真「最近、律子と話せてないなぁ」 (48)
一年程前 事務所
真「ねえ律子」
律子「なあに」カタカタ
真「仕事全然ないね」
律子「仕方ないわよ、765プロはまだ小さいし人手的にも財源的にもつらいものがあるしね」カタカタ
真「まともに活動してるの律子ぐらいだしね」
律子「まあね」ッターン
真「暇だなぁ……」
律子「レッスン行ってきたら?」カタカタ
真「今日はもう行ったよ」
律子「あらそう」カタカタ
真「りーつーこー」
律子「何よ」カタカタ
真「何かしようよ」
律子「まだ仕事中」カタカタ
真「むー」
ッターン
律子「よし終わり…っと」
律子「んーっ」ノビー
律子「ふう」チラッ
真「むー……」
律子「いつまで暇を持て余してるのよもう」
真「だって……」
律子「そうね、どこか行く?」
真「え?」
律子「一応仕事は一段落ついたしね、付き合ってあげてもいいわよ」
真「ホント?じゃあ……」
律子「で、スイーツとはね」
真「へへっ、一度来てみたかったんだー」
律子「そう」
真「んー、何頼もうかなぁ……」
律子「ふふ……」
真「何がおかしいのさ律子」
律子「だって真ったらかなり真剣な顔してるから」
真「う、うるさいなぁ……もう」
何分か後
律子「決まった?」
真「も、もうちょっと待って!」
律子「何?迷ってるの?」
真「う、うん…どっちにしよう……」
律子「……真、ちょっとメニュー見せて」
真「はい」スッ
律子「で、どれとどれで迷ってるの?」
真「えっと、これとこれなんだけど……」
律子「んー、確かにどっちも美味しそうね」
真「でしょ?」
律子「そうね……」
律子「すいませーん」
真「えっ」
店員「はい」
律子「これとこれお願いします」
店員「かしこまりました」
真「ちょ、ちょっと」
律子「何?」
真「律子はどれ食べる気なのさ」
律子「あんたどっちにするか迷ってたでしょう?だったら2つとも頼んで半分にすればいいじゃない」
真「でも」
律子「いいのよ、私一応年上よ?」
真「それ関係あるの?」
律子「さあね」
真「むー」
真「ねえ、律子」キョロキョロ
律子「何?」
真「ボク達って他の人から見たらカップルに見えるのかな」
律子「なんで?」
真「いや、ほらボクって男の子っぽいから……」
律子「……ああ、うんそうかもね」
真「やっぱり……」
律子「でも気にすることでもないでしょう?」
真「でも……」
律子「はいはい、そう卑屈にならない」
真「むー……」
律子「大丈夫、あんた可愛いし」
真「え、ほ、ホント?」
律子「真剣にメニュー選んでるところとか結構可愛かったし」
真「へ、へへ…そうかなぁ……」
律子「でも、まあ男の子っぽく見えるのも真の魅力のひとつだと思うわ」
真「へ?」
律子「だから、売り出すときはカッコいい感じで売り出すことになりそうかな」
真「ちょ、ちょっと」
律子「覚悟しときなさいよ、私がプロデューサーになったらその方向でやってくから」
真「そ、そりゃないよ律子……」
律子「ふふっ」
店員「お待たせしました」
真「あ、来た」
律子「とりあえず半分食べちゃいなさい、私も半分食べたら渡すから」
真「はーい」
パクッ
律子「んっ、美味しい」
真「………」
真(……ちょっと律子をからかってやろう)パクッ
真「ねえ、律子」
律子「ん?」
真「はい、あーん」
律子「……どういうつもりよ」
真「そろそろ別の味が欲しいんじゃないかなって思ってさ」
律子「大丈夫よ、もうすぐ半分食べちゃうし」
真「いいからいいから」
律子「………」
真「ほらほら」
律子「……んっ」
真「美味しい?」
律子「まあ、うん美味しいわ」
真「へへっ……」
律子「……ふふっ」
現在 事務所
真「なんてこともあったのになー」
伊織「何か言った?」
真「んー、忙しそうだね竜宮小町」
伊織「そりゃそうよ、でもあんたも仕事でしょ?」
真「まあね」
律子「伊織ー?行くわよー」
伊織「じゃ行ってくるわ」
真「うん」
真(仕事がグンと増えたし、律子はプロデューサーになったけど担当したのは伊織達、竜宮小町、それに付きっきりだからなぁ)
真(最近、話せてないなぁ)
真(というか、プロデューサーになったらプロデュースしてくれるんじゃなかったんじゃないの、律子)
真「……いいなあ…伊織達」
小鳥「それは恋よ真ちゃ…」P「はい黙ってましょうねー」
真「………」
真(恋かぁ……)
真「……何か違うだろうな、多分」
別の日
律子「ま、またハメたわねあんた達!」
伊織「いいじゃない、なんやかんやであんた楽しんでるし」
律子「いやいやいや、流石に今回ばかりは無理よ!ソロよ!ソロ!」
真「どうしたんだろ律子」
P「ん?あれか?次のライブあるだろう、そこで律子ソロのパートを作ってあるんだ」
真「はー……すごいことしますね」
P「結構ファンからの希望が多かったからな」
真「ふーん……」
ライブ当日
律子「とうとうこの日が来てしまった……」
伊織「今更後悔したって遅いわよ」
春香「律子さんファイトです!」
真美「いけいけゴーゴー!だよりっちゃん!」
律子「ああもう、分かったわよ!行ってきます!」
真「行ってらっしゃーい」
真(そう言ってステージに出た律子はとっても生き生きしてて)
律子「はいはーいりっちゃんですよー!」
真(ちょっと、カッコいいなって思った)
律子「どうしたのよボーっとして」
真「ん?いや、カッコいいなって」
伊織「カッコいいはあんたの専売特許じゃないの?」
真「ううん、そういうかっこよさじゃなくってさ」
伊織「?……ふうん」
伊織「……律子、明後日オフよ」
真「へ?」
伊織「最近あんた達話してないんじゃない?その日にでも誘ってどっか行くといいわ」
真「………」
伊織「何?」
真「ありがとう伊織」
伊織「感謝しなさいよね」プイッ
真「うん」
翌日
真「律子ー!」
律子「あら真、どうかした?」
真「明日、律子オフだよね?」
律子「そうだけど?」
真「じゃあさ、ちょっと付き合ってよ」
律子「どこに?」
真「前に行ったあの店、新しいメニュー入ったんだって」
律子「んー、分かったわ車で行く?」
真「ううん、最近自転車買ったんだ。だから、それで」
律子「……私持ってないわよ?」
真「大丈夫!」
律子「どういうことよ……」
真「まあ明日楽しみにしててよ!」
翌日 事務所前
律子「で、まさか二人乗りしようとわね」
真「へへっ」
律子「知ってる?二人乗りって違反なのよ?」
真「……あ」
律子「……忘れてたって顔ね」
真「うう……」ショボン
律子「………」
律子「……まあ、今回だけ付き合ってあげるわ」
真「……ホントに?」
律子「……正直、私も一度やってみたいと思ってたし」
真「少女漫画の影響で?」
律子「……うるさい」チョップ
真「あたっ」
真「ついたー!」
律子「……意外とお尻が痛くなるのねこれ」
真「あはは」
律子「あはは、じゃないわよもう」
律子「で、今回は何頼むの?」
真「えっとね……」
何分か後
律子「まだ決まらないの?」
真「も、もうちょっと待って!」
律子「……ふふっ」
真「な、何さ」
律子「んー?前もこんなことあったなって」
真「あ……」
律子「2つとも頼んじゃいなさいよ」
真「で、でも……」
律子「いいからいいから」
真「むー……」
真「律子はさ」
律子「ん?」
真「自分の頼まなくていいの?」
律子「大丈夫よ、私もそれ食べて見たかったし」
真「………」
律子「はいはい気にしない、私は年上なんだからこれぐらいはしてたいの」
真(……ボクだってもう17歳だってのになぁ)
真「最近どうなの?竜宮小町」
律子「順調よ、真は?」
真「ボクも順調、新しい曲貰ったしね」
律子「『自転車』ね、いい曲だと思うわ」
真「でしょ?」
律子「あ、まさかそれに影響されて買ったの?」
真「……バレた?」
律子「バレバレよ」
何分か後
店員「お待たせしました」
律子「あ、来た来た」
律子「あ、美味しい」
真「こっちも美味しいよ!」
律子「本当美味しいわね」
真「………」ティン
真(……そうだ!)
真「はい、律子!あーん」
律子「……また?」
真「へへっ」
律子「もう……あーん」
真「はいっ」
律子「んっ」
律子「……うん、美味しい」
真「へへ、そうでしょ」
律子「……これ、女の子のファンに怒られちゃいそうね」
真「いいんだよ、律子だし」
律子「どういう意味よ、それ」
律子「はー、おいしかった」
真「また来たいね」
律子「まあ、なるべく後にね」
真「……体重?」
律子「うるさい」チョップ
真「あいたっ」
真「さあ乗って乗って」
律子「……帰りも乗るのね」
チリリン
律子「久しぶりに真と話したわね今日は」
真「そうだね、最近忙しかったし」
律子「そうね」
真「ねえ律子」
律子「何?」
真「今度休みとれたらまた行こうよ」
律子「自転車使って?」
真「うん!」
律子「もう……」
真(あ、呆れて笑ってる)
真(好きだなぁ、その顔)
チリリン
真(……ちょっとからかっちゃおう)
真「ねえ、律子」
律子「何?」
真「……好きだよ」ボソッ
律子「………」
真「………?」
律子「ごめんなさい、聞こえなかった!」
真「………」ムッ
律子「真?何て言ったの?」
真「………」スウッ
律子「?」
真「好きだあああああ!」
律子「!?」
真「………」カアッ
律子「ちょ、ちょっと真!?」カアッ
真「ぷっ、ふふっ」
律子「ど、どういうことよ真!」
真「あははっ!」
その日自転車に二人乗りをし、顔を真っ赤にして騒ぐ二人の女の子を沢山の人が見かけたそうです
終わり
画像ありがとう
できるなら>>13の続きが見たい
すまんがそれしかもってないのよ
>>46
そうか
詳細検索かけても何もなかったから残念だ
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