伊織「ミキノート?」 (34)
伊織「なによこれ」ペラッ
伊織「ルール? うわ、カタカナばっかりね……漢字使いなさいよ」
~~ミキノート ルール~~
・このノートに書かれたコトをミキがみたらやるの
・書かれたことはだいたいやるけど、ヘンなこと書いちゃダメだよ?
伊織「書くわけないでしょ!」
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伊織「はあ……ひとりで何やってるのかしら。私」
伊織「ミキノート、ね……」
伊織「……」
伊織「……いや、こんな遊びに付き合ってる場合じゃ」バッ
伊織「……」
伊織「……ああもう!」ペラッ
伊織「……やっぱり書き直して」
美希「ありがとーなの」バッ
伊織「ひゃあ!? アンタいたの!?」
美希「うん。だって、ノート見ないとでしょ?」
伊織「言いなさいよ! 私がひとりごと言ってるときどんな気持ちだったのよ」
美希「見てなかったことにするの。ごめんね?」
伊織「そういう問題じゃ……」
美希「さてさて、でこちゃんはなんて書いたのかな~?」
伊織「あっ! か、返しなさい!」
美希「なんで? ミキノートに書いたことは取り消せないの」
伊織「そんなわけないでしょ」
美希「どれどれ……」
伊織「……」
美希「……」
伊織「な、なんか言いなさいよ」
美希「あ、うん……えっと、本当にこれでいいの?」
伊織「ノートに書いたことはやってくれるんでしょ」
美希「うん」
伊織「じゃあ、その……よろしく」
美希「オッケーなの。にしても、でこちゃんがミキとお昼寝したいなんてね~」
伊織「ばっ! そう書いてないでしょうが!」
美希「そういう意味でしょ?」パッ
『寝るときにそばにいてほしい』
伊織「うう……書くんじゃなかったわ」
美希「でこちゃん、ずっと忙しいもんね。ほらほら、ソファー行こ!」
伊織「言っておくけど、別にあやしてほしいじゃないから!」
美希「分かってるの。よーしよし」
伊織「わかってないじゃない!」
美希「コーフンすると寝れないよー?」
伊織「う……」
――――
美希「……あふ。ミキもちょっと寝ちゃった」
美希「あ、やよいなの」
美希「やーよい」
やよい「美希さん! あの、このノートって」
美希「うん。ミキノートなの!」
やよい「美希さんのノートですか?」
美希「そうだけど、そうじゃないカンジ。ミキにお願いしたいこと、書いてみて」
やよい「お願い、お願い……な、なんでもいいんですかっ」
美希「あんまりヘンなことはダメ。えっちなこととか!」
やよい「え、えっ……だ、だいじょうぶです! そんなの!」
美希「あはっ、冗談なの。なにかない?」
やよい「うーん……あっ!」カキカキ
やよい「お願いします!」
美希「はいなの」
『おそうじを手伝ってください!』
美希「お掃除?」
やよい「実は、事務所の大掃除がまだ終わってないんです。小鳥さんと頑張ったんですけど」
美希「あ、みんなで窓拭いたりしたやつ!」
やよい「はいっ。まだ給湯室まわりが手つかずなんです」
美希「わかったの。一緒にやろっ」
やよい「ありがとうございます! ふたりでやるときっとすぐです!」
――――
やよい「ふーっ、おわりましたー」
美希「けっこうガンコだったのー」
やよい「ありがとうございました!」
美希「こっちこそ、いつもありがとーなの。やよいのおかげで事務所キレイだし」
やよい「えへへっ」
やよい「じゃあ、休憩しましょうか」
美希「そーだね」
雪歩「お疲れ様、ふたりとも」
真「お疲れ様~」
美希「ふたりとも、読み合わせ終わった?」
真「バッチリ!」
雪歩「真ちゃんと一緒のドラマって久しぶりだよね。ドキドキするなぁ」
真「ボクのほうがドキドキだよ。雪歩、演技うまいから」
雪歩「ええっ!? わ、私なんて全然」
やよい「雪歩さんはすっごく上手ですよね! 別の人になっちゃったみたいです」
美希「そうだね」
雪歩「み、みんな……恥ずかしいよぅ」
美希「あっ、そうだ。ふたりとも、ミキノートになにか書いた?」
雪歩「ミキノート?」
真「あ、これ? なんかすごいデスノートっぽいね」ペラッ
美希「それは言わないお約束なの」
真「なるほどね……ボクは特にお願いしたいことないなあ。雪歩、なんかある?」
雪歩「わ、私? 私は……ええと、うーん」
美希「なんでもいいの。ヘンなことじゃなかったら」
雪歩「美希ちゃんにお願いしたいこと……あ」カキカキ
真「思いついた?」
雪歩「うん」
雪歩「お願いします」
美希「はいなの」ペラッ
『メイクを教えて下さい』
やよい「あっ! 私も教えてほしいですーっ」
美希「メイクかあ、ミキかんたんなことしかしてないよ?」
雪歩「私、もう高3なのに全然そういうの分からなくて……」
真「ボクも分かんないかも。なんとなくやってるけど」
美希「みんな元からかわいいもんね」
雪歩「そ、そういうわけじゃないけど……将来のために、教えてほしい、です」
美希「いいよ。やよいと真くんも一緒でいい?」
雪歩「うん! もちろん!」
美希「じゃあ、ちょっと荷物とってくるの」
真「……雪歩っていまメイクしてる?」
雪歩「その、簡単な下地とアイラインぐらい……」
やよい「すごいです! 私、なんにもしてません」
真「なんにもしてなくてこんな白いのかぁ……」
やよい「ま、真さん?」
美希「おまたせなのー。じゃあ、ミキのやり方を見せるね」
雪歩「はいっ」
真「はーい」
やよい「はい!」
美希「うんうん。元気があって先生はうれしいの!」
――――
雪歩「ありがとう美希ちゃん。帰ったらやってみるね」
真「ボクも!」
やよい「私もお母さんの借りてやってみます!」
美希「みんなすっごく真面目だったの。ノートとかとってたし」
真「書かないと忘れちゃうから……」
雪歩「それにしても、美希ちゃんはなんでノート作ったの?」
美希「ヒマだったんだもん」
真「そんな理由なんだ……」
美希「最近、みんなと遊んでなかったしね」
やよい「たしかに久しぶりですね」
貴音「おはようございます」
真「あ、貴音!」
貴音「おや?」
やよい「貴音さん、美希さんにお願いしたいことないですか?」
雪歩「美希ちゃんへのお願いをノートに書くと、叶えてくれるんです」
貴音「なるほど……」カキカキ
雪歩「四条さん、どんなお願いするのかな」
真「見当もつかないね……」
貴音「では、これで」
美希「ありがとーなの」ペラッ
『美味しいらぁめんを作ってください』
美希「なるほどねー。貴音、ミキ料理はゼンゼンだけど、それでもいい?」
貴音「はい。手料理を食べてみたいのです」
やよい「あ、それなら手伝いますよ!」
貴音「なんと!」
美希「やよいがいたら百人力なの!」
やよい「真さんと雪歩さんも、待っててくださいね」
美希「なんだか燃えてきたの!」
真「やった! 待ってるよ」
雪歩「袋麺のアレンジって楽しいよね」
貴音「袋麺、ですか?」
美希「えっ、ラーメン作るんだよね」
貴音「はい。麺やスープにこだわった、美味しいらぁめんをぜひ」
やよい「麺やスープ……」
真「お店みたいな、ってこと?」
美希「貴音」
貴音「はい」
美希「……パスなの!」
貴音「なんと!」
美希「このノートは絶対じゃないの……」
貴音「なんでも叶えてくれる企画だとばかり」
真「なんの説明もしてないもんね」
やよい「番組とかじゃないですよ~」
貴音「……それでは」カキカキ
貴音「これでいかがでしょう?」
美希「どれどれ?」
『皆でらぁめんを食べに行きたいです』
美希「うん。いいよ」
貴音「ふふっ。最近はあまり皆で食事をしていないものですから」
真「そうだね。じゃあ行こっか」
やよい「貴音さんのおすすめ、食べてみたいですーっ」
雪歩「わ、私も!」
貴音「では、歩きながら説明しましょう……」
真「オッケー」
貴音「それにしても、なぜあのようなノートをはじめたのですか?」
美希「ああ、それはね……」
ガタン
――――
ガチャリ
小鳥「ただいまぁ」
小鳥「あら? 誰もいなくなっちゃってた?」
小鳥「……ミキノート。なにかしらこれ」
小鳥「……えっ! 美希ちゃんがなんでもしてくれるノート!?」
小鳥「も、もしかして神様が落としたんじゃ……」
小鳥「……」カキカキ
伊織「ふあーあ……小鳥……?」
小鳥「ひゃっ! い、伊織ちゃん! 見て見てこのノート!」バッ!!
伊織「ああ、それ美希の……きゃあ!?」
小鳥「美希ちゃんがなんでもやってくれるノートなんですって!」
伊織「アンタ何ページ分書いてんのよぉ!?」
つづかない
終わりです。最後までありがとうございました。
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