくして


美嘉「はぁ……うちの事務所も大変だな。まったくプロデューサーったら、あんなことして……もう」

美嘉「あれ? 事務所の近くにタピオカ屋ができてる。ちょうど喉渇いたし、気分転換に飲もうかな」



ガラガラ

モバP「いらっしゃいませェ……」

美嘉「プロデューサー!? アンタこんなとこでなにやってんのよ! てゆうかすごくやつれてふんだけど」

モバP「……ようこそ、タピオカ屋へ。おすすめはこのラムネ入りタピオカミルクティーだよ」

美嘉「え? ラムネ……」





 






















ちひろ「薬物乱用、ダメ絶対!」






終わり

由貴?

悠貴か友紀の間違い?

>>10
ごめん間違えた!
乙倉ちゃんの方です。ご指摘ありがとう

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