【シャニマス】凛世「……にゃーん……」 (11)
ニャー
凛世「にゃん……」
ニャーオ ニャー
凛世「にゃーん……にゃあ……」
ニャー ニャーウ ニャー
凛世「にゃん、にゃー……ふふっ……」
P「凛世」
凛世「!」
凛世「プロデューサーさま……いつから……!」
P「凛世が猫と、ちょうど話し始めた時だよ。声をかけようと思ったら、ずいぶん楽しそうに会話してるもんだから」
凛世「……」カァァ…
P「ごめん。タイミングを失っちゃって」
凛世「いえ……お気になさらず……」
ニャー ニャー
P「ここの家、多くの猫を飼ってるんだよな。玄関に座ってるのを見かける。いつも来るのか?」
凛世「そういうわけでは……。以前、果穂さんたちから、ここの猫のことを教えていただいて……お買い物を終えた帰りに、ふと思い立ち……訪れたのです……」
P「そうだったのか。何を話してたんだ? もしよければ……」
凛世「……っ」
P「あ……そ、そうだよな。詮索しないよ、今の質問は忘れてくれ」
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凛世「……お天気の、お話を……」
P「!」
凛世「今日は暖かく……お散歩日和だというお話を、しておりました……」
P「はは、そうか。確かに冬にしては暖かいな。暖冬ってやつだ」
凛世「はい……なので、ぷちさんたちも、こうして外に出ていると……」
P「ぷちさん?」
凛世「この方です……ぷち、というお名前です……」
ニャー
P(凛世が今つけたのかな。いや、飼い主さんに教えてもらったのか)
ニャー ニャー
凛世「ぷちさん……この方は、先ほどお話した……凛世の大切な……」
ニャー ニャーウ
凛世「そ、そのような関係では……。今は、まだ……」
P(なんか、本当に会話してるみたいだな)
ニャーオ ニャー
凛世「……そうなのですね……。では、またお会いしましょう……」
ニャー
P「あれ? あの猫……ぷちだっけ。どこに行くんだろう」
凛世「昼餉の時間だとか……」
P「なるほど」
~~~~~~
凛世「申し訳ございません……荷物を持っていただいて……」
P「気にしないでくれ。俺もこっち方向へ行くつもりだったから、ついでだよ」
凛世「ありがとうございます……」
P「……他には、どんな話をしてたんだ」
凛世「?」
P「ぷちとの会話」
凛世「……アイドルのお話……ユニットの皆さんのお話……そして、プロデューサーさまのお話を……」
P「俺の話も?」
凛世「凛世を、アイドルの世界へ導いてくださった……大切なお方だと……」
P「そんなふうに言われると恥ずかしいな」
凛世「嘘偽りなき、事実でございます……」
P「少し照れくさいけど……ありがとう。というか凛世、猫の言葉が分かるのか? やり取りができてたように見えたけど」
凛世「直接は、分かりません……。ですが、『にゃー』という声を、耳にしていると……どことなく、感じられるのです……」
P「猫が何を言ってるか?」
凛世「はい……」
P「へー、不思議だな。俺にも分かるかな」
凛世「プロデューサーさまにも……?」
P「うん。今度猫を見かけたら話しかけてみるよ……って、俺がそんなことしたら怪しい奴だな。凛世みたいな綺麗な女の子だと、すごく絵になるんだけど」
凛世「き、綺麗などと……もったいない、お言葉でございます……」
凛世「……プロデューサーさま……よろしければ、次のお休みに……○○公園へ……」
P「ああ、そういえばあそこにも猫がたくさんいるな。人の家の前よりかは怪しまれないだろうし。うん、行ってみよう」
凛世「……凛世も……」
P「ん?」
凛世「その……凛世も……ご一緒しても、よろしいでしょうか……」
P「もちろんいいけど、せっかくのオフに、俺と猫を見に行くなんて……」
凛世「お願いいたします……」
P「凛世がいいなら構わないよ。一緒に行こうか」
凛世「……!」
凛世「はい……ありがとうございます……!」
凛世「……あ……」
P「寮が見えてきたな。これ、玄関まで持って行くよ」
凛世「……感謝いたします……」
~~~~~~
P「それじゃあ、また明日。打ち合わせは予定通り、17時頃だから」
凛世「はい……」
P「風邪を引かないように、体に気をつけてな」
凛世「……はい……」
凛世「……プロデューサーさま……」
P「ん、どうした? なにか言い忘れが……」
凛世「にゃー……」
P「!」
凛世「にゃー……にゃーん……にゃあ……」
P「……えっと……」
凛世「申し訳ございません……猫の言葉で、ご挨拶を、と……」
P「猫語か。なんて言ったんだ?」
凛世「……」
凛世「……お体に気をつけて……また明日、お会いしましょう……」
P「はは……うん、また明日」
凛世「風邪を引かぬように……暖めてください……」
P「凛世もな」
パタン
凛世「……にゃー……」
凛世「……にゃー……にゃーん……にゃあ……」
凛世(この想い……仮初の言葉では……)
凛世(……プロデューサーさま……凛世は、貴方さまを……)
~~~~~~
(次のオフ)
ニャー ニャーオ
P「今日は冬らしい寒さだから、猫が少ないな」
凛世「はい……」
P「違うところで暖をとってるんだろうな。おいで」
ニャー
P「大人しい。人に慣れてるみたいだ」ナデナデ
ニャーオ
P「可愛いなぁ」
凛世「とても、気持ちよさそうです……」
P「凛世も撫でてみるか?」
凛世「はい……失礼いたします……」ナデナデ
ニャーオ ニャー ゴロゴロ
P「喉を鳴らしてるぞ。凛世の撫で方が好きなんだ」
凛世「ふふっ……」
ニャー ニャー
P「他の猫も寄ってきた。よしよし」ナデナデ
ニャー
P「ははっ、自分から頭を擦りつけてくるなんて」
凛世「……」
P「本当に可愛いな」
凛世「……はい……」
P「凛世、こっちの猫も触りたい?」
凛世「!」
P「じっと見てるから」
凛世「い、いえ……」
凛世「……はい……」
P「この猫、特に人懐こい気がするぞ。お腹まで見せてる」
ニャン ニャーオ
P「お前もか。よしよし、いい子だな」ナデナデ
凛世「……」
P「なんだ凛世、こっちの猫も触ってみたいのか?」
凛世「え……。い、いえ……」
凛世「……はい……」
P「この子も大人しいよ」
凛世「はい……大変、愛らしいです……」
凛世「……」
~~~~~~
P「このお茶でよかった?」
凛世「ありがとうございます……お金を……」
P「いいよ、俺のおごりってことで」
凛世「……では、ありがたく……」
P「うん」
凛世「プロデューサーさまは……ココア、なのですね……」
P「冬になると、たまに飲みたくなるんだよ。夏に食べるアイスみたいに。こうして寒い中、公園のベンチに座りながらというのも、ささやかな幸せを感じられて好きなんだ」
凛世「……」
P「暖かい場所で、温かい飲み物を飲むのも、もちろん好きだけどさ」
凛世「……そのお気持ち、分かります……」
凛世(このような寒い場所でも……プロデューサーさまと、並んで座らせていただくだけで……凛世は……)
凛世「……プロデューサーさま……」
P「?」
凛世「……にゃーん……にゃん……にゃー……」
P「あ、猫語。そういえば結局、猫の言葉分からなかったんだよな」
凛世「凛世の、今の言葉も……?」
P「そうだなぁ……難しい」
凛世「……言葉だけでは、ないのです……」
P「え?」
凛世「言葉だけでは……理解することは、難しいです……。表情や、仕草など……言葉以外の、様々なものを見ると……どことなく……」
P「ひょっとしてそれはヒント?」
凛世「はい……」
P「よし。じゃあ、そのヒントを踏まえた上でチャレンジしてみよう。悪いけど凛世、もう一回言ってくれないか?」
凛世「……にゃあ……にゃん……にゃー……」
P「……」
凛世(プロデューサーさま……凛世の、この想いを……)
P「……」
凛世「……」カァァ…
プイ
P「あ」
凛世「……申し訳ございません……顔を、逸らしてしまい……」
P「お、俺のほうこそ真剣に見つめすぎて……変な顔してたよな」
凛世「そのようなことは……」
P「うーん……こうなったら、ぶっつけ本番だ。あの猫たちのところへ行ってみるよ。凛世のヒントを取り入れて……」
ヒュオオオオ
P「寒っ……! き、急に風が吹き始めた……」
凛世「くしゅんっ」
P「凛世、大丈夫か?」
凛世「ご心配には、及びません……」
P「寒そうにしてるじゃないか。今気づいたけど、猫たちもいなくなってるし、今日は帰ろう」
凛世「……はい……」
凛世(……プロデューサーさまとの、時間が……もう……)
~~~~~~
P「う……顔に風が当たって冷たい……」
凛世「……」
P「……」
P「凛世、これを着てくれ」
凛世「?」
凛世「……これは……プロデューサーさまの……」
P「下に着込んでて、コートが無くても平気だからさ」
凛世「ですが……」
P「俺は大丈夫。それよりも、凛世が心配なんだよ」
凛世「……ありがとう、ございます……」
P「いいんだ。どうだ? まだ寒い?」
凛世「……とても……暖かいです……」
P「よかった」
凛世「……」
凛世(暖かい……とても……。プロデューサーさまの、温もりを……感じます……)ギュ
P「……凛世、ひとつ提案があるんだけど。あの店に入らないか? まだ帰るには早い時間だし」
凛世「……!」
P「軽く食べながら話そう。もちろん、帰りたいなら寮まで送っていくよ」
凛世「……」
凛世「……にゃあ……」
P「!」
P「……はは。分かった、じゃあ行こうか。あの店、空いてるといいな」
凛世「……はい……」ニコ
凛世(仮初の言葉……それでも、プロデューサーさまは……分かるまで聞いてくださると……)
凛世(……いつか、この想いも……)
おわり
読んでくださりありがとうございました
解釈違いというか、納得いかない箇所がありましたら申し訳ありません
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