騎士「勇者になってくれ？」 (2)
騎士「勇者になって欲しい？」
団長「そうだ…」
騎士「…何言ってるんですか団長…勇者ならもう居るじゃないですか…この間も魔王軍に占拠された南の砦を一人で取り返したって聞きましたよ」
団長「……」
騎士「俺は剣の腕には自信はありますが一人で魔王軍を相手に出来る化け物には成れませんよ」
団長「最近…国中で勇者の存在を疑問視する者達が現れてな」
団長「…薄々感じていたかも知れんが、勇者など存在しないのだよ…士気を保つ為の嘘だ」
団長「南の砦を奪還したという話も負け続けの国王軍の嘘…南の砦など端から存在しない」
騎士「その話を俺にしても大丈夫なんですか？勇者が居ないって言い触らすかも知れませんよ」
団長「問題ない…勇者が居ないと言う噂はすでに流れているからな今更、貴様が言い触らした所で何も変わらん」
騎士「そーですかい、ちなみになんで俺なんですか？」
団長「貴様だけにこの任務が来ているわけでは無いが…俺が貴様を選んだ理由は顔だな」
騎士「…顔？」
団長「そうだ勇者が不細工ではイメージが悪いだろう？俺の部隊には貴様より腕の立つ奴はいるがみんな不細工だからな…貴様しか候補がいないのだ」
騎士「そうですかい…分かりましたよ…」
団長「…それで任務の内容だが…」
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同じ任務を遂行する者達が居る、何人いるかはわからない。
勇者を名乗りいろんな場所で人助けや魔物を退治する事。
勇者が存在すると国民に思い込ませる事。
勇者として活動し魔王軍の注意を引きつける事。
騎士「つまりは囮って事ですか？」
団長「そうだ本物の勇者が現れるまでのな」
騎士「仲間とか居るんですよね？流石に俺一人じゃ」
団長「居ない…そもそも勇者は一人で活動している設定だからな…だが仲間を募ってはいけないとは言われていないな」
騎士「なるほど仲間を作る作らないは個人の責任という事ですね」
団長「まあそう言うな…仲間がいない代わりとは言わんが国から貴様に装備が支給されている…オリハルコンの剣と鎧だ」
騎士「格好だけでも勇者らしくという事ですか」
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