タケシ「恋じゃないのか?そりゃ?」
カスミ「アンタにも女の子に恋する子供っぽいとこもあったのね。なんか意外」
サトシ「他人事に言わないでくれ。...どうにもおかしいんだ」
タケシ「セレナって子に恋した自分が?」
サトシ「...ポケモンの事を考えてると激痛と一緒にセレナの顔が頭に入るんだ。これはおかしい。恋って胸が痛くなる事だろ?俺のは変だ」
カスミ「頭が痛くなるのはおかしいわね。タケシはどう思う?」
タケシ「なんとも言えない。だが...普通じゃない」
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3人を空の上でドローンが監視していた。
ドローンはピンクに染まりきっており、恋愛脳な女性がデザインしたかの様な外観をしていた。
ドローンのカメラを通し、トキワのホテルの一室で愛するサトシを見守るセレナ。
セレナ「私ってモンがありながら、糸目猿とビッチと仲良く話しするなんて...そんなのサトシじゃない」
手元に携えている笛を口付け、雪玉を投げる代わりにセレナは音色を變奏しだす。
音色は人を選ぶもので自分本意の愛を一方的に押し付けている様だ。
セレナ(サトシは私のトコに居なきゃ駄目なの。私の所に戻ってきてサトシ!)
サトシ「ぐっ...!ぐぁあああ!」
カスミ「どうしたのサトシ!?」
タケシ「様子が変だ。まさか!サトシが言ってたのはコレのことか!」
ドローンより発せられているサトシにのみ影響を及ぼす洗脳電波が彼の頭に激痛を及ぼしている。
ポケモンに対する情熱が洗脳電波を不完全ながら、抵抗をさせていた。
タケシ「...!そこか!」
地面に転がる石を拾い上げ、タケシは超音波を聞き取ることの出来る耳で洗脳電波の発信源を特定し、天空に向けて石を放った。
ドローンが爆発し、機械のパーツが雨の様に降り落ちてくる。
痛みが引いたのかサトシの顔におちつきが戻っていた。
サトシ「く...あ、ありがとうタケシ」
タケシ「礼なんていらない。無事だったなら、それでいい」
カスミ「でも誰の仕業だったのかしら?」
タケシ「どうせロケット団だろ。サトシを洗脳しようとこんな悪巧みを」
サトシ「ロケット団...懲りない奴らだぜ」
カスミ「まぁ、でもこれで安心ね!」
タケシ「そうだな。シチューでも作ろうか!」
サトシ「いいなそれ!」
カスミ「タケシのシチューは美味しいもんね」
タケシ「照れちゃうな...」
END
エピローグ
セレナ「どうして!なんで私の愛があんな野蛮に負けるの!」
セレナ「ありえないありえない...!」
???「ありえないのは君だよ」
セレナ「て、ティエルノ!」
ティエルノはセレナの手から持つ笛を取り上げ、彼女の目前で壊した。
偽りの愛が粉砕され、正気がセレナに瞳に戻る。
ティエルノ「一方的な愛は実っちゃ駄目なんだ。僕はもう...君にこんな事して欲しくないんだ」
優しく説教してるティエルノに父性を見出したセレナは幼子の様に泣き、濁っていた気持ちがはっきりと浮かび出した。
心の奥底にはティエルノの思い出が...サトシではなくティエルノが支えていてくれたのだとセレナは気づいた。
セレナ「ごめんなさい...私...間違ってた!本当の愛を知らずに暴走して...私って本当に屑で駄目な...」
汚いセレナの言葉をティエルノの口付けが断ち切った。
セレナ「...ありがとティエルノ。大好きよ」
ティエルノ「僕もさセレナ」
2人はベッドに体を沈め、愛が本物だと神に証明し続けた。
天井に装飾された神が2人の男女の営みを見守っていた。
15年後
セレナ「幸せだよ...私って」
ティエルノ「ほんとに?」
セレナ「うん...お腹にわたしたちの赤ちゃんもいるし...幸せ」
ティエルノ「そうだねぇ。僕も今の生活が幸せさ」
セレナ「ティエルノ...3人で幸せになろうね」
ティエルノ「オーライ!」
2人は幸せな口付けをした。
END
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