【安価】男「やっと刑務所から出られたぜ」 (31)

男(長いようで短かったな……さて、ここから出たらまずやりたいことがあったんだ)

>>2

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久しぶりに吉○屋の牛丼食べたい。あとフリーペーパーで求人探し。


~吉〇屋~

男「……」ガツガツ

男(うめえ、やっぱ吉〇家の牛丼は最高だ)

男「ごちそうさん」

店員「ありがとうございましたー」

男(たらふく食ったあとには求人探し。ムショ帰りの奴を雇ってくれるとこがあるかは分かんねえけどよ)

~~

「すまんね、うちはこれ以上雇えないんだ」

男「……」

~~

「あータイミング悪かったなぁ。さっき定員オーバーになったんだ。日を改めて来てくれ」

男「……」

~~

「ごめんなさい。あなたにぴったりの職場はもっと他にあると思うから」

男「……そうですか」

男(不運なだけか、ムショ帰りの男だからか、なかなか決まんねえな)


少女「ねえおじさん」

男「?」

少女「働く場所を探してるんでしょ? もしよかったらあたしが紹介してあげようか」

男(なんだこの子供。制服を着てるってことは学生か)

少女「>>4なんだけど、どう?」

>>4 少女の紹介した職場

地下闘技場

男「地下闘技場?」

少女「あんまり大きい声出さないで、秘密だから」

男「大人をからかうもんじゃねえよ」

少女「待ってよ。お金に困ってるんじゃないの?」

男「おい、オレは今さっき刑務所から出てきたばかりの男なんだよ。アンタはそんな男の手を掴んでるんだぞ」

少女「そんなのどうでもいい。話を聞いて」

男「……」

~~

少女「それでね? その闘技場では毎晩、腕の立つ人たちが戦いを繰り広げてるの」

少女「おじさんもそこに参加してほしい。私の駒としてね」

男「勝ち上がれば賞金がもらえるのか」

少女「うん、準優勝でも結構な額が手に入る。あたしは一銭もいらない。丸ごと全部あげる」

男「アホらしい、漫画の読みすぎだ。聞いて損したぜ」

少女「どこ行くの?」

男「借りてるアパートに帰るんだよ」

少女「ふーん」

少女「……ぐすっ……ううっ……」

男「!」

少女「だ、誰か助けて……この人が乱暴を……」

男「なっ……!?」

少女「こんなふうに泣き叫んでもいいんだよ? 話、乗ってくれるよね」

男(くそ、厄介なことに巻き込まれちまった)


~地下闘技場~

ワアアアアア

少女「今日も盛り上がってるなー」

男「その変なマスクは何なんだ?」

少女「顔バレしないようにね」

男「……もうひとつ聞いていいか」

少女「なに?」

男「アンタ高校生だろ。なんでこんな裏社会に染まった連中のいる場所に」

少女「優勝したら教えてあげてもいいよ。この試合が終わったらおじさんの出番だから」

司会『おおっと!! これはすごい勝負だぁ!!』

ワアアアアア

男(そういや、どんな戦いなのかとか肝心なこと聞いてねえな。一体……)

男「!?」

男「な、なんだこれ!」

>>5  リング上で行われているバトルとは

>>8

カバディ



「カバディ! カバディ! カバッ、ぐあっ!」

司会『ああっと!! レイダーがキャッチングされてしまったあ!!』


男「……」

少女「おじさん、仲間が来たよ」

男「え?」

>>11 一人目のメンバー

くノ一

くノ一「少女殿、お待たせしたでござる」

少女「気にしないで」

男「……なあ」

少女「ん?」

男「オレはこれから何をやらされるんだ?」

少女「何って、見ての通りカバディだけど。あと五人くるから待ってて」

男「いやいやいや、こんなの聞いてねえよ!! てっきり死ぬまで殴り合うような戦いに参加させられるのかと思ってたのに!!」

少女「そんな物騒なことするわけないじゃん。あ、二人きたよ」


>>13 二人目、三人目のメンバー

ファラオとサラリーマン

サラリーマン「やあ少女ちゃん、遅れてごめんよ。残業になりそうなところを無理やり抜けてきたよ」

ファラオ「شكرا لك اليوم」

少女「サラリーマンさん、ファラオさん、よろしくね」

くノ一「よろしくでござる」

男「おい待て! なんだこいつらは!?」

少女「チームのメンバーだよ。こちらがくノ一さんで、サラリーマンさんにファラオさん」

くノ一「新メンバーだったんでござるか? 見る限りひ弱そうな……」

サラリーマン「まあまあ、そんなこと言わないで仲良くしようよ」

ファラオ「نعم ، هم أصدقاء. عليك أن تعمل معا」

くノ一「む……お二方のおっしゃる通り。無礼なことを申した」

男(どこからどうツッコみゃいいんだ)

少女「あ! もう二人きた!」

>>15 四人目、五人目のメンバー

男(主人公)の刑務所での先輩(男が出所する少し前に出所した)
男を捕まえた警官

先輩「うぃーっす、なんとか間に合ったな」

警官「少女ちゃん今日はよろし……ん?」

男「せ、先輩!? それにアンタはオレを捕まえた……!」

先輩「男じゃねーか! なんでこんなところにいんだ! つーか出所したんだな!」

男「は、はい。出所したところをこの子に」

警官「不思議な縁があるものですね。ご飯は食べましたか?」

男「ああ」

警官「さぞ美味しかったことでしょう」

男「んなことはどうでもいいんだ。アンタたちはどうしてここに」

先輩「お前と同じだよ、出所したところを少女ちゃんにスカウトされた」

警官「私は学生時代にカバディ部に入っていたことがありまして、街中を歩いていたら少女ちゃんに能力を見抜かれたというわけです」

少女「あなたたち知りたいだったんだ」

くノ一「運命的な出会いでござるな」

男「……」

男(頭が混乱してきた)

少女「ええっと、あと一人は……来たみたい」

>>18 六人目のメンバー

3m越えの大男

ゴオオオオ

大男「……」

男(こ、こいつは……ギネスにも乗ったことがある三メートル超えの大男!?)

大男「~~~」ボソボソ

男「?」

サラリーマン「はは、大男さんは声が小さいから聞き取れないのも無理ない。『よろしくお願いします』と言ってるよ」

男(何か喋ってたのか! ちっとも分からなかった!)

少女「これで全員集合、準備は万端!」

司会『勝者決定!! 〇〇チーム、第一回戦突破!!』

ワアアアアア

先輩「ちょうど試合も終わったみてーだ」

ファラオ「حان دورنا في النهاية」

警官「はい、胸が躍りますよ」

男(ファラオも何を言ってるか分からん。って、それよりも)

男「おい、カバディのルールなんて知らねえぞ。どうすりゃいい?」

くノ一「拙者が教えるでござる」

少女「お願いね、くノ一さん」

~~

司会『さあて、みなさんお待ちかね次の試合を始めますよ!! 先攻は優勝候補の、チーム『ドラゴン』だあ!!』

ワアアアアア

くノ一「どうでござるか? 覚えたでござるか?」

男「なんとかな、ありがとよ」

男(ちゃんと動けるか不安しかねえけど)

司会『対して!! こちらも優勝候補のチームだぞ!!』

男(へえ、優勝候補なのか)

司会『後攻!! その名も……チーム『アベンジャーズ』!!』

男(アベンジャーズ!? いいのかその名前!?)

司会『様々なヒーローたちが集う超有名なあの作品の名を借りたチーム! まるで本家のように個性豊かなメンバーだあ!!』

司会『それでは、準備はいいかな!?』

警官「男くん、先攻はあちらですから、アンティである私たちはキャントしているレイダーをキャッチングしなければいけません。頑張りましょうね」

男「今足りねえ頭で必死に覚えたとこなんだ、専門用語でパニくらせるのはやめてくれ!」

司会『それではいきます!! 試合開始!!』

ピーーーーー

相手A「ヒャッハアアアア!! カバディカバディカバディ!!」

男(世紀末に出てきそうなモヒカンが来やがった! 捕まえりゃいいんだよな)

相手A「カバディカバディカバディ!!」サササササッ

男(は、速い! ホントに人間か! こうも素早いと捕まえることなんて…)

くノ一「遅い」ガシッ

警官「隙だらけですね」ガシッ

相手A「ぐあッ!?」

男「なっ……」

男(それ以上の速さだ! う、動きが見えなかった!)

サラリーマン「さすがだねくノ一ちゃん」

くノ一「いえ、造作なきこと」

大男「~~~」ボソボソ

警官「あまり褒めないでください。大男さんの活躍も期待してますよ」

司会『素晴らしい動きでレイダーの動きを封じたぞ!! 優勝候補というのも頷ける!!』

先輩「次はこっちがレイドだ。ファラオ、レイダー頼む」

ファラオ「اتركه لي」

男「ファラオがレイダーなのか。くノ一とか警官にすりゃいいのに」

サラリーマン「確かにあの二人も素晴らしいけど、ファラオくんもなかなかだよ。見ててごらん」

ファラオ「كابادي كابادي كابادي」

シュパパッ

男「!?」

男(い、一瞬で二人……いや三人にタッチしたのか? すげえ)

先輩「最高だぜファラオ!」

ファラオ「كنت محظوظا فقط」

くノ一「謙遜しなくてもいいでござるよ」

男(いい加減ファラオが何を言ってるか知りたい)

~~

この調子でチームアベンジャーズは相手チームを蹴散らしていった

大男「……!!」グオオオオ

相手「く、くそ!」

男(倒れ込んで相手を封じた!)

~~

サラリーマン「カバディカバディカバディ」シュパパパ

男(なんてキレのある動きだ。ただのサラリーマンじゃないな)

~~

先輩「捕まえた!!」ガシッ

先輩「しゃあ! どんどんいくぞ!」

男(先輩は攻守共に要になって活躍してる。あの人あんなにすごかったのか)


そしていよいよ決勝まで勝ち進む

先輩「これで山分けしても満足できるくらいの賞金はゲットだな! 次もさくっと終わらそうぜ!」

サラリーマン「そう簡単にはいけないよ。決勝の相手は昨年の秋に、うちが負けたチームだ」

くノ一「なんと」

男「そんなに強えのか?」

少女「かなり手ごわい。覚悟しておいてね」

男(つっても、ここまでオレ何もしてないしな。頑張らなくても他のみんなが何とかしてくれるだろ)

男(……そう思っていたのに)

~~

男(う、嘘だろ? こんなあっさりとアベンジャーズが……!)

サラリーマン「男くん、ぼーっとしちゃダメだよ! あとは僕とキミだけなんだ!」

男「全滅したらどうなるんだ」

サラリーマン「全員復活できる。ただし相手に二点入ってしまう」

男「ただでさえポイントを離されてるのに……」

サラリーマン「そうだ。だからこれ以上アウトになるのは避けないと」

バンダナ男「無駄だ。俺たちに敵うチームなどいない」

サラリーマン「……男くん、あとは頼んだよ」

男「え?」

サラリーマン「次の攻撃は僕たち。僕がレイダーになる。捕まったらあとは……」

男「そ、そんな」

サラリーマン「いざ!!」

バンダナ男「CQC!」

サラリーマン「ぐああ!?」

男「サラリーマン!」

男(またあの不可解な格闘術を! どうすりゃいいんだよ!)

バンダナ男「次は俺たちの番だな、いくぞ」

男「くそ……!」

少女(大丈夫。なんであたしがおじさんをスカウトしたか考えてみて。おじさんの筋肉、動体視力、瞬発力、何から何までカバディに向いてると思ったからだよ)

少女(あたしの眼力が確かなら、おじさんは……)

バンダナ男「いいセンスだったが、これで終わりだ」

男「……」ガシッ

バンダナ男「!?」

少女(百年に一人の逸材!)

バンダナ男「ば、バカな!」

先輩「これで一人戻れる! すごい動きだったな男!」

男「……え? オレ、今なにを」

先輩「次はこっちの番だ。男、レイダーやってみろ」

男「は?」

先輩「早くしろ、相手にポイントとられるぞ!」

男「は、はい」

相手「ボスがやられたが関係ない! 俺たちは俺たちの仕事をするだけだ!」

シュパパパパッ

相手「へ?」

先輩「うおおおお! 一気に三人にタッチしやがった!」

男「……」

男(お、オレって……こんなすごかったのか?)

少女(ふふ、やっぱりね。おじさんは天才だよ。カバディをするために生まれてきた神の子なんだよ)


~~

激戦の末

司会『優勝は……チームアベンジャーズです!!』

くノ一「やったでござる!!」

警官「念願の優勝ですね」

ファラオ「انا ذاهب الى البكاء مع السعادة」

大男「~~~」ボソボソ

サラリーマン「ははは、何を言うんだい? 大男くんの力もあっての優勝だよ」

男「……」

先輩「おい男、優勝トロフィー受け取れよ」

男「え」

くノ一「決勝戦の男殿の働き、見事でござった」

サラリーマン「うん、すごかったね」

ファラオ「يجب أن تتلقى」

警官「カバディ経験者から見ても素晴らしかった」

大男「……あなたにふさわしいと思います……」

男「み、みんな……」

少女「……ふふ」ニコ

~~

少女「約束通り、あたしは賞金いらないからおじさんたちに全部あげたよ。山分けになっちゃったけど」

男「それでもこれだけあれば1年間は余裕で暮らせる。贅沢はできねえけど」

男「感謝してるよ、アンタに。ありがとう」

少女「気にしないで」

男「そういえば……高校生のアンタがここに来た理由、聞かないとな。優勝したら教えてくれるんだろ?」

少女「覚えてたんだ。いいよ、教えてあげる」

>>25 少女が地下闘技場でカバディチームを率いている理由

そういう性癖だから

少女「一言で言うなら……そういう性癖だから、かな」

男「どういう性癖だよ」

少女「上手く説明できないんだけど、自分が発掘した選手が活躍する姿を見たら、なんかこう……興奮するの」

少女「嬉しさとか、自分がこの選手を見つけたんだぞっていう優越感や満足感が最高潮まで高まって、失神しそうになるくらいに……」

男「分かった、それ以上言わなくていい」

少女「そう。ところでこれからどうするの?」

男「どうするって?」

少女「アベンジャーズから抜けるのか聞いてるの。あたしとしては、このままアベンジャーズの一員としてずっといて欲しいんだけど」

男「とりあえずそのアベンジャーズって名前どうにかしろよ。せめて日常会話では使うな」

少女「なんでもいいけどどうするの」

男(……正直楽しかったんだよな。癖がすごいけど良いメンバーたちと戦って、これ以上ないくらい喜んでよ)

男「まあなんだ。金にもいい運動にもなるし、また呼んでくれるなら参加させてもらうよ」

少女「本当に? ありがとう! 開催される時が来たら絶対に召集するからね!」

少女「おじさんがいてくれれば鬼に金棒、マイティ・ソーにムジョルニアだから!」

男「いい加減アベンジャーズから離れろ!!」


安価協力に感謝
カバディに詳しくなれました

後半あんまり安価出せなかった…

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