【モバマス】モンスターファームシンデレラガールズ (78)

346ブリーダー養成所 再生室

卯月「(ここがブリーダー養成所…)」

卯月「(今日のために円盤石も手に入れたし…)」

卯月「(私も今日から、一人前のモンスターブリーダーを目指していくんだ…!)」

卯月「(…よしっ!)」

卯月「(島村卯月、頑張りますっ!!)」

コンコン…

卯月「あ、は、はいっ!」

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ガチャ…

ちひろ「お待たせしましたー!」

ちひろ「えーと…島村卯月さん、ですね?」

卯月「は、はいっ」

卯月「し、島村卯月ですっ!」

卯月「よろしくお願いしますっ!」

ちひろ「ふふっ。そんなに固くならなくても大丈夫ですよ♪」

ちひろ「はじめまして、千川ちひろです」

ちひろ「これからブリーダーになるみなさんのアシスタントをさせてもらっています」

ちひろ「どうぞ気軽に、ちひろって呼んでくださいねっ♪」

卯月「ちひろさん…」

卯月「(優しそうな人…ちょっと一安心かもっ)」

ちひろ「さて、なにを始めるにもまずは自分のモンスターが必要です」

ちひろ「さっそくモンスターの再生を行いましょう」

卯月「私の、モンスター…」

ちひろ「卯月ちゃん、円盤石はお持ちですか?」

卯月「あ、はいっ」

卯月「これで、大丈夫ですよね?」

ちひろ「…はい、確かに!」

ちひろ「では、こちらを預からせていただいて…」

ちひろ「…セットして」

卯月「……」

卯月「(一体どんなモンスターが生まれてくるんだろう…)」

ちひろ「…お待たせしました!」

ちひろ「それでは再生を始めますねっ!」

デデーン!!

セピアリエーヴル(以下セピア)「……」

卯月「わぁっ…!?」

セピア「…キャハッ☆」

卯月「……」

卯月「…す」

セピア「?」

卯月「すっごく可愛い…!!」

セピア「…!」

セピア「…えっへへー♪」

ちひろ「ホント、可愛らしい子が生まれましたねっ♪」

卯月「ウサミミが生えたピクシーだぁ…」

卯月「ホントに可愛いですっ!」

セピア「えへっ…☆」

セピア「ありがとう、ご主人さまっ☆」

卯月「…!!」

卯月「私、これからもっと頑張っていけそう…!!」

ちひろ「ふふっ♪」

ちひろ「さてと、改めて説明をしますと…」

ちひろ「この子は、セピアリエーヴル」

ちひろ「ハムの血が流れているピクシーですね」

ちひろ「ピクシー種なので体力は心もとないですが…」

ちひろ「素早さはあるし、なによりも…」

ちひろ「ハムの血統なので攻撃面がとても優秀ですね!」

ちひろ「通常ピクシー種が苦手な打撃技が得意なので、どの距離でも戦えますっ!」

ちひろ「それに性格も素直なヨイモンです」

ちひろ「愛情をもって育ててあげれば、すぐに強くなりますよ♪」

卯月「はいっ!」

卯月「卯月、この子に対する愛情は誰にも負けません!」

卯月「これからよろしくね!えーと…」

卯月「…ナナちゃん!」

セピア「ナナ?…あたしの名前?」

卯月「うんっ!あなたは今日から、ナナちゃんだよ!」

セピア「…!」

セピア「ナナ、頑張りますっ!キャハッ☆」

ちひろ「あら、もうすっかり仲良しさんですね♪」

ちひろ「ブリーダーとモンスターの信頼関係はとても重要ですが…」

ちひろ「なんの心配も無さそうですねっ」

セピア「ご主人さまは、うづきちゃん?」

卯月「うん!島村卯月ですっ!」

セピア「ナナ、うづきちゃんって呼んでもイイ?」

卯月「もちろん!好きなように呼んでねっ♪」

セピア「…!」

セピア「うづきちゃん!…えへへー☆」

ちひろ「……」

ちひろ「(再生したてで、この忠誠度の高さ…)」

ちひろ「(卯月ちゃんにはモンスターから好かれる天賦の才があるのかもしれませんね)」

ちひろ「(…うん!私もこれからが楽しみですっ!)」

ちひろ「さて、卯月ちゃんは自分のモンスターを手に入れて…」

ちひろ「はれてモンスターブリーダーの仲間入りを果たしました!」

卯月「あ、は、はいっ!」

ちひろ「ブリーダーとなった卯月ちゃんが目指すべき場所…」

ちひろ「それはなにかわかりますか?」

卯月「目指すべき場所…」

卯月「四大大会を制覇して、ブリーダー名人になる…でしょうか?」

ちひろ「そうですね、よく出来ました♪」

ちひろ「ここで少しおさらいをしておきましょうか」

ちひろ「卯月ちゃんはまだブリーダー見習いです」

ちひろ「ブリーダーのランクを上げる為には、3ヶ月ごとに開催される公式戦に出場し…」

ちひろ「モンスターバトルをして、セピアリエーヴルを優勝させなくてはなりません」

卯月「モンスターバトル…」

ちひろ「公式戦は下からE、D、C、B、A、Sランク」

ちひろ「Sランク公式戦で優勝すれば、四大大会への出場権が与えられる」

ちひろ「そして四大大会も制覇すれば…ですね」

ちひろ「セピアリエーヴルはEランクからスタートします」

ちひろ「けれど、セピアリエーヴルの実力が充分だと思えば、ランクを一つ飛ばしてDランクの大会に出場することもできます」

ちひろ「…こんなところでしょうか」

卯月「そっか…Dランクに出場することも可能なんですよね…」

卯月「(私とナナちゃんは、どうやって上を目指していこう…)」

セピア「ねー、うづきちゃん?」

卯月「ん?どうしたの、ナナちゃん?」

セピア「ナナ、おなかすいちゃったー…」

卯月「あ、ごはん…ちょっと待ってね?」

卯月「(今日のために色々用意しておいたけど…)」

卯月「(ナナちゃんはなにが好きなのかな?)」

ちひろ「モンスターへのごはんも大切な育成ですよ」

ちひろ「キラいなものをあげるとストレスが溜まってしまいますし…」

ちひろ「カロリーが高いものをあげると太ってしまいますからね」

卯月「(…女の子なのに太らせたりしたらダメだよね)」

卯月「それなら…」

卯月「ナナちゃん、これどうかな?ゼリーもどき」

セピア「…ゼリー!」

セピア「たべるー☆」

卯月「(あ、好感触!)」

卯月「えへへ、食べさせてあげるね!」

卯月「はい、あーん♪」

セピア「あーん…もぐもぐ…」

セピア「…おいしい!!」

卯月「よかった♪」

ちひろ「ふふっ、セピアリエーヴルはゼリーもどきが好きなんですね♪」

ちひろ「(モンスターの食事に関しても問題はなさそうですね)」

ちひろ「(トレーニングもセピアリエーヴルの性格や適性を考えても苦労はなさそう…)」

ちひろ「(となると、次にやるべきことは…)」

ちひろ「…卯月ちゃん!」

卯月「はい?」

卯月「なんでしょう、ちひろさん?」

ちひろ「セピアリエーヴル…」

ちひろ「練習試合、させてみましょうか!」

卯月「……」

卯月「ええっ!?いきなり練習試合!?」

セピア「?」

卯月「けど、まだナナちゃんは再生したばかりでトレーニングも…」

ちひろ「大丈夫!」

ちひろ「対戦相手になってもらう予定の子も、まだモンスターを再生したばかりなのでケガの心配もありません!」

ちひろ「それに、バトルはトレーニングに勝る、ですよ♪」

卯月「だ、だけど…」

卯月「(私はまだ見習いだし…万が一ナナちゃんになにかあったら…)」

セピア「うづきちゃん」

卯月「…ナナちゃん?」

セピア「ナナ、頑張る!」

セピア「だから、うづきちゃんもナナを信じてっ!」

卯月「…!」

卯月「ナナちゃん…」

卯月「(…そうだ。私はナナちゃんと一緒に、憧れのブリーダー名人になるんだ)」

卯月「(いきなりの練習試合で戸惑ったりしてる場合じゃない…)」

卯月「(ナナちゃんを信じてあげなきゃ、いけないっ!)」

卯月「…ナナちゃん」

卯月「一緒に、戦ってくれる?」

セピア「…!」

セピア「もちろんっ☆」

ちひろ「…決まりですね♪」

ちひろ「とはいえ、練習試合でも初のバトルです」

ちひろ「セピアリエーヴルの技の確認だけはしておきましょう」

卯月「ナナちゃんの攻撃技…」

卯月「ナナちゃんはピクシー種だから基本技はキックやタッチのちから技で…」

セピア「ナナ、パンチ得意だよっ!」

セピア「シュッシュッ…!」

卯月「あ、そっか…セピアリエーヴルは固有技で…!」

ちひろ「そうですね、ワンツーを初期技で所有しています」

ちひろ「序盤はこの技がバトルの主力になるでしょうね」

卯月「ワンツーを確実に当てつつ、相手の攻撃を避ける…ですね」

ちひろ「そうなりますね♪」

ちひろ「さあ、闘技ルームまで移動しましょう」

ちひろ「対戦相手の子も、お待ちです」

卯月「(対戦相手…)」

卯月「(私と同じで新人ブリーダーさんなのかな?)」

闘技ルーム

拓海「…ん?」

拓海「おう、お前かァ?」

拓海「アタシと同じ、新人ブリーダーってヤツはよッ!!」

拓海「ったく、待ちくたびれたぜ…」

卯月「……」

卯月「(ふ、不良だー!?)」

セピア「声おっきいー…」

ちひろ「ごめんなさいね、拓海ちゃん」

ちひろ「ちょっと色々と教えててね」

拓海「…チッ、まあ良いぜ」

拓海「遅ぇか、早ぇかの違いだ」

拓海「ブチのめしてやるよッ!」

拓海「なぁ、アイボー?」

ラクガキモノ(以下ラクガキ)「…うす」

拓海「チッ、イマイチお前は気合が足りねぇなぁ?」

拓海「生まれたばっかだからか?」

卯月「……」

卯月「(モノリスに「天下無敵」って書いてある…)」

卯月「(えっ?いや…うん…)」

セピア「モノリスがラクガキされてるー!!」

卯月「!?」

卯月「こ、こらナナちゃんっ…!」

拓海「…あぁっ!?」

卯月「ひっ!?」

拓海「アタシらの気合をラクガキ扱いだぁ!?」

拓海「いい度胸じゃねぇかよ、固羅ッ!!」

ラクガキ「……」

拓海「いや、お前もなんか言えよ」

ラクガキ「(ラクガキなのは間違いない)」

拓海「…なんかシツレーなこと考えてないか、お前?」

拓海「まぁ、いいけどよ」

卯月「……」

卯月「(なんか…そこまで怖くはないかも…?)」

拓海「威圧感だけ出しててもしょうがねぇ…」

拓海「ブリーダーなら、言いたいことはバトルで語り合わねえとなッ!!」

卯月「…!!」

卯月「(そうだ…私は今からブリーダーとしてモンスターバトルをするんだ…)」

卯月「(相手ブリーダーの人におびえている場合じゃないっ!)」

卯月「(全力でナナちゃんのサポートをしないと!)」

拓海「へぇ…イイ面構えじゃねぇかよ」

拓海「そうじゃなきゃ面白くねぇよなぁ!」

拓海「…よう、そこのお前ッ!!」

卯月「は、はいっ!?」

拓海「アタシは向井拓海!そんでもってコイツは、モノリスのアイボー!」

ラクガキ「…うす」

卯月「(アイボーって名前なんだ…)」

拓海「今日から天下無敵の名人目指して、ブリーダー特攻隊長やらしてもらうんで…」

拓海「夜露死苦ッ!!」

卯月「…!」

卯月「島村卯月ですっ!この子はセピアリエーヴルのナナちゃんです!」

卯月「よろしくお願いします!!」

セピア「よろしくっ☆」

ちひろ「…それでは準備は大丈夫ですか?」

ちひろ「さぁ、モンスターバトルを始めましょう!」

セピアリエーヴルVSラクガキモノ

ちひろ「試合形式は、時間無制限の一本勝負です」

ちひろ「お二人とも、大丈夫ですか?」

拓海「上等!タイマンにタイムアップなんてねぇぜ!」

卯月「夢への第一歩…頑張ります!」

セピア「うづきちゃんを信じてたたかうよ!」

ラクガキ「…うす」

ちひろ「…よろしいですね」

ちひろ「それでは試合を開始してくださいっ!」

卯月「(時間無制限…つまり勝利条件はKO勝ち…!)」

卯月「(相手のモノリス…丈夫さが高いモンスターだけど…)」

卯月「ナナちゃん!近づいてワンツーだよっ!」

セピア「…りょーかいっ!」スッ…!

拓海「!!」

ラクガキ「!!」

セピア「はっ!ふっ!!」シュッ…!

ラクガキ「…っ!」パチッ…バチッ!

卯月「よしっ!」

卯月「(威力こそ高いわけじゃないけどワンツーは命中精度が高い!)」

卯月「(それにモノリスは回避が低いモンスター…)」

卯月「(これを繰り返していけば…!)」

拓海「(KO出来るってか…)」

拓海「…ナマぬるいぜッ!」

拓海「アイボー!体当たりだ!ぶちかませッ!!」

ラクガキ「…うすっ」ズンッ…

卯月「(…くる!)」

卯月「ナナちゃん!回避の準備をお願いっ!」

セピア「うんっ!」スッ…

拓海「おせぇッ!」

卯月「…!?」

ラクガキ「…ふんっ!」ズンッ…!

セピア「きゃっ…!?」ベチッ!

卯月「な、ナナちゃんっ!!」

拓海「アイボー!そのままもう一発かましてやれぇッ!!」

ラクガキ「うすっ!」ズンッ…!

セピア「あ、ぐっ…!!」ベチィッ!

卯月「ああっ!?」

卯月「(そんな…二連続で直撃…)」

卯月「(ピクシー種は素早さが高いはずなのに…)」

卯月「(…ナナちゃんは!?)」

セピア「はぁ…はぁっ…!」ヨロッ…

卯月「…ほっ」

拓海「ヘッ…ギリギリ耐えきったか」

卯月「!!」

拓海「なにを驚いてやがる?」

拓海「まだ、お互いにトレーニングもしてねぇ状態だ」

拓海「いくらピクシー種が素早いモンスターとはいえ…」

拓海「二連続で攻撃くらうのは、なんの不思議もねぇだろ?」

卯月「…!」

卯月「(そうだ…ナナちゃんはまだ生まれたばかり…)」

卯月「(多少素早いとはいっても、気持ちほんの少し程度なんだ…)」

卯月「(たとえ相手が動きの遅いモンスターでも確実にかわせる保障は無い…!)」

拓海「それでいて、ピクシー種は体力も丈夫さも低いんだ」

拓海「次の一撃で…KOだぜ?」

卯月「…うっ!?」

卯月「(やっぱり…まだバトルなんて早かったんだ…!)」

卯月「(このままじゃナナちゃんが…!!)」

卯月「(…今なら、ギブアップも)」

拓海「…けどよォ!!」

卯月「…?」

拓海「この程度じゃねぇだろ!?」

拓海「テメェのモンスターを信じて、最後まで本気でかましてこいよ、オラァ!!」

卯月「!!」

卯月「(そうだ…私はナナちゃんを信じて、この練習試合に臨んだ…)」

卯月「(そして、ナナちゃんも…)」

セピア「う、うづきちゃん…」

セピア「ナナ…まだ、たたかえるからねっ…!」

卯月「(だったら、私が…)」

卯月「(私とナナちゃんが目指すモンスターブリーダーは…!)」

卯月「(どんな時でも、諦めないブリーダー!!)」

卯月「…ナナちゃん!!」

セピア「…うづきちゃんっ」

卯月「いくよっ!KOするまでモノリスにパンチを叩き込むよっ!」

セピア「…!!」

セピア「…うんっ!!」パァァッ…!!

卯月「!?」

卯月「(ナナちゃんの体が、白く輝いて…)」

卯月「(…これは!!)」

拓海「はッ!そうだよなぁ!!」

拓海「お前のモンスターはヨイモンだ!」

拓海「追い込まれてからこそ、全力で戦えるんだよなぁ!!」

拓海「こうじゃなきゃ面白くねぇぜ、タイマンはよぉッ!!」

卯月「底力…!!」

卯月「(バトル中に起こるモンスターの状態変化…)」

卯月「(残り体力の少ないヨイモンのモンスターが発動する…)」

卯月「(その効果は…!!)」

卯月「ナナちゃん!ワンツーだよっ!!」

セピア「りょーかいっ!!」スッ…!

セピア「はぁっ!!」シュッ…!!

ラクガキ「!!」バチッ…バチッ!

ラクガキ「…ぐっ」ヨロッ…

卯月「(相手に与えるダメージが倍になるっ!!)」

拓海「アイボー!!ぶっ倒れんのにはまだ早ぇぞ!!」

拓海「こっちもアクセル全開だッ!たおれこんでブッ潰してやれ!!」

ラクガキ「…!」

ラクガキ「…うす!」ズンッ…!

卯月「ナナちゃん!!」

セピア「うんっ!」ヒョイッ…!

ラクガキ「…!?」

卯月「三度目の正直、だねっ♪」

セピア「いぇい☆」

拓海「…ちっ」

拓海「(楽しそうに笑いやがる…)」

拓海「(さっきまで死にそうなツラしてたくせによぉ)」

拓海「(…まぁ、でも)」

拓海「モンスターバトル…悪くねぇなオイ…!!」

卯月「ナナちゃん、ワンツー連打っ!!」

セピア「いくぞー!」スッ…!

セピア「はっ!てりゃあ!!」スパッ!シュッ!!

ラクガキ「ぐ、うぐっ…!!」バチッ!!

拓海「踏ん張れ!アイボー!!」

セピア「これで…」シュッ…

セピア「とどめだぁー!!」シュッ!!

ラクガキ「ぐぉっ!?」バチッ!!

ラクガキ「……」ヨロッ…

ラクガキ「この借りは…」

ラクガキ「いつか、返すぜ…」バタッ…!

拓海「アイボーッ!!!」

ちひろ「…KO!」

ちひろ「勝者、セピアリエーヴル!!」

卯月「…勝った」

卯月「私たち、勝ったんだっ…!」

セピア「うづきちゃーんっ!!」ガバッ…!

卯月「きゃっ!?」

卯月「な、ナナちゃん…?」

セピア「ナナ、がんばったよ!ほめてー☆」

卯月「……」ポカン…

卯月「…くすっ」

卯月「あまえんぼさんだね、ナナちゃんは…♪」ナデナデ…

セピア「えへへぇ…☆」

セピア「…はっ!?」

卯月「ん?どうかした…の」

拓海「…よぉ」

卯月「……」

卯月「!?」

卯月「あわわっ…!」

卯月「(ま、まさかバトルで負けた腹いせに今度はブリーダー同士でバトル…!?)」

拓海「なーに身構えてやがんだよ」

拓海「別にお礼参りなんざしたりしねーよ」

拓海「ま…悔しいのは確かだけどよ…」

卯月「……」

卯月「(やっぱりそこまで怖くない、のかな…?)」

卯月「(…そうだよ!それ以前に…)」

卯月「あ、あのっ!」

拓海「あん?」

卯月「ありがとうございましたっ!」

卯月「私と…ナナちゃんに檄を飛ばしてくれて…!」

卯月「おかけで最後まで諦めず戦えました!!」

拓海「……」

拓海「…ヘッ」

拓海「アタシはただ、熱いバトルがしたかっただけだ」

拓海「お前が最後まで戦えたのは、ブリーダーとしての素質…」

拓海「モンスターとの信頼関係ってやつのおかげだろうよ」

拓海「…って、アタシも見習いだから、あんまデケぇクチ叩けないけどな」

卯月「……」

拓海「…?んだよ、その気の抜けた表情は…」

卯月「向井さんって…」

拓海「あ?」

卯月「とっても良い人ですねっ!」

拓海「……」

拓海「…ハァ?」

拓海「オイ…どーいう脳みそしてたら、そんな考えになるんだよ…」

卯月「最初は、ちょっと怖い人なのかな…って思っちゃったんですけど…」

卯月「ブリーダーとしての熱い気持ち…バトルを通じてすごく伝わってきました!」

拓海「…!」

卯月「きっとパートナーのラクガ…モノリスのことも大切に想っているんですね」

拓海「…まぁ」

拓海「アイボーは、生まれてきた時点で大事な相棒だからな…」

卯月「ふふっ♪」

拓海「チッ…調子狂うな、お前…」

拓海「ってか、そんなこと今はイイんだよッ!」

卯月「ひゃっ!?」

拓海「えーと…卯月、だっけか?」

卯月「あ、は、はいっ」

卯月「島村卯月ですっ!」

拓海「よく聞けよ、卯月…」

拓海「今日からお前とアタシは、ライバルブリーダーだッ!!」

卯月「…!」

卯月「ライバル…!」

卯月「(そうだよね…今のはあくまで練習試合…)」

卯月「(公式戦の舞台ではもっと厳しいバトルに…!)」

拓海「そんでもって…」

拓海「お前とアタシは、バトルで語り合ったマブダチだ!」

拓海「いいなッ!?」

卯月「……」

卯月「まぶ…だち…?」

拓海「マブダチってわかんねーか?」

拓海「……」

拓海「えーと、なんだ…その…」

卯月「?」

セピア「おともだち?」

ラクガキ「うす」

セピア「だって☆」

拓海「あ、てめっ、アイボー…!」

卯月「お友達…」

拓海「……」

拓海「…まぁ、そーいうこった」

卯月「…!!」

卯月「…はいっ!!」

卯月「今日からライバルで、マブダチですね!向井さんっ!!」

拓海「…へっ」

拓海「拓海で、構わねぇよ」

卯月「はい!拓海ちゃん!!」

拓海「…って、コラ!?」

拓海「ちゃん付けで呼ぶんじゃねーよ!?」

卯月「ふふっ、拓海ちゃんっ♪」

拓海「てめっ…意外とイイ性格してやがんな!?」

セピア「ご主人さまのこと、なんて呼んでるの?」

ラクガキ「姉御」

ちひろ「……」

ちひろ「(さてさて、このお二人と二匹…)」

ちひろ「(これからどうなることやら、ですね♪)」

一旦中断
まったり更新していくつもりです

期待
2ベースってことでいいのかな
予定では名人か殿堂入りまで続きます?

油草知らない頃はBが限界だったな…

>>37
わかるわ…あとちょっと疲れてるで休ませてたらいつも2歳までしか生きなかったわ…

後日 トレーニングルーム

卯月「ナナちゃん、もう一発バシッと!!」

セピア「うんっ!」

セピア「…はぁっ!!」ビシッ…!

セピア「……」

セピア「…ふあぁ、つかれたぁ」

卯月「お疲れさま♪ちょっと休憩しよっ!」

セピア「はーい☆」

卯月「(拓海ちゃんとの練習試合を終えてからというもの…)」

卯月「(私とナナちゃんは、こうして日々トレーニングに励んでいる)」

卯月「(もちろん、一か月半後にある公式戦に向けてだ!)」

卯月「ちからや命中精度は、だいぶ上がってきたかなぁ?」

セピア「かなぁ?」

卯月「んー…」

卯月「(攻撃面のトレーニングを重点的にやっているのはいいんだけど…)」

卯月「(どうもあと一つ…何かが足りない気がするなぁ…)」

卯月「(とはいっても、防御面は回避力を重点的に鍛えてあげればいいと思うし…)」

卯月「(今の私たちに足りないもの…)」

卯月「うーんっ…」

セピア「?」

セピア「…うーん?」

拓海「…ん」

拓海「よぉ、休憩中か?」

卯月「あっ、拓海ちゃんっ」

卯月「お疲れ様ですっ♪」

拓海「うっす」

ラクガキ「うす」

セピア「たくみん、おつかれー☆」

拓海「おつかれ…って、たくみんは流石に許さねーぞ!?」

セピア「たくみんはダメみたい…」

卯月「ダメなんですか、たくみん…」

拓海「喧嘩か?アタシに喧嘩売ってるんだなオイ?」

ラクガキ「どうどう」

拓海「ったく、お前らはよ…」

拓海「んで、どーしたんだ?」

卯月「えっ?」

拓海「なんかムズカシーツラしてっからよ」

拓海「トレーニング、上手くいってねぇのか?」

卯月「あっ、ううん!」

卯月「そういうわけじゃないんです」

卯月「むしろトレーニングは好調なぐらいでっ!」

拓海「おっ!そりゃなによりだな」

拓海「流石はアタシが認めたライバルだぜッ!」

卯月「えへへっ♪」

拓海「じゃあ、なにを悩んでるんだよって話になるわけだけどよ」

卯月「あ、うん…」

卯月「ナナちゃんのトレーニングは本当に上手くいってると思うんです」

卯月「だけど公式戦に向けて…それだけでいいのかなって」

拓海「なんか足りねーもんがある…ってことか?」

卯月「そんな気がするんです…」

セピア「ナナ…たよりない…?」

卯月「あっ、もちろんナナちゃんのことは信じていますよっ!」

セピア「…よかった☆」

拓海「……」

拓海「確かにそうかもしれねぇな…」

拓海「もちろん公式戦で負けるんだなんてこと、微塵も考えちゃいねーけどよ」

拓海「アタシらも、バトルでぶっちぎる為のなにかが足んねぇって思ってたんだよな…」

ラクガキ「…うす」

卯月「拓海ちゃんたちも…」

拓海「アタシたちに、経験とトレーニング以外に足りねぇもの…」

ちひろ「…その答えは簡単ですよっ♪」

卯月「わっ!?」

卯月「ち、ちひろさんっ。いつの間に…」

ちひろ「ふふっ、驚かせてごめんなさいね」

拓海「ちひろさん、アンタならやっぱりわかんのか?」

拓海「アタシらが公式戦に向けて足りねーもんってのがさ」

ちひろ「もちろんですっ」

ちひろ「だってアシスタントですからね♪」

セピア「あしすたんとって、すごーい!」

卯月「お、教えてください!ちひろさんっ!」

卯月「私たちがトレーニング以外に必要なこと!」

拓海「アタシからも、頼むッ」

拓海「名人になるのに、こんなところで躓きたくはねぇんだッ!」

ちひろ「二人とも…」

ちひろ「(…本当に、一生懸命な二人ですね♪)」

ちひろ「もちろんお教えしますよ♪」

卯月「あ、ありがとうございますっ!」

拓海「すまねぇ、恩に着るぜッ!」

ちひろ「ずばり、あなたたちのモンスターに足りないもの…」

ちひろ「それは新技です!」

卯月「!!」

拓海「新技…そーか…!」

卯月「どの距離でも安定して戦えるように…!」

拓海「試合を決める強烈な一撃…!」

卯月「…けど、そんな簡単に覚えられるのかな」

ちひろ「大丈夫です」

ちひろ「公式戦まで一か月半…」

ちひろ「今なら公式戦に間に合いますから、手配ももう済ませておきました」

拓海「手配?」

ちひろ「新技を覚えるためには修行が一番っ♪」

ちひろ「モンスターたちには明日から一か月…トーブル海岸で修行をしてもらいます!!」

翌日 トーブル海岸

拓海「くぅっ、イイ景色だぜッ!」

拓海「湘南に負けねぇぐらいの海だな、トーブル海岸もよぉ!」

セピア「海って、はじめてみるー!」

ラクガキ「生まれたばかりだしな」

卯月「あはは…」

卯月「(みんな緊張感が無いけど…)」

卯月「(…けど、どうせなら楽しんで強くなるほうが良いよね!)」

卯月「ナナちゃん、休憩時間は一緒に砂のお城作ろうねっ♪」

セピア「…!」

セピア「うんっ☆」

拓海「うっし!アタシらは、ビーチバレーでもやるかッ!」

ラクガキ「うすっ」

桃華「くすっ、随分と賑やかですのね」

卯月「えっ?」

桃華「お話は、ちひろさんから伺っておりますわ」

桃華「ようこそ、トーブル海岸へ」

桃華「わたくし、当修行地の管理者を務めさせていただいてる櫻井桃華です」

桃華「一か月という短い期間ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします♪」

卯月「……」

卯月「管理者…さん…?」

卯月「(随分と大きなバッグを持ってるけど…)」

拓海「オマエみたいなちっこいのが…」

拓海「…いや、見た目で判断するのは良くねぇな」

拓海「向井拓海だ。この一か月よろしく頼むッ」

卯月「し、島村卯月ですっ!よろしくお願いします!」

卯月「(そ、そうだよね。見た目で判断したりしちゃダメだよね)」

卯月「(私たちよりも年下に見えるけど、もしかしたら年上なのかもしれないし!)」

セピア「ナナはナナだよ!」

ラクガキ「アイボー」

桃華「これはどうもご丁寧に♪」

桃華「けれど、気遣いは無用ですわよ?」

桃華「わたくし、こう見えてもまだ12歳ですので…」

桃華「どうぞ、お気軽に桃華と呼んでくださいまし」

卯月「(あっ、やっぱり年下なんだ…)」

拓海「とはいえ、ちびっこでも管理者やってるぐらいだ」

拓海「オマエ…桃華は相当な実力者ってことでいいんだろ?」

卯月「…!」

桃華「……」

桃華「子ども扱いは、いささか不服ではありますが…」

桃華「…人を見る目はおありのようですわね♪」

桃華「とはいえ、ここではわたくしもちひろさんと同じアシスタントの身…」

桃華「あくまでも修行のお手伝いをさせていただくだけですわ」

卯月「……」

卯月「(だけど、ちひろさんが私たちを託すぐらいの子なんだよね…)」

卯月「えっと…桃華、ちゃん?」

桃華「はい?なんでしょう?」

卯月「桃華ちゃんは、どうしてトーブル海岸の管理者さんを?」

桃華「あら、そんなこと」

桃華「深い理由はございませんわ」

桃華「ここトーブル海岸は櫻井財閥の所有地」

桃華「わたくしはただ、自宅の庭の感覚で管理者をしているだけですのよ♪」

卯月「さ、櫻井財閥…!?」

拓海「とんでもねぇお嬢様ってことか…」

桃華「とはいえ…」

桃華「確かにわたくしは、いわゆるお嬢様かもしれませんが…」

桃華「そんな身分は、モンスターブリーダーには関係ありません」

桃華「櫻井家の娘とはいえ、実力を認められたからこそ、ここの管理者を任させているのですわ!」

卯月「…!」

卯月「(まだ12歳なのに、この自信…!)」

拓海「ヘッ、そうじゃなきゃ頼りがいがねぇってもんだ!」

拓海「ビシバシ鍛えてくれよなッ!!」

桃華「くすっ、それはどうもですわ」

桃華「…自己紹介が長くなってしまいましたわね」

桃華「そろそろ修行…始めさせていただいてもよろしいでしょうか?」

卯月「はいっ!!」

拓海「おうっ!!」

セピア「はーい☆」

ラクガキ「うす」

桃華「今回の修行をするにあたっての一番の目標…」

桃華「それは初の公式戦に向けて、新しい技を習得することで間違いはありませんわね?」

卯月「はいっ!」

卯月「ナナちゃんはまだ生まれて間もないから、基本的な打撃技しかもっていなくて…」

セピア「ナナもパンチ以外の、たたかいかたもしたいなーって!」

拓海「アタシらも同じだな」

拓海「うちのアイボーも接近戦しかできねぇんだよ」

ラクガキ「うす」

桃華「つまり遠距離攻撃の習得…」

桃華「でしたら、まずやることは…」

桃華「よいしょ…」ゴソッ…

卯月「…?」

卯月「(バッグの中から…)」

セピア「スイカだ!」

拓海「スイカだぁ?」

拓海「なんだよ、まさか今からスイカ割りでもおっぱじめようってのか?」

桃華「理解が早くて助かりますわ♪」

桃華「そのまさかです」

桃華「モンスターには、このスイカを割っていただきます」

卯月「スイカ…割り…?」

拓海「おいおい…スイカを割るなんざ修行どころかトレーニングにもなんねぇだろ…」

桃華「ただし」

桃華「スイカには一切触れないことが条件でしてよ」

卯月「えっ!?」

拓海「どーいうこった?」

桃華「新技の習得というのは…」

桃華「いわばイメージトレーニングですわ」

桃華「全てのモンスターには、そのモンスターにしかない能力がもともと備わっています」

桃華「つまり技を習得できていない今の状態は、その能力が眠ってしまっている状態ですの」

桃華「その能力を引き出してあげるのに一番なのが、イメージトレーニングということですわ!」

拓海「…なるほどな」

拓海「自分ならどうやってスイカを割れるのかってのを、モンスターにイメージさせて…」

卯月「その強いイメージが、そのまま新しい力になる…!」

桃華「その通りですわ♪」

桃華「とはいえ、そう簡単に出来たら苦労はしませんわよ?」

拓海「ハッ!理屈さえわかりゃあ、出来ないことなんてねぇぜ!」

拓海「アイボー、オマエの気合を見せてやれッ!!」

ラクガキ「…うっす」

桃華「まずはモノリスが挑戦するのですね」

桃華「(さて、お手並み拝見ですわね…)」

拓海「アイボー!ぶちまけてやんなッ!!」

ラクガキ「……」

ラクガキ「(遠くのスイカを割るイメージ、か)」

ラクガキ「(ビームか?)」

ラクガキ「(…いや、そんな超必殺技みたいなものはいきなり出せん)」

ラクガキ「(もっとシンプルに…スイカにヒビを入れるぐらいでいいんだ…)」

ラクガキ「……」すぅ…

ラクガキ「…オオォォォォッ!!!!」キーン…!!!

卯月「わっ!?」

セピア「ひゃっ!?」

拓海「!?」

桃華「…!!」

卯月「な、なんて大きなサケビ声…」

卯月「(音圧で吹き飛ばされそうな…!)」

卯月「(けど、流石に声の音圧だけでスイカが割れるだなんてことは…)」

ピシッ、ビキッ…!

卯月「!」

セピア「あっ、スイカにヒビがはいってる!」

桃華「…お見事ですわ!」

桃華「まさか一発で新技を習得してしまうだなんて…」

桃華「(なんという潜在能力の高さ…!)」

桃華「(ちひろさんが目を掛けるのも納得ですわね…)」

ラクガキ「…ふー」

拓海「…アイボーッ!!!」

ラクガキ「…うす!?」

拓海「オマエ、そんなデケェ声出せたのかよッ!」

拓海「無口なヤツだなって思ってだけど、気合十分バリバリじゃねぇか!」

拓海「流石はアタシの相棒だぜ、アイボーッ!!」

ラクガキ「……」

ラクガキ「…うっす!」

セピア「たくみんとラクガキ、すごーい!」

卯月「…うんっ!凄いね…!」

卯月「この勢いでナナちゃんも…!」

桃華「わかりましたわっ!」

桃華「修行のレベルをあげましょう!」

桃華「もっとあなた方にふさわしい修行を用意してさしあげますわっ!」

卯月「…えっ?」

セピア「ナナ、スイカ割らないの?」

一旦中断
次は修行後編まで書く予定です

>>35
最終章はSランク公式戦突破後、四大大会に向けて…の予定です

>>37
>>38
わかるわ

同日 トーブル海岸闘技場

卯月「…ここは、闘技場?」

拓海「修行地にも、こんなデッケェ闘技場があるのかよ…」

桃華「ふふっ、趣味で作ったものですわ」

拓海「趣味にどんだけ金を…って、アタシが言えるセリフじゃねぇな」

卯月「えっと、私とナナちゃんはここでなにをすれば…?」

桃華「あら、決まっているではありませんか?」

桃華「ブリーダーとモンスターが闘技場でやることは、モンスターバトルですわ!」

卯月「えっ、バトル…!?」

拓海「なんだよ?アタシらで練習試合をしろってのか?」

卯月「ナナちゃんは、まだなにもしていないのに…」

セピア「スイカ食べただけだよー!」

ラクガキ「食べたのか、さっきの」

桃華「そう焦らないでくださいまし」

桃華「これは修行の一環であり…」

桃華「そして、あなた方で戦うわけでもありません」

桃華「…わたくしが、お相手をいたします!」

卯月「!!」

卯月「桃華ちゃんと、バトル…!」

拓海「実戦訓練か!そっちの方が性に合うぜッ!!」

桃華「ですが、現時点では流石にわたくしのモンスターとあなた方のモンスターでは力に差があります」

桃華「バトル形式とはいえど、あくまであなた方の技術を磨く訓練となりますわ」

桃華「なので、わたくしのモンスターはあなた方のモンスターをKOいたしません」

桃華「こちらの判断でギブアップをさせていただきます」

卯月「つまり、私たちもKO勝ちを目的とせずに…」

拓海「バトルで勝つための戦法を叩き込めってことか」

桃華「そうですわね」

桃華「モンスターバトルは、闇雲にKO勝ちを目指すだけでなく…」

桃華「そのモンスターに合った戦法で、如何に優位に立つかが重要だと思っています」

桃華「是非わたくしとのバトルで、それを学んでいただきたいですわ」

卯月「優位に立つ…!」

卯月「(体力の少ないナナちゃんが相手を倒すためにどうやって戦っていけばいいのかを、ここで見極めなきゃっ!)」

桃華「では、あなた方の相手となるわたくしのモンスターを紹介しますわっ」

桃華「おいでませ!バレーヌっ!!」

拓海「おいでませって…モンスターの姿なんか見えねぇけど…」

ざぱーんっ!!

拓海「うおっ!?」

グジラ「ぎゃおすっ!!」

セピア「う、海からでてきたー!?」

卯月「あのモンスターは…グジラ!?」

卯月「(モンスターの中で、もっとも大きいモンスター…)」

卯月「(実物は初めてみたけど…)」

グジラ「ぎゃお」

拓海「グジラって、あんなにデケーのかよ…」

桃華「グジラのバレーヌですわ」

桃華「サイズは大きめですが、なかなかキュートなお顔しているでしょう♪」

桃華「性格もヨイモンなのですが、何故か育てるブリーダーが少ないのです…」

卯月「(その理由は聞いたことがある…)」

卯月「(見た目通りの大食いだから、とにかく食費がかかってしょうがない!)」

卯月「(一般の家庭じゃ、まず飼えないんだろうな…)」

卯月「…あれ?」

セピア「どーしたの、うづきちゃん?」

卯月「今からグジラとバトルをするのは理解したんだけど…」

卯月「ナナちゃんは、まだ新技習得してないなーって…」

セピア「……」

セピア「ホントだ!」

セピア「ナナ、まずは新しい技がほしいっ!」

桃華「ええ、是非とも習得してくださいな」

桃華「…バレーヌとの戦いの中で♪」

グジラ「ぎゃおっ!」

セピア「えー!?」

卯月「つまり…グジラより優位に立つための新技をイメージしながら戦えってこと?」

桃華「ええ、そういうことになりますわね」

セピア「むー…スイカよりむずかしそー…」

桃華「難題を乗り越えていくことは必ず力になります」

桃華「では卯月さんたち…そろそろ始めましょうか!」

卯月「…!」

卯月「はいっ!」

セピア「がんばるっ!!」

セピアリエーヴルVSグジラ

グジラ「ぎゃおー!」

セピア「うー…近くだとホントおっきい…」

卯月「(グジラは間違いなくパワータイプ…)」

卯月「(ナナちゃんは一撃だってもらうわけにはいかない…!)」

卯月「(ナナちゃんが攻撃を避けつつ…)」

卯月「(そのなかで、新技をイメージさせて戦う…)」

卯月「(難しそうだけど…とにかくやってみるしかないっ!)」

拓海「卯月ッ!お前のブリーダー魂を見せてやれッ!!」

ラクガキ「…がんばれや」

桃華「では、試合開始といきましょう」

桃華「もちろん時間は無制限…」

桃華「まずは卯月さんたちから、仕掛けてきてよろしいですわよ」

卯月「…!」

卯月「(相手がなにもしてこない状態で技のイメージをさせる…?)」

卯月「(…いや、それじゃあ試合形式の意味がない!)」

卯月「(ナナちゃんにはバトルの中でイメージをさせてこそ意味がある!!)」

卯月「ナナちゃん、近づいてワンツー!」

ナナ「うんっ!!」スッ…!

桃華「(まずは接近戦…)」

桃華「(さて…ここからどう立ち回ってきますの?)」

セピア「やっ!」シュッ…!

グジラ「!」パチッ…バチッ!

桃華「…!なかなかのスピードですわね」

桃華「ですが…」

セピア「どーだ!」

グジラ「……」

グジラ「ぎゃおす」

セピア「……」

セピア「ぜんぜんきいてなさそー…」

桃華「わたくしのバレーヌは体力の高さはもちろんのこと…」

桃華「攻撃力もトップクラスですから、相手の打撃技には耐性がありましてよ♪」

桃華「さて、次はこちらから…」

卯月「ナナちゃん、すぐに後ろに下がって!」

セピア「…!う、うんっ!」ザッ…!

桃華「あら…!」

>>64
訂正
ナナ「うんっ!!」スッ…! ×

セピア「うんっ!!」スッ…!〇

卯月「(能力の差云々じゃなくて…)」

卯月「(もともとピクシー種は肉弾戦が苦手な種族…)」

卯月「(だから相手と一定の距離を保って、すぐに反撃させないことが一番なんだっ!)」

桃華「(なるほど…基本は理解しているようですわね)」

桃華「ですが…」

卯月「ナナちゃん、今のうちに…!」

桃華「その程度の距離じゃ、まだ近すぎますわっ!」

卯月「…!?」

桃華「バレーヌ!突進しなさいっ!!」

グジラ「ぎゃおすっ!!」ズンズンッ…!!

セピア「わ、わわっ!?」

卯月「な、ナナちゃん!よけてっ!!」

セピア「…んっ!」ヒョイッ…!

グジラ「…ぎゃおっ!」ズンッ…!

卯月「…ほっ」

卯月「(でも、避けることは出来たけど…!)」

グジラ「ぎゃおー!」

セピア「う、うぅ…!」

桃華「ふふっ、この距離でも逃げられまして?」

桃華「バレーヌ!しっぽビンタですわよ!」

グジラ「ぎゃおっ!」ブンッ!

卯月「(だめ…避けられないっ…!)」

セピア「あ、うっ!!」ベシッ!!

卯月「ナナちゃんっ!!」

セピア「う、ぐぅ…」ヨロッ…

桃華「しっぽビンタの命中精度はグジラの中でも随一ですわ」

桃華「次も避けられる保証は無いでしょう」

卯月「(グジラと距離をとることは間違っていなかった…)」

卯月「(だけど…あの程度だと技のイメージをする間も無く、すぐに距離を詰められる…)」

卯月「(さらにもっと後ろに離れないと…?)」

卯月「(ナナちゃんにスピードがあるとはいえ、そんなに簡単にできるの…?)」

桃華「さて…」

桃華「KOはしない…それがルールです」

卯月「!!」

桃華「バレーヌがもう一撃を当ててしまいますと、セピアリエーヴルがケガをしてしまう可能性が高いですわ」

桃華「一度体力を回復してから、もう一度…」

卯月「……」

桃華「…卯月さん?」

卯月「(確かにナナちゃんがケガをしたら、せっかくの修行が元も子も無くなってしまう…)」

卯月「(…だけど)」

セピア「……」

セピア「ナナ、は…」

セピア「まだ、たたかえるっ…!!」グッ…!

卯月「(ナナちゃんは、まだ諦めていないっ…!)」

卯月「(そうだ…KOが無いバトルなんて存在しない…)」

卯月「(むしろピクシー種は、いつだってKO負けと隣り合わせっ!)」

卯月「(それを恐れていたら…前に進めないっ!!)」

桃華「……」

桃華「(止めても無駄、みたいですわね…)」

桃華「…手加減はいたしませんわよ?」

桃華「(その想い…勇気か、それとも無謀か…)」

桃華「あなた方の可能性…わたくしに見せてくださいましっ!」

卯月「ナナちゃん、まだいける…?」

セピア「うづきちゃん…」

セピア「…もちろんっ☆」

卯月「ごめんね、無理をさせちゃって…」

卯月「だけど私も…ナナちゃんと同じ気持ちだからっ!」

セピア「うんっ…ぜったいにあきらめないもんっ!!」

桃華「ですが…根性論だけではなにも変わりませんわよっ!」

卯月「!!」

桃華「バレーヌ!とどめのひっかきですわっ!」

グジラ「ぎゃおっ!!」シュッ…!

卯月「ナナちゃんっ!」

セピア「うんっ!」ヒョイッ…

桃華「(ひっかきは避けましたか…)」

桃華「(ですが…ここからどうされますの!?)」

卯月「ナナちゃん!グジラに思いっきり突撃っ!!」

セピア「…!りょーかいっ!」ダッ…!

グジラ「ぎゃお!?」ボンッ…!

桃華「…!?」

桃華「(後ろに下がるどころか、体当たり…?)」

桃華「(一体何を狙って…)」

卯月「その大きなお腹にぶつかった反動で…」

卯月「後ろまで思いっきり、とんじゃえー!」

桃華「ええっ!?」

セピア「たぁっ!!」ポヨーン…!

グジラ「ぎゃおす!?」

卯月「よしっ!さっきよりも距離がある!」

桃華「(まさか…バレーヌのお腹をトランポリン代わりにして、後ろまで吹き飛ぶだなんて…)」

桃華「(なんて面白い発想をなさるのかしら!)」

桃華「(ですが、どれだけ距離をとったとて…)」

卯月「(遠距離攻撃が出来なければ、ただの時間稼ぎにしかならない…!)」

卯月「あとは、ナナちゃん…お願いっ…!!」

セピア「…!!」

セピア「うんっ!」

セピア「(つぎにグジラに近づかれたら、ナナは負けちゃう…)」

セピア「(もしかしたら、死んじゃうかもしれない…)」

セピア「(…そんなの、やだっ!)」

セピア「(うづきちゃんが、悲しむもんっ!)」

セピア「(ぜったいに近づけさせない…)」

セピア「(そのために、ナナがこの距離からできる攻撃は…)」

セピア「(…魔法!)」

セピア「(じゃあ、グジラに効きそうな魔法ってなに?)」

セピア「……」

セピア「…たぶん」

セピア「これだぁっ!!」バチッ…!

卯月「!」

桃華「!」

セピア「いっけぇー!サンダーっ!!」ドシュッ!

グジラ「ぎゃお!?」ビリッ…!

セピア「……」

セピア「だせたー☆」

グジラ「ぎゃおす…!」

セピア「あれ?でも、あんまり効いてない…?」

セピア「だけど、距離はあるもんっ!」

セピア「もういっぱつー!」ドシュッ!

グジラ「ぎゃお…!」ビリッ…!

セピア「まだまだぁ!」ドシュッ!

グジラ「ぎゃうぅ…!」バリッ…!

セピア「よぉし☆」

拓海「すげぇ…完全にグジラの動きを封じやがった!」

卯月「やった…」

卯月「やったよ、ナナちゃんっ!!」

桃華「……」

桃華「…ここまでですわっ!」

卯月「あっ…えっと…」

桃華「全く…驚かされましたわ」

桃華「距離の取り方、瀕死の状態で格上のモンスターに立ち向かう勇気…」

桃華「そして、新技の習得…」

桃華「…あなた方も期待以上でしたわね♪」

卯月「…!」

卯月「うんっ!ありがとう、桃華ちゃんっ!」

桃華「で・す・が!」

桃華「わたくしが決めたルールには、しっかり従っていただかないと困りますわ!」

桃華「本当にセピアリエーヴルがケガをするところでしたのよっ?」

卯月「うっ…ごめんなさい…」

桃華「モンスターの気持ちを尊重するのも理解は出来ますが…」

桃華「というよりも、卯月さんそのものが負けず嫌いな方なのかもしれませんわね…」

桃華「いずれにしても…」

桃華「…明日からの修行も、ビシバシいきますわよ」

桃華「ちゃんと、無事に乗り越えてくださいな?」

卯月「!」

卯月「はいっ!」

セピア「うづきちゃんっ!!」

卯月「…ナナちゃん、おつかれさまっ!」

セピア「ナナ、魔法おぼえたよっ!」

卯月「うんっ!かっこよかったよー♪」ナデナデ…

セピア「キャハッ…☆」

セピア「…あのね、うづきちゃん?」

卯月「ん?なーに?」

セピア「ナナね、もーっと強くなるから!」

セピア「これからもよろしくおねがいしますっ☆」

卯月「…!」

卯月「な、ナナちゃんっ…!」

卯月「なんていいこなのー!!」ギュッ!

セピア「わぷっ…えへへ…☆」

拓海「アイボー、あれが青春ってやつだぜ…」

ラクガキ「うす」

桃華「……」

桃華「(さて…この一か月という期間で今よりどれほど成長できるのか…)」

桃華「(そしてゆくゆくは…)」

桃華「(わたくしと同じ舞台で…本気のバトルをすることになるやもしれませんわね)」

桃華「…楽しみですわね、バレーヌ」

グジラ「…ぎゃおす!!」

一旦中断

次回はDランク公式戦を書けたらなと思っています

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